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【展覧会】金閣・銀閣の寺宝展 雪舟、東伯、宗達、そして若冲ー正調明朝体 金陵をご使用いただきました。


現在福岡県久留米市の、石橋美術館(第一会場)と、有馬美術館(第二会場)では、京都の寺院、大本山相国寺・鹿苑寺(金閣)・慈照寺(銀閣)・大光明寺の所蔵品による展覧会を開催中です。

この展覧会には相国寺のコレクションを代表する伊藤若冲の絵画「釈迦三尊像」をはじめ、室町時代から江戸時代の日本絵画を代表する、雪舟、狩野派、長谷川東伯、俵屋宗達、円山応挙といった巨匠の絵画が展示されています。

展示は、会期を2013年1月12日-3月10日として、二部、二館にわかれて開催されています。
【絵  画】
第一部 「色彩の魔術師 若冲」(2013年1月12日-2月8日)
第二部 「日本美術の立役者 集結」(2013年2月9日-3月10日)
【工芸品】
第一部・第二部共通 「悠久の美 器を愛でる」

★ 特別展 金閣・銀閣の寺宝展 雪舟、等伯、宗達、そして若冲

石橋美術館
839-0862  福岡県久留米市野中町1015(石橋文化センター内)
Telephone 0942-39-1131  Facsimile 0942-39-3134

★      ★      ★

【特別展 金閣・銀閣の寺宝展 雪舟、等伯、宗達、そして若冲】の、ポスター、フライヤー、展示解説などには、「正調明朝体 金陵」をご使用いただきました。

★  作品目録(PDF データー。少し読み込みに時間がかかります)

『南齋書  一』大明南京国子監「正調明朝体 金陵」の参考資料となった、木版刊本『南斉書』

まだ四角四面が好きですか?

 「正調明朝体」とはすこしおおげさな名前かもしれません。このあたらしい書体はべつに古拙感を演出した筆写体でも、奇をてらった装飾体でもありません。
正調明朝体「金陵」は中国・南京の雅称から名づけられ、その金陵にあった大明南京国子監刊行の木版刊本『南斉書』にみられる端正な明朝体字様を現代に再生したものです。

明王朝(1368-1644)は、漢民族の朱元璋・太祖が蒙古族の元王朝をたおして南京に建朝しましたが、4代目の皇帝・成祖のときから都を北京に移しました。
また国子監とはもともとは隋王朝のころに設立された大学のことですが、明王朝になってからは中央官僚を養成する大学の機能とともに、国家によるすべての学問を統括する中央官庁となりました。
都が北方の北京に移転してからも、王朝による出版活動は「南監本」とされて、南京を中心に展開されました。その明王朝によるもっとも典型的な官刊本、すなわち正調明朝体字様がうかがえる書物のひとつが『南斉書』といってよいでしょう。

「現代明朝体」には、近代化の名のもとに、機械メスや電子メスが自在にはいって直線化がすすみ、水平線と垂直線ばかりが目立って、すっかり四角四面の硬直した活字書体になってしまいました。
そんな「現代明朝体」から人間味をとりもどしたいあなたに、あるいは奇形や媚態をみせるデザイン書体にはすでに飽いたとおっしゃるあなたのために、明朝体の端正にして、もっとも原型にちかい木版字様を復刻した、正調明朝体「金陵」をおすすめします。
「金陵」には伝統のたかみにある和字書体(ひら仮名とカタ仮名)3書体が標準でセットされており、用途に応じた選択ができます。

【詳細 : 正調明朝体 金陵 Combination 3】

新宿私塾 第22期生募集終了

新宿私塾 第22期生募集は定員に達しましたので
募集を締め切りました。
お申し込みありがとうございました。

新宿私塾第23期生(2013年9月開講予定)は
本年7月中旬頃に募集の予定です。
入塾相談・ご見学・入塾予約などは随時受け付けております。
ご遠慮なくご相談ください。

http://robundo.com/shinjuku-shijuku/index.html

新宿私塾 第22期生募集開始

「新宿私塾」はタイポグラフィの知・技・美の領域をバランス良くまなぶための、少数先鋭によるちいさな教育機関です。
書物と活字づくり、すなわち「タイポグラフィ」の550年におよぶ魅力的な歴史をまなび、本格的なタイポグラフィの教育と演習を通じて、あたらしい時代の要請に柔軟に対処する能力を身につけた、タイポグラフィの前衛を養成します。
「新宿私塾」は設立から11年の歴史を有し、現在は第21期生が意欲的な学習を続けています。
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今回募集する第22期生は、
2013年4月2日―9月までの、半年間、24回の講座を予定しております。
基本的に毎週火曜日、午後6時30分-9時40分が講座開設日時です。
また24回の講座のうち、土曜日に設定される、フィールドワーク、特別講座が数回予定されています。

新宿私塾は少数先鋭をモットーとし、現役の第一線の造形者による講師陣と塾生が、また塾生同士がたがいに切磋琢磨しながら向上をめざす私塾であり、定員は最大10名で、お申し込み先着順に受付させていただきます。

講義内容、スケジュールなどの詳細は現在調整中ですが、講義内容は現在開講中の第21期とほぼ同様となります。新宿私塾のウェブでご覧いただけます。
http://robundo.com/shinjuku-shijuku/

受講料30万円のうち、申込金3万円を指定口座に振り込んでいただき受付終了となります。
残金の27万円は、開講日(2013年3月末日)までに指定口座に振り込んでいただきます。なお申込金3万円は、お支払い後のキャンセルの場合も返還はできません。
また、ご事情があり分割支払いをご希望の方は担当の鈴木までご相談ください。

振込先:みずほ銀行  新宿中央支店
普通1319675 株式会社 朗文堂(ロウブンドウ)

先ずはメールにて入塾の有無をご連絡ください。
件名/新宿私塾22期申し込み
お名前、住所、電話(携帯可)そして簡単な略歴を必ずお書きください。講義の際に参考とさせていただきます(この情報は新宿私塾だけでの限定といたします)。
受信後、返信をさせていただきます。
より詳しく新宿私塾に関して知りたいというかたは電話連絡をしてください。担当の鈴木か片塩が対応させていただきます。
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株式会社 朗  文  堂
鈴木 孝
160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
電  話 03-3352-5070
Telefax 03-3352-5160
@ mail  robundo@ops.dti.ne.jp
http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo/
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【東京国立博物館】書聖王羲之 特別展の紹介


《きさらぎの月、2月に入りました。皆さまお元気ですか》
カラタチが寒風の中で、けなげに深紅の花をつけています。プロ野球もいよいよキャンプ・イン。そして南国からは、早くも梅だよりがチラホラ寄せられています。
皆さまお元気でご活躍のこととお喜びもうしあげます。

2013年01月22日-03月03日、東京国立博物館 平成館で、『書聖王羲之 特別展』が開催されています。
さっそく01月26日[土]にでかけました。とても寒い日だったのですが、館内は「王羲之ファン」でいっぱいでした。早めのご観覧をお勧めいたします。



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東京国立博物館『書聖王羲之 特別展』には、朗文堂ともしたしくおつき合いさせていただいている  台東区立書道博物館 の所蔵品がたくさん展示されていました。同館はまた、国立博物館と呼応するかたちで、
『中村不折コレクションから ── 不折が学んだ書聖 王羲之 企画展』(2012年12月07 日-2013年03月03日)を開催しています。時間の許すかたは、ぜひとも台東区立書道博物館にも足をお運びください。
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東京国立博物館では、ことし夏の企画展のフライヤーを配布しています。
『特別展  和様の書』(2013年07月13日-09月08日)。
同展には国宝をふくむ、わが国の名筆がたくさん展示されるようです。これも楽しみな企画展です。
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ただしこの時期、7月中旬には、小社アダナ・プレス倶楽部も、あたらしい、相当大胆なイベントを企画しています。
国立博物館とちがって、まだ詳細をつめるにいたっていませんので公示はしていませんが、あたらしい飛躍の地をもとめて、北海道にでかけて、その地のタイポグラファとの熱い交流ができたらと、鋭意企画が進行中です。
もうしばらくの時間をいただきます。



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昨2012年に、2度にわたって王羲之にちなむ蘭亭のまち、そして王羲之が晩年を過ごしたまち、中国・紹興にいきました。その詳細な報告は時間がかかりそうですが、
★  新・文字百景*004  顔 真卿生誕1300年+王羲之
★  朗文堂-好日録024  禹王、王羲之、魯迅、孔乙己、咸亨酒店、茴香豆、臭豆腐
の、それぞれ後半部に、王羲之紹介を断片的に記述してきました。
そして、これまでは王羲之と顔真卿とを比較しながら紹介しようと苦吟していましたが、やはり、まずはステレオタイプといわれても王羲之を通過しないと……、と覚悟をきめて、

 と題して、タイポグラフィ・ブログロール『花筏』に近近まとめる予定です。こちらはご笑覧たまわれば、ということで……。

【イベント紹介】印刷のいろは展 2013

印刷のいろは展 2013

 【日 時】  2013年02月22日[金]-24日[日]
        12:00-18:00(最終日は17:00まで)
【会 場】   金羊社 1階・4階 入場無料 予約不要
【主 催】   金羊社&オールライト工房

アダナ・プレス倶楽部会員、オールライト工房さんによる恒例の《印刷のいろは展  2013》が、ことしも盛りだくさんの企画をもって開催されます。
皆さまふるってご参加ください。

【詳細 いろは展 ホームページ】

【イベント情報】活版、横濱 二〇一三

活字母型  活字鋳造  活版活字

《活版、横濱 二〇一三》

【日 時】2013年02月09日(土曜日)11:00-19:00、
                   10日(日曜日)11:00-18:30

【会 場】りせっとcafe 伊勢佐木町店 
      横浜市中区伊勢佐木町2-62 オリエンタル共同ビル
      
【展示概要】
・活版作家のオリジナルの活版印刷物
 (ポスト・カード、封筒、メッセージ・カードなど)
・手動式活版機(テキンとアダナ機)を使ったワークショップ
・新・活字ホルダーを使ったワークショップ
・活字、活版材料の販売
・活字母型などの展示
・地元神奈川の印刷屋さんの活字組版の展示

【企画趣旨 ── 築地活字代表・平工希一】
《活版、横濱 二〇一三》は、全国で湧き上がる活版印刷の新しい可能性の探求を、ここ横浜でも根付かせ、地元密着型の情報発信をしていくキッカケになれば ── との思いから開催することにいたしました。
《活版、横濱 二〇一三》の開催場所として「イセザキ町」を選んだのは、活版印刷の歴史と同じく、ふるい町でありながら、新しい魅力を発信できる可能性のある町だと思ったからです。多種多様な人たちが集まるこの町で、新たな活版印刷情報を発信できれば幸いです。

【主 催】
株式会社 築地活字
横浜市南区吉野町5丁目28-2(三進興業ビル1F)
電話 : 045-261-1597
メール : info@tsukiji-katsuji.com

《活版、横濱 二〇一三》 詳細データー 会場MAP  

2012 武蔵野美術大学 助手展2012 開催されました。

 

助手展 2012 武蔵野美術大学助手研究発表
The Research Associate Exhibition 2012

助手展 2012 武蔵野美術大学助手研究発表

会 期| 第1期:2012年11月26日[月]-12月08日[土]
       第2期:2012年12月10日[月]-12月22日[土]
会 場| 武蔵野美術大学 美術館 展示室1、2
Web site|http://musabi.ac.jp/ra/2012/
主 催| 武蔵野美術大学 美術館・図書館
企 画| 助手展2012運営委員会

武蔵野美術大学の各研究室に所属する助手の皆さんによる、作品と研究成果の展覧会です。美術、デザイン全般にわたる作品と研究成果が、同大学美術館展示室で、2 期にわけて発表されました。
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武蔵野美術大学《助手展2012  第 2 期》に「504ポイントのコンポジション」のテーマで参加された日吉洋人ヒロトさん(基礎デザイン学科助手、アダナ・プレス倶楽部会員、活版カレッジ修了)から、同展の情報と、データーの提供をいただきました。

日吉さんは、武蔵野美術大学基礎デザイン学科助手としての勤務のかたわら、活字版印刷にこだわって、21世紀、あるいは平成の時代になってから、わが国はじめての「活字鋳造工・活字組版工見習い」として研鑽をつづけているかたです。

また、武蔵野美術大学基礎デザイン学科には、小型活版印刷機 Adana-21J が導入されており、活字の追加購入も盛んです。もちろん学生の皆さんや助手の皆さんの積極的な使用がみられます。 


504 ポイントのコンポジション
 凸版印刷(letterpress printing)の技法で、
504 x 504 ポイントの紙面に構成をおこないました。
 
活字組版は、正楷書体の五号サイズの大出張の
活字 100 本を使用。インテルの長さは五号 24 倍。
行間のあきは、五号全角、二分、四分、八分を
組み合わせて使用。
込め物は、五号四倍、三倍、二倍、全角、二分、
三分、四分を組み合わせて使用。
 
活字組版は、角柱の活字を組み合わせて四角形
に組版します。その四角形にしようとする意志が
既に構成を志向しているように感じます。
 
その後、うみだされた版面は紙面に配置されて
余白を決定します。
活字組版は、版面が活字のサイズの倍数で
制御され、結果として法則性をあたえられて
います。そのことは、版面のなかに破綻をあた
えるような造形的な要素を持ち込みません。
また、印刷するときは、紙面に自由に配置し
ています。

無数の造形の要素を選択・決定し、ビジュアル
コミュニケーションの造形を生成するための
方法が、活字版印刷術のシステムとプロセスの
なかには確立されています。 今回の制作では、
活字版印刷術の造形の生成
の手段を
意識しながら、主題は求めず、自由に
構成を
おこないました。          (日吉洋人 wrote)
 


今回の研究・展示「504ポイントのコンポジション」のテーマで、日吉洋人さんが着目した「504ポイント」とは、わが国の「金属活字新号数制」のもとでの最小公倍数としてもちいられた数値です。また、それを厳格に計測するための「活字の原器」の存在を、本年03月に『花筏』に報告しました。そのときからすでに日吉さんはこのテーマの共同研究者でした。
★『花筏』タイポグラフィ あのねのね*019「活字の原器と活字のステッキとは-活字の最小公倍数 504pt. とは」2012年03月17日掲載 

また「五号24倍」とは、活版印刷のおもに端物業者(名刺・カードなどの少量小型印刷業者)がよく使う倍数で、端物印刷には適応性がとても高い数値です。
今回の研究に際して、日吉さんが「活字の原器」の数値をさらに厳格に調査したところ、前掲資料の一部に齟齬があることが判明しましたので、『花筏』のデーターも修整して再掲載いたします。

504pt. と 五号24倍の相関関係考察表  日吉洋人

東洋美術 ACTY #2 大牟田2047展覧会

acty_#2.jpg

■ 2012年12月10日[月]-12月15日[土]
■ 東洋美術ギャラリー館

ACTY #2 大牟田2047
デザイン研究会 アクティ、2 年ぶりの展示は『大牟田2047』と題し、現在、九州の地方都市で進行しているプロジェクトを紹介致します。

日本の近代化を支えたまち-福岡県大牟田市。ここはかつて三井三池炭鉱によって栄えたまちでした。日本の近代化をなぞるように発展したこのまち。最盛期には国内におけるエネルギーの源、そのおよそ一割が、ここで産出された石炭だった時代もあるそうです。このまちが日本の近代化を支えたといっても過言ではありません。

しかしエネルギー需要の変化に伴い、1997年に炭鉱は閉山。以来、十余年。このまちはあらたな都市としての生き方を模索しています。かつての炭鉱施設を近代化産業遺産として保存活用しようとする試みや、地元NPOの尽力による炭都としての価値付け。また高齢化に応じたホスピタリティの充実など……。
今、このまちは自身の本質を見据えながら、一歩一歩、着実に前に進もうとしています。

■ デザイン研究室産学連携事務局  中村将大
  クリエイティブデザイン科4 年        加久本真美
  クリエイティブデザイン科3年         栫井篤
   クリエイティブデザイン科1年         木下玲子、武田知世、
                        藤瀬千香子
  グラフィックデザイン科1年            高野千鶴
────
東洋美術学校、とりわけ産学連携事務局の皆さんには
お世話になることが多い。
産学連携のプロジェクトで、かつては日本四大産炭地の
ひとつとされた大牟田のまちの再生プロジェクトへの
取り組みがある。
今回はその2回目の発表で、廃鉱のまちとされた地域が、
あたらしい歩みをはじめる。
その一歩一歩を記録し、あらたな提案も試みていた。
展示はコンピューター画像を、屋外にも投影するなど、
意欲的な取り組みもなされていた。




糸 絵 文 紋 字 を考える旅-台湾大藝埕の茶館で



《2012年11月23-25日、台北の茶館で林昆範老師と歓談》
関与先の台湾企業から、訪台の要請があり、22日の最終航空便の手配をされました。翌23日[金]は早朝からその用件に追われましたが、ここで報告するような内容ではありませんので割愛。

24日[土]は無事に解放されたので、久しぶりに 林昆範 さんとお会いすることに。
林昆範 リン-クンファン さんは、日大藝術学部大学院の修士課程・博士課程履修のあいだ、当時の指導教授・松永先生のご指示で、実に律儀に、誠実に、夏休みもなく朗文堂に毎週 1 回かよわれたかたです。

博士課程履修の後半は「グループ 昴」の一員としても活躍され、その成果を朗文堂 タイポグラフィ・ジャーナル ヴィネットに、『中国の古典書物』『元朝体と明朝体の形成』『楷書体の源流をさぐる』『石の書物-開成石経』などにまとめられました。
────
林さんは博士号取得後に帰国され、現在は台湾中原大学助教授として、しばしば学生を引率して大陸中国で「中国少数民族の文化」の調査・研究にあたっており、今回は中国南西部での調査から、前日に帰国されたばかりでした。
それでも疲れもみせず、ホテルのロビーまでピック・アップにきていただきました。
★朗文堂ニュース:林昆範関連図書のおすすめ 2010年03月11日

久しぶりの再会のあとは、もうすっかり日程管理は林さんにお任せ。
「大藝埕 ダイゲイテイ にいきましょう。もともと日本統治時代に開発され、銀行や商事会社がたくさんあったまちですが、いまは東京の代官山のように再開発がすすんで、若者に人気のお店がたくさんあります」
「大藝埕は、日本のガイドブックには、美食街とされていますね」
「美食はカタシオさんは苦手でしょう。ご案内したいのは、隍廟(コウビョウ 道教)の隣の茶館です。ここは日本統治時代のビルを改装して、現代台湾のデザインショップや、ギャラリーもありますし、なによりも、ふるい臺灣と、あたらしい台湾がみられますから……」

しばらく大藝埕ダイゲイテイのまちをぶらついて、隍廟コウビョウの隣のふるいビル・民藝埕ミンゲイテイにはいりました。
このあたりは日本統治時代の築70年余のビルが多いのですが、さりとて日本風というわけではなく、コロニアル・スタイルというか、大正ロマンというか、アールデコというか、つまり無国籍なふしぎな感じをうけます。
漢方薬や骨董品などの、日本人観光客めあてのお店もありますが、いまはガイドブックの紹介も減って、日本人の姿はあまりみかけません。

ブック・カフェやデザイン小物の店がならぶ、まちあるきのあいだに、林さんの教え子たちとしばしば出会いました。なかにはかつて林さんに引率されて、朗文堂までこられた学生さんもいて、道教の廟「台北霞海城 隍廟」では道教式の礼拝の作法なども教わりました。

「林さん、埕テイ とはどういう意味ですか ?」
「商店街とか、マーケットということでしょうか」
帰国後に調べてみましました。「埕」とは本来口が細長い素焼きの酒瓶であり、ふるい製法の塩田の名称にももちいられます。この「細長い」の意から、細長くつづく商店街やマーケットのことになるようです。



民藝埕ミンゲイテイにはいくつもの商店やギャラリーが入っていましたが、どの施設も、あまりにむき出しで、素朴な、バウハウス・スタイル、1925年代国際様式、あるいは「白の時代」で溢れていて、こちらが照れてしまうほどでした。
それでも茶館「陶一進民藝埕トウイッシン-ミンゲイテイ」に入って、しばらくして「なるほどなぁ」と納得させられました。

ちなみに、茶館「陶一進民藝埕」で、80種類ほどもある「お茶」のなかからオーダーしたのは、写真手前が林さんのもので、インド北東部ヒマラヤ山脈南麓産の「ダージリン紅茶」でした。写真奥がやつがれのもので、中国江蘇省蘇州産の緑茶「璧羅春 ヘキラシュン 茶」です。なかなか国際色ゆたかです。
茶館「陶一進民藝埕」のパンフレットを簡略に紹介すると以下のようになります。

当店は台湾民藝100年の伝統と、現代日本のデザインを弁証法的に融合させた茶館です。
日本の民藝と美学の大家である柳宗悦氏、工藝デザインの大家の柳宗理氏の父子両代の理論と作品の数数と、喫茶を通じて対話していただきます。

つまり「民藝埕」に関与したとされる柳 宗悦( やなぎ むねよし、1889年3月21日-1961年5月3日)は、旧制学習院高等科から東京帝國大学在学中に、同人雑誌グループ白樺派に参加。
のちに香港うまれの英国人で、画家・デザイナー・陶芸家として知られるバーナード・リーチの知遇をえて、英国19世紀世紀末の「アーツ&クラフツ運動」に触発されて、手仕事の復権や日用品と美の問題などを語り合い「民藝運動」を起こし、生活に即した民藝品に注目して「用の美」を唱えました。また1936年(昭和11)東京都目黒区に「日本民藝館」を設立して、1957年(昭和32)文化功労者となりました。

またその子息、柳 宗理 (やなぎ そうり、本名:宗理 むねみち、1915年6月29日-2011年12月25日)は、惜しいことに昨年暮れに亡くなりましたが、日本の著名なプロダクトデザイナーでした。
柳宗理は1934年東京美術学校洋画科入学。バウハウスまなんだ水谷武彦の講義によってル・コルビジェの存在を知り、工業デザインに関心を持つようになり、プロダクトデザイナーとして活躍したひとでした。

柳宗理の師となった 水谷武彦 (みつたに たけひこ、1898年-1969年)は、日本の美術教育、建築の教育者です。また日本人として最初にバウハウス(Bauhaus)へ留学した人物としても知られます。帰国後には様様な活動をつうじて、日本にバウハウスを紹介し、その教育を実践した人物です。

これらの「アーツ&クラフツ運動」や「バウハウス国際様式」にまなんだ人物が、どのようなかたちで、どこまで「大藝埕」の景観づくりと、「民藝埕」ビルと、茶館「陶一進民藝埕」などの再開発に関わったかは不詳です。
それでも「国際様式」とはたれが名づけたものか知りませんが、全体に激しい色彩とインパクトの強い形象が目立つ台湾のまちのなかで、この大藝埕あたりのランドスケープは、かなり異なった風合いがありました。

茶館「陶一進民藝埕」の食器(テーブルウェア)は、すべて柳宗理のデザインによるもので、純白の器のなかに、お茶の淡い色彩が浮かびあがります。
おおきな急須に、ときおり従業員のお嬢さんがお湯を注いでくれますので、ほどよく蒸れたころ、それをガラスの器にうつして、ちいさな茶碗で喫茶します。
「陶一進民藝埕」には3時間余も、写真のお茶だけで長居しましたが、べつに嫌がられもせず、つぎつぎとお湯を注いでくれました。料金はそこそこの値段で、お菓子もついて日本円で500円ほどだったでしょうか。
────
林さんとのはなしに夢中になっているうちに、いつの間にか、かつての新宿邑の雑然とした朗文堂社内にいるころとおなじように、たがいにあつくなって、タイポグラフィ論議を展開していました。
テーマのほとんどは文+字=文字でした。蒼頡 ソウケツ 神話をかたり、そして許愼キョシン『説文解字』をかたりあいました。
「糸 繪  文 糸 紋 宀 子 字」そして「文+字、文字」でした。

先述したように林昆範さんは、中国大陸における観光産業との共同作業で「中国少数民族の文化」を考察・研究されていましたが、その途中経過をパソコン画面で提示しながら中間報告をしていただきました。
中国にはいまでも 54 ほどの少数民族があって、それぞれに守護神をもち、それを象徴化した図画・紋様をもつということでした。そして民族が守護神を失ったとき、その紋様とともに滅亡にいたるという報告は新鮮でした。
────
帰国からしばらくして、写真が添付された@メールに、以下のようなうれしい報告がありました。

久しぶりにゆっくりおはなしができて、刺激的でしたし、発奮しました。
近年、大陸における観光産業との共同研究で、中国少数民族の文化を考察しています。それらの考察はデザインに使われる素材〔紋様〕として扱い、その素材収集が中心でしたが、これでは研究とはいえなくて悩み、まして論文発表までは考えてもいませんでした。
ところが、片塩さんのご指摘により、伝統紋様は原始の〔ことば〕であることを理解しました。即ち、「文」の造形性が強調されて「紋様」になりました。そして「文」の記号性が強調されて「字」になりました。この両者が結合したものが「文字」ということでいいですね……。
来年の夏までに、先日のご指摘と、これまでの収集の成果を見なおして、なんらかの発表ができるようにまとめることに全力をあげます。
日本と台湾でお互いにがんばりましょう。 林  昆範
(写真はすべて林昆範氏撮影)

新宿私塾 Field Work +

 新宿私塾第 21 期 第 9 回講座
フィールド・ワーク 理想社で書籍製作をまなぶ
──
11月17日[土]、あいにくの天候で、ときおり激しい風雨がおそった日であったが、新宿私塾の塾生諸君は元気いっぱい。はじめて教場をはなれて、新宿区改代町の公版書籍印刷所/株式会社理想社(田中宏明社長)においてフィールド・ワーク。

理想社さんでのフィールド・ワークは、第1期生-今回の第21期生まで、一貫してフィールド・ワークを受けいれていただいている。
ここで塾生諸君は、これまで学んできた名刺・カードなどの端物印刷、エフェメラなどの小型平面印刷物の魅力とともに、あらたに三次元の印刷物、本格的な書籍の製造法に触れることになる。

講師は田中社長自らが担当。
理想社は秀英舎(現大日本印刷)出身の、初代田中末吉によって、1921年(大正10)牛込区柳町において「理想社組版所」としてスタートした、同社の活字版印刷術を基礎とした歴史と、「理想社書体」へのあついおもいがかたられる。

理想社における高度な組版術、そして柔軟かつ多様性をもった理想社ハウス・ルールの紹介のあと、実際の書籍としての組版術(Composition)、組みつけ・面つけ(Imposition)と、その効果的な利用法も伝授される。
あわせて実践的な書籍本文用印刷用紙選択の秘訣もかたられる。タイポグラフィが、平面構成から、三次元の書物への、華麗なる変貌をみせる瞬間である。
その講義はたっぷり 2 時間にわたり、ついで 2 班にわかれて、組版現場、整版現場、印刷現場、ストック・ヤードの見学に出発する。



おなじ「プリンター」といっても、机上の軽便な「プリンター」と違って、上掲写真の三菱製作所「四六全判オフセット平版印刷機」の迫力は圧倒的である。それがまた何台も列んで、ミクロン単位の厳格な精度管理のもとに「印刷 Printing」がなされていく景観に、塾生諸君はいささか圧倒される。

轟音をとどろかせて稼働する印刷機の背後には、もちろん最大の部署「組版部」があるが、ここは進行中の企画や企業情報のかたまりのような場所でもあり、さすがに撮影はお断り。いずれにしても、さまざまな組版機がならび、さまざまなソフトウェアがドライブしている。



理想社の社歴は90年余とながいが、印刷機器の設備投資は熱心にかさねてきた。コンピューターと連動するCTP室はその最先端技術を誇る部署である。できあがった印刷物からはうかがえない、高度な技術が積みかさねられている。

印刷の歴史は、また技術変革の歴史でもあった。理想社90年余の歴史の積みかさねのなかでは、活版印刷時代の「紙型 Paper Mold」、オフセット平版時代からの「製版フィルム」などが、増刷をまってストックヤードでねむっている。消費と回転のはやい商業印刷と異なり、公版書籍印刷所のかくれた一面でもある。
参考資料:★タイポグラフィ あのねのね *020
        1921(大正10)年創業、創業90周年を迎えた印刷会社 理想社



午後 1 時から開始された「新宿私塾/理想社フィールド・ワーク」は、陽もすっかり傾いた 5 時に終了。
新宿私塾 21 期の講座も第 9 回目を迎え、塾生同士もすっかり打ち解け、同じ目的意識を確認しあった仲になったようです。
このあと、あいにくの雨天のなか、塾生同士がかたらって「懇親会」にでかけたようですが……。

『英語本の扉』著者講演会 終了!

 《『英語本の扉』髙野  彰先生 著者講演会は終了いたしました》
2012年11月10日[土]爽やかな秋晴れにめぐまれ、本講演会は終了いたしました。
講師の 髙野 彰 先生をはじめ、ご来場いただきました愛読者の皆さま、東洋美術学校の関係者の皆さまに、こころより御礼を申しあげます。

講演会ご参加の皆さまにむけた『英語本の扉』のサイン会も開催。
猫のイラストに2012年11月10日のひづけが暗喩されています。

講演では、書物における扉ページにまつわるいくつものエピソードの紹介がなされました。また、ダガー † をはじめとする引用符の役割、年号の標記法などを、たくさんの図版をもとにして諄諄ととかれる講演に、会場の熱気はどんどんたかまり、講演終了後のサイン会では長い行列ができていました。 




日 時:2012年11月10日[土]
    14:00 - 16:00
会 場:東洋美術学校 D棟 学生ホール
主 催:株式会社 朗文堂
    160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
    http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo/
    Facsimile: 03-3352-5160
後 援:学校法人専門学校 東洋美術学校
    産学連携事務局・デザイン研究会 アクティ

【講師紹介】
髙  野   彰 Takano Akira
1941年生まれ。跡見学園女子大学文学部特任教授。
博士(日本文化)。
主要著書:『洋書の話』増補版(1995年、丸善)、『帝国大学図書館成立の研究』(2004年、ゆまに書房)、『英語本の扉 その歴史と役割』(2012年8月、朗文堂)

詳細記録: フライヤーPDF

【ブックコスミイク】新刊書籍 髙野 彰著『英語本の扉』のご案内

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英語本の扉 その歴史と役割

◯ 著   者 : 髙 野 彰
装   本 : A5判 並製本 ジャケット付 176ページ
◯ 
発行日: 2012年8月28日
◯ 
定  価 : 本体1,900円+税
ISBN978-4-947613-86-8 C3000 

本書は「扉」の役割とその歴史を解き明かした書物です。
書物に関心のある人にとって、刺激的な内容になっています。

1500年頃の英語本の扉には、木版の書名、木版の絵を併用した書名、扉全体を囲んだ装飾の枠内に示された書名、コップや逆三角形やワイングラスの形をした書名など、興味深い工夫が目に付きます。
こんな工夫をしたのは、扉ページを本文ページとみなしていたからです。
そのおかげで、扉は本の品質を保証するページになれるのです。

『英語本の扉』を語る 出版記念講演会

朗文堂8月の新刊『英語本の扉 ─ その歴史と役割』の著者/高野彰先生をお迎えして、出版記念講演会を開催いたします。

『英語本の扉 ─ その歴史と役割』は、当日会場内でもご購入いただけます。
また、当日講演会終了後に著者サイン会を開催いたしますので、すでに本書をご購入のかたで、著者のサインをご希望のかたは『英語本の扉』をご持参ください。

現在編集部では、講演用スライド製作のお手伝いをしておりますが、スライド、レジュメともにとても平易で、興味深い内容ばかりです。
著者・高野彰先生は、研究者らしく、とても謙虚で、シャイなかたで、またユーモアもあるかたです。
ところがなにしろ派手なことは嫌いだとされて、ようやく著者サイン会だけは承諾していただきましたが、写真紹介は許していただけません。ですから、会場におみえいただけたら、高野先生のふところのふかい魅力で、感動されることは必至かと……。

まだ会場に若干の余裕がありますので、下記のご案内をご覧いただき、友人・知人をお誘いのうえ、ふるってご参加ください。
その際、会場構成とレジュメの準備もございますので、下記宛てに@メールをお寄せたまわると幸甚です。

日 時:2012年11月10日[土]
    14:00 - 16:00(13:40より受付開始)
会 場:東洋美術学校 D棟 学生ホール
    161-0067 東京都新宿区富久町2-6
    地図は:http://www.to-bi.ac.jp/access/
聴講料:1,000円
主 催:株式会社 朗文堂
    160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
    http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo/
    Facsimile: 03-3352-5160
後 援:学校法人専門学校 東洋美術学校
    産学連携事務局・デザイン研究会 アクティ

◎聴講申し込み登録:
    資料・会場準備のために、朗文堂@メール
    robundo@ops.dti.ne.jp
    に、件名「出版記念講演会申し込み」として、
    お名前・人数・返信用メールアドレスを明記して
    2012年10月31日までにご送信ください。
    3営業日以内にお断りの返信が無い場合は
    受付完了とさせていただきます。

【講師紹介】
髙  野   彰 Takano Akira
1941年生まれ。跡見学園女子大学文学部特任教授。
博士(日本文化)。
主要著書:『洋書の話』増補版(1995年、丸善)、『帝国大学図書館成立の研究』(2004年、ゆまに書房)、『英語本の扉 その歴史と役割』(2012年8月、朗文堂)

会場地図入り フライヤーPDF

日大藝術学部 Typography Seminar 終了!

日本大学藝術学部デザイン学科 特別講義
Typography Seminar
        Helmut Schmid
        Jiro Katashio
        Akiteru Nakajima
2012年10月27日[土] 14:00-17:50
展示/デザイン・プレゼンテーションルーム
講演/日本大学藝術学部 江古田校舎 西棟B1 
企画・進行/細谷 誠専任講師

 

 展示会と特別講義は、中島安貴輝主任教授の長年にわたるデザイン活動と、デザイン教育を綴り、それを記録・展示し、次代のデザインを背負う学生の皆さんと、あらたな方向性を模索するという、とても意欲に富んだ、内容の濃いテーマでした。

この企画・展示・進行は同大の細谷 誠専任講師。
特別講義の講師は、中島安貴輝主任教授と、ゲストとして、年代がちかく、長年にわたって親好がふかい関係(悪友 !?)だった、ヘルムート・シュミットさん、片塩二朗でした。

シュミットさんは、タイポグラファになろうと決意し、欧州各国での活版印刷所で「コンポジター 植字工」として修行し、ついに念願のバーゼルでエミル・ルーダー氏の教育を受けるにいたった経緯、そして定員3名だけの、ちいさな私塾ともいえた、ルーダー氏のタイポグラフィ教育内容を、大量の写真データとともに紹介されました。

中島安貴輝主任教授 は、東京オリンピックに日藝の学生のころから、勝美勝先生門下生として「青年将校」のようなかたちで関わり、のちに沖縄海洋博覧会のデザインディレクターとして活躍されたことを、丹念に事例報告され、「デザインも、アソビも、めいっぱい」と学生諸君を激励されていました。

この特別講義の企画にあたられた 細谷 誠専任講師 は、お若いころに、 ヘルムート・シュミット氏の『バーゼルへの道』を購読されて大きな感銘をうけられたそうです。



ついでながらヘルムート・シュミット氏の『japan, japanese』 の著者講演会を、来春に朗文堂主催での開催を予定しています。
詳細はあらためて新春にお知らせいたします。
────
「Typography Seminar」は、日大藝術学部の授業の一環でしたが、外部からの参加も自由ということでしたので、わずかに朗文堂社内に A3 判告知ポスターを掲示しておきました。
そのために、新宿私塾塾生と、修了生がたくさん押しかけて、講義室は溢れんばかりの盛況となりました。中島先生、細谷先生にはもろもろご迷惑をおかけしました。


あらためておどろきましたが、新宿私塾の塾生には、日大藝術学部のデザイン科だけでなく、写真科、建築科などの学生・卒業生もたくさん在籍していました。そんなかれらが大挙して講演会に押しかけたようです。
ですから「懇親会第2部-いわゆる二次会ですね」は「日藝生」ならではの秘密の? 根城にいき、「ヤカンビール」などという、珍奇な飲みものも登場して、土曜の夜はシンシンとふけていきました。

「タイポグラフィ学会」講演会のご案内

『タイポグラフィ学会誌05』
刊行披露 講演会のご案内

タイポグラフィ学会は、2012年9月9日(日)に『タイポグラフィ学会誌05』を刊行し、その披露講演会を学校法人専門学校東洋美術学校にて開催します。今回の刊行披露講演会では、今般発行された『タイポグラフィ学会誌05』に収録された、板倉雅宣氏の論文「上海 ── 修文書館のこと」と、山本太郎氏の書評「小林龍生著『ユニコード戦記』」の発表、「学会誌05における誌面設計について」渡辺優氏からの報告をおこないます。

当学会はタイポグラフィという技芸に学問的な基盤を与え、その成果を実技・実践に生かし、有効で豊かな展開を通して社会に貢献することを目的に設立いたしました。その活動の成果を学会の枠を超えて、ひろく一般のみなさまに発表することで、より良いタイポグラフィを実現する契機となるよう、多くの方々の発表会へのご参加を心よりお待ちしております。

タイポグラフィ学会事務局長 松尾篤史
────

日時:2012年9月9日 日曜日 午後3時30分より
受付開始:3時10分より
会場:学校法人専門学校 東洋美術学校 D棟1階 学生ホール
161-0067 東京都新宿区富久町 2-6
アクセスマップ
講演者:板倉雅宣氏 山本太郎氏 渡辺 優氏
各氏30分程度の講演を予定しています。
参加費:無料

・当日に限り、最新の05号を含む『タイポグラフィ学会誌』既刊書を特別価格にて販売いたします。
・お申し込み・詳細は以下にアクセスしてください。
・会場が広い場所ですので、まだ予約無しでもご入場可能です(事務局よりの知らせ)。
・たくさんの皆さまのご来場をお待ちしています。

http://www.society-typography.jp/news/2012/08/05.html

新宿私塾第21期生 募集受付終了

新宿私塾第21期生募集は定員に達しましたので
募集を締め切りました。
お申し込みありがとうございました。

新宿私塾第22期生(2013年4月開講予定)は
来年1月末頃に募集の予定です。
入塾相談・ご見学・入塾予約などは随時受け付けております。

http://robundo.com/shinjuku-shijuku/index.html

新宿私塾第21期生募集

「新宿私塾」はタイポグラフィの知・技・美の領域をバランス良くまなぶための、少数先鋭によるちいさな教育機関です。書物と活字づくり、すなわち「タイポグラフィ」の550年におよぶ魅力的な歴史をまなび、本格的なタイポグラフィの教育と演習を通じて、あたらしい時代の要請に柔軟に対処する能力を身につけた、タイポグラフィの前衛を養成します。
「新宿私塾」は設立から10年の歴史を有し、現在は第20期生が意欲的な学習を続けています。
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今回募集する第21期生は、
2012年9月25日スタート―2013年3月までの、半年間24回の講座が予定されています。
基本的に毎週火曜日 午後6時30分から9時40分が講座開設日です。
24回の講座のうち、土曜日に設定される、フィールドワーク、特別講座が数回予定されています。

新宿私塾は少数先鋭をモットーとし、講師と塾生、また塾生同士が、たがいに切磋琢磨し、向上をめざす私塾であり、定員は最大10名で、お申し込み順に受付させていただきます。

講義内容、スケジュールなどの細部は現在調整中です。第20期の受講内容(カリキュラム)を新宿私塾のページに pdf をアップしてありますのでご覧ください。21期も基本的にはほぼ同じ内容です。
http://robundo.com/shinjuku-shijuku/index.html

受講料30万円のうち、申込金3万円を指定口座に振り込んでいただき受付完了となります。
残金の27万円は、開講日までに指定口座にお振り込みお願いいたします。
申込金3万円は、お支払い後のキャンセルの場合も返還はできません。
なお、ご事情があり分割を希望の方は鈴木までご相談ください。

振込先:みずほ銀行新宿中央支店 普通1319675 株式会社 朗文堂(ロウブンドウ)

まずはメールにて入塾の有無をご連絡ください。
件名/新宿私塾 第21期申し込み
お名前、住所、電話(携帯可)そして簡単な略歴を必ずお書きください。
講義の際に参考とさせていただきます(この情報は新宿私塾だけでの限定といたします)。
受信後、返信をさせていただきます。
より詳しく新宿私塾に関して知りたいというかたは電話連絡をしてください。
担当の鈴木が対応させていただきます。
よろしくお願いいたします。

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株式会社 朗 文 堂
鈴木 孝
160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
電話 03-3352-5070
FAX 03-3352-5160
e-mail  robundo@ops.dti.ne.jp
http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo/
****************************************

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15 politypographien
Helmut Schmid

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2012年 7月6日-22日

お知らせが遅くなりました。
主催者から展覧会案内をご送付いただき
新宿私塾 塾生の皆さんに告知しているうちに、すっかり
もう皆さんにもお知らせしたとものと勘違いしていました。

ヘルムート・シュミット氏の理念に “Design is Attitude”  が
あります。すなわち「デザインは姿勢である」ということです。
この理念にもとづいてシュミット氏は、個人的・社会的・
政治的なテーマで、多くの実験的なタイポグラフィ作品を
発表されてきました。

つい先頃も『FUKUSHIMA』と題した作品を拝見しました。
地震・津波・そして原子力発電所の暴走に苦しむ福島への
ふかいおもいを綴った作品で、こころをうたれました。
「FUKUSHIMA って Happy Island ってことでしょう」
という発言に、ことばを失うしかないやつがれでした。

今回の展覧会のテーマは “15 politypographien”。
「ポリティポグラフィエン」とは、政治=ポリティクスと
タイポグラフィの、ふたつのことばからなる造語だそうです。
15編におよぶシュミット氏の政治的な主張は、いま
なお時代性を失わず、つよい迫力をもって
かたりかけ、素朴なタイプライターから打ちだされた
ことばは、緊迫感をもった画面構成で、タイポグラファの
役割を再確認させるに十分なものでした。