書 名 長崎がうんだ奇妙人列伝 著 者 江越 弘人 装 本 四六判 上製本 148ページ 発 売 2016年4月27日 定 価 本体1,600円+税 ISBN978-4-947613-93-6 C0021 |
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刊行にあたって | |
「生きる」。それだけで面白い。 「無名」。それがなんだ。無名だからこそ、面白い。 人は、さまざまな人生を歩む。一人として同じ生きざまはない。 ただ一つ、人は「生まれ」、そして「死んで」いく。 ただ、人々は、生と死の間を、さまざまなシュチュエーションで繋げていく。この生と死の間の出来事は、他者からのさまざまな毀誉褒貶(きよほうへん)に覆われる。叩き抜かれ、笑い抜かれ、イジメ抜かれ、そうして、思いがけなく称賛の嵐を浴びた時にも、人間は、自分としての道を歩むほかに方法がない。 人生は思うようにならないものである。また、思った以上に大成功を収めることがある。 最も悪いのは、自分の人生を投げることである。他人の人生も、滑稽であろうと笑うことはできない。人を笑い、貶めることは、自分を貶めていることである。 人生は、自分の信じることを、己の個性・能力で生き抜き、生と死の間を繋いでいかねばならない。その「繋ぎ」は、人みな違っている。 つまり、人類はすべて「奇妙人」である。そこには、何ら価値の差はない。お金が入ってきても、来なくても、一生懸命に自分に課せられた環境・時代・能力などに従って生きていくことは、とても尊(たっと)いことである。 私は、この書を読んで、一地方に生きた奇妙人を知り、共感し、さらに、己の中の奇妙人を発見してくれたら、何よりもうれしいことだと思っている。他人の奇妙を知り、自分の奇妙を自覚することが、人を優しくするのである。
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平成28年3月26日 | |
主な内容(目次より) | |
第一章 | 祥平じいさんの大旅行 (日本の果てからこんにちは) |
一 | プロローグ(大旅行家宮原祥平さんの人となり) |
二 | 祥平さん、旅に目覚める |
三 | 祥平さんの旅、いよいよ佳境にはいる |
四 | 終盤、哀愁の夜行列車 |
五 | 祥平さんは忍者だった? |
第二章 | 長崎の自由民権運動(富永隼太の敗北) |
一 | 自由民権運動ってなあに |
二 | 遅れた長崎の自由民権運動 |
三 | 富永隼太の登場 |
四 | 明治維新から弾き出された富永家と荘家 |
五 | 隼太、衆議院に打って出る (第一回衆議院総選挙) |
六 | 忘れ去られた長崎県での大選挙干渉 (第二回総選挙) |
七 | 隼太、国会に帰り咲く |
八 | 富永隼太の退場(第七回衆議院総選挙) |
九 | 隼太の晩年 |
第三章 | まじめ人間『長崎七兵衛物語』 |
一 | 七兵衛を語るにあたって |
二 | 長崎七兵衛の生い立ち |
三 | まじめで元気、気配りの平蔵(七兵衛) |
四 | 何でもこなして切り抜けた明治維新 |
五 | 雀百まで同じ歌をうたう |
六 | 日本人と歴史認識 |
著者略歴 | |
江越 弘人(えごし ひろと) | |
昭和10(1935)年、長崎市(旧高浜村)生まれ。 昭和34(1959)年、長崎大学学芸学部卒業。 長崎県公立学校教員(小学校)を歴任。 平成8(1996)年、定年退職(最終勤務校、長崎市立鳴見台小学校)。現在、長崎の歴史と史跡について講演やガイドを精力的に行なっている。 著書に 『白帆注進』(共著、長崎新聞社)。『幕末の外交官森山栄之助』(弦書房)。『〈トピックスで読む〉長崎の歴史』(弦書房)。『逃げる男 活版印刷の祖・本木昌造』(長崎新聞社)など。 |
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