林 昆範氏タイポグラフィ講演会
宋朝体と明朝/書写系と彫刻系書体の相剋
たくさんの皆さまにご来場いただいた林 昆範氏の講演会でした。あらためまして厚く御礼申しあげます。その折、林 昆範氏の著書 4点を展示コーナーに配置しましたが、会場となった新宿区立産業会館は物販禁止になっておりましたので、ご購入ご希望の読者様にはご要望に沿うことができませんでした。
ここに改めて林 昆範氏と、同氏が在日中にともに研鑽を重ねたグループ昴(すばる)による著書 4点をご紹介いたします。いずれも残部僅少ですが、なかでも 『 ヴィネット 02 中国の古典書物 』 は残りがあと1梱包だけとなっておりますので、ご希望のお客さまは書店ではなく、小社宛てご発注をお急ぎください(ご注文先着順)。
ついでながら、アダナ・プレス倶楽部のWebsite 「 コラム No.012 」に、「活字書体明朝体の成立と将来展望 」 に関する関連記事がございます。ご関心のあるかたはご一読ください。
関連記事:http://www.robundo.com/adana-press-club/column/column012.html
ヴィネット02号
中国の古典書物
林 昆範 著
文字の発生期から印刷の発明へ。悠久の歴史を有する中国の書物の歴史に、気鋭の研究者が挑んだ力作です。文字と書物はなにをどう伝達してきたのか。4回シリーズの幕開けです。
ヴィネット06号
元朝体と明朝体の形成
林 昆範 著
160頁 定価・本体3000円+税
『ヴィネット02 』に展開された、中国刊本千年の歴史探求をへて、東アジア漢字圏における印刷用文字活字の失われた輪をさぐる林昆範の鋭い視点は、ついにモンゴル族王朝の元朝に歩をすすめて趙子昂(ちようすごう)の行楷書がもたらした元朝刊本の書体と字様の展開を探求した。
それにつづいて漢民族が権力を奪還した明王朝における官刻、藩刻、家刻、坊刻の研究をつうじて「明朝匠体字(みんちようしようたいじ)--明王朝における職人書体」としての明朝体の登場までの歴史を豊富な図版と詳細をきわめた論文によって解明した。漢字書体史研究に必備の研究書。
ヴィネット09号
楷書体の源流をさぐる
林 昆範 著
112頁 定価・本体2900円+税
ヴィネット2号、6号につづく、林 昆範氏三部作の完結の巻。
現在もちいられている楷書体活字とは、唐代の楷書の系譜にはなく、清代康煕帝の命名による軟字の系譜にあることを解明した衝撃的な書。
ヴィネット10号
石の書物──開成石経
グループ昴 編
72頁 定価・本体2600円+税
グループ昴とは、既刊ヴィネット中国刊本三部作の著者である林 昆範氏を師とした刊本学の学習会をもとにしています。日本語タイポグラフィの基礎づくりをこころみる、グループ昂の第1作目は、現代の漢字活字書体のみなもととなった石の書物として、837 年に唐の都長安に建立された『開成石経』の歴史をひもときます。