19世紀世紀末から20世紀の初頭、ロンドンテムズ河畔の
アッパーマル通りにあった、印刷と製本工房が Doves Press でした。
Doves Press は、Cobden – Sanderson と Emery Walker を中心に
Arts and Crafts movement の中核的な存在として知られ
多くの忘れられない図書をのこしています。
Doves Press の工房は、俗に Doves Type とされる
フィリップ ・ プリンスの活字父型彫刻による
独自のハウスフォントを所有していましたが、
1917年(大正06)に、両者のあいだのいさかいがもとで
工房裏のテムズ川に、すべての活字と活字複製原型が
投げ捨てられたとされています。
それがこのたび、潜水作業をともなった涙ぐましい調査によって
活字の一部が発見されたことを
英国 BBC News が動画入りで報告しました。
[ 情報提供 : タイポグラフィ学会会員 K 氏 ]
【 元記事 英国BBC : Lost typeface printing blocks found in river Thames 】 動画あり 01:03
Lost typeface printing blocks found in river Thames
7 February 2015 Last updated at 11:15 GMT
Printing blocks for a typeface called Doves Type have been discovered in the River Thames.
The font has not been used for nearly a century as the printing type blocks, used to print letters, were thrown into the river in 1917.
Cobden – Sanderson と Emery Walker のふたり
古写真から ―― テムズ川からアッパーマル通り方向をみる。
高木の左手 ボートハウスのうしろがダブス ・ プレス跡。
その左側 低木のうしろが、ウィリアム ・ モリスらによるケルムスコット ・ プレス跡。
ダヴス ・ プレスの代表作のひとつ 『 Paradise Lost 』。印刷 : 1902年、製本 : 1907年
『 Paradise Lost 』の本文ページ。 Doves Type は Arts and Crafts movement の意を体して、ニコラ ・ ジェンソンによる ヴェネチアン ・ ローマンに範をもとめ、パイカ (12 pt. ) サイズだけが、フィリップ ・ プリンスの活字父型彫刻によって製造された。
このページのタイトルとイニシャルは、エドワード ・ ジョンストンによるカリグラフィである。 ジョンストンは、12冊のヴェラム特装本には金泥で書写した。 それを版下として凸版印刷した紙製の図書もつくられた。