タイポグラフィ学会研究論文発表会 終了

タイポグラフィ学会研究論文発表会 2011終了

開催場所:東洋美術学校 C-1教室

開催日時:2011年2月20日(日)午後2時から5時30分まで

タイポグラフィ学会研究論文発表会が上記にて、ほぼ会場を埋め尽くす一般参加者約100名、会員・関係者約20名の参加をえて行なわれ、無事に終了いたしました。たくさんの皆さまのご来場、ありがとうございました。

今回は昨年12月に刊行された『タイポグラフィ学会誌04号』に掲載された研究論文のうち、山本太郎氏による研究ノート「いわゆる電子書籍に関する断片的考察」、および片塩二朗氏による論文「弘道軒清朝活字の製造法とその盛衰」の2編につき、それぞれ映像や実物の展示などを用いて、執筆者自身よる内容解説が行なわれました。

まず、木村副会長の開会の挨拶のあと、第1部の山本氏の講演では、導入部としてケンブリッジ大学『クリスマスブック』などの美しい書物を映像で提示したのち、これから本格的に普及するであろう電子書籍が紙の書物に負けない魅力的な存在となっていくために必要となる概念や、技術的な問題点の整理など、予定の時間を超過しての熱のこもった講演が行なわれました。

山本太郎氏「いわゆる電子書籍に関する断片的考察」

片塩二朗「弘道軒清朝活字の製造法とその盛衰」

第2部の片塩氏の講演では、学会誌上でも110ページを超す論文ゆえ90分という時間を配分していたものの、具体的な活字の鋳造法や様々な歴史的エピソードを映像や現物を用いて丁寧に解説されるなど内容の濃い講演となりました。

以上の講演ののち、山本会長の閉会の挨拶、続いて参加者の皆さまに、弘道軒清朝活字の父型・母型・活字の実物や、関係する書籍など貴重な資料の展示を見ていただく時間を経て、無事閉幕となりました。

なお、今回の発表会開催にあたりましては、当学会賛助会員でもある東洋美術学校様の全面的なご協力を得ました。ここに記して感謝の意を表します。    (文責:研究委員会 小酒井英一郎)