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【朗文堂タイプコスミイク】 書体『元朝体 志安』発売/欣喜堂:今田欣一製作、白井敬尚形成事務所:パッケージ平面設計、朗文堂:発売 電子活字シリーズ開発の記録

金属活字が、写植活字時代をへて、電子活字(デジタルタイプ、フォント)となってひさしい。電子活字時代になってからもフォーマットの変化は間断なくつづいた。ビットマップ、トゥルータイプ、オープンタイプと変化のあゆみはとどまることをしらない。

そしてこれもまたいつのまにか、活字は Type (型)としての物体性を失い、デジタルデータの一種となって、定まったカタチ Type がないまま、流通し、販売され、デジタル機器などによってもちいられる時代となった。ひとはこれを「フォントのダウンロード方式」などと呼ぶ。
和字Revision9

欣喜堂 : 今田欣一製作、白井敬尚形成事務所 : パッケージデザイン、朗文堂 : 発売による電子活字シリーズの最初は、2002年08月発売開始の<和字 Revision 9>であった。

「和字」とはひら仮名とカタ仮名の集合であり、「漢字」の対語である。これは今田氏の提唱による呼称で、これらの記録は『挑戦的和字の復刻』(Vignette 05、今田欣一、2002年7月23日)に詳細にのこされている。
銘石B

いっぽう漢字・和字・欧字を含んだ書体を「総合書体」と呼んでいる。
総合書体<HUMAN Sans Serif  銘石 B>は<和字 Revision 9>の発売から10年余ののち、2012年03月の発売であった。
この間、当初のトゥルータイプからオープンタイプにフォーマット変更があり、ユーザーにむけて「パッケージを提示していただければ新フォーマット版に無償交換」という、大胆な試みができたのも、実体のあるパッケージの存在がおおきかった。
【 朗文堂ニュース : TTF から OTF へ無償交換を実施します

総合書体<HUMAN Sans Serif  銘石 B>の発売から四年余ののち、すなわち2016年05月末、いつものスタッフで、次の書体、「元朝体 志安」が完成し、本格発売がはじまった。
そんな「元朝体 志安」のプロジェクトに集中しているいま、あらためて考えると15年ほどの期間、この三者協力態勢がつづいてきたことに驚かされる。その記録の意を含め、ここに<朗文堂・欣喜堂シリーズ>を、順不同ながら、総合書体、和字書体の全15パッケージの紹介をしたい。
また朗文堂では、簡略ながらプリントメディアで『robundo type cosumique』、『robundo book cosmique』を製作している。ご請求いただけたら幸甚である。

《 総合書体 》
元朝体パッケ表1 元朝体ロゴ

銘石B 龍爪パッケ 正調明朝体 正調明朝体B 清朝官刻体

《 和字書体 》
基本 CMYK 和字たおやめ7 和字ますらお9 和字おゝことのは9 和字おゝくれたけ9 和字Tradition9 和字Succession9 和字Ambition9 和字Revision9

【新書体誕生】 タイプクリエーション 米田 隆 ── Digital Typefaces InterActive Calligraphic Font Series 百人百書 たかゆきPen

タイプクリエーショントップページresizedyoneta-215x300[1]いぶし銀の活字書体製作者 米田 隆

百人百書 たかゆき Pen  は
Typefaces InterActive Calligraphic Font Series です。
パッケージ購入者と米田さんとの共同作業でオリジナル書体を構築していく
まったくあたらしいコンセプトのもとに誕生しました。
【 新設URL/Type Creation

 {米田 隆 略歴紹介}
1955年生まれ。東京都出身。
 「欧文活字の晃文堂」の系譜を継承した、リョービ印刷機販売株式会社デザイン室/リョービイマジクス株式会社を経て、1988年有限会社タイプクリエーションを設立。
この間終始「本明朝体」製作者の故杉本幸治氏に師事。

リョービ、リコー、NEC、大日本印刷を中心に、写真植字書体・デジタルタイプの公的大型書体開発チームに携わる。
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{米田 隆 主要関与書体}

◎かな書体ぽぽる・クリアレター(NEC) ◎本明朝Bookデザイン製作(リョービ・現モリサワ取扱) ◎平成明朝体の製作に参加(リョービ) ◎MSゴシック体、WindowsXP表示用かなデザイン製作(リコー) ◎「秀英体平成の大改刻」プロジェクト参加、秀英角ゴシック体デザイン製作(大日本印刷)など

【 新設URL/Type Creation
 {URL管理者 : 日吉洋人/図版画像協力 : 木村雅彦・白井敬尚・組版工学研究会}
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{ 新書体 : 百人百書 たかゆき Pen  CDR パッケージ }
小倉百人一首紀貫之resizedkinoturayuki 肖像resized隆pen_web-1-4[1]隆pen_web-2[1]隆pen_web-3-2[1]隆pen_web-4-2[1]

【展覧会】 チェレンコフの光 戸山 灰 個展 “Cherenkov radiation” KOYAMA Kai Exhibition

戸山灰絵柄面戸山灰宛名面チェレンコフの光 戸山 灰 個展 
“Cherenkov radiation”  KOYAMA Kai Exhibition
◯ 会期  2016年12月20日[火]-25日[日]
10:00-18:30 初日のみ14時より 最終日17時まで

◯ 会場  川崎駅前タワー・リバーク3階 アートガーデンかわさき 第2展示室
川崎市川崎区駅前本町12-1 電話:044-200-1415

【 詳細 : 戸山灰がつくっているもの
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{新宿餘談}
戸山 灰(こやま-かい)さんは、ときおり来社されてあついアート談義をかたられます。
そしてデジタルタイプにも厳格な視点を有されています。
今回は久しぶりの個展に際し、[朗文堂 タイプ・コスミイク]扱いのデジタル・タイプのパッケージから、「正調明朝体 金陵 あおい」と、「杉明朝-杉本幸治制作硬筆風細明朝」をご使用されました。 ご愛用ありがとうございました。 正調明朝体 杉明朝体パッケージ表out

【図書+書体紹介】 当代の人気者ふたりが語り尽くす 集英社『みうらじゅんと宮藤官九郎の世界全体会議』+くらもち銘石B

20161126145209_00001 20161126151043_00001みうらじゅんと宮藤官九郎の世界全体会議  
◯ 著者:みうら じゅん  著者:宮藤 官九郎     

◯ 発行所:集英社  ISBNコード: 978-4-08-780763-9
◯ 判型/総ページ数:四六判/256ページ 
◯ 定価:1,200円(本体)+税
◯ 発売日: 2016年7月20日
【 詳細 : 集英社 BOOKNAVI
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【内容紹介】
「ゆるキャラ」「マイブーム」の名付け親として知られるみうらじゅんと、

『あまちゃん』『ゆとりですがなにか』でおなじみの脚本家、宮藤官九郎。

彼らが、「男と女のあいだに友情は成立するのか?」「なぜ戦争はなくならないのか?」「なぜ男はハゲを恐れるのか?」といった、世界中の誰もが疑問に思いながらも曖昧なまま放置されてきた〝難題〟について、人類を代表して語り合います。

サブカルネタを軸にしながら、政治や国際情勢、下ネタまで縦横無尽に繰り広げられる“知と恥”の哲学問答は、決して世の中を憂うことなく、くだらなさの中にこそ人生の真理を見出していくための知恵が満載です。
混沌の時代を生き抜くための、グローバルスタンダードがここにある!

【本書で取り上げた議題】
◯ なぜ男と女はわかりあえないのか?
◯ 男と女のあいだに友情は成立するのか?
◯ セックスは女の人を何回イカせたら許してもらえるのか?
◯ チンコはデカいほうがいいのか、そうでもないのか?
◯ なぜ戦争はなくならないのか?
◯ お化けはいるのか、いないのか?
◯ なぜ男はハゲを恐れるのか?
◯ なぜ人はコンプレックスを持つのか?
◯ 天職とは何か?
◯ 親は子供にどんな背中を見せたらいいのか? ほか、約30テーマを収録。
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{新宿餘談}
『みうらじゅんと宮藤官九郎の世界全体会議』のブックデザイナーは、これまた当代の人気者 : 川名 潤 さんです。川名さんは<銘石B Combination 3>から、和字として「くらもち」を選択され、本書の随所でご使用されています。
ご愛用ありがとうございました。
銘石Btype con

かねてより、十分なインパクトがありながら、視覚に優しいゴシック体、それもいわゆるディスプレー・タイプではなく、文字の伝統を継承しながらも、使途のひろいサンセリフが欲しいとされるご要望が寄せられていました。
確かにわが国のゴシック体のほとんどは、人工工作物のように無機的で、もはや自然界に存在しないまでに鋭角的で、水平線・垂直線ばかりが強調されています。

「銘石B」の原姿はとてもふるく、中国・晋代の『王興之墓誌』(341年、南京博物館蔵)にみる、彫刻の味わいが加えられた隷書の一種、とくに碑石体と呼ばれる書風をオリジナルとしています。
『王興之墓誌』は1965年に南京市郊外の象山で出土しました。王興之(309-40)は王彬の子で、また書聖とされる王羲之(307-65)の従兄弟にあたります。

この墓誌は東漢の隷書体から、北魏の真書体への変化における中間書体といわれます。
遙かなむかし、中国江南の地に残された貴重な碑石体が、現代に力強くよみがえりました。「銘石B」は和字(平仮名と片仮名)三書体(くれたけ、くろふね、くらもち)が標準でセットされており用途に応じた選択ができます。

【朗文堂タイプコスミイク】 お待たせしました。元朝体 志安 Combination 3 新発売

元朝体パッケ表1元朝体は、中国・元代の福建地方の民間出版社からつくりだされた書体です。
中国・元代(1271—1368)は、漢民族圧迫政策により書物の出版にきびしい制限が加えられましたが、それでも福建地方の民間出版社では多くの書物を刊行しています。その刊本字様は趙子昂(チョウ-スゴウ 趙孟頫・趙松雪とも 1254—1322)の書風によるとされる脈絡を残した書体です。

宋代の福建地方の出版社では余 仁仲の「万巻堂」が知られていますが、元代になると余 志安の「勤有書堂」が有名になりました。この勤有書堂の刊本字様こそが典型的な元朝体です。勤有書堂の『分類補註李太白詩』(1310年)は趙子昂の書風である「松雪体」でかかれ、元時代の建安刊本の特徴がよくあらわれています。
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元朝体ロゴげんろく志安 ばてれん志安 ひさなが志安

◎OpenType
◎対応機種 : Macintosh、Windows
◎販売価格 : 本体 ¥35,000 + 税
                      ※梱包・送料別途請求
◎パッケージ内容 : CD-ROM 1 枚、ソフトウェア製品使用許諾書
◎ 原字設計 : 欣 喜 堂   パッケージ設計 : 白井敬尚形成事務所

◎特約販売店 : 朗文堂タイプ・コスミイク

【 詳細 : 朗文堂タイプ・コスミイク

【展覧会】 戸 山 灰 ― KOYAMA Kai 個展 <メルト・ダウン>

20150611132238625_0002 20150611132238625_0003戸 山   灰 ― KOYAMA Kai 個 展
メルト・ダウン

◯ と き
2015年06月19日[金]-24日[水]
◯ じかん
13 :00-20 :00  最終日のみ18 :00まで
◯ ところ
Free Art Space  ポルトリブレ
東京メトロ「新宿三丁目」 C-8 出口 30秒
Telephone : 03-3341-2992
【 関連情報 : Free Art Space  ポルトリブレ 会場案内図
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正調明朝体

まだ四角四面が好きですか?
個展広報に<正調明朝体 金陵 をご使用いただきました>

「正調明朝体」とはすこしおおげさな名前かもしれません。このあたらしい書体はべつに古拙感を演出した筆写体でも、奇をてらった装飾体でもありません。
正調明朝体「金陵」は中国・南京の雅称から名づけられ、その金陵にあった大明南京国子監刊行の木版刊本『南斉書』にみられる端正な明朝体字様を現代に再生したものです。

 「現代明朝体」には近代化の名のもとに機械メスや電子メスが自在にはいって直線化がすすみ、水平線と垂直線ばかりが目立って、すっかり四角四面の硬直した活字書体になってしまいました。
そんな「現代明朝体」から人間味をとりもどしたいあなたに、あるいは奇形や媚態をみせるデザイン書体にはすでに飽いたとおっしゃるあなたのために、明朝体の端正にしてもっとも原型にちかい木版字様を復刻した正調明朝体「金陵」をおすすめします。
「金陵」には伝統のたかみにある和字書体(平仮名と片仮名)三書体が標準でセットされており用途に応じた選択ができます。
【 朗文堂タイプコスミイク 詳細情報 : 正調明朝体 金陵

【タイプコスミイク】 02月19日は元旦です ! (旧暦ですが)。Human Sans Serif 銘石B Combination 3 をご紹介。

恭賀新年 祝羊年大吉、身体健康、万事如意、闔家安康!

中国をはじめ、香港、台湾、韓国など、旧暦で正月の 「 春節 」 を祝う習慣をご紹介したところ、使用書体に関してご質問を頂戴しました。
【 関連情報 : エッ !  いまごろお正月 ?!!  恭賀新年 中国/台湾/香港/韓国のみなさまへ  】

上掲図は、<Human Sans Serif  銘石B  Combination 3 > をもちいております。
元旦をことほぎ、正月早早 !?  広告宣伝めいて恐縮ですが、その書体解説を以下に簡略にお示しいたします。

Human Sans Serif  銘石B  Combination 3

<Human Sans Serif  銘石B  Combination 3 > の書体設計は 欣喜堂 ・ 今田欣一氏によるものです。 欣喜堂 ・ 今田欣一氏は、日本 ・ 中国 ・ 欧米の、書写と印刷の歴史にはぐくまれた、正統的な活字書体の開発をめざしています。
販売は朗文堂タイプコスミイクによるものです。 小社はつねづねお客さまとの双方向の情報交換を希望しております。
本書体をお客さまがご愛用いただき、ご希望、改善点、ご叱声など、ご遠慮なくお寄せいただくことをお待ちしております。

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Human Sans Serif  銘石B  Combination 3

くれたけ 銘石 B   くろふね 銘石 B   くらもち 銘石 B
【 詳細情報 : 朗文堂タイプコスミイク Human Sans Serif  銘石B  Combination 3

銘石B 銘石02L

【 くれたけ くろふね くらもち かな三種の組版テストPDF  KANA03 test 505KB 】

《 ついにわが国でも ヒューマン ・ サンセリフが誕生! 銘石 B 》
十分なインパクトがありながら、視覚に優しいゴシック体、それもいわゆるディスプレー ・ タイプではなく、文字の伝統を継承しながらも、使途のひろいサンセリフ ―― わが国の電子書体にも 「 ヒューマン ・ サンセリフ 」 が欲しいとされるご要望が寄せられていました。
確かにわが国のゴシック体のほとんどは、もはや自然界に存在しないまでに鋭角的で、水平線 ・ 垂直線ばかりが強調されて、鋭利な画線が視覚に刺激をあたえます。

欣喜堂 ・ 朗文堂がご提案した 「 銘石 B 」 の原姿はふるく、中国 ・ 晋代の 『 王興之 オウ コウシ 墓誌 』 (341年、南京博物館蔵 ) にみる、彫刻の味わいが加えられた隷書の一種で、とくに 「 碑石体 ヒセキ-タイ 」 と呼ばれる、千二百年ほど前の刻字書風を製作の源泉としています。

『 王興之墓誌 』。 この裏面には、のちに埋葬された
妻 ・ 宋 和之の墓誌が、ほぼ同一の書風で刻されています(南京博物館)。

『 王興之墓誌 』 拓本。
右払いの先端には隷書に独特の
波磔のなごりがみられ、多くの異体字もみられます。
標本キャラクター数は、ここにみる程度の少数でしかありません。

王 興之とその妻 ・ 宋 和之(中国では、古来夫婦別姓がならい)は、中国晋朝の340年代に埋葬されたとみられています。
晋朝では薄葬が奨励され、おおきな石碑の建立は禁止されていましたので、墓地に生前の記録を埋設することがみられました。
その 『 王興之墓誌 』 は1965年に南京市郊外の象山で出土しました。

王興之 (309-40) は 王 彬の子で、また書聖とされる 王 羲之(307-65)の従兄弟イトコにあたります。
この墓誌は煉瓦の一種で、粘土を焼き締めた 「 磚 セン、カワラ、 zhuān 」 に碑文が彫刻され、遺がいとともに墓地の土中に埋葬されていました。 そのために風化や損傷がほとんどなく、全文を読みとることができるほど保存状態が良好です。

王家 家系図uu 伝・王羲之肖像S王 興之の従兄弟 ・ 書聖/王 羲之の ( 伝 ) 肖像画。
同時代人で イトコの王 興之もこんな風貌だったのでしょうか。

魏晋南北朝 ( 三国の魏の建朝 ・ 220年-南朝 陳の滅亡 ・ 589年の間をさす。 わが国は古墳文化の先史時代 ) では、西漢 ・ 東漢時代にさかんにおこなわれていた、盛大な葬儀や、巨費を要する立碑が禁じられ、葬儀葬祭を簡略化させる 「 薄葬 」 が奨励されていました。

そのために、書聖とされる王 羲之の作にはみるべき石碑はなく、知られている作品のほとんどが書簡で、それを 法帖 ホウジョウ にしたものが伝承されるだけです。
この時代にあっては、地上に屹立する壮大な石碑や墓碑にかえて、係累 ・ 功績 ・ 生没年などを 「 磚 セン 」 に刻んで墓地にうめる 「 墓誌 」 がさかんにおこなわれました。

『 王興之墓誌 』 もそんな 魏晋南北朝の墓誌のひとつです。 『 王興之墓誌 』 の書風には、わずかに 波磔 ハタク のなごりがみられ、東漢の隷書体から、北魏の真書体への変化における中間書体といわれています。
遙かなむかし、中国江南の地にのこされた貴重な碑石体が、現代の ヒューマン ・ サンセリフとして、力強くよみがえりました。

【ブックコスミイクよりご報告】 ドイツ国立図書館が Helmut Schmid 『 japan japanese 』を収蔵。

ジャケット書 名    japan japanese
著 者    ヘルムート ・ シュミット
装 本         250 × 255 mm 上製本 108ページ
独 ・ 英 ・ 日本語表記
発 売          2012年4月
定 価          本体 3,619円 + 税
ISBN978-4-947613-83-7
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ヘルムート ・ シュミット著 『 japan japanese 』 は、発売開始後の講演会、展覧会などをつうじて、順調な販売が継続しております。

また、ここのところの通貨、円安傾向などがあって、国外諸国からの引き合いも増加しております。 円安や円高と国外図書販売の成果などは無関係だとおもっていると、意外な落とし穴が待ちかまえています。

今回の報告は、『 japan japanese 』 が、ドイツ国立図書館の蔵書になったことのご報告となりました。
ドイツ国立図書館 ( Deutsche Nationalbibliothek ) は、分断されていた東西ドイツの再統一後に、ドイツの国立図書館の機能を果たすために統合された、以下の03館の統一名称で、略称はDNBです。

  1. 旧東ドイツ時代の国立図書館を継承したライプツィヒ館 ( 旧 Deutsche Bücherei 、1912年創立。 蔵書数およそ1,300万点 )
  2. 旧西ドイツ時代の国立図書館を継承したフランクフルト ・ アム ・ マイン館 ( 旧 Deutsche Bibliothek 、1947年創立。 蔵書数およそ800万点 )
  3. 音楽資料のベルリン館 ( Deutsches Musikarchiv、蔵書数およそ100万点 )

ドイツ国立図書館がわが国の国立国会図書館とおおきく異なるのは、その蔵書の範疇を1913年以降の刊行図書としており、詳細にはいたりませんが、図書館と博物館の機能を明確に分離 ・ 独立させる意図があるようにおもわれました。 詳細はできのよいウィキペディアがありますのでご覧ください。
【 ウィキペディア : ドイツ国立図書館 日本語版  ドイツ国立図書館  ドイツ語版
ドイツ・レターDSCF5640ジャケット 本文ページ1 本文ページ2本文ページ3
関連情報 : 朗文堂ブックコスミイク 『 japan japanese 』
【 関連情報 : ヘルムート・シュミットさん 『japan japanese』、 2014年版 ISTD 国際タイポグラフィック賞 premier award を受賞 2014年10月28日

以下の情報は『 japan japanese 』に関して2011年12月14日-13年03月21日まで、都合09回にわたって掲載された関連記事を、降順に並べ替えて掲示しました。
【 関連情報 : 『 japan japanese 』 刊行記念 ヘルムート・シュミット氏の講演会+展覧会のお知らせ

【会員情報】 真田幸文堂・真田幸治氏装本/『身体は幻』(渡辺 保著、幻戯書房刊)

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幻戯書房 ( げんき しょぼう ) は、歌人で作家の 辺見じゅん が、父であり、角川書店の創立者である 角川源義 の創業の精神を受け継いで設立した出版社です。
幻戯書房の 「 幻戯 」 は、角川源義が自宅を 「 幻戯山房 」 と称していたことに由来します。
幻戯書房刊行書の多くの装本を担当してきたのが、新宿私塾、活版カレッジ修了生であり、タイポグラフィ学会の会員でもある 「 真田幸文堂/真田幸治 」 さんです。

真田幸文堂/真田幸治さんは、今回の『 身体は幻 』 の装本にあたって、前見返しにつづいて、共紙をもう一丁つけて、そこに同書の内容に即したイメージを盛りこむことによって、図書の導入部に、ゆとりとふくよかさをもたらすことに成功しています。

書体選択にも厳格な視点をもち、書名 『 身体は幻 』 のデジタルタイプは < 正調明朝体 あおい 金陵 > をもちいています。 正調明朝体【 参考資料 : 朗文堂タイプコスミイク 正調明朝体 金陵

ニューメディアとしての電子書籍が、さまざまな工夫をこらしてシェアアップをはかっています。
いまは一種の混乱期ともいえる状況にありますが、やがて製作 ・ 流通 ・ 販売経路を含め、印刷書籍と電子書籍とが、よき棲み分けが可能な時代の到来が予想されます。
こんな時代、従来型の印刷書籍も、慣行や束縛に甘んじることなく、創意と工夫、切磋琢磨が必要な時代かも知れません。

20141209170732488_0004 20141209170732488_0005【 URL : 真田幸文堂日録

幻戯書房
東京都千代田区神田小川町3-12 岩崎ビル 2 階
tel.  03-5283-3934
fax. 03-5283-3935 
【 詳細情報 : 幻戯書房 NEWS 】 

MICROの領域-12 pt. 極小文字彫刻活字を顕微鏡写真でみる-協力:日本ダイカスト協会

 

活字1uuもうかれこれ30年ほどまえのことである。
1980年代のはじめだったとおもう。 当時はしばしば欧州にでかけていた。
以来長らく小社の < モンドリアン ・ ケース > の一隅で眠っていた活字資料があった。
ときどき取りだしては、拡大鏡でながめたり、スタンプ式に押印したりしてみたが、ほとんど文字らしきものは読み取れなかった。
ひとつはスイス、バーゼルにあった HAAS 社を訪問したとき、活字母型彫刻室でいただいたもの。 もうひとつは、ドイツ、マインツ市の グーテンベルク博物館 で購入したものだった。

この資料をご覧になった、日本ダイカスト協会技術部の 西  直美氏が関心をもたれて、早速、顕微鏡写真を撮影され、画像データをご提供いただいた。
これでようやく、活字最盛期の、高度な 「 活字母型彫刻術と、活字鋳造術 」 の技倆を垣間見ることができることになった。

活字uu 活字0uu 活字1uu 活字2uu 活字拡大1uu活字拡大2uu活字は、もっとも基本サイズの pica パイカ,  12pt. ( アメリカン ・ ポイントサイズ、1pt. = 0.351mm,  12pt .× 0.351mm = 4.212mm )で、4.212mm 角のおおきさの活字であった。
活字は字面の保護と、紛失防止のために、蓋付きの黒い樹脂製ケースにはいっていた。 最上部の写真はその蓋の上に一円玉を置いて、大きさを実感していただけるようにしてある。

スイスの HAAS 社は1580年設立というふるい歴史を有し、Neue HAAS Grotesk ( ハース社の あたらしい グロテスク体 → ドイツ ステンペル社の傘下にはいってからは Helvetica ≒ ヘルベチカはスイスの古称 ・ 雅称でもある ) の開発で成功をおさめ、またパリの Deberny & Peigno 活字鋳造所が1972年に閉鎖されたために、その活字母型による 製造 ・ 販売にもあたっており、盛況をきわめていた。

HAAS 社の 「 機械式活字母型彫刻機 」 は、わが国の標準型であった、いわゆる 「 ベントン彫刻機 」 と異なり、より大型で、活字パターンもわが国標準の 2 inch よりおおきなサイズを使用していたと記憶している。
だいぶ自慢ばなしをきかされてから、このデモンストレーション活字をいただいたが、たいていの事柄は失念したし、資料も残っていない。
幸い、
筆者より数年のちに HAAS 社を訪問された、ユービックス : 宮崎 徹氏が記録をのこされているので、そちらを参照いただきたい。
【 参考資料 : タイポグラフィ あのねのね*014 アルダス工房、ドベルニ&ペイニョ、アーツ&クラフト運動
【 参考資料 : ユービックス 近代印刷 書体の世界 】
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紹介した画像の活字は、グーテンベルク博物館で入手したものである。 現在もおみやげのひとつとして販売していると仄聞している。
仕様はほとんど HAAS 社のものとおなじで、pica, 12pt. サイズの活字である。
また、ふつう活字は裏文字(鏡文字)であるが、ここでは一種のデモンストレーションであり、サンプルのためか、正向きの文字として鋳造されている。

ともかく 4.212 mm 角というちさな活字枠であるが、ここに聖書の一節が鋳造されている。
文頭はイニシャルとしておおきなサイズで飾られ、文末にAMEN アーメン とある。 最下部に製造者として MONOTYPE CORPORATION  の名前がみられる。
すなわち 1mm の幅に 7-10 キャラクターが彫刻されて活字母型となり、そこに活字地金を圧入して、鋳造された「活字」である。 同社の技術がそうとう高度なレベルにあったことをうかがわせるのには十分な資料である。

久しぶりに手許の25倍ルーペでのぞき、スタンプ式に押印してみたが、やはり顕微鏡写真のほうが迫真力があった。 気になったのは、触覚でも 顕微鏡写真でも、母型深度があさすぎはしないかという疑問であった。 これでは印刷時にすぐにインキの目詰まりをおこすことになりそうだった。
これは活版印刷機にかければ ― 裏文字(鏡文字)になるが ― インキ詰まりの程度をみるなどして一目瞭然の事柄である。 また、所詮デモンストレーション用の活字ではないかというおもいもあるが、それをなす勇気は、いまは無い。

20141023132138964_0001Linn Boyd Benton  1844-1932

この 「 機械式活字母型彫刻機 」による活字母型製作の技術は、筆者の知るかぎり、わが国では三年ほどまえに失われた。
アメリカでも専従者はひとりだけで、気息奄奄の状態にあると仄聞している。

実践活字母型彫刻:朗文堂 アダナ・プレス倶楽部 特別企画/感動創造の旅 協力:真映社・安形製作所・築地活字
実践活字母型彫刻(イメージ写真)

    
    
アダナ ・ プレス倶楽部 「 実践活字母型彫刻の旅 」 於 : 旧安形製作所

リン ・ ボイド ・ ベントン (Benton, Linn Boyd  1844-1932)によって、1884年に活字父型彫刻機(Punch Cutting Machine)として実用化された「機械式活字父型 ・ 母型彫刻機、俗称ベントン彫刻機 」 による活字父型 ・ 母型製造法は、その実用化から40年後ほどでわが国の印刷局 ・ 東京築地活版製造所 ・ 三省堂にもたらされた。 そして1950年頃に国産化された。
しかしながら、アメリカでの実用化から128年、わが国での国産化から62年の歴史をもって、事実上幕をおろすこととなった。

いっぽう台湾では、CAD のシステムをもちいて、すでに相当のレベルでの活字母型製造がなされるようになった。
わが国も、身体性のともなった造形活動基盤の維持のために、あたらしい 「 活字母型製造法 」 への対応を急がなければならない時期となっている。

【 参考資料 : 花筏 タイポグラファ群像 * 004  安形文夫 ベントン活字母型彫刻士
【 参考資料 : アダナ ・ プレス倶楽部 台湾でつくったCAD方式による活字母型 と 初号活字

【書体使用例紹介】 <正調明朝体 金陵> 鹿児島市立美術館 海老原喜之助展

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《 紙メディアが元気なまちでした ―― 鹿児島市の公共施設のフライヤー、ポスター 》

活版礼讃-<Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO> のために鹿児島にでかけました。県都 : 鹿児島市は人口60余万のまちです。
イベントの前後に このまちに五日ほど滞在しましたが、おどろいたことに、このまちではまだまだ、フライヤー、チラシ、ポスターなどの紙メディアが有効なことでした。

おもへらく、東京、大阪などの巨大都市はもとより、人口100万人見当の政令指定都市にあっては、良かれ悪しかれ、あまりに情報が錯綜し、情報過多になっている現状があります。
かててくわえて、あたらしいデジタルメディアの氾濫によって、印刷 ・ 紙メディアのフライヤーなどをせっかく製作しても、たれも持ち帰らないし、がんばってポスターを製作しても、掲示する場所が無いといった惨状がみられます。

もちろん鹿児島でもご多分に漏れず、喫緊の課題として、少子化による人口減少の歯止めが急務とされ、また総体としての印刷業はやはり逆風下にあるということでした。
それでも書店をのぞくと、図書と雑誌の陳列のほかに、郷土誌コーナーとタウン誌コーナーがもうけられ、そこには公共施設のイベント告知を中心に、さまざまな印刷物がところ狭しと置かれていました。
すなわちこのまちの[もちろん一部とはいえ]書店は、「 売らんかな ― いざ」 という、たんなる図書と雑誌の展示販売所に堕すことはなく、いまだに文化と情報の良き発信拠点であることが、嬉しくもあり、おどろきでもありました。
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鹿児島では、ここにご紹介した <鹿児島市立美術館 海老原喜之助展> のポスターが掲出されているのをあちこちでみましたし、フライヤーも、書店だけでなく、カフェやレストランなどにもさりげなく置かれていました。

< 鹿児島市立美術館 海老原喜之助展 > の企画展の平面設計士(グラフィックデザイナー) のお名前は知りませんが、とても丁寧に製作されており、好感をもちました。
またデジタルタイプも、ありきたりな書体ではなく、主要書体として 「 秀英体 」 をもちい、見出し部に 「 正調明朝体 金陵 」 を配していました。
というわけで、ここに鹿児島で偶然であったデジタルタイプの使用例をご紹介しました。

【 関連情報 : 鹿児島市立美術館 企画展

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《 明治維新から150年、鹿児島市の観光施設は記念イベントで賑わっていました 》
鹿児島市の中央部に、歴代の薩摩藩主の居城であった鶴丸城があります。
この鶴丸城の背後には 「 城山 」 と呼ばれる急峻な丘があり、現在は観光地のひとつになっていますが、そこには 砦 程度の施設がつくられただけで、居城は平地にある鶴丸城でした。

むしろ薩摩藩主 : 島津家歴代には <薩摩は人をもって城となす> とする考えがあって、おおきな城郭や天守閣をかまえることは無く、さほど高くない石垣と、わずかな濠にかこまれた平ヒラ城を 「 鶴丸城 」 と呼んで居城としていました。

鶴丸城は、薩英戦争、西南の役、第二次世界大戦の空襲など、多くの戦乱に巻きこまれ、現在はそれらの戦乱の弾痕を留めた、さして高くない石垣がのこるだけになっています。
その鶴丸城の主要部、二の丸の跡地の一画に、「 城山 」方向に向かって左から順に、鹿児島県立博物館、鹿児島市立美術館、鹿児島県立図書館、鹿児島県立歴史資料センター 黎明館 などの大型公共施設があります。

この一画にある、鹿児島市立美術館で <鹿児島市立美術館 海老原喜之助展> が開催されていました。観光業者のはりきりをよそに、これらの公共施設は淡淡と日常業務を展開していました。
できたら参観し、図録があれば購入したかったのですが、イベントのスケジュールに追われてそれは叶いませんでした。

正調明朝体 正調明朝体B 大明南京國史監 南齋書
まだ 四角四面が お好きですか?
robundo type cosmique  正調明朝体 金陵 Combination 3

「 正調明朝体 金陵 」 とはすこしおおげさな名前かもしれません。 このあたらしい書体はべつに古拙感を演出した筆写体でも、奇をてらった装飾体でもありません。
「正調明朝体 金陵 」 は中国 ・ 南京の雅称から名づけられ、その金陵にあった大明南京国子監コクシカン刊行の木版刊本 『 南斉書 』 にみられる端正な明朝体字様を現代に再生したものです。

明王朝(1368-1644)は漢民族の朱元璋 ・ 太祖が、蒙古族の元王朝をたおして南京に建朝しましたが、四代目の皇帝 ・ 成祖のときから都を北京に移しました。
また国子監コクシカンとは、もともとは隋王朝のころに設立された大学ですが、明王朝になってからは中央官僚を養成する大学の機能とともに、国家によるすべての学問を統括する中央官庁となりました。

都が北方の北京に移転してからも、王朝による出版活動は 「 南監本 」 とされて、文化の集積が厚い南京を中心に展開されました。 その明王朝によるもっとも典型的な官刊本、すなわち正調明朝体字様がうかがえる書物のひとつが 『 南斉書 』 といってよいでしょう。

「 現代活字明朝体 」 には、近代化の名のもとに、機械メスや電子メスが自在にはいって、直線化がすすみ、水平線と垂直線ばかりが目立って、すっかり四角四面の、硬直した活字書体になってしまいました。
そんな 「 現代活字明朝体 」 から人間味をとりもどしたいあなたに、あるいは奇形や媚態をみせる一過性のデザイン書体にはすでに飽いたとおっしゃるあなたのために、明朝体の端正にしてもっとも原型にちかい、木版字様を復刻した 「 正調明朝体 金陵 」 をおすすめします。
「 正調明朝体金陵 」 には伝統のたかみにある和字書体(平仮名と片仮名。あおい金陵 きざはし金陵 さおとめ金陵)三書体が標準でセットされており、用途に応じた選択ができます。

[ パッケージ平面設計 : 白井敬尚形成事務所 ]
【 詳細情報 : 朗文堂タイプコスミイク 正調明朝体 金陵 Combination 3
【 詳細情報 : 朗文堂タイプコスミイク 正調明朝体 金陵 B Combination 3

【書体使用例紹介】 伊藤形成事務所,近作の ほんの一部をご紹介。

犬山焼フライヤー三折り
伊藤嘉津郎カヅオさん、伊藤 恵メグミさんによるデザイン事務所 : 伊藤形成事務所のおふたりとは、ながいおつきあいになります。
もともとおふたりとも、いっときは新宿周辺を職場とされていました。ですからご主人の郷里にもどられ、名古屋に事務所を開設してからも、ときおり新作を送っていただいています。
2013年08月05日には、本欄において <【書体使用例紹介】 伊藤形成事務所  和字:いけはら、総合書体:正調明朝体の使用例をご紹介> として、そのお仕事ぶりの一端をご紹介いたしました。

伊藤形成事務所
460-0008 名古屋市中区栄2-3-16 伏見コンビル307号
Telephone : 052-202-7412  E – mail : ito-keisei@air.ocn.ne.jp

お仕事は、堅実でケレンの無い作風が顧客の信頼を呼び、美術館や博物館の図録、図書製作などが多いようです。
今回もすこし勝手をいって、小社販売書体を使用した製作物を中心にご紹介いたします。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA今井焼フライヤー上) 特別展/今 井 焼 ― 埋もれた創業の記憶 ―
   図録 4c, 1c,  A4判 あじろ綴じ ・ 44ページ
下) 特別展/今 井 焼 ― 埋もれた創業の記憶 ―
   フライヤー  A4判 4c  / 0c

岩田洗心館 : 特別展/今 井 焼 ― 埋もれた創業の記憶 ― の図録製作、フライヤー製作にあたって、表題部分の主要書体として、漢 字 : タイプバンク 花胡蝶、和 字 : 朗文堂 ・ 欣喜堂 Ambition 9 所収 <いけはら> をご使用いただきました。
【 関連URL : 岩田洗心館 URL
 和字Ambition9和字書体のパッケージ 「アンビション Ambition 9 」は、さよひめ、もとい、いけはら、まなぶ、くらもち、ひさなが、ゆかわ、みなみ、たいらの 09 種類の伝統のたかみにある和字を複刻 ・ 再生したもので、「 Ambition  大志」 という意味を込めて命名しました。

わが国の活字書体の開拓にあたって、版下を描いた書家である、池原香穉、久永其頴、湯川梧窓をはじめ、研究者 ・ 企業家として大きな貢献をした、本居宣長、本木昌造、平野富二、吉川半七、江川次之進、青山安吉、津田伊三郎、寿岳文章らの「大志」をたたえて、「欣喜堂和字シリーズ」第 4 弾の名称に「和字 Ambition 9 」を採用しました。

[パッケージ平面設計 : 白井敬尚形成事務所]
【 詳細情報 : 朗文堂タイプコスミイク 和字 Ambition 9

上野雄次展DOC花道家 上野雄次の 花いけ ライブ ・ パフォーマンス
フライヤー  A4判 4c  / 1c

岩田洗心館 : 花道家 上野雄次の 花いけ ライブ ・ パフォーマンスのフライヤー製作にあたって、表題部分の主要書体として、漢 字 : モリサワ 光朝、和 字 : [花]いけ ライブ ・ パフォーマンスに、朗文堂 ・ 欣喜堂 Ambition 9 所収 <ゆかわ> に「太らせ加工」を加えてご使用いただきました

犬山焼フライヤー三折り 犬山焼見開き01犬山本窯 尾関作十郎陶房 犬 山 焼
フライヤー  A4判 変形三つ折り 4c  / 4c

犬山本窯 尾関作十郎陶房 犬 山 焼のパンフレット製作にあたって、主要書体として、漢 字 : タイプバンク 花胡蝶、和 字 : 朗文堂 ・ 欣喜堂 Ambition 9 所収 <もとい> をご使用いただきました。
【 関連URL : 犬山焼本窯元尾関作十郎陶房

【武蔵美】 課外公開講座<活字活字父型彫刻とタイプデザイン>

 

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タイプデザイナー、フレット ・ スメイヤーズ氏による課外講座が武蔵美にて開催!

◯ 開催日時 :
2014年11月10日[月] 16:30-18:00
◯ 開催場所 :
武蔵野美術大学 鷹の台キャンパス  1 号館103教室
アクセス方法は こちら をご覧ください。
※一般のかたも自由に聴講できます。

スメイヤーズ氏は活字製造技術である活字父型彫刻の研究者であり、実践者として世界的に知られています。
タイプデザイナーを志す人の必読書とも称されている著書 『 Counterpunch 』 では、彼が実際に16世紀の活字制作を追体験することで得たタイプデザインへの見解を述べており、現代の書体デザインにあらたな可能性を示しました。
自身の書体にもその技法や考えかたがフィードバックされています。


本講座では 「 活字父型彫刻とダイプデザイン 」 と題して、学生だけでなくタイプデザインを専門とする人まで幅広い層に向けて、自身の経験や書体制作について語っていただく予定です。

◯ 講師 : フレット ・ スメイヤーズ
オランダ出身のタイプデザイナー。 手掛けた主な書体は、Arnhem、Haultin、Renard、Sansa、Custodia などで、これらは2002年に自身が設立したタイプファウンドリー、OurTypeから主にリリースされている。著書に 『 Counterpunch 』 『 Type now 』 がある。

◯ 通訳 : 大曲都市
Monotype 社のタイプデザイナー。 武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。 手掛けた主な書体は、Metro Nova など。
スメイヤーズ氏の著書 『 Counterpunch 』 日本語版の翻訳を担当。
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朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部 <感動 ・ 創造の旅-実践 活字母型彫刻 2008年10月>
マイクロバスを仕立てての、楽しく、おおきな成果があったイベントでした。
「ベントン型活字父型 ・ 母型彫刻機」の実践体験会での「安形製作所」(山梨市。現在は閉鎖)にて。 当時まだ武蔵野美術大学卒業直後の大曲都市さんも参加されていました。 このころからひたむきにタイポグラフィの研鑽をつづけられていました。
現在の活躍ぶりは皆さまご存知のとおりです。

フレット ・ スメイヤーズ氏の来日にあわせて、
『 カウンターパンチ 16世紀の活字制作と現代の書体デザイン 』 (フレット ・ スメイヤーズ著/山本太郎監修/大曲都市訳 武蔵野美術大学出版局 )が発売されます(2014年11月25日一般書店発売)。

【 詳細情報 : 武蔵野美術大学 課外講座「活字父型彫刻とタイプデザイン」
【 関連情報 : OurType. Fine Type from Europe 】
【 関連情報 : 花筏 タイポグラファ群像*004 安形文夫 ベントン活字母型彫刻士

【書体使用例紹介】足立涼子さん <とりのうた>、<鳥のうたが きこえる>

00[1]

<とりのうた & Faust インスタレーション>の記録

期 間 : 2014年01月24日[金]-31日[金]
会 場 : ギャラリー砂翁&トモス
      ◎ 1F会場 : 新作「とりのうた」を含めた本の作品 (版画協力/カワラボ)
      ◎ BF会場 : 「FAUST」の映像インスタレーション (協力/丸山裕之

日々益々混迷する現実に、「ちょっと待って」……「少し時間を下さい」と一陣の爽風が吹く。 野鳥観察に心を奪われ、とりの会話に耳をかたむける最近の足立涼子さんは、今私たちに最も必要な心の対話を「とり」を介して伝えます。
今展は新作本「とりのうた」と、初期の作品である「Faust」の映像インスタレーションの二部構成で構成されています。(ギャラリー砂翁 横島佳子)

ジョイント展 <鳥のうたが きこえる> の告知足立涼子さん絵柄面 足立涼子さん宛名面

《 アーティスト・ブック 『とりのうた』 の刊行展から、ジョイント展 『鳥のうたが きこえる』 へ 》
ブック・アーティストとして独自の活動を展開されている足立涼子さん(アダナ・プレス倶楽部会員)。
足立涼子さんは、本2014年01月に、<とりのうた & Faust インスタレーション>において、新作『とりのうた』を発表されました。
また2014年08月20日から、ジョイント展<鳥のうたが きこえる>を開催されます(会場はいずれも ギャラリー砂翁&トモス )。
和字Ambition9四川宋朝体00[1] 01[1] 03[1] 04[1] 05[1] 06[1] 07[1]創作図書『とりのうた』の表紙は、足立涼子さんご自身による樹脂凸版印刷です。
この表紙にご使用いただいたデジタル書体は、朗文堂 組版工学研究会、欣喜堂・今田欣一氏による「欣喜堂デジタルタイプ・シリーズ」 <和字 Ambition 9 所収 さよひめ>です。

また、本年08月20-30日に開催される、ジョイント展<鳥のうたが ここえる>告知はがきのタイトル<鳥のうたが きこえる>には、「和字 さよひめ」に加えて、「漢字 鳥」に<四川宋朝体 Combination 3  龍爪>をご使用いただきました。

「和字 さよひめ」は、室町時代後期の写本「奈良絵本」をデジタルタイプ製作の源流としています。当然この時代の文字は、縦書きのなかで醸成され、形成された形象です。
この書体のパッケージに Digital Typefaces for Professionals とあるように、縦組みならともかく、横組み使用となると、印象ふかく読者の視線ととらえるためには、相応の組版技倆を発揮していただくと、より魅力を発揮する書体でもあります。

足立涼子さんの製作テーマに「枝文字」という興味ふかいテーマがあります。すなわち足立さんは文字形象にとても鋭敏なかたで、「和字 さよひめ」の組版に際して、相当高度なスペースと大小関係の調整をほどこされていることがわかります。

ブック・アーティストであり、そしてタイポグラファでもある、足立涼子さんと、その作品の展覧会がまもなく開催されます。詳細は<活版アラカルト>にも紹介しております。
ご観覧をおすすめいたします。

【 関連情報 : 足立涼子 URL
【 関連情報 : ギャラリー砂翁&トモス 】
【 活版アラカルト : 会員情報 足立涼子さんの展覧会 <鳥のうたが きこえる> 】

【書体使用例紹介】 「日比谷に咲いたタカラヅカの華」

宝塚告知ポスター
東京宝塚劇場会場80周年記念特別展

日比谷に咲いたタカラヅカの華

1934年、日比谷の一角に日本第一級の大劇場、東京宝塚劇場が開場し、今年で80年を迎えました。
宝塚歌劇生みの親の小林一三は、開場に際して
「我等の初舞台、朗らかに、清く正しく美しく、我等の宝塚こそ大衆芸術の陣営、家庭共楽の殿堂、おゝ、我東京宝塚劇場!」
と高らかに表明し、宝塚歌劇を上演して来ました。

しかし、戦争の激化による休場、戦後のGHQの接収などの苦難の時代を見つめてきた東京宝塚劇場も、いったん63年の歴史に幕を閉じました。
やがて、新劇場完成までの1000日間の仮設劇場を経て、2001年には新東京宝塚劇場が完成し、東京での通年公演が実現しました。
本展は東京宝塚劇場開場80周年を記念し、その80年の軌跡をポスターや写真などの公演資料でたどります。

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◎ 会   期
平成26年 4月23日[水]-6月22日[日]
休館日:5月19日[月]、6月16日[月]
◎ 開室時間
平日 10:00-20:00、土 10:00-19:00、日・祝 10:00-17:00
◎ 観 覧 料
一般300円、大学・高校生200円、区民・中学生以下、障害者手帳をお持ちの方および付き添いの方1名は無料
※住所が確認できるもの、学生証、障害者手帳をお持ちください。
◎ 協  力
阪急電鉄株式会社、宝塚歌劇団、公益財団法人阪急文化財団、株式会社宝塚クリエイティブアーツ、株式会社宝塚舞台
◎ 出品協力
東宝株式会社、一般社団法人映画演劇文化協会
【詳細情報:千代田区立日比谷図書文化館

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正調明朝体s 正調明朝体Bs 大明南京國史監 南齋書

東京宝塚劇場会場80周年記念特別展「日比谷に咲いたタカラヅカの華」展の告知メディに、「正調明朝体」の「和字:あおい 漢字:金陵M」をご使用いただきました。
【書体詳細情報:朗文堂タイプコスミイク 正調明朝体Combination 3 正調明朝体B Combination 3

「正調明朝体 金陵」は中国・南京の雅称から名づけられ、その金陵にあった大明南京国子監刊行の木版刊本『南斉書』にみられる、端正な明朝体字様を現代に再生したものです。

朗文堂タイプコスミイク販売の「正調明朝体 金陵」パッケージには、和字書体の「あおい」「きざはし」「さおとめ」それぞれに、漢字書体の正調明朝体「金陵」が標準セットになっています。
「正調明朝体 金陵」シリーズは、ながい木版刊本の歴史のなかで醸成された、適度な古拙感、すぐれた可読性と誘目性を有しており、ご好評をいただいております。
皆さまの積極的なご採用、ご使用をお待ちしております。
[書体設計:欣喜堂 今田欣一 パッケージ設計:白井敬尚形成事務所]
 

【朗文堂ブックコスミイク】 『欧文書体百花事典』普及版 刊行記念特別連続講演会 第1回

欧文書体その後チラシ梅だよりもチラホラ聞かれる昨今です。皆さまお元気でご活躍のこととぞんじます。
『欧文書体百花事典』が刊行されて10年が過ぎました。
この10年間の欧文書体研究は? 関連する研究の進展は……。
これからの『欧文書体百花事典』普及版の刊行に際して
10年前の「その後」を、各講師に6回にわたってお話しいただきます。
下記のご案内をご覧いただき、友人・知人をお誘いのうえ、ふるってご参加ください。
なお、詳細は朗文堂NEWSブログをご覧ください。
http://www.robundo.com/robundo/blog/
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『欧文書体百花事典』普及版 刊行記念特別連続講演会(全 6 回)
      第 1 回  『ボドニローマンからの変遷  Giovanni Mardersteig』
      講   師 : 片塩二朗
日 時 : 2014年3月2日(日)
      午後1時より約3時間程度(ワークショップ含む)
会 場 : 東洋美術学校 D棟1階 学生ホール
      161-0067 東京都新宿区富久町2-6
      地図は http://www.to-bi.ac.jp/access/
聴講料 :各回1,000円(要申込登録)
主  催 : 株式会社 朗文堂
後  援 : タイポグラフィ学会
        学校法人専門学校 東洋美術学校
        産学連携事務局 デザイン研究会アクティ
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[講演会申込先]
株式会社 朗文堂@メールまで  robundo@ops.dti.ne.jp
件名 「欧文書体百花事典その後 第1回講演会」
お名前・人数・返信用メールアドレスを明記して、2月27日までにご送信ください。
 3 営業日以内にお断りの返信が無い場合は受付完了とさせていただきます。
なお、第2回から第6回までの複数回を受講ご希望の方はその回数をご記入ください。
****************************************************
株式会社 朗 文 堂
鈴木 孝
160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
電 話 03–3352-5070
FAX 03-3352-5160
email robundo@ops.dti.ne.jp
http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo
*****************************************************欧文書体その後チラシ

◎ 上掲図版の、A4判 Z折り 4色/0色のフライヤーを用意しております。ご希望のかた、教育機関などで配布をご希望の皆さまは、ご遠慮無くお申し付けください。
◎ 会場は30-40名のキャパシティです。また東洋美術学校には、森澤茂氏、故小池光三氏の寄贈による貴重な小型活版印刷機がありますので、講演内容とリンクした活版印刷ワークショップも併催いたします。
◎ 当日配付資料の準備、活版ワークショップの準備などがありますので、確実に受講するためには@メールでのお申込みをお急ぎください。
◎ 本講演会に関する詳細情報は、順次本コーナーに掲載いたしますので、ご確認ください。

フランス国立印刷所 新シンボルロゴ 火の精霊サラマンダーと 王のローマン体 ローマン・ドゥ・ロワ

フランス王立印刷所フランス国立印刷所カードフランス国立印刷所シンボルロゴ《Étude pour un caractère : Le Grandjean 動画紹介 YouTube 3:53  撮影協力:中川順雄氏》

ローマン・デュ・ロア01 ローマン・デュ・ロア02最初に動画で「王のローマン体、王家のローマン体  ローマン・ドゥ・ロワ or ローマン・ド・ロァ Romains du Roi」をご覧いただきました。この活字書体の本格的な紹介は、ステージを容量のおおきな「タイポグラフィ・ブルグロール 花筏」にうつして、近近ご紹介いたします。

フランス国立印刷所 新ロゴ《フランス国立印刷所 Imprimerie Nationale の新シンボルロゴの紹介 YouTube 1:42》

磯田01uu磯田04uu磯田02uu上掲写真は、フランス国立印刷所における 『Étude pour un caractère : Le Grandjean』 の製造過程を説明するために特別に取材許可を得た写真。この大冊の書籍のために、フランス国立印刷所では、元図となる銅版印刷を実施して、それに説明と活字印刷見本を付与した特装本60部を市販用とした。
それをもとに活字父型をあらたに彫刻し、それから打込(押しこみ)活字母型を製造して、あらたな活字鋳造をおこなった。
したがって 『Étude pour un caractère : Le Grandjean』 は、大型印刷機をもちいて、銅版印刷、活字版印刷、箔押し作業などが、特別製造による手漉き紙のうえに実施されている。印行などのちいさな印刷面積の部分は小型ハンドプレスをもちいている。
[取材・撮影協力:磯田敏雄氏] 
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フランス国立印刷所では、先般シンボルロゴを近代化して、Websiteに動画をアップしました。同所のあたらしいシンボルロゴのモチーフは、創立以来変わらずにもちいられてきた「サラマンダー」です。
このサラマンダーには TV CM でお馴染みの「ウーパールーパー」という愛称がありますが、正式には メキシコサラマンダー(Ambystoma mexicanum)とされ、もともとはメキシコの湖沼に棲む、両生綱有尾目トラフサンショウウオ科トラフサンショウウオ属に分類される有尾類だそうです。その愛称ないしは流通名が「ウーパールーパー」とされています。

ところで、灼熱の焔からうまれるイモノ、「鋳造活字」をあつかうタイポグラファとしては、こと「火の精霊 ── サラマンダー or サラマンドラ or サラマンドル」と聞くと、こころおだやかではありません。今回はフランス国立印刷所からのメッセージも届きました。

Viva la 活版 Viva 美唄タイトルデザイン04 墨+ローシェンナ 欧文:ウンディーネ、和文:銘石Buu

サラマンダーとは、欧州で錬金術が盛んだった中世のころに神聖化され、パラケルススによって「四大精霊」とされたものです。
四大精霊とは、地の精霊・ノーム/水の精霊・オンディーヌ/火の精霊・サラマンダー/風の精霊・シルフです。このことは欧州ではひろく知られ、アドリアン・フルティガーは、パリのドベルニ&ペイニョ活字鋳造所での活字人としてのスタートのときに、「水の精霊/オンディーヌ Ondine」と名づけた活字を製作していました。
この欧文活字「オンディーヌ」と、和文電子活字「銘石B」 をイベントサインとしてもちいたのが《Viva la 活版 Viva 美唄》でした。
【リンク:花筏 朗文堂-好日録032 火の精霊サラマンダーウーパールーパーと、わが家のいきものたち

2008年アダナプレス倶楽部年賀状 裏2008年アダナプレス倶楽部年賀状 表アダナプレス倶楽部年賀状におけるサラマンダー

アダナプレス倶楽部では、2008年の年賀状で「活版印刷術とサラマンダーのふしぎな関係」をご紹介しました。ここにあらためて、フランス国立印刷所であたらしく再生されたシンボルロゴをご紹介いたします。
[取材・翻訳協力:磯田敏雄氏]

《Toute la vérité sur la Salamandre —— サラマンダーの事実のすべて》
フランス国立印刷所公開フライヤーより抜粋       
       考古学事典と紋章学の説明からの引用 
       1901年 ケリー・ド・ガルレー(Kelley de Galurey)
空想上のトカゲ、サラマンダーは、いつも激しい火焔と、高い火柱に囲まれている。
その形姿は、背が丸く、首と尻尾は長く、先は尖って、背中は持ち上がっていると想像されている。そして四足の足は、ギリシャ神話の グリフォン(Griffon, Gryphon) に似せて描かれている。
Griffin ウキペディアより
すなわち紋章に登場する多くのサラマンダーは、その実態とはかけ離れ、むしろ神話に描かれたサラマンダーと多くの関係がある。神話でのサラマンダーは、怪奇な姿で、体長がながく、尖った尾を有している。四本の足は、横から見るとおなじ長さになっていて、水かきはついていなく、爪も四本の指についていない。
体はくすんだ黒色で、生生しい黄色の斑点がちりばめられている。両脇は結節で、蛇にも似た粘り気のある体液が染み出ている。
わが家の怪獣?! サラマンダー/ウパルンⅡ世【リンク:サラマンダーのアルビノ種、ウーパールーパー画像集 —— こちらは可愛い!】
【リンク:サラマンダーの画像集 —— こちらはすこし不気味なものもあります】

神話のサラマンダーは、また、おおくの寓話につつまれている。サラマンダーは紅蓮の焔の真ん中に棲息しており、もしかまれると、つよい毒に侵されるとするものだ。
ところが真実は、サラマンダーは確かに、体表から白っぽいねばねばした体液を分泌する。その量はとても多く、もしサラマンダーを炎のなかに入れても、火の熱から身を守り、なかなか死なない。この体液には、強烈な臭いと、渋い味があるが、少しも毒性はない。
それでも奇っ怪な外観と、柔らかくべとついた躰は、ふつうは有害な生物かとおもわせる。ところが実際のサラマンダーは、害意の無い生物で、弱くて臆病であり、ほとんど耳がきこえず、目も見えないのである。

古代人は、サラマンダーを炎の表象として崇めていた。
詩人たちは、愛の価値と象徴のシンボルにした。
歴史家、考古学者たちは、逆境にあっても誠実な典型の生物と見なしていた。
そして ルーバン・ジェリオ(Louvan Géliot) によれば、サラマンダーは高潔と勇気を表しているのである。

《国立印刷所の新しいシンボルロゴ —— Le nouveau logo de l’Imprimerie Nationale》
フランス国立印刷所は定款を変更して、あたらしいロゴとしてやはり「サラマンダー」の意匠を採用した。
あたらしいシンボルロゴとして、今回も神話の生物サラマンダーを選定したのは、フランス国立印刷所のながい歴史と、象徴主義とふかく結びついている。

フランス国立印刷所 新ロゴ

フランスヴァロワ朝フランス王、第9代フランソワ1世(François Ier de France,  1494-1547)は、フランスにルネサンスをもたらし、また1538年にフランス王室で印刷事業をはじめたひとである。フランス国立印刷所は、この年1538の創立をもってその淵源としている。
フランソワ1世は、みずからと、その印刷所の紋章として、フランス王家の伝統としての百合の花を象徴する王冠 【画像集リンク:フランス王家の紋章】 とともに、火焔のなかに棲息するサラマンダーを取りいれた。
そこにはまた、ギャラモン(Claude Garamond,  1480-1561)の活字父型彫刻による標語を付与した。
「Je me nourris de Feu et je L’éteins   意訳:吾は火焔をはぐくみ、それを滅ぼす」
フランス国立印刷所 旧ロゴこのサラマンダーは何世紀もの歴史のなかで、すこしずつ意匠をかえて、フランス国立印刷所の紋章としてもちいられてきた。それらの意匠変遷の記録のすべてはフランス国立印刷所にのこされているが、21世紀のはじめに、どれもが幾分古ぼけた存在とみなされ、それを「モダナイズ」する計画がもちあがり、フランス国立印刷所のデザインチームが改変にあたった。

その結果よみがえったサラマンダーは、フランス国立印刷所の伝統を継承しつつ、かぎりなく前進をつづける、あたらしいフランス国立印刷所のシンボルとして再生された。

【書体使用例紹介】東京創元社 三木笙子氏著作シリーズ

 東京創元社 の『人形遣いの影盗み』(創元推理文庫)ほか、ミステリ・シリーズ 三木笙子氏の著作 に〈正調明朝体 金陵 M あおい〉をご使用いただいております。ここにご紹介いたします。
11063223751106083165 1106160344《ご好評をいただいている正調明朝体シリーズをご紹介いたします》
「現代明朝体」には近代化の名のもとに、機械メスや電子メスが自在にはいって、直線化がすすみ、水平線と垂直線ばかりが目立って、すっかり四角四面の硬直した活字書体になってしまいました。
そんな「現代明朝体」から人間味をとりもどしたいあなたに、あるいは奇形や媚態をみせるデザイン書体にはすでに飽いたとおっしゃるあなたのために、明朝体の端正にしてもっとも原型にちかい木版字様を復刻した「正調明朝体 金陵」をおすすめします。
正調明朝体s正調明朝体Bs「正調明朝体」とはすこしおおげさな名前かもしれません。このあたらしい書体はべつに古拙感を演出した筆写体でも、奇をてらった装飾体でもありません。正調明朝体「金陵」は中国・南京の雅称から名づけられ、その金陵にあった大明南京国子監刊行の木版刊本『南斉書』にみられる端正な明朝体字様を現代に再生したものです。大明南京國史監 南齋書「正調明朝体 金陵」には伝統のたかみにある和字書体(平仮名と片仮名)三書体が標準でセットされており、ミディアム・ウエイトの 〈正調明朝体 金陵 M 〉 と、ボールド・ウエイトの 〈正調明朝体 金陵 B 〉 があり、用途に応じた選択ができます。ご愛用をお待ち申しあげます。

【書体使用例】年頭ご挨拶に使用した書体は《和字おゝことのは》アンチック体です

おゝことのは01
あけまして_朗文堂
朗文堂年頭のご挨拶は、小社コーポレートカラーの「黄色から赤までの無限の階調色」をバックとして、おおらかに、のびのびと、「和字  おゝくれたけ H 」をもちいました。
漢字書体は、これも力づよく、 「Human Sans Serif  銘石 B 」をもちいています。
【詳細見本PDF版: type cosmique 見本帳 (13.5MB)】 
※ 無料冊子型パンフレットも用意しております。 ご希望のかたはお申し出ください。
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アンチック体活字の修復・復元と、シリーズ化に成功!
和字 おゝことのは Family 9
販売価格 ¥9,450(本体価格  ¥9,000)
好評発売中!
お申込み・ご購入は、朗文堂 タイプ・コスミイク までお願いいたします。
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《和字 ことのはの原姿は、いわゆる アンチック体 和字活字です》
和字書体「ことのは」は、アメリカからもたらされた活字書体 「アンチック Antique」 と同じ名称をもち、辞書などの見出し語として用いられてきました。
欧字書体としてのアンチックの名称は、ふるくは『活版様式』(活版製造所平野富二、1876)に登場しています。また、和字・漢字をともなった日本語総合書体としては、『新撰讃美歌』(警醒社、1888)で使用されていることを内田 明氏が指摘されています。

『和字 おゝことのは Family 9 』の原姿は、『辞苑』(新村出編著、1935年初版、書香文庫蔵)の見出し語活字で、いわゆる「アンチック体」とされる和字活字にあります。幸い資料が辞書でしたから、五十音それぞれのキャラクターを抽出できました。その「アンチック体」の原姿ともいえる資料をもとに、統一感をもって整理・整頓し、ウェイトを使途にあわせて多様化し、9 種類にしたものです。
その初登場は、欣喜堂和字シリーズ第2弾として発売された『和字 Tradition 9 』に収録されて、好評を博しました。

《アンチック体と混同されがちな 太仮名由来の和字書体》
アンチック体和字は、しばしば金属活字由来の「太仮名」と混同されています。このふたつの活字書体は、ともに明治期に誕生した優れた書体ですが、アンチック体の画線は比較的均一で、太さの差異がすくない特徴があります。太仮名由来の和字書体は画線に抑揚があり、脈絡を強調する特徴がみられます。そのために、このふたつの和字書体は異なる設計意図にもとづく書体とおもわれます。簡便に見わけるためには、ひら仮名「の」の頂点がほぼ同じ太さになっているのがアンチック体、頂点が細くなっているのが太仮名活字由来の和字書体ということができます。その詳細は『ヴィネット11号 和漢欧書体混植への提案』(今田欣一  朗文堂)に報告があります。

『 和字  おゝことのは Family 9 』では、もう一度原点に立ち帰り、形象をさらに検討し、字面率をおおきめにとり、ウェイトを 9 ウェイトとしてシリーズを構築しました。
漢字書体との組み合わせは、一応参考・推奨書体はありますが、お客さまご自身が「和字・欧字・漢字」の組み合わせの妙を発揮していただくことを期待しています。
銘石Bパッケージ。デザイン:白井敬尚形成事務所

【朗文堂タイプコスミイク 書体使用例紹介】国宝興福寺仏頭展 東京藝術大学美術館

気にしていながらなかなか行けない展覧会が、《国宝 興福寺 仏頭展》、東京藝術大学美術館でした。
同展は2013年09月初旬-11月中旬と会期が比較的ながく、そのうちに行こうとおもっているうちに、いつのまにか、のこりの開催期間が少なくなっていました。国宝興福寺仏頭展《国宝 興福寺 仏頭展》の告知の一部に、小社販売の「四川宋朝体 龍爪」がもちいられていることは、はやくから友人の情報で知っていましたが、訪館の機会を逸しつつ時間だけが経過しました。
きょう(2013年11月01日)都営地下鉄に乗車したところ、《国宝 興福寺 仏頭展》の中吊り広報物を発見してカメラでパチリ。
なにぶん機械オンチで、つり革は邪魔をするし、黒ベタの一部がテカっているのはご容赦を。
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ということで、画像の品質に嘆いていたら、友人からの助け船が。これなら「四川宋朝体 龍爪」の魅力がバッチリです。やはり、持つべきものは、よき友人ですね。ありがとうございました。
国宝 興福寺仏頭展 東京藝術大学美術館

興福寺創建1300年記念
《国宝 興福寺 仏頭展》
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会   期  2013年09月03日-11月24日
開館時間  110:00-17:00
休  館  日  毎週月曜日
        (特別開館、閉館があります。詳細はWebsiteで確認を)
会   場  東京藝術大学美術館
        東京都台東区上野公園12-8
主   催  東京藝術大学
        法相宗大本山興福寺
        日本経済新聞社

【東京藝術大学:興福寺創建1300年記念 国宝 興福寺 仏頭展 】
【朗文堂タイプコスミイク:四川宋朝体 Combination 3 龍爪

四川宋朝体 龍爪