《新宿私塾活修了生、活版カレッジ修了生の鈴木成一さんが時論を執筆》
『先見経済』(清話会、2013年01月01日)の表紙Ⅳに、新宿私塾、活版カレッジ修了生の鈴木一成イッセイさんが、東日本大震災からの復興と追悼のおもいを込めた時論を発表されました。
鈴木さんは1982年宮城県石巻市のおうまれで、朗文堂 新宿私塾、活版カレッジを履修され、近い将来、宮城県にあたらしい印刷業のモデルを創立するために真摯な研鑽をつづけています。
石巻市は宮城県東部に位置し、人口はおよそ20万人で、仙台についで県内第2の都市とされます。2011年03月11日の大震災では、直接死・関連死・行方不明者は3,943名の多くを数えました(2012年11月現在)。
この石巻市の犠牲者の数は、市町村レベルではもっともおおきな被害でした。
鈴木一成さんの一家は1926年(昭和元年)の創業にかかる株式会社鈴木印刷所の経営者で、まもなく創業90年を迎える老舗の印刷会社です。
同社もまた、激甚をきわめた震災と津波によっておおきな被害を蒙ったものの、全社一丸となって復興作業をすすめ、現在は「Never Give Up 原点回帰・第二の創業へ」をスローガンとして、奮迅の努力を重ねています。
鈴木印刷所の第4代目を担うであろう鈴木一成さんは、「第二の創業」をめざして、ほんとうに熱心に研究をつづけています。
鈴木さんは「原点回帰・第二の創業」に際して、おおきな可能性を秘めた活版印刷と真っ正面からとり組み、近近 意欲的な工房が杜の都・仙台か、石巻に誕生する模様です。もちろん朗文堂 アダナ・プレス倶楽部も、この鈴木印刷所の挑戦を、全力でのバックアップを心がけています。
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鈴木一成さんの「時論」は、あのおおきな災害を忘れることなく、被災地へのおもいをあらたにさせる、挑戦者らしい「時論」でした。
そしてわたしたちも、あの地震と津波、さらには原発事故という人災の記憶を風化させることなく、追悼と復興の意志に燃える、被災地の皆さんと、ねばりづよい連帯がもとめられることを、年頭から実感させるものでした。