ふるさと富山の 「 いま 」 にこだわり、過去から未来を見つめる月刊誌 『 富山写真語 万華鏡 』。 その227号では 「 活字 」 をテーマに、アダナ ・ プレス倶楽部の富山県会員である 「 中島印刷所 」 さんの特集号となっていますのでご紹介します。
中島印刷所(富山県滑川市)
中島正彦さんは昭和29 年生まれ、現在も富山県の滑川市で奥様の伴衣 ( ともい ) さんと、夫婦二人三脚で活版印刷を続けておられます。
父の幸市さんが昭和28年に開業した活版印刷所を、正彦さんが引き継いだのは平成09年のこと、それまではほかの印刷会社で、活版印刷からオフセット平版印刷まで修行を積まれたそうです。
中島正彦さん、伴衣さん ご夫妻
中島印刷所さんの活版印刷機は 手差しの円圧機で、いままで A3 の印刷物から名刺までを、この一台でこなされてきたとのこと。
そこで、名刺の印刷用に 「 小回りが利いて 色替も楽な、小型の活版印刷機があれば……」 と探していたところ 「 Adana-21J 」 の存在を知り、昨年 Adana-21J を導入されました。
写真上) 名刺印刷用に購入された Adana-21J 写真下) 使いこまれた手差し活版印刷機
活版印刷の全盛期、富山の活版印刷所のおもな仕事は、ときを同じくして隆盛であった 「 売薬 ( 家庭用配置薬 )」 関係の印刷だったそうです。
活版印刷は、「 薬売りの命 」 ともされる 「 掛場帳 ( 訪問先の住所 ・ 氏名 ・ 使用薬の種類 ・ 使用量 ・ 売買明細 ・ 家族構成や健康状態などを記す顧客リストのようなもの)」 や、精算書、伝票、厚袋、配布用のおまけ ( 食い合わせ表、人生訓、健康十訓、格言集 ) など、各売薬業者さんからの小口注文の印刷に適していました。
また、そのような印刷物に、木版をもちいて商標や屋号を入れる仕事も多く、年季の入った木版の一部は、今でも現役で使用されているそうです。 印刷物や印刷版から、富山県ならではのお国柄をうかがい知ることができるのも、特徴的でおもしろいところです。
【 写真 : 社団法人・日本写真家協会 会員 風間耕司 】
月刊 『 富山写真語 万華鏡 』 「 第227号 活字 」 定価500円
( 書店販売はしていません。 購入や詳細については以下におたずねください )
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