カテゴリー別アーカイブ: アダナ・プレス倶楽部

【アダナ・プレス倶楽部】 第18回 活版ルネサンスフェア開催! 終了しました

活版ルネサンスWeb

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と き * 2015年03月27日[金]  28日[土] 13 : 30 ― 19 : 00
ところ * 朗 文 堂 4F-B
160-0022  新宿区新宿2-4-9  中江ビル 4 F
Telephone  : 03-3352-5070
[ 来場ご案内マップ ]
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 春うらら、梅たよりもチラホラきかれる良い時候になりました。
いよいよ創作の春がはじまりました。 皆さまお元気にてご活躍のことと存じます。
《 活版ルネサンスフェア 》 は、通常 春と秋の 2 回にわたって開催され
アダナ ・ プレス倶楽部会員、活版造形者、活版ファンの皆さまを対象に
活版印刷関連の新製機器と、資材、そして一部は中古品の
活版関連機材 ・ 資材の 展示即売会 です。
手狭な会場ながら、 貴重アイテム、 マニアックな商品が溢れています!
春の創作シーズンに、このチャンスをぜひともお役立てください。
[ 東京都公安委員会許可 第304380708865号 ]

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話題沸騰 !!
発売一周年をむかえた アダナ式小型活版印刷機 Salama-21A を
会場でご体験、ご覧ください。
Salama 4cWebsala22630 sala22657 sala22663朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部の製造 ・ 販売による 〈 アダナ式小型活版印刷機  Salama-21A 〉はもとより、新品の活版印刷関連機器、独自企画開発商品と、活版印刷所で長年の使用に耐えてきた優秀な中古品もドッサリ用意いたしました。

活版印刷のサポーターとして、アダナ ・ プレス倶楽部ならではの、懇切丁寧な使用方法の解説もいたしますので、狭い会場ながら魅力溢れる展示販売会となります。
春の創作シーズン、展覧会シーズンの到来に合わせて、創作に活用できそうな機材の補充、実製作での疑問の解決、技術の向上に、どうぞこの 《 活版ルネサンス フェア 》 をご利用ください。

《 今回の主なご紹介アイテム   順不同 》
―― 商品の一部に、現品限りのものがございます。売り切れの際はご容赦ください。
新開発 アダナ式小型活版印刷機 Salama-21A /新開発 圧盤用ラバー ・ クッション胴張りセット/活版専用ピンセット新旧/ジャッキとジャッキハンドル新旧/KMT全自動活字組版機(日本語モノタイプ)活字母型庫 8pt, 9pt, 10pt  明朝体/罫線各種/くじら尺/特製組みつけ台/金属インテル各種/活版用強力磁石/特製組版ステッキ、中古組版ステッキ/ファニチュア各種/工具類(ブレース鋏 ・ 鳥居鋏 ・ 罫切り鋏)/罫切り器/各サイズ込め物セット/活字倍数尺/特製ムラ取りハンマー&ならし木セット/ブロッキング防止パウダー/特白ウェス/無臭洗い油/インキ ・ ハンド ・ ローラー/インキべら/インキ ・ パッド/ゴム ・ ローラー ・ メンテナンス剤/オイルベース活版用インキ各色(1 キロ缶、特製200グラム缶)/活版用墨青口インキ/ラバー ・ ベース ・ レタープレス用インキ/版画用メタルベース(19.68ミリ、19.70ミリ)/樹脂版用メタルベース(21.89ミリ、23.39ミリ)/特製五号サイズメタルベース箱入りセット/特製カタ仮名活字 アラタ1209/輸入欧文活字スキームセット/輸入オーナメント活字各種/凸版用スプレーボンド/特製文選箱/中古文選箱新旧各種/文選箱ストッパー/セッテン/特製文選箱立て/特製ミニ組みゲラ/中古組みゲラ/特製ミニ置きゲラ/中古置きゲラ/特製ミニスダレケース棚/活字サイズ照合キット

 その他掘り出しもの、在庫限りの貴重アイテムがどっさり。
皆さま、友人・ 知人と誘いあわせてのご来場をお待ちしております。

【会員情報】 杉本昭生 小型本の世界Ⅵ

朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部会員、京都在住の杉本昭生さん製作の小型本 ( いわゆる豆本 ) 紹介の 第六弾です。  今回のご紹介は以下の二冊です。

1 )  森  鷗 外  『 電車の窓 』
2 )  夏目 漱石   『 夢十夜より-第三夜- 』

ともすると小型本の製作者は、なによりも小型であることと、装本のおもしろさにこだわりがつよいあまり、そのテキストが、読書のための 判別性 Legibility と、可読性 Readability を失っていることがみられます。
ところが杉本さんは、もともと読書家ですので、たとえ小型本であろうと、テキストを厳選し、みずからも読み、読者にも読んでもらおうというつよい意志を感じます。
DSCN8507 DSCN8513 DSCN85171 )  森  鷗 外  『 電車の窓 』
『 電車の窓 』 は森鷗外の小品です。
偶然おなじ市電に乗り合わせた女の寂しげなようすがきにかかり
あれこれ想像して書いた、いわば作者の妄想小説です。
小説の感想をいうならば
いつの時代も美しい女性は男の眼をひくものであること、
おおかたの男性は電車内で前の席に座った女性の行動を観察し、
その日常をいろいろ想像していること . . . . . . などなど。
なんの予定もない雨の日曜日にでもご一読ください。

DSCN8501 DSCN85042 )  夏目 漱石   『 夢十夜より-第三夜- 』
「 こんな夢を見た 」 という書き出しで知られる 『 夢十夜 』 は
明寺41年07月25日から08月05日まで 『 朝日新聞 』 に連載されました。
漱石としては珍しい幻想的な作品です。
第三夜は、淋しい道を子供を背負って歩いている 「 自分 」 と
背中の子どもとの会話が中心で、圓朝の怪談話を聞いているような気になります。

 < 既出紹介 >
【 リンク : アダナ・プレス倶楽部ニュース 杉本昭生 小型本の世界Ⅰ 】
【 リンク : アダナ・プレス倶楽部ニュース 杉本昭生 小型本の世界Ⅱ 】
【 リンク : アダナ・プレス倶楽部ニュース 杉本昭生 小型本の世界Ⅲ 】
【 リンク : 活版 à la carte 杉本昭生 小型本の世界Ⅳ
【 リンク : 活版 à la carte 杉本昭生 小型本の世界Ⅴ
【 リンク : 活版 à la carte 杉本昭生 小型本の世界Ⅵ

【アダナ・プレス倶楽部】 Romano Hänni さん & King of ADANA Land, Alan Bringnull さんのカードをご紹介

年末から年初にかけて、たくさんの皆さまからクリスマス ・ カード、年賀状などをいただきました。
旧暦でのお正月(春節)をむかえた国や地域の皆さまとの、
グリーティングカードのやりとりも一段落いたしましたので、ここであらためて仕切りなおし。

アダナ ・ プレス倶楽部がいただくのは、おおくは活版印刷によるものですが、心のこもった、すばらしいものばかりでした。 ありがとうございました。
国内の皆さまのカードもご紹介したいところですが、そうすると数百枚の数にのぼり、またご住所などは、せっかく配慮をこらしたものでも、情報管理に配慮して削除せざるを得ません。
そこでスイスとイギリスからの、おふたりのカードをご紹介させていただきます。
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2015年、スイスの活版印刷造形家/ロマノ ・ ヘニ (Romano Hänni ,  1956-)さんのカードです。
ヘニさんは昨年の10月に来日、個展を開催されて、たくさん日本での友人をつくられました。
下掲写真はその際小社を訪問されたときのものです。


【 ロマノ ・ ヘニ URL : Romano Hänni  Studio for Design 】  鮮明画像がたくさん掲載されています。 
【 関連情報 : スイスの活版印刷造形家 : ロマノ・ヘニさんが来社されました
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カード ありがとう&よいお年を 手製封筒King of ADANA Land, Alan Bringnull さんのカードです。
イギリスのブリンヌルさんは、アダナランドの御領主としてのご公務 !?  でお忙しくされておられます。
そのいっぽう活版アトリエにこもって < Rambling Urchin-ワンパク坊やのお散歩 > という名前の造形活動も余念がありません。

いつもながら、ブリンヌルさんの 「 航空郵便用封筒 」 も、作品袋も、すべて手づくりというこったものです。 今回は日本語のごあいさつも同封されていました。

【 関連情報 : 活版凸凹フェスタ*レポート13  2012年08月06日

【上海会員情報】 成果のおおかった2014年、そして …… 畠中 結さん/楊 黙さん

気のせいでしょうか。 なにやら覇気のない昨今のわが国のアートシーンであり、造形界です。
そこで、中国 ・ 上海で元気いっぱいに活躍する、畠 中 結 ・ 楊  黙 [ Yui HATAKENAKA ,  Mo YANG ]ご夫妻からの情報をご紹介いたします。

畠中さんは上海ですき焼き ( 畠中式吉祥字表記 : 寿喜鍋   日本漢字 : 鋤焼き ) をつくり、友人にはレシピを公開されたようです。 ワンちゃんもよろこんでいたようですが、上海でのすき焼きのお味はどうだったのでしょうか。
そして04月には出産のため、一時日本に帰国されるとのことです。
ここのところ、アダナ ・ プレス倶楽部会員の皆さんの出産がつづき、嬉しいニュースがどんどん飛び込むこの頃です ( かわいい赤ちゃんの写真を紹介できないのがすこし残念です )。

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<上海 畠中 結さん 2015年02月17日>
先日御社から送っていただいた年賀状がようやく上海のわが家に届きました!
消印を見るとかなり郵送時間がかかったようですが、今は私の手元にあります。 ありがとうございました! 刷りがとってもきれいでおしゃれですね^^家に飾ります。

昨年は下半期から夫の 楊 黙 も忙しくなって、展覧会に参加したり、リトグラフ作成のイベントを開催したりしておりました。
上海のローカルテレビなどにも取材されていましたが、その中でも良く撮れていた物がありますので、もしお時間ありましたらご覧下さい( 全部中国語ですが、怪しいサイトはありません。 写真だけでもご覧下さい )。

◯ 【 一条 】 ⇒ 動画サイトでいろいろ取材したものを紹介している企業です。 夫が取材された時のURLはこちらです。
http://v.youku.com/v_show/id_XODc0OTM2MTg0.html  
( 広告はスキップ。 動画サイトに飛びます。 音が出ますのでご注意を 03 : 30 )

◯ 印物所のブログ(?)のようなものです。 最近は更新が無いようですが・・・
http://site.douban.com/238010/

◯ 昨年の夏に展覧会をした時に、友達がサイトで紹介してくれました。
アルファベットのカードは 活版印刷機 Adana-21J を使用して印刷しました。
http://www.voicer.me/archives/19446

◯ 昨年夏に取材された時のネットニュースです。 活版印刷機も活用しています!
http://www.why.com.cn/qnzhg/HTML/shzk/shzk_jj/Info/Detail_94594.htm

◯ 私と夫と友人達で02年ほど不定期で料理紹介ブログをやっています。 宣伝ばかりになって申し訳ありませんが、もしお時間あればご覧下さい。
「 うまみ食堂 」、全編中国語ですが、料理+手書き文字+イラストは私、写真は夫、編集レイアウトなどは友人がやっています。
http://www.voicer.me/archives/category/umami

◯ そして、このサイトの派生企画として、今年は手のひらサイズのカレンダーを作ってみました。 実はお二人にもお送りしたかったんですが・・・まだ03月分までしかできていなくて・・・。
2015年もすでにはじまって数ヶ月経っていますが、完成したらお二人に必ずお送りします!
(そもそも実用性があまり高くないので、カードとして楽しんでいただけたら幸いです^^;)
http://www.voicer.me/archives/20696

畠 中  結 ・ 楊  黙 [ Yui HATAKENAKA ,  Mo YANG ]
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<上海 畠中 結さん 2015年03月08日>
今回ご連絡さし上げたのは、ちょっとしたお知らせがあったからなんですが……。
上海の友人のひとり、Ling Meng ( リン ・ メン ) が、現在東京渋谷の DIESEL ART GALLERY において個展を開いています。

Ling Meng ( リン ・ メン ) は夫の親友で、夫の工房とも、とても関わりが多い人物です。 彼のタイポグラフィデザインのカードや作品は、夫の工房で印刷しています。
Ling Meng の、独特で繊細な世界観をぜひとも見て頂きたいと思いご連絡させて頂きました。 私は本当に残念ながら展覧会に行くことができませんが、彼の作品の完成度は高いです!  
ではまたご連絡いたします!

畠 中 結 ・ 楊  黙 [ Yui HATAKENAKA ,  Mo YANG ]
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DIESEL ART GALLERY  EXHIBITION
Ling Meng 01 Ling Meng 02 Ling Meng 03 Ling Meng 04

SPECIMENS OF TIME – 時間の標本 -
LING MENG
2015.3.06 (FRI) – 5.22 (FRI)

【 企画詳細 : DIESEL ART GALLERY  EXHIBITION

【 関連記事 】
★ YANG MO  楊 黙
★  エッ、いまごろお正月 !? 上海在住の会員がご来社に。そして「老北京のご紹介」 2014年02月10日
★  <在時間的某処>, Somewhere in time, ある日どこかで。 2014年05月21日
★ 中国 上海の活字製造と活版印刷関連情報 ── 畠中結さんからのご報告

【WebSiteギャラリー】 北京清華大学 陳 輝先生  彫塑作品紹介

20150216223959256_0001北京清華大学美術学院 彫塑系学科 副教授  陳 輝 ( Chen Hui ) 作品

◯ 作品 / 凝聚の風景
凝聚の風景
◯ 作品 / 行  進

行進
◯ 作品 / 高山流水

高山流水
◯ 作品 / 石

石
◯ 作品 / 低い雲、銅 80×60×35 cm

低い雲、銅80x60x35cm
◯ 作品 / 風 1

風1
◯ 作品 / 風 2

風2
◯ 作品 /  風  韻
風韻──────────
DSCN7860中国 ・ 北京の友人/清華大学 美術学院 副教授のおふたり(ご夫妻)と、そのご子息
前列右) 視覚伝達設計系学科 副教授  原 博 ( Yuan Bo ) 先生
前列左) 彫塑系学科 副教授  陳 輝 ( Chen Hui ) 先生
2015年01月11日[日] 中国の清華大学キャンパス 陳 輝 研究室にて。

【 関連情報 : 会員情報/中国清華大学 美術学院/原 博先生 陳 輝先生とお会いしました

【会員からの情報】 『マッチ箱日記』 BL出版刊をご紹介。

愛知県西尾市のアダナ ・ プレス倶楽部会員/上坂印刷の太田さんからの情報です。
上坂印刷さんは Adana-21J , Salama-21A を採用されている積極的なユーザーです。
現在ホームページの開設準備中ですが、連絡先はこちらです。
【 関連情報 : みかわ de オンパク  上坂印刷株式会社 】
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昨年の小学生夏休み読書感想文の課題図書 『 マッチ箱日記 』 をご存知ですか?
わたしたちは、活版印刷体験イベントなどで 『 マッチ箱日記 』 を展示しながら、
活版印刷の歴史のお話の中でみなさんにご紹介しました。 素敵な絵本です(太田)。
マッチ箱日記表紙 DSCN8333 DSCN8339

マッチ箱日記 (BL出版)

文/ポール ・ フライシュマン
絵/バグラム ・ イバトゥーリン
訳/島 式子  島 玲子

版元 BL 出版株式会社
定価 本体1,600円+税

28×26cm 38頁
ISBN978-4-7764-0605-1

イタリアから移民としてアメリカにわたった少年は、働きに働き、思い出をマッチ箱に残してゆく。
きびしい暮らしのなかで、生きる支えとなったマッチ箱日記。
やがて少年は文字を覚え……。
 少年の目を通して、移民の暮らしと困難な時代をあざやかに切り取った秀作。
マッチ箱日記をひとつひとつ開けながら、ひいじいちゃんが、ひ孫に自分の半生を語る、という形で物語は進みます。
【 関連情報 : BL出版 マッチ箱日記

【会員情報】 かたりべ文庫 職人の手仕事/活版印刷 山田善之

かたりべ文庫 山田01 山田02 山田03九州福岡市に 「 あらたな 」 活版印刷所 <文林堂> が再生しました。
現在の <文林堂> は、山田善吉、トヨ子夫妻の経営によりますが、その命名は、1938年(昭和13)に創立された、先代の父親によるものとされます。

同社は、戦後の印刷方式の激変期にあって、名刺用の手フート印刷機をのぞき、活版印刷関連機器を廃棄し、オフセット平版印刷に注力して、一時は従業員も25名を数えるまでになりました。
ところが近年のオフセット平版印刷の衰退にあわせ、原点回帰をめざし、一度は廃棄した活版印刷機器を再構築されての<活版ルネサンス>への挑戦です。

20150312003328704_0001『 VIVA !!  カッパン 』(アダナ・プレス倶楽部 大石 薫、朗文堂、2010年05月21日)

同社の活版ルネサンスに導入された印刷機の中心は、近代活版印刷の原点ともいうべき、アルビオン型手引き印刷機であり、わずかに保存されていた手フート印刷機でした。 活字は近隣の旧活版印刷業者からの提供をうけながら、補充購入での再構築となりました。
職人の手仕事シリーズこの記録を、株式会社ゼネラルアサヒ(812-0064 福岡市東区松田三丁目777番地)発行の<かたりべ文庫 職人の手仕事>がまとめられ、小社もわずかばかりのお手伝いをしました。 ご関心のあるかたは下記にお問い合わせください。

【 関連情報 : 株式会社ゼネラルアサヒ
【 関連URL : かたりべ文庫サイト

──────────  既出関連情報
中島印刷01 中島印刷菊四手差し活版印刷機02 中島印刷文選植字部032011年、富山県滑川市の中島印刷所が、父祖の家業であった活版印刷業を再生させました。 代表の中島正彦さんの愛用機は <菊四判手差し活版印刷機> です。
Adana-21J は 名刺 ・ はがきの印刷で大活躍をつづけています。

【 参考情報 : [会員情報]中島印刷所 活版印刷で リ ・ スタート

【会員情報】 林 昆範さん 静かな台湾春節の祝い

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ヴィネット02号改訂版  『 中国の古典書物 』
著  者 : 林 昆範  リン-クンファン
装  本 : B5判 並製本 112頁
発  売 : 2014年06月24日
価  格 : 本体2,500円 + 税
ISBN978-4-947613-89-9
全国有力書店、オンライン ・ ブックショップでご購入できます。
小社でも直売 ・ 直送をたまわります
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動画 YouTube 林 昆範 『 中国の古典書物 』 増刷版 刊行記念講演会 筆書実演編 16 : 24

会場となった 「 東洋美術学校 」 にちなみ、「 東洋 」 を篆書 ・ 隷書 ・ 楷書 ・ 草書で書き分けています。
また後半部(07:40以降)では、右起こし縦組みの中国古典­書物 ( そしてわが国の縦書き文書 )
の基本形式となった書字法の、わかりやすい例として、竹簡による 「 簡冊 カンサク 」に、著名な唐詩 「 人面桃花 」 を隷書で書き上­げました。
これをみると、簡冊の書字に際しては右起こしの縦組みでも、墨で手が汚れることなど無かったことがよくわかりますね。 

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皆さまの親しい友人、台湾中原大学助教授 : 林 昆範さんから<春節>節日のお便りをいただきました。
林 昆範さんのご一家は優秀で、お父君は 「 中医医学博士 (漢方医学博士)」、ご本人は「 芸術学博士 」、弟さんはアメリカで学んだ 「 医学博士 」 です。

林 昆範さんは勤務地にちかい桃園県にお住まいですが、<春節>だけは別格で、ご両親の住む台北市内のご実家で、一族が寄りあつまっての <春節の祝い> だということです。
下掲写真は、旧暦正月にそなえた林 昆範さん製作の、縁起のよい < お年玉袋 > と、お父上の漢方調剤室の写真です。 
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【 関連情報 : 林 昆範氏講演 『 中国の古典書物 』 余 話
【関連情報 : 台湾の林 昆範さん 「Red Dot Award : Communication Design 2014」デザイン賞を獲得

エッ ! いまごろお正月 ?!! 恭賀新年 中国/台湾/香港/韓国のみなさまへ

恭賀新年
《 旧暦で正月を祝う東アジアの国と地域-中国 ・ 香港 ・ 台湾 ・ 韓国 》

朗文堂ブックコスミイク、タイプコスミイク、アダナ ・ プレス倶楽部には、アジアの国や地域からの@メールやご訪問がすくなからぬ数にのぼります。 それが混乱するのが、いわゆる旧正月であり、春節の時期です。

北京の印刷界の友人、朱 有福さんからいただいた、中国式のはなやかな <年賀状> をご紹介しましょう。
朱さんは、広島大学工学部大学院を修了され、工学博士号を有するかたですが、とてもおおらかで、よいかたです。

朱有福さん春節DSCN0471修復なった紫禁城(故宮)武英殿前で。 写真左から : 邢 立(Xing Li)氏、紫禁城内紫禁城図書館長 : 翁 連渓氏、やつがれ、朱 有福氏 (2013年11月)
【 関連情報 : 宋朝体活字の源流/聚珍倣宋版と倣宋体-03 倣宋体活字書風に拘泥した毛沢東

旧正月とは、旧暦のお正月のことです。
旧暦元日(旧暦01月01日。 ことしは新暦02月19日)当日を指すこともありますが、その前後から数日間の連休全体を正月と表すことも多く、それを < 春 節 > と呼んで、にぎやかに祝います。

わが国のいくぶん簡素化されたお正月とはことなり、02月18日の大晦日には爆竹が鳴りひびき、元旦からは一族一家をあげての盛大な宴会がつづきます。
つまりこの前後一ヶ月ほど、とりわけ中国では、物流や郵便物も滞りがちになりますので、注意が肝心な時期になります。

2015年は、大晦日オオミソカが02月18日、元日が02月19日になり、その前後から数日間を春節と呼んで、多くは帰郷して家族といっしょに新年を祝いますが、最近は日本各地などにも旅行でみえることが多くなったようです。

◯ 中国 : 2015年の春節
02月18日[水]-24日 [火]までの07連休
◯ 台湾 : 2015年の春節
02月18日[水]-23日[月]までの06連休
◯ 韓国 : 2015年の春節(ソルラル)
02月18日[水]-20日[金]までの03連休
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DSCN7860中国 ・ 北京の友人/清華大学 美術学院 副教授のおふたり(ご夫妻)と、そのご子息
前列右) 視覚伝達設計系学科 副教授  原 博 ( Yuan Bo ) 先生
前列左) 彫塑系学科 副教授  陳 輝 ( Chen Hui ) 先生
2015年01月11日[日] 中国の清華大学キャンパス 陳 輝研究室にて。

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< 原  博 先生からの @メール 2015年02月12日 >

ご丁寧なメールをありがとうございます。
大石さんと話すことはとてもよい勉強のチャンスになります。
中国以外の、別の国の視点から、いろんなことを考えさせられて、
新しい角度からの視点、刺激をもらうことができます

大石さんが昨年末に航空郵便で送られた今年の年賀状は、まだ届いていません、
ふつう、郵便局からの手紙とか年賀状などは、まず清華大学の受付に届いて、
それから別々に各専門科の事務室へ配られます。
一月は冬休みのときでしたので、たぶん大石さんの年賀状は
まだ清華大学の受付の机に置かれていたのかもしれません。
せっかくの年賀状ですが、わたしの新学期のプレゼントになるかもしれません。

心配はしていませんよ。 これが中国流儀ですから。

そろそろ春節になります。
中国のひとはほとんど故郷へ帰り、家族と一緒に節日を過ごします。
02月21日からの一週間、わたしも主人〈 陳 輝先生 〉 の故郷、浙江省へ帰ります。
ことしは大石さんからのたくさんの祝福を持って帰れて、楽しい帰省になります。

ブログでご紹介いただくために、主人の作品の写真を送りました。
お幸せを祈ります。
原  博   2015.2.12

会員情報/中国清華大学 美術学院/原 博先生 陳 輝先生とお会いしました。

【アダナ・プレス倶楽部】 会報誌 第27号 ( Early Spring 2015 ) 完成・配布中です。

アダナ ・ プレス倶楽部の会報誌
『 Adana Press Club NewsLetter   Vol. 27』 ( Early Spring  2015 )を
刊行し、会員の皆さまへ配布中です。
会報誌27表紙
『 Adana Press Club NewsLetter  Vol. 27』 (Early Spring 2015)
表紙使用活字 : 30pt.  ギャラモン ・ イタリック
             24pt.  花形活字 各種

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 主な内容(目次) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・ イベント情報   第18回活版ルネサンスフェア 開催のお知らせ
・ 研究報告     『 タイポグラフィ学会誌  07 』
                             江川次之進の事績と江川活版製造所の変遷
・ 豆知識27       活版印刷 人物伝 ③ 《 15世紀 》
・ 活版まんが19  活版第一たいそうの巻
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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なお、毎号バックナンバーの在庫がございませんため、
会報誌の配布はお申込みの次号からとなります。ご了承ください。

【会員情報】 中国清華大学 美術学院/原 博先生 陳 輝先生とお会いしました。

中国 ・ 北京の友人/清華大学 美術学院 視覚伝達設計系学科 副教授  原 博 ( Yuan Bo ) 先生と、そのご主人であり、同大学 美術学院彫塑系学科 副教授  陳 輝 ( Chen Hui ) の両先生と、2015年01月11日[日]に中国の清華大学のキャンパスでお会いした。
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  北京市内中央部の古書籍と、北京淸華大学キャンパスをあるく 原 博先生の写真から。

まだ正月気分ののこる東京をあとにして、01月09日[金]早朝のフライトで北京にでかけた。
金曜 ・ 土曜と北京郊外を駆けまわり、夜遅くまで商談をかさねた。
01月11日[日]は北京もさすがに休日。

市内中央部にある古書籍で、原 博先生と待ちあわせ。 そこに友人の邢 立シンーリ 老師が飄飄と登場して、 < 毛 沢 東 > のシグネチュアの初号角電鋳法活字母型をカバンからとりだし、ここで採寸と撮影。
自慢ばなしは聞いていたし、<毛沢東特別版図書>の紙型と図書の撮影はすでにおわっていた。 活字母型はやはり初号角サイズの活字母型であった。
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そののち、故宮博物院西華門脇の<沢園酒家>まで車で送っていただいた。 ここで邢 立 老師は、「 きょうは家庭サービス 」 ということで華麗に退去。
< 沢園酒家 > で、晩年の毛沢東の読書風景を描いた具象絵画を撮影した。  ここまではすでにお知らせした。
【アダナ・プレス倶楽部ニュース : 北京の友人 邢  立 さんの愛蔵品紹介 <毛主席特別版図書><毛 沢 東 初号角活字母型>

《 北京の友人-原 博先生 》
DSCN0784   2013年12月、北京王府井 ワンフーチン の茶館にて。中央小柄なかたが原 博先生。

【 活版アラカルト :
中国の友人/年賀状の交換を巡って 原 博 さんの〈夢〉&北京点描 

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朗文堂を訪問された 清華大学 美術学院の副教授 原 博 先生(ショートヘアのかた)
上) 原 博先生のデジカメ(セルフタイマー)で撮影。 下) やつがれ撮影(めずらしく撮れた)。

このように、原 博先生とは、2013年12月、翌年01月18日と、北京でお会いした。
その後2014年08月08日、朗文堂をご訪問されて、旧懐をあたためた。
【 アダナ ・ プレス倶楽部ニュース : 会員情報  中国の友人、原 博さんがご来社に!

《 原 博先生、陳 輝先生のご案内で 淸華大学キャンパスを探索 》
2015年01月11日[日]、北京市西郊、海淀区にある 北京淸華大学 美術学院棟 を訪問した。
ちょうど日曜日とあって、遊びにきていたご子息ともども、陳 輝先生の個人研究所で、まずは昨今の中国式に記念写真。
お若くみえた原 博先生に、こんなおおきなご子息がいらしたことに驚いた。 ちなみに中国では古来、夫婦別姓で、子供は男女ともに父方の姓を継承することがおおい。

ついで原 博先生の個人研究所を経て、同先生が整備しつつある、仮称<活版印刷実験室>を、天井がたかく、きわめてひろい現場で、はじめでみることになった。
教育施設へのこうした機器の供給態勢は、アダナ ・ プレス倶楽部の得意とするところであり、原先生と大石は、ときのたつのも忘れて意見交換を重ねていた。

DSCN7860 DSCN7861ひといき入れたあと、北京清華大学の宏大なキャンパスの各所にある、陳 輝先生の彫刻作品をみる目的で、美術学院棟を 15 : 30 に出発。【 陳 輝先生 作品画像集

あまりに宏大なキャンパスで、やつがれすっかりグロッキー。 いつも肩にしているショルダー ・ バックは、いつの間にか大石が担っていた。
「 まだキャンパスの半分もみていませんよ 」  ということだったが、美術学院棟に戻ったときは、すでに冬の陽はどっぷりくれて 18 : 00 を過ぎていた。
DSCN7866
DSCN7869 DSCN7868 DSCN7871 DSCN7874 DSCN7872 DSCN7877 DSCN7882 DSCN7886 DSCN7908 DSCN7909 DSCN7903 DSCN7904 DSCN7925 DSCN7921 DSCN7922 DSCN7931もともと、この  淸華大学 の宏大な地域は、清代の皇族の舘跡だったものを、1911年(明治44年)に設立された清華学堂を起源とするらしい。
わが国では、総合大学ほど、キャンパスがあちこちに分散していることが多いが、清華大学は、この宏大なキャンパスにほとんどの学部 ・ 学科が集中していた。 キャンパス内の循環バスもあるが、学生のおおくは清華大学では必須とされる自転車で移動していた。
DSCN7870 DSCN7880上掲写真上は、清華園の旧正門で、下は清華大学大礼堂(ホール)である。
このあたり一帯は、オールドキャンパスとして保存対象となっており、なかなか風情のあるたたずまいであった。
DSCN7897キャンパス巡りの中途で、奇妙な枝ぶりの樹木をみつけた。 原 博先生かきしるして いわく、
「 その樹は、龍の爪のエンジュで、中国ではこう書きます 」。

―― < 龍爪槐 > !

ここから、頭がいっぱいになって、ただでさえおそい歩みが、凍りついたようにこわばり、すべてが疲労となっておそってきた。
ふるく、中国周王朝(前1100ころ-前256)の時代、三公の位をあらわす高貴な樹木とされたのが < 龍爪槐 > である。
周代にあっての三公とは、太師 ・ 太傅タイフ ・ 太保 をいい、総称として 「 三槐 サンカイ 」 とされた。
その紹介には別項を得たい。

朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部 小型活版印刷機<Salama-21A」>と、活版印刷術、タイポグラフィのルネサンスへの道

プリント活版印刷のさらなる普及をめざして
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モノみな値上がりするこの時代
朗文堂/アダナ ・ プレス倶楽部では
活版印刷のさらなる普及をめざして

Adana-21J の設計 ・ 製造での
創意と工夫、精度と耐久性を維持しながら

アダナ式小型卓上活版印刷機 Salama-21A の
お求め易い、大胆な低価格を実現しました。
名称未設定-4 名称未設定-4【 プリント用 PDF  new Salama-21A_01  new Salama-21A_02 】
上掲フライヤー A4判 4/4色を進呈いたします。ご遠慮なくおもうしでください。

プリント《 水の精霊 ・ サラマンダーと、新機種 Salama-21A の命名の由来 》
グーテンベルクが西洋式活版印刷術を開発した中世ヨーロッパのひとびとは、のちに社会を揺るがすことになるその偉大な印刷術を、畏怖の念をいだいて 「 Black  Art (黒い魔術)」と呼んでいました。
その西洋式活版印刷術が大成されるためには、加圧式印刷機の製造とともに、活字合金の配合と、活字鋳造技術の確立が不可欠でした。 そしてそれは、永いあいだ培われてきた錬金術の賜物でもありました。

錬金術士や金属精錬所では、「 火 」 の精霊であり、「 不屈の精神 」 や 「 再生 」の象徴である 「 サラマンダー ・ Salamander  ・ 火喰い蜥蜴 トカゲ」 を畏怖し、あがめていました。
また、「 活字鋳造 」 や、「 再生 」 の象徴でもある 「 サラマンダー 」 は、「 活版印刷ルネサンス 」 をスローガンに活動をつづけてきたアダナ ・ プレス倶楽部にとっては、もっともふさわしいモチーフでした。

sala22630 sala22657 sala22663 sala22651Salama図面      寸法 / 天地 475mm,  左右 376mm,  奥行最大 563mm  重量 /19.3kg

黒いボディのアダナ式 ( 蝶つがい式プラテン型 ) 小型活版印刷機 < Salama-21A > では、その 「 ブラック ・ サラマンダー」 のような容貌から、サラマンダーの耐火伝説の由来となった 「 メキシコサラマンダー 」 の異名をもつ、愛らしい 通称 ウーパールーパーをイメージ ・ キャラクターに採用しました。
また、「 水のなかで棲息する 火の精霊 サラマンダー」 にちなんで、それと対をなす 「 水の精霊 ・ オンディーヌ 」 の名を冠した、欧文活字書体 「 Ondine 」 ( Doberny & Peignot, Paris, Adrian Furutiger, 1954  ) をタイトルデザイン活字書体に採用しました。

《 小型活版印刷機 Salama-21A の製造 ・ 販売を開始いたします 》
「 Adana-
21J 」 の開発 ・ 設計 ・ 製造販売から 8 年余が経過しました。 アダナ ・ プレス倶楽部ではその間、わが国の活版印刷関連機器製造ラインの存続 ・ 継続のために、できるかぎり国産での活版印刷機器の製造にこだわってまいりました。

2006年にアダナ ・ プレス倶楽部が発足したころは、インターネットで 「 活版印刷 」 と検索しても、検索できる情報はきわめて些細な状況でした。 しかしいまや 「 活版 」 「 活版印刷 」 「 活版印刷機 」 での検索結果は、膨大な数にのぼります。
これはアダナ ・ プレス倶楽部の活版印刷普及活動と、アダナ ・ プレス倶楽部会員の皆さまの地道な活動が、わずかながらもその一端を担い、功を奏した結果であるともいささか自負しております。

ところが資材のいちじるしい高騰とあわせて、印刷関連器機の製造現場がおおきく変貌し、大量一括生産、あるいは豪華一点生産への二極化がめだち、細部にわたって分業が主流となったわが国の 「 ものづくりの現場 」 では、高精度で、小ロットの小型活版印刷機を、現在の価格で供給することが難しくなってまいりました。
アダナ新コラムhanaikada_color
《 豊富で多様な情報をご提供。新コーナー 【 活版アラカルト 】 のコーナーもございます 》 
アダナ ・ プレス倶楽部の WebSite には、ブログロール 【 活版 à la carte 活版アラカルト 】 がございます。
このコーナーは、これまでは 「 コラム 」 と題して、文章を中心に記録してまいりましたが、画像を増やし、「 活版印刷と タイポグラフィの 気軽なひとしな 」 を記録しております。 またこのコーナーは写真をクリックすると 「 スライド ・ ショー 」 が楽しめます。

《 アダナ ・ プレス倶楽部会員の皆さまの 情報 をご紹介いたします 》
 うれしいことに、アダナ ・ プレス倶楽部の会員の皆さま、活版実践者の数はどんどん増加しています。
新コーナー 【 活版アラカルト à la carte 】 では、 「 活版印刷と タイポグラフィの 気軽なひとしな 」 として、アダナ ・ プレス倶楽部会員の皆さまの活動、新製品紹介、イベント紹介などもご紹介させていただきます。
もちろんこの【 活版アラカルト 】 コーナーは、会員の皆さまにはひろく開放されており、展覧会案内、イベント告知、新作紹介の場として、積極的なご利用をお待ちしております。

ご覧いただいておわかりのように、軽便なブログロールですし、製作管理者も IT 関連にはつよくありません。 したがって情報の提供はできるかぎり デジタル ・ データとし、画像は JPG データでいただけると幸いです。
タイポグラフィ ・ ブログロール 【 朗文堂  花筏 】 ともども、【 活版アラカルト à la carte 】 での「 活版印刷と タイポグラフィの 気軽なひとしな 」 のご愛読と、積極的なご参加をお待ち申しあげます。

活版カレッジDSCN1834uuDSCN3831DSCN7297
活版ルネサンスWeb
DSCN4062DSCN4048 DSCN4054アダナ ・ プレス倶楽部発足時の段階では、おもに欧米で活版印刷が見直される傾向はあったものの、活版印刷機そのものの新規製造は、世界中どこでもおこなわれていない状態でした。

そのため、アダナ ・ プレス倶楽部では 「 21世紀に入って 唯一の、新規設計 ・ 製造の活版印刷機 」 である、国産の 「 Adana-21J 」 を開発し、設計 ・ 製造 ・ 販売をおこなってまいりました。
うれしいことにこの 8 年の間に、世界的にも活版印刷がさらに見直され、ようやく海外工場での OEM 生産方式による製造体制が整いました。

そこで、アダナ・プレス倶楽部では、さらなる活版印刷の普及をめざして、しばらくのあいだ、国産活版印刷機 「 Adana-21J 」 は、なによりも大切な 設計図と鋳型 を保存しつつ、製造 ・ 販売は中断して、よりお求め易い価格でのご提供が可能な、新機種 <Salama-21A>  の製造 ・ 販売を 2014年04月 より開始することになりました。

新機種 < Salama-21A > は、「 Adana-21J 」 の開発における、サイドゲージ、アンダーバー、無給油ブッシュ、レインボー印刷機能 の採用をはじめとする、さまざまな創意と工夫、精度と耐久性を維持しております。
アダナ式小型卓上活版印刷機のさらなる高性能と低価格を実現した < Salama-21A >を、皆さまどうぞご愛顧たまわりますようお願いもうしあげます。
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《 Adana-21J  ユーザーの皆さまへ》
「 Adna-21J 」 新規製造 ・ 販売は一旦お休みとさせていただきますが、ひきつづきサポートは行なってまいりますので、どうかご安心ください。
また < Salama-21A > の、インキ ディスク、チェース、インキ ローラー、コロ、アンダーバー、紙押さえなどの主要部品は 「 Adana-21J 」 の設計を継承しており、当然互換性がございます。

またこれらの主要部品も、以前よりお求め安い価格でのご提供が可能となりましたので、「 Adana-21J 」 ユーザーの皆さまも、作業性の一層の向上にむけて、これを機会にぜひとも部品の補充をご検討ください。

プリント活版印刷はもはや、アンティークではありません。
これからも、活字よ、活版印刷よ、

サラマンダーのごとく
永遠に――  
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朗文堂 / アダナ・プレス倶楽部

【講演会の報告】 日本女子大学VOD講座 教養特別講座 2  タイポグラフィに関わる仕事と私事-活版ルネサンスと造形活動- 大石 薫

日本女子大学_講義 1日本女子大学生涯学習センター
日本女子大学VOD講座 教養特別講義 2
大石02

 ◯ タイトル
   タイポグラフィに関わる仕事と私事
    ~活版ルネサンスと造形活動~
◯ 講  師
   朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部  大 石  薫
◯ 実施日
2014年12月04日[木]、11日[木]

講演会使用画像集  PDF 】


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アダナ ・ プレス倶楽部 : 大石 薫が、日本女子大学にお招きいただき、現役学生を対象に、500名ずつ、90分、二回にわたる講演を実施しました。
その動画による全記録が、<日本女子大学生涯学習センター 日本女子大学VOD講座 教養特別講義 2 > に掲載されました。

この動画コーナーは、同大学生のみなさんと、卒業生などの校友を対象としたもので、一般の閲覧にはログインが必要ですが、さほど面倒な手続きではなく登録できます。
大石本人は、テレているのか紹介に積極的ではありませんが、同大学ではこうした講演内容を、充実した講演記録として、シリーズ化した冊子での刊行もおこなっており、この冊子型の講演記録も間もなく完成のようです。
成瀬記念講堂
講演会場となった日本女子大学創立者 ・ 初代学長/成瀬仁一氏を記念する 「 成瀬記念講堂 」 は、アール ・ デコ の建築様式なのでしょうか……、 風情のある、おおきな会場だったようです。
このひろい会場に、二階席までいっっぱいの女子大生が勢揃いするとなると……、チトおそろしくもなります。  ですから今回は、大石がひとりで Salama-21A をかかえて会場に乗りこみ、小社社員はほかのたれも会場をみておりません。

また情報管理も慎重で、会場に学生がいっぱいの写真は撮影できなかったようです。
以下の簡便な写真から、会場のふんいきだけでもご覧いただき、ご関心のあるかたは、ログインして、<日本女子大学生涯学習センター 日本女子大学VOD講座 教養特別講義 2 >をご笑覧ください。 
またこの講演会に使用した画像の一部は、以下のURLからもご覧いただけます。
講演会使用画像集  PDF 】
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【特別展】 紙幣と官報 2 つの書体とその世界/お札と切手の博物館

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特別展示

平成26年度 第 2 回特別展
紙幣と官報 2 つの書体とその世界

書体とは文字の姿のことです。
活字印刷技術の誕生以来、これまでに多くの書体が生み出されてきました。
印刷局でも、独自の書体をつくっています。
印刷局の独自書体
は 2 種類あり、ひとつはかつて活版印刷物用として開発され、官報に用いられたもの、もうひとつはお札などの偽造防止対策が必要な印刷物用につくられたものです。
本展は、これらの書体が、官報が法令を伝えるために、あるいは、お札がお金としての信頼を得るためにどのような役割を担ったのか、その誕生背景などから探ります。

◯ 開 催  日
平成26年12月16日[火]-平成27年03月08日[日]
◯ 
開催時間
09 : 30 -17 : 00
◯ 
休 館  日
月曜日 ( 祝日の場合は翌平日 )
◯ 
開催場所
お札と切手の博物館 2 階展示室
◯ 
入 場  料
無  料

【 展示詳細 : お札と切手の博物館 特別展示
【 展示詳細 : お札と切手の博物館 特別展示 見どころ解説

【アダナ ・ プレス倶楽部 会員情報】 活版印刷と手製本でつづる Bonami の絵本展

 Bonami_01 Bonami_02

Bonami
< ボナミ について >
杉山聡 三木葉苗 三木咲良さん のトリオ。
神奈川県の小さな港町、真鶴のアトリエで
手製本、活版印刷などを用いた本や紙のものを制作しています。
Bon ami ( ボナミ ) はフランス語で 「 なかよし ・ 良き友だち 」 の意味。
私たち 3 人は、はじめて出会ったその瞬間から仲良しになりました。
そのことが、私たちの人生でいちばんの彩りです。
浮き沈む日々も、ただ、こう言います。 「 私たちは Bonami ( なかよし ) です。」
──────────
いつも、どこか、なにか、いい感じの Bonami のトリオです。
2015年02月02日[月]-03月31日[火]のあいだの水曜日だけ、
NPO 法人 地域作業所 ピープル ・ ファクトリーにおいて
『 活版印刷と手製本でつづる Bonami の絵本展 』 が開催されます。
開廊日と在廊日に注意して、藤沢までお出かけになりませんか。

【 企画詳細 : アトリエ ボナミ 】 

【会員からの情報】 英字紙 The Guardian は古代都市ヘルクラネウムから発掘されたパピルス紙から、一部の文書抽出に成功したと報告。

イギリスの新聞 < ガーディアン The Guardian > は、2015年01月20日に、ベスビオ火山の噴火によって、ポンペイとともに分厚い火山灰におおわれ、埋没していた、古代都市ヘラクラネウムから発掘された 「 パピルス上の文書 」 の一部の解読に成功したと報道した。
その情報を会員の I 氏から提供いただきましたので紹介いたします。
ヘラクラネウム01The charred remains of the rolled papyrus scroll from Herculaneum. Photograph: E Brun
ヘラクラネウム02

イタリア西南部、ナポリにちかいまちが ヘルクラネウム である。
この忘れられていた古代都市「 ヘルクラネウム  Herculaneum 」 は、ポンペイとおなじく、西暦79年の 「 ベスビオ火山 Mount Vesuvius 」 の噴火で、300度を超える熱風におそわれ、さらに20メートルをこえる火砕流 ・ 土石流と、降りつもった火山灰におおわれ、ながらくその存在すら明らかではなかった。

ヘルクラネウムはその後、1709年に井戸掘り職人によってを偶然発見されるまで、1600年以上ほぼそのままの姿で地中に眠っていた。
この発見以来発掘作業が進められており、ポンペイより規模はちいさいものの、より豊かなひとびとが居住していたことがあきらかになりつつある。
この発掘作業は、積み重なった火山性凝灰岩を取りのぞきながら現在も進行中であるが、数百巻におよぶパピルス(古代の紙の一種)製の巻子本の一種が発見されている。

これらの巻子本はすっかり炭化しており、解読は不可能とされてきたが、「 ビトー ・ モセッラ Vito Mocella 氏 」 らは、1802年に贈り物として 「 ナポレオン ・ ボナパルト Napoleon Bonaparte 」 に献上され、現在は 「 フランス学士院 Institute of France 」 が所蔵する炭化した巻子本を、最新のレントゲン撮影術を駆使して、広げないまま断層的に撮影し、そこからいくつかのギリシャ文字の抽出に成功した。

今後さらに解読が進むことによって、、伝統的な文学の最も重要な発見が出現するかもしれない。
ことばでは簡単そうだが、印刷された図書を読むのとは違って解読は大変そうである。 全部解読するのに何年かかるのだろう。

【 この記事に関連する外部のサイト 】
◯ https://soundcloud.com/bbc-world-service/2000-years-old-herculaneum-scrolls-are-greek

【会員情報】 台湾の林 昆範さん、「Red Dot Award : Communication Design 2014」デザイン賞を獲得。

台湾の中原大学文化創意研究センター ( 林 昆範老師 ) が、2014年春のふたつの iF デザイン賞に続き、同年の秋に 「 Red Dot Award : Communication Design 2014 」 デザイン賞を獲得されました。
20100205koenkai-omote過去の講演会の記録 : 林 昆範 宋朝体と明朝体 書写系と彫刻系書体の相剋

この研究は、中国桂林にある観光企業との産学協同による成果で、中国西南地方の民族衣装に用いられた「お守り」のような伝統紋様からヒントを得て、観光地のブランドイメージにも利用されています。
【 関連情報 : 花筏 皆さまの友人、台湾の林 昆範さんが Red Dot 賞を獲得されました

ところで、台湾では伝統的に旧暦で新年を祝います。 わが国でいうところの旧正月です。
台湾での2015年の春節は02月19日。大みそかに当たる02月18日から数えて06連休となります。
なお、2016年以降の旧暦元旦は次のとおりです。
2016年02月08日、2017年01月28日、2018年02月16日。
意外に面倒なものですね。さらに厄介なのは、おなじ旧暦といいながら、中国と台湾では休日の設定などが微妙にずれており、さらに困惑をまねきます。

下掲写真は、旧暦正月にそなえた、林 昆範さん製作の、縁起のよい < お年玉袋 > です。 
列印中国における少数民族とは、中華人民共和国 ( 以下中国 ) 政府が規定した、国民の 92% を占める漢民族 ( 漢族 ) 以外の少数民族政策による分類における「少数民族」のことです。

中国政府は、民族区域自治という少数民族政策を取っています。 国民を漢民族と55の 「 少数民族 」 とに区分し、その民族ごとに、集住地域を 「 区域自治 」 の領域として指定しました。
そこでは 「 民族の文字 ・ 言語を使用する権利 」、「 一定の財産の管理権 」、「 一定規模の警察 ・ 民兵部隊の組織権 」、「 区域内で通用する単行法令の制定権 」 などをおこなうことを認めています。

林 昆範さんの研究手法は、徹底した現地調査を基盤として、その文化の根源をさぐることにあります。 中国の少数民族は、比較的僻遠の地に居住していることが多く、現地調査には困難も多いようです。
今回は、下掲図左から、
01) ヤオ族-瑶族  02) ミャオ族-苗族  03) トン族-佝族  04) チワン族-壮族 です。

【 参考資料 : ウィキペディア 中国の少数民族

列印 02_The Stories of Ornaments 列印

北京の友人:邢 立 さんの愛蔵品紹介 <毛主席特別版図書><毛 沢 東 初号角活字母型>

DSCN0487 DSCN0476 DSCN0477 DSCN0471修復なった紫禁城(故宮)武英殿前で。 写真左から : 邢 立(Xing Li)氏、故宮博物院内 紫禁城図書館 館長 : 翁 連渓氏、やつがれ、朱 有福氏 (2013年11月)
プリント故宮博物院 ( 旧紫禁城 ) 概念図。
武英殿聚珍版でしられる 「 武英殿 」 は、天安門、端門をすぎ、紫禁城正門にあたる午門から入場してまもなく、左手にある。 ここ 「 武英殿 」 はながらく工事中で立ち入り禁止地区であったが、2010年に修復工事をおえて一般公開された。

武英殿とは、かつては官人(宮廷官僚)がつめた堂宇であり、いかに外朝 ガイチョウ とはいえ、紫禁城内の堂宇で刻版や印刷の作業がなされたわけではない。 当然ながら刻版や印刷の作業場は城外にあった。
その東側、武英殿と東西に
正対する位置にある 「 文華殿 ・ 文淵閣 」 は宮廷図書館であるが、蔵書はすべて台湾故宮博物院に持ち去られ、この一帯はながらく復元工事中である。

南の午門と、北の神武門は、皇族かきわめて限定された高級官僚しか利用できず、一般官僚は東西の 「 東華門 」、「 西華門 」 を利用した。
現在の故宮博物院は、観光客が激増したため、北京オリンピックのころからは一方通行である。 すなわち南の午門で入場料を支払い、北の神武門から出る一方通行となっていて、逆行はできない。 東西の 「 東華門 」、「 西華門 」 は関係者だけの利用に限定されている。
以下に述べる沢園酒家 ( 泽园酒家 ) は、「 西華門 」を出て、筒子河(堀)をわたって、すぐ左側 ( 南 ) にある。

DSCN7776 DSCN7780DSCN7799 DSCN7846 DSCN7804いくつかの用件があって、2015年正月早早、01月09日-12日にかけて北京を訪問しました。
中国でも新暦正月元旦は01月01日(新暦)で一日だけの休日となりますが、ことしは休暇を01日[木]-02日[金]の02日間としたために、04日[日]は振り替え出勤日となっていました。

中国でのお正月、「 春節 」 は、むしろ旧暦で祝い、困ったことに毎年すこしずつずれています。 2015年は02月18日が大晦日で、18日[水]-24日[火]までの07連休となります。 いくつかの企業では 02月18日[水]-03月01日[日]までの12日間を特別休暇としています。
ともかく 「 春節 」 の前後一ヶ月ほどは、いかに勤勉な中国人といえども特別で、物流も滞りがちになり、注意が必要な時期となります。

その期間を避けてのあわただしい中国訪問でしたが、11日[日]だけを休日として、沢園酒家 ( 泽园酒家 北京市西城区南長街20号 ) を再度訪れました。
沢園酒家は紫禁城西華門からすぐちかく、政府要人が執務 ・ 居住 ( 一般人は立ち入り禁止 ) する 「 中南海 」 に面した、中国湖南省料理を中心としたちいさなレストランです。
ここで一昨年、2013年の訪中時に、紫禁城図書館長 : 翁 連渓氏に昼食をご馳走になりました。

DSCN7850沢園酒家は、毛 沢東 ( Mao Zedong  1893-1976 ) のもとで、長年料理長をつとめたオーナーが開いたちいさな店ですが、故郷の湖南省料理が懐かしかったのか、しばしば毛沢東が訪れ、二階の個室では外国の要人とも会食していたことで知られています。 

この店の二階には個室が04室ありますが、その壁面は毛沢東の写真で埋めつくされています。 そのひとつに油絵があり、晩年になっても読書欲の衰えがなかった毛沢東が、病床で読書をしている姿が描かれていました。
前回は撮りそこなったその絵画の写真を撮りたくて、中国の知人に個室を予約していただき、駆けつけた次第です。

晩年の毛沢東は、好悪をはっきり表明するようになり、図書に関しても、活字書体、組版様式 ( 誌面設計 )、紙質、製本にまで厳格な要求が多かったようです。  その状況の一端を知ることができるのがこの絵 画でした。
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そんな1970年代初頭の、いわば < 毛主席特別版図書 > とその関連資料を積極的に収集されているのが友人の邢 立 ( Xing Li ) さんです。

いずれ邢 立さんのご協力を得て、その周辺の情報もお知らせしますが、今回は、劣悪な写真で恐縮ですが、邢 立さん愛蔵の < 毛主席特別版図書 > のほんの一部と、行草書風のシグネチュア < 毛 沢 東 > の初号角 ( 42pt. ) の活字母型 ( 電鋳法 ) だけをご紹介いたします。
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【 関連情報 : 花筏 宋朝体活字の源流:聚珍倣宋版と倣宋体-01  2014年04月23日 】

【アダナ・プレス倶楽部】 ご報告が遅くなりました。 SALAMA が商標登録されました。

20140718145521337_0001 《 ご報告がおそくなりました。 小型活版印刷機 SALAMA が登録商標となりました 》
昨2014年(平成26)02月20日に出願しておりました < SALAMA > の名称が、同年07月04日に特許庁より登録商標として認可されました。
もとより、朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部では、ユーザーの皆さまには < SALAMA > の名称を今後ともご自由にお使いいただきますし、現在製造 ・ 販売中の < Salama-21A > を、「サラマ」、「サラマちゃん」、「サラマくん」とでもご自由にお呼びいただき、ご愛用いただきたいと存じます。

朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部では、これからもより一層 < Salama-21A > の安定供給をはかり、周辺機器、関連資材の持続的な供給をふくめ、活版ルネサンスの実現のために精進いたします。 また将来の可能性としては、< Salama-21A > の兄弟姉妹機なども開発したく、日日技術陣との研究と協議をかさねてまいります。

《 なぜ Adana-21J を商標登録しなかったのか 》
アダナ型印刷機は 1922 年、イギリスの Donald A. Aspinall によって考案された、木製の素朴なセルフインキング印刷機を発祥とします。 また「 ADANA 」の社名と機械名称は、考案者 Donald A. Aspinall の頭文字をとってアナグラムとしたものとされています。
わが国には1960年代中葉から、旧株式会社晃文堂を通じて輸入・ 販売されていました。
ところが主力機 ADANA8×5 の主要駆体の鋳型にゆがみがみられるなどと老朽化し、また活版印刷全体の衰勢がみられた1980年代後半に、アダナ社は鋳型を売却して閉鎖されました。

2007年の朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部の発足に際しては、小型活版印刷機の新規購入の需要の高まりに応えるために、セルフインキング式アダナ型小型活版印刷機の歴史を踏まえ、法律の専門家に依頼して、先行企業による、特許 ・ 工業意匠権 ・ 商標権などの消滅を確認し、国産活版印刷機の設計 ・ 製造 ・ 販売に着手しました。

同時に斯界の権威、牛木理一弁理士を通じて < アダナ  Adana > の登録商標の申請をしました。
特許庁からの回答は意外なものでした。

すなわち、アダナ ( Adana ) はトルコ中南部の都市であり、アダナ県の県都。 トルコで 4 番目に大きな都市でもある。 こういう著名な都市名を商標に登録することはできない ―― とするものでした。
【 参考資料 : ウィキペディア アダナ(Adana)

即刻異議申し立てをおこない、印刷関連機器名での限定使用であり、1970年代にはこの名称を商標とした企業があったことなどを列挙しましたが、裁定はくつがえりませんでした。 1960-70年代ならともかく、近年では検索が容易になり、こうした都市-わが国でいえば、人口04番目の都市は名古屋であり、トルコのアダナ市は人口113万人ほどであり、それは広島市や仙台市にちかい存在になります。
したがってこれ以上の異議申し立てには無理があり、それだけに印刷機の名称に<アダナ>の使用はさし支えないという説明をうけました。

こんな経緯があり、また牛木弁理士の指導もあって、小型活版印刷機の考案者 Donald A. Aspinall 氏へのオマージュ ( 敬意と尊敬 ) のこころをもって、アダナ ・ プレス倶楽部、 Adana-21J の部門名と、商品名をもちいることとなりました。
ご理解いただけましたでしょうか。
朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部では、こんごとも誇りをもって、部門名としてのアダナ ・ プレス倶楽部の名称を使用いたします。

【 参考資料 : アダナ ・ プレス倶楽部  Adana-21J のご紹介

朗文堂 アダナ・プレス倶楽部 2015年の年賀状

2015年賀状絵柄面 2015年賀状宛名面朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部の年賀状は、例年、数ある欧文活字を時代性によっていくつかのカテゴリーにわけ、それを歴史順に一書体ずつ選択して製作してきました。

これまでの年賀状では、ブラック ・ レター、ヴェネチアン ・ ローマン、オールド ・ ローマン、トランジショナル ・ ローマン、モダン ・ ローマン、クラレンドンを経て、昨年からはサンセリフのカテゴリーに入りました。
昨年は 「 グロテスク ・ サンセリフ 」 の 「 フランクリン ・ ゴシック 」 を使用しましたが、今年は 「 ネオ ・ グロテスク 」 の 「 ヘルベチカ 」 の登場です。
今年の年賀状の活字は 絵柄面に 24pt. と 18pt. のヘルベチカ、二号と三号のゴシック体の和文活字を使用しました。
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これまでは毎年、書体の歴史順に、さまざまな欧文活字書体を順繰りに愉しく使用してきましたが、サンセリフのカテゴリーに入った途端に、正直なところあまりおもしろさがなくなってきました。
ちょうど 『 いきなり黄金伝説 』 というテレビ番組の 「 ◯ ◯ のメニューを全部食べつくす 」 という企画で、「 デザート 」 のジャンルに突入した状況といえば、おわかりいただけますでしょうか。

一点一点は美味しいデザートでも、甘いものが何点も続くと食傷気味となってしまう、あの感じに近いものがあります。
しかし、サンセリフのカテゴリーには、まだ 「 ジオメトリック ・ サンセリフ 」 と 「 ヒューマニスティック ・ サンセリフ 」 のジャンルも残っています。 パフェとチーズケーキの後に、まだホットケーキとお汁粉が待っている有様のようです……。

さて、『 いきなり黄金伝説 』 といえば、よゐこの濱口氏の 「 捕ったど~!」 の雄叫びがこだまする 「 無人島生活 」 も人気のテレビ企画です。
このコーナーにおいて、濱口氏と有野氏が、お米の代わりに、小麦粉を練った物を、ちいさくちぎり、丸めて、米粒状にする作業を夜通しおこなう 「 チネリ米 」 をつくるのも番組の恒例となっています。
中国の北部では、この 「 チネリ米 」 が盛んにおこなわれていることを近年知りました。

中国南部、おおむね淮河ワイガ、揚子江(長江)あたりより南の地方は、温暖な気候でお米が採れますが、北部は寒冷な気候でお米が採れないために、主食はお米ではなく、小麦粉が中心となります。
そのため、淮河や黄河より北の地方では、小麦粉をもちいた麺や餃子や饅頭(マントウ)などが発達しており、「 チネリ米 」 のようなパスタ状の食品も存在します。

この中国のチネリ米は、本来は家族や仲間が食卓に集まって、前菜を食べながら、にぎやかに会話をしながら、ワイワイと愉しくチネッて作るものだそうです。
最近は時間や労力を惜しんで、飲食店であらかじめ準備されたものが出されることも多くなっていて、西安で羊肉が入った麺料理の店に入ったとき、店の従業員と家族が、お客さんに出すための 「 チネリ米 」 を総出でチネッている光景を見て微笑ましくなりました。

下掲の写真は、今年の01月10日に、中国北京の陝西省 ・ 西安料理のお店に入ったときに食べた 「 羊肉泡馍 」 という料理で、羊の肉とチネリ米が入っています。 安史の乱―― 唐の玄宗の末年755-63年に起こった叛乱で、安禄山父子・史思明父子が中心。叛乱の鎮圧後に各地に強大な権限をもった節度使がおかれ、それが軍閥化するなどして唐は衰退に向かった ―― にまつわる料理だそうです。
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写真上) さまざまな前菜のあとに、メインの「羊肉泡馍」。チネッた小麦粉と、羊肉が中心で、付けあわせに豆板醤、ニンニクの酢漬け、青菜などが登場します。
写真下) 陝西省料理ですので、北京市民にわかりやすく「羊肉泡馍」の特徴を解説したパネル。

2015年アダナ・プレス倶楽部の年賀状の絵柄面には、
子 曰 過 猶 不 及 ―― 『論語』先進篇
Less is more, More is Less ―― ミース・ファンダー・ローエ
のよく似たことばを組版しました。つまりなにごとも「過ぎたるは及ばざるが如し」です。
しかしながら、決して 「 引き算のデザイン 」 を賛美するわけではありません。「 侘 ・ 寂 」 といえば聞こえが良いですが、近年のわが国のデザインは、すこし 「 引き算 」 ばかりに偏り過ぎてきたように思います。 「 引き算 」 のデザインも 「 過ぎたるは及ばざるが如し 」 です。

「 引き算のデザイン 」 と 「 足し算のデザイン 」 双方のバランスが俯瞰できてこそ、いまだ 「 1920年代モダン 」 の影響が色濃いわが国のデザインが、幼いモダニズムから脱却し、デザインの未来への扉を開く力となることでしょう。
そのようなことを考えながら、20世紀モダンの落とし子たるサンセリフ群と格闘する日日がまだまだ続きそうです……。[ 大石 wrote ]