新宿私塾第20期 第7回講座
フィールド・ワーク 理想社で書籍製作をまなぶ
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5月12日[土]、久しぶりの快晴・五月晴れであった。ツツジの花があちこちで満開の花をつけるなか、新宿私塾は教場をはなれて、新宿区改代町の公版書籍印刷所/理想社(田中宏明社長)においてフィールド・ワーク。
理想社さんは土曜休業であるが、おもに振りかえ出勤の土曜日を利用して、第1期生-今回の第20期生にまで、一貫してフィールド・ワークを受けいれていただいている。
ここで塾生諸君は、これまで学んできた名刺・カードなどの端物印刷:エフェメラの魅力とともに、三次元の印刷物、本格的な書籍の製造法に触れることになる。
講師は田中社長自らが担当。1921年(大正10)初代田中末吉によって牛込区柳町において「理想社組版所」からスタートした、同社の活字版印刷術を基礎とした歴史と、「理想社書体」へのあついおもいがかたられる。
理想社における高度な組版術、そして柔軟かつ多様性をもった理想社ハウス・ルールの紹介のあと、実際の書籍としての組版術(Composition)、組みつけ・面つけ(Imposition)と、その効果的な利用法も伝授される。
あわせて実践的な書籍本文用印刷用紙選択の秘訣もかたられる。タイポグラフィが、平面構成から、三次元の書物への、華麗なる変貌をみせる瞬間である。
その講義はたっぷり2時間にわたり、ついで2班にわかれて、組版現場、整版現場、印刷現場の工場見学に出発。
おなじ「プリンター」といっても、机上の軽便な「プリンター」と違って、写真の三菱製作所「四六全判オフセット平版印刷機」の迫力は圧倒的である。それがまた何台も列んで、ミクロン単位の厳格な精度管理のもとに「印刷 Printing」がなされる景観に、塾生諸君はいささか圧倒される。
ところがそこは意欲的な新宿私塾の諸君のこと、「版替え」のわずかな時間を利用して、引率の田中社長と小林工場長の許可をいただきながら、大型印刷機に触れるチャンスを逃さないのはさすがであった。
午後1時から開始された「新宿私塾/理想社フィールド・ワーク」は、陽もやや傾いた4時半に終了。
新宿私塾20期の講座も第7回目を迎え、塾生同士もすっかり打ち解け、同じ目的意識を確認しあった仲になったようです。
このあと改代町・水道町・新小川町といった「印刷団地」をのんびり散策・見学しながら、塾生諸君は飯田橋駅のちかくで、楽しい懇親会(会費制飲み会)を開いて、8時30分近くまで盛りあがったようです。