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2012 武蔵野美術大学 助手展2012 開催されました。

 

助手展 2012 武蔵野美術大学助手研究発表
The Research Associate Exhibition 2012

助手展 2012 武蔵野美術大学助手研究発表

会 期| 第1期:2012年11月26日[月]-12月08日[土]
       第2期:2012年12月10日[月]-12月22日[土]
会 場| 武蔵野美術大学 美術館 展示室1、2
Web site|http://musabi.ac.jp/ra/2012/
主 催| 武蔵野美術大学 美術館・図書館
企 画| 助手展2012運営委員会

武蔵野美術大学の各研究室に所属する助手の皆さんによる、作品と研究成果の展覧会です。美術、デザイン全般にわたる作品と研究成果が、同大学美術館展示室で、2 期にわけて発表されました。
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武蔵野美術大学《助手展2012  第 2 期》に「504ポイントのコンポジション」のテーマで参加された日吉洋人ヒロトさん(基礎デザイン学科助手、アダナ・プレス倶楽部会員、活版カレッジ修了)から、同展の情報と、データーの提供をいただきました。

日吉さんは、武蔵野美術大学基礎デザイン学科助手としての勤務のかたわら、活字版印刷にこだわって、21世紀、あるいは平成の時代になってから、わが国はじめての「活字鋳造工・活字組版工見習い」として研鑽をつづけているかたです。

また、武蔵野美術大学基礎デザイン学科には、小型活版印刷機 Adana-21J が導入されており、活字の追加購入も盛んです。もちろん学生の皆さんや助手の皆さんの積極的な使用がみられます。 


504 ポイントのコンポジション
 凸版印刷(letterpress printing)の技法で、
504 x 504 ポイントの紙面に構成をおこないました。
 
活字組版は、正楷書体の五号サイズの大出張の
活字 100 本を使用。インテルの長さは五号 24 倍。
行間のあきは、五号全角、二分、四分、八分を
組み合わせて使用。
込め物は、五号四倍、三倍、二倍、全角、二分、
三分、四分を組み合わせて使用。
 
活字組版は、角柱の活字を組み合わせて四角形
に組版します。その四角形にしようとする意志が
既に構成を志向しているように感じます。
 
その後、うみだされた版面は紙面に配置されて
余白を決定します。
活字組版は、版面が活字のサイズの倍数で
制御され、結果として法則性をあたえられて
います。そのことは、版面のなかに破綻をあた
えるような造形的な要素を持ち込みません。
また、印刷するときは、紙面に自由に配置し
ています。

無数の造形の要素を選択・決定し、ビジュアル
コミュニケーションの造形を生成するための
方法が、活字版印刷術のシステムとプロセスの
なかには確立されています。 今回の制作では、
活字版印刷術の造形の生成
の手段を
意識しながら、主題は求めず、自由に
構成を
おこないました。          (日吉洋人 wrote)
 


今回の研究・展示「504ポイントのコンポジション」のテーマで、日吉洋人さんが着目した「504ポイント」とは、わが国の「金属活字新号数制」のもとでの最小公倍数としてもちいられた数値です。また、それを厳格に計測するための「活字の原器」の存在を、本年03月に『花筏』に報告しました。そのときからすでに日吉さんはこのテーマの共同研究者でした。
★『花筏』タイポグラフィ あのねのね*019「活字の原器と活字のステッキとは-活字の最小公倍数 504pt. とは」2012年03月17日掲載 

また「五号24倍」とは、活版印刷のおもに端物業者(名刺・カードなどの少量小型印刷業者)がよく使う倍数で、端物印刷には適応性がとても高い数値です。
今回の研究に際して、日吉さんが「活字の原器」の数値をさらに厳格に調査したところ、前掲資料の一部に齟齬があることが判明しましたので、『花筏』のデーターも修整して再掲載いたします。

504pt. と 五号24倍の相関関係考察表  日吉洋人

活版ルネサンスフェア 終了いたしました。


とき * 2012年9月28日[金]29日[土] 13:30―19:00
ところ * 朗文堂4F-B
160-0022  新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F

第13回活版ルネサンスフェアは、たくさんのお客さまをむかえて
無事に終了しました。ご来場の皆さま、ありがとうございました。
今回はここ数回の【活版ルネサンス】で人気だった樹脂凸版用
メタルベースだけでなく、活字込め物や活字倍数尺などを
スタッフとじっくり相談し、購入されるお客さまが多のが特徴でした。
どうやら風向きがかわり、簡便な樹脂凸版だけでなく、本格的な
活字版印刷への転換がゆっくりながらはじまっているようです。
次回の開催は来年、2013年03月を予定しております。
その間、活版印刷の機材・資材のご購入、あるいはご質問などは
ご遠慮無くアダナ・プレス倶楽部までご相談ください。
いよいよ秋の創作シーズンです。皆さまのご健闘を祈念します。



《アダナ・プレス倶楽部は、皆さまに支えられて奮闘中です》
朗文堂 アダナ・プレス倶楽部は、発足から7年、Adana-21J の発売開始から5年が経過しました。この間の皆さまからの暖かいご支援と、ご協力に、ただただ感謝の毎日でございます。
今後とも皆さまに支えられながら、また、あらたな、そしてさまざまな飛翔を企画中です。その詳細は順次ご報告いたしますが、変わらぬご支援・ご声援のほどお願い申しあげます。
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アダナ・プレス倶楽部では、活版印刷のよき再生を願って、さまざまな試みを重ねてまいりました。そのひとつに、教育機関との提携・連携があり、Adana-21J をご購入いただいた教育機関にはできるだけ積極的に出向いて、学生の皆さんとの交流を計ってまいりました。
また購入検討中の施設でも、手狭ながら小社に学生の皆さんをお迎えして、実際の教育体験として、活版印刷を知り、触れていただく機会を設けてまいりました。

そんな記録が各教育施設(大学)のWebsiteに紹介されています。すこし古い記録もありますが、アダナ・プレス倶楽部の活動の一部としてご紹介いたします。

◎ 駒澤女子大学 人文学部映像コミュニケーション学科
                     田澤秀司准教授ゼミ
   ハロー V-com  活版印刷を実体験しました!   

◎ 日本大学  藝術学部美術学科 笹井祐子准教授ゼミ
   活  版  印  刷 

第13回活版ルネサンスフェア開催!


とき * 2012年9月28日[金]29日[土] 13:30―19:00
ところ * 朗文堂4F-B
160-0022  新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F
Telephone : 03-3352-5070
[ご案内マップ]

アダナ・プレス倶楽部の会員と、活版ファンの皆さまを対象とした
新品・中古品のカッパン関連機材・資材の展示即売会です。
手狭な会場ながら、貴重アイテム、マニアックな商品が溢れています!
秋の創作シーズンに、このチャンスをぜひともお役立てください。
[東京都公安委員会許可 第304380708865号] 

アダナ・プレス倶楽部が製造・販売している新品のカッパン印刷関連機器、独自企画開発商品はもとより、カッパン印刷所で長年の使用に耐えてきた優秀な中古品もドッサリ用意いたしました。これらは現在では生産中止となったカッパン関連機器や、個人では入手しにくい活版専用インキなどの器材・資材を含みます。

カッパン印刷のサポーターとして、アダナ・プレス倶楽部ならではの、懇切丁寧な使用方法の解説もいたしますので、狭い会場ながら魅力溢れる展示販売会となります。秋の創作シーズン、展覧会シーズンの到来に合わせて、創作に活用できそうな機材の補充、実制作での疑問解決・技術の向上に、どうぞこの「活版ルネサンス フェア」をご利用ください。
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《今回の主なご紹介アイテム  順不同》
小型活版印刷機 Adana-21J/新開発 圧盤用ラバー・クッション胴張りセット/活版専用ピンセット新旧/ジャッキとジャッキハンドル新旧/KMT全自動活字組版機(日本語モノタイプ)活字母型庫8pt, 9pt, 10pt明朝体/罫線各種/くじら尺/特製組みつけ台/金属インテル各種/活版用強力磁石/特製組版ステッキ、中古組版ステッキ/ファニチュア各種/工具類(ブレース鋏・鳥居鋏・罫切り鋏)/罫切り器/各サイズ込め物セット/活字倍数尺/特製ムラ取りハンマー&ならし木セット/ブロッキング防止パウダー/特白ウェス/無臭洗い油/インキ・ハンド・ローラー/インキべら/インキ・パッド/ゴム・ローラー・メンテナンス剤/オイルベース活版用インキ各色(1キロ缶、特製200グラム缶)/活版用墨青口インキ/ラバー・ベース・レタープレス用インキ/版画用メタルベース(19.68ミリ、19.70ミリ)/樹脂版用メタルベース(21.89ミリ、23.39ミリ)/特製五号サイズメタルベース箱入りセット/特製カタ仮名活字アラタ1209/輸入欧文活字スキームセット/輸入オーナメント活字各種/凸版用スプレーボンド/特製文選箱/中古文選箱新旧各種/文選箱ストッパー/セッテン/特製文選箱立て/特製ミニ組みゲラ/中古組みゲラ/特製ミニ置きゲラ/中古置きゲラ/特製ミニスダレケース棚/活字サイズ照合キット/その他タイポグラフィ関連図書、掘り出しもの、貴重アイテムがどっさり。
────  ご来場をお待ちしております。

活版凸凹フェスタ2012 レポート 再開

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遅くなりましたが《活版凸凹フェスタ 2912》レポートを再開します。
ください。五月の薫風にのせて、五感を駆使した造形活動、
参加型の活字版印刷の祭典《活版凸凹フェスタ 2012》 は
たくさんのご来場者をお迎えして、終了しました。
ご来場たまわりました皆さま、
ありがとうございました。
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【レポートの中断と、ご報告遅延のお詫び】
《活版凸凹フェスタ2012》は、5月の連休のさなか、5月3日-6日にかけて開催されました。事前準備・途中経過の報告は、朗文堂 タイポグラフィ・ブログロール『花 筏 』に《活版凸凹フェスタ2012*01-11》として掲載されています。
来年こそ《活版凸凹フェスタ》に出展しよう、来年こそ来場しようという関心のあるかたは、ご面倒でも『花 筏 』のアーカイブ・ページを繰ってご覧ください。

また、なにかとイベントがかさなるGW中のことでもあり、ご遠方のかた、家族サービスなど、さまざまなご事情で来場できなかったお客さまから、寸描でもよいから、会場やイベント内容を報告してほしいとのご要望がありました。

ところが、アダナ・プレス倶楽部は、5-6月と、さまざまなゼミナール、イベント、出荷、取材に追われ、 報告が遅滞してご不便をおかけしていました。

また今回の《活版凸凹フェスタ2012》は、スタッフが接客や活版ゼミナールの対応に追われ、撮影担当者を特定していなかったという失敗がありました。そのために写真資料をアダナ・プレス倶楽部会員の皆さんからご提供をもとめ、ようやく準備が整った次第です。

ここに『花筏』から、本来のステージ『アダナ・プレス倶楽部NEWS』に舞台をもどして、なにかと多忙な大石にかわり、やつがれ(片塩)が《活版凸凹フェスタ2012》レポートを継続します。

活版凸凹フェスタ2012

五月の薫風にのせて
五感を駆使した造形活動、参加型の活字版印刷の祭典
活版凸凹フェスタ 2012 は
たくさんのご来場者をお迎えして無事終了いたしました。
ご来場たまわりました皆さま、ありがとうございました。
出展者の皆さま、ご苦労さまでした。

来年も、活版凸凹フェスタ2013でお会いしましょう。
それまで、できることから 一歩 ずつ。

活版凸凹フェスタ/活版ゼミナール

《活版凸凹フェスタ 2012》では、たんなる展示に留まらず、特別企画展示、活版ゼミナールなどが連日開催されます。
一部は予約制・有料のものもありますので、本ページをご覧のうえ、ご予約・お申込みください。

◆特別企画展示◆
活字版印刷術の知と技と美をご紹介いたします。
◎ 江川活版製造所、ハワイ MānoaPress:江川次之進関連資料の展示。
◎ アルビオン型手引き印刷機とアーツ&クラフツ運動
                 ──身体性をともなった造形の歓びとは
◎ 朗文堂 ブック・コスミイク
           ──話題の新刊書、活版印刷実践者の定番書籍
◎ 朗文堂 タイプ・コスミイク
           ──欣喜堂シリーズ、杉明朝体のデジタルタイプも                         
           樹脂凸版印刷を使用すると ─アレッ  思わぬ効果が! 

 

◆活版ゼミナール◆
会期中は、毎日、楽しい活版ゼミナールを開催いたします。
ご来場日にあわせて、ゼミナールをご予約ください。
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【アルビオン型手引き活版印刷機による印刷実演】
会期中連日 適宜開催
事前予約不要 
参加費:印刷体験希望者は  1回1,800円(税込)。
見学はご自由にどうぞ。

19世紀に、英国で製造された鉄製の「アルビオン型手引き印刷機」を会場に搬入し、写真の印刷機をもちいて、欧文大型活字による印刷実演をおこないます。
印刷された作品(現在の予定では お名前)は、お持ち帰りいただきます。

【使用活字書体】
アルバータス・タイトリング(Albertus Titling)60pt.
アルバータスは、ベルトルド・ウォルプ(Berthold Wolpe 1905―1989年 ドイツ)によって設計された活字書体です。1932―40年にイギリスのモノタイプ社より発売されました。今回使用する活字は、アルバータスの中でもタイトリング用の活字であり、大文字のみの活字書体です。
書体名は13世紀のドイツの神学者であり哲学者であったアルベルトゥス・マグヌス(Albertus Magnus 1193頃―180年)に由来します。


英国/フィギンズ社、1875年製造「アルビオン型手引き印刷機」
「手引き印刷機 Hand press 」は手動で操作する印刷機の総称で、一般にはグーテンベルクらがもちいた印刷機のかたちを継承して、水平に置いた印刷版面に、上から平らな圧盤を押しつけて印刷する「平圧式」の活版印刷機です。
アルビオン型印刷機は、重い圧盤を引き上げるための、バネを内蔵した突起を頭頂部に有することが特徴で、すでに動力機が主流となった19世紀世紀末にも、ウィリアム・モリス工房や、エリック・ギルらのプライベート・プレス運動家が、五感を駆使した造形にこだわりがあって、この「アルビオン型手引き印刷機」をもちいたことが知られています。
わが国でも、東京築地活版製造所・平野富二らが、明治7年頃から製造していたことが明らかになっています。秀英舎(現:大日本印刷)の創業時の印刷機も、残存写真資料から「アルビオン型印刷機」であったことがわかります。
また、明治中期に江川活版製造所が製造した類似機を、ハワイ/Mānoa Press が所有していて、今回の《活版凸凹フェスタ》には来日はかなわなかったものの、図版参加が決まっています。


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 【印刷人掃苔会(そうたいかい)ツアー2012】 
5月3日(木・祝) 13 : 00(展示会場 朗文堂ブース に10分前に集合)―
15 : 00 頃  雨天決行
定員:15名(予約制) 参加費:2,000円(税込)
「掃苔会の栞」付き

谷中霊園、通称碑文通りにある巨碑。現在もおこなわれている「左起こしの横書き」のはじまりが、大蔵官僚だった渡部欽一郎によって、洋式帳簿のなかではじめれらたことを、時の大蔵大臣が碑文に撰しています。
ご案内は、タイポグラフィ学会事務局長/松尾篤史さんです。

テクテク歩いて、よ~く見て、ハイ ご苦労さま!
印刷人掃苔会 参加証。熊さん活字はアメリカ製。

 【ご紹介者予定 順不同】
◎岸田 吟香  
新聞人・ヘボン博士助手・点眼薬製造者・
慈善事業家・『東京日日新聞』主筆
◎内田 嘉一
福澤諭吉門下、文部官僚、
「かな の くわい」幹事、
秀英体仮名書風に影響を与えたか
◎平野 富二
東京築地活版製造所、IHI創設者、
日本近代産業の開拓者
◎平野義太郎
法学者・平和運動家・平野富二嫡孫
◎井関 盛艮モリトメ
初代神奈川県令として本邦初の日刊新聞
『横浜毎日新聞』発行させた。
◎鏑木カブラギ 清方
画家・條野傳平の子息
◎陽ヨウor ミナミ 其二ソノジ
『横浜毎日新聞』編集兼発行にあたる。
王子製紙初代支配人、『穎才新誌』発行
◎田口 卯吉
経済学者、『東京経済新聞』創刊者
◎重野 安繹ヤスツグ
歴史学者、政治家、内閣修史局編輯長
◎條野 傳平
粋人、戯作者、新聞人。『江湖新聞』
『東京日日新聞』(現・毎日新聞)創刊者
◎渡部ワタヘ  欽一郎
大蔵省書記官。
知られざる左起こし横書きの創始者
◎高橋 お伝
稀代の悪女とされるが……。
◎藤野 景響
西南戦争の電信技師。
池原香穉カワカの撰幷書の墓碑が美しい
◎宮城 玄魚ゲンギョ
粋人。書家。初期かな活字の形成に
影響がおおきかった。
◎福地 櫻痴オウチ
本名:源一郎。粋人。新聞人、政治家。
小屋芝居を常設の歌舞伎座とした。
◎中村 正直マサナオ
啓蒙思想家、教育者。
お茶の水女子大創設者
◎沼間ムマ 守一モリカズ
政治家、新聞人
…… 以下は少し離れています。
時間があったらいきます。 
◎小室コムロ 樵山ショウザン
書芸家。
弘道軒清朝活字の原字製作者。
◎巻  菱湖リョウコ
書家。幕末の三筆。
門人一万と号す
◎仮名垣カナガキ 魯文ロブン
粋人。新聞人。文筆家。 

掃苔ソウタイとは、墓石の苔コケを掃くことで、転じて清掃・墓参りを意味します。《活版凸凹フェスタ2012》の会場「日展会館」のまわりには、印刷人が多く眠る「谷中霊園」や、お寺、印刷関連の石碑も豊富な「上野公園」などがあります。
本来の掃苔会は、勝手にどんどん不定期開催ですが、外部の皆さんをお誘いするかたちでの開催には、あまりにマニアックだとして異論がありました。ところが前回は満員御礼の盛況でした。そこで今回も「5人くらいお集まりいただければ……」と気軽にかまえています。
タイポグラフィ学会事務局長の松尾篤史さんの解説とともに、「日展会館」周辺の印刷人ゆかりの地をめぐる、とてもマニアックで、充実したツアーです。
皆さんもごいっしょに、わが国の印刷の発展に尽力した先達を偲び、石碑に刻まれた書体の秘密を解明してみませんか。

お申し込みしめきり日:4月25日(水)
*参加ご希望の方は、e-mail もしくは、ファクシミリ03-3352-5160で、「活版凸凹フェスタ 掃苔会(そうたいかい) 参加希望」と明記の上、住所・氏名・年齢・当日連絡が可能な電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。
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【花型活字を使ってオリジナルレターセットをつくろう!】
5月3日(木・祝) 
① 10 : 00―12 : 00 
② 14 : 00―16 : 00
定員:各回4名(予約制) 参加費:3,000円(税込)

花型活字と欧文活字を使って、お名前入りの素敵なオリジナルレターセットをつくりましょう。
お申し込みしめきり日:4月25日(水)

*参加ご希望の方は、e-mail もしくは、ファクシミリ03-3352-5160で、「活版凸凹フェスタ 花型活字レターセット 参加希望」と明記の上、住所・氏名・年齢・当日連絡が可能な電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。
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 【2種類のハンドモールドで活字をつくろう!】
5月4日(金・祝)
① 13 : 00―14 : 30
② 15 : 00―16 : 30
定員:各回6名(予約制) 参加費:5,000円(税込) テキスト2種付

ハンドモールド(手鋳込みの活字鋳造器)を用いて活字鋳造の体験をおこないます。今回は、初期の活字鋳型の研究をされている元三省堂印刷の伊藤伸一さんと、タイポグラフィ学会会員の渡辺 優スグルさんのご協力のもと、なんとも贅沢なことに、2種類のハンドモールドをもちいて、活字鋳造体験を予定しています。
ひとつは、15世紀半ばに西洋式活字版印刷術を開発した、ドイツのグーテンベルクがもちいたとされる「手鋳込み式活字鋳造器」の想定図をもとに、渡辺優さんが復元したものです。

もうひとつは、伊藤進一さん所有のハンドモールドで、スミソニアン・国立アメリカ歴史博物館の学芸員で、初期活字鋳型の世界的な研究者である、スタン・ネルソンさんによって復元されたものです。できあがった活字を使って、小型活版印刷機 Adana-21J で記念カードの印刷もおこないます。

お申し込みしめきり日:4月25日(水)
*参加ご希望の方は、e-mail もしくは、ファクシミリ03-3352-5160で、「活版凸凹フェスタ ハンドモールド 参加希望」と明記の上、住所・氏名・年齢・当日連絡が可能な電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。

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【印刷の四大版式の違いを学ぼう!】
5月5日(土・祝) 13 : 00―16 : 00
定員:8名(予約制) 参加費:5,000円(税込)

凸版印刷の一種である「活字版印刷」をより深く理解していただくためには、ほかの版式や技法に接することも重要です。
「版画工房  フジグラフィックス」の楚山俊雄さんのご協力のもと、印刷の四大版式「凸版・凹版・平版・孔版」すべての印刷体験を通して、その違いや特性を学ぶゼミナールです。             株式会社フジグラフィックスWebsiteより。リトグラフの作業風景。
  写真は楚山俊雄さん。

お申し込みしめきり日:4 月25日(水)
*参加ご希望の方は、e-mail もしくは、ファクシミリ03-3352-5160で、「活版凸凹フェスタ 印刷の四大版式 参加希望」と明記の上、住所・氏名・年齢・当日連絡が可能な電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。

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【記念カードを印刷しよう!】
5月6日(日)11 : 00―12 : 00、13 : 00―14 : 00 内の随時
事前予約不要 参加費:無料
活字版印刷機 Adana-21J を使って記念カードの印刷を体験していただきます。

  

◆カッパン・ルネサンス・フェア 12th Times◆
カッパン実践家のための、新旧の関連資材・関連機材の展示即売会です。どんな新開発機器、関連資材、また掘り出し物があるか、ご来場のうえお楽しみください。
小型活版印刷機をお持ちで、補充機器・部品をお探しのかたは、インテル、ファニチュア等の選択の目安として、ご自分の活版印刷機のチェースの内枠の大きさを、紙に筆記具で型取りしたものをご持参ください。

アダナ・プレス倶楽部からお知らせ

いつもよりすこし遅めの櫻前線が北上中です。いよいよ爛漫の春、新年度のはじまりです。皆さまお元気ですか?
朗文堂アダナ・プレス倶楽部では《活版ルネサンス》を好評裡に終え、例年開催の《活版凸凹フェスタ2012》の本格準備態勢に切りかわりました。

いよいよここに《活版凸凹フェスタ2012》の詳細をご紹介いたします。
《活版凸凹フェスタ》は活字版印刷術(以下カッパン、活版とも)にまつわるさまざまを集めた楽しいお祭りです。
活字をもちいて印刷をおこなう「活字版印刷術 Typographic Printing」と、各種の凸版類をもちいて印刷をおこなう「凸版印刷 Letterpress Printing」を中心に、凸版・凹版・平版・孔版といったさまざまな印刷版式の紹介と、版画や製本といった関連技術も含めた作品と製品を展示し、一部は販売もおこないます。

《五月の連休は活版三昧ザンマイ》をスローガンとして開催された《活版凸凹フェスタ》は、2008-9年に四谷・ランプ坂ギャラリーを会場として開催し、2010年に上野・日展会館に会場を移して開催されてきました。昨2011年は東日本大震災のために、残念ながら中止といたしましたが、ようやく満を持して再開の運びとなりました。

会期中にはさまざまな《特別企画》と《活版ゼミナール》の開催が予定されています。一部には有料・予約制のイベントもございます。その紹介は随時本欄にてご紹介いたしますので、ご面倒でも開催直前まで、本欄と アダナ・プレス倶楽部ニュース をときどきご訪問いただき、ご確認・ご予約いただきますようお願いいたします。

アダナ・プレス倶楽部からお知らせ

第11回 活版ルネサンス フェア

 ご来場ありがとうございました!

3月30日[金]31日[土]の両日に開催された《活版ルネサンスフェア》は、無事終了いたしました。土曜日はあいにくの天候でしたが、それでもお客さまの足は終始途絶えることなく、狭い会場いっぱいに詰めかけていただきました。
嬉しいことに、前回の《活版ルネサンスフェア》(昨年11月開催)あたりから顕著になっていましたが、家業の活版印刷所を継承しようと決意され、実践された、若いかたがあきらかに増えています。また睡眠状態にあった活版印刷機器を再整備して、カッパン事業を再開された業者さんもポツポツあらわれています。

総体としてみれば、活版印刷にはいまだに逆風が吹いています。ですから安定した給与生活から離れ、家業の活版印刷を継承されることには相当の覚悟が必要なこととおもわれます。
それでも、活版印刷という、総合技芸であり、総合産業の維持と継続のためには、アマチュア・プリンターやホビー・プリンターだけの力では限界があります。パワーのある活版業者に、あたらしい血が注ぎこまれ、いきいきと再生・復活・ルネサンスしていく姿を拝見すると、とても心強いものがあります。

こうした若い力は、祖父から、父親から、そして年配の職人から指導をうけて、どんどん成長しています。そして周辺のアマチュア・プリンターやホビー・プリンターと力をあわせて、意欲的かつ活発に《活版ルネサンス》に取り組みはじめています。
そんなあたらしい活版印刷業者の皆さんと手を携えて、一歩一歩着実に《活版ルネサンス》を実現できそうな、うれしい予感から一歩進んで、たしかな実感としてもてたことが、今回の《第11回 活版ルネサンス フェア》の最大の収穫でした。

《今回の主なご紹介アイテム  順不同》
小型活版印刷機 Adana-21J、KMT全自動活字組版機(日本語モノタイプ)活字母型庫8pt, 9pt, 10pt明朝体、Paper Maker、圧盤用ラバー・クッション胴張りセット、活版専用ピンセット新旧、ジャッキとジャッキハンドル新旧、罫線各種、くじら尺、特製組みつけ台、金属インテル各種、活版用強力磁石、組版ステッキ、ファニチュア各種、工具類(ブレース鋏・鳥居鋏・罫切り鋏)、罫切り器、各サイズ込め物セット、活字倍数尺、ムラ取りハンマー&ならし木セット、ブロッキング防止パウダー、特白ウェス、無臭洗い油、インキ・ハンド・ローラー、インキべら、インキ・パッド、ゴム・ローラー・メンテナンス剤、オイルベース活版用インキ各色(1キロ缶、特製200グラム缶)、活版用墨青口インキ、ラバー・ベース・レタープレス用インキ、版画用メタルベース(19.68ミリ、19.70ミリ)、樹脂版用メタルベース(21.89ミリ、23.39ミリ)、五号サイズメタルベース箱入りセット、新製カタ仮名活字アラタ1209、輸入欧文活字スキームセット、輸入オーナメント活字各種、凸版用スプレーボンド、文選箱新旧各種、文選箱ストッパー、セッテン、文選箱立て、組みゲラ、置きゲラ、スダレケース棚、活字サイズ照合キット

5月の「活版凸凹フェスタ2012」の会場でも《第12回 活版ルネサンスフェア》を開催の予定です。
今回の活版ルネサンスフェアの会期とご都合が合わず、残念ながらご来場いただけなかったお客様も、ぜひとも5月の連休には皆さまお誘い合わせのうえ、ご来場ください。

 祝  中野活版印刷店開業!

3月30日[金]、杉並区荻窪に「中野活版印刷店」が開業しました。偶然《活版ルネサンスフェア》と重なっていましたが、夜9時まで開催という「有限会社中野商店新事務所公式お披露目会」にお誘いいただき、フェアの終了をまって駆けつけました。

社主の中野さんはとてもパワフルなかたで、グラフィックデザイン、WEB構築を主業務とする「中野商店」、出版部門の「NSパブリッシング」のほかに、あらたに印刷部門として「中野活版印刷店」を開業されました。
事務所はデザイナーらしく、とてもおしゃれで、貨物専用エレベーターつきの地下貯蔵庫(書籍の在庫で埋まるのか、はたまた、ワイン・セラーになるなのかな)もあるという素敵なものでした。
入口近くに新設の活版印刷機 Adana-21J  がおかれていました。来場者には名前を刷り込んだコースターが手渡され、宴は相当おそくまで続いたようですが、翌日、中野さんは(二日酔いもみせずに)《活版ルネサンスフェア》に駆けつけていただきました。またあたらしいお仲間が増えました。

アダナ・プレス倶楽部からのお知らせ

第11回 活版ルネサンス フェア

新企画・新規商品もぞくぞく入荷です!
どうぞご期待ください!!
あわせて朗文堂春の新発売書籍、
新発売電子活字も、いちはやく購入可能です。

2012年3月30日[金]31日[土] 13:30―19:00

会場 * 新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F 朗文堂

  *

アダナ・プレス倶楽部の会員と、活版ファンの皆さまを対象とした
新品・中古品のカッパン関連機材・資材の展示即売会です。
手狭な会場に、貴重アイテム、マニアックな商品が溢れています!
創作の春に向けて、このチャンスをぜひともお役立てください。
[東京都公安委員会許可 第304380708865号]

アダナ・プレス倶楽部が製造・販売している新品のカッパン印刷関連機器、独自企画開発商品はもとより、カッパン印刷所で長年の使用に耐えてきた優秀な中古品もドッサリ用意いたしました。これらは現在では生産中止となったカッパン関連機器や、個人では入手しにくい活版専用インキなどの器材・資材を含みます。カッパン印刷のサポーターとして、アダナ・プレス倶楽部ならではの、懇切丁寧な使用方法の解説もいたしますので、狭い会場ながらも魅力溢れる展示販売会となります。

折しも「活版凸凹フェスタ2012」をはじめ、春の展覧会や、春の創作活動のシーズン到来。「今年こそ、活版ライフをスタートしよう! いつかは活版凸凹フェスタに出展しよう!」と意気込む皆さまには絶好のチャンスです。創作に活用できそうな機材の補充、実制作での疑問解決、技術の向上に、どうぞこの「活版ルネサンス フェア」をご利用ください。

「活版凸凹フェスタ」は、活字版印刷にまつわるさまざまを集めた楽しいお祭りです。活字を主要な印刷版とする「活字版印刷術 Typographic Printing」と、各種凸版類をもちいて印刷をおこなう「凸版印刷 Letterpress Printing」を中心に、版画や製本といった関連技術も含めた作品と製品を展示し、一部は販売もおこないます。

昨年は震災の影響で残念ながら中止という苦渋の決断をさせていただきましたが、一年間の充電期間を得て、満を持しての再開となります。朗文堂アダナ・プレス倶楽部は、身体性をともなった真の造形活動、モノづくりの喜びにいそしむ、ひらかれた会員制の倶楽部です。
なお両イベントの詳細は、順次掲載される  アダナ・プレス倶楽部  のWebsiteをごらんください。

【会 期】 2012年5月3日(木・祝)―5月6日(日)
        10:00―17:00(最終日は15:00まで)
【会 場】 日展会館 2F イベントスペース
      東京都台東区上野桜木2―4―1
【主 催】 朗文堂アダナ・プレス倶楽部

活版ルネサンスフェア

2010年10月29日[金]30日[土]
13:30―19:00
朗文堂/アダナ・プレス倶楽部 4F-B

160-0022  新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F
Telephone : 03-3352-5070

アダナ・プレス倶楽部の会員と、活版ファンの皆さまを対象とした
新品・中古品のカッパン関連機材・資材の展示即売会です。
手狭な会場ながら、貴重アイテムから、マニアックな商品まで溢れています!
秋の創作シーズンに、このチャンスをぜひともお役立てください。

[東京都公安委員会許可 第304380708865号]

アダナ・プレス倶楽部が製造・販売している新品のカッパン印刷関連機器、独自企画開発商品はもとより、カッパン印刷所で長年の使用に耐えてきた優秀な中古品もドッサリ用意いたしました。これらは現在では生産中止となったカッパン関連機器や、個人では入手しにくい活版専用インキなどの器材・資材を含みます。カッパン印刷のサポーターとして、アダナ・プレス倶楽部ならではの、懇切丁寧な使用方法の解説もいたしますので、狭い会場ながらも魅力溢れる展示販売会となります。

そろそろ、クリスマス・カードや年賀状の印刷が気になるシーズン。「今年こそ、魅力溢れる活字版印刷でカードを印刷しよう!」と意気込む皆さまには絶好のチャンスです。制作に活用できそうな機材の補充、実制作での疑問解決・技術の向上に、どうぞこの「活版ルネサンス フェア」をご利用ください。

中古テキンのユーザーの方は、テキン付属のチェースの内側を紙に縁取ったものをお持ちください。ファニチュアやインテルなどの選択の目安として便利です。

第6回 活版ルネサンス フェア

「第6回 活版ルネサンスフェア」が今週末、3月26日[金]―27日[土]の両日に開催されます。その準備のため、スタッフは3連休も返上して準備に余念がありません。皆さま、ご友人・知人とお誘いあわせの上、ご来場ください。

と き * 2010年3月26日[金]27日[土] 13:30―19:00
ところ * 朗文堂4F-B
160-0022 新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F
Telephone : 03-3352-5070

アダナ・プレス倶楽部の会員と、活版ファンの皆さまを対象とした
新品・中古品のカッパン関連機材・資材の展示即売会です。
手狭な会場ながら、貴重アイテムから、
マニアックな商品までが溢れています!
創作の春に向けて、このチャンスをぜひともお役立てください。
[東京都公安委員会許可 第304380708865号]

活版カレッジ Upper Class

カッパン・かるた
さては、この手できたか!

梅便りについで、桜だよりが慌ただしいこのごろです。朗文堂アダナ・プレス倶楽部は週末に 《 第6回活版ルネサンスフェア 》 を控え、さらに5月のゴールデン・ウィークには 《 活版凸凹フェスタ 》 を控えて慌ただしい毎日です。

ところが、新宿私塾の春休みを利用して 「 活版カレッジ Upper Class 」 の皆さんが時折参集し、例の 「 カッパン・かるた 」 の制作に余念がありません。いちどブログでイヤミをしるしたせいでしょうか……、制作のピッチが急上昇し、なにやら海外から取りよせた 「 オーナメント・花形活字 」 を駆使して制作に熱中しています。

「 オーナメントをいじると、文字活字だけでは解らなかった、活字組版の本当の面白さがすぐに解っちゃう。だからカッパン中毒になっても知らないよ……」堂主の忠告(イヤミ?)ももののかわ、黙々とオーナメントを組み合わせ、テスト刷りを重ね、時折どっと歓声がわきあがる活版カレッジ Upper Classの皆さんのこのごろです。1ピースのオーナメントが、向きを変え、組みあわせを変えるだけで、どんどんあらたな形象を産みだしていきます。「 どうやらみんな、はまったな……」。

4年前の春のことです。ある大手の活字母型製造所が閉鎖されました。それに際して、まだスタート直後のアダナ・プレス倶楽部でしたが、活字鋳造にほとんど利害関係がないだけに、残念ながら閉鎖せざるをえなかった活字母型製造所と、稼働している活字鋳造所の双方から相談をうける立場にありました。

もちろん非力なアダナ・プレス倶楽部ですから、さしたるお手伝いはできなかったのですが、せめて複製原型としての活字母型を、できるだけたくさん継承し、今後とも混乱無く活用できる方途を探るお手伝いだけはしました。おおづかみには、号数体系の母型と、ポイント体系の活字母型を峻別して、それぞれを、意欲的かつ継続鋳造が可能な活字鋳造所に収蔵してもらう算段をつけました。

閉鎖を間近に控えたある日、活字母型製造所に出向いたところ、大量の「オーナメント・花形活字」の母型が、まだケースに入ったまま残っていました。

「オーナメントのたぐいは引き受け手がなかったの?」

「そう、活字っていうとみんなが文字活字だから……。アダナ・プレス倶楽部で買ってよ。地金代だけでいいからさぁ」

おりしも北京オリンピックの直前で、マテ材に使用されている真鍮は異常な高値を呼んでいました。

「真鍮は、いま1キロいくら?」

「高いよ! すごく!!  あぁ活字母型をあんなに安くするんじゃなかったな」

こんな会話があって……。また、同社のオーナメントは出自がいくぶん不明瞭でしたし、細い画線部の母型には損傷もみられました。結局のところ「オーナメント活字母型」はすべて金属商の手にわたって溶解されてしまいました……。

昭和15―20年代にかけて水面下で展開した「変体活字廃棄運動」もそうですが、カッパン関連機器には、意外なほど非鉄金属が使用されています。そして非鉄金属の相場は、戦争や大型公共投資によって価格が乱高下します。ですからすぐる時代の印刷界のリーダーは、聖戦遂行のためと称して「印刷所は金属鉱山」だとする論文を発表して晩節を汚しました。

そんなわけで「カッパン・かるた」に使用しているオーナメントは海外からの輸入品です。そしてその効果的な使用法を説いたテキストはわが国には残念ながら存在しません。ですから「活版カレッジ Upper Class」の皆さんは、オーナメントの効果的な使用法に関しても、おさおさ情報交換にぬかりないようです。

第6回 活版ルネサンス フェア

と き * 2010年3月26日[金]27日[土] 13:30―19:00
ところ * 朗文堂4F-B
160-0022  新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F
Telephone : 03-3352-5070

アダナ・プレス倶楽部の会員と、活版ファンの皆さまを対象とした
新品・中古品のカッパン関連機材・資材の展示即売会です。
手狭な会場ながら、貴重アイテムから、
マニアックな商品が溢れています!
創作の春に向けて、このチャンスをぜひともお役立てください。

[東京都公安委員会許可 第304380708865号]

アダナ・プレス倶楽部が製造・販売している、新品のカッパン印刷関連機器、独自企画開発商品はもとより、カッパン印刷所で長年の使用に耐えてきた優秀な中古品もドッサリ用意いたしました。これらは現在では生産中止となったカッパン関連機器や、個人では入手しにくい活版専用インキなどの器材・資材を含みます。カッパン印刷のサポーターとして、アダナ・プレス倶楽部ならではの、懇切丁寧な使用方法の解説もいたしますので、狭い会場ながらも魅力溢れる展示販売会となります。

折しも「活版凸凹フェスタ2010」をはじめ、春の展覧会や、春の創作活動のシーズン到来。「今年も(今年こそ)、活版凸凹フェスタに出展しよう!」と意気込む皆さまには絶好のチャンスです。創作に活用できそうな機材の補充、実制作での疑問解決、技術の向上に、どうぞこの「活版ルネサンス フェア」をご利用ください。

◎ ◎ ◎ 今回の目玉 ◎ ◎ ◎

※ 会期中は両日とも「リノリウム版画」と「ゴム版画」を、Adana-21Jを用いて印刷するデモンストレーションをおこないます。
※ 樹脂凸版よりも厚みのあるこれらの版画を活版印刷機で印刷するためには、樹脂凸版用のメタル・ベースよりも高さが低い「版画用ベース」が必要となります。今回の「活版ルネサンス フェア」では、この「版画用ベース」を「中古現品限りの会場特別価格」で大放出いたします。活版印刷・凸版印刷の可能性を大きくひろげるアイテムを、皆さまこの機会にぜひともご入手ください。

版画制作:ササイ  ユウコ

エッ! 活版印刷機が版画プレス機に変身!?
版画用ベース

海外のレタープレス・プリンターの間では、活版印刷とリノ・カット(リノリウム版画)を組み合わせて楽しむ姿が多くみられます。いっぽうわが国では、リノリウム版や版木をもちいた凸版画は、木版用の版画プレス機で印刷するか、バレンで擦ることが主流とされ、最近流行のゴム版やビニール版では「判子」として手で押印すことがほとんどで、同じ凸版の一種である活版印刷とは切り離して考えられる傾向があります。しかし、凸版用の版画プレス機の類は巨大で、家庭には気軽に導入できませんし、バレン摺りや押印では力も要るし量産も大変です。

そこでアダナ・プレス倶楽部では「版画用ベース」を用いて、活版印刷機でリノリウム版やゴム版を楽しく気軽に印刷する方法を提案しています。活版印刷でよく用いられている樹脂凸版は、厚さ約0.98ミリ、亜鉛凸版は厚さ約1.3ミリが主流です。これらの厚みの樹脂凸版や亜鉛凸版を、活字と近しい高さに調整して印刷するために、アダナ・プレス倶楽部で通常販売している「メタル・ベース」は、厚さ22.39ミリの規格を採用しています。

しかし、リノリウムやゴムなどの版画材料は厚みがあるために、現在販売している「メタル・ベース」では版面が高くなりすぎて、活版印刷機では刷ることができません。今回入荷した金属ベースは、大量ページ物印刷所で紙型鉛版用に使われていたもので、高さは19.65ミリ前後と、通常のメタル・ベースよりも低く「版画用ベース」としてお勧めです。リ・ユース品ですので、「第6回 活版ルネサンス フェア」の会場で直接ご覧のうえ、お求めください。


活版カレッジ Upper Class

Upper Class

カッパン造形実践者の笑い声が絶えません!

朗文堂 アダナ・プレス倶楽部は、既報のとおり、3月26―27日に【 活版ルネサンスフェア 】 を控え、また5月の連休にあわせて開催予定の 【活版凸凹フェスタ 2010 】 の準備におわれています。それに加えて、年度末・新年度にあわせての、小型卓上活版印刷機 Adana-21J のご購入がかさなり、その慌ただしさに嬉しい悲鳴の毎日です。

ですから、3月間9回にわたって開催される恒例の【 活版カレッジ 】 は5月いっぱいまで休講としましたが、その間隙をぬって? 活版カレッジの修了生で構成される 【 活版カレッジ Upper Class 】の皆さんがときおり参集されています。朗文堂堂主としては正直なところ、かれら、かのじょらが、なにが面白くて参集し、笑いころげているのか良くわかりません。おそらくカッパン造形実践者にとっては、活字を組みあげ、印刷するだけで十分に楽しいのだと思うばかりです。

この皆さんは、昨年の10月頃から、【カッパン・かるた】をつくると称して、紙選びからはじまり、あれやこれやと文案を考え、公募したりと賑やかでしたが、暮れになってもいっこうに【カッパン・かるた】が完成したふうにはなく、いつのまにか【餅っこ・プレス】と称して、足立区のアモール商店街の会員のところに遠征して、セイロ、臼、キネを使っての本格的な【餅つき大会】を開催しました。

12月23日という、すっかり年の瀬も押し詰まった日に、28名の会員が参集しての【餅つき大会】でした。皆さんはつきたての餅を頬ばりながら、「餅もカッパンも、プレスが必要ですね……」と解ったような、解らないような解説つきで、寒風ももののかわ、かつ喰い、かつ飲みで、すっかり盛り上がっておりました。さらに呆れたことに、搗くことと、食べることに夢中で、たれも写真を撮っていなかったので、ここに画像紹介はできません……。


【カッパン・かるた】ですが、梅も咲こうかという昨今、ようやくプロジェクトが本格化したようです。堂主が「やっとかね」とイヤミのひとつも述べると、「なにも慌てることはなく、かるたの制作をつうじて、みんなの技倆が向上することがもくてきですから……云々」。「ハイハイ、わかりましたです」なのです。

ちなみに云う。写真のかるたの刷りだしは(あ)です。印刷はイロハ順にはじめたのではなく、あいうえお順にはじまったようですけど……。