カテゴリー別アーカイブ: book cosmique

THE ETERNAL LETTER(PAUL SHAW, THE MIT PRESS, 2015)が『トラヤヌス帝の碑文がかたる』(木村雅彦)を紹介

kimura 01

R0046004-2THE ETERNAL LETTER
TWO MILLENNIA OF THE CLASSICAL ROMAN CAPITAL
EDITED BY PAUL SHAW  2015

THE MIT PRESS
ISBN 978-0-262-02901-8
──────────
9784947613592
ヴィネット01号
トラヤヌス帝の碑文がかたる
木 村 雅 彦 著
B5判 76頁 並製本
増 刷 出 来
定 価 : 本体 2,
600円+税

ローマのトラヤヌスの碑文は西暦114年に建立されて、すべてのローマ大文字の淵源とされるものです。ここからアイデアを得て、出発した欧文書体は数えきれないほどあります。
本書では18世紀のナポレオン3 世による複製以来の拓本採取に成功して、その写真と拓本、大判折り込み 2 点を含む豊富な写真と図版によって、トラヤヌスの碑文の魅力をくまなく紹介しました。
──────────
『 THE ETERNAL LETTER 』に紹介されたとおり、『 トラヤヌス帝の碑文がかたる』 は
イタリア政府との事前のながい交渉の末、木村雅彦、春田(木村)ゆかり夫妻の
「 遅くなった新婚旅行 」 として1999年05月10日、原寸拓本採取と、撮影が完了
したものです。
『 トラヤヌス帝の碑文がかたる』のテキストは日本語だけですが、欧米でもやはり
関心がつよく、外国向け販売もすくなくありません。
『 THE ETERNAL LETTER 』(PAUL SHAW,THE MIT PRESS,  2015)は
オンライン・ブックショップなどで入手できますが、ここにあらためて
トラヤヌス帝の碑文がかたる 』(木 村 雅 彦 著、朗文堂) をご案内いたします。
ご愛読のほど、よろしくお願いいたします。
トラヤヌス帝 トラヤ02 トラヤ03トラヤ04──────────
<トラヤヌス帝の碑文のおもいで>  ヘルマン・ツァップ
朗文堂未刊書『ヘルマン・ツァップ 活字と夢と』より。(初出記事『Calligraphic Type Design in the Digital Age』 (ツァップ・フェスト、2001年、サンフランシスコ)
ツァップ夫妻左) Gudrun Zapf von Hesse グドゥルン・ツァップ・フォン・ヘッセ
       1918年01月02日 ドイツ、メクレンブルクうまれ
右) Hermann Zapf ヘルマン・ツァップ
        1918年11月08日-2015年06月04日 ドイツ、ニュルンベルクうまれ

Zapf 型押し用亜鉛凸版uu1950年の秋、わたしたちは活字書体のインスピレーションをもとめてイタリアへでかけました。この旅ではもっぱらスケッチブックとカメラを手に、フィレンツェ、ピサ、ローマをおとづれて、ふるいローマ時代の碑文を探しました。
 
ここでの数数の碑文との出会いと、フィレンツェとバチカンの図書館で見たすばらしい書物が、その後のわたしたちの活字設計におおきな影響をあたえました。とりわけ刺激がおおきかったのはトラヤヌス帝の碑文との出会いでした。
文字の美しさを理解するひとならだれでも、西暦114年にローマのフォロ・ロマーノ地区に建造されたトラヤヌス帝の大円柱にしるされた碑文をみて、わたしがいかに有頂天になったかを理解していただけるでしょう。
 
ところが残念なことに、この碑文の位置がたかすぎて、歪みのない、まともな写真を撮ることができませんでした。それでも諦めきれずに奮闘するうちに、どうやらわたしはだれの眼にも明らかなほど夢中になっていたようです。
たまたまそばを通りかかった警備員は、メジャーをもって大円柱に詰め寄るわたしを見て、碑文をはぎ取って地面に引きずりおろすとでもおもったのでしょうか、あわてて制止されたことが懐かしく思いだされます。

【 詳細情報 : 朗文堂ブックコスミイク トラヤヌス帝の碑文がかたる 】

【会員情報】 東京デザインアパートメント101号室:管理人/佐藤豊美さん

佐藤豊美00 佐藤豊美01 佐藤豊美02 佐藤豊美03 Profile Photo
佐藤 豊美  TOYOMI SATO
Art director/Graphic designer

「ぼくの会社はぼくひとりだけ。小さいとは、機敏で情熱的だということ」― David Airey

【プロフィール】
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。東京アドデザイナース、寛斎スーパ—スタジオ、日本デザインセンターを経て、フリーランスとして独立。以後、多くの企画、広告、デザインに携わる。
2010 年より、日本デザイナー学院シブヤプロダクツ科でアートディレクションの授業を担当。手作りのブックプロジェクト「紙のプール」。
WEB上のクリエーターアパート<東京デザインアパートメント>を設立し101号室管理人。

佐藤豊美04 佐藤豊美05 佐藤豊美06 佐藤豊美07 佐藤豊美08

 TOKYO DESIGN APARTMENT

東京、明治通りと表参道の交差点。
ここにはかつて、
クリエーターの梁山泊のような様相を呈していた
「原宿セントラルアパート」がありました。
コピーライターの糸井重里さん、カメラマンの浅井慎平さん、
イラストレーターの宇野亜喜良さん、エディトリアルデザイナーの
江島 任さんたちが住み、和田誠さん、金子國義さん、植草甚一さんたちが
出入りしていた不思議な空間が「原宿セントラルアパート」でした。​
あるいは、手塚治虫さん、石ノ森章太郎さんといった漫画家たちが
切磋琢磨しあった、いまや伝説の「トキワ荘」の存在も忘れられません。

そんな刺激的で、エネルギーに満ち、わくわくしたものを生み出す場として
あたらしい<東京デザインアパートメント>を友人たちとつくることにしました。
<東京デザインアパートメント>の住人は、グラフィックデザイナー、映像作家、
建築家、ファッションデザイナーなどで、みな、デザインのプロフェッショナルです。
同じアパート(WEB上)に住む仲間として、多方面のジャンルで活動し、
やわらかい頭をもち、ハートはあったかく、どんなことにも真剣です。
それぞれの部屋で、看板を掲げて、個人あるいは会社として活動していますが、
依頼があれば、内容を吟味し、顔をつきあわせ、問題解決にとりくみます。
そう、長屋感覚です !
──────────
<東京デザインアパートメント>の住人は、WEB上とはいえ、すぐ隣にいる感じ、
誰がなにをやっているのかがわかるサイズ感。
このアパートメントは、家賃も光熱費もいらないので固定費はかかりません。
テーブルを囲み、一杯の珈琲を飲みながら、コトバや絵のキャッチボールをし、
アイデアを練り上げてゆきます。
<東京デザインアパートメント>から生まれるモノやコトにご期待下さい。
ぼくらは、いつも、わくわくしていたいんです。

Enjoy it !

///////////////////

◆ 佐藤 豊美のシゴト
http://satodesign.tumblr.com/ 
◆ Web上のクリエーターアパート【東京デザインアパートメント】

http://toyomis.wix.com/tokyodesignapartment
◆  APARTMTの住人が書くデザイン周辺のブログ
http://tokyodesignapartment.blogspot.jp

佐藤 豊美  TOYOMI SATO
150-0001 
東京都渋谷区神宮前4-14-19 メゾンAX103
E-mail :  toyomis@mac.com
////////////////////

造形者の佐藤豊美さんとは、『HELLO NAGINO POSTERS 薙野たかひろ作品集』のブックデザインを担当していただいたおりにおつきあいした。
どういうわけか、小社の周辺には多摩美術大学グラフィックデザイン学科(通称:タマグラ)の卒業生が多い。薙野たかひろ氏もそんなおひとりでながいつきあいだが、その推薦というより、若い佐藤豊美氏がもっとも熱心に『HELLO NAGINO POSTERS 薙野たかひろ作品集』のブックデザインにとり組んでいただいた。

佐藤豊美さんは、このごろふたたびブックデザインのおもしろさに目ざめたようである。
図書をとりまく環境はきびしいが、もともと広告畑の仕事がおおかった経験をいかして、あたらしい時代の、あたらしい図書づくりに意欲的に挑まれている。
そして同僚・友人と<東京デザインアパートメント>を WEB 上にもうけられ、その101室に居をおき、管理人もつとめられている。その心意気や良しとすべきであろう。
精一杯の応援をすべく、ここに佐藤豊美さんを皆さんにご紹介したい。
colortest
◯ 書 名  『HELLO NAGINO POSTERS 薙野たかひろ作品集』
◯ 著 者  薙 野 たかひろ
◯ 装 本  A4寸伸び変形判 112ページ ジャケット付
◯ 定 価  本体 4,400円 + 税
ISBN978-4-947613-81-3
◯ ブックデザイン  佐藤 豊美

明快でポップ、鮮明でシャープなイラストレーションで、独特な造形を多彩なジャンルで展開している薙野たかひろ氏のポスター作品集です。
1963年から2003年の、およそ20余年にわたって制作された「スタジオ・アルタ」のシーズン・ポスター約80点から、著者自身がセレクトした魅力あふれるポスター集が完成しました。
イラストと英文のキャッチ・コピーで構成されたB全判ポスターを、見開きに1点ずつ大胆にレイアウトしました。ですからページを繰るごとに、鮮烈な画像が次つぎに登場し、読者の造形眼に肉薄します。

【 詳細紹介 : 朗文堂ブックコスミイク HELLO NAGINO POSTERS 薙野たかひろ作品集

【The Guardian】 アルゼンチン Buenos Aires の書店と図書情報を報道

この南米アルゼンチンの書店情報は会員の I 氏よりご提供いただきました。
アルゼンチンの大港湾都市にして、首都の ブエノスアイレス(Buenos Aires) では、1919年に開設され、天井にフレスコ画が描かれたふるい劇場を、2000年に書店として改装して、年間100万人以上の来店者をむかえて盛況を呈しているようです。
I 氏からは、このほかにも中国における<合字>情報など、英字紙を中心にたくさんの情報をご提供いただいておりますが、忙しさにかまけてご紹介が遅滞しております。申しわけない次第です。しばしのご容赦を。

本情報の元記事は英字紙 <The Guardian> によります。詳細は元記事をご参照ください。
【 The Guardian : A novel oasis: why Argentina is the bookshop capital of the world 2015.06.20 】


世界都市文化フォーラム(the World Cities Culture Forum)の最近の調査によると、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスは、世界のほかの都市にくらべると、住民ひとりあたりではもっとも多くの書店を持っている。
ブエノスアイレスはおよそ280万の人口であるが、この街には734軒の書店がある。それは100,000人の住民ごとに約25軒の書店があることになる。
世界的にみると、香港は100,000人あたり22軒の書店がありこれにつぎ、三番目はスペインのマドリッドが続いて16軒、英国のロンドンは100,000人あたり10軒の書店をかぞえる。

いっぽうわが国では大都市圏での書店数のいちじるしい減少がめだつ。
2010年時点でのタウンページには、全国で14,609軒の書店が掲載されていて、人口10万人あたりの書店数は11.46軒となっている。
全国でもっとも書店が多いのは福井県で人口10万人あたり19.55軒。以下、徳島県、新潟県、石川県、高知県と続いている。日本海側と四国に書店が多く、上位10県のほとんどを占めている。逆に九州と太平洋岸では書店が少ないとする調査結果もある。
タウンページの掲載数による書店数ランキング

また国立国会図書館の資料では、わが国の出版産業の急激な衰退ぶりが顕著になる。あたらしくもたらされるデジタルメディアに狂奔していた間に、いつの間にかわが国は文化国というにはあまりにさびしい姿となっている。
【 国立国会図書館 : 出版産業に関する主要統計資料

19世紀のブエノスアイレスは、世界で最も裕福な都市のひとつであり、アルゼンチンの輝く首都であった。 ヨーロッパ諸国からの移民は競ってブエノスアイレスに押し寄せ、文化と芸術が混淆して多様な文化環境を形成した。
しかしながらその後のアルゼンチンは、軍部による独裁政治があり、それにつづいて経済の崩壊と再建も経験してきた国でもあった。

アルゼンチンはまた印刷業も盛んで、ラテンアメリカでもっとも多くの出版社があり、出版タイトル数は、2014年の統計では28,010タイトルと着実に増加しており、印刷された図書の全体数は1億2,300万冊であった。

bookshops books Argentina東京も古書店がおおい街のひとつであるが、ブエノスアイレスには新刊書の書店だけでなく、102軒の希少本や二次循環のための古書店があり、ロンドンの68軒、または、ほんの06軒のベルリンをうわまわっていることも報告されている。
──────────
これまで、アルゼンチンの出版事情や、書店状況の情報はすくなかった。
ブエノスアイレスはおおくの移民が近世に渡来したという歴史的な背景もあって、多民族が居住している。そのため、おおくのスペイン語表記による新聞に加え、英字新聞、ドイツ語新聞なども一定の読者をもつようである。
またアルゼンチンでの図書は、標準的な売上税(わが国の消費税にちかいらしい)を免除されており、外国資本によるネット・ブックショップも政府によって大幅な規制があるようである。

近年フランスで、外国資本によるネット・ブックショップ企業との紛争が話題となった。
中国では、大都市に24時間営業の大型書店がつぎつぎと誕生している現状もある。
いっぽうわが国では、ながらく活字離れが標榜され、近年になると書店の閉鎖が相次ぎ、それが影響して、出版社は不振をきわめ、転廃業や統合があいついでいる。
また、取材・執筆・撮影・デザイン・組版・製版などのプリプレス業からはじまり、印刷関連機器資材製造業・印刷業・製本業・紙工業・輸送業・書籍取次・書店といった、プリプレス、プレス、ポストプレスといった、図書製造と流通・販売の基盤をささえるすべての産業が苦境に陥っている。

したがって、いまのところは<電子出版>などという、実相も流動的で明確でない分野に生きのこりを懸けるしか、人材の離散をふせぐためには対策が無いようでもあるし、それが万がいつ成功してくれたらうれしくおもう。
ただ個人的には、ついつい便利だからと利用していた、外国資本によるネット・ブックショップの利用を、この報道を読んでからはすこし抑制しようとおもうにいたった。

そして、定期的に購読していた月刊誌を取り置きしておいてくれ、やつがれの愛読している作家の新刊を、さりげなく取りだしてくれていた、小田急沿線の、急行がとまらない、ちいさな商店街の、ほとんど家族だけで営業していた書店の閉鎖をさびしくおもう。
さりとてここで<The Guardian>が紹介したオペラ・ハウスのような書店では、あまりに宏大すぎと目眩症状が発生しそうでもある。
また、歳のせいだけだろうか、近年のわが国の洋モノ雑貨店のような、あるいは喫茶店の亜流ような<コンセプチュアル・ブックショップ>なるものにはなじめないいまである。

【再紹介 朗文堂ブックコスミイク】 鈴木 篤著 『わたくしは日本国憲法です。』

出版記念のつどい

プリント顔写真鈴木篤氏 『 わたくしは日本国憲法です。』 著者 : 鈴木 篤氏

【 朗文堂 ブックコスミイク : 『わたくしは日本国憲法です。』 フライヤーPDF
【 関連ブログ : 弁護士鈴木 篤のつれづれ語り

──────────

印刷局明治10年浮世絵「東京名所 常盤橋内 紙幣寮 新建之図」 広重画 御届 : 明治10年(1877年)01月25日
『 大蔵省印刷局百年史 』 ( 第一巻口絵、大蔵省印刷局 昭和46年06月30日 )
印刷局明治10年ころの写真明治10年ころの紙幣寮
『 大蔵省印刷局史 』( 口絵写真 大蔵省印刷局、昭和37年09月26日 )
印刷局活版事業の系譜

《お札と切手の博物館 平成26年度第 2 回特別展  紙幣と官報 2 つの書体とその世界》
2015年02月に、王子の<お札と切手の博物館 平成26年度第2回特別展  紙幣と官報 2 つの書体とその世界>にでかけた。
いまでこそ独立行政法人 国立印刷局という、なにやら安っぽい名称になってしまったが、この施設の歴史はきわめてふるいものがある。

1876年(明治09)  近代的なお札の国産化を実現するため、東京大手町に現在の国立印刷局の工場が建設された。 常盤橋はいまも皇居前、日本銀行との間に現存するが、東日本大震災のときの被害があって補修工事中である。
旧国立印刷局の建物は、西洋式の赤煉瓦づくり。 正面上部には菊花紋章、その上に鳳凰像をいただいた建物は 「朝陽閣 チョウヨウカク」 と呼ばれ、その威容は東京の新名所となった。

「朝陽閣」は192年(大正12)、関東大震災によって崩壊したが、幸運なことに 鳳凰像 は事前に颱風にそなえて取り外されていたために被害を免れた。
その後さまざまな流転があったが、現在は創建時の姿に修復されて、滝野川にある印刷局東京工場の玄関脇に設置されているという [ お札と切手の博物館ニュース  Vol. 35  2014年12月01日 ]。

この展示会でこころを打たれたこと ―― それは、二階展示室に組版台が置かれてあり、その引き出しに 『 日本国憲法 』 とラベルが貼られた 「 置きゲラ 」 が数枚あった。 わが国の新憲法は1946年11月03日に公布され、翌47年05月03日から施行された。

写真撮影は禁止だったが、担当職員にお願いしたら、ゲラケースから半分の長さほどまでゲラを引き出して見せてくれた。 活字組版はしっかりと結束され、鉛の鈍い光彩をはなっていた。
すなわちこの 「 置きゲラ 」 は、すでに70年近くにわたって、独立行政法人 国立印刷局 の職員であり、印刷技芸家であり、タイポグラファによって、たいせつに守りぬかれてきたものである。

そんなわが国の『憲法』の周辺の雲行きが怪しくなってきた。国会でも審議がはじまっているが、、TV中継を意識するのか、委員会審議なのに、選挙運動期間中さながら、躰ごと左右にふり向け、空虚なことばを強弁するわが国の総理大臣の姿に、もの哀しいものを感ぜずにはいられない。こういう姿勢は、ふるくから「右顧左眄」として卑しまれてきたものであるからして……。

《出版人として、タイポグラファとして、そして、なによりもひとりの国民として》
小社刊『わたくしは日本国憲法です。』の著者:鈴木 篤氏は、なによりも日本国憲法の前文をおもくみている。当然そこには憲法全体をつらぬく精神と理念がしるされているが故である。
2014年09月06日の『わたくしは日本国憲法です。』出版記念パーティでも、掉尾を飾って会場に『日本国憲法』前文の画像がながれ、それを女性参加者が朗朗と朗読されて感銘をよんだ。

そして鈴木 篤氏は、『日本国憲法』をつぎのようにかたる。
「すばらしい憲法ではないでしょうか。私たち日本国民は、こんなすばらしい、世界に誇れる憲法を持っているのです」

印刷局の職員が、『日本国憲法』の活字組版の全文を、置きゲラとしてたいせつに保存していることはしるした。もちろん図書『わたくしは日本国憲法です。』のなかにも、憲法の前文をふくめて、全文が紹介されている。
また<花筏 朗文堂好日録-045 卯月 四月がおわり、新緑と薫風の 皐月 五月のはじまり>でも、『MORGEN』誌での書評を紹介するなかで、『日本国憲法』前文を紹介した。

ところが、現状のコンピューター・ディスプレーは、大小を問わず、可読性 Readability と 判別性 Legibility に劣るという段階にとどまっている。
それでもタイポグラファとしては、こうした貴重な文書に勝手に段落改行などは設けるべきではないと前回は判断した。ところが、デバイスによる差はあるとはいうものの、やはりこの文章量がつづくと、画面ではことばの壁となって、読む意欲を減衰させてしまう結果となっていた。
今回は、段落ごとに一行アキとして、読んでいただける工夫をしたものである。
筆者の意のあるところをお汲みいただけたら幸いである。

──────────

日 本 国 憲 法

施行、 昭和二二年五月三日

日 本 国 憲 法   前 文

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。

そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。
これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。
われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。

われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。
われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
──────────

◎ 主   催 : 殺さないで!生かそう 日本国憲法 『わたくしは日本国憲法です。』 出版記念のつどい 事務局
◎ 日   時 : 2014年09月06日[土] 午後01時-03時
◎ 場   所 : グリーンパレス 5 階 孔雀の間
〒132-0031  東京都江戸川区松島1丁目38-1
【 関連URL : 花筏 『わたくしは日本国憲法です。』 出版記念会ご報告

著者 : 鈴木 篤氏 冒頭挨拶  要旨 ──────────────
01日本国憲法前文は、「 専制 ・ 隷従 ・ 圧迫 ・ 偏狭 ・ 恐怖 ・ 欠乏等を地上から永遠に無くすための国際社会の取り組みにおいて名誉ある地位を占めたいと思う。日本国民は、国家の名誉にかけて、この崇高な理想と目的を達成することを誓う 」 としるしています。

専制、隷従等を、わが国から無くすだけでなく、地上つまり全世界から永遠に無くす取り組みで 「 名誉ある地位を占める 」 つまり、全世界の取り組みの先頭に立つといっているのです。そして、そのことを 「 国家の名誉にかけ 」 「 全力で 」 「 達成する 」 と約束しているのです。
「 全力で 」 ということは、国の総力を挙げてということです。 「 達成する 」というのは、「 達成できるかどうかはわからないけど、やるだけのことはやってみる 」 ではなく、「 達成する 」 ことを誓っているのです。

憲法前文は、日本国民は、全力をあげて、世界中から「専制 ・ 隷従……等」 を永遠に無くすため全力を尽くし、それを果たす、もし、そうしなかったときは、日本国の名誉がどのように貶められてもそれを甘受すると、全世界に向けて誓っているのです。
そして、そうすることだけが、世界の恒久平和を実現する唯一の道なのだと言っているのです。

すばらしい憲法ではないでしょうか。私たち日本国民は、こんなすばらしい、世界に誇れる憲法を持っているのです。
しかし、憲法が生まれて 68 年、歴代の政権は、この誓いを守ろうとはしてきませんでした。むしろ、この誓いと逆行する行動を重ねてきたのです。

そして今、安倍政権は、特定秘密保護法や共謀罪、盗聴法などによって、国民の知る権利をはじめとする民主主義的な権利をねこそぎ奪い、更に、集団的自衛権の行使容認によって、武力 すなわち 恐怖 によって、また自国の意に沿わない他国に対して先制攻撃をするという 威嚇 によって、自国と自国の同盟国のみの利益を追求し、意に沿わない他国とその国民を押さえつける ( 圧迫 ・ 抑圧 ) という、憲法の上記のような理想と正反対の方向に、この国の在り方を変えようとしているのです。

「 国家の名誉にかけ」  「 全力で 」  「 達成する 」  と誓ったのに、その誓いを実現するための取り組みを一度もすることも無いまま、一内閣の独断で、この崇高な誓いを投げ捨てようとしているのです。それは、世界に向けた誓いを投げ捨てることであり、国家の名誉を投げ捨てることにほかなりません。

事態は深刻です。
でも、まだ憲法は生きています。私たち国民が、憲法のこの崇高な精神を、国民ひとりひとりのものとし、この誓いを国民ひとりひとりのものとして、心に刻みつけ、それを広げていくなら、そうした私たちの取り組みを、日本国憲法は必ず支えてくれるはずです。

DSCN7208 DSCN7206 DSCN7230

【既刊書再紹介】 戸叶勝也先生、朗文堂刊『ヨーロッパの出版文化史』に続き、朝文社『カール・マイ冒険物語』全12巻執筆中

 

ヨーロッパの出版文化史

戸叶勝也 著
B5判 上製本 208ページ 図版多数
定 価 本体4700円 + 税
ISBN4-947613-77-7 C1022

【 詳細情報 : 朗文堂ブックコスミイク    同書目次PDF  】

戸叶先生著 者 : 戸 叶  勝 也 氏

筆者が特に力を入れて叙述した事柄について  著者「あとがき」より 

★ 筆写本の時代と同様に 活字版印刷の時代になっても書体が重視され続けたこと。
★ 活字版印刷術の発明に関する事柄を グーテンベルクの生涯とともに詳述したこと。
★ 新技術の印刷術が ヨーロッパ諸地域に伝播した様子と、代表的な初期印刷者の素描。
★ ルネサンス人文主義と 出版業との密接なつながり。
★ 宗教改革と 印刷物の普及。
★ ヨーロッパ各国語の形成にはたした印刷術の役割。
★ カトリック ・ ルネサンスと出版業の関係。
★ 印刷術と書籍の普及にはたした 書籍見本市のおおきな役割。
★ 17世紀におけるオランダの出版業の発展。
 
【 著 者 紹 介 】
 戸 叶  勝 也 ( とかの  かつや )
1938年  東京都にうまれる
1961年  東京大学文学部西洋史学科卒業
        NHK教育局、国際局(この間ドイツ海外放送勤務)を経て
       現在日本大学経済学部教授。専攻/ドイツ近現代史
 主要著書
『 ドイツ出版の社会史 ~グーテンベルクから現代まで~ 』 ( 三修社 1992年 )
『 レクラム百科文庫 ~ ドイツ近代文化史の一側面 ~ 』 ( 朝文社 1995年 )
『 人と思想 ~ グーテンベルク~ 』 ( 清水書院 1997年 )
『 ハプスブルク家のオーストリア 』 ( 共著  講談社 1982年 )
『 ドイツ啓蒙主義の巨人  フリ-ドリヒ ・ ニコライ 』 ( 朝文社 2001年 )
『 ヨーロッパの出版文化史 』 ( 朗文堂 2004年 )

現在戸叶勝也氏は、ドイツで百年以上にわたって読み継がれている大作、
『 カール ・ マイ冒険物語 』 全12巻の執筆中です。
小社刊行書 『 ヨーロッパの出版文化史 』 とあわせ、ご愛読をお勧めいたします。

発行所 : 朝 文 社
113-0033 東京都文京区本郷3-15-6 秋田ビル
電   話 : 03-3814-5072
メール ・ アドレス :info@chobunsha.co.jp

DSCN8715

【朗文堂ブックコスミイク】 出版記念講演会 髙野 彰 『洋書の話』を語る-終了しました。

【 プリント用 PDF   lecture_takano
講演会web

【 出版記念講演会 】
髙 野 彰 『 洋書の話 』 を語る
◯ 日   時  :  2015年03月14日[土] 14:00 - 16:00 
◯ 会   場  :  東洋美術学校 D 棟 学生ホール
◯ 主   催  : 朗 文 堂
◯ 後   援  : 学校法人 専門学校 東洋美術学校 産学連携事務局

※ 終了いたしました。 ご来場ありがとうございました。
──────────
P1160931 P1160924 P1160929[ 会場写真提供 : 中村将大さん ]

【朗文堂ブックコスミイク】 『わたくしは日本国憲法です。』 を <朝日新聞>東京版・山梨版が連続紹介。

2015年03月03日、『 朝日新聞 』 朝刊 第29面(東京)に 『 わたくしは日本国憲法です。』 が紹介されました。
2015年03月11日、『 朝日新聞 』 朝刊 第29面(山梨)に 『 わたくしは日本国憲法です。』 が紹介されました。
< 憲法 > の周辺に暗雲がみられるこの頃です。 ご愛読をお待ちいたします。

【 関連URL : 『 朝日新聞 』 朝刊 第29面(東京)

顔写真鈴木篤氏 小

02わたくしは表紙
わたくしは日本国憲法です。

 ──────────
著   者 : 鈴 木  篤  すずき あつし
発   行 : 2014年07月26日 
定   価 : 本体 1,200 円+税(四六判 ソフトカバー 190 ページ)
      ISBN978-4-947613-90-5 C0036
おちかくの有力書店、オンライン ・ ブックショップでお求めください。
直送は送料別途請求にてたまわります。
朗文堂 営業部 : 160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
            Telephone 03-3352-5070
             Facsimile   03-3352-5160
                              http: //www.ops.dti.ne.jp/~robundo
             E-mail :  robundo@ops.dti.ne.jp

【 新刊案内 : ブックコスミイク 私は日本国憲法です。
【 関連情報 : ブログロール 弁護士 鈴木 篤 のつれづれ語り

【会員情報】 林 昆範さん 静かな台湾春節の祝い

20150224143758287_0001

ヴィネット02号改訂版  『 中国の古典書物 』
著  者 : 林 昆範  リン-クンファン
装  本 : B5判 並製本 112頁
発  売 : 2014年06月24日
価  格 : 本体2,500円 + 税
ISBN978-4-947613-89-9
全国有力書店、オンライン ・ ブックショップでご購入できます。
小社でも直売 ・ 直送をたまわります
崔護『都城南荘』DSCN4963DSCN5097
動画 YouTube 林 昆範 『 中国の古典書物 』 増刷版 刊行記念講演会 筆書実演編 16 : 24

会場となった 「 東洋美術学校 」 にちなみ、「 東洋 」 を篆書 ・ 隷書 ・ 楷書 ・ 草書で書き分けています。
また後半部(07:40以降)では、右起こし縦組みの中国古典­書物 ( そしてわが国の縦書き文書 )
の基本形式となった書字法の、わかりやすい例として、竹簡による 「 簡冊 カンサク 」に、著名な唐詩 「 人面桃花 」 を隷書で書き上­げました。
これをみると、簡冊の書字に際しては右起こしの縦組みでも、墨で手が汚れることなど無かったことがよくわかりますね。 

──────────
皆さまの親しい友人、台湾中原大学助教授 : 林 昆範さんから<春節>節日のお便りをいただきました。
林 昆範さんのご一家は優秀で、お父君は 「 中医医学博士 (漢方医学博士)」、ご本人は「 芸術学博士 」、弟さんはアメリカで学んだ 「 医学博士 」 です。

林 昆範さんは勤務地にちかい桃園県にお住まいですが、<春節>だけは別格で、ご両親の住む台北市内のご実家で、一族が寄りあつまっての <春節の祝い> だということです。
下掲写真は、旧暦正月にそなえた林 昆範さん製作の、縁起のよい < お年玉袋 > と、お父上の漢方調剤室の写真です。 
列印文元01 文元02 文元03文元04

【 関連情報 : 林 昆範氏講演 『 中国の古典書物 』 余 話
【関連情報 : 台湾の林 昆範さん 「Red Dot Award : Communication Design 2014」デザイン賞を獲得

【会員からの情報】 英国 BBC News, テムズ川河床から<Doves Type>を発掘と報じた。ー and more

19世紀世紀末から20世紀の初頭、ロンドンテムズ河畔の
アッパーマル通りにあった、印刷と製本工房が Doves Press でした。
Doves Press は、Cobden – Sanderson と Emery Walker を中心に
Arts and Crafts movement の中核的な存在として知られ
多くの忘れられない図書をのこしています。

Doves Press の工房は、俗に Doves Type とされる
フィリップ ・ プリンスの活字父型彫刻による
独自のハウスフォントを所有していましたが、
1917年(大正06)に、両者のあいだのいさかいがもとで
工房裏のテムズ川にすべての活字と活字複製原型が
投げ捨てられたとされています。

それがこのたび、潜水作業をともなった涙ぐましい調査によって
活字の一部が発見されたことを
英国 BBC News が動画入りで報告しました。
[ 情報提供 : タイポグラフィ学会会員 K 氏 ]

【 元記事 英国BBC : Lost typeface printing blocks found in river Thames 】 動画あり 01:03
【 この項初出 : [会員からの情報] 英国 BBC News, テムズ川河床から<Doves Type>を発掘と報じた。2015年02月13日

──────────

松本八郎_顔松本八郎 遺影 ( 大枝隆司郎氏提供 )

いまはむかし  ロンドンのテムズ河畔のわずかな砂地をさすらうひとりの日本人がいた。
その名を松本八郎という。
松本はときおり砂地にかがみこんでは、それを
掘りおこしたり、あちこちを眺めまわしたりしていた。
松本はここに、かつてのダヴス ・ プレスの活字の一本でもみつけたいとやってきた。

松本八郎からその報告をきいた、もうひとりの日本人がいた。
ならばとばかり、子供と潮干狩りにいった際のちいさな熊手をたずさえ
やはりテムズ河畔の砂地を三時間ばかり掘り起こしてあるいた。 すっかり腰が痛くなった。
千葉の幕張海岸で、
まだ潮干狩りができたころの、ふるいはなしである。

ふたりの酔狂な日本人の挑戦はむなしくおわった。
それだけに今回の Doves Type 発見の報告はうれしかった。
そして松本八郎、この世にありせしば、いかにかこの Doves Type 発見の報を喜んだだろうとおもわずにいられないのである。

松本八郎は、朗文堂に公刊書 『 エディトリアルデザイン事始 』 ( A5判 224ページ 1989年09月08日)をのこした。
9784947613219エディトリアルデザイン事始 』 の刊行はもう四半世紀も前になる。 さほど売れた図書ではない。 だからいまでも30冊ほどの在庫があるほどのものだ。
しかし1960-70年代うまれのグラフィックデザイナーのおおくは、本書でエディトリアルデザインを知り、その初歩をまなんだはずである。 図書とはもともとそんな存在である。

松本八郎は 『 文字百景 』( 朗文堂 ) にも、三冊にわたって寄稿した。
033  いま再び 「 理想の書物をもとめて」 ケルムスコット ・ プレス逍遙
039  いま再び 「 理想の書物をもとめて」 ダヴス ・ プレス エッケ ・ マンダスの余波
041  いま再び 「 理想の書物をもとめて」   エルンスト ・ ルートヴィッヒ ・ プレッセ探訪
DSCN8199
『 文字百景 』 全冊特別合本。 『 文字百景 』 全冊揃いは、印刷図書館、国会図書館などのほか、朗文堂 ( 恐縮ながら貸与不可 ) でご覧いただけます。

松本八郎は2014年09月に逝去した。
松本は晩年の10年ほど、おもに出身地の関西方面に知己を得て、そちらでの活動がおおかった。 そのためであろうか、追悼記の刊行もあったし、ブログでの追悼文もみる。

ところが在京の先輩 ・ 知人から、やつがれに、なにがなんでも松本八郎の追悼文を < 花 筏 > にでも書けと責めたてられている。
やつがれ、松本八郎とはほぼ同世代。 だから勝手に先に逝ったというおもいがないでもない。 いずれにしても、もうすこし気持ちと資料整理の時間をいただきたい。

その間、スタッフが松本八郎著の三冊の 『 文字百景 』 を PDF データーにしてくれた。
ご高覧いただければ、いまや黄泉のひととなった松本八郎も喜んでくれそうである。

【 『 文字百景 』 松本八郎著分三冊 matumoto hatirou  7.5 MB 】

テムズ河畔の図033 いま再び 「 理想の書物をもとめて」 ケルムスコット ・ プレス逍遙 ―― 松本八郎 1996年12月

──────────

◎ イギリス  アーツ&クラフツ運動

ロンドン、アッパーマル12-26番地 19世紀末-20世紀初頭
【 この項初出 : タイポグラフィ あのねのね*014 烏兎匆匆 アルダス工房、ドベルニ&ペイニョ、アーツ&クラフト運動 】 一部を抜粋紹介

テムズ河畔、馬車はもちろん、車も入れない、せまいせまい路地がアッパーマル通り。
故 松本八郎は、このせまい路地を<印刷村>と勝手に名づけて呼んでいた。

19世紀中葉から水運にめぐまれたこの路地に造形者が集まり、産業革命の負の側面を解消し、労働の喜びを賛歌するひとつの運動体を形成した。 それが 「 アーツ & クラフツ運動 」であり、「 プライベート ・ プレス運動 」 であった。

著名なケルムスコット ・ プレスハウス、ウィリアム ・ モリスの自宅跡は、 この路地の入口、かつての馬車のUターンのスペース ( 現在は駐車場 ) の前に、テムズ河畔に面してあり、路地にはダヴス ・ プレスなどの著名な印刷所と、製本 ・ 皮革工芸 ・ ステンドグラス ・ 刺繍の工房などが軒をつらねていた。

アーツ & クラフツ運動と、ウィリアム ・ モリスに関する紹介は、わが国でも多すぎるほど多い。 やつがれも英国 ・ 米国 ・ わが国の先行資料をそれなりにもっている。
さりながら、多くの執筆者は、このせまい路地に立ったことがあるのだろうか……、とおもわせる記述が多い。 なによりも、この路地のテムズ川にせりだした 《 パブ ・ ダヴ 》 の珈琲はかなりうまいのだが、たれもそれにはふれないなぁ。
ピクチャ 1
Lost typeface printing blocks found in river Thames
7 February 2015 Last updated at 11:15 GMT

Printing blocks for a typeface called Doves Type have been discovered in the River Thames.
The font has not been used for nearly a century as the printing type blocks, used to print letters, were thrown into the river in 1917.

Nick Wilmshurst reports.

【出版記念講演会】 髙野 彰 『洋書の話』を語る

【 出版記念講演会 】
髙 野  彰 『 洋書の話 』 を語る

◯ 日   時 : 2015年03月14日[土]  14:00 - 16:00  *13:30より受けつけ
◯ 会   場 : 東洋美術学校 D 棟 学生ホール
      161-0067 東京都新宿区富久町2-6
      地図  http://www.to-bi.ac.jp/access/
◯ 聴講料:2,000円
◯ 主   催 : 朗 文 堂
◯ 後   援 : 学校法人 専門学校 東洋美術学校 産学連携事務局
──────────
* 要申し込み登録 : 03月02日[月]  申し込み締め切り
会場 ・ 資料準備の都合上 < 朗文堂 E-mail > robundo@ops.dti.ne.jp  宛に、「 件名 : 洋書の話講演会 」 としてお申し込みください。 03営業日以内にお断りの返信が無い場合は受けつけ完了とさせていただきます。 会場定員は40名です。

【 プリント用 PDF  lecture_takano

講演会web

──────────── <参考資料 ① >

【 朗文堂 ブックコスミイク  新刊紹介】  洋 書 の 話  髙 野 彰 著

カバー表1

洋 書 の 話

◯ 著  者 : 髙  野   彰
◯ 発行日 : 2014年11月13日(初刷り)
◯ 発  行 : 朗  文  堂
◯ 定   価 : 本体3,700円+税

2015年02月12日より 第二刷り発行
A5判 並製本 ジャケット付 263 ページ
ISBN978-4-947613-91-2

22-23 112-113 120-121上掲画像はクリックすると拡大画像でご覧いただけます。
──────────
< 著者あとがきより >
バウアーズが Principles of bibliographical description を出したのは1949年のことである。年代的には古いが、記述書誌学を扱った著作で、バウアーズを越える著作は現在も出ていない。  この著作は現在も記述書誌学の重要な基本書であることにかわりはない。

その後、1969年にはパドウィック (E. W. Padwick) が Bibliographical method を出した。1970年にはピアス (M. J. Pearce) が A workbook of ana-lytical & descriptive bibliography を出している。

そしてギャスケルは1972年に A new introduction to bibliography を出した。
しかしいずれもバウアーズの解説書に近い。 ピアスなどはバウアーズ本を章ごとに取り上げて解説しているほどである。 バウアーズ本が難解なため、解説書や入門書が必要なのである。

『 洋書の話 』 の初版が出たのは1991年のことである。 1995年には増補版を出したが、その後、絶版となってしまった。 そしてこの度、第2版を出す機会を得た。 初版そして増補版で扱っている時代は16–18世紀が中心であったが、今回もその範囲を越えていない。

『 洋書の話 』 も記述書誌学の概説書であるが、洋書がどんな姿をしているか、その姿はどのようにして作られたのかを示そうとしている。 その意味では、本書は、書名に示したように、洋書に関する本と見ていただいても良い。

そのためにも、これまで以上に図を多く取り入れ、目で見てわかるようにつとめた。 これまで何気なく見てきたことにも意味があることを知り、それらがどんな目的で用いられ、どんな姿で本に現れているかを理解できるはずである。

記述書誌学は完成した学問ではない。 現在も模索し、発展を続けている学問である。 未解決の問題も多い。 しかしこの知識を通して得られる情報は計り知れない。 記述書誌学を目指す人や洋書に興味を抱いている人にとってお役に立てば幸いである。
──────────
< 主な内容 > 目次より
1 章 4°:A‒P4 とは何か
2 章 本の隠れた特徴
3 章 折丁式の作り方
4 章 扉の転写
5  章 扉以外の部分の転写
6  章 記述の単位
7 章 記述書誌学とは
8 章 記述書誌と目録の違い
9 章 準ファクシミリ転写法小史
参考図書/用語集/あとがき/索  引
──────────
< 著者紹介 >
髙 野  彰 (たかの あきら)
1941年 生まれ
1964年 東京大学総合図書館 勤務
2001年 跡見学園女子大学文学部教授
2012年 跡見学園女子大学文学部特任教授
2013年 退官
博 士(日本文化)
◯ 主要著書
『 洋書の話 』 増補版(丸善、1995年)
『 帝国大学図書館成立の研究 』(ゆまに書房、2004年)
『 英語本の扉 』 (朗文堂、2012年)
 
【 関連 URL : 出版記念講演会 / 髙野 彰 『洋書の話』を語る

──────────── <参考資料 ② >

•Ž†

英語本の扉 その歴史と役割 』

◯ 著   者 : 髙 野 彰
◯ 装   本 : A5判 並製本 ジャケット付 176ページ
◯ 発行日: 2012年8月28日
◯ 定  価 : 本体1,900円+税
ISBN978-4-947613-86-8 C3000 

本書は「扉」の役割とその歴史を解き明かした書物です。
書物に関心のある人にとって、刺激的な内容になっています。

1500年頃の英語本の扉には、木版の書名、木版の絵を併用した書名、扉全体を囲んだ装飾の枠内に示された書名、コップや逆三角形やワイングラスの形をした書名など、興味深い工夫が目に付きます。
こんな工夫をしたのは、扉ページを本文ページとみなしていたからです。
そのおかげで、扉は本の品質を保証するページになれるのです。

【関連 URL : [ブックコスミイク]新刊書籍 髙野 彰著 『 英語本の扉 』 のご案内

【タイポグラフィ学会】 『タイポグラフィ学会誌 07』を刊行。朗文堂にて発売開始。

タイポグラフィ学会07表紙 タイポグラフィ学会07 タイポグラフィ学会07―3
『  タイポグラフィ学会誌 07 』
A4判 80ページ かがり綴じ 並製本
ISSN 1882–2339
編集 ・ 発行 : タイポグラフィ学会
発行日 : 2014年11月30日
発 売(特別委託直販) : 朗 文 堂
定価 : 3,000円 (送料 ・ 税別)
発行部数 : 非会員向けには僅少部数のみの頒布となります。
学生向け特別頒布価格 : 2,000円 ( 学生証明書の提示が必要です。 送料 ・ 税別 )
【 詳細情報 : 朗文堂ブックコスミイク タイポグラフィ学会誌

タイポグラフィ学会 は、タイポグラフィという技芸に学問的な基盤を与え、その成果を実技 ・ 実践を通して社会に貢献することを目的に、2005年8月に設立されました。

『 タイポグラフィ学会誌 』 は2007年に創刊、今回が07号となります。
『 タイポグラフィ学会誌 07 』 には、江川活版製造所研究会による 「 江川次之進の事績と江川活版製造所の変遷 」 と題した研究ノートを掲載しております。

「 江川次之進の事績と江川活版製造所の変遷 」
明治の時代に活字の行商から身をおこして、活字や印刷機器の製造 ・ 販売をおこなう江川活版製造所を創設した江川次之進という印刷人がいた。 しかし、江川次之進と江川活版製造所の履歴を記した資料はきわめて少ない。
(「 本研究ノートの目的について 」 より )

これらの研究成果が、日本国内のみならず各国の研究者によって広く参照されて、タイポグラフィ研究の発展に寄与することを希望するとともに、『 タイポグラフィ学会誌 』 が今後さらに、タイポグラフィの研究における特色ある媒体として成長していければと考えております
― タイポグラフィ学会
──────────
* 本書はタイポグラフィ学会から朗文堂が特別委託を受けて販売するものです。
*本書は限定された書店でしか取扱されていません。 お申し込みは朗文堂、または タイポグラフィ学会事務局 宛てに直接お願いします。
* 学生向け特別頒布価格での購入 ( タイポグラフィ学会、朗文堂のみでの取扱い ) の際は、学生証明書の提示が必要となります。
* 「書籍名 ・ 冊数 ・ 申込者氏名 ・ 郵便番号 ・ 送付先住所 ・ 電話番号 」 を明記の上、小社宛てに ファクシミリ または Eメール でご注文ください。
* 『 タイポグラフィ学会誌 01-07 』 バックナンバーでのご発注も可能です(在庫僅少)。
* 恐縮ながら送料 ・ 振込料はお客さまのご負担となります。
──────────
お申込 ・ お問い合せ
株式会社 朗  文 堂
Telephone : 03-3352-5070
Facsimile : 03-3352-5160
E-mail : robundo@ops.dti.ne.jp

【 詳細情報 :
朗文堂ブックコスミイク タイポグラフィ学会誌

【朗文堂ブックコスミイク】 『欧文書体百花事典』その後 普及版刊行記念連続講演会 第6回 『 刻まれた文字を訪ねて 』 木村雅彦氏

DSC05634担当講師 : 木村雅彦氏

──────────
『 欧文書体百花事典 』 普及版 刊行記念特別連続講演会(全 6 回)
      第 6 回  『 刻まれた文字を訪ねて 』
講   師 : 木村 雅彦
日 時 : 2014年12月07日[日] 午後 1 時より 3 時間程度 (ワークショップを含む)
会 場 : 東洋美術学校 D 棟 1 階 階段教室
      161-0067 東京都新宿区富久町2-6
      地図  http://www.to-bi.ac.jp/access/
主  催 : 株式会社 朗 文 堂
後  援 : タイポグラフィ学会
        学校法人専門学校 東洋美術学校  産学連携事務局 デザイン研究会アクティ
木村雅彦氏自宅付近の秋
◯ 全06回、10ヶ月間という長期間にわたりご聴講ありがとうございました。
◯ 引きつづき、『 欧文書体百花事典 』 普及版 のご愛読をお願いいたします。
◯ 今回の詳細報告は、画像がスライドショウでご覧いただける < 活版 à la carte > にあります。

欧文書体その後チラシ W欧文書体百花事典その後VIちらしDSC05764 DSC05634 DSC05657 DSC05649KIMURA01 KIMURA02 KIMURA03 KIMURA04 KIMURA05 KIMURA06 KIMURA09 KIMURA10 KIMURA11 KIMURA12 KIMURA13DSC05550 DSC05519 DSC05537 DSC05556 DSC05562DSC05764 DSC05755[ 写真提供 : 春田ゆかりさん/中村将大さん/松尾篤史さん 画像提供 : 木村雅彦さん ]

【会員からの情報】 BBC NEWS Entertainment & Art - シェイクスピア フォリオ初版本を発見の報道。

_79274396_13cd0182-d414-4e51-b9a6-cd7341617320[1] _79274327_79274326[1]BBC NEWS Entertainment & Art が、シェイクスピア ( W. Shakespeare 1564-1616 ) のフォリオ初版本が、ちいさなフランスの町の図書館で発見されたと報告しました (2014年11月26日 10 : 15)。
その情報を会員の I 氏からご提供いただきましたので紹介いたします。
──────────
イギリス文学でもっとも希少本と見なされている、シェイクスピアのフォリオ(全紙を二つ折りにして、表裏04ページとした印刷物 ・ 図書)初版本が、ちいさなフランスの町で発見されたと報告した。
その本は200年間、北フランス、カレーの近く、サント=メール(Saint-Omer )のライブラリーで平穏な状態にあった。

この発見にいたったのは、この北フランスの領域と、イギリスとの間の歴史的な関係を解きあかす展示会を図書館司書が計画して、その調査結果によって同書が発見された。
「この本は、タイトルページを含んで、数ページを無くしている」
と、司書の レミー ・ コルドニエル (Remy Cordonnier)は記者に述べています。
[ したがって、このページの第一図版、シェイクスピアの肖像画とされる最初の帖は失われており、ここでの画像はイメージ紹介となっている ]。

【 リンク : BBC NEWS Entertainment & Art 】 第一図版は動画でご覧いただけます。
──────────
カバー表1

洋 書 の 話

◯ 著  者 : 髙  野   彰
◯ 発行日 : 2014年11月13日
◯ 発  行 : 朗  文  堂
◯ 定   価 : 本体3,700円+税

         A5判 並製本 ジャケット付 263 ページ
         ISBN978-4-947613-91-2

< 主な内容 > 目次より
1 章 4°:A‒P4 とは何か  [以下略]

洋書の話01 洋書の話02 洋書の話03 洋書の話04 洋書の話05まことに偶然のことながら、朗文堂11月の新刊 『 洋 書 の 話 』 ( 髙 野  彰、2014年11月13日、朗文堂 ) の第 1 章(ページナンバー 1 )は、< 4°:A‒P4 とは何か >、すなわち 俗にいう シェイクスピアの「 第 1 二折本 」 ( The First Folio ) からはじまり、第一図版は同書の「 THE TEMPEST 」 [ 大あらし、暴風雨 ] からはじまっています。
『 洋 書 の 話 』 は、きわめて順調な出荷がつづいています。
したがって、この発見の重要性をご理解いただくために、いくぶん宣伝めいて恐縮ながら、同書巻頭部分をご紹介いたします。

[前略] 洋書のなかでも、特に、18世紀以前の本は手引き印刷機で印刷されてきた。 おかげで現代の本とは異なった特徴を備えている。 これらの本が次のような形で説明されていることがある。
    4°:A‒P4 とは何か
これは本についてどんなことを言っているのであろうか。

折 記 号
英国の有名な劇作家 シェイクスピア ( W. Shakespeare ) の著作である  Mr. William Shakespeares Comedies, histories, & tragedies  が出版されたのは1623年のことである。  俗に言う 「 第 1 二折本 」 ( The First Folio ) である。 [後略]
p62アルビオン
【 詳細資料 : 朗文堂ブックコスミイク 『 洋書の話 』

【朗文堂ブックコスミイク 新刊紹介】 洋 書 の 話  髙 野 彰 著

カバー表1

洋 書 の 話

◯ 著  者 : 髙  野   彰
◯ 発行日 : 2014年11月13日
◯ 発  行 : 朗  文  堂

◯ 定   価 : 本体3,700円+税

         A5判 並製本 ジャケット付 263 ページ
         ISBN978-4-947613-91-2
 22-23 112-113 120-121上掲画像はクリックすると拡大画像でご覧いただけます。
──────────
< 著者あとがきより >
バウアーズが Principles of bibliographical description を出したのは1949年のことである。年代的には古いが、記述書誌学を扱った著作で、バウアーズを越える著作は現在も出ていない。 この著作は現在も記述書誌学の重要な基本書であることにかわりはない。

その後、1969年にはパドウィック(E. W. Padwick)が Bibliographical method を出した。1970年にはピアス(M. J. Pearce)が A workbook of ana-lytical & descriptive bibliography を出している。

そしてギャスケルは1972年に A new introduction to bibliography を出した。
しかしいずれもバウアーズの解説書に近い。 ピアスなどはバウアーズ本を章ごとに取り上げて解説しているほどである。 バウアーズ本が難解なため、解説書や入門書が必要なのである。

『 洋書の話 』 の初版が出たのは1991年のことである。 1995年には増補版を出したが、その後、絶版となってしまった。 そしてこの度、第2版を出す機会を得た。 初版そして増補版で扱っている時代は16–18世紀が中心であったが、今回もその範囲を越えていない。

『 洋書の話 』 も記述書誌学の概説書であるが、洋書がどんな姿をしているか、その姿はどのようにして作られたのかを示そうとしている。 その意味では、本書は、書名に示したように、洋書に関する本と見ていただいても良い。

そのためにも、これまで以上に図を多く取り入れ、目で見てわかるようにつとめた。 これまで何気なく見てきたことにも意味があることを知り、それらがどんな目的で用いられ、どんな姿で本に現れているかを理解できるはずである。

記述書誌学は完成した学問ではない。 現在も模索し、発展を続けている学問である。 未解決の問題も多い。 しかしこの知識を通して得られる情報は計り知れない。 記述書誌学を目指す人や洋書に興味を抱いている人にとってお役に立てば幸いである。
──────────
< 主な内容 > 目次より
1 章 4°:A‒P4 とは何か
2 章 本の隠れた特徴
3 章 折丁式の作り方
     3‒1 折記号を使った折丁式
     3‒2 紙葉の挿入と削除
     3‒3 参照表示
4 章 扉の転写
     4‒1 転写とは
     4‒2 扉の囲み飾り
     4‒3 扉の文字の転写
     4‒4 扉の記号類の転写
5  章 扉以外の部分の転写
6  章 記述の単位
     6‒1 版と刷
     6‒2 異刷
     6‒3 発行と再発行
     6‒4 別発行
     6‒5 理想本
7 章 記述書誌学とは
8 章 記述書誌と目録の違い
9 章 準ファクシミリ転写法小史
参考図書
用語集
あとがき
索  引
──────────
< 著者紹介 >
髙 野  彰 (たかの あきら)
1941年 生まれ
1964年 東京大学総合図書館 勤務
2001年 跡見学園女子大学文学部教授
2012年 跡見学園女子大学文学部特任教授
2013年 退官
博 士(日本文化)
◯ 主要著書
『 洋書の話 』 増補版(丸善、1995年)
『 帝国大学図書館成立の研究 』(ゆまに書房、2004年)
『 英語本の扉 』 (朗文堂、2012年)
──────────
株式会社  朗  文  堂
160-0022 新宿区新宿2-4-9
telephone :03-3352-5070
facsimile :03-3352-5160
http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo/

台湾活版印刷文化保存協会 柯 志杰(カ-シケツ)さん 新刊 『 字型散歩 』 を上梓。

20141120132255399_0002 20141120132255399_0001
台湾の友人にしてタイポグラファ、柯 志杰(
カ-シケツ)さんが、蘇 煒翔(ソ-イショウ)さんとの共著で、新刊 『 字型散歩 』 (臉符ケンプ出版  ISBN978-986-235-401-8 ) を刊行されました。

<字> を形象の変化(字形)としてとらえがちな昨今のわが国ですが、同書では <字型> として、活字である以上当然とはいえ、明瞭な <型> のさだまった字画から <字> を紹介しています。
同書 p.120 – 121 では<正調明朝体 金陵>を、「今田欣一的投下的震撼弾」としてとりあげ、<正調明朝体 金陵>は、刻本からまなび、それを現代に再生したという意味で、書体開発に新領域を拓いたものとして好意的にご紹介いただきました。

《 活版凸凹フェスタ 2012 》 会場にて ── 2012年05月05日
左) 台湾の活字製造所/日星鋳字行  張 介冠(チョウ-カイカン)代表
右) 台湾活版印刷文化保存協会  柯 志杰(カ-シケツ)さん

【 関連情報 : 活版カレッジ有志、台湾で活字彫刻・活字鋳造体験会 2012. 10. 19 】
【 関連情報 : 台湾でつくったCAD方式活字母型と初号活字 2012. 11.03 】

ヘルムート・シュミットさん 『japan japanese』、 2014年版 ISTD 国際タイポグラフィック賞 premier award を受賞。

ISTD_2014

ISTD賞2014年版 ISTD 国際タイポグラフィック賞
130 x 185 cm, 174ページ

< 2014年 ISTD賞について >
3 年毎に開催される、ISTD の国際タイポグラフィック賞
( International Typographic Awards )は

タイポグラフィの優秀な作品を評価し、表彰するものである。

応募作品は、25ヵ国から、グラフィックデザインの
幅広い分野にわたって、

印刷、映像作品として寄せられ、入賞作品は
実に国際的である。

この組織は、1928年にヴィンセント ・ ステア ( Vincent Steer) と
賛同者6人により、
BTG (British Typographers Guild)として創設された。
1950年代初期に、STD (Society of Typographic Designers )と改名され
1990年代後期に、ISTD(International Society of Typographic Designers)と
再度改名された。

────────────
2014年に 『 japan japanese 』 が premier award を受賞し、
1998年に 『 the road to Basel 』 が premier award を受賞した。
上記の書籍 2 点は、朗文堂より出版された。
___________________________________________________
また、2004年に『 佐比売野 田中礼子歌集 』 (デザイン : ニコール シュミット)が
certificate of excellence を受賞している。(朗文堂発行)

──────────
 『 japan japanese 』 刊行と、刊行記念講演会+展覧会の記録>

japan_w プリント プリント
シュミット家の皆さん。左より スミ夫人 ヘルムートさん ニコールさん。2011年11月


『 japan japanese 』 刊行記念講演会+展覧会の記録-2013年03月20日


ときのたつのは早いものです。
大阪のシュミット家は、すみ夫人を中心とした、こころあたたかいファミリーであり、愛娘ニコールさんがスタッフとして加わってからは、すばらしいデザイン ・ ユニットでもあります。
『 japan japanese 』製作のあいだにニコールさんは結婚され、刊行記念展にはご主人ともども、赤ちゃんを抱いての登場で、会場の人気と話題をおおいにあつめていました。

そして、かりそめのエンペラー : シュミットⅠ世は、その座をはかなくも小皇帝 : 文一クンに奪われ、「ブンちゃん、ブンちゃん」 と、すっかり好好爺となりました。
それでも、創作意欲だけはたれにも負けない旺盛なものを秘めての活動がつづいています。
[ 片塩二朗 wrote ]

【 関連情報 : 朗文堂ブックコスミイク 『 japan japanese 』
以下の情報は『 japan japanese 』に関して2011年12月14日-13年03月21日まで、都合09回にわたって掲載された記事を、降順に並べ替えて掲示した。
【 関連情報 : 『 japan japanese 』 刊行記念 ヘルムート・シュミット氏の講演会+展覧会のお知らせ

読書の秋 第16回 図書館総合展のご案内

蝗ウ譖ク鬢ィ邱丞粋螻表蝗ウ譖ク鬢ィ螻・3uu蝗ウ譖ク鬢ィ邱丞粋螻表蝗ウ譖ク鬢ィ螻・9uu上掲02点の写真は、昨2013年 第15回 図書館総合展の模様。 下図は本年用の図録兼 「 図書館専用注文書 」 です。
図書館司書が中心対象となりますので、比較的地味な展覧会ですが、それだけに充実した内容で、真剣な図書選択の場となります。

20141020212110133_0007名 称 : 第16回 図書館総合展
会 場 : パシフィコ横浜 展示ホールD/アネックスホール
日 時 : 2014年11月05日[水]-07日[金] 10 : 00-18 : 00
主 催 : 図書館総合展運営委員会
──────────
毎年秋に開催される恒例の 《 図書館総合展 》 も16回を迎えました。

年年図書館の人員と、予算が減少傾向にある、つらく、きびしい時代です。
したがって選抜 ・ 推薦された図書を、自館に選定するライブラリアンの視線も、いきおい真剣になります。

選抜 ・ 推薦期間が08月締めきりで、朗文堂のことしの出品は 『平野富二伝』(古谷昌二著)、 『わたくしは日本国憲法です。』(鈴木 篤著) の二冊でした。
なお既報のとおり、『わたくしは日本国憲法です。』 は、2014年10月15日、日本図書館協会による <日本図書館協会選定図書> に選定されました。

《 図書館総合展 》 は、さまざまな講演会や展示が同時開催されます。
ご興味、ご関心のあるかたは横浜まで足をお伸ばしください。
入場は無料ですが、
事前登録が必要です。登録用紙は下記の WebSite からもダウンロードできます。

【 関連URL : 図書館総合展公式WEBサイト

──────────    雄松堂プレスリリースより-部分紹介。
7回ゲスナー賞受賞者
武蔵野美術大学 美術館 ・ 図書館
『 タイポグラフィ 2 つの潮流 』
第 7 回ゲスナー賞  目録 ・ 索引部門 銀賞を受賞しました。
DSC_3320uu[1]第  7 回ゲスナー賞授賞式 & 記念フォーラム 「愛書家へのメッセージ」
日  時 : 11 月6日[木] 10:30-12:00 (10:10 より会場内フォーラム受付開始)
場  所 : 図書館総合展 展示会場内 左奥ステージ
※ 10 : 00開場ですので、事前に展示会場入口での一般受付をお済ませください。
 
【 関連URL : 雄松堂 ゲスナー賞
【 関連情報 : タイポグラフィ 2つの潮流

【ご報告】 『わたくしは日本国憲法です。』 日本図書館協会選定図書に選定されました。

顔写真鈴木篤氏 小

02わたくしは表紙わたくしは日本国憲法です。

本書は2014年10月15日 <日本図書館協会選定図書> に選定されました。
ご愛読をお願いいたします。
──────────
著   者 : 鈴 木  篤  すずき あつし
発   行 : 2014年07月26日 
定   価 : 本体 1,200 円+税(四六判 ソフトカバー 190 ページ)
      ISBN978-4-947613-90-5 C0036
おちかくの有力書店、オンライン ・ ブックショップでお求めください。
直送は送料別途請求にてたまわります。
朗文堂 営業部 : 160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
            Telephone 03-3352-5070
             Facsimile   03-3352-5160
                              http: //www.ops.dti.ne.jp/~robundo
             E-mail :  robundo@ops.dti.ne.jp

【 新刊案内 : ブックコスミイク 私は日本国憲法です。
【 関連情報 : お知らせ ブログ新開設 <弁護士鈴木篤のつれづれ語り>

【朗文堂ブックコスミイク】『欧文書体百花事典』その後 普及版刊行記念連続講演会 第5回 『 タイプ・サイズとは何か P・S・フールニエとの関係で 』 山本太郎氏 終了のご報告

たくさんのお客様をお迎えして、『欧文書体百花事典 その後Ⅴ』 は終了いたしました。
あいにくの雨天でしたが、わざわざのご来場ありがとうございました。
次回講演は、12月07日[日] 木村雅彦さん <刻まれた文字を訪ねて> です。ご期待ください。
関連情報は、随時このコーナーに掲載いたします。
なお本項は本日(10月17日)より、画像がスライドショウでお楽しみいただける<活版 à la carte>コーナーにてご紹介いたします。

欧文書体百花事典その後Vちらし

『 欧文書体百花事典 』 普及版 刊行記念特別連続講演会(全 6 回)
第 5 回  『 タイプ・サイズとは何か P・S・フールニエとの関係で 』
講   師 :  山 本   太 郎
日 時 :   2014年10 月05日[日]   午後1時より約 3 時間程度(ワークショップを含む)
会 場 :   東洋美術学校
主  催 :  株式会社 朗 文 堂
後  援 :  タイポグラフィ学会
学校法人専門学校 東洋美術学校  産学連携事務局 デザイン研究会アクティ
欧文書体その後チラシ

DSCN7587 DSCN7590
je_1DSC01298 
使用欧文活字/FOURNIER LE JEUNE   原活字鋳造所 : Deberny & Peignot, 1913

テキスト/ わたしは  わたし

DSCN7597

欧文書体百花事典その後Vポスター

【展覧会】 エミール ・ ルーダーの100年 記念講演 : ヘルムート ・ シュミット氏

20140919_ruder100_0157 20140919_ruder100_0023 20140919_ruder100_0030

  100 Jahre Emil Ruder

 2014年09月19日、スイス、バーゼルのデザインスクール、S f G 及び HGK FHNW は、エミール ・ ルーダー(Emil Ruder,  1914-70)の生誕百年を祝い、その功績を称えて、<エミール ・ ルーダーの100年> と題するシンポジウムと展覧会を開催した。
その資料をヘルムート ・ シュミット氏よりいただいたので、ここに紹介したい。
──────────
シンポジウムの講演者 :
リチャード ・ ヒリス、ロンドン
ラルス ・ ミュラー、チューリッヒ
ホアン ・ アラウシ、バルセロナ
ミヒャエル ・ レナー、バーゼル
ヘルムート ・ シュミット、大阪

この講演の内容は、TM 誌の 2014年第 3 号に掲載される予定である。

展覧会では、エミール ・ ルーダーのデザインによるポスター30点が展示された。
政治的ポスター「 Liste 1 」は含まれていなかった。
「 Liste 1 」は、2014年3月20日から4月29日まで、東京 ・ プリントギャラリーで開催された
<danke Emil Ruder > 展で展示された。
___________________
写真 : フィヨドル ・ ゲイコ
14027 SfG Emil Ruder Faltflyer A3 PF_GzD-3
【 関連情報 : 朗文堂ブックコスミイク 『 japan japanese 』
【 関連URL : プリントギャラリー/<danke Emil Ruder >
以下の情報は『 japan japanese 』に関して2011年12月14日-13年03月21日まで、都合09回にわたって掲載された記事を、降順に並べ替えて掲示した。順を追ってお読みいただけるとおもしろい。
【 関連情報 : 『 japan japanese 』 刊行記念 ヘルムート・シュミット氏の講演会+展覧会のお知らせ