欣喜堂シリーズに和字ファミリーが加わりました!

Digital Typefaces for Professionals としてご好評をいただいております
《 欣喜堂 デジタルタイプ シリーズ 》に、デザイン組版の可能性を大きくひろげる和字のシリーズ、3ファミリーが加わりました。
今回ご紹介する3ファミリーの和字は、それぞれの源流となった資料を再吟味し、形象をさらに検討するとともに、より一層汎用性を高めるために字面を大きめに設定し、ウェイトを7—9ウェイトに拡張してあります。

詳細はこちら

本製品は仮名書体で、組み合わせるための参考漢字書体は
《 欣喜堂書体シリーズ見本帳 PDF版 》に紹介してありますのでご参考にしてください。また、ご来社たまわれば、印刷物のカタログも進呈いたします。
しかしながら、和字との組みあわせは、デザイン領域をより一層豊かで実り多いものにするため、ユーザーの皆さまご自身が、本書体をご購入いただき、お手許の豊富な漢字書体群と欧文書体群のなかから、合成フォントなどの手法によって、和字・漢字・欧字の組みあわせの妙を発揮していただきたいと念願しております。

《 和字おゝはなぶさ Family 7 》
は、
20世紀初頭の書物『 少年工芸文庫 第八巻 活版の部 』( 博文館 明治35年 )などに使用をみる和字書体を源流としています。この和字書体は、のちの改刻によって埋もれていましたが、和字のスタンダードな形象を留めながらも、可読性と判別性に富み、適度な古拙感を漂わせる名作和字書体として評価される書体です。時代性からいっても縦組み指向の強い形象ですが、横組みの見出しなどに使用するさいは、適度なスペース調整を加えていただくと、おもわぬインパクトをもたらす力感もあります。

《 和字 ますらお Family 9 》
は、
東京・銀座の日航ホテルのあたりに本社工場をおいていた、民友社活版製造所『 活字見本帳 』(1936年 ) に紹介をみる「 五号ゴチック体活字・9ポイントゴチック体活字 」を源流としています。現代のゴシック体に随伴する仮名書体は、精緻化がすすみ、ときとして無表情にみえますが、《 和字 ますらお Family 9 》は、勇壮ながらも暖かみとふくよかさのある、魅力的な和字書体といえます。

《 和字 おゝくれたけ Family 9 》
は、
大阪・森川龍文堂『 活版総覧 』(1933年 )と、同社の『 龍文堂活字清鍳 』(1935年 )に紹介をみる、もっとも和字のスタンダードな形象をとどめた「 森川龍文堂12ポイント呉竹体 」を源流としています。サンセリフ( ゴシック体 )でありながら、柔軟かつ有機的で、いかにも関西風の「 マッタリ 」と表情豊かな味わいがあります。