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【お客さまご訪問】中華書局:李 晨光氏、商務印書館(香港):毛 永波氏

DSCN8622《 2015年04月03日〔金〕、おふたりの中国の印刷 ・ 出版人がご来社に 》
朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部のホームページをプリントされ、それを提示されながらの、ほとんどノーアポでのご訪問でした。
日本で<活版ルネサンス>の動向が顕著なことと、朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部のうわさわ聞きつけてのご訪問でした。

◎ 写真左) 李 晨光 さん ( 中華書局  デジタル出版センター主任 )
◎ 写真右) 毛 永波 さん ( 商務印書館〔香港〕有限公司 取締役 ・ 副編集長 )

おふたりは <第18回 東アジア出版人会議 > のパネラーとして来日され、その寸暇をぬすんでのご訪問でした。
おふたりの 報告事項 は以下のとおり。

◎ 李 晨光  中華書局の古籍デジタル化と『中華経典古籍庫』
中華書局は中華人民共和国の代表的な出版社。
1912年(中華民国元年 ・ 大正元年)に 陸 費逵 ( 伯鴻 ) によって上海で設立された。
小学校や中学校の教科書の出版を中心とした出版社で、古典籍や、自然科学書 ・ 社会科学書 ・ 文芸書 ・ 参考図書類も手広く印刷出版している。
1954年05月に北京に本社を移転した。現住所は、北京市豊台区太平橋西里38号。

◎ 毛 永波  香港商務印書館のデジタル出版の歩みを追う
商務印書館は中華人民共和国の代表的な出版社。
上海租界(外国租借地)にあった米国美華書館
American Presbyterian Mission Press)の職員であった、夏 瑞芳、鲍 咸恩、鲍 咸昌、高 鳳池ら四人が、米国籍の長老会牧師 George Field Fitch ( 中国表記 : 費啓鴻、1845-1923 ) の支援をえて、1897年(清朝光緒期 ・ 明治30 ) 02月11日に上海において設立された。
現在は本社を北京王府井におき、支社網を全土に置き、商業印刷にとどまらず、総合出版 ・ 印刷所として中国第一の規模をほこる。

DSCN8627《 デジタルプリントの話題はほどほどに、中華書局 : 聚珍倣宋版、商務印書館 : 倣宋体活字で話題がおおいに盛りあがる 》
中華書局には 「 聚珍倣宋版 」 があり、商務印書局には 「 倣宋体活字 」 という、すぐれた本文用活字書体がある。
このふたつの活字書体はわが国にも昭和前期にもたらされ、中華書局系は名古屋 ・ 津田三省堂らによって 「 宋朝体 」 の商品名で発売された。 商務印書館系は大阪 ・ 森川龍文堂によってもたらされ、「 龍宋 」 の商品名で発売されていた。

この宋王朝刊本字様に淵源を発する活字書体を、故 ・ 毛沢東首席が好んだ ことは紹介した。
また現代中国では、宋体 ( わが国の明朝体 ) にかえて、倣宋体 ( わが国のいわゆる宋朝体 ) が再評価されている。
たまたま小社でも 「 宋朝体研究 」 が進行中で、その資料をみたおふたりとも、おおいに驚き、喜んでいただいた。
どうやらデジタルメディアに職掌上たずさわっていても、やはり印刷 ・ 出版人の < 活字好き > は日中ともに変わらないようであった。

【 関連情報 : 花筏 宋朝体活字の源流:聚珍倣宋版と倣宋版 01-04 】 
聚珍倣宋版表紙DSCN0892 DSCN0895 活字組版印刷見本帳 『 聚珍倣宋版式各種様張 』 と、創成者 : 丁 輔之 と 丁 善之

【展覧会】 直前情報再掲載/ヴァチカン教皇庁図書館展Ⅱ-印刷博物館 and More

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ヴァチカン教皇庁図書館展Ⅱ
書物がひらくルネサンス

会      期 : 2015年04月25日[土]―07月12日[日]
休  館  日 : 毎週月曜日( ただし05月04日[月 ・ 祝]は開館 )、05月07日[木] 
開館時間 : 10 : 00 - 18 : 00 ( 入場は 17 : 30まで )
入  場 料  : 一般 800円、学生 500円、中高生 300円、小学生以下無料
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「 ヴァチカン教皇庁図書館展 ― 書物の誕生 」 (2002年) 開催から13年目となる2015年。
〈 書物 〉 と 〈 ルネサンス 〉 をテーマに 第 2 回展を開催します。

 
ヴァチカン教皇庁図書館が誕生した時代、書物の再生がルネサンスとともに到来しました。旧来の手写本や、新たに登場した活字本、そして書物を飾ろうという要望にこたえて生まれた木版 ・ 銅版画は、書物の輝きを推進する役割を果たします。

本展では、ヴァチカン教皇庁図書館所蔵の中世写本、初期刊本、地図、書簡類計21点を中心に、印刷博物館および国内諸機関所蔵の書物を加えた計69点を展示、ルネサンス精神の比類なき生き証人である書物の魅力に迫ります。
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<おすすめ企画/ヴァチカン図書館展Ⅱ 関連講演会>

06月27日[土]
対談企画 「 アルド ・ マヌーツィオの魅力 」
雪嶋 宏一 ( 早稲田大学教育 ・ 総合科学学術院 教授 )
白井 敬尚 ( グラフィックデザイナー  白井敬尚形成事務所主宰 )

会 場  :  印刷博物館 グーテンベルクルーム ( 地階 )
時 間  :  14:00-16:00 ( 終了時間は予定です )
料 金  :  無料 ( 企画展にご入場の際は、別途入場料が必要です )
定 員  :  80名 事前申込制 先着順
【 講演会申込フォーマット : 「 ヴァチカン図書館展Ⅱ」 講演会

──────────  餘談ながら 〔 初出では S 氏 、K 氏としたが、ここでは本名でしるす 〕

【 初  出 : タイポグラフィあのねのね*013 マインツとグーテンベルク 2011年08月11日 】
【 再掲載 : タイポグラフィ あのねのね*014 アルダス工房、ドベルニ&ペイニョ、アーツ&クラフト運動 2014年12月01日 より部分】

活字版印刷術 タイポグラフィ と 情報は、水の流れにも似て……
五体と五感をもちいたアルチザンの拠点

烏兎匆匆か、はたまた 光陰矢のごとしか
◎ おあとは、よろしいようですね! ◎

デザイン界に、いまだ充実した 「 教科書 」 が不在だったころのはなしである。 そうふるい話しではない。 1997年のこと。
京都のさる美術大学が、四年制の通信教育学部をつくろうとなったとき、あたりまえといえばあたりまえだが、所轄官庁から 「 教科書 」 の製作を強くもとめられた。
そのタイポグラフィ篇の教科書の執筆を依頼されたが、単独執筆では偏りを生ずるおそれがあったので、白井敬尚氏、河野三男氏に依頼して、03名で共同執筆にあたった。

執筆に取り組んで、あらためておどろいた。 当時の美術大学や藝術大学 ( くどいようだが1997年のこと )には、どこにも、デザインの教科書はもとより、先行資料といえるようなまとまった資料はなかったのだ。 先行資料が無いということは、ある意味では提灯も無く暗い夜道を歩むようなものであった。

そのため、まったく手探りで、「 デザイン教育用の教科書 」 をまとめなくてはならなかった。 そのツメの段階にきたとき、資料不足が明確になったので、筆者を含む03名で、ヨーロッパ駆け足取材 ( 費用は各自負担だったケト ゙ ) を計画した。

執筆と旅行の準備に追われていたある日、白井敬尚氏が血相を変えて駆け込んできた。
ゲーテ 『 イタリア紀行 』 に,アルダス ・ マヌティウス 〔 アルド ・ マヌツィーオ 〕 の工房が、「 ベネツィアのサンセコンド2311番地 」 にあることが紹介されている、と興奮した面持ちでかたった。
18-19世紀の文豪 ゲーテ ( Johann Wolfgang von Goethe  1749―1832 ) が記録したその記録が、現在もまだ有効な資料かと半信半疑ながら、「 ヴェネツィア、サンセコンド2311番地 」 の名前だけは咒文のように記憶して出かけることになった。
20141203152153278_0001ともかく慌ただしい旅 ( 珍道中ともいえる ) であった。  ドイツに入り、パリを経由して 列車でスイスに、そしてまた列車でイタリアに入った。
イタリアでは拠点を パドヴァ のちいさなホテルにおいた。 すなわち長靴形のイタリア半島を上下に移動するのではなく、半島の付け根を左右に行ったり来たりした。
ミラノから取材をはじめ、翌日にはヴェローナのタイポグラファの友人、マルチーノ ・ マーダシュタイク氏からさなざまな支援を受けた。

当然、ヴェネツィアのアルダス工房の所在地も聞いたが、
「 ヴェネツィアのどこかに、いまもアルド ・ マヌッツィオ ( マルチーノの発音 ) の工房があることは聞いた気がするなぁ」
程度の曖昧な回答だった。

そこで、やはり ヴェネツィアに行くしかない……、 となった。
いまならグーグルマップで即刻詮索だろうが、この取材は1997年のこと。
ヴェネツィア駅に降り立って、すぐに詳細な街路図を購入して、駅前広場で地図をひろげて03人による鳩首検索。
おなじ列車で着いた旅行者は四散して、駅頭からすっかりひとがいなくなったのに、まだ駅前でただただ地図とにらめっこをしている奇妙な日本人が03人。
「あった~! ココにある」。
やはり最初に豆粒のような街路図から 「 サンセコンド 」 の名を見つけたのは白井敬尚氏だった。

さっそく いくつかの橋を ( 駆け抜けるように ) わたって 「 サンセコンド通り 」 に駆けつけた。
それからの興奮、舞いあがりのさまをしるすのは ( あまりに恥ずかしいから ) 控えよう。
ともかく03人は、いまはヴェネツィアン ・ グラスの工房 ( 写真向かって左 ) と、ブティック ( 写真向かって右 ) になっているこの建物に、( 買い物のふりをして ) 押し入り、仔細に ( 柱の1本1本に頬ずりをし、壁もナデナデして ) 内部構造もミタ。

まことに奇跡ではないかとおもった。 520年ほど以前 ―― わが国では足利幕府の時代、すなわち1495年ころから この工房は活動を開始し、20年余にわたって133冊 ( 種類 ) の評価のたかい書物をのこしている。 その工房がそっくりそのまま地上にのこっているのだから、高松塚古墳 モトイ ポンペイの遺跡が発掘されたときよりおどろいた !?

それから筆者はここを都合04回訪れ、いつもお義理でヴェネツィアン ・ グラスの安いものを購入していた。 そのため工房のあるじとも親しくなった。 店主はいかにも技芸の街、ヴェネツィアのアルチザンといった朴訥 ボクトツ なひとで、
「 最近、日本人のデザイナーが良く来る。 かれらは丁重で、必ず名刺を出して、死ぬほど写真を撮りまくる 」
と ( いうようなことを ) ボソボソとかたっていた。 それでも気のせいか、この建物に入ると、いつも活版インキ独特の甘い残り香をかんじていた。 なによりも、この 「 サンセコンド2311番地 」 の 建物正面の壁面には、重重しく銘板が埋め込まれており、以下のような文言がしるされている。

その名があまねく知れわたりし マヌティウス家の啓蒙者
アルダス ・ マヌティウス
このヴェネツィアの地にて 優れし印刷術に 身も心も捧げたひと

大学側の最初の説明では、通信教育学部の発足までに、各教科、都合10冊の教科書をつくることが必要だとされた。 吾吾03人組はなにはともあれ締め切りは守った。
それにしても……、常勤の大学教員はただただ傍観するだけ、その間なにもしなかったなぁ。 それがして、それまで美術大学に教科書が無かった理由かもしれない。

ともあれ、発足までに間にあったのは、吾吾が担当したタイポグラフィ篇と、別の著者によるイラスト篇だけだったようだ。 のこりの教科は、大学当局が監督官庁となんとかうまく話しあったのだろう。
したがってこのふたつが取りあえず合冊されて、『 情報デザイン演習Ⅰ 情報デザインシリーズ Vol.1  イラストレーションの展開とタイポグラフィの領域 』 と、えらく長い ( 大仰な ) タイトルがつけられて、1998年(平成10)04月01日に発行され、四年制の通信教育学部の発足をみた。
そして、それから数年もたたずに、あちこちの美術大学や藝術大学に 「 教科書 」 がもうけられるようになった。 わが国には <ちいさく右へ倣え> のふうがある。

【 詳細情報 : 凸版印刷 印刷博物館

【新宿私塾】 新宿私塾第25期 全課程を修了いたしました。

私塾25期修了新宿私塾第25期終了

《 新宿私塾第25期は、澄みきった青空のもとでスタートしました 》
あっぱれ日本晴れの日でした。抜けるように碧い空のもと、新宿私塾第25期は2014年09月30日[火]からスタートしました。

ウェブ系デザイナーの男性が多かった24期にくらべ、25期はどちらかというと、企画立案やグラフィックデザインを職とするかたが多く、男女比もバランスがとれていました。
それでも宿私塾第25期生は、これまでの塾生諸君とおなじように、とても意欲的で、向上心と個性のつよい若者がたくさんあつまりました。

入塾25期9.30新宿私塾第25期は2014年09月30日[火]スタート。ふり返ると皆さん表情が硬いですね。

ここには、現役の藝術 ・ 美術大学の学生、一般大学の学生もいます。 もちろんすでに造形者としての職業人も、異分野で活躍する職業人もいます。
それでも造形者、タイポグラファとして、いっそうの向上をめざすという一点において、こころざしをおなじくする仲間であることを確認しました。
ですから短い開塾セレモニーのあいだに、次第に緊張がゆるみ、笑い声ももれるようになりました。
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新宿私塾では、タイポグラフィにおける 「 知 ・ 技 ・ 美 」 のみっつの領域で、バランスのよい学習をモットーとしています。 それはまた 「 知に溺れず、技を傲らず、美に耽らず 」 という、つよい自戒をともないます。
新宿私塾第25期は、爽秋の2013年09月30日にスタートし、早春の2015年03月17日に修了しました。この半年間、ほぼ正月休みもなく新宿私塾は開講されました。

この半年のあいだ、塾生の皆さんがおおきな収穫が得られるように、講師陣はもとより、200名を優にをこえた 「新宿私塾修了生」 の皆さんも、あたらしいタイポグラフィの前衛を育成するために努力してきましたし、25 回の講座はいずれも内容の濃いものでした。

開塾から半年後、修了式当日の、自信にあふれた塾生の皆さんの、お顔と、お姿を紹介しました。
出会いはうれしく、別れはさびしいものです。 それでも皆さんは多くの収穫をもって新宿私塾を修了され、造形界の前衛としておおきく羽ばたき、旅だっていきました。
新宿私塾は、タイポグラフィの前衛としての連帯感をもって、修了生の皆さんをいつでもあたたかく迎えますし、活躍のようすを見守り続けます。

額田王の開花

額 田 王   ぬかたのおおきみ
冬ごもり 春さり來れば 鳴かざりし 鳥も來鳴きぬ 咲かざりし . . . . . .

《 新宿私塾 第25期 カリキュラム 表紙デザインの記録 》
プリント

私塾26期募集終了今回は一般公募は実施いたしません。 ご了承ください。

【 関連情報 : [新宿私塾] 第25期がスタートしました 2014年10月01日 】
【 関連情報 : 新宿私塾 & 活版カレッジ いつものとおり、熱く、堅実に、淡淡と開講中です。―― +次期公募状況のお知らせ 2015年02月02日 】

【活版カレッジ】 冬期昼間部講座 全課程を修了しました。

活版カレッジ < 活版カレッジ 冬期講座 > は、2015年01月08日から開始され、03ヶ月間、全09回の講座がつづき、03月19日に修了いたしました。
ここのところ、< 新宿私塾 > の修了生が < 活版カレッジ > へ、その逆に、< 活版カレッジ > の修了生が < 新宿私塾 > へと、両講座の交流もめだったきました。
ともかく < 活版カレッジ > は04名という徹底した少人数の講座ですので、第一回目の講座終了時点で、すでに造形者としての連帯感がめばえるようです。 DSCN7934DSCN7516DSCN7947 <活版カレッジ>は、朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部の直接指導により、本格的な活字版印刷術の知 ・ 技 ・ 美 の 三領域を バランス良く学べます。
また、科学と、学術的根拠にもとづいた実技と実践を基盤とし、小型活版印刷機 Adana-21J ,  Salama-21A によるケーススタディ ・ メソッドをふんだんに駆使し、あたらしい時代の活版印刷の現場での、現実的な課題の解決方法を学ぶことを目的とします。

次回講座の開講は、2015年04月夜間部、2015年07月夜間部での開講を予定しております。
なにしろ04名という少人数での講座です。 ご関心のあるかたは、できるだけ早めにご一報いただきますと、受講が確実となります。

今回の 「 2015年冬期講座受講者 」 の皆さんは、お若いかたばかり、男性女性各二名でした。 最終日の03月19日は 「 多色刷り 02 」 の講座が続きましたが、さすがに皆さん別れがたいおもいがあって、ちいさな 懇親会 兼 お別れ会 を開催されました。
それでも 《 活版カレッジ 》 修了生は、ほぼ毎月 < 活版カレッジ アッパークラス > が開催されていますし、さまざまなイベントでの再会や、もはや伝説と化しつつある < お餅と餃子の忘年会 > はますます盛況です。 これからも、しばしばお会いできますね。

額田王の開花

額 田 王   あかねさす  紫野行き  標野行き  野守はみずや  君が袖振る

【 基本情報 : 教室のご案内 Salama-21A操作指導教室 活版カレッジ
【 関連情報 : 活版カレッジ、Salama-21A 操作指導教室 & 新宿私塾 いつものとおり、熱く、堅実に、淡淡と開講中です。―― +次期講座応募状況 】 

【アダナ・プレス倶楽部】 第18回 活版ルネサンスフェア開催! 終了しました

活版ルネサンスWeb

*   *   *
と き * 2015年03月27日[金]  28日[土] 13 : 30 ― 19 : 00
ところ * 朗 文 堂 4F-B
160-0022  新宿区新宿2-4-9  中江ビル 4 F
Telephone  : 03-3352-5070
[ 来場ご案内マップ ]
*   *   *
 春うらら、梅たよりもチラホラきかれる良い時候になりました。
いよいよ創作の春がはじまりました。 皆さまお元気にてご活躍のことと存じます。
《 活版ルネサンスフェア 》 は、通常 春と秋の 2 回にわたって開催され
アダナ ・ プレス倶楽部会員、活版造形者、活版ファンの皆さまを対象に
活版印刷関連の新製機器と、資材、そして一部は中古品の
活版関連機材 ・ 資材の 展示即売会 です。
手狭な会場ながら、 貴重アイテム、 マニアックな商品が溢れています!
春の創作シーズンに、このチャンスをぜひともお役立てください。
[ 東京都公安委員会許可 第304380708865号 ]

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話題沸騰 !!
発売一周年をむかえた アダナ式小型活版印刷機 Salama-21A を
会場でご体験、ご覧ください。
Salama 4cWebsala22630 sala22657 sala22663朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部の製造 ・ 販売による 〈 アダナ式小型活版印刷機  Salama-21A 〉はもとより、新品の活版印刷関連機器、独自企画開発商品と、活版印刷所で長年の使用に耐えてきた優秀な中古品もドッサリ用意いたしました。

活版印刷のサポーターとして、アダナ ・ プレス倶楽部ならではの、懇切丁寧な使用方法の解説もいたしますので、狭い会場ながら魅力溢れる展示販売会となります。
春の創作シーズン、展覧会シーズンの到来に合わせて、創作に活用できそうな機材の補充、実製作での疑問の解決、技術の向上に、どうぞこの 《 活版ルネサンス フェア 》 をご利用ください。

《 今回の主なご紹介アイテム   順不同 》
―― 商品の一部に、現品限りのものがございます。売り切れの際はご容赦ください。
新開発 アダナ式小型活版印刷機 Salama-21A /新開発 圧盤用ラバー ・ クッション胴張りセット/活版専用ピンセット新旧/ジャッキとジャッキハンドル新旧/KMT全自動活字組版機(日本語モノタイプ)活字母型庫 8pt, 9pt, 10pt  明朝体/罫線各種/くじら尺/特製組みつけ台/金属インテル各種/活版用強力磁石/特製組版ステッキ、中古組版ステッキ/ファニチュア各種/工具類(ブレース鋏 ・ 鳥居鋏 ・ 罫切り鋏)/罫切り器/各サイズ込め物セット/活字倍数尺/特製ムラ取りハンマー&ならし木セット/ブロッキング防止パウダー/特白ウェス/無臭洗い油/インキ ・ ハンド ・ ローラー/インキべら/インキ ・ パッド/ゴム ・ ローラー ・ メンテナンス剤/オイルベース活版用インキ各色(1 キロ缶、特製200グラム缶)/活版用墨青口インキ/ラバー ・ ベース ・ レタープレス用インキ/版画用メタルベース(19.68ミリ、19.70ミリ)/樹脂版用メタルベース(21.89ミリ、23.39ミリ)/特製五号サイズメタルベース箱入りセット/特製カタ仮名活字 アラタ1209/輸入欧文活字スキームセット/輸入オーナメント活字各種/凸版用スプレーボンド/特製文選箱/中古文選箱新旧各種/文選箱ストッパー/セッテン/特製文選箱立て/特製ミニ組みゲラ/中古組みゲラ/特製ミニ置きゲラ/中古置きゲラ/特製ミニスダレケース棚/活字サイズ照合キット

 その他掘り出しもの、在庫限りの貴重アイテムがどっさり。
皆さま、友人・ 知人と誘いあわせてのご来場をお待ちしております。

【会員情報】 杉本昭生 小型本の世界Ⅵ

朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部会員、京都在住の杉本昭生さん製作の小型本 ( いわゆる豆本 ) 紹介の 第六弾です。  今回のご紹介は以下の二冊です。

1 )  森  鷗 外  『 電車の窓 』
2 )  夏目 漱石   『 夢十夜より-第三夜- 』

ともすると小型本の製作者は、なによりも小型であることと、装本のおもしろさにこだわりがつよいあまり、そのテキストが、読書のための 判別性 Legibility と、可読性 Readability を失っていることがみられます。
ところが杉本さんは、もともと読書家ですので、たとえ小型本であろうと、テキストを厳選し、みずからも読み、読者にも読んでもらおうというつよい意志を感じます。
DSCN8507 DSCN8513 DSCN85171 )  森  鷗 外  『 電車の窓 』
『 電車の窓 』 は森鷗外の小品です。
偶然おなじ市電に乗り合わせた女の寂しげなようすがきにかかり
あれこれ想像して書いた、いわば作者の妄想小説です。
小説の感想をいうならば
いつの時代も美しい女性は男の眼をひくものであること、
おおかたの男性は電車内で前の席に座った女性の行動を観察し、
その日常をいろいろ想像していること . . . . . . などなど。
なんの予定もない雨の日曜日にでもご一読ください。

DSCN8501 DSCN85042 )  夏目 漱石   『 夢十夜より-第三夜- 』
「 こんな夢を見た 」 という書き出しで知られる 『 夢十夜 』 は
明寺41年07月25日から08月05日まで 『 朝日新聞 』 に連載されました。
漱石としては珍しい幻想的な作品です。
第三夜は、淋しい道を子供を背負って歩いている 「 自分 」 と
背中の子どもとの会話が中心で、圓朝の怪談話を聞いているような気になります。

 < 既出紹介 >
【 リンク : アダナ・プレス倶楽部ニュース 杉本昭生 小型本の世界Ⅰ 】
【 リンク : アダナ・プレス倶楽部ニュース 杉本昭生 小型本の世界Ⅱ 】
【 リンク : アダナ・プレス倶楽部ニュース 杉本昭生 小型本の世界Ⅲ 】
【 リンク : 活版 à la carte 杉本昭生 小型本の世界Ⅳ
【 リンク : 活版 à la carte 杉本昭生 小型本の世界Ⅴ
【 リンク : 活版 à la carte 杉本昭生 小型本の世界Ⅵ

【会員情報】 ヘルムート・シュミットさん、 typographic reflection 11-man made nature made 刊行

展覧j会 reflections 展覧会1 展覧会2 展覧会3 展覧会ベルリンの壁シリーズ 展覧会福島シリーズ 展覧会ラスト

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typographic reflection 11
man made  nature made

255 × 250 mm  中綴じ 36 p
モノクロ スミ 1c
2015年03月発行  非売品

大阪で活躍する造形者のヘルムート ・ シュミットさん。
このごろではニコール ・ シュミットさんも加わり、
かててくわえて、ニコールさんのご主人/長谷川 哲也さんも加わり
二世代 四人の造形者の すばらしいデザインユニットとして
Helmut Schmid Design に進化 ・ 発展しました。
そんなユニットが自主製作されている typographic reflection も
いつの間にか11号を数えるまでになりました。
閲覧ご希望のかたは、朗文堂においてもバックナンバーをご覧いただけます。

【 関連情報 : 朗文堂ブックコスミイク 『 japan japanese 』
以下の情報は『 japan japanese 』に関して2011年12月14日-13年03月21日まで、都合09回にわたって掲載された記事を、降順に並べ替えて掲示した。

【会員情報】 エディション・ノルト 秋山 伸さんからのお知らせ

独自の作風と、飄飄としたお人柄の造形者 : 秋山 伸さん。
秋山さんのかつてのスタジオ < シュトウッコ > は、朗文堂から徒歩二分ほど、
おなじご町内の間柄でした。

現在は新潟県に製作の本拠地を移動されてさびしい限りですが、
精力的な活動をつづけられ、ときおり丹念な情報をご送付いただいております。
その一部をここにご紹介いたします。


エディション・ノルト  edition nord

〒949-7316 新潟県南魚沼市
T/F : 025-788-0576
www.editionnord.com  twitter : editionnord

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エディション ・ ノルトより
出版 ・ デザインに関するお知らせ

1 : 新刊について
2 : デザインワークについて
3 : その他/受賞 ・ 寄稿

1 │
昨年末から今月にかけて3冊の本を出版しました。
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otk 003
大竹伸朗展 : ニューニュー
http://www.editionnord.com/jp/otk003.html
全国の書店で販売開始しました。
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szk 001
鈴木理策 : Stream of consiousness
http://www.editionnord.com/jp/szk001.html
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で先行販売されています。
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stc 001.11
平山昌尚 : 5522
http://www.editionnord.com/jp/stc001_11.html
現在、店頭在庫のみとなっています。 お早めにどうぞ。
既刊 「 3444 」 もよろしくお願します。
sa──────────
2 │
昨年末から2月にかけて始まった 3 つの展覧会と
せんだいスクール ・ オブ ・ デザインの最終イベントの
告知印刷物のデザインを担当しました。

越後妻有里山現代美術館 [ キナーレ ] の 「 Beyond the Clouds : 雲の向こうに 」
チラシ、招待状、チケット等を一緒に面付けし、刷り出しをポスターにしました。
http://smcak.jp/
kinare-2_IMG_0237-lowkinare-1_IMG_0233-low

東京都現代美術館の 「 未見の星座 : つながり/発見のプラクティス 」
フローティング ・ タイポグラフィ。 アイテムごとに刷り色を変えています。
http://www.mot-art-museum.jp/
mot-2_IMG_0209-low mot-4_IMG_0219-low
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館の 「 鈴木理策写真展 : 意識の流れ 」
フローティング ・ タイポグラフィ。 異なる素材の 2 枚の紙が貼り合わされたチラシ。
http://www.mimoca.org/ja/
mimo-1_IMG_0261_2-low mimo-2_IMG_0265_2-low
せんだいスクール ・ オブ ・ デザイン 「 ラップアップシンポジウム 」
ポスター/チラシ。  A1 → A4 に折り、膨らんだ側面にスプレー彩色。
http://sendaischoolofdesign.jp/archives/18077
IMG_5750-ssd-re-low──────────
3 │ その他

「 STREET RAMBLER 」 で中藤毅彦さんが、第24回林忠彦賞を受賞されました。
デザイン : エディション ・ ノルト │ 発行 : ギャラリー ・ ニエプス
http://www.hayashi-award.com/
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helmut schmid design 発行の「 typographic reflections 11 」 が刊行されました。

秋山が 「 反伝達、制約と逸脱、笑い、非力さ 」 を寄稿しました。  
http://www.hsdesign.jp/
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【 既出情報 : エディション・ノルトより 出版 ・ 展示 ・ イベント に関するお知らせ 2014年08月19日 】 

【ご冥福をお祈りいたします】 GKデザイングループ会長 栄久庵 憲司氏が永眠されました

栄久庵 憲司氏遺影栄久庵 憲司 遺影 1929-2015年
法名  光蓮社曄譽上人宙道憲司和尚

美を求めることにより、モノの具えは生きるべき道を得て
正しい道具となるのです。 そして、人はその道具を通じて
自らの生きる道を拓くことができるのです。

鳳が翔く『 栄久庵 憲司と GK の世界  鳳が翔く 』 ( 世田谷美術館 2013年07月 )

GK デザイングループ会長 栄久庵 憲司氏が 2015年02月08日に永眠されました。
本葬儀は社葬をもって 03月17日[火]
大本山 増上寺 大殿 にてとりおこなわれました。
ここに謹んでご報告申しあげます。

【展覧会】 宇都宮美術館 遊亀と靫彦 ─師からのたまもの・受け継がれた美─

20150323141331112_0001 20150323141331112_0002

◯ 会    期 : 2015年04月05日[日]-05月17日[日]
◯ 開館時間 : 午前09時30分-午後05時(入館は午後04時30分まで)
◯ 休 館  日: 毎週月曜日、(ただし5月4日は開館)、および4月30日[木]、5月7日[木]
◯ 観  覧  料 : 一般900円
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端正な線と豊麗な色彩で多くの歴史人物画を残した安田 靫彦(やすだ ゆきひこ 1884-1978)。
その愛弟子で、モダンで新しい日本画表現に果敢に挑んだ小倉遊亀(おぐら ゆき 1895-2000)。
二人の画家は、共に近代日本画の歴史に大きな足跡を残しました。

奈良女子高等師範学校卒業後、教鞭をとりながら絵画制作を続 けていた遊亀は、1920年(大正9)、靫彦に入門。 遊亀独自の絵画世界へ向けて確かな一歩を踏み出しました。
そして、この師弟をつないだともいえるのが、「 大和の生き字引 」 といわれた歴史学者、水木 要太郎(みずき ようたろう 1865-1938)でした。 水木は、靫彦が奈良に内地留学した際に親しく交流を持ち、また、遊亀の高等師範学校時代の恩師でもありました。

本展覧会では、安田靫彦、小倉遊亀、それぞれの名品をご覧いただ き、さらに、広範囲な文物のコレクターでもあった水木の旧蔵品から、 二人と関係する作品や資料を展示いたします。 また、宗達など古人の残した作品の研究を重ね、自らの制作に生かした靫彦の遺愛の古美術品なども取り上げます。

こうした様々な視点から安田靫彦と小倉遊亀をご覧いただくことにより、それぞれが生み出した美と、師から弟子へと引き継がれたものを感じ取っていただく、またとない機会となるでしょう。
【 関連情報 : 宇都宮美術館 企画展

<次回展のお知らせ 詳細紹介は後日>20150323141331112_0003

 

【アダナ・プレス倶楽部】 Romano Hänni さん & King of ADANA Land, Alan Bringnull さんのカードをご紹介

年末から年初にかけて、たくさんの皆さまからクリスマス ・ カード、年賀状などをいただきました。
旧暦でのお正月(春節)をむかえた国や地域の皆さまとの、
グリーティングカードのやりとりも一段落いたしましたので、ここであらためて仕切りなおし。

アダナ ・ プレス倶楽部がいただくのは、おおくは活版印刷によるものですが、心のこもった、すばらしいものばかりでした。 ありがとうございました。
国内の皆さまのカードもご紹介したいところですが、そうすると数百枚の数にのぼり、またご住所などは、せっかく配慮をこらしたものでも、情報管理に配慮して削除せざるを得ません。
そこでスイスとイギリスからの、おふたりのカードをご紹介させていただきます。
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romano01 romano02
2015年、スイスの活版印刷造形家/ロマノ ・ ヘニ (Romano Hänni ,  1956-)さんのカードです。
ヘニさんは昨年の10月に来日、個展を開催されて、たくさん日本での友人をつくられました。
下掲写真はその際小社を訪問されたときのものです。


【 ロマノ ・ ヘニ URL : Romano Hänni  Studio for Design 】  鮮明画像がたくさん掲載されています。 
【 関連情報 : スイスの活版印刷造形家 : ロマノ・ヘニさんが来社されました
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カード ありがとう&よいお年を 手製封筒King of ADANA Land, Alan Bringnull さんのカードです。
イギリスのブリンヌルさんは、アダナランドの御領主としてのご公務 !?  でお忙しくされておられます。
そのいっぽう活版アトリエにこもって < Rambling Urchin-ワンパク坊やのお散歩 > という名前の造形活動も余念がありません。

いつもながら、ブリンヌルさんの 「 航空郵便用封筒 」 も、作品袋も、すべて手づくりというこったものです。 今回は日本語のごあいさつも同封されていました。

【 関連情報 : 活版凸凹フェスタ*レポート13  2012年08月06日

【朗文堂ブックコスミイク】 出版記念講演会 髙野 彰 『洋書の話』を語る-終了しました。

【 プリント用 PDF   lecture_takano
講演会web

【 出版記念講演会 】
髙 野 彰 『 洋書の話 』 を語る
◯ 日   時  :  2015年03月14日[土] 14:00 - 16:00 
◯ 会   場  :  東洋美術学校 D 棟 学生ホール
◯ 主   催  : 朗 文 堂
◯ 後   援  : 学校法人 専門学校 東洋美術学校 産学連携事務局

※ 終了いたしました。 ご来場ありがとうございました。
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P1160931 P1160924 P1160929[ 会場写真提供 : 中村将大さん ]

【上海会員情報】 成果のおおかった2014年、そして …… 畠中 結さん/楊 黙さん

気のせいでしょうか。 なにやら覇気のない昨今のわが国のアートシーンであり、造形界です。
そこで、中国 ・ 上海で元気いっぱいに活躍する、畠 中 結 ・ 楊  黙 [ Yui HATAKENAKA ,  Mo YANG ]ご夫妻からの情報をご紹介いたします。

畠中さんは上海ですき焼き ( 畠中式吉祥字表記 : 寿喜鍋   日本漢字 : 鋤焼き ) をつくり、友人にはレシピを公開されたようです。 ワンちゃんもよろこんでいたようですが、上海でのすき焼きのお味はどうだったのでしょうか。
そして04月には出産のため、一時日本に帰国されるとのことです。
ここのところ、アダナ ・ プレス倶楽部会員の皆さんの出産がつづき、嬉しいニュースがどんどん飛び込むこの頃です ( かわいい赤ちゃんの写真を紹介できないのがすこし残念です )。

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<上海 畠中 結さん 2015年02月17日>
先日御社から送っていただいた年賀状がようやく上海のわが家に届きました!
消印を見るとかなり郵送時間がかかったようですが、今は私の手元にあります。 ありがとうございました! 刷りがとってもきれいでおしゃれですね^^家に飾ります。

昨年は下半期から夫の 楊 黙 も忙しくなって、展覧会に参加したり、リトグラフ作成のイベントを開催したりしておりました。
上海のローカルテレビなどにも取材されていましたが、その中でも良く撮れていた物がありますので、もしお時間ありましたらご覧下さい( 全部中国語ですが、怪しいサイトはありません。 写真だけでもご覧下さい )。

◯ 【 一条 】 ⇒ 動画サイトでいろいろ取材したものを紹介している企業です。 夫が取材された時のURLはこちらです。
http://v.youku.com/v_show/id_XODc0OTM2MTg0.html  
( 広告はスキップ。 動画サイトに飛びます。 音が出ますのでご注意を 03 : 30 )

◯ 印物所のブログ(?)のようなものです。 最近は更新が無いようですが・・・
http://site.douban.com/238010/

◯ 昨年の夏に展覧会をした時に、友達がサイトで紹介してくれました。
アルファベットのカードは 活版印刷機 Adana-21J を使用して印刷しました。
http://www.voicer.me/archives/19446

◯ 昨年夏に取材された時のネットニュースです。 活版印刷機も活用しています!
http://www.why.com.cn/qnzhg/HTML/shzk/shzk_jj/Info/Detail_94594.htm

◯ 私と夫と友人達で02年ほど不定期で料理紹介ブログをやっています。 宣伝ばかりになって申し訳ありませんが、もしお時間あればご覧下さい。
「 うまみ食堂 」、全編中国語ですが、料理+手書き文字+イラストは私、写真は夫、編集レイアウトなどは友人がやっています。
http://www.voicer.me/archives/category/umami

◯ そして、このサイトの派生企画として、今年は手のひらサイズのカレンダーを作ってみました。 実はお二人にもお送りしたかったんですが・・・まだ03月分までしかできていなくて・・・。
2015年もすでにはじまって数ヶ月経っていますが、完成したらお二人に必ずお送りします!
(そもそも実用性があまり高くないので、カードとして楽しんでいただけたら幸いです^^;)
http://www.voicer.me/archives/20696

畠 中  結 ・ 楊  黙 [ Yui HATAKENAKA ,  Mo YANG ]
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<上海 畠中 結さん 2015年03月08日>
今回ご連絡さし上げたのは、ちょっとしたお知らせがあったからなんですが……。
上海の友人のひとり、Ling Meng ( リン ・ メン ) が、現在東京渋谷の DIESEL ART GALLERY において個展を開いています。

Ling Meng ( リン ・ メン ) は夫の親友で、夫の工房とも、とても関わりが多い人物です。 彼のタイポグラフィデザインのカードや作品は、夫の工房で印刷しています。
Ling Meng の、独特で繊細な世界観をぜひとも見て頂きたいと思いご連絡させて頂きました。 私は本当に残念ながら展覧会に行くことができませんが、彼の作品の完成度は高いです!  
ではまたご連絡いたします!

畠 中 結 ・ 楊  黙 [ Yui HATAKENAKA ,  Mo YANG ]
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DIESEL ART GALLERY  EXHIBITION
Ling Meng 01 Ling Meng 02 Ling Meng 03 Ling Meng 04

SPECIMENS OF TIME – 時間の標本 -
LING MENG
2015.3.06 (FRI) – 5.22 (FRI)

【 企画詳細 : DIESEL ART GALLERY  EXHIBITION

【 関連記事 】
★ YANG MO  楊 黙
★  エッ、いまごろお正月 !? 上海在住の会員がご来社に。そして「老北京のご紹介」 2014年02月10日
★  <在時間的某処>, Somewhere in time, ある日どこかで。 2014年05月21日
★ 中国 上海の活字製造と活版印刷関連情報 ── 畠中結さんからのご報告

【朗文堂ブックコスミイク】 『わたくしは日本国憲法です。』 を <朝日新聞>東京版・山梨版が連続紹介。

2015年03月03日、『 朝日新聞 』 朝刊 第29面(東京)に 『 わたくしは日本国憲法です。』 が紹介されました。
2015年03月11日、『 朝日新聞 』 朝刊 第29面(山梨)に 『 わたくしは日本国憲法です。』 が紹介されました。
< 憲法 > の周辺に暗雲がみられるこの頃です。 ご愛読をお待ちいたします。

【 関連URL : 『 朝日新聞 』 朝刊 第29面(東京)

顔写真鈴木篤氏 小

02わたくしは表紙
わたくしは日本国憲法です。

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著   者 : 鈴 木  篤  すずき あつし
発   行 : 2014年07月26日 
定   価 : 本体 1,200 円+税(四六判 ソフトカバー 190 ページ)
      ISBN978-4-947613-90-5 C0036
おちかくの有力書店、オンライン ・ ブックショップでお求めください。
直送は送料別途請求にてたまわります。
朗文堂 営業部 : 160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
            Telephone 03-3352-5070
             Facsimile   03-3352-5160
                              http: //www.ops.dti.ne.jp/~robundo
             E-mail :  robundo@ops.dti.ne.jp

【 新刊案内 : ブックコスミイク 私は日本国憲法です。
【 関連情報 : ブログロール 弁護士 鈴木 篤 のつれづれ語り

【会員情報】 かたりべ文庫 職人の手仕事/活版印刷 山田善之

かたりべ文庫 山田01 山田02 山田03九州福岡市に 「 あらたな 」 活版印刷所 <文林堂> が再生しました。
現在の <文林堂> は、山田善吉、トヨ子夫妻の経営によりますが、その命名は、1938年(昭和13)に創立された、先代の父親によるものとされます。

同社は、戦後の印刷方式の激変期にあって、名刺用の手フート印刷機をのぞき、活版印刷関連機器を廃棄し、オフセット平版印刷に注力して、一時は従業員も25名を数えるまでになりました。
ところが近年のオフセット平版印刷の衰退にあわせ、原点回帰をめざし、一度は廃棄した活版印刷機器を再構築されての<活版ルネサンス>への挑戦です。

20150312003328704_0001『 VIVA !!  カッパン 』(アダナ・プレス倶楽部 大石 薫、朗文堂、2010年05月21日)

同社の活版ルネサンスに導入された印刷機の中心は、近代活版印刷の原点ともいうべき、アルビオン型手引き印刷機であり、わずかに保存されていた手フート印刷機でした。 活字は近隣の旧活版印刷業者からの提供をうけながら、補充購入での再構築となりました。
職人の手仕事シリーズこの記録を、株式会社ゼネラルアサヒ(812-0064 福岡市東区松田三丁目777番地)発行の<かたりべ文庫 職人の手仕事>がまとめられ、小社もわずかばかりのお手伝いをしました。 ご関心のあるかたは下記にお問い合わせください。

【 関連情報 : 株式会社ゼネラルアサヒ
【 関連URL : かたりべ文庫サイト

──────────  既出関連情報
中島印刷01 中島印刷菊四手差し活版印刷機02 中島印刷文選植字部032011年、富山県滑川市の中島印刷所が、父祖の家業であった活版印刷業を再生させました。 代表の中島正彦さんの愛用機は <菊四判手差し活版印刷機> です。
Adana-21J は 名刺 ・ はがきの印刷で大活躍をつづけています。

【 参考情報 : [会員情報]中島印刷所 活版印刷で リ ・ スタート

【会員情報】 林 昆範さん 静かな台湾春節の祝い

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ヴィネット02号改訂版  『 中国の古典書物 』
著  者 : 林 昆範  リン-クンファン
装  本 : B5判 並製本 112頁
発  売 : 2014年06月24日
価  格 : 本体2,500円 + 税
ISBN978-4-947613-89-9
全国有力書店、オンライン ・ ブックショップでご購入できます。
小社でも直売 ・ 直送をたまわります
崔護『都城南荘』DSCN4963DSCN5097
動画 YouTube 林 昆範 『 中国の古典書物 』 増刷版 刊行記念講演会 筆書実演編 16 : 24

会場となった 「 東洋美術学校 」 にちなみ、「 東洋 」 を篆書 ・ 隷書 ・ 楷書 ・ 草書で書き分けています。
また後半部(07:40以降)では、右起こし縦組みの中国古典­書物 ( そしてわが国の縦書き文書 )
の基本形式となった書字法の、わかりやすい例として、竹簡による 「 簡冊 カンサク 」に、著名な唐詩 「 人面桃花 」 を隷書で書き上­げました。
これをみると、簡冊の書字に際しては右起こしの縦組みでも、墨で手が汚れることなど無かったことがよくわかりますね。 

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皆さまの親しい友人、台湾中原大学助教授 : 林 昆範さんから<春節>節日のお便りをいただきました。
林 昆範さんのご一家は優秀で、お父君は 「 中医医学博士 (漢方医学博士)」、ご本人は「 芸術学博士 」、弟さんはアメリカで学んだ 「 医学博士 」 です。

林 昆範さんは勤務地にちかい桃園県にお住まいですが、<春節>だけは別格で、ご両親の住む台北市内のご実家で、一族が寄りあつまっての <春節の祝い> だということです。
下掲写真は、旧暦正月にそなえた林 昆範さん製作の、縁起のよい < お年玉袋 > と、お父上の漢方調剤室の写真です。 
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【 関連情報 : 林 昆範氏講演 『 中国の古典書物 』 余 話
【関連情報 : 台湾の林 昆範さん 「Red Dot Award : Communication Design 2014」デザイン賞を獲得

【展覧会】 おいしい東北 パッケージデザイン展 in Tokyo

20150225132011556_0001 20150225132011556_0002oishii_exh_MGM0732 06_みちのく塩辛(新)仙台での展示風景と、優秀賞作品 (画像データ提供 :JAGDA )

東京ミッドタウン ・ デザインハブ ( 東京 ・ 六本木 )では
2015年3月6日[金]より 第50回企画展となる
「 おいしい東北パッケージデザイン展 in Tokyo 」 を開催いたします。
 
東北経済産業局と日本グラフィックデザイナー協会は
デザインの力によって東北地域の魅力をより強く発信するため
東北の個性溢れる10社、10商品にたいする新しい
パッケージデザイン案を全国のデザイナーから募集し

優秀なパッケージデザインの実用化 ・ 商品化を目指しています。
本展では、審査によって選ばれた受賞作品と入選作品、
合計270点を一堂に展示します。

本展は、昨年仙台で開催された
「おいしい東北パッケージデザイン展2014」の巡回展です。
東北地域の商品の魅力と価値を掘り起こす
多種多様なパッケージデザインの展覧会を、ぜひご覧ください。

──────── 
<開催概要>
◯ 名 称
東京ミッドタウン ・ デザインハブ第50回企画展
「 おいしい東北パッケージデザイン展 in Tokyo 」

◯ 会 期
2015年03月06日[金]-03月29日[日] 11:00-19:00
会期中無休 ・ 入場無料

◯ 会 場
東京ミッドタウン ・ デザインハブ
( 東京都港区赤坂9-7-1  ミッドタウン ・ タワー5F )
◯ 主 催
東京ミッドタウン ・ デザインハブ   HP  
◯ 企 画 ・ 運営 : 東北経済産業局
公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会 (JAGDA)

◯ 詳 細 : JADGA 特設サイト 

【会員からの情報】 英国 BBC News, テムズ川河床から<Doves Type>を発掘と報じた。ー and more

19世紀世紀末から20世紀の初頭、ロンドンテムズ河畔の
アッパーマル通りにあった、印刷と製本工房が Doves Press でした。
Doves Press は、Cobden – Sanderson と Emery Walker を中心に
Arts and Crafts movement の中核的な存在として知られ
多くの忘れられない図書をのこしています。

Doves Press の工房は、俗に Doves Type とされる
フィリップ ・ プリンスの活字父型彫刻による
独自のハウスフォントを所有していましたが、
1917年(大正06)に、両者のあいだのいさかいがもとで
工房裏のテムズ川にすべての活字と活字複製原型が
投げ捨てられたとされています。

それがこのたび、潜水作業をともなった涙ぐましい調査によって
活字の一部が発見されたことを
英国 BBC News が動画入りで報告しました。
[ 情報提供 : タイポグラフィ学会会員 K 氏 ]

【 元記事 英国BBC : Lost typeface printing blocks found in river Thames 】 動画あり 01:03
【 この項初出 : [会員からの情報] 英国 BBC News, テムズ川河床から<Doves Type>を発掘と報じた。2015年02月13日

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松本八郎_顔松本八郎 遺影 ( 大枝隆司郎氏提供 )

いまはむかし  ロンドンのテムズ河畔のわずかな砂地をさすらうひとりの日本人がいた。
その名を松本八郎という。
松本はときおり砂地にかがみこんでは、それを
掘りおこしたり、あちこちを眺めまわしたりしていた。
松本はここに、かつてのダヴス ・ プレスの活字の一本でもみつけたいとやってきた。

松本八郎からその報告をきいた、もうひとりの日本人がいた。
ならばとばかり、子供と潮干狩りにいった際のちいさな熊手をたずさえ
やはりテムズ河畔の砂地を三時間ばかり掘り起こしてあるいた。 すっかり腰が痛くなった。
千葉の幕張海岸で、
まだ潮干狩りができたころの、ふるいはなしである。

ふたりの酔狂な日本人の挑戦はむなしくおわった。
それだけに今回の Doves Type 発見の報告はうれしかった。
そして松本八郎、この世にありせしば、いかにかこの Doves Type 発見の報を喜んだだろうとおもわずにいられないのである。

松本八郎は、朗文堂に公刊書 『 エディトリアルデザイン事始 』 ( A5判 224ページ 1989年09月08日)をのこした。
9784947613219エディトリアルデザイン事始 』 の刊行はもう四半世紀も前になる。 さほど売れた図書ではない。 だからいまでも30冊ほどの在庫があるほどのものだ。
しかし1960-70年代うまれのグラフィックデザイナーのおおくは、本書でエディトリアルデザインを知り、その初歩をまなんだはずである。 図書とはもともとそんな存在である。

松本八郎は 『 文字百景 』( 朗文堂 ) にも、三冊にわたって寄稿した。
033  いま再び 「 理想の書物をもとめて」 ケルムスコット ・ プレス逍遙
039  いま再び 「 理想の書物をもとめて」 ダヴス ・ プレス エッケ ・ マンダスの余波
041  いま再び 「 理想の書物をもとめて」   エルンスト ・ ルートヴィッヒ ・ プレッセ探訪
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『 文字百景 』 全冊特別合本。 『 文字百景 』 全冊揃いは、印刷図書館、国会図書館などのほか、朗文堂 ( 恐縮ながら貸与不可 ) でご覧いただけます。

松本八郎は2014年09月に逝去した。
松本は晩年の10年ほど、おもに出身地の関西方面に知己を得て、そちらでの活動がおおかった。 そのためであろうか、追悼記の刊行もあったし、ブログでの追悼文もみる。

ところが在京の先輩 ・ 知人から、やつがれに、なにがなんでも松本八郎の追悼文を < 花 筏 > にでも書けと責めたてられている。
やつがれ、松本八郎とはほぼ同世代。 だから勝手に先に逝ったというおもいがないでもない。 いずれにしても、もうすこし気持ちと資料整理の時間をいただきたい。

その間、スタッフが松本八郎著の三冊の 『 文字百景 』 を PDF データーにしてくれた。
ご高覧いただければ、いまや黄泉のひととなった松本八郎も喜んでくれそうである。

【 『 文字百景 』 松本八郎著分三冊 matumoto hatirou  7.5 MB 】

テムズ河畔の図033 いま再び 「 理想の書物をもとめて」 ケルムスコット ・ プレス逍遙 ―― 松本八郎 1996年12月

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◎ イギリス  アーツ&クラフツ運動

ロンドン、アッパーマル12-26番地 19世紀末-20世紀初頭
【 この項初出 : タイポグラフィ あのねのね*014 烏兎匆匆 アルダス工房、ドベルニ&ペイニョ、アーツ&クラフト運動 】 一部を抜粋紹介

テムズ河畔、馬車はもちろん、車も入れない、せまいせまい路地がアッパーマル通り。
故 松本八郎は、このせまい路地を<印刷村>と勝手に名づけて呼んでいた。

19世紀中葉から水運にめぐまれたこの路地に造形者が集まり、産業革命の負の側面を解消し、労働の喜びを賛歌するひとつの運動体を形成した。 それが 「 アーツ & クラフツ運動 」であり、「 プライベート ・ プレス運動 」 であった。

著名なケルムスコット ・ プレスハウス、ウィリアム ・ モリスの自宅跡は、 この路地の入口、かつての馬車のUターンのスペース ( 現在は駐車場 ) の前に、テムズ河畔に面してあり、路地にはダヴス ・ プレスなどの著名な印刷所と、製本 ・ 皮革工芸 ・ ステンドグラス ・ 刺繍の工房などが軒をつらねていた。

アーツ & クラフツ運動と、ウィリアム ・ モリスに関する紹介は、わが国でも多すぎるほど多い。 やつがれも英国 ・ 米国 ・ わが国の先行資料をそれなりにもっている。
さりながら、多くの執筆者は、このせまい路地に立ったことがあるのだろうか……、とおもわせる記述が多い。 なによりも、この路地のテムズ川にせりだした 《 パブ ・ ダヴ 》 の珈琲はかなりうまいのだが、たれもそれにはふれないなぁ。
ピクチャ 1
Lost typeface printing blocks found in river Thames
7 February 2015 Last updated at 11:15 GMT

Printing blocks for a typeface called Doves Type have been discovered in the River Thames.
The font has not been used for nearly a century as the printing type blocks, used to print letters, were thrown into the river in 1917.

Nick Wilmshurst reports.

【タイプコスミイク】 02月19日は元旦です ! (旧暦ですが)。Human Sans Serif 銘石B Combination 3 をご紹介。

恭賀新年 祝羊年大吉、身体健康、万事如意、闔家安康!

中国をはじめ、香港、台湾、韓国など、旧暦で正月の 「 春節 」 を祝う習慣をご紹介したところ、使用書体に関してご質問を頂戴しました。
【 関連情報 : エッ !  いまごろお正月 ?!!  恭賀新年 中国/台湾/香港/韓国のみなさまへ  】

上掲図は、<Human Sans Serif  銘石B  Combination 3 > をもちいております。
元旦をことほぎ、正月早早 !?  広告宣伝めいて恐縮ですが、その書体解説を以下に簡略にお示しいたします。

Human Sans Serif  銘石B  Combination 3

<Human Sans Serif  銘石B  Combination 3 > の書体設計は 欣喜堂 ・ 今田欣一氏によるものです。 欣喜堂 ・ 今田欣一氏は、日本 ・ 中国 ・ 欧米の、書写と印刷の歴史にはぐくまれた、正統的な活字書体の開発をめざしています。
販売は朗文堂タイプコスミイクによるものです。 小社はつねづねお客さまとの双方向の情報交換を希望しております。
本書体をお客さまがご愛用いただき、ご希望、改善点、ご叱声など、ご遠慮なくお寄せいただくことをお待ちしております。

★     ★     ★

Human Sans Serif  銘石B  Combination 3

くれたけ 銘石 B   くろふね 銘石 B   くらもち 銘石 B
【 詳細情報 : 朗文堂タイプコスミイク Human Sans Serif  銘石B  Combination 3

銘石B 銘石02L

【 くれたけ くろふね くらもち かな三種の組版テストPDF  KANA03 test 505KB 】

《 ついにわが国でも ヒューマン ・ サンセリフが誕生! 銘石 B 》
十分なインパクトがありながら、視覚に優しいゴシック体、それもいわゆるディスプレー ・ タイプではなく、文字の伝統を継承しながらも、使途のひろいサンセリフ ―― わが国の電子書体にも 「 ヒューマン ・ サンセリフ 」 が欲しいとされるご要望が寄せられていました。
確かにわが国のゴシック体のほとんどは、もはや自然界に存在しないまでに鋭角的で、水平線 ・ 垂直線ばかりが強調されて、鋭利な画線が視覚に刺激をあたえます。

欣喜堂 ・ 朗文堂がご提案した 「 銘石 B 」 の原姿はふるく、中国 ・ 晋代の 『 王興之 オウ コウシ 墓誌 』 (341年、南京博物館蔵 ) にみる、彫刻の味わいが加えられた隷書の一種で、とくに 「 碑石体 ヒセキ-タイ 」 と呼ばれる、千二百年ほど前の刻字書風を製作の源泉としています。

『 王興之墓誌 』。 この裏面には、のちに埋葬された
妻 ・ 宋 和之の墓誌が、ほぼ同一の書風で刻されています(南京博物館)。

『 王興之墓誌 』 拓本。
右払いの先端には隷書に独特の
波磔のなごりがみられ、多くの異体字もみられます。
標本キャラクター数は、ここにみる程度の少数でしかありません。

王 興之とその妻 ・ 宋 和之(中国では、古来夫婦別姓がならい)は、中国晋朝の340年代に埋葬されたとみられています。
晋朝では薄葬が奨励され、おおきな石碑の建立は禁止されていましたので、墓地に生前の記録を埋設することがみられました。
その 『 王興之墓誌 』 は1965年に南京市郊外の象山で出土しました。

王興之 (309-40) は 王 彬の子で、また書聖とされる 王 羲之(307-65)の従兄弟イトコにあたります。
この墓誌は煉瓦の一種で、粘土を焼き締めた 「 磚 セン、カワラ、 zhuān 」 に碑文が彫刻され、遺がいとともに墓地の土中に埋葬されていました。 そのために風化や損傷がほとんどなく、全文を読みとることができるほど保存状態が良好です。

王家 家系図uu 伝・王羲之肖像S王 興之の従兄弟 ・ 書聖/王 羲之の ( 伝 ) 肖像画。
同時代人で イトコの王 興之もこんな風貌だったのでしょうか。

魏晋南北朝 ( 三国の魏の建朝 ・ 220年-南朝 陳の滅亡 ・ 589年の間をさす。 わが国は古墳文化の先史時代 ) では、西漢 ・ 東漢時代にさかんにおこなわれていた、盛大な葬儀や、巨費を要する立碑が禁じられ、葬儀葬祭を簡略化させる 「 薄葬 」 が奨励されていました。

そのために、書聖とされる王 羲之の作にはみるべき石碑はなく、知られている作品のほとんどが書簡で、それを 法帖 ホウジョウ にしたものが伝承されるだけです。
この時代にあっては、地上に屹立する壮大な石碑や墓碑にかえて、係累 ・ 功績 ・ 生没年などを 「 磚 セン 」 に刻んで墓地にうめる 「 墓誌 」 がさかんにおこなわれました。

『 王興之墓誌 』 もそんな 魏晋南北朝の墓誌のひとつです。 『 王興之墓誌 』 の書風には、わずかに 波磔 ハタク のなごりがみられ、東漢の隷書体から、北魏の真書体への変化における中間書体といわれています。
遙かなむかし、中国江南の地にのこされた貴重な碑石体が、現代の ヒューマン ・ サンセリフとして、力強くよみがえりました。