《 終了いたしました。質疑応答も活発な、熱のこもった講演会でした 》
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明治産業近代化のパイオニア/平野富二(1846-92)は、活字製造 ・ 印刷機器製造 ・ 造船事業 ・ 機械製造事業ばかりでなく、じつにさまざまな事業をおこしました。
そのひとつにフランスの ドコビール社 (Decauville) で製造された <ドコビール式軽便鉄軌> があります。平野富二は1882年(明治15)に、このシステムの日本における一手販売権を取得していました。
これは いわば軽便鉄道ともいえますが、以下のような当時の工事環境と身体性に配慮されたものでした。
- 強靱な鋼鉄製軽量レール(高さ 40mm)を組み立てる。
- 人の手で運搬できる、長さ ・ 重量単位でユニット化されている。
- 工事現場の仮設の線路として最適。
- 直線線路 ・ 曲線線路 ・ 分離線路 ・ 方向転換装置があった。
- 荷物運搬車、客車、蒸気機関車を用意していた。
ところがこのシステムの販売権に買い手がみつからず、平野富二はみずから <東京平野土木組> をおこし、江戸川と利根川を連絡する <ドコビール式軽便鉄道> などさまざまな事業をおこしましたが、46歳をもって急逝したためにほとんどが未完成におわりました。
それでもいまなお鉄道ファンのあいだで人気のある <OOIGAWA> <YAIZU> がこの系譜に属しますし、平野富二が描いた壮大な夢が、この <ドコビール式軽便鉄軌> に託されていました。
講演資料 : 平野富二とドコビール軽便鉄軌事業の一部
『 平野富二伝 考察と補遺 』 (古谷昌二 2013年11月22日 朗文堂) の編著者、古谷昌二氏が、母校 早稲田大学 理工学部に招かれての講演会が開催されます。
有意の皆さまにご案内いたします。
【 図書詳細 : 朗文堂ブックコスミイク 『平野富二伝 考察と補遺』 】
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第 34 回 土木の文化財を考える会
話題1 ゲストのお話 古谷昌二氏(平野富二研究者、IHI OB)
題目 <平野富二と ドコビール軽便鉄軌事業>
話題2 高橋 裕会長(東京大学名誉教授)
題目 <私の著書から その10 地球の水が危ない/河と国土の危機>
日 時 : 2014年09月27日[日] 13:00-16:00
場 所 : 早稲田大学 西早稲田キャンパス 52号館101教室
新宿区大久保3-4-1 東京メトロ 副都心線 西早稲田駅 3番出口直結
会 費 : 1,000円(早稲田大学学生は無料。予約不要)
連 絡 : 早稲田大学 理工学部 社会環境工学科 佐々木 葉氏 yoh@waseda.jp
[ 早稲田大学西早稲田キャンパス案内図 ]