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【アダナ・プレス倶楽部】 ご報告が遅くなりました。 SALAMA が商標登録されました。

20140718145521337_0001 《 ご報告がおそくなりました。 小型活版印刷機 SALAMA が登録商標となりました 》
昨2014年(平成26)02月20日に出願しておりました < SALAMA > の名称が、同年07月04日に特許庁より登録商標として認可されました。
もとより、朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部では、ユーザーの皆さまには < SALAMA > の名称を今後ともご自由にお使いいただきますし、現在製造 ・ 販売中の < Salama-21A > を、「サラマ」、「サラマちゃん」、「サラマくん」とでもご自由にお呼びいただき、ご愛用いただきたいと存じます。

朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部では、これからもより一層 < Salama-21A > の安定供給をはかり、周辺機器、関連資材の持続的な供給をふくめ、活版ルネサンスの実現のために精進いたします。 また将来の可能性としては、< Salama-21A > の兄弟姉妹機なども開発したく、日日技術陣との研究と協議をかさねてまいります。

《 なぜ Adana-21J を商標登録しなかったのか 》
アダナ型印刷機は 1922 年、イギリスの Donald A. Aspinall によって考案された、木製の素朴なセルフインキング印刷機を発祥とします。 また「 ADANA 」の社名と機械名称は、考案者 Donald A. Aspinall の頭文字をとってアナグラムとしたものとされています。
わが国には1960年代中葉から、旧株式会社晃文堂を通じて輸入・ 販売されていました。
ところが主力機 ADANA8×5 の主要駆体の鋳型にゆがみがみられるなどと老朽化し、また活版印刷全体の衰勢がみられた1980年代後半に、アダナ社は鋳型を売却して閉鎖されました。

2007年の朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部の発足に際しては、小型活版印刷機の新規購入の需要の高まりに応えるために、セルフインキング式アダナ型小型活版印刷機の歴史を踏まえ、法律の専門家に依頼して、先行企業による、特許 ・ 工業意匠権 ・ 商標権などの消滅を確認し、国産活版印刷機の設計 ・ 製造 ・ 販売に着手しました。

同時に斯界の権威、牛木理一弁理士を通じて < アダナ  Adana > の登録商標の申請をしました。
特許庁からの回答は意外なものでした。

すなわち、アダナ ( Adana ) はトルコ中南部の都市であり、アダナ県の県都。 トルコで 4 番目に大きな都市でもある。 こういう著名な都市名を商標に登録することはできない ―― とするものでした。
【 参考資料 : ウィキペディア アダナ(Adana)

即刻異議申し立てをおこない、印刷関連機器名での限定使用であり、1970年代にはこの名称を商標とした企業があったことなどを列挙しましたが、裁定はくつがえりませんでした。 1960-70年代ならともかく、近年では検索が容易になり、こうした都市-わが国でいえば、人口04番目の都市は名古屋であり、トルコのアダナ市は人口113万人ほどであり、それは広島市や仙台市にちかい存在になります。
したがってこれ以上の異議申し立てには無理があり、それだけに印刷機の名称に<アダナ>の使用はさし支えないという説明をうけました。

こんな経緯があり、また牛木弁理士の指導もあって、小型活版印刷機の考案者 Donald A. Aspinall 氏へのオマージュ ( 敬意と尊敬 ) のこころをもって、アダナ ・ プレス倶楽部、 Adana-21J の部門名と、商品名をもちいることとなりました。
ご理解いただけましたでしょうか。
朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部では、こんごとも誇りをもって、部門名としてのアダナ ・ プレス倶楽部の名称を使用いたします。

【 参考資料 : アダナ ・ プレス倶楽部  Adana-21J のご紹介

朗文堂 アダナ・プレス倶楽部 2015年の年賀状

2015年賀状絵柄面 2015年賀状宛名面朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部の年賀状は、例年、数ある欧文活字を時代性によっていくつかのカテゴリーにわけ、それを歴史順に一書体ずつ選択して製作してきました。

これまでの年賀状では、ブラック ・ レター、ヴェネチアン ・ ローマン、オールド ・ ローマン、トランジショナル ・ ローマン、モダン ・ ローマン、クラレンドンを経て、昨年からはサンセリフのカテゴリーに入りました。
昨年は 「 グロテスク ・ サンセリフ 」 の 「 フランクリン ・ ゴシック 」 を使用しましたが、今年は 「 ネオ ・ グロテスク 」 の 「 ヘルベチカ 」 の登場です。
今年の年賀状の活字は 絵柄面に 24pt. と 18pt. のヘルベチカ、二号と三号のゴシック体の和文活字を使用しました。
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これまでは毎年、書体の歴史順に、さまざまな欧文活字書体を順繰りに愉しく使用してきましたが、サンセリフのカテゴリーに入った途端に、正直なところあまりおもしろさがなくなってきました。
ちょうど 『 いきなり黄金伝説 』 というテレビ番組の 「 ◯ ◯ のメニューを全部食べつくす 」 という企画で、「 デザート 」 のジャンルに突入した状況といえば、おわかりいただけますでしょうか。

一点一点は美味しいデザートでも、甘いものが何点も続くと食傷気味となってしまう、あの感じに近いものがあります。
しかし、サンセリフのカテゴリーには、まだ 「 ジオメトリック ・ サンセリフ 」 と 「 ヒューマニスティック ・ サンセリフ 」 のジャンルも残っています。 パフェとチーズケーキの後に、まだホットケーキとお汁粉が待っている有様のようです……。

さて、『 いきなり黄金伝説 』 といえば、よゐこの濱口氏の 「 捕ったど~!」 の雄叫びがこだまする 「 無人島生活 」 も人気のテレビ企画です。
このコーナーにおいて、濱口氏と有野氏が、お米の代わりに、小麦粉を練った物を、ちいさくちぎり、丸めて、米粒状にする作業を夜通しおこなう 「 チネリ米 」 をつくるのも番組の恒例となっています。
中国の北部では、この 「 チネリ米 」 が盛んにおこなわれていることを近年知りました。

中国南部、おおむね淮河ワイガ、揚子江(長江)あたりより南の地方は、温暖な気候でお米が採れますが、北部は寒冷な気候でお米が採れないために、主食はお米ではなく、小麦粉が中心となります。
そのため、淮河や黄河より北の地方では、小麦粉をもちいた麺や餃子や饅頭(マントウ)などが発達しており、「 チネリ米 」 のようなパスタ状の食品も存在します。

この中国のチネリ米は、本来は家族や仲間が食卓に集まって、前菜を食べながら、にぎやかに会話をしながら、ワイワイと愉しくチネッて作るものだそうです。
最近は時間や労力を惜しんで、飲食店であらかじめ準備されたものが出されることも多くなっていて、西安で羊肉が入った麺料理の店に入ったとき、店の従業員と家族が、お客さんに出すための 「 チネリ米 」 を総出でチネッている光景を見て微笑ましくなりました。

下掲の写真は、今年の01月10日に、中国北京の陝西省 ・ 西安料理のお店に入ったときに食べた 「 羊肉泡馍 」 という料理で、羊の肉とチネリ米が入っています。 安史の乱―― 唐の玄宗の末年755-63年に起こった叛乱で、安禄山父子・史思明父子が中心。叛乱の鎮圧後に各地に強大な権限をもった節度使がおかれ、それが軍閥化するなどして唐は衰退に向かった ―― にまつわる料理だそうです。
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写真上) さまざまな前菜のあとに、メインの「羊肉泡馍」。チネッた小麦粉と、羊肉が中心で、付けあわせに豆板醤、ニンニクの酢漬け、青菜などが登場します。
写真下) 陝西省料理ですので、北京市民にわかりやすく「羊肉泡馍」の特徴を解説したパネル。

2015年アダナ・プレス倶楽部の年賀状の絵柄面には、
子 曰 過 猶 不 及 ―― 『論語』先進篇
Less is more, More is Less ―― ミース・ファンダー・ローエ
のよく似たことばを組版しました。つまりなにごとも「過ぎたるは及ばざるが如し」です。
しかしながら、決して 「 引き算のデザイン 」 を賛美するわけではありません。「 侘 ・ 寂 」 といえば聞こえが良いですが、近年のわが国のデザインは、すこし 「 引き算 」 ばかりに偏り過ぎてきたように思います。 「 引き算 」 のデザインも 「 過ぎたるは及ばざるが如し 」 です。

「 引き算のデザイン 」 と 「 足し算のデザイン 」 双方のバランスが俯瞰できてこそ、いまだ 「 1920年代モダン 」 の影響が色濃いわが国のデザインが、幼いモダニズムから脱却し、デザインの未来への扉を開く力となることでしょう。
そのようなことを考えながら、20世紀モダンの落とし子たるサンセリフ群と格闘する日日がまだまだ続きそうです……。[ 大石 wrote ]

春を待つこころ ー 早春賦の碑

早春賦 20141125122934304_0002

唱歌 『 早春賦 』(そうしゅんふ)は、1913年(大正02年)に発表されたもので、吉丸一昌作詞、中田章作曲の日本の唱歌。
この時代の唱歌によくみられるように、
モーツァルト作曲の歌曲 『 春への憧れ 』 K.596 との曲想の類似性が指摘されている。

この歌碑は、春の訪れがおそい、長野県安曇野市穂高の穂高川の岸辺に建っている。
その脇には、北アルプスの湧水をもちいた「わさび田」がひろがっている。
[ 2014年11月23日 撮影 ]
DSCN9371 DSCN9376 DSCN9360 DSCN9379 DSCN9365 DSCN9367 DSCN9369 DSCN9368【 YouTube : 早春賦   由紀さおり & 安田祥子
【 関連情報 : 早春賦の碑

【展示販売会】 鹿児島の友人「紙バカ様」ご一同が <初春 紙バカ ジャンク 市>開催

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< Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO > で多くの友人ができた鹿児島から、< 初春紙バカジャンク市 > 開催のフライヤーが到着しました。
なにわともあれ、紙が、紙メディアが大好きな、さまざまな分野の造形者 「 紙バカ様 」 ご一行が一堂に会しての祭典です。
南九州のみなさん、ぜひともご参加でゴアンド。
DSCN0116 DSCN0109鹿児島市役所前の 「 某 店 」 において、六花窯/横山 博さんの肝煎りによる、地元造形者の皆さんとの交流会(2014年12月20日[土])。
ここに集まったのはほとんどが 「 紙バカ様 」。 質実剛健の薩摩隼人ばかりが、薩摩焼酎をグイグイと呷りつつ、談論風発、成果の多い会で、< 初春紙バカジャンク市 >の話題も盛んでした。

六花窯/横山 博さんの紹介による 「 某 店 」 は、地元では知るひとぞ知る人気店である。
「 お店の紹介はしないでね。 これ以上混雑すると 常連のお客さんに迷惑がかかるから 」
というママさんのご依頼で 「 某 店 」 とだけしています。 まぁ 「 既視体験 」 とでも覚えておきましょうか……。

【 詳細情報 : Twitter 窯男
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 15 いまも続く薩摩隼人, 薩摩おごじょとの協働作業 

【展覧会】 ggg ついに五筆和尚に変貌か? ー 浅葉克己のタイポグラフィ展「ASABA’S TYPOGRAPHY.」

 

20141224183633666_0001 20141224183633666_0002第341回企画展
浅葉克己のタイポグラフィ展 「ASABA’S TYPOGRAPHY. 」

◯ 日 時
2015年01月09日[金]-01月31日[土]
11 : 00 am- 7 : 00 pm [ 土曜日は6 : 00pmまで ]
日曜 ・ 祝日休館
◯ 会 場
ギンザ ・ グラフィック ・ ギャラリー ( ggg )    

104-0061  中央区銀座7-7-2  DNP 銀座ビル 
Tel. 03-3571-5206
入場無料
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ギンザ ・ グラフィック ・ ギャラリーの2015年は、アートディレクター、浅葉克己氏の「ASABA’S TYPOGRAPHY.」で幕開けです。

さまざまな事物や人物に対する並々ならぬ好奇心と、一度決めたら文字通りとことんやり続ける執念で、多領域にわたる表現活動を繰り広げる浅葉氏。
本展では、その活動の根幹を支えるタイポグラフィを主軸に、コラージュや掛け軸などの新作をはじめ、ポスターはもちろん、2008年21_21 Design Sight 「 祈りの痕跡。」 展で大々的に発表された日記のその後、などを紹介します。

長いデザイン人生を経てもなお、次から次へと湧き起こる、尽きることを知らない創作への探求心。 そして新たな表現への挑戦。
ggg という限られた空間では、数え切れないほどの作品の中から 浅葉デザインのほんの断片しかお見せすることはできませんが、2015年現在の浅葉克己の居るところが見えてくる展覧会、 それが「ASABA’S TYPOGRAPHY.」です。

浅 葉  克 己

アートディレクター
1940年神奈川県生まれ。 桑沢デザイン研究所、佐藤敬之輔タイポグラフィ研究所、ライトパブリシティを経て、75年浅葉克己デザイン室を設立。 以後アートディレクターとして、日本の広告デザインの歴史に残る数多くの作品を制作。
代表的な仕事に、西武百貨店 「 おいしい生活 」、サントリー 「 夢街道 」、武田薬品 「 肉体疲労に A じゃないか 」、キリンビバレッジ 「 日本玄米茶 」 パッケージデザインなど。 中国に伝わる生きている象形文字 「 トンパ文字 」 に造詣が深い。
日宣美特選、東京TDC賞、毎日デザイン賞、日本宣伝賞 ・ 山名賞、日本アカデミー賞最優秀美術賞、紫綬褒章、東京ADCグランプリ、旭日小綬章など受賞歴多数。
東京 TDC 理事長、東京 ADC 委員、JAGDA 会長、AGI ( 国際グラフィック連盟 ) 日本代表、桑沢デザイン研究所10代目所長、東京造形大学 ・ 京都精華大学客員教授。 卓球6段。

【 企画詳細 : ギンザ・グラフィック ・ ギャラリー   浅葉克己のタイポグラフィ展

【タイポグラフィ学会】 『タイポグラフィ学会誌 07』を刊行。朗文堂にて発売開始。

タイポグラフィ学会07表紙 タイポグラフィ学会07 タイポグラフィ学会07―3
『  タイポグラフィ学会誌 07 』
A4判 80ページ かがり綴じ 並製本
ISSN 1882–2339
編集 ・ 発行 : タイポグラフィ学会
発行日 : 2014年11月30日
発 売(特別委託直販) : 朗 文 堂
定価 : 3,000円 (送料 ・ 税別)
発行部数 : 非会員向けには僅少部数のみの頒布となります。
学生向け特別頒布価格 : 2,000円 ( 学生証明書の提示が必要です。 送料 ・ 税別 )
【 詳細情報 : 朗文堂ブックコスミイク タイポグラフィ学会誌

タイポグラフィ学会 は、タイポグラフィという技芸に学問的な基盤を与え、その成果を実技 ・ 実践を通して社会に貢献することを目的に、2005年8月に設立されました。

『 タイポグラフィ学会誌 』 は2007年に創刊、今回が07号となります。
『 タイポグラフィ学会誌 07 』 には、江川活版製造所研究会による 「 江川次之進の事績と江川活版製造所の変遷 」 と題した研究ノートを掲載しております。

「 江川次之進の事績と江川活版製造所の変遷 」
明治の時代に活字の行商から身をおこして、活字や印刷機器の製造 ・ 販売をおこなう江川活版製造所を創設した江川次之進という印刷人がいた。 しかし、江川次之進と江川活版製造所の履歴を記した資料はきわめて少ない。
(「 本研究ノートの目的について 」 より )

これらの研究成果が、日本国内のみならず各国の研究者によって広く参照されて、タイポグラフィ研究の発展に寄与することを希望するとともに、『 タイポグラフィ学会誌 』 が今後さらに、タイポグラフィの研究における特色ある媒体として成長していければと考えております
― タイポグラフィ学会
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* 本書はタイポグラフィ学会から朗文堂が特別委託を受けて販売するものです。
*本書は限定された書店でしか取扱されていません。 お申し込みは朗文堂、または タイポグラフィ学会事務局 宛てに直接お願いします。
* 学生向け特別頒布価格での購入 ( タイポグラフィ学会、朗文堂のみでの取扱い ) の際は、学生証明書の提示が必要となります。
* 「書籍名 ・ 冊数 ・ 申込者氏名 ・ 郵便番号 ・ 送付先住所 ・ 電話番号 」 を明記の上、小社宛てに ファクシミリ または Eメール でご注文ください。
* 『 タイポグラフィ学会誌 01-07 』 バックナンバーでのご発注も可能です(在庫僅少)。
* 恐縮ながら送料 ・ 振込料はお客さまのご負担となります。
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お申込 ・ お問い合せ
株式会社 朗  文 堂
Telephone : 03-3352-5070
Facsimile : 03-3352-5160
E-mail : robundo@ops.dti.ne.jp

【 詳細情報 :
朗文堂ブックコスミイク タイポグラフィ学会誌

【会員情報】 真田幸文堂・真田幸治氏装本/『身体は幻』(渡辺 保著、幻戯書房刊)

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幻戯書房 ( げんき しょぼう ) は、歌人で作家の 辺見じゅん が、父であり、角川書店の創立者である 角川源義 の創業の精神を受け継いで設立した出版社です。
幻戯書房の 「 幻戯 」 は、角川源義が自宅を 「 幻戯山房 」 と称していたことに由来します。
幻戯書房刊行書の多くの装本を担当してきたのが、新宿私塾、活版カレッジ修了生であり、タイポグラフィ学会の会員でもある 「 真田幸文堂/真田幸治 」 さんです。

真田幸文堂/真田幸治さんは、今回の『 身体は幻 』 の装本にあたって、前見返しにつづいて、共紙をもう一丁つけて、そこに同書の内容に即したイメージを盛りこむことによって、図書の導入部に、ゆとりとふくよかさをもたらすことに成功しています。

書体選択にも厳格な視点をもち、書名 『 身体は幻 』 のデジタルタイプは < 正調明朝体 あおい 金陵 > をもちいています。 正調明朝体【 参考資料 : 朗文堂タイプコスミイク 正調明朝体 金陵

ニューメディアとしての電子書籍が、さまざまな工夫をこらしてシェアアップをはかっています。
いまは一種の混乱期ともいえる状況にありますが、やがて製作 ・ 流通 ・ 販売経路を含め、印刷書籍と電子書籍とが、よき棲み分けが可能な時代の到来が予想されます。
こんな時代、従来型の印刷書籍も、慣行や束縛に甘んじることなく、創意と工夫、切磋琢磨が必要な時代かも知れません。

20141209170732488_0004 20141209170732488_0005【 URL : 真田幸文堂日録

幻戯書房
東京都千代田区神田小川町3-12 岩崎ビル 2 階
tel.  03-5283-3934
fax. 03-5283-3935 
【 詳細情報 : 幻戯書房 NEWS 】 

【会員からの情報】 Washington Post - はじめて<アメリカ>を記載した500年前の地図を報道。

Washington Post は、現在私たちが知っている世界の大陸のおおよその姿を描き、「 アメリカ 」、「 太平洋 」 などをしるした地図を最初描いた人物として、ドイツの マーチン ・ ヴァルトゼーミュラー (Martin Waldseemüller ) によって製作された地図を報告しました (2014年2014年12月11日)。
その情報を会員の I 氏から提供いただきましたので紹介いたします
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This 500-year-old map was the first to mention “America”【 基本情報 : Washington Post This 500-year-old map was the first to mention “America”

上掲図版は 『 ワシントン ・ ポスト 』 が報告したもので、1507年にドイツで数千部が 「 印刷」  されたとされています。
ときはまさに クリストファー ・ コロンブスのような探検家が活躍した 「 大航海時代 」 のさなかでしたが、マゼランらによる 「 世界周航 1519-22 」 より以前であり、ユーラシア大陸、アフリカ大陸などは比較的詳細に描かれていますが、アメリカ大陸はもとより、インド亜大陸や、わが国らしき島島は奇妙な形象をしています。

この 「 数千部が印刷された地図 」  の印刷方法は銅版印刷とみられますが、公開画像の解像度からではつまびらかにはしません。  また現存する物はわずかに一部だけと報告されています。
これより50年ばかり以前、1455年ころに印刷された図書、いわゆるグーテンベルクの 『 四十二行聖書 』 が40部余の現存をみるのにたいして、紙葉の保存の困難さをおもわせる数字ではあります。

この地図は1901年にイエズス会士聖職者によってドイツの古城で発見されましたが、地図の四隅に記載されたテキストに 「 アメリカ   America 」、「 大平洋  Pacific Ocean 」 などという語が紹介されているそうです。

アメリカ合衆国はこの地図の入手に熱心で、数十年におよぶ交渉の末、ドイツの所有者から 10 万ドルの巨費を投じて、「 米国議会図書館  Library of Congress 」 に収納する合意に署名しました。
詳細は元資料をご覧ください。

『文明開化は長崎から』(広瀬 隆著 上・下巻 集英社) 新刊発売

集英社編集部から新刊二冊の図書を贈呈していただきました。 同書にはほとんど出典が明示されていませんし、著者との面識もございませんが、小社刊行書からの引用とみられる箇所も多く見受けました。
皆さまのご参考までに、二冊の新刊書をご紹介いたします。
文明開化 上

文明開化は長崎から (上)  
著 者 : 広 瀬  隆     
ISBNコード : 978-4-08-789002-0
判 型/総ページ数 : A5判/408ページ 
定 価 : 1,900円(本体)+税
発売年月日 : 2014年11月26日 
◯ 内容紹介 
世界に開かれた、唯一の扉。 日本の近代はここから始まった! ベストセラー 『 赤い楯 』 の著者の精緻な歴史調査のメスが、江戸時代を生きた天才 ・ 俊才 ・ 奇才の業績を掘り起こす。 「 明治維新 = 近代化 」 史観を覆す、画期的大作!
【URL : 集英社単行本/新書企画室 文明開化は長崎から(上)
文明開化_下
文明開化は長崎から(下)  
著 者 : 広 瀬  隆     
ISBNコード : 978-4-08-789003-7 
判 型/総ページ数 : A5判/472ページ 
定 価 : 2,000円(本体)+税
発売年月日 : 2014年11月26日 
◯ 内容紹介 
黒船来航よりも前に、日本は「開国」していた! 動乱の果てに徳川幕府は倒れ、日本は近代化する。 だが、果たしてそれは、名高い維新の志士たちの功績なのか? 長崎経由で文明の花を咲かせた、知られざる先駆者たちの群像!
【URL : 集英社単行本/新書企画室 文明開化は長崎から(下)

 

活版カレッジ 2015年 冬期昼間部講座 開講と公募終了のお知らせ

活版カレッジ

朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部の直接指導により
本格的な活字版印刷術の
知 ・ 技 ・ 美 の 三領域を バランス良く学べます。

<活版カレッジ>は、科学と、学術的根拠にもとづいた実技と実践を基盤とし、小型活版印刷機 Adana-21J ,  Salama-21A によるケーススタディ ・ メソッドをふんだんに駆使し、あたらしい時代の活版印刷の現場での、現実的な課題の解決方法を学ぶことを目的とします。

DSCN7297< 活版カレッジ 2014年夏期講座 >

《 活版カレッジ 》 は、実技 ・ 実践を重視し、定員四名という徹底した少人数の講座です。
次期 の冬期講座は、2015年01-03月の開講です。
うれしいことに、あたらしい活版実践者、活版造形者が着実に増加しています。
今回の講座は、かねてよりご要望の多かった昼間部での開講ですが、すでに先行お申し込みのお客様で定員となり、一般公募は困難となっております。

夜間講座の開講は来来期、2015年04-06月を予定しており、しばらく先となりますが、なにぶん少人数の講座ですし、すでに数名のお申し込みがあり、ここ数回、一般公募ができない状況がつづいております。
《 活版カレッジ 》 受講ご希望の方は、できるだけお早目に、朗文堂/アダナ ・ プレス倶楽部の @メール まで受講希望の意向をご連絡ください。一般公募に先だって、あらためてご案内をさしあげ、受講ご意向の再確認をさせていただきます。

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活版カレッジ
【 講座教室 】 東京都新宿区新宿 2-4-9 中江ビル   4FB  朗文堂内 ( 通学制 )
【 講   師 】   朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部

◎ 受講期間 3 ヶ月 木曜日 全 9 回(毎月 3 回) 19 : 00-22 : 00 (昼間部のみ14 : 00-17 : 00)
◎ 受講料 : 66,000円 (税込 ・ 教材費込み)
※ 各コース定員 4 名(お申込先着順)
※ 毎月 第 1-3 週木曜日の開講。 第4-5週は基本的にお休みです。
※ 年末年始 ・ GW ・ 夏期休暇などに際して若干の変動があります。
◎ 徹底した少人数講座のため、お申込先着順とさせていただきます。
◎ 受講希望者多数の場合には、次期講座への予約をお勧めする場合がございますのでご了承ください。
◎ 次期の開催日時と募集の開始は、 アダナ ・ プレス倶楽部ニュース にて随時お知らせいたします。

◎ 《 活版カレッジ 》 受講希望の方は、お気軽に、できるだけ事前に、アダナ ・ プレス倶楽部の  @メール  まで受講希望の意向をご連絡ください。 一般公募に先だって、あらためてご案内をさしあげます。 積極的なご参加をお待ちしております。

【 基本情報 : 教室のご案内 Salama-21A 操作指導教室 活版カレッジ
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【朗文堂ブックコスミイク】 『欧文書体百花事典』その後 普及版刊行記念連続講演会 第6回 『 刻まれた文字を訪ねて 』 木村雅彦氏

DSC05634担当講師 : 木村雅彦氏

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『 欧文書体百花事典 』 普及版 刊行記念特別連続講演会(全 6 回)
      第 6 回  『 刻まれた文字を訪ねて 』
講   師 : 木村 雅彦
日 時 : 2014年12月07日[日] 午後 1 時より 3 時間程度 (ワークショップを含む)
会 場 : 東洋美術学校 D 棟 1 階 階段教室
      161-0067 東京都新宿区富久町2-6
      地図  http://www.to-bi.ac.jp/access/
主  催 : 株式会社 朗 文 堂
後  援 : タイポグラフィ学会
        学校法人専門学校 東洋美術学校  産学連携事務局 デザイン研究会アクティ
木村雅彦氏自宅付近の秋
◯ 全06回、10ヶ月間という長期間にわたりご聴講ありがとうございました。
◯ 引きつづき、『 欧文書体百花事典 』 普及版 のご愛読をお願いいたします。
◯ 今回の詳細報告は、画像がスライドショウでご覧いただける < 活版 à la carte > にあります。

欧文書体その後チラシ W欧文書体百花事典その後VIちらしDSC05764 DSC05634 DSC05657 DSC05649KIMURA01 KIMURA02 KIMURA03 KIMURA04 KIMURA05 KIMURA06 KIMURA09 KIMURA10 KIMURA11 KIMURA12 KIMURA13DSC05550 DSC05519 DSC05537 DSC05556 DSC05562DSC05764 DSC05755[ 写真提供 : 春田ゆかりさん/中村将大さん/松尾篤史さん 画像提供 : 木村雅彦さん ]

MICROの領域-12 pt. 極小文字彫刻活字を顕微鏡写真でみる-協力:日本ダイカスト協会

 

活字1uuもうかれこれ30年ほどまえのことである。
1980年代のはじめだったとおもう。 当時はしばしば欧州にでかけていた。
以来長らく小社の < モンドリアン ・ ケース > の一隅で眠っていた活字資料があった。
ときどき取りだしては、拡大鏡でながめたり、スタンプ式に押印したりしてみたが、ほとんど文字らしきものは読み取れなかった。
ひとつはスイス、バーゼルにあった HAAS 社を訪問したとき、活字母型彫刻室でいただいたもの。 もうひとつは、ドイツ、マインツ市の グーテンベルク博物館 で購入したものだった。

この資料をご覧になった、日本ダイカスト協会技術部の 西  直美氏が関心をもたれて、早速、顕微鏡写真を撮影され、画像データをご提供いただいた。
これでようやく、活字最盛期の、高度な 「 活字母型彫刻術と、活字鋳造術 」 の技倆を垣間見ることができることになった。

活字uu 活字0uu 活字1uu 活字2uu 活字拡大1uu活字拡大2uu活字は、もっとも基本サイズの pica パイカ,  12pt. ( アメリカン ・ ポイントサイズ、1pt. = 0.351mm,  12pt .× 0.351mm = 4.212mm )で、4.212mm 角のおおきさの活字であった。
活字は字面の保護と、紛失防止のために、蓋付きの黒い樹脂製ケースにはいっていた。 最上部の写真はその蓋の上に一円玉を置いて、大きさを実感していただけるようにしてある。

スイスの HAAS 社は1580年設立というふるい歴史を有し、Neue HAAS Grotesk ( ハース社の あたらしい グロテスク体 → ドイツ ステンペル社の傘下にはいってからは Helvetica ≒ ヘルベチカはスイスの古称 ・ 雅称でもある ) の開発で成功をおさめ、またパリの Deberny & Peigno 活字鋳造所が1972年に閉鎖されたために、その活字母型による 製造 ・ 販売にもあたっており、盛況をきわめていた。

HAAS 社の 「 機械式活字母型彫刻機 」 は、わが国の標準型であった、いわゆる 「 ベントン彫刻機 」 と異なり、より大型で、活字パターンもわが国標準の 2 inch よりおおきなサイズを使用していたと記憶している。
だいぶ自慢ばなしをきかされてから、このデモンストレーション活字をいただいたが、たいていの事柄は失念したし、資料も残っていない。
幸い、
筆者より数年のちに HAAS 社を訪問された、ユービックス : 宮崎 徹氏が記録をのこされているので、そちらを参照いただきたい。
【 参考資料 : タイポグラフィ あのねのね*014 アルダス工房、ドベルニ&ペイニョ、アーツ&クラフト運動
【 参考資料 : ユービックス 近代印刷 書体の世界 】
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紹介した画像の活字は、グーテンベルク博物館で入手したものである。 現在もおみやげのひとつとして販売していると仄聞している。
仕様はほとんど HAAS 社のものとおなじで、pica, 12pt. サイズの活字である。
また、ふつう活字は裏文字(鏡文字)であるが、ここでは一種のデモンストレーションであり、サンプルのためか、正向きの文字として鋳造されている。

ともかく 4.212 mm 角というちさな活字枠であるが、ここに聖書の一節が鋳造されている。
文頭はイニシャルとしておおきなサイズで飾られ、文末にAMEN アーメン とある。 最下部に製造者として MONOTYPE CORPORATION  の名前がみられる。
すなわち 1mm の幅に 7-10 キャラクターが彫刻されて活字母型となり、そこに活字地金を圧入して、鋳造された「活字」である。 同社の技術がそうとう高度なレベルにあったことをうかがわせるのには十分な資料である。

久しぶりに手許の25倍ルーペでのぞき、スタンプ式に押印してみたが、やはり顕微鏡写真のほうが迫真力があった。 気になったのは、触覚でも 顕微鏡写真でも、母型深度があさすぎはしないかという疑問であった。 これでは印刷時にすぐにインキの目詰まりをおこすことになりそうだった。
これは活版印刷機にかければ ― 裏文字(鏡文字)になるが ― インキ詰まりの程度をみるなどして一目瞭然の事柄である。 また、所詮デモンストレーション用の活字ではないかというおもいもあるが、それをなす勇気は、いまは無い。

20141023132138964_0001Linn Boyd Benton  1844-1932

この 「 機械式活字母型彫刻機 」による活字母型製作の技術は、筆者の知るかぎり、わが国では三年ほどまえに失われた。
アメリカでも専従者はひとりだけで、気息奄奄の状態にあると仄聞している。

実践活字母型彫刻:朗文堂 アダナ・プレス倶楽部 特別企画/感動創造の旅 協力:真映社・安形製作所・築地活字
実践活字母型彫刻(イメージ写真)

    
    
アダナ ・ プレス倶楽部 「 実践活字母型彫刻の旅 」 於 : 旧安形製作所

リン ・ ボイド ・ ベントン (Benton, Linn Boyd  1844-1932)によって、1884年に活字父型彫刻機(Punch Cutting Machine)として実用化された「機械式活字父型 ・ 母型彫刻機、俗称ベントン彫刻機 」 による活字父型 ・ 母型製造法は、その実用化から40年後ほどでわが国の印刷局 ・ 東京築地活版製造所 ・ 三省堂にもたらされた。 そして1950年頃に国産化された。
しかしながら、アメリカでの実用化から128年、わが国での国産化から62年の歴史をもって、事実上幕をおろすこととなった。

いっぽう台湾では、CAD のシステムをもちいて、すでに相当のレベルでの活字母型製造がなされるようになった。
わが国も、身体性のともなった造形活動基盤の維持のために、あたらしい 「 活字母型製造法 」 への対応を急がなければならない時期となっている。

【 参考資料 : 花筏 タイポグラファ群像 * 004  安形文夫 ベントン活字母型彫刻士
【 参考資料 : アダナ ・ プレス倶楽部 台湾でつくったCAD方式による活字母型 と 初号活字

【会員からの情報】 BBC NEWS Entertainment & Art - シェイクスピア フォリオ初版本を発見の報道。

_79274396_13cd0182-d414-4e51-b9a6-cd7341617320[1] _79274327_79274326[1]BBC NEWS Entertainment & Art が、シェイクスピア ( W. Shakespeare 1564-1616 ) のフォリオ初版本が、ちいさなフランスの町の図書館で発見されたと報告しました (2014年11月26日 10 : 15)。
その情報を会員の I 氏からご提供いただきましたので紹介いたします。
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イギリス文学でもっとも希少本と見なされている、シェイクスピアのフォリオ(全紙を二つ折りにして、表裏04ページとした印刷物 ・ 図書)初版本が、ちいさなフランスの町で発見されたと報告した。
その本は200年間、北フランス、カレーの近く、サント=メール(Saint-Omer )のライブラリーで平穏な状態にあった。

この発見にいたったのは、この北フランスの領域と、イギリスとの間の歴史的な関係を解きあかす展示会を図書館司書が計画して、その調査結果によって同書が発見された。
「この本は、タイトルページを含んで、数ページを無くしている」
と、司書の レミー ・ コルドニエル (Remy Cordonnier)は記者に述べています。
[ したがって、このページの第一図版、シェイクスピアの肖像画とされる最初の帖は失われており、ここでの画像はイメージ紹介となっている ]。

【 リンク : BBC NEWS Entertainment & Art 】 第一図版は動画でご覧いただけます。
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カバー表1

洋 書 の 話

◯ 著  者 : 髙  野   彰
◯ 発行日 : 2014年11月13日
◯ 発  行 : 朗  文  堂
◯ 定   価 : 本体3,700円+税

         A5判 並製本 ジャケット付 263 ページ
         ISBN978-4-947613-91-2

< 主な内容 > 目次より
1 章 4°:A‒P4 とは何か  [以下略]

洋書の話01 洋書の話02 洋書の話03 洋書の話04 洋書の話05まことに偶然のことながら、朗文堂11月の新刊 『 洋 書 の 話 』 ( 髙 野  彰、2014年11月13日、朗文堂 ) の第 1 章(ページナンバー 1 )は、< 4°:A‒P4 とは何か >、すなわち 俗にいう シェイクスピアの「 第 1 二折本 」 ( The First Folio ) からはじまり、第一図版は同書の「 THE TEMPEST 」 [ 大あらし、暴風雨 ] からはじまっています。
『 洋 書 の 話 』 は、きわめて順調な出荷がつづいています。
したがって、この発見の重要性をご理解いただくために、いくぶん宣伝めいて恐縮ながら、同書巻頭部分をご紹介いたします。

[前略] 洋書のなかでも、特に、18世紀以前の本は手引き印刷機で印刷されてきた。 おかげで現代の本とは異なった特徴を備えている。 これらの本が次のような形で説明されていることがある。
    4°:A‒P4 とは何か
これは本についてどんなことを言っているのであろうか。

折 記 号
英国の有名な劇作家 シェイクスピア ( W. Shakespeare ) の著作である  Mr. William Shakespeares Comedies, histories, & tragedies  が出版されたのは1623年のことである。  俗に言う 「 第 1 二折本 」 ( The First Folio ) である。 [後略]
p62アルビオン
【 詳細資料 : 朗文堂ブックコスミイク 『 洋書の話 』

【朗文堂ブックコスミイク 新刊紹介】 洋 書 の 話  髙 野 彰 著

カバー表1

洋 書 の 話

◯ 著  者 : 髙  野   彰
◯ 発行日 : 2014年11月13日
◯ 発  行 : 朗  文  堂

◯ 定   価 : 本体3,700円+税

         A5判 並製本 ジャケット付 263 ページ
         ISBN978-4-947613-91-2
 22-23 112-113 120-121上掲画像はクリックすると拡大画像でご覧いただけます。
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< 著者あとがきより >
バウアーズが Principles of bibliographical description を出したのは1949年のことである。年代的には古いが、記述書誌学を扱った著作で、バウアーズを越える著作は現在も出ていない。 この著作は現在も記述書誌学の重要な基本書であることにかわりはない。

その後、1969年にはパドウィック(E. W. Padwick)が Bibliographical method を出した。1970年にはピアス(M. J. Pearce)が A workbook of ana-lytical & descriptive bibliography を出している。

そしてギャスケルは1972年に A new introduction to bibliography を出した。
しかしいずれもバウアーズの解説書に近い。 ピアスなどはバウアーズ本を章ごとに取り上げて解説しているほどである。 バウアーズ本が難解なため、解説書や入門書が必要なのである。

『 洋書の話 』 の初版が出たのは1991年のことである。 1995年には増補版を出したが、その後、絶版となってしまった。 そしてこの度、第2版を出す機会を得た。 初版そして増補版で扱っている時代は16–18世紀が中心であったが、今回もその範囲を越えていない。

『 洋書の話 』 も記述書誌学の概説書であるが、洋書がどんな姿をしているか、その姿はどのようにして作られたのかを示そうとしている。 その意味では、本書は、書名に示したように、洋書に関する本と見ていただいても良い。

そのためにも、これまで以上に図を多く取り入れ、目で見てわかるようにつとめた。 これまで何気なく見てきたことにも意味があることを知り、それらがどんな目的で用いられ、どんな姿で本に現れているかを理解できるはずである。

記述書誌学は完成した学問ではない。 現在も模索し、発展を続けている学問である。 未解決の問題も多い。 しかしこの知識を通して得られる情報は計り知れない。 記述書誌学を目指す人や洋書に興味を抱いている人にとってお役に立てば幸いである。
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< 主な内容 > 目次より
1 章 4°:A‒P4 とは何か
2 章 本の隠れた特徴
3 章 折丁式の作り方
     3‒1 折記号を使った折丁式
     3‒2 紙葉の挿入と削除
     3‒3 参照表示
4 章 扉の転写
     4‒1 転写とは
     4‒2 扉の囲み飾り
     4‒3 扉の文字の転写
     4‒4 扉の記号類の転写
5  章 扉以外の部分の転写
6  章 記述の単位
     6‒1 版と刷
     6‒2 異刷
     6‒3 発行と再発行
     6‒4 別発行
     6‒5 理想本
7 章 記述書誌学とは
8 章 記述書誌と目録の違い
9 章 準ファクシミリ転写法小史
参考図書
用語集
あとがき
索  引
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< 著者紹介 >
髙 野  彰 (たかの あきら)
1941年 生まれ
1964年 東京大学総合図書館 勤務
2001年 跡見学園女子大学文学部教授
2012年 跡見学園女子大学文学部特任教授
2013年 退官
博 士(日本文化)
◯ 主要著書
『 洋書の話 』 増補版(丸善、1995年)
『 帝国大学図書館成立の研究 』(ゆまに書房、2004年)
『 英語本の扉 』 (朗文堂、2012年)
──────────
株式会社  朗  文  堂
160-0022 新宿区新宿2-4-9
telephone :03-3352-5070
facsimile :03-3352-5160
http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo/

新宿中村屋サロン美術館開館と、相馬黒光、荻原碌山のこと。

 

20141125183918511_0001 20141125183918511_0002 上掲フライヤー PDF  中村屋サロン美術館 URL

ロダンの弟子  荻原守衛 碌山 ロクザン
洋画の鬼才  中村  彝 ツネ
彫刻家  高村光太郎
書家 ・ 美術史家  會津八一 ・・・・・・

明治末期から昭和初期にかけて
新宿中村屋を舞台に すぐれた作品を
うみだした芸術家たち。
そしていま、文化と芸術をはぐくんだ新宿の地に
あらたな美術館が誕生します。

中村屋サロン美術館 開館記念特別展
中村屋サロン
―― ここで生まれた、ここから生まれた ――

中村屋サロン美術館の記念すべき第 1 回展覧会は
「中村屋サロン ―― ここで生まれた、ここから生まれた ―― 」 です。
明治末期から、大正、昭和初期にかけて、中村屋には多くの芸術家 ・ 文化人たちが集い、のちに 「 中村屋サロン 」 と呼ばれるようになりました。
本展では 「 中村屋サロン 」 が生まれたまさにこの場所に、そこに集った芸術家たちの作品が集結します。

◯ 会   期
2014年10月29日[水]-2015年02月15日[日]
※  展示替えがあります。 下掲の詳細を参照してください。
◯ 開館時間
10 : 30-19 : 00 (入館は18:40まで)
◯ 休  館 日
毎週火曜日(火曜 が祝祭日の場合は開館、翌日休館)、01月01日
◯ 入 館  料
一般 300円

【 詳細情報 : 中村屋サロン美術館
【 関連情報 : 中村屋の歴史

<中村屋サロンとは――同館フライヤーより>
中村屋の創業者、相馬愛蔵 ・ 相馬 良 リョウ(黒光コッコウ)夫妻は、1901年(明治34)本郷でパン屋 「 中村屋 」 を創業しました。 そして1909年(明治42)には、新宿の現在の地に本店を移転しました。
相馬夫妻は芸術に深い造詣を有していたことから、中村屋には多くの芸術家、文人、演劇人が出入りするようになりました。 それが「中村屋サロン」のはじまりです。

中村屋サロンの中心人物は荻原守衛 (おぎわら-もりえ 以下 碌山 ろくざん 1879-1910 行年30 )でした。
碌山は、相馬愛蔵と同郷の 長野県 南安曇郡 東穂高村 ( 現 : 安曇野市穂高町 ) の出身で、18歳のとき、相馬 良 ( 以下 黒光 コッコウ ) が嫁入りの際に持参した、長尾杢太郎 《亀戸風景》 の油絵ではじめて油絵を知り、画家を志しました。

最初はアメリカに、まもなくフランスで、極貧にあえぎながらの海外研修は07年余におよび、画家志望から彫刻家に転向した荻原碌山が帰国したのは1908年(明治41)のことでした。
帰国後は中村屋のほどちかく、新宿角筈ツノハズにアトリエを設け、中村屋に足しげく通います。
そんな荻原碌山を慕って多くの芸術家が中村屋に出入りするようになり、中村屋は彼らの交流の場になっていきました。 残念なことに、碌山は帰国からわずか02年余ののち、結核のために1910年(明治43)に、30歳の若さで亡くなりました。

その後、中村屋サロンの中心人物となったのが中村 彝(なかむら-つね 1887-1924)でした。
中村 彝はいっとき、中村屋の裏にあったアトリエで生活し、彼のもとにも多くの芸術家が訪れました。 その他、書家 ・ 美術史家の會津八一、女優の松井 須磨子、劇作家の秋田 雨雀、インド独立運動の志士 ラス・ ビハリ ・ ボースなど、多彩な人々が中村屋と関わりを持ちました。

これらの顔ぶれを見ると、明治の終わりから、大正、昭和初期にかけて、中村屋に集った多くの人々が日本の近代芸術 ・ 近代文化に影響を与えたことがわかります。
こんにちになって振り返ると、それは近代日本における大きな芸術の流れのひとつであり、「 中村屋サロン 」  はその舞台となったのです。
img_salon_01[1]

荻原守衛-碌山の三回忌での 相馬一家 と 中村屋サロン の若き芸術家たち。
前列左から、相馬黒光、相馬安雄(長男)、中村 彝、相馬千香(次女)、山本安曇。
後列左から、斎藤与里、戸張孤雁、相馬愛蔵、中原悌二郎、荻原本十(碌山実兄)、柳敬助。
img_salon_02[1]
1909年(明治42)ころの新宿中村屋本店の様子

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荻原碌山が逝去したのち、碌山の作品は相馬黒光らによって、新宿中村屋の店の奥の二階にまとめられ、「 碌山館 」 と名づけて、美術学校の学生など、希望者に見学を許すとともに、厳重に保管されていました。
そののち1916年(大正05)、東京の碌山の兄・本十ホンジュウが、
郷里の生家に作品を送り届け、そこに別棟をつくって 「 碌山館 」 として守られてきました。

南安曇教育会が中心となって、現在の 「 碌山美術館 」 が開館したのは1958年(昭和33)のことでした。
そしてこれからは、北アルプス山麓の 「 碌山美術館 」 と、「 新宿中村屋サロン美術館 」 とが共鳴しながら、碌山を中心とした < 中村屋サロン > の造形家の作品が見られることになりました。
[ 碌山美術館の写真は、2014年11月21日撮影/この項 < 花筏 > にて続く ]

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上掲フライヤー、左) 「 女 」 とだけ題された彫刻作品は、荻原碌山の遺作で、モデルは相馬黒光とされています。
上掲フライヤー、右) 「 少女 」 と題された油彩作品は、中村  彝ツネ の作品で、モデルは相馬家長女 : 俊子とされています。
新宿中村屋につどったこのふたりの造形家は、モデルの裸婦像のスケッチものこしています。

これまで荻原碌山の作品は、郷里、北アルプス山麓の安曇野市穂高町 「 碌山美術館 」 に、中村 彝ツネ の作品は、下落合の 「 新宿区立中村彝アトリエ記念館 」 にひっそりと展示されてきました。
これからは、まさにこれらのひとびとの 愛と美と相剋の地 であった、新宿中村屋の地に、これらの作品が一堂に会することになります。
[ 参考資料 : 『 碌山 愛と美に生きる 』 碌山美術館 平成19年 第三版 ]

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【島根県立 石見イワミ 美術館】 企画展 : 美少女の美術史

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浮世絵、少女雑誌、近代絵画、アニメ、
マンガ、フィギュア、現代アート……. 。
ようこそ、少女の迷宮へ。

「 美少女 」 は、アニメやマンガ、文学、芸能など 私たちが日ごろ親しんでいる様々な文化に登場します。
現代日本のポップカルチャーの特徴のように思われがちですが、果たしてそうでしょうか?
この展覧会では、江戸時代から現代までの様々な造形から 「 少女 」 が いかに表現されてきたかを紹介します。
人々は 「 少女 」 に何を求めてきたのか?  「 美少女 」 とは何か?
その答えを探しに、時代やジャンルの垣根を越えた多彩な作品による 少女の迷宮を巡ってみませんか。

◯ 会   期 : 2014年12月13日[土]―2015年02月16日[月]
◯ 開館時間 : 10 : 00-18 : 30 (展示室への入場は18 : 00まで )
◯ 休  館  日 : 毎週火曜日 (特別休館日は詳細をご覧ください)
◯ 会   場 : 島根県立 石見美術館 展示室 D ・ C

【 詳細 情 報 : 島根県立 石見美術館
【 特設サイト : 企画展 美少女の美術史

【展覧会情報】 ギンザ ・ グラフィック ・ ギャラリー 荒井良二だもん

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ギンザ ・ グラフィック ・ ギャラリー 第340回企画展
荒井良二だもん

ギンザ ・ グラフィック ・ ギャラリー(ggg)の 2014年12月は、絵本を中心に、イラストレーション ・ 小説の装画 ・ 挿絵 ・ 広告 ・ 舞台美術 ・ アニメーションなど、幅広い分野で活躍中の荒井良二さんの登場です。
子どもから大人まで魅了する、力強さと希望や祈りに満ちたことば、豊かな色彩とシンプルで繊細な画風から創出される荒井さんの世界。
荒井さん曰く、「一冊の絵本の結末は何かのはじまり」。
この展覧会が、何かを 「さあはじめよう」 というきっかけになれば幸いです。

◯ 期  間
2014年12月03日[水]-2014年12月25日[木]
◯ 会  場
ギンザ ・ グラフィック ・ ギャラリー(ggg) 入場無料 
〒104-0061 中央区銀座7-7-2 DNP 銀座ビル 
tel. 03.3571.5206
11 : 00 a.m.- 07 :00 p.m. (土曜日は06 : 00 p.m.まで) 日曜 ・ 祝日休館

【ミサワ バウハウスコレクション】 ワシリーチェア からはじめる バウハウス

20141127005937373_0002 20141127005937373_0001上掲フライヤーをたくさんいただいております。 ご希望のかたはご来社を。

< バウハウスとは >
「バウハウス」は、20世紀初頭のドイツに創設され、14年という短い活動期間ながら、モダンデザインの基礎を築き、その後の世界の建築、デザイン、造形教育に多大な影響を与えた造形学校です。
この学校の活動の成果は、現代の私たちの生活の中にも浸透しています。 例えば、日頃使い慣れたスチールパイプの椅子も、1925年、バウハウス出身のマルセル ・ ブロイヤーがデザインした 「 ワシリーチェア 」 からはじまっているのです。

家具だけでなく、照明器具、織物、壁紙、陶器や金属器、本やポスターなどのグラフィックデザイン、舞台芸術、そして、最終目標の建築まで、人間の生活に関わるさまざまな分野において、バウハウスの人びとは、柔軟な感性で、既成概念にとらわれない新しいデザインを開発しました。
装飾でごまかすのではなく、かたちと素材そのものの美しさを追求する姿勢は、新しい世紀を迎えた私たちの時代にも、依然として強い輝きを放っています。

< ミサワ バウハウスコレクションとは ? >
バウハウス創立から70年後の1989年に、ミサワバウハウスコレクションは誕生しました。
ミサワホーム株式会社は、バウハウスの教師や学生たちを中心に、モダンデザインの息吹が感じられる絵画、写真、インテリア、ハウスウエア、グラフィックデザインのほか、学生の授業の習作、図面など、さまざまな分野の作品を幅広く収集し、現在およそ1,500点の作品を保有しています。

1996年04月からギャラリーでの一般公開をスタートし、企画展を開催。
このコレクションは、現代でも通用する息の長いデザインを私たちのものづくりの手本とすると同時に、建築を中心に生活に関わるあらゆるデザイン改良を目指した彼らの志を、私たちがしっかりと受け継ぐ証でもあるのです。

ミサワ バウハウスコレクション
ワシリーチェア からはじめる バウハウス

◯ 期   間 : 2014年11月04日[火]-2015年03月13日[金]
◯ 開館時間 : 10 :00 -12 : 00、13 : 30-17 : 00 ( 金曜日のみ -19 : 00 )

◯ 休  館 日 :  毎週 水 ・ 土 ・ 日 ・ 祝祭日 および 12月27日-01月05日 休館
入場無料
 ミサワ バウハウスコレクションの観覧は予約制です。
休館日と開館時間に注意して、電話で日時を指定してご確認のうえご観覧ください。

電話番号 : 03-3247-5645

【 詳細情報 : ミサワ バウハウスコレクション

【茅ヶ崎市美術館】 井上有一 湘南の墨跡

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藤沢市 ・ 茅ヶ崎市 ・ 寒川町美術展  井上有一 湘南の墨跡

展覧会 「井上有一 湘南の墨跡」 では、国際的に高い評価を受けた前衛書家であり、茅ヶ崎市、寒川町で学校教員として勤務をした井上有一の書画作品や、ゆかりの品など、およそ40点を展示します。
独特な作風で知られる一字書のほか、教員の井上有一と生前関わりを持った人びとが所有する、教え子を描いた似顔絵、同僚教員への感謝状、陶芸作品など、地域にゆかりの作品をこの機会にご観覧ください。

◯ 会 期
2014年12月07日[日]-2015年02月01日[日]
年末年始の休館日もあります。 詳細は下のリンクをご覧ください。
◯ 開館時間
10 : 00-17 : 00 (入館は16 : 30まで)
◯ 
料 金
無  料
◯ 
会 場
茅ヶ崎市美術館 展示室 1
◯ 
主 催
藤沢市 ・ 茅ヶ崎市 ・ 寒川町美術展 実行委員会
◯ 
協 力
ウナック トウキョウ

関連イベント   ◆ 記念講演会 ◆
日  時 : 2015年01月18日[日]  14 : 00-16 : 00
講  師 : 海上 雅臣ウナガミ-マサオミ氏 (美術評論家 ・ ウナック トウキョウ主宰)
定  員 : 70名/申込制(先着)
料  金 : 無 料
会  場 : 茅ヶ崎市立図書館 2 階 第 1 会議室
申  込 : 12月07日[日] 10 : 00より 電話または美術館受付にてお申し込みください。

【 詳細紹介 : 茅ヶ崎市美術館 井上有一 湘南の墨跡
【 関連情報 : ウナック トウキョウ