月別アーカイブ: 2015年4月

【会員展覧会情報】 笹井祐子さん、あらかわ画廊で三人展開催

赤の声笹井祐子 「 赤 の 声 」 リトグラフ

笹井 祐子 SASAI Yuko
履 歴
1966年 東京都生まれ
1990年 日本大学藝術学部美術学科卒業
1992年 日本大学藝術学部研究所版画コース修了
2010年 日本大学海外研究員(平成21年度 メキシコ)
現在、 日本大学 藝術学部 教授
──────
日本画 ・ 版画 ・ 油彩
阿部清子 ・ 笹井祐子 ・ 武藤伸子展
15.04.19[1]日本画 ・ 版画 ・ 油彩と、それぞれの分野で活躍中の 女性作家
三人展です。  研ぎ澄まされた感性のぶつかりあいを、同空間で
楽しめるという、この上ない贅沢に浸っていただければ幸いです。
―― 荒川みはる

2015年04月20日[月]-05月01日[金]
AM11:00-PM6:00 ( 日曜祝日休廊 / 最終日4 時終了 )

あらかわ画廊
中央区京橋2-8-18 昭和ビルB2F 電話 : 03–3566–5213
http://arakawa-art.jp

【新宿私塾】 新宿私塾 第26期 が陽春のもとでスタートしました

私塾26期スタート

新宿私塾第26期入塾《 新宿私塾第26期、櫻花爛漫の春、意欲満満でスタートしました 》
隣接する新宿御苑の、櫻、ミモザ、山吹などがあでやかに花をつけた04月07日、新宿私塾 第26期が開塾いたしました。

これから半年間、ほぼ夏休みもなく新宿私塾は開講され、爽秋の09月15日に終了します。
講師、塾生の先輩ともども、全力であたらしいタイポグラフィの前衛を育成するために努力しますし、25回の講座は、いずれも内容の濃いものとなっています。
半年後、自信にあふれた塾生の皆さんの、お顔と、お姿を、再度紹介できたら幸せです。

DSCN8614 DSCN8609 DSCN8619新宿私塾では、タイポグラフィにおける 「 知 ・ 技 ・ 美 」 のみっつの領域で、バランスのよい学習をモットーとしています。 それはまた 「 知に溺れず、技を傲らず、美に耽らず 」 という、つよい自戒をともないます。
この半年のあいだ、塾生の皆さんがおおきな収穫が得られるように、講師陣はもとより、200名を優にをこえた 「新宿私塾修了生」 の皆さんも、精一杯の努力と応援をいたします。

《 恒例 新宿私塾第26期 カリキュラム  表紙デザインの紹介 》

私塾26期カリキュラム新宿私塾 第26期 カリキュラム 表紙  ( Design : 講師 杉下城司さん )

新宿私塾 第26期 カリキュラムの表紙は、デジタルタイプの < アーバン グロテスク  Urban  Grotesk > です。
新宿私塾では受講期間のあいだに、和文活字でも、欧文活字でも、どちらでもかまわないのですが、できるだけ 「 My Favorite Type ― わたしのお気に入りの活字書体 」 を獲得することが勧められます。

もちろん、世上の評価がたかい活字書体でも、まったく無名の活字書体でも、「はやり書体」 でも一向にかまいません。 むしろどんな活字書体にも、避けがたく付着している 「 長所と短所 」 をみつけだし、「 長所をいかし、短所を制御する能力 」 がとわれます。

──────── 杉下城司さんのコメント
今回の書体は、スーツケース タイプ ファウンドリー  Suitcase Type Foundry  の < アーバン グロテスク  Urban Grotesk > です。
昨2014年にリリースされたあたらしい書体です。 製作したデザイナーは チェコ/プラハ の トーマス ブルーシラ  Tomáš Brousil です。
ヘルベチカの作成に際して参考にされた、フレンチ グロテスク ( ハース ) や、ノーマル グロテスク ( ハース )、また リフォーム グロテスク ( ステンペル ) といった、20世紀初頭のグロテスク系の書体を意識したあたらしい書体です。

表紙で使用した ☆ や、♢ ♡ などの約物/記号類もセットされていますし、いまでは当たり前のようなっている 「 a 」 「 g 」「 l エル 」 などのオルタネートもセットされています。
< アーバン グロテスク  Urban Grotesk > は、ヘルベチカのように、静的な方向-スタティックに洗練された書体とは違い、硬いながらも、グロテスク本来の良さを残しながら、いくぶん動的-ダイナミックに洗練された、21世紀初頭のグロテスクではないでしょうか。

【 参考URL : Suitcase Type Foundry Urban Grotesk

【友人 森郁男氏紹介】 『瞽女 キクイとハル』(川野楠己著、鉱脈社刊)

長年の友人 : 森郁男さんは、詩人にして造形家であり、とてもおこころのやさしいかたです。
このたび毎年恒例の、ご趣味の薩摩琵琶、正派 正紘会の『 琵琶演奏大会 』 のご案内とともに、 瞽女 キクイとハル 』 ( 川野楠己、鉱脈社 ) のご案内をいただきました。

ちなみに<瞽女 ごぜ>とは、「 盲御前 ( めくらごぜん )」 という敬称に由来する 女性の盲人芸能者のことです。( ウィキペディア : 瞽  女
近世までにはほぼ全国的に活躍し、20世紀には新潟県を中心に、北陸地方などを転々としながら三味線、ときには胡弓を弾き唄い、門付巡業を主として生業とした旅芸人でした。

瞽女 キクイとハル

川 野  楠 己 著
四六判 並製 325ページ
定価 : 2,000円+税
<発行元 ・ 問い合わせ>
鉱  脈  社 880-8551  宮崎市田代町263番地
TEL. 0985-25-1758  FAX. 0985-25-7286
<内容紹介>
視覚障害を持ちながら厳しい修行を続け、芸の世界に生きてきた代表的な二人の生涯に光をあてて、伝統を守り受け継ぐ人々を描く。 第51回点字毎日文化賞の著者による渾身のメッセージ。
<著者について>
川 野 楠 己  (かわの くすみ)
瞽女ゴゼ文化を顕彰する会  発起人 ・ 理事  琵琶盲僧永田法順を記録する会 ・ 元代表、 元 NHK チーフディレクター 昭和05年(1930)東京生まれ。
昭和27年(1952)NHK 入局。  平成2年(1990)定年退職。
その間の25年間 『 視覚障害者向け 』 のラジオ番組の企画制作を担当。 日本の伝統音楽を支えた視覚障害者の活躍に注目、 瞽女や琵琶盲僧をテーマにした番組を数多く制作した。
文化庁芸術祭ラジオ部門で昭和41年文部大臣奨励賞、昭和51年文部大臣優秀賞、昭和61年文部大臣芸術作品賞など3 回、放送文化基金賞 2 回を受賞。 国際コンクール、イタリア賞、日本賞にも出品した。
退職後は瞽女と琵琶盲僧の検証と顕彰をする組織を立ち上げ取り組んでいる。
平成9年には 『 今を生きる琵琶盲僧 ・ 永田法順の世界 』、『 最後の瞽女 小林ハル96歳の絶唱 』 のCDを制作し自費出版した。 2 年後には 『 仏の里の琵琶法師 髙木清玄 』 もリリースした。
【 アマゾン情報 : 瞽女 キクイとハル 強く生きた盲女性たち (みやざき文庫109)

<関連図書> 【 アマゾン情報 : 最後の琵琶盲僧  永田法順 (みやざき文庫92

 

【武蔵野美術大学 美術館 ・ 図書館】 近代日本彫刻展

Omote_F2C_0327-2[1]ヘンリー ・ ムーア ・ インスティテュート × 武蔵野美術大学 美術館 ・ 図書館 共同開催
Henry Moore Institute × Musashino Art University Museum & Library

近代日本彫刻展 ― A Study of Modern Japanese Sculpture ―

会  期|2015年5月25日[月]-8月16日[日]
休館日|日曜日、祝日 ※6月14日[日]、7月20日[月・祝]、8月16日[日]は特別開館
時  間|10 : 00-18 : 00 (土曜日、特別開館日は17 : 00 閉館)
入館料|無 料
会  場|武蔵野美術大学美術館 展示室5
主  催|武蔵野美術大学 美術館 ・ 図書館
共同企画|ヘンリー ・ ムーア ・ インスティテュート

<展覧会概要>
本展は、西欧の研究者が日本の近代彫刻を紹介するこれまでにない試みとして、エドワード ・ アーリントン教授 ( Edward Allington / ロンドン大学スレード校大学院 ) の協力のもと、リーズ ( イギリス ) にあるヘンリー ・ ムーア ・ インスティテュートによって企画され、同地にて 2015年1月18日から4月19日まで開催されました。

西欧の視座から日本の近代彫刻とその歴史を見直すことで、日英の双方が 「 彫刻 」 についての認識を深める一方で、イギリス展を契機に、西欧においても 「 近代日本彫刻 」 が新たな研究分野として確立されることが期待されます。

明治以降、西洋美術に対する理解が進む中で、彫刻とは人体をつくることであるという考え方が日本では主流になりました。 しかし一方で、日本の近代彫刻は西洋彫刻を受動的に受け入れるのではなく、西洋の塑造と日本の伝統的木彫との架橋を試みながら、「 彫刻とは何か 」 という問題を自己に問いかけることによって、独自の 「 近代日本彫刻 」 が形成されてきたと言えます。

本展 ( 日本展 ) では、森川杜園 ( 1820-1894 )、高村光太郎 ( 1883-1956 )、佐藤朝山 ( 1888-1963 )、橋本平八 ( 1897-1935 )、横田七郎( 1906-2000 ) による動植物などの自然物をモチーフとした、明治期から昭和前期までの優れた木彫作品を中心に約10点を紹介いたします。
これら日本の近代彫刻の特徴を示す作品を紹介することで、明治以降、単なる西欧化ではない独自のポジションを形成した近代日本彫刻とはどのようなものであったのか、その意義を検証します。

【 詳細情報 : 武蔵野美術大学  美術館 ・ 図書館  展覧会情報

【活版カレッジ】 2015年 春期昼間部講座 開講のお知らせ

活版カレッジ

朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部の直接指導により
本格的な活字版印刷術の
知 ・ 技 ・ 美 の 三領域を バランス良く学べます。

<活版カレッジ 2015年春期講座>が 櫻散りしく 04月08日[木]から開講しました。
今回は女性三名、男性一名での開講となりました。
<活版カレッジ>は、科学と、学術的根拠にもとづいた実技と実践を基盤とし、小型活版印刷機 Adana-21J ,  Salama-21A によるケーススタディ ・ メソッドをふんだんに駆使し、あたらしい時代の活版印刷の現場での、現実的  な課題の解決方法を学ぶことを目的とします。

DSCN8633uu DSCN8634uu 3640uu

< 活版カレッジ 2015年春期講座 >
01月01日播種した<野沢菜>が、
開塾を待ちかねていたように、花をつけての祝福でした。

《 活版カレッジ 》 は、実技 ・ 実践を重視し、定員四名という徹底した少人数の講座です。
うれしいことに、あたらしい活版実践者、あたらしい活版造形者が着実に増加しています。
今回の講座は夜間部での開講ですが、先行お申し込みのお客様で定員となり、一般公募を経ないでの開講となりました。

次期 の夏期講座は、2015年07-09月の開講を予定しており、しばらく先となりますが、なにぶん少人数の講座ですし、すでに数名のお申し込みがあり、ここ数回、一般公募ができない状況がつづいております。
《 活版カレッジ 》 受講ご希望の方は、できるだけお早目に、朗文堂/アダナ ・ プレス倶楽部の @メール まで受講希望の意向をご連絡ください。一般公募に先だって、あらためてご案内をさしあげ、受講ご意向の再確認をさせていただきます。
──────────
活版カレッジ
【 講座教室 】 東京都新宿区新宿 2-4-9 中江ビル   4FB  朗文堂内 ( 通学制 )
【 講   師 】   朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部

◎ 受講期間 3 ヶ月 木曜日 全 9 回(毎月 3 回)
※ 各コース定員 4 名(お申込先着順)

※ 毎月 第 1-3 週木曜日の開講。 第 4 - 5 週は基本的にお休みです。
※ 年末年始 ・ GW ・ 夏期休暇などに際して若干の変動があります。
◎ 徹底した少人数講座のため、お申込先着順とさせていただきます。
◎ 受講希望者多数の場合には、次期講座への予約をお勧めする場合がございますのでご了承ください。
◎ 次期の開催日時と募集の開始は、ここ アダナ ・ プレス倶楽部ニュース にて随時お知らせいたします。
◎ 《 活版カレッジ 》 受講希望の方は、お気軽に、できるだけ事前に、アダナ ・ プレス倶楽部の  @メール  まで受講希望の意向をご連絡ください。 一般公募に先だって、あらためてご案内をさしあげます。 積極的なご参加をお待ちしております。

【 基本情報 : 教室のご案内 Salama-21A 操作指導教室 活版カレッジ

──────────
活版歳時記 ────
三椏 ミツマタ の花  四月初旬   撮影者 : 古谷昌二さんのコメント
三椏の撮影地は、秦野からバスで大山山麓の蓑毛に行き、そこからヤビツ峠に通じる山道の途中に群生していました。 富士山の写真は、ヤビツ峠から少し登った岳ノ台 ( 標高およそ900 m ) からのズームアップしたものです。 いずれも秦野市に属している地区です

三椏や  やまさと ふかく  かをりける

― よみし ひとを しらず ―

234uu 235uu 233uu 246uuみつまた ( 三椏 ・ 三叉 ) は中国原産のジンチョウゲ科の落葉低木で、わが国でも暖地に栽培されています。 その枝がかならず三つにわかれることからその名がうまれました。 樹皮の靱皮をとって手漉き紙の材料とします。
櫻にさきだって、黄色の筒型小花をつけ、つよいかおりを発するので 「 結香 ムスビキ」 の和名もあります。 中国ではその色合いとかおりをめでて 「 黄瑞香 」 とされます。

【会員情報:展覧会】 大平高之 ドローイング展

img_6ae721af5811c1a23a1a1a6fa1022cc4[1] 大平高之お知らせです。
東京 ・ 西荻窪の JUHA coffee さんで、
ドローイングの展示をいたします。
JUHA ユハ さんの珈琲やお茶と一緒に
お楽しみいただけたら幸いです。

——————————————
大平高之 
ドローイング展
2015年04月14日[火]-26日[日]

JUHA coffee  ( Click ! ) 
火-土 13 :00-23 :30
日        13 :00-22 :00
*月 休み
*平日の18-19 時は 休憩時間をいただいています。
〒167-0053 東京都杉並区西荻窪2-25-4
tel.  03-5344-9701
☆JR 西荻窪駅から 徒歩およそ05分

【 企画詳細 : o h i r a t a k a y u k i URL 】

【小西昌幸さん情報/演奏会】 北島ブリティッシュ ・ ロック ・ レジェンド ・ ナイト ★ デイヴ ・ シンクレア & ジミー ・ ヘイスティングス

デイヴ・シンクレア、ジミー・ヘイスティングス、浦千鶴子★20100509★創世ホール写真) 左から、デイヴ ・ シンクレア、 ジミー ・ ヘイスティングス、浦 千鶴子の各氏

北島 ブリティッシュ ・ ロック ・ レジェンド ・ ナイト ★
デイヴ ・ シンクレア & ジミー ・ ヘイスティングス

元 キャラヴァン ~ キャメルの デイヴ ・ シンクレア と、
元 ソフト ・ マシーン の ジミー ・ ヘイスティングス。
英国の カンタベリー ・ シーン伝説の いぶし銀コンビが、
美声ヴォーカリスト ・ 浦 千鶴子をともなって 北島町に奇跡の降臨。
関西地区では 滋賀、京都、北島町 3 カ所のみの公演!

◯ 日  時 : 2015年05月09日[土] 午後 7 時から
◯ 会  場 : 徳島県北島町立 創世ホール 3 階  多目的ホール
◯ 入場料 : 前売 3,000円 ( 当日 3,500円 )
◯ 出  演 : デイヴ ・ シンクレア ( ピアノ/キーボード )、 ジミー ・ ヘイスティングス ( サックス/フルート )、 浦 千鶴子 ( 特別ゲスト/ヴォーカル)
◯ 主  催 : 北島 ブリティッシュ ・ ロック ・ レジェンド ・ ナイト実行委員会

※ 前売りチケットは、北島町立図書館カウンターでお買い求めいただけます。 電話でのご予約もお受けしています。
※ 問いあわせ : 北島町立図書館 ・ 創世ホール ( 電話 088-698-1100 )

【 関連情報 : 徳島県北島町 北島ブリティッシュ ・ ロック ・ レジェンド ・ ナイト
──────────
<小西昌幸さんからの@メール>
各 位
お世話になっております。 徳島の小西昌幸です。
2015年05月09日に、英国ロック界の大御所二人の国内ツアーがあり、北島町 創世ホールでも演奏会を開催することになりました。
元 キャラバン~マッチング ・ モウル ~ キャメルの デイヴ ・  シンクレア氏、元 ソフトマシーンの ジミー ・ ヘイスティングス氏の日本ツアーです。
創世ホールではこのおふたりに、美声ヴォーカリスト ・ 浦 千鶴子さんが加わります。

この催しは 例によって町の予算がついておりません。 3,000 円のチケットを 最低百枚実売する必要があります。 赤字が出たら 私と友人が個人負担するシステムです ( 暴走企画と呼んでおります )。

先日は、デイヴ ・ シンクレア氏 ( 現在京都在住 ) と浦さんが 徳島のふたつの FM 局に出演して PR しましたが、まだまだこの演奏会の宣伝を展開しなくてはなりません。 画像などをお送りしますので、ブログ、ツイッター、HP などにご自由に貼り付けていただき、ご支援いただけましたら幸いです。
そして四国近辺に愛好家のご友人がおりましたらぜひ薦めてください。 九州 ・ 福岡から来場されるかたも 1 名おいでです。
なお、チラシの中の文言 ( 惹句 )、「 宇宙の高みに美の結点を 」 は、東京の先人、片塩二朗さんが 昔用いられたフレーズを謹んで引用させていただきました。

2015年02月の山田太一さんの講演会はおかげ様で、立ち見が出る超満員 ( 約350名 ) となり、来場者人数の歴代最高記録を樹立しました。 ご支援に感謝しております。
【 関連情報 : 花筏 [講演会] 北島町創世ホール/山田太一 「 『早春スケッチブック』 がめざしたもの 」 2014年12月22日

私はいよいよあと 1 年で定年退職を迎えることになりました。 ひざが痛くなったり ( 血腫ができていました )、右耳が難聴になったり、あちこちガタがきております。 健康第一です。
友人各位におかれましては、くれぐれもご自愛ください。

小 西  昌 幸
北島町教育委員会教育次長、『 ハードスタッフ 』 編集発行人、徳島謄写印刷研究会事務局長、先鋭疾風社代表、海野十三の会副会長、59歳。

デイヴ・シンクレア、ジミー・ヘイスティングス、浦千鶴子★20100509★創世ホール デイヴ・シンクレア&ジミー・ヘイスティングス★カラーチラシ画像★最終版「ぞめき★デイヴ・シンクレア『マキノ』」20130918「徳島新聞」夕刊★執筆=小西昌幸

──────────
< やつがれ  しるす >

かんがえてみたら、徳島の小西昌幸 ( こにし まさゆき ) さんとのおつきあいも長くなった。
徳島市の板東孝明さんに小西さんをご紹介いただいたのは、1980年代の中頃であったとおもう。
小西さんはフットワークの良いかたで、その口からはことばが、その筆からは文章がとめどなくあふれるかたであった。

したがって、最初は 〔 このひとはディレッタントに違いない。 役所づとめはいつまで続くかな 〕 とかんがえた。 ところが〔おどろいたことに〕、無事に役所を勤めあげ、間もなく定年退職となるらしい。
最近とみに高齢化と定年退職をウリにしているが、これまでこのひとをしばっていた 「 公務員 ・ 役人」というくびきがはずれたら、定年後になると、かえって若返り、けたたましくなりそうな予感 ( 悪寒 カモ ) が
しないではない。

やつがれは不器用で、子供のころにオヤジにいわれた 「 おまえは活字ばかだ 」 ということばそのまま、ひとつことにこだわり、生きてきた。
またこれまで、活字やタイポグラフィに関して、それを技芸や学問としてとらえるのではなく、興味本位、慰み半分で口にし、ひとつの通過点のようにして去っていった
ひと-ディレッタントを散散みてきた。
つまりひとときとはいえ、ディレッタントとみなした小西さんには、ときおり牽制球をはなつだけにして、適度な距離を保つようにしていた。

ところが最近、小西さんへの認識が変わりつつある。
そもそもご本人からの @メールでも、その肩書きや関与事業を、サラリと、自慢でもなく、<北島町教育委員会教育次長、『 ハードスタッフ 』 編集発行人、徳島謄写印刷研究会事務局長、先鋭疾風社代表、海野十三の会副会長、59歳>としるすほどのひとである。 ふつうなら嫌みとなるほどのものでしかない。

今回のイベントも、<北島 ブリティッシュ ・ ロック ・ レジェンド ・ ナイト ★>と、いかにもロック世代らしくしるさずにはいられないようである。
どちらかというと ジャズ世代のやつがれは 苦笑するしかないし、ロック ・ コンサートに、爺さま ・ 婆さままで動員したければ < 懐かしのイギリス ・ ロックの夕べ ★> とでもしたほうが良かろうとおもう。
ところがそこはディレッタント小西のことゆえ、<北島 ブリティッシュ ・ ロック ・ レジェンド ・ ナイト ★>と、先鋭疾風のごとく、阿修羅のごとく、ヲメクことなくば気がすまないのでのであろう。またメールの文中に二行ほどやつがれに関して ( 余計な ) 記述がみられたが、そのままにしてご紹介した。

そもそもディレッタント小西が仕掛けるイベントは、いつもこんな具合である。
>この催しは 例によって町の予算がついておりません。
>3,000 円のチケットを 最低百枚実売する必要があります。
>赤字が出たら 私と友人が個人負担するシステムです ( 暴走企画と呼んでおります )。

はなからスノッブだとはおもわなかったが、ディレッタントもここまでくると本物である。 小西昌幸さんは、まさしく本物の好事家であり、本物のディレッタント-好き者、物憑きである。
徳島には ジャストシステムにお世話になった関係で、友人知人が多い。 また四国全土の友人のみなさまも、あげて、ぜひとも、 <北島 ブリティッシュ ・ ロック ・ レジェンド ・ ナイト ★> にご参加をたまわりたいゆえんである。

【お客さまご訪問】中華書局:李 晨光氏、商務印書館(香港):毛 永波氏

DSCN8622《 2015年04月03日〔金〕、おふたりの中国の印刷 ・ 出版人がご来社に 》
朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部のホームページをプリントされ、それを提示されながらの、ほとんどノーアポでのご訪問でした。
日本で<活版ルネサンス>の動向が顕著なことと、朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部のうわさわ聞きつけてのご訪問でした。

◎ 写真左) 李 晨光 さん ( 中華書局  デジタル出版センター主任 )
◎ 写真右) 毛 永波 さん ( 商務印書館〔香港〕有限公司 取締役 ・ 副編集長 )

おふたりは <第18回 東アジア出版人会議 > のパネラーとして来日され、その寸暇をぬすんでのご訪問でした。
おふたりの 報告事項 は以下のとおり。

◎ 李 晨光  中華書局の古籍デジタル化と『中華経典古籍庫』
中華書局は中華人民共和国の代表的な出版社。
1912年(中華民国元年 ・ 大正元年)に 陸 費逵 ( 伯鴻 ) によって上海で設立された。
小学校や中学校の教科書の出版を中心とした出版社で、古典籍や、自然科学書 ・ 社会科学書 ・ 文芸書 ・ 参考図書類も手広く印刷出版している。
1954年05月に北京に本社を移転した。現住所は、北京市豊台区太平橋西里38号。

◎ 毛 永波  香港商務印書館のデジタル出版の歩みを追う
商務印書館は中華人民共和国の代表的な出版社。
上海租界(外国租借地)にあった米国美華書館
American Presbyterian Mission Press)の職員であった、夏 瑞芳、鲍 咸恩、鲍 咸昌、高 鳳池ら四人が、米国籍の長老会牧師 George Field Fitch ( 中国表記 : 費啓鴻、1845-1923 ) の支援をえて、1897年(清朝光緒期 ・ 明治30 ) 02月11日に上海において設立された。
現在は本社を北京王府井におき、支社網を全土に置き、商業印刷にとどまらず、総合出版 ・ 印刷所として中国第一の規模をほこる。

DSCN8627《 デジタルプリントの話題はほどほどに、中華書局 : 聚珍倣宋版、商務印書館 : 倣宋体活字で話題がおおいに盛りあがる 》
中華書局には 「 聚珍倣宋版 」 があり、商務印書局には 「 倣宋体活字 」 という、すぐれた本文用活字書体がある。
このふたつの活字書体はわが国にも昭和前期にもたらされ、中華書局系は名古屋 ・ 津田三省堂らによって 「 宋朝体 」 の商品名で発売された。 商務印書館系は大阪 ・ 森川龍文堂によってもたらされ、「 龍宋 」 の商品名で発売されていた。

この宋王朝刊本字様に淵源を発する活字書体を、故 ・ 毛沢東首席が好んだ ことは紹介した。
また現代中国では、宋体 ( わが国の明朝体 ) にかえて、倣宋体 ( わが国のいわゆる宋朝体 ) が再評価されている。
たまたま小社でも 「 宋朝体研究 」 が進行中で、その資料をみたおふたりとも、おおいに驚き、喜んでいただいた。
どうやらデジタルメディアに職掌上たずさわっていても、やはり印刷 ・ 出版人の < 活字好き > は日中ともに変わらないようであった。

【 関連情報 : 花筏 宋朝体活字の源流:聚珍倣宋版と倣宋版 01-04 】 
聚珍倣宋版表紙DSCN0892 DSCN0895 活字組版印刷見本帳 『 聚珍倣宋版式各種様張 』 と、創成者 : 丁 輔之 と 丁 善之

【展覧会】 金継ぎ 樋口明美さん-こまや道楽 みちをたのしむ

水野絵柄 水野宛名面

<プロフィール 樋口明美>
金継ぎ職人。
不幸な事故にあってしまった愛用の器を助けるべく、金継ぎ修行に専念。
食器が生まれ変わって新たに愛用できるのはいいけれど、
新しい器にうふうふと微笑みかけられれば 「 はいはい、うふふ 」 と
仲良くなって・・・・・
これ以上増えるとダイニングボードに収まりきらなくなる、
ダイニングボードを広げるとリビングに収まりきらなくなる、
のが、現在悩みの種。  

【 企画詳細 : うつわ つくろい こまや  樋口明美

【展覧会】 直前情報再掲載/ヴァチカン教皇庁図書館展Ⅱ-印刷博物館 and More

20150218173631647_000120150218173631647_0002
ヴァチカン教皇庁図書館展Ⅱ
書物がひらくルネサンス

会      期 : 2015年04月25日[土]―07月12日[日]
休  館  日 : 毎週月曜日( ただし05月04日[月 ・ 祝]は開館 )、05月07日[木] 
開館時間 : 10 : 00 - 18 : 00 ( 入場は 17 : 30まで )
入  場 料  : 一般 800円、学生 500円、中高生 300円、小学生以下無料
──────────
「 ヴァチカン教皇庁図書館展 ― 書物の誕生 」 (2002年) 開催から13年目となる2015年。
〈 書物 〉 と 〈 ルネサンス 〉 をテーマに 第 2 回展を開催します。

 
ヴァチカン教皇庁図書館が誕生した時代、書物の再生がルネサンスとともに到来しました。旧来の手写本や、新たに登場した活字本、そして書物を飾ろうという要望にこたえて生まれた木版 ・ 銅版画は、書物の輝きを推進する役割を果たします。

本展では、ヴァチカン教皇庁図書館所蔵の中世写本、初期刊本、地図、書簡類計21点を中心に、印刷博物館および国内諸機関所蔵の書物を加えた計69点を展示、ルネサンス精神の比類なき生き証人である書物の魅力に迫ります。
──────────
<おすすめ企画/ヴァチカン図書館展Ⅱ 関連講演会>

06月27日[土]
対談企画 「 アルド ・ マヌーツィオの魅力 」
雪嶋 宏一 ( 早稲田大学教育 ・ 総合科学学術院 教授 )
白井 敬尚 ( グラフィックデザイナー  白井敬尚形成事務所主宰 )

会 場  :  印刷博物館 グーテンベルクルーム ( 地階 )
時 間  :  14:00-16:00 ( 終了時間は予定です )
料 金  :  無料 ( 企画展にご入場の際は、別途入場料が必要です )
定 員  :  80名 事前申込制 先着順
【 講演会申込フォーマット : 「 ヴァチカン図書館展Ⅱ」 講演会

──────────  餘談ながら 〔 初出では S 氏 、K 氏としたが、ここでは本名でしるす 〕

【 初  出 : タイポグラフィあのねのね*013 マインツとグーテンベルク 2011年08月11日 】
【 再掲載 : タイポグラフィ あのねのね*014 アルダス工房、ドベルニ&ペイニョ、アーツ&クラフト運動 2014年12月01日 より部分】

活字版印刷術 タイポグラフィ と 情報は、水の流れにも似て……
五体と五感をもちいたアルチザンの拠点

烏兎匆匆か、はたまた 光陰矢のごとしか
◎ おあとは、よろしいようですね! ◎

デザイン界に、いまだ充実した 「 教科書 」 が不在だったころのはなしである。 そうふるい話しではない。 1997年のこと。
京都のさる美術大学が、四年制の通信教育学部をつくろうとなったとき、あたりまえといえばあたりまえだが、所轄官庁から 「 教科書 」 の製作を強くもとめられた。
そのタイポグラフィ篇の教科書の執筆を依頼されたが、単独執筆では偏りを生ずるおそれがあったので、白井敬尚氏、河野三男氏に依頼して、03名で共同執筆にあたった。

執筆に取り組んで、あらためておどろいた。 当時の美術大学や藝術大学 ( くどいようだが1997年のこと )には、どこにも、デザインの教科書はもとより、先行資料といえるようなまとまった資料はなかったのだ。 先行資料が無いということは、ある意味では提灯も無く暗い夜道を歩むようなものであった。

そのため、まったく手探りで、「 デザイン教育用の教科書 」 をまとめなくてはならなかった。 そのツメの段階にきたとき、資料不足が明確になったので、筆者を含む03名で、ヨーロッパ駆け足取材 ( 費用は各自負担だったケト ゙ ) を計画した。

執筆と旅行の準備に追われていたある日、白井敬尚氏が血相を変えて駆け込んできた。
ゲーテ 『 イタリア紀行 』 に,アルダス ・ マヌティウス 〔 アルド ・ マヌツィーオ 〕 の工房が、「 ベネツィアのサンセコンド2311番地 」 にあることが紹介されている、と興奮した面持ちでかたった。
18-19世紀の文豪 ゲーテ ( Johann Wolfgang von Goethe  1749―1832 ) が記録したその記録が、現在もまだ有効な資料かと半信半疑ながら、「 ヴェネツィア、サンセコンド2311番地 」 の名前だけは咒文のように記憶して出かけることになった。
20141203152153278_0001ともかく慌ただしい旅 ( 珍道中ともいえる ) であった。  ドイツに入り、パリを経由して 列車でスイスに、そしてまた列車でイタリアに入った。
イタリアでは拠点を パドヴァ のちいさなホテルにおいた。 すなわち長靴形のイタリア半島を上下に移動するのではなく、半島の付け根を左右に行ったり来たりした。
ミラノから取材をはじめ、翌日にはヴェローナのタイポグラファの友人、マルチーノ ・ マーダシュタイク氏からさなざまな支援を受けた。

当然、ヴェネツィアのアルダス工房の所在地も聞いたが、
「 ヴェネツィアのどこかに、いまもアルド ・ マヌッツィオ ( マルチーノの発音 ) の工房があることは聞いた気がするなぁ」
程度の曖昧な回答だった。

そこで、やはり ヴェネツィアに行くしかない……、 となった。
いまならグーグルマップで即刻詮索だろうが、この取材は1997年のこと。
ヴェネツィア駅に降り立って、すぐに詳細な街路図を購入して、駅前広場で地図をひろげて03人による鳩首検索。
おなじ列車で着いた旅行者は四散して、駅頭からすっかりひとがいなくなったのに、まだ駅前でただただ地図とにらめっこをしている奇妙な日本人が03人。
「あった~! ココにある」。
やはり最初に豆粒のような街路図から 「 サンセコンド 」 の名を見つけたのは白井敬尚氏だった。

さっそく いくつかの橋を ( 駆け抜けるように ) わたって 「 サンセコンド通り 」 に駆けつけた。
それからの興奮、舞いあがりのさまをしるすのは ( あまりに恥ずかしいから ) 控えよう。
ともかく03人は、いまはヴェネツィアン ・ グラスの工房 ( 写真向かって左 ) と、ブティック ( 写真向かって右 ) になっているこの建物に、( 買い物のふりをして ) 押し入り、仔細に ( 柱の1本1本に頬ずりをし、壁もナデナデして ) 内部構造もミタ。

まことに奇跡ではないかとおもった。 520年ほど以前 ―― わが国では足利幕府の時代、すなわち1495年ころから この工房は活動を開始し、20年余にわたって133冊 ( 種類 ) の評価のたかい書物をのこしている。 その工房がそっくりそのまま地上にのこっているのだから、高松塚古墳 モトイ ポンペイの遺跡が発掘されたときよりおどろいた !?

それから筆者はここを都合04回訪れ、いつもお義理でヴェネツィアン ・ グラスの安いものを購入していた。 そのため工房のあるじとも親しくなった。 店主はいかにも技芸の街、ヴェネツィアのアルチザンといった朴訥 ボクトツ なひとで、
「 最近、日本人のデザイナーが良く来る。 かれらは丁重で、必ず名刺を出して、死ぬほど写真を撮りまくる 」
と ( いうようなことを ) ボソボソとかたっていた。 それでも気のせいか、この建物に入ると、いつも活版インキ独特の甘い残り香をかんじていた。 なによりも、この 「 サンセコンド2311番地 」 の 建物正面の壁面には、重重しく銘板が埋め込まれており、以下のような文言がしるされている。

その名があまねく知れわたりし マヌティウス家の啓蒙者
アルダス ・ マヌティウス
このヴェネツィアの地にて 優れし印刷術に 身も心も捧げたひと

大学側の最初の説明では、通信教育学部の発足までに、各教科、都合10冊の教科書をつくることが必要だとされた。 吾吾03人組はなにはともあれ締め切りは守った。
それにしても……、常勤の大学教員はただただ傍観するだけ、その間なにもしなかったなぁ。 それがして、それまで美術大学に教科書が無かった理由かもしれない。

ともあれ、発足までに間にあったのは、吾吾が担当したタイポグラフィ篇と、別の著者によるイラスト篇だけだったようだ。 のこりの教科は、大学当局が監督官庁となんとかうまく話しあったのだろう。
したがってこのふたつが取りあえず合冊されて、『 情報デザイン演習Ⅰ 情報デザインシリーズ Vol.1  イラストレーションの展開とタイポグラフィの領域 』 と、えらく長い ( 大仰な ) タイトルがつけられて、1998年(平成10)04月01日に発行され、四年制の通信教育学部の発足をみた。
そして、それから数年もたたずに、あちこちの美術大学や藝術大学に 「 教科書 」 がもうけられるようになった。 わが国には <ちいさく右へ倣え> のふうがある。

【 詳細情報 : 凸版印刷 印刷博物館