月別アーカイブ: 2012年11月

新宿私塾 Field Work +

 新宿私塾第 21 期 第 9 回講座
フィールド・ワーク 理想社で書籍製作をまなぶ
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11月17日[土]、あいにくの天候で、ときおり激しい風雨がおそった日であったが、新宿私塾の塾生諸君は元気いっぱい。はじめて教場をはなれて、新宿区改代町の公版書籍印刷所/株式会社理想社(田中宏明社長)においてフィールド・ワーク。

理想社さんでのフィールド・ワークは、第1期生-今回の第21期生まで、一貫してフィールド・ワークを受けいれていただいている。
ここで塾生諸君は、これまで学んできた名刺・カードなどの端物印刷、エフェメラなどの小型平面印刷物の魅力とともに、あらたに三次元の印刷物、本格的な書籍の製造法に触れることになる。

講師は田中社長自らが担当。
理想社は秀英舎(現大日本印刷)出身の、初代田中末吉によって、1921年(大正10)牛込区柳町において「理想社組版所」としてスタートした、同社の活字版印刷術を基礎とした歴史と、「理想社書体」へのあついおもいがかたられる。

理想社における高度な組版術、そして柔軟かつ多様性をもった理想社ハウス・ルールの紹介のあと、実際の書籍としての組版術(Composition)、組みつけ・面つけ(Imposition)と、その効果的な利用法も伝授される。
あわせて実践的な書籍本文用印刷用紙選択の秘訣もかたられる。タイポグラフィが、平面構成から、三次元の書物への、華麗なる変貌をみせる瞬間である。
その講義はたっぷり 2 時間にわたり、ついで 2 班にわかれて、組版現場、整版現場、印刷現場、ストック・ヤードの見学に出発する。



おなじ「プリンター」といっても、机上の軽便な「プリンター」と違って、上掲写真の三菱製作所「四六全判オフセット平版印刷機」の迫力は圧倒的である。それがまた何台も列んで、ミクロン単位の厳格な精度管理のもとに「印刷 Printing」がなされていく景観に、塾生諸君はいささか圧倒される。

轟音をとどろかせて稼働する印刷機の背後には、もちろん最大の部署「組版部」があるが、ここは進行中の企画や企業情報のかたまりのような場所でもあり、さすがに撮影はお断り。いずれにしても、さまざまな組版機がならび、さまざまなソフトウェアがドライブしている。



理想社の社歴は90年余とながいが、印刷機器の設備投資は熱心にかさねてきた。コンピューターと連動するCTP室はその最先端技術を誇る部署である。できあがった印刷物からはうかがえない、高度な技術が積みかさねられている。

印刷の歴史は、また技術変革の歴史でもあった。理想社90年余の歴史の積みかさねのなかでは、活版印刷時代の「紙型 Paper Mold」、オフセット平版時代からの「製版フィルム」などが、増刷をまってストックヤードでねむっている。消費と回転のはやい商業印刷と異なり、公版書籍印刷所のかくれた一面でもある。
参考資料:★タイポグラフィ あのねのね *020
        1921(大正10)年創業、創業90周年を迎えた印刷会社 理想社



午後 1 時から開始された「新宿私塾/理想社フィールド・ワーク」は、陽もすっかり傾いた 5 時に終了。
新宿私塾 21 期の講座も第 9 回目を迎え、塾生同士もすっかり打ち解け、同じ目的意識を確認しあった仲になったようです。
このあと、あいにくの雨天のなか、塾生同士がかたらって「懇親会」にでかけたようですが……。

『英語本の扉』著者講演会 終了!

 《『英語本の扉』髙野  彰先生 著者講演会は終了いたしました》
2012年11月10日[土]爽やかな秋晴れにめぐまれ、本講演会は終了いたしました。
講師の 髙野 彰 先生をはじめ、ご来場いただきました愛読者の皆さま、東洋美術学校の関係者の皆さまに、こころより御礼を申しあげます。

講演会ご参加の皆さまにむけた『英語本の扉』のサイン会も開催。
猫のイラストに2012年11月10日のひづけが暗喩されています。

講演では、書物における扉ページにまつわるいくつものエピソードの紹介がなされました。また、ダガー † をはじめとする引用符の役割、年号の標記法などを、たくさんの図版をもとにして諄諄ととかれる講演に、会場の熱気はどんどんたかまり、講演終了後のサイン会では長い行列ができていました。 




日 時:2012年11月10日[土]
    14:00 - 16:00
会 場:東洋美術学校 D棟 学生ホール
主 催:株式会社 朗文堂
    160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
    http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo/
    Facsimile: 03-3352-5160
後 援:学校法人専門学校 東洋美術学校
    産学連携事務局・デザイン研究会 アクティ

【講師紹介】
髙  野   彰 Takano Akira
1941年生まれ。跡見学園女子大学文学部特任教授。
博士(日本文化)。
主要著書:『洋書の話』増補版(1995年、丸善)、『帝国大学図書館成立の研究』(2004年、ゆまに書房)、『英語本の扉 その歴史と役割』(2012年8月、朗文堂)

詳細記録: フライヤーPDF

【ブックコスミイク】新刊書籍 髙野 彰著『英語本の扉』のご案内

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英語本の扉 その歴史と役割

◯ 著   者 : 髙 野 彰
装   本 : A5判 並製本 ジャケット付 176ページ
◯ 
発行日: 2012年8月28日
◯ 
定  価 : 本体1,900円+税
ISBN978-4-947613-86-8 C3000 

本書は「扉」の役割とその歴史を解き明かした書物です。
書物に関心のある人にとって、刺激的な内容になっています。

1500年頃の英語本の扉には、木版の書名、木版の絵を併用した書名、扉全体を囲んだ装飾の枠内に示された書名、コップや逆三角形やワイングラスの形をした書名など、興味深い工夫が目に付きます。
こんな工夫をしたのは、扉ページを本文ページとみなしていたからです。
そのおかげで、扉は本の品質を保証するページになれるのです。

『英語本の扉』を語る 出版記念講演会

朗文堂8月の新刊『英語本の扉 ─ その歴史と役割』の著者/高野彰先生をお迎えして、出版記念講演会を開催いたします。

『英語本の扉 ─ その歴史と役割』は、当日会場内でもご購入いただけます。
また、当日講演会終了後に著者サイン会を開催いたしますので、すでに本書をご購入のかたで、著者のサインをご希望のかたは『英語本の扉』をご持参ください。

現在編集部では、講演用スライド製作のお手伝いをしておりますが、スライド、レジュメともにとても平易で、興味深い内容ばかりです。
著者・高野彰先生は、研究者らしく、とても謙虚で、シャイなかたで、またユーモアもあるかたです。
ところがなにしろ派手なことは嫌いだとされて、ようやく著者サイン会だけは承諾していただきましたが、写真紹介は許していただけません。ですから、会場におみえいただけたら、高野先生のふところのふかい魅力で、感動されることは必至かと……。

まだ会場に若干の余裕がありますので、下記のご案内をご覧いただき、友人・知人をお誘いのうえ、ふるってご参加ください。
その際、会場構成とレジュメの準備もございますので、下記宛てに@メールをお寄せたまわると幸甚です。

日 時:2012年11月10日[土]
    14:00 - 16:00(13:40より受付開始)
会 場:東洋美術学校 D棟 学生ホール
    161-0067 東京都新宿区富久町2-6
    地図は:http://www.to-bi.ac.jp/access/
聴講料:1,000円
主 催:株式会社 朗文堂
    160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
    http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo/
    Facsimile: 03-3352-5160
後 援:学校法人専門学校 東洋美術学校
    産学連携事務局・デザイン研究会 アクティ

◎聴講申し込み登録:
    資料・会場準備のために、朗文堂@メール
    robundo@ops.dti.ne.jp
    に、件名「出版記念講演会申し込み」として、
    お名前・人数・返信用メールアドレスを明記して
    2012年10月31日までにご送信ください。
    3営業日以内にお断りの返信が無い場合は
    受付完了とさせていただきます。

【講師紹介】
髙  野   彰 Takano Akira
1941年生まれ。跡見学園女子大学文学部特任教授。
博士(日本文化)。
主要著書:『洋書の話』増補版(1995年、丸善)、『帝国大学図書館成立の研究』(2004年、ゆまに書房)、『英語本の扉 その歴史と役割』(2012年8月、朗文堂)

会場地図入り フライヤーPDF