『欧文書体百花事典』普及版 刊行記念特別連続講演会 第 3 回 『 Robert Granjon 』 の記録

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『欧文書体百花事典』普及版 刊行記念特別連続講演会(全 6 回)
第 3 回  『 Robert Granjon 』
講   師 :  河野 三男
日  時 :  2014年06月22日[日] 午後1時より
会  場 : 東洋美術学校 本部棟302教室
              161-0067 東京都新宿区富久町2-6
               地図  http://www.to-bi.ac.jp/access/
聴講料 : 各回1,000円(要申込登録)
主  催 : 株式会社 朗 文 堂
後  援 : タイポグラフィ学会
              学校法人専門学校 東洋美術学校  産学連携事務局 デザイン研究会アクティ

DSC07545 DSC07556 DSC07521 DSC07501DSC07494 DSC07466 たくさんのお客様を迎えて本講演会は終了いたしました。ご来場ありがとうございました。
またいつものとおり、多くの皆さまのご協力をいただきました。ありがとうございました。

イベント告知関連グラフィック製作 : 杉下城司さん
資料製作補助、会場設営、会場運営 : 東洋美術学校 アクティの皆さん
広報活動、会場設営・撤収 : タイポグラフィ学会のみなさん
小型活版印刷機 ADANA 8×5 : 森澤茂氏寄贈品稼動 アダナ・プレス倶楽部の皆さん
会場撮影担当 : 木村雅彦さん

次回 第 4 回講座は 2014年08月24日[日]
「装飾は罪悪か ?   花形装飾活字クロニクル」
講師は 白井敬尚さんの担当です。
 関連情報は随時本コーナーにてご紹介いたします。
アダナ新コラムこの報告は<アダナ・プレス倶楽部 活版印刷アラカルト>にも類似のものございます。
<活版印刷アラカルト>では、本講演会の活版ワークショップに使用したデータの解説がありますし、画像をスライドショーでおたのしみいただけます。

【アダナ・プレス倶楽部】 杉本昭生 小型本の世界 Ⅲ

朗文堂 アダナ・プレス倶楽部会員、京都在住の杉本昭生さん製作の小型本(いわゆる豆本)紹介の第三弾です。今回は以下の三冊をご紹介します。

◎ 杉本昭生小型本 第11作 『 漢 詩 抄 』
◎ 杉本昭生小型本 第12作 『 百人一首 抜粋 』
◎ 杉本昭生小型本 第13作 『 死生に関するいくつかの断想 』(小泉八雲)

ともすると小型本の製作者は、なにより小型であることと、装本のおもしろさにこだわりがつよいあまり、そのテキストや、読書のための判別性と可読性を失っていることがみられます。
ところが杉本さんは、もともと読書家ですので、たとえ小型本であろうと、テキストを厳選し、みずからも読み、読者にも読んでもらおうというつよい意志を感じます。
ところで、いつの間にか杉本昭生作品を収納していた容器がいっぱいになりました。小型本、ちいさいながらもおそるべしですね。

お送りいただくたびに添付されている、杉本昭生さんの味わいのある「製作メモ」から、テキストの一部を抜粋して、写真とともにご紹介します。
なおこの記事はアダナ・プレス倶楽部<活版アラカルト>にも同時掲載されています。
<活版アラカルト>のページは、任意の写真をクリックしていただくと、フォトギャラリーをお楽しみいただけます。
アダナ新コラム

◎ 杉本昭生小型本 第11作 『 漢 詩 抄 』

今回の製作は『漢詩抄』です。どなたも一度は読んだことがある有名なものばかりです。
この漢詩の一行を書家が書いたように並べてみました。
文章はあちらこちらからの寄せ集めなので、その道に詳しいひとがご覧になったら 不自然さは歴然です。
長い漢詩は一部を割愛しました。ついでにいうなら署名も落款もいい加減です。 かさねてご寛恕のほどを。
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◎ 杉本昭生小型本 第12作 『 百人一首 抜粋 』
ご存じのように『百人一首』は平安時代から鎌倉時代の歌人、百人の歌を 一首づつ選び集めたもので、それぞれの時代を代表する歌が収められています。
もとより古典の知識があるわけでなく、ほとんどが勝手な解釈による現代文ですし、 おふざけです。
杞憂ながら、試験などでこの現代訳を書くとあなたの印象が悪くなります。 ご注意を。
さっと目を通してさっと忘れる、そんな程度のできだと思っています。 ものすごく暇なときに読んでください。
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◎ 杉本昭生小型本 第13作 『 死生に関するいくつかの断想 』
                    ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)著/林田清明訳
ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は、明治23年に来日し、明治37年に 54歳で亡くなるまでの14年間に、日本人の民族性や精神性をテーマに 多くの著作を残しました。
『死生に関するいくつかの断想』は、ハーンが見聞した事実を通して 当時のひとの死生観を考察したものです。
今回は、というか、今回も紆余曲折があり、思いもよらない体裁になりました。 今更ながら本づくりの難しさを実感しています。
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本情報を掲載後、杉本昭生さんから含蓄あるメールをいただきました。 ご了承をいただき、下記にご紹介いたします。

朗文堂 アダナ・プレス倶楽部の皆さま

今回も拙作を掲載していただきありがとうございます。 御社のサイトで紹介されている洗練された作品群に比べると、わたくしの作るものなどはまったくお粗末で、恥ずかしい限りです。
しかし自分以上の事ができるわけでなく、好きな物語や言葉を集め伝えていきたいと思っています。 実際、小さなエピソードに人生が凝縮されている事もあります。

以前報道番組で、団地に住む一人暮らしの老人がインタビューに応えていました。
「ええ、一週間以上誰とも話すことがない時もありますね」
「最近誰かと話したことは?」
「二、三日前スーパーで」
「何て」
「袋ください」

東京に行くことがあれば、ぜひご連絡の上またお訪ねしたいと思っています。 どうぞよろしくお願いします。
向暑の砌 ご自愛専一で
杉本昭生

【リンク:アダナ・プレス倶楽部ニュース 杉本昭生 小型本の世界Ⅰ】
【リンク:アダナ・プレス倶楽部ニュース 杉本昭生 小型本の世界Ⅱ】

【展覧会】 美しい隷書 ──── 中国と日本 をみる。

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書道博物館企画展
中村不折コレクション 美しい隷書 ──── 中国と日本
【会    期】  2014年04月04日[金]-07月13日[日]
【開館時間】  09時30分-16時30分(入館は閉館の30分前まで)
【休  館  日】   毎週月曜日
【詳     細】  台東区立書道博物館 URL
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隷書とは、篆書を簡略化して日常書体とすることによってうまれました。 篆書は左右対象で、曲線を多く用いた威厳のある形姿でしたが、書くために時間がかかるという不便があったために、徐徐に簡略化がすすみました。 やがて曲線を減らし、水平と垂直線を増やした隷書がもちいられるようになりました。

したがって隷書の「隷」は、篆書に「隷属」するという意からうまれました。 いまだにわが国の辞書の一部には、隷書の紹介を、秦(春秋戦国時代の大国のひとつ。前221-前207年中国史上最初の中央集権国家となる。3世16年で漢の高祖に滅ぼされた)の雲陽のひと 程邈テイバクが、秦朝の公用書体だった小篆の繁雑さを省いてつくったもので、「徒隷」、すなわち卑しい身分のものにも解しやすい漢字書体だとするものがありますが、そろそろ見直しが必要のようです。

隷書が誕生した直後は比較的直線がめだちましたが、次第に波のようなうねりをともなうようになり、歯切れのよい、リズミカルな形姿を獲得していきました。その頂点をむかえたのが漢(前207-後220)の時代です。 漢代初期の隷書は、おおらかで動きのある素朴な趣が主流でしたが、その後期になると、鮮やかで美しい隷書として完成をみるにいたりました。 そしてその隷書で書かれた石碑が数多く建立されたのも漢代の特徴のひとつです。 また20世紀の初頭に、西域の敦煌トンコウやトルファンから出土した文書モンジョからも、肉筆で書かれた隷書が発見されています。

中村不折フセツコレクションには、隷書の名品が数多くあります。不折はみずからの書風を形成していく過程において、これらの隷書からも大いに刺激をうけました。したがって不折流とされる独特の書風には隷書の要素が多分に取り込まれ、表情がゆたかで、あかるく、また装飾性にも富んでいます。 ご観覧をお勧めいたします[同館フライヤーより。一部追加改変してご紹介しました]。
【関連情報/ウィキペディア:隷書体

<1899年・明治32年に中村不折が築造した「お蔵」が発見され、同館中庭に復原>
DSCN4253 DSCN4248同館の創立者:中村不折(1866-1943 ウィキペディア:中村不折 中村不折画像集)が1899年(明治32)に住居としていた「下谷区根岸町31番地/現・台東区根岸三丁目12番地」の敷地内に作品や収蔵品の収蔵庫として「お蔵」を建てていたことは、のこされた写真などから知られていました。
ところがこのあたりは関東大震災、第二次世界大戦の被害が甚大で、いつのころかその存在が忘れられていました。

発見は偶然だったといいます。2011年(平成23)郷土史家で、根岸子規会の会長:奥村雅夫氏が、道路拡張工事で姿を消す街並みの記録をのこそうとしてこの近辺を撮影していたところ、民家の一隅(上部に木造建造物があり、そのなかに入れ子構造になっていたとされる)からこの「お蔵」を発見されました。

中村不折はこの「お蔵」があった「下谷区根岸町31番地/現・台東区根岸三丁目12番地」の住居には、1915年(大正04)に「台東区根岸二丁目10-4」(現在の書道博物館の敷地)に転居するまでのあいだ居住しており、旧宅の「お蔵」の前で撮影した写真も複数のこされています。
その写真は図録などでたびたび紹介されましたから、もっとおおきなものとおもっていました。実際には上掲写真のように、大谷石とおもわれる石造りの堅牢な蔵ですが、意外にちいさなものでした。

このようないきさつがあって、「お蔵」は書道博物館の中庭に復原されました。
この明治期の「お蔵」が復原されたことで、同館敷地内には、明治のお蔵、大正のお蔵、昭和の本館、平成の中村不折記念館が、庭園をとりかこむようにして配置されています。
中村不折の石蔵移築プロジェクト/更田邦彦建築研究所
【書道博物館:明治のお蔵が復原されました

<大正のお蔵で『三体石教』をみる>
三体石教
書道博物館はしばしば訪れますが、企画展示の観覧ととあわせて、「大正のお蔵」とされる、正面からはいって左側の収蔵物をよくみます。
ここには『熹平石教キヘイセッケイ』、『三体石教サンタイセッケイ』など、信じられないような貴重な収蔵品があります。 上掲図版は『三体石教』(残石・第五石)とされるもので、建造は三国時代の魏・正始年間(240-48)です。書道博物館販売の「絵はがき」から紹介しました。

この『三体石教』は上から、大篆、小篆、隷書の三書体によって石に刻まれた<石の書物>ともいうべき存在でのものです。
大篆の絵図記号のような「文」が(この段階ではまだ字とはいいがたい。むしろ文 ≒ 紋)が、小篆になると絵図記号を脱して「文 ≒ 紋から 文」らしくなり、隷書にいたって、完全に現代でもよめる「字」になっています。
以下にちいさな勉強会の学習『石の書物-開成石教』(グループ昴スバル 朗文堂、p.34 -)から紹介しましょう。

三国時代、魏王朝の『三体石教 サンタイセッケイ』

統一王朝の漢が滅びたのち、中国はふたたび魏晋南北朝とよばれるながい混乱の時代にはいった。最初に三世紀のはじめに、魏ギ(220-265)、蜀ショク(221-263)、呉ゴ(222-280)が鼎立する「三国時代」があった。
その三国のうち、洛陽にみやこをおいた魏王朝は、日本に関するもっともふるい文書記録『魏志倭人伝』をのこした王朝としてわが国では知られている。

『喜平石教キヘイセッケイ』の建立から68年後、三国時代の魏王朝がみずからの正当性を主張するために、明帝・正始02年(241)、洛陽の最高学府「太学タイガク」に、『尚書』『春秋』『春秋左氏伝』の三種類の儒教教典をしるした石碑を建立した。
この碑は建立の時代から『正始石教セイシセッケイ』とも呼ばれるが、むしろ『三体石教』として知られるのは、儒教教典のひとつひとつの「字」が、大篆、小篆、隷書の三書体によってしるされているためである。

そもそも漢王朝の末から魏王朝のはじめにかけては、古典をまなぶ必要がとかれ、今文キンブンとしての隷書ではなく、古文としての大篆や小篆でしるされた、ふるい教典を研究することが盛んであった。
そのために今文としての隷書だけでしるされた、後漢(東漢)の『熹平石教』より、68年ものちに建立された『三体石教』は、古典の教典は古文(ふるい時代のもんじ)であらわすと同時に、中国の殷商王朝(甲骨文・金文)、周王朝(大篆)、秦・前漢王朝(小篆)、前漢・後漢王朝(隷書)など、歴代王朝の歴史を継承する、中国正統王朝としての魏王朝の存在を誇示するものでもあった。

『三体石教』はのちに洛陽をはなれて、西安や安陽に移転された。それでもその存在は拓本が存在していたことと、文書記録によって知られていたが、黄河の洪水や戦乱に巻きこまれてながらく所在不明となっていた。
それが清王朝の末期、洛陽で『尚書』編の一部の残石が発見され、ついで1957年(昭和32)西安市北大街青年路西段での下水道工事のさいに、偶然地中から大量に残石が発見されておおきな話題となった。 しかしながらこの石碑は1700年以上の流転のあいだに相当破損がすすみ、書写人の名前などは判明しない。
現在残石は各所に所蔵されているが、そのほとんどは西安碑林博物館に収蔵されている。
<初出は展覧会案内として 2014年4月1日に投稿したものに加筆修整した>

【活版カレッジ】 2014年夏期生 定員となりました!

活版カレッジ朗文堂 アダナ・プレス倶楽部の直接指導により
本格的な活字版印刷術の
知・技・美の三領域をバランス良く学べます。

活版カレッジでは、科学と学術的根拠にもとづいた実践を基盤として、活版印刷機 Salama-21A,  Adana-21J によるケーススタディ・メソッドをふんだんに駆使し、あたらしい時代の活版印刷の現場での、現実的な課題の解決方法を学ぶことを目的とします。
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写真上) 活版カレッジ 2013年冬期生の講習風景
写真下)活版カレッジ  2014年春期生の講習風景

「活字版印刷術 Typographic Printing」は、印刷による視覚伝達技術のなかでも、文字情報の主要な複製・伝達の手段として「活版印刷・活版・カッパン」などと呼ばれてひろく親しまれてきました。 そして今、印刷複製技術の原点として560年余におよぶ長い歴史を有し、メディアの変遷とともにさまざまな浮沈を経た「活版」が、ふたたび熱く注目され、関心をあつめています。 活版カレッジは、あたらしい活版ユーザーに向けた活字版印刷機 Salama-21A,  Adana-21J の製造・発売をおこなっているアダナ・プレス倶楽部が開講する活版講座です。

──── 活版カレッジ  2014年 夏期講座 募集のお知らせ  定員となりました!
◎ 徹底した少人数の講座のため、お申込先着順とさせていただきます。
◎ 受講希望者多数の場合には、次期講座への予約をお勧めする場合がございます。
◎ 次期の開催日時と募集の開始は、この アダナ・プレス倶楽部ニュース にてお知らせいたします。
◎ 本年は<Viva la 活版  薩摩 dé GOANDO>ほか、イベントと活版ゼミナールが秋に重複しております。そのため秋期講座はお休みとさせていただきます。
◎ 来年01月からの冬期講座は昼間部での開講を予定していますので、 今期をのがされますと次回の夜間講座での受講は 来年の春期講座以降となります。この機会にぜひご受講ください。
◎ 《活版カレッジ》を受講希望の方は、お気軽に、できるだけ早めに、アダナ・プレス倶楽部の @メール まで受講希望の意向をご連絡ください。一般公募に先だってあらためてご案内をさしあげ、受講の最終確認をさせていただきます。積極的なご参加をお待ちしております。

                    • 活版カレッジ 2014年夏期講座
                      【講座教室】  東京都新宿区新宿 2-4-9 中江ビル  4FB 朗文堂内(通学制)
                      【講   師】  朗文堂 アダナ・プレス倶楽部
                      【開講日時】  毎週木曜日(夜間部) 19:00-22:00 (時間超過の場合も有)
                      3 ヶ月間(毎月3 回、全9 回)
                      【定    員】    定員 4 名
                      【受  講  料】  66,000円(税込・教材費込)
                      【支払い期日】 開講02週間前まで(中途退講の場合でも受講料の返却はいたしません) 【講座日程】
                      07月10日        活版印刷概論
                      07月17日        和文端物組版
                      07月24日        文 選
                      08月07日        和文ページ物組版
                      08月21日        和文と欧文の違い
                      08月28日        欧文書体の歴史
                      09月04日        欧文スペーシング
                      09月11日        多色刷り 1
                      09月18日        多色刷り 2
                • ──────────────
                  受講をご希望の方は <アダナ・プレス倶楽部 @メール >まで 下記の事項をご連絡ください。
                  1.件名 : 「活版カレッジ」2014年春期 受講希望  2.お名前  3.ご連絡先 郵便番号、ご住所、電話番号、@メールアドレス  4.活版印刷のご経験の有無。
                  その他、お差し支えなければ、性別、ご年齢などもお書き添えください。 各回の基本的な指導内容は統一させていただきますが、参加者それぞれのご経験やご関心をお教えいただければ、できる限り講習内容として反映いたします [お教えいただいた情報は、朗文堂/アダナ・プレス倶楽部の内部だけで使用します]。
                  ご参加お待ちしております。

【アダナ・プレス倶楽部会員情報】 笹井祐子さんが専用WebSiteを開設され,意欲的な活動を展開されています。

sasai[1]笹井祐子 SASAI Yuko 履歴 ────────────────────
1966 東京都生まれ
1990 日本大学藝術学部美術学科卒業
1992 日本大学藝術学部研究所版画コース修了
2010 日本大学海外研究員(平成21年度 メキシコ)
2015 日本大学藝術学部 教授
【 新設WebSite : YUKO SASAI   http://yukosasai.jp/ 】

★ 笹井祐子展 赤の声・青の音

星と森の詩美術館.omote星と森の詩美術館.ura星と森の詩美術館
948-0101 新潟県十日町市稲葉1099-1
Tel. 025-752-7202
www.neptune.jstar.ne.jp/~hosimori/
会期 : 06月13日[金]-07月27日[日] 火曜休館
● アーティストトーク 06月28日[土] PM02:00-
<星と森の詩美術館>は、新潟県十日町市にある美術館です。初期からの作品を展示する機会を与えていただきました。1990年から新作油彩200号までの作品、約50点を展示します。遠方ですが足を運んで頂けるとうれしく存じます。

 ★ 笹井祐子展 風の色

ATELIER_DM
ATELIER ・K
231−0868  横浜市中区石川町1-6 三甚ビル3 F
Tel. 045-651-9037
会期 : 07月05日[土]-07月20日[日]
● 07月05日[土] PM05 : 00よりオープニングを行います。
横浜石川町にあるギャラリーです。ここのギャラリーでは初個展です。 新作油彩120号6点と、小品を展示いたします

★ 素 材 考
ギャラリー曉ギャラリー曉
104-0061 中央区銀座6-13-6 商工聯合会ビル2F
Tel. 03-6264-1683
会期: 06月16日[月]-21日[土]
● 06月16日[月] PM05:00- オープニングを行います。
17人のグループ展に参加します。

★ 版画芸術
no.164 2014夏号
フォーカスアイで 6 ページの特集が掲載されています。
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多方面で大活躍の笹井祐子さんです。
【 新設WebSite : YUKO SASAI   http://yukosasai.jp/ 】もおおらかですばらしいものです。
展覧会に、読書に、そしてWebSite訪問に、笹井祐子さんとの邂逅をお楽しみください。

【展覧会】 レオ・レオニ 絵本のしごと 宇都宮美術館

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 レ オ ・ レ オ ニ

絵 本 の し ご と 

【 会  場 】   宇都宮美術館
宇都宮市長岡町1077番地 TEL : 028-643-0100
詳細 : http://u-moa.jp
【 会  期 】   2014年07月06日[日]-08月24日[日]
【 休館日 】   毎週月曜日(07月21日[月]は開館。07月22日[火]は休館)
【 観覧料 】   一般 700 円。大学生・高校生 500 円
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レオ・レオニ(Leo Lionni  1910-99)は、オランダで生まれ、イタリアでグラフィック・デザイナーとして活躍したのち、第二次世界大戦のために1939年にアメリカへ移住し、そこではじめて絵本の世界に足を踏み入れました。わが国でも小学校の教科書にも掲載されている絵本『スイミー』で知られる絵本作家です。

あお と きいろ の紙きれの友情を描いた作品 『 あおくん と きいろちゃん 』 でデビューしたレオニは、ねずみの 『 フレデリック 』 や、尺取り虫の 『 ひとあしひとあし 』 など、ちいさな主人公が自分らしく生きることをテーマにした温かいストーリーの絵本を数多く制作しました。

水彩、油彩、コラージュなどのさまざまな技法を使って、美しい想像の世界を作りだし、読む人を軽々と空想の旅へ引き込んでしまうレオニは、「色の魔術師」と称されています。 本展では、絵本原画約100点、さらに油彩、彫刻、資料など約30点により、レオニの作品世界を紹介します。
〈宇都宮美術館 フライヤーより抜粋〉
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<レオ・レオニ 絵本のしごと>展は、昨2013年に 渋谷・Bunkamura ザ・ミュージアム でも開催されました。 同展を見逃してしまいがっかりしていましたが、幸い宇都宮美術館で巡回展が開催されます。
宇都宮美術館では、同展にあわせて各種の関連イベントも企画しています。
交通が便利になって、新宿からなら乗り換えなしで宇都宮まで到着しますし、帰りがけに、うわさの「宇都宮餃子」は絶品です。ご観覧をおすすめいたします。
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<1996-1997 レオ・レオニ展  鹿児島市・長島美術館での巡回展の記録から>
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宇都宮美術館での<レオ・レオニ 絵本のしごと>展を紹介したところ、小社スタッフが1996-1997にかけて、板橋区立美術館、高浜市かわら美術館、鹿児島・長島美術館、下関市立美術館と、二年間都合四ヵ所で開催された<レオ・レオーニ展>を鹿児島でみたことがあるそうで、大切にしていた図録をもってきた。
当時は<レオ・レオニ>ではなく、<レオ・レオーニ>と呼んでいたようである。
いつものことながら、撮影が順調とはいえないが、ここにその一部をご紹介した。

長島美術館は鹿児島市内の高台にあり、西洋美術の名品の数数と、鹿児島ゆかりの作家の作品をゆっくりと鑑賞できるぜいたくな美術館です。
また、薩摩焼のコレクションが充実していて、大小様様な薩摩焼がところ狭しとならんでいる、〈黒薩摩焼ルーム〉、〈白薩摩焼ルーム〉はじつに圧巻です。

長島美術館は、ことしの<Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO>の会場候補にもなっていて、わたくしも下見をかねて長島美術館を訪問しました。とても私立美術館とはおもえない充実した作品群と、ぜいたくな空間、南国の色鮮やかな植物には感動いたしました。
カフェレストランでは、眼下にひろがる鹿児島市街と、紺碧の錦江湾が一望でき、なによりも火の精霊サラマンダーのように、天高く噴煙を噴きあげる桜島の景観には圧倒されます。
料理はリーズナブルな価格で、地元の食材をいかしたフレンチがいただけます。

残念ですが貸し出し展示場がいくぶん手狭だったために、尚古集成館に決定したということです。
今回は宇都宮美術館の図録とランチもたのしみにしてでかけるつもりです。

 

『 欧文書体百花事典 』普及版 刊行記念特別連続講演会 第3回 『Robert Granjon』 河野三男 終了いたしました。

欧文書体百花その後3F-o

たくさんのご来場者をお迎えして 本講演会は終了いたしました。
ご来場ありがとうございました。
次回 第 4 回は 2014年08月24日[日]
「装飾は罪悪か ?   花形装飾活字クロニクル」
講師は 白井敬尚さんの担当です。

 関連情報は随時このコーナーにてご紹介いたします。

新緑が目にあざやかな毎日です。皆さまお元気でご活躍のこととぞんじます。
『 欧文書体百花事典 』が刊行されて10年が過ぎました。 この10年間の欧文書体研究は? 関連する研究の進展は……。
『 欧文書体百花事典 』 普及版の刊行に際して 10年前からの「その後」を、各講師に 6 回にわたってお話しいただきます。
下記のご案内をご覧いただき、友人・知人をお誘いのうえ、ふるってご参加ください。
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『欧文書体百花事典』普及版 刊行記念特別連続講演会(全 6 回)
第 3 回  『 Robert Granjon 』
講   師 :  河野 三男
日  時 :  2014年06月22日[日] 午後1時より約3時間程度(ワークショップを含む)
会  場 : 東洋美術学校 本部棟302教室(前02回までの会場とは異なります)
              161-0067 東京都新宿区富久町2-6
               地図  http://www.to-bi.ac.jp/access/
聴講料 : 各回1,000円(要申込登録)
主  催 : 株式会社 朗 文 堂
後  援 : タイポグラフィ学会
              学校法人専門学校 東洋美術学校  産学連携事務局 デザイン研究会アクティ
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[講演会申込先]
株式会社 朗文堂@メールまで  robundo@ops.dti.ne.jp
件名 「欧文書体百花事典その後 第3回講演会」
お名前・人数・返信用メールアドレスを明記して、06月18日[水]までにご送信ください。
3 営業日以内にお断りの返信が無い場合は受付完了とさせていただきます(今回の会場は狭隘です)。 なお、第3回から第6回までの複数回を受講ご希望の方はその回数をご記入ください。
*********************************************** 

株式会社 朗 文 堂   鈴木 孝
160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
電 話 03–3352-5070
伝真  03-3352-5160
email robundo@ops.dti.ne.jp
http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo
*********************************************** 
欧文書体その後チラシ・上掲図版、A4判 Z折り 4色/0色のフライヤーを用意しております[デザイン : 杉下城司]。 ご希望のかた、教育機関などで配布をご希望の皆さまは、ご遠慮無くお申し付けください。
・会場は30-40名のキャパシティです。お申し込み先着順にてご聴講できます。
・東洋美術学校には、森澤 茂氏、故小池光三氏の寄贈による貴重な小型活版印刷機がありますので、講演内容とリンクした、活版印刷のワークショップを会場内において併催いたします(アダナ・プレス倶楽部担当)。
・当日配付資料、活版ワークショップの準備などがありますので、確実に受講するためには@メールでのお申込みをお急ぎください(今回の会場は狭隘です)。
・本講演会の次回以降に関する詳細情報は、順次この <朗文堂NEWS ブログロール> のコーナーに掲載いたしますので、ご確認をお願いいたします。

<日本の>教育漢字:畑、人名漢字:畠。中国では?

Web畑・畠<畑>
教育漢字 小学校三年配当。常用漢字。シフトJIS : 94A8
常読 : はた/はたけ
意読 : はた/はたけ

<畠>
人名漢字。シフトJIS : 94A9
意読 : はた/はたけ

教育漢字<畑>、人名漢字<畠>。これらの字は教育漢字、常用漢字、人名漢字などと<漢字>といっています。つまり一見漢字にみえますが、ふつうは<わが国でつくられた漢字を模した字 ≒ 国字>とされています。
では、漢民族の国、中国における<字  ≒ 漢字>として、<畑><畠>をはじめ、およそ1,500余字が存在するとされる<わが国でつくられた漢字を模した字 ≒ 国字>をどうみているのか、どう使用しているのか……。そして中国では<国字>はどういう意味をもっているのか。
その手がかりを「朗文堂タイポグラフィ・ブログロール 花筏」と、「活版アラカルト」の双方で近近探ります。お楽しみにお待ちください。

hanaikada_color アダナ新コラム

Bunkamura 25周年記念 ヤン・リーピン<孔雀>春夏秋冬を演じきる。

ヤン・リーピン01 ヤン・リーピン02 ヤン・リーピン03

ひさしぶりにライブにでかけた。渋谷のオーチャードホールでの公演、Bunkamura 25周年記念 ヤン・リーピン<孔雀>である。
ヤン・リーピンは中国雲南省の少数民族「白族」の出身で、「白族」の守護神は孔雀であり、孔雀を精霊としてあがめることが多いという。したがってこれまでの公演でも孔雀をテーマとしたものが多かったが、今回はそのものずばり、<孔雀>をタイトルとした公演だった。

ともかくいたく感動したが、舞踏やバレエについてかたる資格はない。そもそもこの公演が、バレエかというとそうでもないようでもある。
またカーテンコールをのぞいて撮影禁止であり、紹介できる資料がすくないが、公演パンフレット、公式 WebSite などから、わずかでもヤン・リーピン<孔雀>の魅力を紹介したい。

公演パンフレット<孔雀> ヤン・リーピンと山本寛斎氏の対談より。
山本寛斎 : ヤンさんの出身地の中国雲南一帯は、民族衣装の宝庫なんですね。わたしは美しいものに出会うと、海賊が宝物をみつけたみたいなかんじになっちゃうんですよ。はしりまわっちゃうんです。
ヤン・リーピン : 中国の舞踏界においては、西洋のバレエの要素を借りてきて、作品に取り入れたり、バレエの影響を受けすぎたりというひとがすごく多いんですね。でもわたしはそうではなくて、あくまでも中国の特色ある踊りをする。それが西洋のものとの違いになる。この違いをうむことによって<自分の踊り>の特色を出していくというかんがえかたは、ずっとかわったことがありません。

東京公演/2014年05月23日[金]-06月01日[日] オーチャードホール

関連情報 : Bunkamura25周年記念 ヤン・リーピン「孔雀」
関連情報 : ヤン・リーピン画像集
YouTube : 美しい孔雀ダンス 雀之恋- ヤン・リーピン
【 関連情報 : 花筏 朗文堂好日録-036 台湾春節:林昆範さ んの年賀状 2014年02月14日
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2014年05月、世界が認めた中国の至宝/ヤン・リーピンが、長年見る者を魅了してきた<孔雀の舞>を、いままでの集大成として、壮大なスケールの舞踊劇にして来日した。
これまで『シャングリラ』(1908年、2010年)や、『クラナゾ』(2011年)で見せたような圧巻の群舞に加えて、今回の公演はデュエットやソロを中心に構成されていて、本編中の大半にヤン・リーピンが出演しており、その踊りを堪能できる。

《 愛のものがたりこそ、孔雀にはふさわしい 》
これまで日本で上演されてきたヤン・リーピンの孔雀の舞は、孔雀の生態を舞踊へと変換し、芸術に高めたものであった。本作<孔雀>では、技術と芸術性の高さはそのままに、移り変わる四季を背景にして、深遠なるラブストーリーに創りあげられている。
豊かな自然の中で生命が生まれ、運命的な出あいを経て恋が生まれ、その愛が豊かに育ち、繁栄をもたらす──。

おごそかで祝祭的な愛の物語には、ヤン・リーピンが磨き上げてきた孔雀の舞のテクニックが、存分に発揮されている。 いっぽうヤン・リーピンは、孔雀の愛がカラスの邪悪な欲望の犠牲になるというストーリーラインも用意している。
それも、カラスを一方的に悪者にするのではなく、美しさと愛に強く憧れる、孤独で不器用な存在としてカラス描き、物語を苦く深遠なものにしたのだ。
輝き、喜び、希望、美、清純と共に、渇きや陰影、寂しさや激しさなど、愛の全容を舞踊に込め、全身で踊り尽くす。それによって孔雀の舞は、観る人の記憶に刻まれるものになった。

ヤン・リーピン「孔雀」 舞台写真

《 四季の移り変わりと、いのちの循環 》
この作品のストーリーの流れを支える重要な役割を担うのが、四季の流れ、ときの移ろいである。 舞台上で変わってゆく「春、夏、秋、冬」という季節は、孔雀たちの住む森の時間をあらわし、孔雀たちの愛の形が変化していく様子に伴走する。

「ものごとはすべて変化し、命は繰り返します。仏教には輪廻リンネという考え方がありますが、春 夏 秋 冬 という季節の変化のなかで、それを表現したいとおもいました」
――ヤン・リーピン

このように、「神」、「時間」といった、抽象的な概念が配役として設定され、ヤン・リーピン独特の哲学的な世界観を、舞踊劇の形でイメージ豊かに構築している。

ヤン・リーピン「孔雀」 舞台写真

《 驚異の能力をもった、「後継者」に注目の視線が 》
四季の歩みを刻み、決して止まることのない時の経過は、この作品の重要なポイントである。
それを体現する「時間」の役に抜擢された美少女パフォーマーは、ヤン・リーピンの実の姪であり、幼い頃からカンパニーの中で育って来た、若干14歳のツァイー・チー(彩旗)である。
ツァイー・チーは2時間余におよぶ上演時間中ずっと、一瞬も止まることなく、舞台下手にあって体を一方向に回転し続けている。

「訓練してこれができるようになったのではなく、わたしは子供の頃から目が回るということがないんです。 ただ、今のように長く回転していられるようになったのは、叔母(ヤン・リーピン)から、<ほかのひとが稽古している間、あなたは体力をつけるために回っていなさい>といわれて、毎日練習していたからです。ですからわたしが 回転していた稽古場の場所は、ほかと比べて床がくぼんでいるんです(笑)」
――ツァイ・チー

彼女はこともなげに笑顔で話すが、驚異的な身体能力とずば抜けた存在感を持つツァイー・チーが、いまや「ヤン・リーピンの後継者」と目されるのも納得できる。
ストーリーの内容に合わせて、自在に緩急をつけ、回転する姿は、血筋を感じさせると同時に、血のつながりがなくても、きっとヤン・リーピンに見つけ出されたであろうゆたかな才能を感じさる。

《 世界一流のクリエイターが参加 》
本作の美術総監督と衣裳デザインを手がけるのは、ハリウッドでも活躍し、映画『グリーン・デスティニー』で2001年のアカデミー賞最優秀美術デザイン賞を受賞したデザイナーのティム・イップ(葉錦添)である。
前からヤン・リーピンの仕事に注目していたというティム・イップは、プロジェクトのスタート当初からヤン・リーピンと綿密な打ち合わせを繰り返し、稽古場にも通い詰めたという。
「孔雀の動きを模倣するダンサーたちを目の前で見て、話を聞き、どんな素材を使い、どれだけの長さや重さの衣裳にすれば、彼らの動きが活かせるのかを丹念に調べてプランを練りました」
――ティム・イップ
こうしてビジュアル面での充実を図り、ヤン・リーピンの最高傑作にふさわしい美的世界を完成させた。

【展覧会】 バルテュス展 東京都美術館

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かのピカソをして、「20世紀最後の巨匠」と言わしめた画家がバルテュス(本名 : バルタザール・クロソフスキー・ド・ローラ、1908-2001)です。
時が止まったように静謐な風景画や、バルテュス曰く、「この上なく完璧な美の象徴」である、少女のいる室内画など、どこか神秘的で緊張感に満ちたバルテュスの絵画は、多くの人びとに愛され続けています。

<バルテュス展 賞賛と誤解だらけの20世紀最後の巨匠>は、バルテュスの初期から晩年までの作品を通して、画家の創造の軌跡をたどる大回顧展です。
ポンピドゥー・センターやメトロポリタン美術館のコレクション、また個人蔵の作品など、世界各国から集めた40点以上の油彩画に加えて、素描や愛用品など、あわせて約100点を紹介するとともに、晩年を過ごしたスイスの「グラン・シャレ」と呼ばれる住居に残るアトリエをはじめて展覧会場で再現し、孤高の画家バルテュスの芸術が生み出された背景を探ります。

◎みどころ
1967年にバルテュスと結婚した節子夫人の全面的な協力を得て開催する、日本国内では没後初、かつ最大規模の大回顧展となります。
世界の名だたる美術館のコレクションだけでなく、公開されることの少ない個人蔵の作品も含め、 国内ではほとんど見ることのできないバルテュス作品が一堂に並びます。
東京都美術館 バルテュス展図録──────
◎ 会 期
2014年4月19日[土]-6月22日[日]
◎ 会 場
企画棟  企画展示室
◎ 休室日
月曜日
◎ 開室時間
9 : 30-17 : 30 (入室は閉室の30分前まで)
◎ 夜間開室
毎週金曜日は9 :30-20 : 00 (入室は閉室の30分前まで)

【 詳細情報 : 東京都美術館 バルテュス展 Balthus : A Retrospective

<在時間的某処>, Somewhere in time, ある日どこかで。

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 《上海のアダナ・プレス倶楽部会員、畠中結さんと楊 黙さんの再紹介》
ことしのはじめのころ、旧正月(春節)の休暇にあわせて来社された、朗文堂アダナ・プレス倶楽部会員、畠中結さん・楊 黙さんご夫妻を紹介しました。
そのときにおふたりは〈 Adana-21J 操作指導教室〉を受講され、その後は小型活版印刷機も本格始動がはじまったようです。 そんなおふたりを応援するために、ここに楊 黙氏のWebSite の情報を中心に、おふたりをご紹介します。【リンク:YANG MO】。

最初に掲げた版画は、漢字が簡化体になっています。日本式表記ですと「在時間的某処」となります。
「<在時間的某処>は、英語では<Somewhere in time>、日本語では<ある日どこかで>となります。-畠中」
とても夢のあることばですし、すばらしい版画ですね。

〈 EXHIBITIONS 〉
18_exhibit01[1] 18_exhibit02[1] 18_exhibit03[1] 18_exhibit04[1] 18_exhibit05[1] 18_exhibit06[1] 18_exhibit07[1] 18_exhibit08[1]
〈 WORKSHOP 〉
17_studio01[1] 14_dscf5048[1] 17_studio02[1] 17_studio03[1] 17_studio04[1] 17_studio05[1] 17_studio06[1]Studio1 Studio2 Studio3楊 黙  Yang Mo ┊ 1980年中国うまれ
中国上海在住。日常生活のすべてを芸術、デジタル・デザイン、版画製作に捧げているアーティスト。 楊氏は南京芸術大学を卒業し、そののち版画製作の最先端の研究を、ドイツ中央部、芸術と大学都市、カッセル(Kassel)で続行した。同地で日本から留学中の畠中 結さんと知り合って結婚した(中国では夫婦別姓がふつう)。
中国に帰国後は上海にアトリエを開設して、中国各地でいくつかの展覧会を開催した。また2012年の東京TDC賞にも選ばれている。 楊氏はおもにデジタル・デザイナーとして活躍しているが、常に彼自身の版画作品をつくって、現代中国では顧みられることの少ない、あたらしい版画芸術を提案し続ける、意欲にあふれる造形家である。

〈 SELECTED WORKS 〉
24_work05[1] 23_work04[1] 1_1[1] 6_work02[1] 9_work03[1] 7_privarte10_v2[1]
【再録】 エッ、いまごろお正月 !? 上海在住の会員がご来社。

恭賀新年 新年快楽有ーあけましておめでとうございます。

《2014年01月31日、上海在住のアダナ・プレス倶楽部会員がご来社に》
もうすっかりお正月気分の消えた01月31日[金]、上海在住のアダナ・プレス倶楽部会員で、Adana-21J のユーザーでもある、畠中 結さん・楊 黙(Yang Mo  1980-) さんご夫妻が、中国の旧正月休暇(春節)を期に来社されて、「Adana-21J 操作指導教室」を受講されました【リンク:YANG MO】。
おふたりは留学先のドイツで知り合われて結婚されましたが、中国では夫婦別姓なのでそれぞれの姓をもちいておられます。上海では畠中さんは商事会社に勤務、楊さんは版画家として活躍されています。

畠中・楊ご夫妻は小型活版印刷機 Adana-21J を一昨年暮れに購入されましたが、これまで来日の機会がなく、 「Adana-21J 操作指導教室」の受講が延び延びになっていました。それでもこれまでにたくさんの@メールのやりとりがあり、はじめてお会いしたとはおもえないほど会話がはずみました。
また今回は、中国では入手難な活版印刷関連資材や機器もたくさんご購入。幸い畠中さんのご実家が京都にあるため、これまでの Adana-21J などの輸送と同様に、ご実家に送付して、ほかの荷物といっしょに船便輸送となるようです。
【初掲載:アダナ・プレス倶楽部ニュース 2014年02月10日
【関連情報 : 花筏 【アダナ・プレス倶楽部】 中国 上海の活字製造と活版印刷情報

【展覧会】 今田欣一の書体設計 活版・写植・DTP

文字道メーンMoji Moji Party No.7
今田欣一の書体設計 活版・写植・DTP
──────

◎ 会  期
2014年06月24日[火]-06月29日[日]
12時-19時 最終日は17時まで
◎ 会  場
ギャラリー華音留 http://blog.kaoru-japan.net/?p=289
113-0031 東京都文京区根津2-22-4  4F
◎  主  催
株式会社 文 字 道   http://www.mojido.com
info@mojido.com   携帯:090-4963-0599
──────
annaijo-ura annaijo-omote展示に関連して、今田欣一氏のトークショーを
ギャラリー近くの「不忍通りふれあい館」で行います。
■ 日    時 : 6月28日[土]14 : 00-16 : 00
■ 参加費 : 1,500円
■ 定    員 : 30名
※先着順で30名の定員になり次第締め切ります。
申込先:文字道 Tel: 090-4963-0599 E-mail: info@mojido.com

【講演会】神奈川大学租界班第43回研究会 板倉雅宣さん

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租界班 第43回研究会 神奈川大学非文字資料研究センター 2014年度 第1回公開研究会
『近代中国における日本人経営の新聞の研究』
    ◎日時:2014年6月21(土)13:00~17:30
    ◎会場:神奈川大学横浜キャンパス 1号館804会議室
    ◎主催:租界班
    ◎内容:
    開会挨拶:内田青蔵(非文字資料研究センター長)
    開催趣旨説明:孫安石(非文字資料研究センター研究員)
    報告:
    『上海新報と修文書館について』板倉雅宣(タイポグラフィ学会)
    『上海新報と日本人コミュニティー』高綱博文(日本大学)
    『上海新報と日本の外務省』孫安石(神奈川大学)
    『泰東日報(大連)-都市空間からの対日本言説-』橋本雄一(東京外国語大学)
    『順天時報(北京)とその社説について』青山治世(亜細亜大学)
    コメンテーター:
    大里浩秋(神奈川大学)、関智英(明治大学)、周武(上海社会科学院歴史研究所)*書面による参加
お問い合わせ先:
神奈川大学日本常民文化研究所 非文字資料研究センター事務室
〒221-8686 横浜市神奈川区六角橋3-27-1
電話:045-481-5661(内線3532)  FAX:045-491-0659
────────────
タイポグラフィ学会会員/板倉雅宣さんが、<租界班 第43回研究会 神奈川大学非文字資料研究センター 2014年度 第1回公開研究会 『近代中国における日本人経営の新聞の研究』>において、 『上海新報と修文書館について』と題しての講演を担当されます。
皆さまお誘い合わせの上ご参加ください。
【関連情報】
神奈川大学 日本常民文化研究所 非文字文化センターのホームページhttp://himoji.kanagawa-u.ac.jp/news/index.html#1085
神奈川大学ホームページ
http://www.kanagawa-u.ac.jp/lecture/details_11132.html

朗文堂 新宿私塾 PIAZZA SHINJUKU 誕生。

PIAZZA 新宿私塾

朗文堂 新宿私塾が誕生したのは2004年09月のことでした。このとき「学校教育機関だけでは学べない、タイポグラフィの前衛養成のための私塾」として、意欲に富んだ第一期生を迎えました。
それから十年余が経過し、新宿私塾修了生はいまでは二百数十名を数えるにいたりました。現在は新宿私塾第24期生が、真摯な学習をつづけております。

ソーシャルメディア全盛の現代ですから、新宿私塾修了生の皆さんは、同期会などを結成して、各種のプラットホームで情報発信と情報交換を続けています。
それでも新宿私塾はひらかれた場所であり、なによりもコミュニケーションの手段として、タイポグラフィをおもくみる、ちいさなコミュニティでもあります。

ここに新宿私塾同期会の枠を越えた情報交換の場として、簡便なブログスタイルでの〈PIAZZA SHINJUKU  新宿私塾のひろば〉を、拠点の朗文堂 WebSite の一画に開設いたしました。

〈PIAZZA SHINJUKU  新宿私塾のひろば〉の投稿者は、新宿私塾修了生、新宿私塾在講生、講師の皆さんが中心となり、管理者は新宿私塾修了生有志が担当します。
もちろん読者は新宿私塾修了生にとどまらず、タイポグラフィにご関心のある皆さまにむけて、ひろく、ひらかれた場所になります。
まもなく新宿私塾修了生の皆さんには、投稿方法などを送付いたしますので、積極的な参加を期待いたします。

また朗文堂 WebSite をご訪問のみなさまは、ときおりホームページからお入りいただき、〈PIAZZA SHINJUKU  新宿私塾のひろば〉をご覧いただいて、若く、あたらしい、意欲に富んだ、タイポグラファ群像をご覧いただけたら幸甚でございます。

【新宿私塾】 第24期 順調に進行中。

私塾24期順調に進行中

《新宿私塾第24期、櫻花爛漫の春、意欲満満でスタートしました》
東京の櫻があでやかに花をつけた04月01日[火]、新宿私塾第24期が開塾いたしました。
この日の日中は新宿御苑にお花見に出かけるひとで賑やかだった周辺も、夕刻ともなると花冷えでしょうか、いくぶん肌寒くなり、いつもの静けさがもどりました。
ところが定刻から第一回目の講座が開始されると、教場はあつい熱気につつまれました。
DSCN3908これから半年間、ほぼ夏休みもなく新宿私塾は開講され、晩夏の09月16日に終了します。
この間、講師、塾生の先輩ともども、全力であたらしいタイポグラフィの前衛を育成するために努力しますし、25回の講座は、いずれも内容の濃いものとなっています。
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櫻前線が津軽海峡をわたって、いつの間にか北海道におよんでいました。
新宿私塾第24期第4回目、04月22日[火]は、「講義:活字組版指定基礎」(講師:鈴木 孝)でした。

180分の講座時間いっぱい、演習としての「組版指定の実際」と、課題2「組版指定」が展開していました。

この講座をつうじて「活字サイズ、字間、行間、段間」、「基本組体裁、縦・横、左右揃え、頭揃え、中心揃え」、「禁則、約物、段落字下げ、ぶらさがり組、追い出し・追い込み、行頭括弧の扱い、和・欧文混植の実際」などをまなびます。
そしてこれらの実際が、活版印刷、写植組版などの歴史のなかで醸成され、現代のパソコン組版の基礎となっていることを体験します。

こうして新宿私塾第24期は順調に進行しております。今週末の05月10日[土]は、フィールドワークとして、いったん教場をはなれて公版書籍印刷所の実際をまなびます。
これから半年後、自信にあふれた塾生の皆さんの、お顔と、お姿を、再度紹介できたら幸せです。

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【書体使用例紹介】 「日比谷に咲いたタカラヅカの華」

宝塚告知ポスター
東京宝塚劇場会場80周年記念特別展

日比谷に咲いたタカラヅカの華

1934年、日比谷の一角に日本第一級の大劇場、東京宝塚劇場が開場し、今年で80年を迎えました。
宝塚歌劇生みの親の小林一三は、開場に際して
「我等の初舞台、朗らかに、清く正しく美しく、我等の宝塚こそ大衆芸術の陣営、家庭共楽の殿堂、おゝ、我東京宝塚劇場!」
と高らかに表明し、宝塚歌劇を上演して来ました。

しかし、戦争の激化による休場、戦後のGHQの接収などの苦難の時代を見つめてきた東京宝塚劇場も、いったん63年の歴史に幕を閉じました。
やがて、新劇場完成までの1000日間の仮設劇場を経て、2001年には新東京宝塚劇場が完成し、東京での通年公演が実現しました。
本展は東京宝塚劇場開場80周年を記念し、その80年の軌跡をポスターや写真などの公演資料でたどります。

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◎ 会   期
平成26年 4月23日[水]-6月22日[日]
休館日:5月19日[月]、6月16日[月]
◎ 開室時間
平日 10:00-20:00、土 10:00-19:00、日・祝 10:00-17:00
◎ 観 覧 料
一般300円、大学・高校生200円、区民・中学生以下、障害者手帳をお持ちの方および付き添いの方1名は無料
※住所が確認できるもの、学生証、障害者手帳をお持ちください。
◎ 協  力
阪急電鉄株式会社、宝塚歌劇団、公益財団法人阪急文化財団、株式会社宝塚クリエイティブアーツ、株式会社宝塚舞台
◎ 出品協力
東宝株式会社、一般社団法人映画演劇文化協会
【詳細情報:千代田区立日比谷図書文化館

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正調明朝体s 正調明朝体Bs 大明南京國史監 南齋書

東京宝塚劇場会場80周年記念特別展「日比谷に咲いたタカラヅカの華」展の告知メディに、「正調明朝体」の「和字:あおい 漢字:金陵M」をご使用いただきました。
【書体詳細情報:朗文堂タイプコスミイク 正調明朝体Combination 3 正調明朝体B Combination 3

「正調明朝体 金陵」は中国・南京の雅称から名づけられ、その金陵にあった大明南京国子監刊行の木版刊本『南斉書』にみられる、端正な明朝体字様を現代に再生したものです。

朗文堂タイプコスミイク販売の「正調明朝体 金陵」パッケージには、和字書体の「あおい」「きざはし」「さおとめ」それぞれに、漢字書体の正調明朝体「金陵」が標準セットになっています。
「正調明朝体 金陵」シリーズは、ながい木版刊本の歴史のなかで醸成された、適度な古拙感、すぐれた可読性と誘目性を有しており、ご好評をいただいております。
皆さまの積極的なご採用、ご使用をお待ちしております。
[書体設計:欣喜堂 今田欣一 パッケージ設計:白井敬尚形成事務所]
 

ポストカード postcard と クリスマス Christmas

DSCN3943 DSCN3921《 黄金週間 ゴールデンウィークに入りました。皆さまお元気ですか?》
例年この長期休暇、ゴールデンウィークの期間中は〈 朗文堂 〉 と 〈 アダナ ・ プレス倶楽部 〉 の WebSite 双方ともに訪問者が減少します。 長期休暇の乏しいわが国のことですから、皆さまは、旅行に、帰省にと、楽しくゴールデンウィークをお過ごしのことと存じます。

ところでこの休暇を、かつては 「 黄金週間 」 と呼んで、その直前になると、新聞紙面などには賑やかに見出しが躍っていました。 それがいつの間にか 「 ゴールデン ウィーク 」 に転じ、ことしの新聞の見出しには 「 GW 」 と、全角欧文 !? で、縦組みになったタイトルが踊っていました。
このすっかりおなじみとなった 「 ゴールデンウィーク 」 を、『 広辞苑 』 にあたってみました。

【 ゴールデン-ウィーク 】
( 和製語 golden week ) 4月末から5月初めの休日の多い週。 黄金週間。

どうやら 「 ゴールデンウィーク 」 は、「 黄金週間 」 が転じたもので、いわゆる 和製英語 であり、英語圏での会話や表記には使わないほうが安全のようです。
なお 「 ゴールデン-ウィーク 」 のダッシュは、音節 ( syllable ) をあらわすものであり、この語間に 中黒 や ダッシュ は不要です。

────────────
というわけで、せっかくの 「 ゴールデンウィーク 」 に、本コーナーをご訪問していただいたゲストの皆さまに、しばしばあやまって使われている英語表記をご紹介します。
ひとつは 「 郵便はがき ポストカード 」 で、ひとつは 「 クリスマス 」 です。

使用する資料は、英和辞書として高い評価がある 『 研究社 新英和大辞典 』 で、これは画像紹介の許可をいただいておりjます。
もうひとつは、『 THE OXFORD DICTIONARY for WRITERS AND EDITORS 』 (1981,  p.318 ) です。
後者は、オックスフォード大学出版局の刊行書で、執筆者と編集者にむけて、あまりに日常化していて、ついうっかり、あぁ知らなかった、というたぐいの表記、間違えやすい英単語を中心に、簡潔に紹介したものです。
DSCN3937ここには 「 post  郵便 」 から派生した英単語を列挙して、「 abbr.   略称 」、「 しばしばスペースを入れて二単語にされていますが、一単語ですよ 」、「 語間にハイフンを入れて表記してください 」 などと説明されています。
すなわち 『 THE OXFORD DICTIONARY for WRITERS AND EDITORS 』 では、

「 郵便はがき ポストカードは postcard と一単語にしてください。 post card のように二単語では無いのでご注意を。 略語は p.c. です」

この問題はわが国でもふるくから一部の識者から指摘されており、朗文堂 WebSite では 〈 タイポグラフィ実践用語集 は行 葉書・端書・はがき・ハガキ 〉で、ずいぶん以前から触れています。
ところが、いまだに展覧会シーズンともなると、各種の造形者、とりわけ 「 印刷設計士/グラフィックデザイナー」
の皆さまから 「 Post  Card 」 と、堂堂と印刷された 「 Postcard 」 をたくさん頂戴しております。

いかがでしょう。 「 過ちて 改めざるを 是を 過ちと謂う 」、「 過ちては 改むるに憚ることなかれ 」 といいます。 この名詞語は、名にし負う天下のオックスフォード大学の執筆者や編集者でも「ついうっかり」なのですから臆することはありません。
そして 「 ゴールデンウィーク 」 が終わったら、「 そんなことは、昔から知ってたさ 」 、「 そんなの常識だろう 」 と、平然と、どっしり構えてください。

それでもおひとりでも、正しく 「 postcard 」 をもちいれば、まずは大切なクライアントに迷惑をかけることが無くなり、やがてちいさな波紋がどんどん拡大して、わが国の造形者が恥をかかなくなる日も近いことでしょう。
────────────
いっぽう 「 クリスマス 」 は少しやっかいです。
それは某国語辞書 『 広辞苑 』 が、どこか意地になって、クリスマスの項目で 「 Christmas,  Xmas 」 を説明しているからです。

それに牽かれたのでしょうか、わが国の一部に 「 X’mas 」 と表記する向きがありますが、これは省略を重複したもので完全に間違いです。

またギリシャ語由来の 「 Xmas 」 には、キリスト教徒の一部に抵抗を感ずる向きがあって、わたくしも20年ほど前に来社したアメリカの知人から、
「ここに来るまでに X’mas,  X’mas Sale のディスプレイがたくさんあった。 あれはクレイジーだ。  Xmas, エクスマスにも、発音からわたしには抵抗がある。 それよりどうして日本では、11月のはじめから Christmas Sale をはじめるのだ 」
と責められたことがありました。

宗教や宗派、まして発音までがからむと、わたくしの手にあまります。
まして某国語辞典の存在もあって困惑していましたが、『 研究社 新英和大辞典 』 に、わかりやすく 「 クリスマス 」 の解説がありました。 長文にわたりますので、その紹介にあたって、画像紹介の許可を研究社からいただくことができました。
以下は少少時間をいただいて、〈 タイポグラフィ ・ ブログロール花筏 〉でご紹介いたします。そして、ことしの暮れは、せめて 「 X’mas,  X’mas Sale 」 を見なくてすむように念願いたします。

【 関連情報 : 朗文堂好日録-037 なにかとあわただしい師走です。【再掲載】 ポストカード postcard と クリスマス Christmas 2014年12月04日

【図書紹介】 写植綜合見本帳VOL.10 在庫僅少

写植綜合見本帳表紙写植綜合見本帳 VOL.10
定価:本体1,500+税
朗 文 堂
全国書店、オンラインブックショップでお求めになれますが
ほとんど店頭在庫はなく、注文配本となりますので
お手許に届くのには少少時間がかかるかと存じます。

《エッ、写植の見本帳ってまだあるんですか !?》
『欧文書体百花事典』普及版 刊行記念特別連続講演会 第 2 回  『サンセルフの次なる模索 ローマン・サンセリフ』(講師 : 杉下城司 日時 : 2014年4月20日[日])の際、サンセリフの写植活字、わが国に導入されていた活字資料として、上掲の『写真植字綜合見本帳 VOL.10』を展示しました。

その際ご来場の若いかたから漏れた声が、
「エッ、写植の見本帳ってまだあるんですか !? 知らなかった ! 」
でした。おおかたの出版社とは因果な商いで、新刊書の発売に際しては熱心に広報活動にはげみますが、安定期にはいると、ほとんどが「既刊書カタログ」か、WebSiteの片隅の「既刊書コーナー」におかれるだけになります。

『写真植字綜合見本帳 VOL.10』は、わが国の写真植字機器製造、写植活字製造販売会社、写研、モリサワ、リョービ三社の主要書体を網羅し、写植機器製造メーカーの宣伝効果を狙った見本帳とはちがう実用性と資料性があるとのご評価をいただきました。
また、各種教育機関をふくめて積極的なご採用があって、1985年07月20日の初版から、版をかさねること10版、第13刷りまで発行してきました。

book+typeカタログ

朗文堂では図書カタログ『robundo book cosmique』、電子活字カタログ『robundo type cosmique』を製作しておりますが、近年の紙メディア離れのせいか、イベントや講演会の会場などでは、無償でも配布量が減少しております。
またWebSiteでは既刊書コーナーはちいさく扱われ、〈朗文堂 既刊書ご案内 Catalogue 2〉にちいさく紹介されております。

『写真植字綜合見本帳 VOL.01-10』は、写植全盛期をふくめて5-6万部ほど刊行されたことになりますが、活字見本帳の常として、新版が出るたびに旧版は廃棄されるのがふつうですから、世上の残存部数はあきらかではありません。また現状では、この13版をもって販売終了となることが避けられない情勢です。

1Q(級)=1H(歯)=0.25mm
振りかえれば写真植字の時代は短いものでしたが、金属活字から電子活字のはざまにあって、その橋渡し役として果たした役割はおおきなものがありました。
在庫切れとなる前に、書店、オンライン・ブックショップ、または小社直接でのご購入をお勧めいたします。

【展覧会】 生誕100年 立原道造と軽井沢展

生誕100年
立原道造と軽井沢展
◎ と   き:2014年04月24日[木]-07月14日
午前09時-午後05時 会期中無休
◎ とこ ろ:軽井沢高原文庫[開館30周年]
389-0111 長野県北佐久郡軽井沢町塩沢湖202-3
Telephone:0267-45-1175
http://www.karuizawataliesin.com
◎ 料 金:おとな(高校生以上)700円 小・中学生 300円
◎ 協 力:立原道造記念会、立原道造の会
──────
ふるさとの夜に寄す    立原道造

やさしいひとらよ  たづねるな!
なにをおまへはして来たかと 私に
やすみなく 忘れすてねばならない
そそぎこめ すべてを 夜に ……

いまは 嘆きも 叫びも ささやきも
暗い碧ミドリの闇のなかに
私のためには 花となれ! 咲くやうに にほふやうに

この世の花のあるやうに
手を濡らした真白い雫のちるやうに ────
忘れよ ひとよ …… ただ! しばし

とほくあれ 限り知らない悲しみよ にくしみよ……
ああ帰つて来た 私の横たはるほとりには
花のみ 白く咲いてあれ! 幼かつた日のやうに

140421[1]──────
四季派の抒情詩人:立原道造(1914-39)の生誕100年を記念し、立原道造の詩的世界を育んだ軽井沢において、立原と当地の関わりを中心に彼の足跡を紹介するものです。
詩稿、設計図、パステル画、書簡、著作、初出誌、建築模型など貴重な資料約200点を展観します。


わずか24歳8ヶ月にしてその短い人生をかけぬけた、詩人にして造形家:立原道造と触れるため、初夏のひととき、涼風ふきわたる軽井沢にお出かけになりませんか。

東京に「立原道造記念館」の無きいま、軽井沢でのご観覧をおすすめいたします。

【終了いたしました!たくさんのご来場ありがとうございました。 4月29,30日】活版ルネサンスフェア。話題の新機種 Salama-21A もご紹介。

活版ルネサンスWeb初日は曇天、二日目はあいにくの天候となりましたが、両日ともたくさんのご来場者をお迎えして、《第16回活版ルネサンスフェア》は盛況裡に終了いたしました。ご来場ありがとうございました。
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今回は新機種 Salama-21A の初登場もあって、いっときは狭い会場が大混雑の様相を呈しました。
また昨年から、アダナ・プレス倶楽部は東京でのイベント《活版凸凹フェスタ》を中断して、全国縦断イベント《Viva la 活版》シリーズを展開中のため、久しぶりに拝見する懐かしいお顔もおおく、両日とも展示・販売会というより、さながら、活版造形者の皆さまとの心弾む交流会の様相を呈しておりました。
活版ルネサンスの歩みの、たしかな手応えを感じさせていただいた二日間でした。
簡略紹介はすこしお時間をいただいて、おもに アダナ・プレス倶楽部ニュース欄 でご報告いたしますが、「交流会」のたのしい様子は、〈 活版アラカルト 〉コーナーで紹介いたします。

活版ルネサンスWeb
第16回 活版ルネサンスフェア
と き * 2014年04月29日[火・祝]-30日[水] 13:30―19:00

ところ * 朗 文 堂 4 F-B
160-0022  新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F
Telephone : 03-3352-5070
[ 来場ご案内マップ ]

春うらら、櫻前線が北上中です。いよいよ創作の春がはじまりました。
皆さまお元気にてご活躍のことと存じます。
《活版ルネサンスフェア》 は、通常春と秋の 2 回にわたって開催され
アダナ・プレス倶楽部会員、活版造形者、活版ファンの皆さまを対象に
活版印刷関連の新製機器と、資材、そして一部は中古品の
活版印刷関連機材・資材の展示即売会です。
手狭な会場ながら、貴重アイテム、マニアックな商品が溢れています!
春の創作シーズンに、このチャンスをぜひともお役立てください。
[東京都公安委員会許可 第304380708865号]

話題沸騰 !!
新登場 アダナ式小型活版印刷機 Salama-21A
ぜひとも会場で実機をご覧ください。

Salama 4cWebsala22630 sala22657 sala22663 sala22651Salama図面 寸法/天地 475mm, 左右 376mm, 奥行最大 563mm  重量/19.3kg

新登場の 〈 アダナ式小型活版印刷機  Salama-21A 〉 はもとより、新品の活版印刷関連機器、独自企画開発商品とともに、活版印刷所で長年の使用に耐えてきた、優秀な中古品もドッサリ用意いたしました。

これらは現在では生産中止となった活版関連機器や、個人では入手しにくい、
◎ 適度な乾燥速度、印刷に気品を「青口アオクチ墨活版インキ」(見本展示・受注製造)
◎ インキ・ローラーの清拭と、長期使用にむけた「ゴム・ローラー・メンテナンス剤」
◎ 印刷作業が本格化したかたに好適な、おおきなメタルベース代用の「アルミ作業台」(リユース)
◎ 〈活字はいっさい使わない。すべて樹脂凸版でいく!〉、超割り切り型のユーザーのご希望で開発した新製品「メタルベース一体型チェース」(見本展示・受注製造)
◎ 新開発 圧盤用ラバー・クッション胴張りセット
などの器材や資材を含みます。
すべて実物をご覧いただき、その特徴をご理解のうえご採用いただけます。

活版印刷(Type printing, Letter press)のサポーターとして、アダナ・プレス倶楽部ならではの、懇切丁寧な使用方法の解説もいたしますので、狭い会場ながら魅力溢れる展示販売会となります。
春の創作シーズン、展覧会シーズンの到来に合わせて、創作に活用できそうな機材の補充、実制作での疑問の解決、技術の向上に、どうぞこの 《活版ルネサンス フェア》 をご利用ください。

《第13回 活版ルネサンスフェア》の会場の模様

《今回の主なご紹介アイテム  順不同 》
── 商品の一部に、現品限りのものがございます。売り切れの際はご容赦ください。

新開発 アダナ式小型活版印刷機 Salama-21A/新開発 圧盤用ラバー・クッション胴張りセット/活版専用ピンセット新旧/ジャッキとジャッキハンドル新旧/KMT全自動活字組版機(日本語モノタイプ)活字母型庫8pt, 9pt, 10pt明朝体/罫線 各種/くじら尺/特製組みつけ台/金属インテル各種/活版用強力磁石/特製組版ステッキ、中古組版ステッキ/ファニチュア各種/工具類(ブレース鋏・鳥居鋏・罫切り鋏)/罫切り器/各サイズ込め物セット/活字倍数尺/特製ムラ取りハンマー&ならし木セット/ブロッキング防止パウダー/特白ウェス/無臭洗い油/インキ・ハンド・ローラー/インキべら/インキ・パッド/ゴム・ローラー・メンテナンス剤/オイルベース活版用インキ各色(1キロ缶、特製200グラム缶)/活版用墨青口インキ/ラバー・ベース・レタープレス用インキ/版画用メタルベース(19.68ミリ、19.70ミリ)/樹脂版用メタルベース(21.89ミリ、23.39ミリ)/特製五号サイズメタルベース箱入りセット/特製カタ仮名活字アラタ1209/輸入欧文活字スキームセット/輸入オーナメント活字各種/凸版用スプレーボンド/特製文選箱/中古文選箱新旧各種/文選箱ストッパー/セッテン/特製文選箱立て/特製ミニ組みゲラ/中古組みゲラ/特製ミニ置きゲラ/中古置きゲラ/特製ミニスダレケース棚/活字サイズ照合キット

────  その他掘り出しもの、在庫限りの貴重アイテムがどっさり。
皆さま、友人・知人と誘いあわせてのご来場をお待ちしております。