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新宿私塾忘年会 +涮涮ってなに? スキヤキの漢字は?
《2012年12月22日[土]新宿私塾第21期生 懇親忘年会》
12月の声をきいたら、あちこちで新宿私塾修了生が、同期ごとに懇親会を兼ねた忘年会を開催しています。それぞれの期ごとに幹事が工夫して、安く、楽しく、お酒もたくさん呑める会場をさがしての開催です。
おおむね女性が幹事ですと、しゃれた、グルメ調の洋風の店になり、男性が幹事ですと、大衆居酒屋のようなところになるようです。
新宿私塾第21期生は現在履修中で、22日は希望者に向けて、特講「アドリアン・フルティガーの造形と、その応用展開」が実施されました。
当日は貴重なDVD画像を見て、たくさんの資料をかかえたまま、夕刻5時半にビックロの裏側にある「しゃぶしゃぶのお店」に駆けつけました。
ビルのなかにある、清潔でおしゃれなお店でした。お料理の中心は「スキヤキ風しゃぶしゃぶ」(写真:町田さん提供)。町田さんによると、
「しゃぶしゃぶは食べるのが忙しいし、美味しくてメンバーの写真を撮ることを忘れちゃった」
そうです。
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ところで肉の鍋料理「しゃぶしゃぶ」の起源は意外にあたらしく、1952年(昭和27年)に大阪のスエヒロが、自店の料理として出すときに「しゃぶしゃぶ」と命名したもので、これがはじまりとされています。
同店では1955年(昭和30年)に「しゃぶしゃぶ」ではなく「肉のしゃぶしゃぶ」の名で商標登録をしています。ここでは「しゃぶしゃぶ」はひら仮名であらわされています。
台湾では「日式」というと日本風ということになりますが、台北のまちに写真のような「日式鍋料理 涮涮鍋」のお店がありました。同行していた 林昆範 さんによりますと、
「涮涮鍋は シュワンシュワン-グヮ といいます。みんなが日本の料理だと知っていますし、意味からいうと 涮鍋 でもでいいのですが、涮涮 シュワン シュワン と繰りかえすことで、スープのなかでサッサ、サッサと肉をゆする行為をうまくあらわしていますね。
台湾には似たような鍋料理に、蒙古族の 涮羊肉 シュワン-ヤン-ロウ, shuàn yáng ròu という、羊の肉の火鍋料理もありますから、蒙古族や女真族の料理が日本で変化したものかもしれません」
[説文解字風にまとめました]
許慎六書の法でいう会意を3回繰りかえした字。
「氵」は水(ここではスープ、だし汁)をあらわす。
「刷」はサッとこすり取るが原義。はく、清める、サッとなでてゴミを取りさる。する「印刷」
左側は「尸シリ+布ヌノ」の会意の字で、人が布でお尻の汚れを拭きとる意をしめす。
刷はそれに刀をくわえた字で、刀のような細長いもので、サッと汚れをこすりとる意。
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宴たけなわ、お酒もだいぶまわったころ、チョイと意地悪な質問を。
「このコースターの裏に、スキヤキ を漢字で書いてください!」
「え~ぇ、スキヤキに漢字なんてあるんですか~?」
とワイワイガヤガヤやって、できたのが下の図版です。残念ながら全員アウト!
正解は下にあります。塾生の皆さん、後半戦も頑張りましょう!
牛・鶏肉などに、ネギ・焼き豆腐などを添えて、鉄鍋で煮焼きしたもの。
明治維新の前、まだ獣肉食が敬遠されていたころ、屋外で鋤スキの上に獣肉をのせ、焼いて食べたからとされる。また肉をすき身(薄切り)にしたからともいう。〔広辞苑〕
2012 武蔵野美術大学 助手展2012 開催されました。
助手展 2012 武蔵野美術大学助手研究発表
The Research Associate Exhibition 2012
- 会 期| 第1期:2012年11月26日[月]-12月08日[土]
第2期:2012年12月10日[月]-12月22日[土]
会 場| 武蔵野美術大学 美術館 展示室1、2 - Web site|http://musabi.ac.jp/ra/2012/
- 主 催| 武蔵野美術大学 美術館・図書館
企 画| 助手展2012運営委員会
武蔵野美術大学の各研究室に所属する助手の皆さんによる、作品と研究成果の展覧会です。美術、デザイン全般にわたる作品と研究成果が、同大学美術館展示室で、2 期にわけて発表されました。
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武蔵野美術大学《助手展2012 第 2 期》に「504ポイントのコンポジション」のテーマで参加された日吉洋人ヒロトさん(基礎デザイン学科助手、アダナ・プレス倶楽部会員、活版カレッジ修了)から、同展の情報と、データーの提供をいただきました。
日吉さんは、武蔵野美術大学基礎デザイン学科助手としての勤務のかたわら、活字版印刷にこだわって、21世紀、あるいは平成の時代になってから、わが国はじめての「活字鋳造工・活字組版工見習い」として研鑽をつづけているかたです。
また、武蔵野美術大学基礎デザイン学科には、小型活版印刷機 Adana-21J が導入されており、活字の追加購入も盛んです。もちろん学生の皆さんや助手の皆さんの積極的な使用がみられます。
活字 100 本を使用。インテルの長さは五号 24 倍。
行間のあきは、五号全角、二分、四分、八分を
組み合わせて使用。
込め物は、五号四倍、三倍、二倍、全角、二分、
三分、四分を組み合わせて使用。
既に構成を志向しているように感じます。
制御され、結果として法則性をあたえられて
います。そのことは、版面のなかに破綻をあた
今回の研究・展示「504ポイントのコンポジション」のテーマで、日吉洋人さんが着目した「504ポイント」とは、わが国の「金属活字新号数制」のもとでの最小公倍数としてもちいられた数値です。また、それを厳格に計測するための「活字の原器」の存在を、本年03月に『花筏』に報告しました。そのときからすでに日吉さんはこのテーマの共同研究者でした。
★『花筏』タイポグラフィ あのねのね*019「活字の原器と活字のステッキとは-活字の最小公倍数 504pt. とは」2012年03月17日掲載
また「五号24倍」とは、活版印刷のおもに端物業者(名刺・カードなどの少量小型印刷業者)がよく使う倍数で、端物印刷には適応性がとても高い数値です。
今回の研究に際して、日吉さんが「活字の原器」の数値をさらに厳格に調査したところ、前掲資料の一部に齟齬があることが判明しましたので、『花筏』のデーターも修整して再掲載いたします。
東洋美術 ACTY #2 大牟田2047展覧会
■ 2012年12月10日[月]-12月15日[土]
■ 東洋美術ギャラリー館
ACTY #2 大牟田2047
デザイン研究会 アクティ、2 年ぶりの展示は『大牟田2047』と題し、現在、九州の地方都市で進行しているプロジェクトを紹介致します。
日本の近代化を支えたまち-福岡県大牟田市。ここはかつて三井三池炭鉱によって栄えたまちでした。日本の近代化をなぞるように発展したこのまち。最盛期には国内におけるエネルギーの源、そのおよそ一割が、ここで産出された石炭だった時代もあるそうです。このまちが日本の近代化を支えたといっても過言ではありません。
しかしエネルギー需要の変化に伴い、1997年に炭鉱は閉山。以来、十余年。このまちはあらたな都市としての生き方を模索しています。かつての炭鉱施設を近代化産業遺産として保存活用しようとする試みや、地元NPOの尽力による炭都としての価値付け。また高齢化に応じたホスピタリティの充実など……。
今、このまちは自身の本質を見据えながら、一歩一歩、着実に前に進もうとしています。
■ デザイン研究室産学連携事務局 中村将大
クリエイティブデザイン科4 年 加久本真美
クリエイティブデザイン科3年 栫井篤
クリエイティブデザイン科1年 木下玲子、武田知世、
藤瀬千香子
グラフィックデザイン科1年 高野千鶴
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東洋美術学校、とりわけ産学連携事務局の皆さんには
お世話になることが多い。
産学連携のプロジェクトで、かつては日本四大産炭地の
ひとつとされた大牟田のまちの再生プロジェクトへの
取り組みがある。
今回はその2回目の発表で、廃鉱のまちとされた地域が、
あたらしい歩みをはじめる。
その一歩一歩を記録し、あらたな提案も試みていた。
展示はコンピューター画像を、屋外にも投影するなど、
意欲的な取り組みもなされていた。
糸 絵 文 紋 字 を考える旅-台湾大藝埕の茶館で
《2012年11月23-25日、台北の茶館で林昆範老師と歓談》
関与先の台湾企業から、訪台の要請があり、22日の最終航空便の手配をされました。翌23日[金]は早朝からその用件に追われましたが、ここで報告するような内容ではありませんので割愛。
24日[土]は無事に解放されたので、久しぶりに 林昆範 さんとお会いすることに。
林昆範 リン-クンファン さんは、日大藝術学部大学院の修士課程・博士課程履修のあいだ、当時の指導教授・松永先生のご指示で、実に律儀に、誠実に、夏休みもなく朗文堂に毎週 1 回かよわれたかたです。
博士課程履修の後半は「グループ 昴」の一員としても活躍され、その成果を朗文堂 タイポグラフィ・ジャーナル ヴィネットに、『中国の古典書物』『元朝体と明朝体の形成』『楷書体の源流をさぐる』『石の書物-開成石経』などにまとめられました。
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林さんは博士号取得後に帰国され、現在は台湾中原大学助教授として、しばしば学生を引率して大陸中国で「中国少数民族の文化」の調査・研究にあたっており、今回は中国南西部での調査から、前日に帰国されたばかりでした。
それでも疲れもみせず、ホテルのロビーまでピック・アップにきていただきました。
★朗文堂ニュース:林昆範関連図書のおすすめ 2010年03月11日
久しぶりの再会のあとは、もうすっかり日程管理は林さんにお任せ。
「大藝埕 ダイゲイテイ にいきましょう。もともと日本統治時代に開発され、銀行や商事会社がたくさんあったまちですが、いまは東京の代官山のように再開発がすすんで、若者に人気のお店がたくさんあります」
「大藝埕は、日本のガイドブックには、美食街とされていますね」
「美食はカタシオさんは苦手でしょう。ご案内したいのは、隍廟(コウビョウ 道教)の隣の茶館です。ここは日本統治時代のビルを改装して、現代台湾のデザインショップや、ギャラリーもありますし、なによりも、ふるい臺灣と、あたらしい台湾がみられますから……」
しばらく大藝埕ダイゲイテイのまちをぶらついて、隍廟コウビョウの隣のふるいビル・民藝埕ミンゲイテイにはいりました。
このあたりは日本統治時代の築70年余のビルが多いのですが、さりとて日本風というわけではなく、コロニアル・スタイルというか、大正ロマンというか、アールデコというか、つまり無国籍なふしぎな感じをうけます。
漢方薬や骨董品などの、日本人観光客めあてのお店もありますが、いまはガイドブックの紹介も減って、日本人の姿はあまりみかけません。
ブック・カフェやデザイン小物の店がならぶ、まちあるきのあいだに、林さんの教え子たちとしばしば出会いました。なかにはかつて林さんに引率されて、朗文堂までこられた学生さんもいて、道教の廟「台北霞海城 隍廟」では道教式の礼拝の作法なども教わりました。
「林さん、埕テイ とはどういう意味ですか ?」
「商店街とか、マーケットということでしょうか」
帰国後に調べてみましました。「埕」とは本来口が細長い素焼きの酒瓶であり、ふるい製法の塩田の名称にももちいられます。この「細長い」の意から、細長くつづく商店街やマーケットのことになるようです。
民藝埕ミンゲイテイにはいくつもの商店やギャラリーが入っていましたが、どの施設も、あまりにむき出しで、素朴な、バウハウス・スタイル、1925年代国際様式、あるいは「白の時代」で溢れていて、こちらが照れてしまうほどでした。
それでも茶館「陶一進民藝埕トウイッシン-ミンゲイテイ」に入って、しばらくして「なるほどなぁ」と納得させられました。
ちなみに、茶館「陶一進民藝埕」で、80種類ほどもある「お茶」のなかからオーダーしたのは、写真手前が林さんのもので、インド北東部ヒマラヤ山脈南麓産の「ダージリン紅茶」でした。写真奥がやつがれのもので、中国江蘇省蘇州産の緑茶「璧羅春 ヘキラシュン 茶」です。なかなか国際色ゆたかです。
茶館「陶一進民藝埕」のパンフレットを簡略に紹介すると以下のようになります。
当店は台湾民藝100年の伝統と、現代日本のデザインを弁証法的に融合させた茶館です。
日本の民藝と美学の大家である柳宗悦氏、工藝デザインの大家の柳宗理氏の父子両代の理論と作品の数数と、喫茶を通じて対話していただきます。
つまり「民藝埕」に関与したとされる柳 宗悦( やなぎ むねよし、1889年3月21日-1961年5月3日)は、旧制学習院高等科から東京帝國大学在学中に、同人雑誌グループ白樺派に参加。
のちに香港うまれの英国人で、画家・デザイナー・陶芸家として知られるバーナード・リーチの知遇をえて、英国19世紀世紀末の「アーツ&クラフツ運動」に触発されて、手仕事の復権や日用品と美の問題などを語り合い「民藝運動」を起こし、生活に即した民藝品に注目して「用の美」を唱えました。また1936年(昭和11)東京都目黒区に「日本民藝館」を設立して、1957年(昭和32)文化功労者となりました。
またその子息、柳 宗理 (やなぎ そうり、本名:宗理 むねみち、1915年6月29日-2011年12月25日)は、惜しいことに昨年暮れに亡くなりましたが、日本の著名なプロダクトデザイナーでした。
柳宗理は1934年東京美術学校洋画科入学。バウハウスまなんだ水谷武彦の講義によってル・コルビジェの存在を知り、工業デザインに関心を持つようになり、プロダクトデザイナーとして活躍したひとでした。
柳宗理の師となった 水谷武彦 (みつたに たけひこ、1898年-1969年)は、日本の美術教育、建築の教育者です。また日本人として最初にバウハウス(Bauhaus)へ留学した人物としても知られます。帰国後には様様な活動をつうじて、日本にバウハウスを紹介し、その教育を実践した人物です。
これらの「アーツ&クラフツ運動」や「バウハウス国際様式」にまなんだ人物が、どのようなかたちで、どこまで「大藝埕」の景観づくりと、「民藝埕」ビルと、茶館「陶一進民藝埕」などの再開発に関わったかは不詳です。
それでも「国際様式」とはたれが名づけたものか知りませんが、全体に激しい色彩とインパクトの強い形象が目立つ台湾のまちのなかで、この大藝埕あたりのランドスケープは、かなり異なった風合いがありました。
茶館「陶一進民藝埕」の食器(テーブルウェア)は、すべて柳宗理のデザインによるもので、純白の器のなかに、お茶の淡い色彩が浮かびあがります。
おおきな急須に、ときおり従業員のお嬢さんがお湯を注いでくれますので、ほどよく蒸れたころ、それをガラスの器にうつして、ちいさな茶碗で喫茶します。
「陶一進民藝埕」には3時間余も、写真のお茶だけで長居しましたが、べつに嫌がられもせず、つぎつぎとお湯を注いでくれました。料金はそこそこの値段で、お菓子もついて日本円で500円ほどだったでしょうか。
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林さんとのはなしに夢中になっているうちに、いつの間にか、かつての新宿邑の雑然とした朗文堂社内にいるころとおなじように、たがいにあつくなって、タイポグラフィ論議を展開していました。
テーマのほとんどは文+字=文字でした。蒼頡 ソウケツ 神話をかたり、そして許愼キョシン『説文解字』をかたりあいました。
「糸 繪 文 糸 紋 宀 子 字」そして「文+字、文字」でした。
先述したように林昆範さんは、中国大陸における観光産業との共同作業で「中国少数民族の文化」を考察・研究されていましたが、その途中経過をパソコン画面で提示しながら中間報告をしていただきました。
中国にはいまでも 54 ほどの少数民族があって、それぞれに守護神をもち、それを象徴化した図画・紋様をもつということでした。そして民族が守護神を失ったとき、その紋様とともに滅亡にいたるという報告は新鮮でした。
────
帰国からしばらくして、写真が添付された@メールに、以下のようなうれしい報告がありました。
久しぶりにゆっくりおはなしができて、刺激的でしたし、発奮しました。
近年、大陸における観光産業との共同研究で、中国少数民族の文化を考察しています。それらの考察はデザインに使われる素材〔紋様〕として扱い、その素材収集が中心でしたが、これでは研究とはいえなくて悩み、まして論文発表までは考えてもいませんでした。
ところが、片塩さんのご指摘により、伝統紋様は原始の〔ことば〕であることを理解しました。即ち、「文」の造形性が強調されて「紋様」になりました。そして「文」の記号性が強調されて「字」になりました。この両者が結合したものが「文字」ということでいいですね……。
来年の夏までに、先日のご指摘と、これまでの収集の成果を見なおして、なんらかの発表ができるようにまとめることに全力をあげます。
日本と台湾でお互いにがんばりましょう。 林 昆範
(写真はすべて林昆範氏撮影)
新宿私塾 Field Work +
新宿私塾第 21 期 第 9 回講座
フィールド・ワーク 理想社で書籍製作をまなぶ
──
11月17日[土]、あいにくの天候で、ときおり激しい風雨がおそった日であったが、新宿私塾の塾生諸君は元気いっぱい。はじめて教場をはなれて、新宿区改代町の公版書籍印刷所/株式会社理想社(田中宏明社長)においてフィールド・ワーク。
理想社さんでのフィールド・ワークは、第1期生-今回の第21期生まで、一貫してフィールド・ワークを受けいれていただいている。
ここで塾生諸君は、これまで学んできた名刺・カードなどの端物印刷、エフェメラなどの小型平面印刷物の魅力とともに、あらたに三次元の印刷物、本格的な書籍の製造法に触れることになる。
講師は田中社長自らが担当。
理想社は秀英舎(現大日本印刷)出身の、初代田中末吉によって、1921年(大正10)牛込区柳町において「理想社組版所」としてスタートした、同社の活字版印刷術を基礎とした歴史と、「理想社書体」へのあついおもいがかたられる。
理想社における高度な組版術、そして柔軟かつ多様性をもった理想社ハウス・ルールの紹介のあと、実際の書籍としての組版術(Composition)、組みつけ・面つけ(Imposition)と、その効果的な利用法も伝授される。
あわせて実践的な書籍本文用印刷用紙選択の秘訣もかたられる。タイポグラフィが、平面構成から、三次元の書物への、華麗なる変貌をみせる瞬間である。
その講義はたっぷり 2 時間にわたり、ついで 2 班にわかれて、組版現場、整版現場、印刷現場、ストック・ヤードの見学に出発する。
おなじ「プリンター」といっても、机上の軽便な「プリンター」と違って、上掲写真の三菱製作所「四六全判オフセット平版印刷機」の迫力は圧倒的である。それがまた何台も列んで、ミクロン単位の厳格な精度管理のもとに「印刷 Printing」がなされていく景観に、塾生諸君はいささか圧倒される。
轟音をとどろかせて稼働する印刷機の背後には、もちろん最大の部署「組版部」があるが、ここは進行中の企画や企業情報のかたまりのような場所でもあり、さすがに撮影はお断り。いずれにしても、さまざまな組版機がならび、さまざまなソフトウェアがドライブしている。
理想社の社歴は90年余とながいが、印刷機器の設備投資は熱心にかさねてきた。コンピューターと連動するCTP室はその最先端技術を誇る部署である。できあがった印刷物からはうかがえない、高度な技術が積みかさねられている。
印刷の歴史は、また技術変革の歴史でもあった。理想社90年余の歴史の積みかさねのなかでは、活版印刷時代の「紙型 Paper Mold」、オフセット平版時代からの「製版フィルム」などが、増刷をまってストックヤードでねむっている。消費と回転のはやい商業印刷と異なり、公版書籍印刷所のかくれた一面でもある。
参考資料:★タイポグラフィ あのねのね *020
1921(大正10)年創業、創業90周年を迎えた印刷会社 理想社
午後 1 時から開始された「新宿私塾/理想社フィールド・ワーク」は、陽もすっかり傾いた 5 時に終了。
新宿私塾 21 期の講座も第 9 回目を迎え、塾生同士もすっかり打ち解け、同じ目的意識を確認しあった仲になったようです。
このあと、あいにくの雨天のなか、塾生同士がかたらって「懇親会」にでかけたようですが……。
『英語本の扉』著者講演会 終了!
《『英語本の扉』髙野 彰先生 著者講演会は終了いたしました》
2012年11月10日[土]爽やかな秋晴れにめぐまれ、本講演会は終了いたしました。
講師の 髙野 彰 先生をはじめ、ご来場いただきました愛読者の皆さま、東洋美術学校の関係者の皆さまに、こころより御礼を申しあげます。
講演会ご参加の皆さまにむけた『英語本の扉』のサイン会も開催。
猫のイラストに2012年11月10日のひづけが暗喩されています。
講演では、書物における扉ページにまつわるいくつものエピソードの紹介がなされました。また、ダガー † をはじめとする引用符の役割、年号の標記法などを、たくさんの図版をもとにして諄諄ととかれる講演に、会場の熱気はどんどんたかまり、講演終了後のサイン会では長い行列ができていました。
日 時:2012年11月10日[土]
14:00 - 16:00
会 場:東洋美術学校 D棟 学生ホール
主 催:株式会社 朗文堂
160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo/
Facsimile: 03-3352-5160
後 援:学校法人専門学校 東洋美術学校
産学連携事務局・デザイン研究会 アクティ
【講師紹介】
髙 野 彰 Takano Akira
1941年生まれ。跡見学園女子大学文学部特任教授。
博士(日本文化)。
主要著書:『洋書の話』増補版(1995年、丸善)、『帝国大学図書館成立の研究』(2004年、ゆまに書房)、『英語本の扉 その歴史と役割』(2012年8月、朗文堂)
詳細記録: フライヤーPDF
【ブックコスミイク】新刊書籍 髙野 彰著『英語本の扉』のご案内
英語本の扉 その歴史と役割
◯ 著 者 : 髙 野 彰
◯ 装 本 : A5判 並製本 ジャケット付 176ページ
◯ 発行日: 2012年8月28日
◯ 定 価 : 本体1,900円+税
ISBN978-4-947613-86-8 C3000
本書は「扉」の役割とその歴史を解き明かした書物です。
書物に関心のある人にとって、刺激的な内容になっています。
1500年頃の英語本の扉には、木版の書名、木版の絵を併用した書名、扉全体を囲んだ装飾の枠内に示された書名、コップや逆三角形やワイングラスの形をした書名など、興味深い工夫が目に付きます。
こんな工夫をしたのは、扉ページを本文ページとみなしていたからです。
そのおかげで、扉は本の品質を保証するページになれるのです。
『英語本の扉』を語る 出版記念講演会
朗文堂8月の新刊『英語本の扉 ─ その歴史と役割』の著者/高野彰先生をお迎えして、出版記念講演会を開催いたします。
『英語本の扉 ─ その歴史と役割』は、当日会場内でもご購入いただけます。
また、当日講演会終了後に著者サイン会を開催いたしますので、すでに本書をご購入のかたで、著者のサインをご希望のかたは『英語本の扉』をご持参ください。
現在編集部では、講演用スライド製作のお手伝いをしておりますが、スライド、レジュメともにとても平易で、興味深い内容ばかりです。
著者・高野彰先生は、研究者らしく、とても謙虚で、シャイなかたで、またユーモアもあるかたです。
ところがなにしろ派手なことは嫌いだとされて、ようやく著者サイン会だけは承諾していただきましたが、写真紹介は許していただけません。ですから、会場におみえいただけたら、高野先生のふところのふかい魅力で、感動されることは必至かと……。
まだ会場に若干の余裕がありますので、下記のご案内をご覧いただき、友人・知人をお誘いのうえ、ふるってご参加ください。
その際、会場構成とレジュメの準備もございますので、下記宛てに@メールをお寄せたまわると幸甚です。
日 時:2012年11月10日[土]
14:00 - 16:00(13:40より受付開始)
会 場:東洋美術学校 D棟 学生ホール
161-0067 東京都新宿区富久町2-6
地図は:http://www.to-bi.ac.jp/access/
聴講料:1,000円
主 催:株式会社 朗文堂
160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo/
Facsimile: 03-3352-5160
後 援:学校法人専門学校 東洋美術学校
産学連携事務局・デザイン研究会 アクティ
◎聴講申し込み登録:
資料・会場準備のために、朗文堂@メール
robundo@ops.dti.ne.jp
に、件名「出版記念講演会申し込み」として、
お名前・人数・返信用メールアドレスを明記して
2012年10月31日までにご送信ください。
3営業日以内にお断りの返信が無い場合は
受付完了とさせていただきます。
【講師紹介】
髙 野 彰 Takano Akira
1941年生まれ。跡見学園女子大学文学部特任教授。
博士(日本文化)。
主要著書:『洋書の話』増補版(1995年、丸善)、『帝国大学図書館成立の研究』(2004年、ゆまに書房)、『英語本の扉 その歴史と役割』(2012年8月、朗文堂)
会場地図入り フライヤーPDF
TTFからOTFへの交換を実施します
この無償交換サービス対応は
先月(2012年11月)いっぱいで終了 !
引き続きプロフェッショナルの皆さまを満足させる
朗文堂 タイプコスミイクのデジタルタイプへの
ご支持 ご声援をお願いいたします !!
「欣喜堂 Digital Typefaces シリーズ」のご愛用をたまわりありがとうございます。
「欣喜堂 Digital Typefaces シリーズ」(PDF)の書体設計は、欣喜堂・今田欣一氏によるものです。
販売は 朗文堂タイプコスミイク によるものです。
小社では2002年(平成14)9月の発売以来、安心・安全・確実な、CDRメディアをもちいて当該書体の販売にあたってまいりました。
そのころはまた、ちょうど TrueType font から OpenType font へのフォーマットのきりかえの端境期にありました。
そのために、2010年(平成22)2月に朗文堂タイプコスミイクにおける OTF フォーマットへの切りかえが完了するまでのあいだ、以下の7パッケージの一部が TTF フォーマットでの販売となりました。
近年デジタル・フォントのフォーマットが、ほとんど OTF フォーマットに集約されたのを機に、発売当初の TTF フォーマットによる書体パッケージを、ご希望のかたに限り、以下のように交換させていただきます。
──────────
【 TTF から OTF フォーマット・パッケージへの無償交換を実施いたします 】
- 交換対象商品は、以下の7書体の TTF 版パッケージです。
「正調明朝体 Combination 3」、「四川宋朝体 Combination 3」、「清朝官刻体 Combination 3」、「和字 Revision 9」、「和字 Tradition 9」、「和字 Succession 9」、「和字 Ambition 9」。 - 朗文堂タイプコスミイクと、その指定販売会社から TTF フォーマットによって上記の7書体のデジタル・タイプパッケージを購入されたお客さまは、当該書体のパッケージをご提示いただくだけで、ご来社の場合は当該書体と同一の OTF 版に無償交換(書体名とご来社時間をご予約ください)となります。
ご送付を希望のばあいは、梱包・送料(ヤマト運輸宅配便、送料受取人払い)だけのご負担で、同一書体のOTF フォーマットに交換いたします。 - 書体パッケージを紛失されたお客さまでも、「購入社名(購入者名)、購入年月日(およそで結構です)」により、小社顧客台帳にて販売実績の確認ができますのでお申し出ください。
また欣喜堂書体シリーズは、ダウンロード方式による販売もおこなっていますが、今回の朗文堂タイプコスミイクでの交換の取扱いは、あくまでも小社販売による CDR パッケージ書体商品に限定いたします。 - この OTF パッケージへの交換は、2012年(平成24)8月1日-11月31日までの期間とします。また将来デジタル・タイプのフォーマットが変更になった場合、それへの無償対応を保証するものではありません。
- 本件のご発注とお問い合わせは、 robundo@ops.dti.ne.jp » send email 、Telefacsimile 03-3352-5160 までお願いいたします。
- 本文書に記載されている会社名・商品名などは、各社の商標または、登録商標などを含みます。
【日本語総合書体 ── 新パッケージ】
【日本語和字(ひら仮名・カタ仮名)書体 ── 新パッケージ】
日大藝術学部 Typography Seminar 終了!
日本大学藝術学部デザイン学科 特別講義
Typography Seminar
Helmut Schmid
Jiro Katashio
Akiteru Nakajima
2012年10月27日[土] 14:00-17:50
展示/デザイン・プレゼンテーションルーム
講演/日本大学藝術学部 江古田校舎 西棟B1
企画・進行/細谷 誠専任講師
展示会と特別講義は、中島安貴輝主任教授の長年にわたるデザイン活動と、デザイン教育を綴り、それを記録・展示し、次代のデザインを背負う学生の皆さんと、あらたな方向性を模索するという、とても意欲に富んだ、内容の濃いテーマでした。
この企画・展示・進行は同大の細谷 誠専任講師。
特別講義の講師は、中島安貴輝主任教授と、ゲストとして、年代がちかく、長年にわたって親好がふかい関係(悪友 !?)だった、ヘルムート・シュミットさん、片塩二朗でした。
シュミットさんは、タイポグラファになろうと決意し、欧州各国での活版印刷所で「コンポジター 植字工」として修行し、ついに念願のバーゼルでエミル・ルーダー氏の教育を受けるにいたった経緯、そして定員3名だけの、ちいさな私塾ともいえた、ルーダー氏のタイポグラフィ教育内容を、大量の写真データとともに紹介されました。
中島安貴輝主任教授 は、東京オリンピックに日藝の学生のころから、勝美勝先生門下生として「青年将校」のようなかたちで関わり、のちに沖縄海洋博覧会のデザインディレクターとして活躍されたことを、丹念に事例報告され、「デザインも、アソビも、めいっぱい」と学生諸君を激励されていました。
この特別講義の企画にあたられた 細谷 誠専任講師 は、お若いころに、 ヘルムート・シュミット氏の『バーゼルへの道』を購読されて大きな感銘をうけられたそうです。
ついでながらヘルムート・シュミット氏の『japan, japanese』 の著者講演会を、来春に朗文堂主催での開催を予定しています。
詳細はあらためて新春にお知らせいたします。
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「Typography Seminar」は、日大藝術学部の授業の一環でしたが、外部からの参加も自由ということでしたので、わずかに朗文堂社内に A3 判告知ポスターを掲示しておきました。
そのために、新宿私塾塾生と、修了生がたくさん押しかけて、講義室は溢れんばかりの盛況となりました。中島先生、細谷先生にはもろもろご迷惑をおかけしました。
あらためておどろきましたが、新宿私塾の塾生には、日大藝術学部のデザイン科だけでなく、写真科、建築科などの学生・卒業生もたくさん在籍していました。そんなかれらが大挙して講演会に押しかけたようです。
ですから「懇親会第2部-いわゆる二次会ですね」は「日藝生」ならではの秘密の? 根城にいき、「ヤカンビール」などという、珍奇な飲みものも登場して、土曜の夜はシンシンとふけていきました。
活版ルネサンスフェア 終了いたしました。
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とき * 2012年9月28日[金]29日[土] 13:30―19:00
ところ * 朗文堂4F-B
160-0022 新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F
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第13回活版ルネサンスフェアは、たくさんのお客さまをむかえて
無事に終了しました。ご来場の皆さま、ありがとうございました。
今回はここ数回の【活版ルネサンス】で人気だった樹脂凸版用
メタルベースだけでなく、活字込め物や活字倍数尺などを
スタッフとじっくり相談し、購入されるお客さまが多のが特徴でした。
どうやら風向きがかわり、簡便な樹脂凸版だけでなく、本格的な
活字版印刷への転換がゆっくりながらはじまっているようです。
次回の開催は来年、2013年03月を予定しております。
その間、活版印刷の機材・資材のご購入、あるいはご質問などは
ご遠慮無くアダナ・プレス倶楽部までご相談ください。
いよいよ秋の創作シーズンです。皆さまのご健闘を祈念します。
《アダナ・プレス倶楽部は、皆さまに支えられて奮闘中です》
朗文堂 アダナ・プレス倶楽部は、発足から7年、Adana-21J の発売開始から5年が経過しました。この間の皆さまからの暖かいご支援と、ご協力に、ただただ感謝の毎日でございます。
今後とも皆さまに支えられながら、また、あらたな、そしてさまざまな飛翔を企画中です。その詳細は順次ご報告いたしますが、変わらぬご支援・ご声援のほどお願い申しあげます。
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アダナ・プレス倶楽部では、活版印刷のよき再生を願って、さまざまな試みを重ねてまいりました。そのひとつに、教育機関との提携・連携があり、Adana-21J をご購入いただいた教育機関にはできるだけ積極的に出向いて、学生の皆さんとの交流を計ってまいりました。
また購入検討中の施設でも、手狭ながら小社に学生の皆さんをお迎えして、実際の教育体験として、活版印刷を知り、触れていただく機会を設けてまいりました。
そんな記録が各教育施設(大学)のWebsiteに紹介されています。すこし古い記録もありますが、アダナ・プレス倶楽部の活動の一部としてご紹介いたします。
◎ 駒澤女子大学 人文学部映像コミュニケーション学科
田澤秀司准教授ゼミ
ハロー V-com 活版印刷を実体験しました!
◎ 日本大学 藝術学部美術学科 笹井祐子准教授ゼミ
活 版 印 刷
第13回活版ルネサンスフェア開催!
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とき * 2012年9月28日[金]29日[土] 13:30―19:00
ところ * 朗文堂4F-B
160-0022 新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F
Telephone : 03-3352-5070
[ご案内マップ]
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アダナ・プレス倶楽部の会員と、活版ファンの皆さまを対象とした
新品・中古品のカッパン関連機材・資材の展示即売会です。
手狭な会場ながら、貴重アイテム、マニアックな商品が溢れています!
秋の創作シーズンに、このチャンスをぜひともお役立てください。
[東京都公安委員会許可 第304380708865号]
アダナ・プレス倶楽部が製造・販売している新品のカッパン印刷関連機器、独自企画開発商品はもとより、カッパン印刷所で長年の使用に耐えてきた優秀な中古品もドッサリ用意いたしました。これらは現在では生産中止となったカッパン関連機器や、個人では入手しにくい活版専用インキなどの器材・資材を含みます。
カッパン印刷のサポーターとして、アダナ・プレス倶楽部ならではの、懇切丁寧な使用方法の解説もいたしますので、狭い会場ながら魅力溢れる展示販売会となります。秋の創作シーズン、展覧会シーズンの到来に合わせて、創作に活用できそうな機材の補充、実制作での疑問解決・技術の向上に、どうぞこの「活版ルネサンス フェア」をご利用ください。
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《今回の主なご紹介アイテム 順不同》
小型活版印刷機 Adana-21J/新開発 圧盤用ラバー・クッション胴張りセット/活版専用ピンセット新旧/ジャッキとジャッキハンドル新旧/KMT全自動活字組版機(日本語モノタイプ)活字母型庫8pt, 9pt, 10pt明朝体/罫線各種/くじら尺/特製組みつけ台/金属インテル各種/活版用強力磁石/特製組版ステッキ、中古組版ステッキ/ファニチュア各種/工具類(ブレース鋏・鳥居鋏・罫切り鋏)/罫切り器/各サイズ込め物セット/活字倍数尺/特製ムラ取りハンマー&ならし木セット/ブロッキング防止パウダー/特白ウェス/無臭洗い油/インキ・ハンド・ローラー/インキべら/インキ・パッド/ゴム・ローラー・メンテナンス剤/オイルベース活版用インキ各色(1キロ缶、特製200グラム缶)/活版用墨青口インキ/ラバー・ベース・レタープレス用インキ/版画用メタルベース(19.68ミリ、19.70ミリ)/樹脂版用メタルベース(21.89ミリ、23.39ミリ)/特製五号サイズメタルベース箱入りセット/特製カタ仮名活字アラタ1209/輸入欧文活字スキームセット/輸入オーナメント活字各種/凸版用スプレーボンド/特製文選箱/中古文選箱新旧各種/文選箱ストッパー/セッテン/特製文選箱立て/特製ミニ組みゲラ/中古組みゲラ/特製ミニ置きゲラ/中古置きゲラ/特製ミニスダレケース棚/活字サイズ照合キット/その他タイポグラフィ関連図書、掘り出しもの、貴重アイテムがどっさり。
──── ご来場をお待ちしております。
新宿私塾第21期スタート
新宿私塾第21期生の皆さん(2012年09月25日)
《新宿私塾第21期、スタート》
きびしい残暑がようやくおさまり、爽やかな秋空のもと、いよいよ新宿私塾第21期が開講しました。第21期生はこれまでの塾生諸君とおなじように、とても意欲的で、向上心と個性のつよい若者があつまりました。
まだ修了したばかりの、きわめて活発かつ賑やかだった20期生のむくもりが、あちこちにのこっているような教場でした。
それでも早速、新宿私塾第21期第1回目の講座では、カリキュラム説明につづいて、制限時間各自1分間の自己紹介があって、ここに集まった塾生同士が、年齢も経歴も職場・学校環境もさまざまなことに、塾生諸君はあらためて驚いたようです。これが新宿私塾の魅力のひとつでもあります。
すなわちここには現役の藝術大学・美術大学の学生もいます。もちろんすでに造形者としての職業人も、異分野で活躍する職業人もいます。そして造形者、タイポグラファとして、いっそうの向上をめざすという一点において、こころざしをおなじくする仲間であることを確認します。
ですから30分ほどの短い開塾セレモニーのあいだに、次第に緊張感がゆるみ、笑い声ももれるようになりました。
みじかい開塾式のあとは、いきなり、たくさんの資料が机上にならび、パソコン映像を併用しながら「タイポグラフィをまなぶこととは」の講義がはじまりました。
「形而上の文と、形而下の字」「コミュニティとコミュニケーション」……。一見むずかしそうなテーマも、実例と資料をもとに諄諄ととかれていきました。
新宿私塾では、タイポグラフィにおける「知・技・美」のバランスのよい学習をモットーとしています。それはまた「知に溺れず、技を傲らず、美に耽らず」という自戒をともないます。
新宿私塾第21期は、2012年09月25日にスタートし、2013年03月05日に修了します。この半年のあいだ、塾生の皆さんがおおきな収穫が得られるように、講師陣はもとより、200名ちかくにまでなった「新宿私塾修了生」の皆さんも、精一杯の努力と応援をいたします。
《恒例の 新宿私塾第21期カリキュラムの表紙デザインの紹介》
新宿私塾第21期カリキュラム 表紙(Design : 講師 杉下城司氏)
新宿私塾第21期カリキュラムの表紙は Emigre Fonts が中心です。新宿私塾では、半年間の受講期間のあいだに、和文活字でも欧文活字でもどちらでもかまわないのですが、できるだけ「My Favorite Type ── わたしのお気に入りの活字書体」を獲得することが勧められます。
もちろん、世上の評価がたかい書体でも、まったく無名の書体でも、「はやり書体」でも一向にかまいません。むしろどんな書体にも避けがたく付着している「長所と短所」をみつけだし「長所をいかし、短所を制御する能力」がとわれます。
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エミグレは米国加州バークレーに本拠をおき、Vander Lans 氏と Zuzana Lico 氏が中心の、ちいさなデザイン・ユニットです。朗文堂とはながらく親しい関係にあります。
設立からしばらくは、アヴァンギャルドな造形が目立ち「カリフォルニア・ニューウェーヴ」の旗手のひとつとされ、大判の『Emigre Magazine』(Emigre は移民の意)を刊行していて、まだ通信環境がととのわない’90年代には、その雑誌とフォント・データーの日本での販売を朗文堂が担っていたこともあります。
近年のエミグレはデジタル・タイプの製造に熱心で、おおきなフォント・ベンダーでは採算面から製造・販売を躊躇しがちな、意欲的な新書体を続続と発表しています。
そんなエミグレがおおきく変貌したきっかけとなった書体が、1996年にZuzana Lico 氏によって製作され、丁寧な解説書をともなって発表された新書体 Mrs Eaves でした。
Mrs Eaves ミセス・イーヴスは、トランジショナル・ローマン「バスカーヴィル」にその範をとったものですが、この豊富なリガチャーをもった Mrs Eaves は、デジタル環境の敷衍によって実現されたもので、文字どおり当時の世界のタイポグラファを驚愕させた書体でした。
その後の Zuzana Lico 氏は「タイポグラフィの冒険者」の立場だけでなく、本格的な活字書体製作者としての評価を獲得しました。「Mrs Eaves」シリーズは、その後も試作をかさねるなかから拡充され Mr Eaves Sans などが次次に発表されました。
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今回の表紙デザインは、新宿私塾講師:杉下城司さんによるものです。
ここには 「Mrs Eaves」にある、213にもおよぶ豊富なリガチャー・キャラクターから選び抜かれた文字セットが駆使されています。
また「Mrs Eaves」と「Mr Eaves Sans」を併用することで、無理や違和感がなく、ローマン体とサンセリフの壁を乗り越える各種の試みがなされています。
また「バスカーヴィル・オーナメント」もわずかながらも使用されています。おたのしみいただけたら幸甚です。
そして新宿私塾第21期生の皆さんが、どのような「My Favorite Type ── わたしのお気に入りの活字書体」を獲得するのか、おおいにたのしみな半年間がはじまりました。
新刊書籍のご案内
【タイポグラフィ学会誌 05】
A4判 68ページ かがり綴じ並製本
ISSN 1882–2339
編集・発行: タイポグラフィ学会
発行日: 2012年7月31日
発売(特別委託直販): 朗文堂
定価: 2,500円(送料・税別)
学生向け特別頒布価格:
1,500円(学生証のご提示が必要です。送料・税別)
タイポグラフィ学会は、タイポグラフィという技芸に学問的な基盤を与え、その成果を実技・実践を通して社会に貢献することを目的に、2005年8月に設立されました。『タイポグラフィ学会誌』は2007年に創刊、今回が05号となります。
『タイポグラフィ学会誌05』には、査読済みの論文が1点と、書評が掲載されています。これらの研究成果が、日本国内のみならず、各国の研究者によって広く参照されて、タイポグラフィ研究の発展に寄与することを希望するとともに、『タイポグラフィ学会誌』が今後さらに、タイポグラフィの研究における特色ある媒体として成長していければと考えております。
── タイポグラフィ学会
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おもな内容
・論文 上海 修文書館のこと ─ 板倉雅宣
・書評 小林龍生著『ユニコード戦記』─ 山本太郎
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*本書はタイポグラフィ学会から朗文堂が特別委託を受けて販売するものです。
*本書は書店での取扱はできません。申し込みは朗文堂宛て直接お願いします。
*学生向け特別頒布価格での購入の際は学生証明書の提示が必要となります。
*「書籍名・冊数・申込者氏名・郵便番号・送付先住所・電話番号」を明記の上、小社宛てにファクシミリまたはEメールでご注文ください。
*『タイポグラフィ学会誌 01-05』バックナンバーでのご発注も可能です。
*恐縮ながら送料・振込料はお客さまのご負担となります。
お申込・お問い合せ─────
株式会社 朗 文 堂
Telephone: 03-3352-5070
Facsimile: 03-3352-5160
E-mail: robundo@ops.dti.ne.jp
新宿私塾第20期終了
《20期生は、とても意欲的で、活発な諸君・諸嬢でした!》
新宿私塾第20期は、2012年4月4日[火]からスタートの予定でしたが、いきなり爆弾低気圧が襲来して、帰宅の足に不安があったために、急遽予定を変更して、最初から振替講座2回開催という波乱のなかでのスタートでした。
ともかく天候が不順だった今年の春先からスタートし、酷暑の夏を乗り越え、残暑がきびしい9月初旬の9月4日で終了となりました。
ともかく20期生は意欲的で、書棚の図書が空いてみえるほどの貸し出しが続き、毎回の講座はにぎやかなこと限りないほどの活発さでした。その報告は下記のアーカイブに記録されています。
【4月12日 新宿私塾 第20期スタート】
【5月14日 新宿私塾 Field Work +】
【7月23日 新宿私塾 製本講座+】
どういうわけか ── おそらく宴会部長の威名を獲得したS君のせいで── 第20期はなにかと口実をもうけては「懇親会」が盛んでした。講座名のうしろに + 印があるときは、懇親会が附属していたときでした。
また資料発見・整理部長のT君もいて、新旧のたくさんの資料が講座室を飛びかう毎回の講座でした。
それぞれの塾生の皆さんの、出身地、経歴、職場、環境がほとんど異なる新宿私塾でも、少数の塾生数のために、すぐにお互いの立場にたいする理解と、おもいやりがうまれます。それが終了後にも、同期ごとに、あるいは期を越えた潜在的な同門意識となって、問題や困難に立ち向かう際のおおきな援助となります。それが20期生はとりわけ強固だったようです。
新宿私塾では、タイポグラフィにおける「知・技・美」のバランスのよい学習をモットーとしています。それはまた「知に溺れず、技を傲らず、美に耽らず」という自戒をともないます。
出会いはうれしく、別れはさびしいものです。それでも半年間、ともにまなび、ともに苦しんできた20期生の皆さんは、雄雄しく羽ばたき旅立っていきました。
「タイポグラフィ学会」講演会のご案内
『タイポグラフィ学会誌05』
刊行披露 講演会のご案内
タイポグラフィ学会は、2012年9月9日(日)に『タイポグラフィ学会誌05』を刊行し、その披露講演会を学校法人専門学校東洋美術学校にて開催します。今回の刊行披露講演会では、今般発行された『タイポグラフィ学会誌05』に収録された、板倉雅宣氏の論文「上海 ── 修文書館のこと」と、山本太郎氏の書評「小林龍生著『ユニコード戦記』」の発表、「学会誌05における誌面設計について」渡辺優氏からの報告をおこないます。
当学会はタイポグラフィという技芸に学問的な基盤を与え、その成果を実技・実践に生かし、有効で豊かな展開を通して社会に貢献することを目的に設立いたしました。その活動の成果を学会の枠を超えて、ひろく一般のみなさまに発表することで、より良いタイポグラフィを実現する契機となるよう、多くの方々の発表会へのご参加を心よりお待ちしております。
タイポグラフィ学会事務局長 松尾篤史
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日時:2012年9月9日 日曜日 午後3時30分より
受付開始:3時10分より
会場:学校法人専門学校 東洋美術学校 D棟1階 学生ホール
161-0067 東京都新宿区富久町 2-6
アクセスマップ
講演者:板倉雅宣氏 山本太郎氏 渡辺 優氏
各氏30分程度の講演を予定しています。
参加費:無料
・当日に限り、最新の05号を含む『タイポグラフィ学会誌』既刊書を特別価格にて販売いたします。
・お申し込み・詳細は以下にアクセスしてください。
・会場が広い場所ですので、まだ予約無しでもご入場可能です(事務局よりの知らせ)。
・たくさんの皆さまのご来場をお待ちしています。
新宿私塾第21期生 募集受付終了
新宿私塾第21期生募集は定員に達しましたので
募集を締め切りました。
お申し込みありがとうございました。
新宿私塾第22期生(2013年4月開講予定)は
来年1月末頃に募集の予定です。
入塾相談・ご見学・入塾予約などは随時受け付けております。
新宿私塾第21期生募集
「新宿私塾」はタイポグラフィの知・技・美の領域をバランス良くまなぶための、少数先鋭によるちいさな教育機関です。書物と活字づくり、すなわち「タイポグラフィ」の550年におよぶ魅力的な歴史をまなび、本格的なタイポグラフィの教育と演習を通じて、あたらしい時代の要請に柔軟に対処する能力を身につけた、タイポグラフィの前衛を養成します。
「新宿私塾」は設立から10年の歴史を有し、現在は第20期生が意欲的な学習を続けています。
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今回募集する第21期生は、
2012年9月25日スタート―2013年3月までの、半年間24回の講座が予定されています。
基本的に毎週火曜日 午後6時30分から9時40分が講座開設日です。
24回の講座のうち、土曜日に設定される、フィールドワーク、特別講座が数回予定されています。
新宿私塾は少数先鋭をモットーとし、講師と塾生、また塾生同士が、たがいに切磋琢磨し、向上をめざす私塾であり、定員は最大10名で、お申し込み順に受付させていただきます。
講義内容、スケジュールなどの細部は現在調整中です。第20期の受講内容(カリキュラム)を新宿私塾のページに pdf をアップしてありますのでご覧ください。21期も基本的にはほぼ同じ内容です。
http://robundo.com/shinjuku-shijuku/index.html
受講料30万円のうち、申込金3万円を指定口座に振り込んでいただき受付完了となります。
残金の27万円は、開講日までに指定口座にお振り込みお願いいたします。
申込金3万円は、お支払い後のキャンセルの場合も返還はできません。
なお、ご事情があり分割を希望の方は鈴木までご相談ください。
振込先:みずほ銀行新宿中央支店 普通1319675 株式会社 朗文堂(ロウブンドウ)
まずはメールにて入塾の有無をご連絡ください。
件名/新宿私塾 第21期申し込み
お名前、住所、電話(携帯可)そして簡単な略歴を必ずお書きください。
講義の際に参考とさせていただきます(この情報は新宿私塾だけでの限定といたします)。
受信後、返信をさせていただきます。
より詳しく新宿私塾に関して知りたいというかたは電話連絡をしてください。
担当の鈴木が対応させていただきます。
よろしくお願いいたします。
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株式会社 朗 文 堂
鈴木 孝
160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
電話 03-3352-5070
FAX 03-3352-5160
e-mail robundo@ops.dti.ne.jp
http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo/
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15 politypographien
Helmut Schmid
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2012年 7月6日-22日
お知らせが遅くなりました。
主催者から展覧会案内をご送付いただき
新宿私塾 塾生の皆さんに告知しているうちに、すっかり
もう皆さんにもお知らせしたとものと勘違いしていました。
ヘルムート・シュミット氏の理念に “Design is Attitude” が
あります。すなわち「デザインは姿勢である」ということです。
この理念にもとづいてシュミット氏は、個人的・社会的・
政治的なテーマで、多くの実験的なタイポグラフィ作品を
発表されてきました。
つい先頃も『FUKUSHIMA』と題した作品を拝見しました。
地震・津波・そして原子力発電所の暴走に苦しむ福島への
ふかいおもいを綴った作品で、こころをうたれました。
「FUKUSHIMA って Happy Island ってことでしょう」
という発言に、ことばを失うしかないやつがれでした。
今回の展覧会のテーマは “15 politypographien”。
「ポリティポグラフィエン」とは、政治=ポリティクスと
タイポグラフィの、ふたつのことばからなる造語だそうです。
15編におよぶシュミット氏の政治的な主張は、いま
なお時代性を失わず、つよい迫力をもって
かたりかけ、素朴なタイプライターから打ちだされた
ことばは、緊迫感をもった画面構成で、タイポグラファの
役割を再確認させるに十分なものでした。