タイポグラフィの前衛を養成することを目標とする、ちいさな私塾が新宿私塾です。新宿私塾第18期は、東日本大地震の襲来から間もなく、2011年3月22日に開講しました。
この大地震と原発事故の影響は新宿のちいさな私塾にも大きく、受講生として申込みを済ませていたひとのなかに、激甚被災地の出身のかたがいらして、ご家族の窮状から急遽入塾が中止になるなどの混乱もみられました。
また、開講からしばらくは、間断なくおそいかる余震への恐怖もありましたし、計画停電騒動から節電行動への変化もありました。また、いっこうに収束をみない原発事故への怖れなど、ともかく多難な環境でのスタートでした。
それでも、こんな困難を抱えた時代に、「われこそは、タイポグラファの前衛たらん」として結集した、意欲的な若者の集団は、環境が厳しくなればなるほど、結束し、毎回の講座は真剣かつ真摯な、熱い講義が展開しました。新宿私塾第18期生はみな、所定の24講座のすべてを修了し、8月27日[土]に終了制作発表会を迎えました。
終了制作発表会は午後1時-6時まで続き、その後も講師陣との質疑応答、同期生同士の別れがたいおもいからの談話会。そして、ついに席を代えての飲食会。終わってみれば11時をはるかにまわっていました。
造形界に吹く風は必ずしも順風とはいえないいま、ここに新宿私塾第18期生の意欲的な若者集団が、たくましく、大きくはばたく日がやってきました。皆さんのこれからの造形生活に幸多かれと祈るとともに、新宿私塾を支えていただいております講師陣の皆さまには、熱く御礼申しあげます。
なお、新宿私塾第19期生の申込み枠に、まだ若干のゆとりがあります。「われこそは、タイポグラファの前衛たらん」とおもう有志の皆さまのお申込みをお待ちしています。