月別アーカイブ: 2012年9月

第13回活版ルネサンスフェア開催!


とき * 2012年9月28日[金]29日[土] 13:30―19:00
ところ * 朗文堂4F-B
160-0022  新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F
Telephone : 03-3352-5070
[ご案内マップ]

アダナ・プレス倶楽部の会員と、活版ファンの皆さまを対象とした
新品・中古品のカッパン関連機材・資材の展示即売会です。
手狭な会場ながら、貴重アイテム、マニアックな商品が溢れています!
秋の創作シーズンに、このチャンスをぜひともお役立てください。
[東京都公安委員会許可 第304380708865号] 

アダナ・プレス倶楽部が製造・販売している新品のカッパン印刷関連機器、独自企画開発商品はもとより、カッパン印刷所で長年の使用に耐えてきた優秀な中古品もドッサリ用意いたしました。これらは現在では生産中止となったカッパン関連機器や、個人では入手しにくい活版専用インキなどの器材・資材を含みます。

カッパン印刷のサポーターとして、アダナ・プレス倶楽部ならではの、懇切丁寧な使用方法の解説もいたしますので、狭い会場ながら魅力溢れる展示販売会となります。秋の創作シーズン、展覧会シーズンの到来に合わせて、創作に活用できそうな機材の補充、実制作での疑問解決・技術の向上に、どうぞこの「活版ルネサンス フェア」をご利用ください。
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《今回の主なご紹介アイテム  順不同》
小型活版印刷機 Adana-21J/新開発 圧盤用ラバー・クッション胴張りセット/活版専用ピンセット新旧/ジャッキとジャッキハンドル新旧/KMT全自動活字組版機(日本語モノタイプ)活字母型庫8pt, 9pt, 10pt明朝体/罫線各種/くじら尺/特製組みつけ台/金属インテル各種/活版用強力磁石/特製組版ステッキ、中古組版ステッキ/ファニチュア各種/工具類(ブレース鋏・鳥居鋏・罫切り鋏)/罫切り器/各サイズ込め物セット/活字倍数尺/特製ムラ取りハンマー&ならし木セット/ブロッキング防止パウダー/特白ウェス/無臭洗い油/インキ・ハンド・ローラー/インキべら/インキ・パッド/ゴム・ローラー・メンテナンス剤/オイルベース活版用インキ各色(1キロ缶、特製200グラム缶)/活版用墨青口インキ/ラバー・ベース・レタープレス用インキ/版画用メタルベース(19.68ミリ、19.70ミリ)/樹脂版用メタルベース(21.89ミリ、23.39ミリ)/特製五号サイズメタルベース箱入りセット/特製カタ仮名活字アラタ1209/輸入欧文活字スキームセット/輸入オーナメント活字各種/凸版用スプレーボンド/特製文選箱/中古文選箱新旧各種/文選箱ストッパー/セッテン/特製文選箱立て/特製ミニ組みゲラ/中古組みゲラ/特製ミニ置きゲラ/中古置きゲラ/特製ミニスダレケース棚/活字サイズ照合キット/その他タイポグラフィ関連図書、掘り出しもの、貴重アイテムがどっさり。
────  ご来場をお待ちしております。

新宿私塾第21期スタート

新宿私塾第21期生の皆さん(2012年09月25日)

 《新宿私塾第21期、スタート》
きびしい残暑がようやくおさまり、爽やかな秋空のもと、いよいよ新宿私塾第21期が開講しました。第21期生はこれまでの塾生諸君とおなじように、とても意欲的で、向上心と個性のつよい若者があつまりました。

まだ修了したばかりの、きわめて活発かつ賑やかだった20期生のむくもりが、あちこちにのこっているような教場でした。
それでも早速、新宿私塾第21期第1回目の講座では、カリキュラム説明につづいて、制限時間各自1分間の自己紹介があって、ここに集まった塾生同士が、年齢も経歴も職場・学校環境もさまざまなことに、塾生諸君はあらためて驚いたようです。これが新宿私塾の魅力のひとつでもあります。

すなわちここには現役の藝術大学・美術大学の学生もいます。もちろんすでに造形者としての職業人も、異分野で活躍する職業人もいます。そして造形者、タイポグラファとして、いっそうの向上をめざすという一点において、こころざしをおなじくする仲間であることを確認します。
ですから30分ほどの短い開塾セレモニーのあいだに、次第に緊張感がゆるみ、笑い声ももれるようになりました。

みじかい開塾式のあとは、いきなり、たくさんの資料が机上にならび、パソコン映像を併用しながら「タイポグラフィをまなぶこととは」の講義がはじまりました。
「形而上の文と、形而下の字」「コミュニティとコミュニケーション」……。一見むずかしそうなテーマも、実例と資料をもとに諄諄ととかれていきました。
新宿私塾では、タイポグラフィにおける「知・技・美」のバランスのよい学習をモットーとしています。それはまた「知に溺れず、技を傲らず、美に耽らず」という自戒をともないます。

新宿私塾第21期は、2012年09月25日にスタートし、2013年03月05日に修了します。この半年のあいだ、塾生の皆さんがおおきな収穫が得られるように、講師陣はもとより、200名ちかくにまでなった「新宿私塾修了生」の皆さんも、精一杯の努力と応援をいたします。

《恒例の 新宿私塾第21期カリキュラムの表紙デザインの紹介》

新宿私塾第21期カリキュラム 表紙(Design : 講師 杉下城司氏) 

新宿私塾第21期カリキュラムの表紙は Emigre Fonts が中心です。新宿私塾では、半年間の受講期間のあいだに、和文活字でも欧文活字でもどちらでもかまわないのですが、できるだけ「My Favorite Type ── わたしのお気に入りの活字書体」を獲得することが勧められます。
もちろん、世上の評価がたかい書体でも、まったく無名の書体でも、「はやり書体」でも一向にかまいません。むしろどんな書体にも避けがたく付着している「長所と短所」をみつけだし「長所をいかし、短所を制御する能力」がとわれます。
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エミグレは米国加州バークレーに本拠をおき、Vander Lans 氏と Zuzana Lico 氏が中心の、ちいさなデザイン・ユニットです。朗文堂とはながらく親しい関係にあります。

設立からしばらくは、アヴァンギャルドな造形が目立ち「カリフォルニア・ニューウェーヴ」の旗手のひとつとされ、大判の『Emigre Magazine』(Emigre は移民の意)を刊行していて、まだ通信環境がととのわない’90年代には、その雑誌とフォント・データーの日本での販売を朗文堂が担っていたこともあります。

近年のエミグレはデジタル・タイプの製造に熱心で、おおきなフォント・ベンダーでは採算面から製造・販売を躊躇しがちな、意欲的な新書体を続続と発表しています。
そんなエミグレがおおきく変貌したきっかけとなった書体が、1996年にZuzana Lico 氏によって製作され、丁寧な解説書をともなって発表された新書体 Mrs Eaves でした。

Mrs Eaves ミセス・イーヴスは、トランジショナル・ローマン「バスカーヴィル」にその範をとったものですが、この豊富なリガチャーをもった Mrs Eaves は、デジタル環境の敷衍によって実現されたもので、文字どおり当時の世界のタイポグラファを驚愕させた書体でした。

その後の Zuzana Lico 氏は「タイポグラフィの冒険者」の立場だけでなく、本格的な活字書体製作者としての評価を獲得しました。「Mrs Eaves」シリーズは、その後も試作をかさねるなかから拡充され Mr Eaves Sans などが次次に発表されました。
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今回の表紙デザインは、新宿私塾講師:杉下城司さんによるものです。
ここには 「Mrs Eaves」にある、213にもおよぶ豊富なリガチャー・キャラクターから選び抜かれた文字セットが駆使されています。
また「Mrs Eaves」と「Mr Eaves Sans」を併用することで、無理や違和感がなく、ローマン体とサンセリフの壁を乗り越える各種の試みがなされています。

また「バスカーヴィル・オーナメント」もわずかながらも使用されています。おたのしみいただけたら幸甚です。
そして新宿私塾第21期生の皆さんが、どのような「My Favorite Type ── わたしのお気に入りの活字書体」を獲得するのか、おおいにたのしみな半年間がはじまりました。

新刊書籍のご案内


【タイポグラフィ学会誌 05】
A4判 68ページ かがり綴じ並製本
ISSN 1882–2339
編集・発行: タイポグラフィ学会
発行日: 2012年7月31日
発売(特別委託直販): 朗文堂
定価: 2,500円(送料・税別)
学生向け特別頒布価格:
1,500円(学生証のご提示が必要です。送料・税別)

タイポグラフィ学会は、タイポグラフィという技芸に学問的な基盤を与え、その成果を実技・実践を通して社会に貢献することを目的に、2005年8月に設立されました。『タイポグラフィ学会誌』は2007年に創刊、今回が05号となります。

『タイポグラフィ学会誌05』には、査読済みの論文が1点と、書評が掲載されています。これらの研究成果が、日本国内のみならず、各国の研究者によって広く参照されて、タイポグラフィ研究の発展に寄与することを希望するとともに、『タイポグラフィ学会誌』が今後さらに、タイポグラフィの研究における特色ある媒体として成長していければと考えております。
── タイポグラフィ学会
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おもな内容
・論文  上海 修文書館のこと ─ 板倉雅宣
・書評  小林龍生著『ユニコード戦記』─ 山本太郎
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*本書はタイポグラフィ学会から朗文堂が特別委託を受けて販売するものです。
*本書は書店での取扱はできません。申し込みは朗文堂宛て直接お願いします。
*学生向け特別頒布価格での購入の際は学生証明書の提示が必要となります。
*「書籍名・冊数・申込者氏名・郵便番号・送付先住所・電話番号」を明記の上、小社宛てにファクシミリまたはEメールでご注文ください。
『タイポグラフィ学会誌 01-05』バックナンバーでのご発注も可能です。
*恐縮ながら送料・振込料はお客さまのご負担となります。

お申込・お問い合せ─────
株式会社 朗  文 堂
Telephone: 03-3352-5070
Facsimile: 03-3352-5160
E-mail: robundo@ops.dti.ne.jp

新宿私塾第20期終了

《20期生は、とても意欲的で、活発な諸君・諸嬢でした!》
新宿私塾第20期は、2012年4月4日[火]からスタートの予定でしたが、いきなり爆弾低気圧が襲来して、帰宅の足に不安があったために、急遽予定を変更して、最初から振替講座2回開催という波乱のなかでのスタートでした。

ともかく天候が不順だった今年の春先からスタートし、酷暑の夏を乗り越え、残暑がきびしい9月初旬の9月4日で終了となりました。
ともかく20期生は意欲的で、書棚の図書が空いてみえるほどの貸し出しが続き、毎回の講座はにぎやかなこと限りないほどの活発さでした。その報告は下記のアーカイブに記録されています。
4月12日  新宿私塾  第20期スタート
5月14日  新宿私塾 Field Work +
7月23日  新宿私塾 製本講座+

どういうわけか ── おそらく宴会部長の威名を獲得したS君のせいで── 第20期はなにかと口実をもうけては「懇親会」が盛んでした。講座名のうしろに + 印があるときは、懇親会が附属していたときでした。
また資料発見・整理部長のT君もいて、新旧のたくさんの資料が講座室を飛びかう毎回の講座でした。

それぞれの塾生の皆さんの、出身地、経歴、職場、環境がほとんど異なる新宿私塾でも、少数の塾生数のために、すぐにお互いの立場にたいする理解と、おもいやりがうまれます。それが終了後にも、同期ごとに、あるいは期を越えた潜在的な同門意識となって、問題や困難に立ち向かう際のおおきな援助となります。それが20期生はとりわけ強固だったようです。

新宿私塾では、タイポグラフィにおける「知・技・美」のバランスのよい学習をモットーとしています。それはまた「知に溺れず、技を傲らず、美に耽らず」という自戒をともないます。
出会いはうれしく、別れはさびしいものです。それでも半年間、ともにまなび、ともに苦しんできた20期生の皆さんは、雄雄しく羽ばたき旅立っていきました。