朗文堂/アダナ・プレス倶楽部では、手動式小型活版印刷機 Adana-21J および その後継機であるSalamaシリーズを中核としながら、活版印刷の今日的な意義と、活字組版の実践を中心に、活版印刷魅力の奥深さの普及を通じて、身体性をともなった造形活動を重視し、ものづくりの純粋な歓びの喚起を提唱しています。
その活動の第一段階として、2007年06月11日-07月02日、青山ブックセンターで開催されたのが活版印刷の祭典<ABC dé タイポグラフィ>でした。
ついで、「五月の連休は活版三昧」を合言葉に、2008-2012年の五年間、計四回(2011年は東日本大震災のため中止)にわたって『活版凸凹フェスタ』を開催しました。
このイベントには例年、全国から2-5,000人余の活版実践者と愛好家が来場し、特に都市部を中心とした活版印刷の普及に一定の成果をあげました。
2013年からは、活版関連イベントの開催が盛んになった首都圏をいったん離れ、多くのアダナ・プレス倶楽部会員が存在している、日本全国各地からの振興をめざす、あらたな段階として<Viva la 活版-すばらしき活版>の普及活動にはいりました。
◎<Viva la 活版 Viva 美唄> 2013年7月
北海道美唄市、同市出身の世界的な彫刻家「安田 侃(やすだ かん)」氏による彫刻と、北海道の豊かな自然とが相響する「アルテピアッツァ 美唄」にて<Viva la 活版 Viva 美唄>を開催。
同展では出展者・来場者双方が、自然と人と芸術の新しいあり方について考えさせられ、自分自身の心の奥深くや、心豊かな人生について、見つめなおすきっかけとなりました。
◎<Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO> 2014年11月
鹿児島市島津家の庭園「名勝 仙巌園(せんがんえん)」内の「尚古集成館」(重要文化財、現在は世界遺産)にて<Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO>を開催。
雄大な桜島を背景に、重要文化財「木村嘉平の活字関連資料」を所蔵し、近代活字版印刷術をはじめ、近代産業の揺籃の地としての歴史と文化を有する同地での開催は、造形者の創作意欲をおおいにかきたてるイベントとなりました。
◎<Viva la 活版 Let‘s 豪農の館> 2015年10月
新潟市「北方文化博物館 豪農の館」(登録有形文化財)にて<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>を開催。
米どころ新潟有数の大地主「伊藤家」の邸宅と庭園・生活文化・美術工芸品・考古資料等を展示・保管し、食と文化の地「新潟」のなかでも屈指の場の力を有する同施設での開催は、造形者の五感をおおいに刺激し、文化と知性が積み重ねられた豪壮ながらも繊細なこころくばりに触れて、ほんとうの心の豊かさと、その奥ゆきとはなにかを体感する機会となりました。
◎<Viva la 活版 ばってん 長崎> 2016年05月
<Viva la 活版-すばらしき活版>第四弾となることしは、長崎県長崎市にある「長崎県印刷会館」にて<Viva la 活版 ばってん 長崎>を開催。
わが国の近代活版印刷術導入の地であり、本木昌造や平野富二をはじめ、多くの印刷人ゆかりの地である「長崎」においての開催は、活版印刷の「知と技と美」を研鑽されてきた造形者の皆さまにとって、集大成の、そしてまた、あらたなる進化・発展の第一歩となることでしょう。