奥 村 浩 之 Okumura Hiroyuki
<略 歴>
1963年 石川県に生まれる。
1986年 金沢美術工芸大学美術学部彫刻科卒業
1988年 金沢美術工芸大学大学院修士課程修了
1989年- メキシコに渡る
現在、メキシコを本拠地に、彫刻制作に没頭
【 YouTube 2:42 奥村浩之 彫刻を語る https://youtu.be/US5XMIHnT5I 】
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<“ FSPONTÁNEIDAD ” わ が 宝 奥 村 浩 之>
日本での石との対話から、さらに大きな石との格闘を求めて渡ったメキシコでは、石のほかに、メキシコ時間との出会いがあり、ESPONTÁNEIDAD (のびのびとした) ということばが、何をすべきか、僕を大きく成長させ変貌させた。
メキシコの豊かな大地と歴史、メキシコの人々の心が育て上げたメキシコ時間の精髄で、その真意を知ったとき、僕は真に自由になり、メキシコと同化したことを自覚した。
ESPONTÁNEIDAD は僕を僕たらしめ、僕の宝となった。 そしてそれは彫刻表現の方向をも導いてくれ、さらにもうひとつのことば 「GOZOSO」 (楽しい) も連れてきてくれた。
左) 奥村浩之 Hiroyuki Okumura さん。右) 笹井(奥村)祐子 Yuko Okumura-Sasai さん
彫刻家/奥村浩之、版画家/笹井祐子。このふたりとすごした初夏の日日、そのわずかで永かった時間は、どこか模糊としてとらえどころがなく、それでいて充実し、こころをなごませるひとときとだった。
奥村浩之の彫刻作品は、すべての作品にギャラリーがつき、勝手に紹介はできなかった。それよりも、どの作品も巨大で、WebSiteのちいさな画面ではとうてい紹介できる造形物ではなかった。それでも秋の個展まで待てないからと、無理を承知で、朗文堂の周囲に紹介する写真を依頼した。
いまはアトリエに戻り、なにごとも悠然とながれる「メキシコ時間」のなかにいる奥村浩之である。したがって写真の到着までにはだいぶ時間がかかるであろうと予測していた。ところがナント、おそらく汗を拭き拭き写真を選択したものとおもえたが、小品ながらも力作ばかり、五点の写真データを送付してくれた。
奥村浩之はことしの秋に東京での個展を予定している。それに際しては令室の笹井祐子をわずらわせてデータをいただき、あらためてここにご紹介したいが…… 。
地球の向こう側で、硬くて、堅い、メキシコの岩や石と格闘している彫刻家/奥村浩之のこころは、きわめてのびやかで、やさしかった。そしてその躰をながれる血液は、まぎれもない日本男子のそれである。
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1 NIDO DE VIENTO(ニィード デ ベィエント)― 風の巣 ―
火山岩 48 x 37 x 30 cm 2012年
2 CONTRA VIENTO(コントラ ベィエント)―風に向かって ―
オニックス 56 x 30 x 33 cm 2012年
3 LA CASA DEL NORTE(ラ カサ デル ノルテ)― 北の家 ―
火山岩 48 x 79 x 14 cm 2012年
4 VIENTO VERDE(ベィエント ベルデ) ― 緑の風 ―
大理石 53 x 20 x 14 cm 2012年
5 VIENTO ROJO(ベィエント ロホ) ― 赤い風 ―
火山岩 45 x 52 x 21 cm 2011年
【 詳細情報 : Curriculum vitae Hiroyuki OKUMURA 】