【資料発掘】これってな~に? 活字列見 or 並び線見



タイポグラフィ・ブログロール『花筏』に、二度にわたって上掲の器具に関する記事を掲載してきました。
タイポグラフィ あのねのね*016 これはナニ?  2012年02月23日
タイポグラフィ あのねのね*018 活字列見 2012年03月13日

その一応のまとめともういうべき記録を、
タイポグラフィ あのねのね*020 活字列見 or 並び線見 2013年07月07日
に掲載しました。ご関心のあるかたは『花筏』をご覧ください。


二回にわたった『花筏』での紹介後、この「器具」の愛らしさがこのまれたのか、あちこちで図版や図像としてご利用いただいたのは嬉しいことでした。ところが期待していた情報の提供がいただけなかったのは残念でした。
できたら過誤の指摘をふくめて、今後ともこの「器具」に関する情報のご提供をいただけたら嬉しく存じます。
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◎  『英和  印刷-書誌百科事典』
              (日本印刷学会、印刷雑誌社、昭和13年1月12日)
    lining gauge (Linienmass
    活字の Line を測定する器具。aligning gauge ともいふ。[図版あり]
◎  『第五版 印刷事典』(日本印刷学会、印刷朝陽会、平成14年1月7日)
    ならびせんみ 並び線見  lining gauge, aligning ; Linienmaβ
    欧文活字の並び線を測定する器具。(同)版面見、筋見[図版あり]
◎ 『KOBUNDO’S TYPE-FACES OF TODAY』
       (株式会社晃文堂 千代田区神田鍛冶町2-18、p.67、1958) 
    LINING TESTER  列見[写真図版あり]

◎ まとめ
この器具は、活字鋳造現場、とりわけ欧文活字のベース・ラインの測定・設定にもちいられる。英語では Lining gauge, Aligning, Lining tester などとされ、 ドイツ語では Linienmass とされる。わが国では「並び線見、版面見、筋見、列見」などと呼んだ。

Viva la 活版 Viva 美唄 活版印刷と 安田 侃カンと まるほりトマト




【詳細情報:まるほり野菜園ブログ  北海道の新米百姓日記
【関連情報:『花筏』2012年10月03日 まるほり野菜園 ── 農にいきるひと 堀内 剛さんへのエール


きょうはお知らせです。
《Viva la 活版 Viva 美唄》、本当にすぐそこ、来週末に迫ってまいりました。
アダナプレス倶楽部では、連日連夜、テンヤワンヤ、ともかく製作に余念がありません。

そんななか、ときおり北海道夕張郡由仁町の堀内剛さんからの飄飄とした@メールが到着します。ここにご紹介したいくらい、ユーモアと含蓄のある@メールです。
堀内さんは、「風の猫 ゴリ」 ── 甘えたり、すねたりする、気まぐれのようですが ── とともに起農 ── トマトと豆づくりに余念がありません。

そんな堀内剛さんと、《Viva la 活版 Viva 美唄》の講演会と、懇親会でお会いできます。何人かは、由仁町の「まるほり野菜園」訪問に出かけるようです。
堀内さんは美唄名物「アダナプレス倶楽部  焼き鳥懇親会」にもご参加されますが、おいしいお酒が飲めるように(飲酒運転防止)と、美唄周辺に宿をとられたそうです。

【詳細情報:まるほり野菜園ブログ  北海道の新米百姓日記
上記ブログにリンクすると同時に、その一部をここにご紹介いたします。「風の猫 ゴリ」との日日がたのしく綴られています。上記リンクもぜひご覧ください。 
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FC2 Analyzer   まるほり野菜園  堀 内  剛

今日はお知らせです。
7月14日にまるほり園長[堀内剛]が、焼き鳥で知られる美唄市に出張し、《Viva la 活版 Viva 美唄》の講演会として
「起農への挑戦 ◯(まる)をもらえる野菜づくり」
と題する講演と、「まるほりトマト」のPR活動をいたします。

会場は、世界で活躍する美唄出身の彫刻家、安田 侃(やすだ かん)さんがつくる植物や景観とともに成長する野外彫刻公園、アルテピアッツァ美唄

《Viva la 活版 Viva 美唄》は、「活字書体」「印刷技術」など、文字と活字を愛し、追求し続ける出版社「朗文堂」さんのアダナプレス倶楽部が主催。

アダナプレスとは、印刷の原点「金属活字」を紙に「押圧」する事による昔ながらの印刷技法、「活版印刷」をする機械の名前です。

これ以上説明するとぼろがボロボロ出てくるので詳しくはこちらでお調べの程を⇒朗文堂 アダナ・プレス倶楽部

イベントは、「欧文活字と花形活字でつくるオリジナルレターセット」などの講習会や、朗文堂主催の活版カレッジの生徒さんの作品展示などが中心。

そんな中、異彩を放ちまくる「まるほり野菜園」の講演&おみやげ配布の企画!

実は、朗文堂に勤める、まるほり園長の学生時代の後輩が、朗文堂の社長さんと出張のついでに、まるほり野菜園に遊びに来てくれた事をきっかけに、講演を企画していただきました。
講演のタイトルは「起農への挑戦 ◯(まる)をもらえる野菜づくり」
身体性をともなった「ものづくり」の根幹をなす「農」と「食」についての講演をとの事です。

① 私は言語中枢に深刻な問題を抱えている。
② ポワーっと生きて来たので、私の経験と上滑りな考えが
     皆様の参考に成るのかどうか?
③ なにより文字を愛する方のイベントで、私の話がフィットするのか??
主に、以上の理由でとても不安です。

先輩にチャンスをくれたゼミの後輩[大石薫]と、社長[片塩二朗]さんに恥をかかせないように、せめて準備はしっかりと、そしておみやげトマトは大盛りで臨みたいとおもいます。

ちなみに講演内容は
① 自己紹介 わたしの人生の歩み
② 農業との出会い。
③ 恩師たち
④ 新規就農事情と新しい流れ。
⑤ まるほり野菜園の目指す農業
⑥ B染色体がもたらした出会い。
⑦ トマト試食タイム!!
といった内容で1時間30分。主に試食タイムを充実する予定。

参加費500円でおみやげ付き。

皆さんの貴重なお時間をいただくので、もちろんお土産トマトは500円以上の価値のものにいたしますよー。
穴があったら7月15日まで入っていたい、、そんな精神状態ですが、
愛すべき後輩が頑張って段取りしたイベント。
私の起農を応援してくれている社長さんの気持ちに答えたい。

皆様に呼びかけます。

7月14日は是非、アルテピアッツァ美唄へ!!!!!!

イベント情報はこちら
Viva la 活版 Viva 美唄

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ゴリの秘蔵画像などを駆使してご機嫌を伺う作戦です。

【猛省 講演会】燕雀 いずくんぞ鴻鵠のこころざしを知らん哉 『史記』司馬遷


《唖~唖 !  やはりミニ講演会は大失敗。無残やの~》
だからいったでしょう。時間オーバーしそうだって。
ミニ講演会は持ち時間30分で、文字どおり、はなし半分で終了しました。
わざわざ足をお運びいただいた皆さまには、ふかくふかくお詫びもうしあげます。
いずれ(近いうちに)機会をもうけて、100枚のスライドでじっくりおはなしする場をもうけたく存じます。

なにしろ案の定の結果で、「ゆず屋」あたりの「つぶやき」にあげられ、すっかりからかわれているようです。
「ゆず屋 山王丸  榊 コト 本名:〇〇〇〇」は、某国立大学工学部出身の工学博士で、某官庁のお役人が本職のお堅いひとです。しかも「最終学歴?」が新宿私塾という変わり種ですから、あの「ゆず屋のつぶやき」なぞにだまされてはいけません!?
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ふるいはなしです。東京メトロ茗荷谷駅のかたわらに、ビジュアルデザイン研究所という私塾がありました。創立者兼所長は故高橋正人先生(旧教育大教授、主著/『構成ⅠⅡ』岩崎美術社)。
あらためて振りかえると講師陣はすごいものでした。所長の高橋正人先生(当時は教育大学名誉教授)、同大の教え子の勝井三男さん、おなじく故清原悦志さん、そして吉田佳広さんや、まだ若き五十嵐威伸さんなどがズラリとそろっていました。
「生徒」の大半は高橋先生のご経歴のせいか、ほかのデザイン専門学校とはいくぶんことなり、国公立の大学卒業生が大半(とりわけ夜間部)を占めていました。

そこの夜間部に入所したところ、半年もたたないうちに高橋先生から呼びだされ、
「カタシオくんは、写真植字機研究所[のち写研]の写植教室に通っていたの?」
「はい、半年コースで、もう修了しています」
「あそこの特別講師をしている、加藤美方さん(東京高等工藝学校卒、研究社を経て、大日本印刷、リョービ印刷機販売などで役員を歴任)と、高島義雄さん(新潟県柏崎市出身、長岡工業学校卒、研究社印刷株式会社に45年奉職。主著『傳書 活版技術 』1904-?)から推薦があってね。それで相談だけど、昼間部でタイポグラフィの講師がいなくてね。カタシオくん、やってくれないかな……」

生業にすぎない状態でしたが、すでに朗文堂を開業していましたから、昼間部はご容赦いただいて、まもなく夜間部の講師ということになりました。
摩訶不思議でした。すでに「授業料」は一年分を支払い済みでしたが、入所して半年あまりのちから「講師給与」をいただいていました。そして自分の授業が済むと、ほかの講師の「生徒」ということになりました。次第に朗文堂が多忙となり、ビジュアルデザイン研究所は一年半ほどでやめましたので、高橋先生には申し訳ない次第でした。
当時のわたしは26歳、まだデザインがのどかな時代のはなしです。

東京国際ブックフェア
片塩二朗 ミニ講演会

《秀英体改刻の歩み いまだ止まず》
と き:07月04日[木] 14:30-15:00
ところ:大日本印刷株式会社 秀英体開発室 ブースNo.6-50

そんなわけで……、(いいわけです)。
ビジュアルデザイン研究所から、美術大学や新宿私塾の講師をつとめて40年ほどがたちました。ですからいつのまにか、授業や講義とは90分が一コマだという体内時計(習慣)が身についてしまったのかもしれません。

DNPミニ講演会には、わざわざお出かけいただいた皆さまや、会場内で立ち止まってご聴講いただいた多くのお客さまがおられました。椅子席の20名はもとより、多くの皆さまが足を止めてご聴講されていました。あらためて、お詫び申しあげるとともに、感謝の気持ちでいっぱいです。
また大日本印刷の「秀英体平成の大改刻」に刺激されたのでしょうか、会場内のほかのブースには、うれしいことに、いくつかの企業も自社専用書体の改刻をすすめ、それを公開していました。

講演の後半では、改刻の先にあるもの、これからの書体開発のあらたな方途をご提示する予定でした。
すなわち《秀英体改刻の歩み いまだ止まず》ということです。
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来週末(07月13日-15日)には《Viva la 活版 Viva 美唄》で、北海道の美唄にでかけます。北海道でも「メディアと活版印刷 活版印刷のあらたな挑戦」をテーマに、アルテ ピアッツァ美唄のアート・ストゥディオでの講演が予定されています。
「雀、百まで躍り忘れず」といいます。まだ懲りないんですねぇー。そうだ、こっちの持ち時間は何時間だったか、もう一度確認しなければならんぞ……。
皆さま、よろしければ、チョット足をのばして《Viva la 活版 Viva 美唄》でお会いしましょう!

《Viva la 活版 Viva 美唄》
【会 期】 2013年7月13日(土)―15日(月・祝)9:00―17:00
                
(最終日は13:00まで)
【会 場】 ARTE PIAZZA BIBAI アルテピアッツァ美唄
       アート・ギャラリーおよびアート・ストゥディオ
       北海道美唄市落合町栄町   http://www.artepiazza.jp/
【入場料】 無 料
      (ゼミナールの一部に参加費が必要なものもあります)

【主 催】 朗文堂 アダナ・プレス倶楽部

■ 07月13日(土)
10:00―12:00 「メディアと活版印刷──活版印刷のあらたな挑戦」
            朗文堂/片塩二朗
参加費500円。予約不要・当日参加可能。
わが国への活字版印刷術導入の歴史から未来展望までが学べる講座です。
活字版印刷機Adana-21Jを使って記念カードの印刷体験も行います。

Viva la 活版 Viva 美唄 すぐそこまで!

《Viva la 活版 Viva 美唄》
【会 期】 2013年7月13日[土]―15日[月・祝]
       9:00―17:00(最終日は13:00まで)

【会 場】 ARTE PIAZZA BIBAI アルテピアッツァ美唄
       アート・ギャラリーおよびアート・ストゥディオ
       北海道美唄市落合町栄町 http://www.artepiazza.jp/
【入場料】 無 料
      (ゼミナールの一部に参加費が必要なものもあります)

【主 催】 朗文堂 アダナ・プレス倶楽部

いよいよ《Viva la 活版 Viva 美唄》の開催がせまってまいりました。
いま、活版造形者は、黙黙と作品の仕上げに余念がありません。
タイポグラフィ・ゼミナールの担当者は、準備ぬかりなく進行しています。

《Viva la 活版 Viva 美唄》は、活版造形者とその活版作品に親しく接していただき、その造形の魅力に触れていただくことを主眼としています。
そのために、過度な広報活動は抑制し、せいぜい告知はがきの印刷配布と、イベントタイトル入りTシャツをつくったくらいにして、ご来場者と活版造形者のこころの交流ができたらしあわせに存じます。

また「アダナプレス倶楽部」「活版カレッジ」の各地の会員や修了生も、大挙して雄大な北海道の大自然にいだかれるべく《Viva la 活版 Viva 美唄》に参加されます。
地元、北海道の多方面の造形者との情報交換も熱を帯びてきています。

《Viva la 活版 Viva 美唄》で、美唄の アルテ ピアッツァ美唄 でお会いしましょう。

★関連情報:タイポグラフィ・ブログロール『花筏』
◎ 03月13日  Viva la 活版 Viva 美唄 Ⅰ 開催のお知らせ
◎ 03月15日  Viva la 活版 Viva 美唄 Ⅱ 準備着着進行中 !?
◎ 03月28日  Viva la 活版 Viva 美唄 Ⅲ タイトルデザインと過去の活版関連イベントデザインの記録
★関連情報:アダナプレス倶楽部 NEWS
◎ 02月20日  Viva la 活版 Viva 美唄 開催のお知らせ 
◎ 06月11日  Viva la 活版 Viva 美唄 ゼミナール参加者募集
◎ 06月19日  Viva la 活版 Viva 美唄 さぁはじまったぞ! アダナプレス倶楽部イベント狂想曲 !?
◎ 06月29日  Viva la 活版 Viva 美唄 すぐそこまで!  
◎ 07月05日  Viva la 活版 Viva 美唄 活版印刷と 安田 侃カンと まるほりトマト







【講演会】東京国際ブックフェア DNP 《秀英体改刻の歩み いまだ止まず》《『秀英体平成の大改刻』における開発概要》


《第20回 東京国際ブックフェア》
会  期:2013年07月03日[水]-06日[土]
会  場:東京ビッグサイト 西展示棟
      DNPブース 西1ホールNo.6-50
入場券:所定の招待券が必要です。
              招待券は朗文堂でもおわけしています。
              招待券が無い場合は、入場料1,200円/人が必要です。
              「ミニ講演会、ミニセミナー」はDNPブース内で開催。
              無料で自由参加です。

片塩二朗 ミニ講演会
《秀英体改刻の歩み いまだ止まず》
と き:07月04日[木] 14:30-15:00
ところ:大日本印刷株式会社 秀英体開発室 ブースNo.6-50

続いて、下記ミニセミナーを開催いたします。 是非、お立ち寄りください。

秀英体開発室 グループリーダー 伊藤正樹 ミニセミナー
《『秀英体 平成の大改刻』における開発概要》
と き:07月04日[木] 16:15-16:35
ところ:大日本印刷株式会社 秀英体開発室 ブースNo.6-50

同ブースの秀英体展示コーナーにて、近刊予定『100年目の書体づくり--「秀英体 平成の大改刻」の記録』(大日本印刷)の見本を展示予定です。
お忙しいところ恐縮ですが、皆さまのご参加をお待ちしております。

【詳細:東京国際ブックフェア|セミナー・イベント】7月4日中程。
【詳細:秀英体|DNP 大日本印刷株式会社

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講演の講師を引きうけると、もともと人混みが苦手ですし、準備もたいへんです。また大恥をかくことが多く、あとで後悔することがほとんどです。
ところで、ながいあいだ秀英体に関わっていたせいでしょうか……。とても愛着があります。
今回は短い時間ですし、ちいさなコーナーで気軽なおはなしを……、と慫慂されて講演を引き受けしましたが、短い時間で、簡潔にはなしをするのは、かえって困難がともなうことを認識しました。

つまりスライドを用意したところ100枚余となり、それを最大限削りこんでも50枚を越えます。どのデータ、図版にも愛着がありますし、懐かしいおもいでもあります。
このデータ量で30分の枠には収まらないとおもいつつ、これ以上削り込むことへの逡巡があり、講演会ではおもいっきり急いでスライド転換をいたします。

そのために異例のことながら、おはなしの要点のいくつかを、ここに図版として列挙しておくことにしました。
宋朝体字様、明朝体字様の誕生・揺籃の地──南宋のみやこ、臨安の大廟前の出版街と、そこで誕生した宋朝刊本。
修復なった故宮博物院/北京紫金城内・武英殿摺印処(『康煕字典』製造の場)の鮮明写真などの紹介は、これまであまりなされなかった紹介となります。

そして、秀英体が、たんに改刻に留まることなく、これからも書物の字様と活字の歴史にまなび、あらたな展望と展開をはかる契機を提唱できたら……、と念願しています。
みじかい時間となりますが、《東京国際ブックフェア》の観覧かたがた、東京ビッグサイトDNPブースまで足をお運びいただけたら幸甚です。










新宿私塾第22期 順調に進行中です。

《05月29日[土] 第9回フィールドワーク 公版書籍印刷所  理想社の実際》
新宿私塾開講のときからお世話になっている「理想社」。同社に出向いて公版印刷とはなにか、公版印刷の使命を現場で学びます。
前半の一時間は、同社社長・田中宏明氏による「書籍印刷概論」の講義があります。そこではデザインの現場では知ることができない、印刷工程の構築法と、実践的な管理知識が説かれていきます。









1921年(大正10)創業の理想社は、活字版の組版所としてスタートした歴史をもっています。そのために、いまもって文字組版を大切にしている企業です。ですから4年ほど前までは四六判の大型活版印刷機が轟音を響かせて稼働していました。

こんにちの理想社は、ゆっっくりと業態変更を実施しているようです。CTP, オンデマンド印刷システムといった最新鋭機器もならびますが、同社の組版部は、やはり版元からの絶対の評価をえているようです。[撮影:塾生/林 恭平]

《06月11日[火] 第12回 *講義:美術館・博物館図録ケーススタディ 原 順子さん》
国公立の大型美術館や博物館の図録・カタログ製作を積極的に受注されているWOデザイン/原 順子さんによる講義の模様です。

 

施設が大型になればなるほど、デザインの基本をしっかりと構築し、コンテンツの主従関係、優先順位などを学芸員や図書館司書と事前に十分に打ち合わせをしておくことの重要性が説かれました。

また図版レイアウトや文字組版に関しても、展示内容や客層のターゲットを考慮することが第一であり、ともかく見やすく、理解しやすく、読みやすいデザインの追究に研鑽をかさねられているとのことでした。

そこには外連ケレンや奇抜さは許容されることがなく、堅実さのなかに、どう新味を開拓するか、それなりのご苦労もあるようです。
塾生諸君は、デザインにおける誘目性、すなわち奇抜さや、オシャレさや、気の利いた遊び心を意識していたかたもおおく、ターゲットによる製作者の謙虚で控えめな姿勢の維持に、新鮮な驚きがあったようです。

下図のフライヤーは、東京国立博物館の来年夏(2014年)の予告ポスターです。
大型施設とは、このような長期計画で展示を考慮しますし、当然製作者もそれに対する対応力を求められることになります。
来年の2014年(平成26)7月、夏の国立博物館における大型企画で、WOデザインの製作物にであえるのかもしれませんね。

和字 Tradition 9 ばてれん ご愛用いただきました!




新潮社の[とんぼの本シリーズ]は、1983年の創刊で、美術・歴史・文学・旅をテーマとするヴィジュアル中心の入門書であり、案内書のシリーズです。
シリーズ名となった「とんぼの本」は、とんぼのように視野を広くもちたい、というおもいから名づけられたとされています。

[とんぼの本]には、何冊か小社販売デジタル書体をご使用いただいていますが、「日本・東洋美術」の『ひらがなの美学』(石川九揚著)に、《和字 Tradition 9 所収  ばてれん》を装本部、本文書体としてご利用いただきました。

欣喜堂製作の《和字 Tradition 9 所収  ばてれん》は、いわゆるキリシタン版『ぎやどぺとかる』(大英博物館蔵)を基礎資料として誕生した和字書体です。
その詳細資料は『和漢欧書体混植への提案』(ヴィネット11、今田欣一、朗文堂、2003年11月)に紹介されています。
皆さまのご愛読と、ご愛用をお願いいたします。

【展覧会】榮久庵憲司とGKの世界 鳳が翔く



【同展覧会 フライヤーより】
榮久庵憲司と、彼が率いる創造集団GKは、戦後の復興期より、数々の製品をデザインすることで、日本人の生活や都市空間の近代化の一翼を担ってきました。その領域は、日ごろ街中で目にする日用品やオートバイから、博覧会場の施設やサイン類、都市のインフラストラクチャーまでと、多岐にわたります。

榮久庵は、実家を継ぐべく僧門に入ったのち、デザインの道を志しました。その原点には、原爆で廃墟となった広島の街の光景と、進駐軍が体現していたアメリカ文化があったといいます。そして東京藝術大学在学中より、ともにデザインを学ぶ同窓生と、「モノの民主化」、「美の民主化」をスローガンに、当時の日本としては類のない、インダストリアルデザインを専門とするグループ、GKを結成しました。

以降、60年にわたるデザイン活動の根底に流れているのは、モダンデザインと東洋の思想の融合に加え、人が作ってきたもの=道具についての長年の研究です。人類が太古に初めて手にした道具から、未来の暮らしまでを見据えて、人と道具のあるべき関係をデザインによって提案し続けてきました。 

本展覧会では、製品化されたものやその模型、将来へのプロポーザル、さらには、人と自然と道具が美しく共生する世界を具現化したインスタレーション等によって、榮久庵憲司とGKが展開してきた、デザインの世界像をご紹介します。

2013年7月6日土曜日 ― 9月1日日曜日
世田谷美術館 Setagaya Art Museum

開館時間:
午前10時─午後6時(入場は午後5時30分まで)
休 館 日:
毎週月曜日(ただし7月15日月曜日・祝日は開館、
翌日7月16日火曜日は休館)
観 覧 料:
一般1000(800)円、65歳以上800(640)円、
大高生800(640)円、中小生500(400)円
*( )内は20名以上の団体料金。障害者の方は500円
(介助の方1名までは無料)、大高中小生の障害者の方は無料。

【詳細情報:GK Design GroupSetagaya Art Museum

Viva la 活版 Viva 美唄 さぁはじまったぞ アダナプレス倶楽部イベント狂想曲 !?

 
《アダナプレス倶楽部名物、お祭り騒ぎ !? ── やつがれ Wrote》
【Viva la 活版 Viva 美唄】の「イベント告知はがき」、『アダナプレス倶楽部会報誌』の発送を終えて、すこしは静かになっていたかにみえたアダナプレス倶楽部+活版カレッジの面面。
ところが実際は、みなさんが本来の活版造形者にもどって、アルテ・ピアッツァ美唄の「アート・ギャラリー」での展示に向けて、作品づくりに余念のない日日であることは知っていた。こういうときは、みんながナーバスになるので、触らぬ神にたたり無しでソッとしておくにかぎる。

うれしいことに、会場の美唄をはじめ、北海道各地で支援者が次次と名乗りをあげられ、さまざまな造形者からの熱い反応もしばしば入ってくるようになった。地元ではともかく大歓迎で、期待はどんどん大きくなっているようである。責任重大である。
アダナプレス倶楽部会員と有志のみなさんも、30人ほど北海道入りをするらしい。なかには福岡や徳島から駆けつける会員や修了生もいるようである。
美唄、石見沢、札幌と、各地のホテルに分宿して、えらくにぎやかになりそうな悪寒 モトイ 予感。


北海道はデッカイドーで、 ともかく見どころ、食べどころが多い。ほとんどのかたが、北海道ははじめてだから、美唄の見どころを『アダナプレス倶楽部会報誌』に紹介しようと提案した。担当はコヨーテ キタ。
なにやら熱心にデータを集め、しこしこ地図を作成していたが、怖れていたとおり「イタリアン・レストランならここ」、「和菓子のおいしいお店」、「ケーキと紅茶が勢揃いの店」「名物焼き鳥店紹介」と食べ物紹介ばかり。やはり人選を間違えた。後悔したがあとのまつりだった。

《2013年06月14日[金]──T シャツプリントの夕べ》
そんな多忙なはずのある週末、アダナプレス倶楽部会員が、おもいおもいのTシャツを持参して、三三五五集まっていた。
【Viva la 活版 Viva 美唄】の「制服」として、Tシャツにイベントタイトルの「Viva la 活版 Viva 美唄」のシルクスクリーン・プリントをするのだそうである。
そもそもアダナプレス倶楽部の会員には、シルクスクリーン印刷を本業とするかたがいるし、さまざまな印刷版式のひとつとして、孔版印刷=シルクスクリーンを業務とされる会員もいる。
それなのに今回はプロは後方支援にまわって、教場の片隅に、簡易印刷キット「シルクスクリーン T シャツくん」をもちこんで、各自がそれで印刷するのだそうである。

人気を独り占めして、圧巻だったのは「紋暢モンヨウ クン2歳のTシャツ+ポシェット」だった。ともかくちいさくて、かわいらしい。
コンビニで間に合わせの T シャツを買って、いつものとおり遅れてノコノコやってきたバッカス松尾は、わかっていない。
「エッ、こんなちいさいの、たれが着るの?」



《Viva la 活版 Viva 美唄》

【会 期】2013年7月13日(土)―15日(月・祝)9:00―17:00  
                      (最終日は13:00まで)

【会 場】ARTE PIAZZA BIBAI アルテピアッツァ美唄
     アート・ギャラリーおよびアート・ストゥディオ
     北海道美唄市落合町栄町   http://www.artepiazza.jp/
【入場料】無 料
      (ゼミナールの一部に参加費が必要なものもあります)

【主 催】朗文堂 アダナ・プレス倶楽部

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《Viva la 活版 Viva 美唄》の開催までひとつきを切った。
アダナプレス倶楽部が掲げる「活版印刷ルネサンス」は、かならずしも活版印刷「業務」の再興を願うものではない。むしろ五体をもちいて、五感にひびきわたる、あらたな物づくりに挑戦したかった。そんなおもいを共有できる活版造形者が着実に増加している。
そしてアルテ ピアッツァ美唄の広場いっぱいに、色とりどりの「Viva la 活版 Viva 美唄」のイベントタイトルTシャツを着た造形者が集うかとおもうと、こころ弾むものがあるこのごろである。

四川宋朝体 龍爪 ご愛用いただきました!


二玄社【改訂版】書法技法講座〈全20冊〉 同社Websiteより

二玄社  は、自動車、書道、東洋美術などの
専門書籍を中心に発行している
出版社です。
同社の 【改訂版】書法技法講座〈全20冊〉の装本部に
《四川宋朝体 龍爪》をご使用いただきました。

*      *      *      *






*      *      *      *



《四川宋朝体 龍爪》は、中国宋代の四川刊本『周礼 シュライ』をその源流とします。四川省はふるくは蜀と呼ばれ、唐王朝末期の木版印刷術発祥の地のひとつで「蜀大字本」とよばれ、その風格が珍重されてきた字様です。
現代によみがえった刊本字様《四川宋朝体 龍爪》をご愛用ください。

Viva la 活版 Viva 美唄 開催が迫りました!


《Viva la 活版 Viva 美唄》の開催が近づいてまいりました。
「アルテピアッツァ美唄」は、美唄市の出身で、世界的な彫刻家として知られる安田 侃(やすだ かん)さんが、今なお創り続ける、大自然と彫刻が相響した野外彫刻公園からなる彫刻の美術館です。自然と人と芸術の新しいあり方を模索し、提案し続け、訪れる人々に自分の心を深く見つめる時間と空間を提供している素晴しい施設です。

そのような素敵な環境にある「アルテ ピアッツァ美唄」の「アート・ストゥディオ」と「アート・ギャラリー」の1画をお借りして、『Viva la 活版 Viva 美唄』では各種ゼミナールと、活版カレッジ有志による活字版印刷を中心とした展示をおこないます。

皆さまぜひとも、この機会に、お気に入りの書物を一冊持って、美唄の地にお越しください。そして日常の喧騒を離れ、活字版印刷の展示をじっくりと鑑賞し、活版印刷の魅力をご体験いただきたいと存じます。
彫刻と自然が織りなすシンフォニーの中で、のんびりと読書や思索に耽ったり、大切な人とのゆっくりしたひとときを過ごしたりしてください。
真の造形活動や、こころ豊かな人生について見つめなおすために必要な、贅沢な時間と空間がそこにはあります。

《Viva la 活版 Viva 美唄》
【会 期】2013年7月13日(土)―15日(月・祝)9:00―17:00(最終日は13:00まで)
【会 場】ARTE PIAZZA BIBAI アルテピアッツァ美唄
     アート・ギャラリーおよびアート・ストゥディオ
     北海道美唄市落合町栄町   http://www.artepiazza.jp/
【入場料】無 料
      (ゼミナールの一部に参加費が必要なものもあります)

【主 催】朗文堂 アダナ・プレス倶楽部

参考資料:以下の写真は2013年06月01日、武蔵野美術大学「タイポグラフィ2つの潮流展」のタイポグラフィ・ゼミナール風景です。武蔵野美術大学図書館・美術館ご提供。

アルテピアッツァ美唄《アート・ストゥディオ》にて、各種ゼミナールを開催します。

7月13日(土)
10:00―12:00 「メディアと活版印刷──活版印刷のあらたな挑戦」
            朗文堂/片塩二朗
参加費500円。予約不要・当日参加可能。
わが国への活字版印刷術導入の歴史から未来展望までが学べる講座です。
活字版印刷機Adana-21Jを使って記念カードの印刷体験も行います。

13:00―14:30 「欧文活字と花形活字でつくるオリジナルレターセット」
            アダナプレス倶楽部
参加費2,500円(材料費込) 予約制:定員4名(お申込先着順:定員となりました
花形とアルファベットの活字を使って、名前入りの素敵なオリジナルレターセットをつくります。
便箋10枚と封筒5枚に銀色のインキで印刷します。

15:00―16:30 「欧文活字と花形活字でつくるオリジナルレターセット」
            アダナプレス倶楽部
参加費2,500円(材料費込) 予約制:定員4名(お申込先着順:あと2名
花形とアルファベットの活字を使って、名前入りの素敵なオリジナルレターセットをつくります。
便箋10枚と封筒5枚に銀色のインキで印刷します。

■7月14日(日)
10:00―11:30 「起農への挑戦 〇(まる)をもらえる野菜づくり」
            まるほり野菜園/堀内 剛
参加費500円。予約不要・当日参加可能。
身体性をともなった「ものづくり」の根幹をなす「農」と「食」について、北海道夕張郡由仁町で野菜園「まるほり野菜園を起業した堀内剛さん」にお話いただきます。
堀内さんが育てたトマトの試食とお土産のトマトの配布(先着順)も予定しています。

13:00―14:30 「欧文活字と花形活字でつくるオリジナルレターセット」
            アダナプレス倶楽部
参加費2,500円(材料費込) 予約制:定員4名(お申込先着順)
花形とアルファベットの活字を使って、名前入りの素敵なオリジナルレターセットをつくります。
便箋10枚と封筒5枚に銀色のインキで印刷します。

15:00―16:30 「欧文活字と花形活字でつくるオリジナルレターセット」
            アダナプレス倶楽部
参加費2,500円(材料費込) 予約制:定員4名(お申込先着順:定員となりました
花形とアルファベットの活字を使って、名前入りの素敵なオリジナルレターセットをつくります。
便箋10枚と封筒5枚に銀色のインキで印刷します。

■7月15日(月・祝)
10:00―12:00 「活版印刷で記念カードを印刷しよう」
            アダナプレス倶楽部
参加費無料。予約不要・当日参加可能。
活字版印刷機Adana-21Jを使って記念カードの印刷を体験していただきます。

*「欧文活字と花形活字でつくるオリジナルレターセット」に参加ご希望の方は
e-mail もしくは、ファクシミリ 03-3352-5160 まで、
「Viva la 活版 Viva 美唄 花形活字レターセット 参加希望」と明記の上、
参加希望日時(第一希望、第二希望などもあれば明記)、
住所・氏名・年齢・当日連絡が可能な電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。
(お教えいただいた個人情報は朗文堂/アダナ・プレス倶楽部のみの使用といたします)。

★関連情報:タイポグラフィ・ブログロール『花筏』
◎ 03月13日  Viva la 活版 Viva 美唄 Ⅰ 開催のお知らせ
◎ 03月15日  Viva la 活版 Viva 美唄 Ⅱ 準備着着進行中 !?
◎ 03月28日  Viva la 活版 Viva 美唄 Ⅲ タイトルデザインと過去の活版関連イベントデザインの記録

普及版 欧文書体百花事典 好評販売中!


ご好評をいただいてまいりました
『欧文書体百花事典』を
 『普及版 欧文書体百花事典』として
装本と価格を変更して新発売。

・書 名    『普及版 欧文書体百花事典』
・編 集   組版工学研究会
・装 本  A4判 並製本 572ページ 図版多数
・発 売  2013年5月23日
・定 価  本体8,800円 + 税
       ISBN978-4-947613-87-5 C1070

※   『普及版 欧文書体百花事典』フライヤー近日完成いたします。
  教育機関などで御入用の節はご用命ください。 
※ 詳細は 朗文堂 book cosmique 新刊ページ をご覧ください。

正調明朝体 金陵 ご愛用いただいております!



 

池袋東武百貨店1Fの「草加葵」という和菓子店で、店名(看板)、袋、包装紙などに、トータルで「きざはし金陵M」が使われていました。

産地・素材にこだわったオリジナルせんべい

草加葵店は、大正5年創業、以来80有余年の歴史を有し、現在では草加せんべい専業企業として日本一の売上げ及び生産量を記録している企業です。
草加せんべいと並行して、あられも製造しており、近年「和」と「洋」のセンスを取り入れ、産地と素材にこだわったオリジナルせんべい、あられを製造しており、順調な業績を示しています。

http://asp.aik.co.jp/saitama-doken/card/shop_full.aspx?member=98
ふるくてあたらしい、そして、なによりも視覚にやさしい《正調明朝体 金陵M》、《正調明朝体 金陵B》をご愛用ください。

大日本印刷『秀英初号明朝 撰』を開発。本年09月発売!

 左)秀英初号明朝体 Std.   右)秀英初号明朝体 撰  文字形象比較
右側の行『秀英初号明朝体 撰 』では、上から「文:ひっかけ/筆支えがある」、「分:いわゆるハチヤネの処理」、「筑・倶:ふるい文字形象」が見られます。


左) 秀英初号明朝体 Std.        右) 秀英初号明朝体 撰

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大日本印刷株式会社は《2013年06月04日 ニュースリリース》において、【オリジナル書体『秀英体』の旧字バージョン「秀英初号明朝 撰 」を開発。モリサワにライセンス提供し、本年09月に発売】と発表しました。

あわせて株式会社モリサワは《2013年06月04日 ニュース》において【モリサワ 2013年の新書体「UD新ゴ コンデンス」などを発表】とし、【明朝体として2010年にリリースされた秀英初号明朝の旧字バージョン「秀英初号明朝 撰」は、旧字のほか、イタリック体や括弧などが追加収録されました】ことを発表しました。

【『秀英初号明朝 撰 』の概要── DNP ニュースリリースから一部に補整】
2010年にモリサワから発売した秀英初号明朝は、DNPが明治時代に開発した金属活字のデザインをデジタルフォント化したものです。金属活字の秀英初号明朝の筆の動きを活かしたデザインは、力強く、勢いのある表現が可能で、日本の明朝体を代表する傑作書体として、一世紀以上にわたり多くの出版物や広告などの印刷物で使用されています。

2010 年に発売した「秀英初号明朝Std」は、見出し用書体としてAdobe-Japan1-3(Std) の文字セットに準拠しており、他の秀英体フォント製品との互換性も考慮し、Adobe-Japanの基準に沿った字形[文字形象]を採用しました。
しかし、秀英初号明朝の伝統的な「ひっかけ」、「はちやね」や、旧字形[ふるい文字形象]など、“活字書体としての秀英初号明朝らしさ”を求めるユーザーからの声も多く寄せられたことから、旧字バージョンの「秀英初号明朝 撰 セン」を開発しました。また、イタリック体や括弧なども追加収録し、見出し用書体としてより使いやすい秀英初号明朝をめざしました。

2010 年に発売した「秀英初号明朝Std」と、今回発売する「秀英初号明朝 撰」を組み合わせて使うことで、旧字と新字の両方を利用でき、より幅広い日本語表現が可能になります。
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『秀英初号明朝 撰 セン』の詳細は、大日本印刷、モリサワ両社のWebsiteをご覧ください。
また大日本印刷は秀英体開発室を中心に《第20回 東京国際ブックフェア》(2013年07月03日-06日、東京ビッグサイト西展示棟:ブースNo.6-50)に出展予定です。そちらでも最新の情報が入手できるはずです。
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《第20回 東京国際ブックフェア》
 会 期:2013年07月03日[水]-06日[土]
 会 場:東京ビッグサイト 西展示棟

 [講演会ミニ]
 「秀英体改刻の歩み いまだ止まず」
 と き:07月04日[木] 14:30-15:00
 ところ:大日本印刷株式会社 秀英体開発室 ブースNO.6-50
講 師 :秀英体平成の大改刻 監修者 片塩二朗
 
 続いて、下記ミニセミナーを開催いたします。 是非ご聴講ください。

 [秀英体開発室 グループリーダー 伊藤正樹 ミニセミナー]
 「『秀英体 平成の大改刻』における開発概要」
 と き:07月04日[木] 16:00-16:20
 ところ:大日本印刷株式会社 秀英体開発室 ブースNO.6-50
講 師 :秀英体開発室 グループリーダー 伊藤正樹

 同ブースの秀英体展示コーナーにて、近刊『100年目の書体づくり--「秀英体 平成の大改刻」の記録』(大日本印刷)の見本を展示予定です。お忙しいところ恐縮ですがご参加をお願いいたします。
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Typography Seminar 活字と書物 終了!


主 催 | 武蔵野美術大学 美術館・図書館 
日 時 | 5月30日[木] 16:30-18:30
         6月01日[土] 14:40-16:40
会  場| 武蔵野美術大学 美術館ホール
講  師| 片塩二朗 大石 薫
協  力| 株式会社 朗文堂 アダナプレス倶楽部

たくさんの皆さまのご協力をたまわり、無事にタイポグラフィ・ゼミナール《活字と書物》を終了できました。ご支援、ご協力にふかく感謝申しあげますとともに、ご来場いただきました皆さまにはあつく御礼を申しあげます。

最近ようやく各地で開催されるようになった図書展ですが、とかく表層をなぞり「書誌的解説」をみるだけなのを残念におもっておりました。
書物には著者の苦悩――多くは校正紙と改版にみられます。
製造者の逡巡と葛藤――活字書体の選択、活字サイズ、組版、紙面設計、印刷用紙、印刷方式、製本仕様など、造形者にとって貴重な付帯情報がギッシリとつまっています。

そういった「書物の背後にひそむもの」をご来場者に体験していただき、書物の背後に肉薄するきっかけを少しでも提供したいというおもいがありました。
そのために、わが国ではあまり知られていない「ジョバンニ・マーダシュタイクとオフィチナ・ボドニ」を紹介するとともに、その刊行書『アモーレ』(武蔵野美術大学所蔵)製作の実態を、金属活字組版とパソコンDTP方式によって追体験し、手引き印刷機時代の印刷法である「湿式印刷」をご体験いただくという盛りたくさんな企画でした。

《タイポグラフィ 2つの潮流展》は8月18日までの長期開催が予定されており、その間に関連イベントもたくさん開催されます。ご観覧をお勧めいたします。
《詳細:武蔵野美術大学美術館・図書館
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以下の写真は武蔵野美術大学図書館・美術館からご提供いただいたものです。




『普及版 欧文書体百花事典』新発売 !!

工芸・芸術・美術大学、
工芸・芸術・美術専門学校の教科書に、副読本に
情報関連教育機関、情報産業のオフィスに
そして、アルファベット活字をつかうすべてのかたのために
絶好かつ必備の、わが国における
「欧文活字書体」研究資料の定番書!


ご好評をいただいてまいりました
『欧文書体百花事典』を
 『普及版 欧文書体百花事典』として
装本と価格を変更して新発売。

・書 名    『普及版 欧文書体百花事典』
・編 集   組版工学研究会
・装 本  A4判 並製本 572ページ 図版多数
・発 売  2013年5月23日
・定 価  本体8,800円 + 税
       ISBN978-4-947613-87-5 C1070

※ 詳細は 朗文堂 book cosmique 新刊ページ をご覧ください。

【展覧会】クリムト 黄金の騎士をめぐる物語り

グスタフ・クリムト生誕150年記念 クリムト 黄金の騎士をめぐる物語

 
【展示解説 ──────── 同展フライヤーより】
ウィーンの19世紀末芸術を代表する画家、グスタフ・クリムト(1862-1918)。
その甘美で装飾的なスタイルは、今なお多くの人々を魅了し続けています。その一方でクリムトは、当時のウィーンの旧弊な美術界に立ち向かい、自ら結成の中心となった「ウィーン分離派 SECESSION」のメンバーとともに、自由で新しい芸術の創出に尽力しました。

本展のタイトルにもなっている「黄金の騎士」は、「理想を求めて闘うクリムト自身」を象徴するイメージとして知られており、また、多くの謎を秘めた作品でもあります。
今回は、この「黄金の騎士」にまつわる物語をひもときながら、国内外のコレクションから精選された油彩、デッサン、版画、ポスター、書籍、雑誌、家具、美術工芸品、ジュエリー、写真などによって、クリムト芸術と世紀末ウィーンの諸相を紹介します。

《グスタフ・クリムト生誕150年記念 クリムト 黄金の騎士をめぐる物語展》

【会  場】
宇都宮美術館 
【会  期】
2013年4月21日[日]-2013年6月2日[日]
【開館時間】
午前9時30分-午後5時(入館は午後4時30分まで)
【休 館 日】
毎週月曜日(祝日の場合は開館して翌日休館)、祝日の翌日
【観 覧 料】
一般 1,000円
【詳  細】
宇都宮美術館 Website:http://u-moa.jp/exhibition/exhibition.html

★ 好評開催中の《グスタフ・クリムト生誕150年記念 クリムト 黄金の騎士をめぐる物語展》も会期末が迫ってまいりました。ご観覧をお勧めいたします。同展観覧記は近日中に「タイポグラフィ・ブログロール 花筏」に掲載予定です。

Typography Seminar 活字と書物


「タイポグラフィ 2つの潮流展」に出品されている書物『Amores』(邦題:愛の詩ウタ、ジョバンニ・マーダシュタイク製作、オフィチナ・ボドニ、伊、1932)を中心に、書物の製作背景を、使用活字書体、活字サイズ、組版設計、印刷用紙、製本様式などの側面から立体的に解析し、その活字組版(金属活字版方式、DTP方式)を追試し、実際の活版印刷で追体験するタイポグラフィ・ゼミナールです。


これらの書物にまつわるエピソードや、タイポグラフィの解析と実践的な見かたを知ることにより、展覧会に出品されているたくさんの書物の楽しみや収穫が、2倍にも3倍にもなる画期的なゼミナールとなります。
あわせて、『Amores』の1ページを再現した活字組版を、武蔵野美術大学所有の手動式の活字版印刷機 Adana-21J で印刷する体験ができます。
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参加費は無料ですが、実践型ゼミナールのため定員は20名と少数です。お申込みは下記の武蔵野美術大学美術館担当者様まで、急いでお申込みください。
[2013年05月20日 武蔵野美術大学美術館URLに満員告知がありました]


主 催 | 武蔵野美術大学 美術館・図書館 
日 時 | 5月30日[木] 16:30-18:30(終了予定)
         6月01日[土] 14:40-16:40(終了予定)
会  場| 武蔵野美術大学 美術館ホール
講  師| 片塩二朗 大石 薫
協  力| 株式会社 朗文堂 アダナプレス倶楽部
参加費| 無 料

参加方法|参加希望日・住所・氏名・電話番号・メールアドレス・年齢・武蔵野美術大学学生の場合は学科/学年を明記の上、下記アドレスへお申し込み下さい。
なお、メールの件名は【タイポグラフィゼミナール参加申し込み】としてください。
当館より5月27日[月]17:00までに確認のメールをお送りします。

申込・問い合わせ|武蔵野美術大学 美術館・図書館 美術資料担当(植松・河野) ml_event@musabi.ac.jp
Telephone  042-342-6003

詳細情報:武蔵野美術大学 美術館・図書館 展覧会情報

【展覧会】武蔵野美術大学 タイポグラフィ 2つの潮流


タイポグラフィ 2つの潮流

Two Streams of Typography

会 期 |  2013年5月20日[月]-8月18日[日]
休館日|  毎週 日曜日
           (6/9[日]、7/15[祝]、8/18[日]は 特別開館日)
時 間 |    10:00-18:00(土曜、特別開館日は 17:00 閉館)
入館料|  無 料
会 場 |  武蔵野美術大学美術館 展示室 3
主 催 |  武蔵野美術大学 美術館・図書館
共 催 |  武蔵野美術大学 造形研究センター
監 修 |  新島 実 (視覚伝達デザイン学科教授)
共同監修|寺山祐策(視覚伝達デザイン学科教授)
          白井敬尚(視覚伝達デザイン学科教授)

詳細:武蔵野美術大学 美術館・図書館 展覧会情報

武蔵野美術大学図書館所蔵の貴重書・雑誌・ポスターコレクションから、主にイギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、オランダ、スイスにおける20世紀欧文タイポグラフィの、国際様式と伝統様式を俯瞰する。

【展覧会概要 ── 同展フライヤーより】

このたび、武蔵野美術大学 美術館・図書館では「タイポグラフィ 2つの潮流」展を開催いたします。
本展は、19世紀末から20世紀後半にかけて、欧米で出版された美しい書物等を一堂に会して、ヨーロッパ及び米国における「伝統様式のタイポグラフィ」「国際様式のタイポグラフィ」の2つの流れを同時に俯瞰し、550年以上にわたり人々を引きつけて止まないタイポグラフィの魅力を探る試みです。

19世紀後半、ウィリアム・モリスが求めた「美しい書物」制作への試みの原点は、15世紀のインキュナビュラへの眼差しをその基本とし、当時の書物を丁寧に分析することから始められました。
そしてこのモリスの眼差しはその後のプライベート・プレス運動へ大きな影響を与え、20世紀のタイポグラフィ、とりわけ書物制作の一潮流として格調高い伝統様式美を復興させました。
さらにこの美しい書物制作への態度は、スタンリー・モリスンやヤン・チヒョルトによって一般化され、現在に至っています。

一方で、新たなタイポグラフィの転換は19世紀末のアール・ヌーヴォー(ユーゲント・シュティール)に端を発し、20世紀初頭のイタリア未来派、ロシア・アヴァンギャルド、デ・スティルそしてドイツのバウハウスなど、ヨーロッパ全土にまで連鎖的な拡がりを見せた革新的芸術運動の影響のもと、エル・リシツキーやバウハウスでのモホリ・ナジ等のタイポグラフィの革新運動にその萌芽を見ることが出来ます。
この新たな転換はその後、ドイツとスイスで国際様式と呼ばれるタイポグラフィデザイン形式を生み出し、印刷紙面に新しい空間構成と意味生成の土壌を形成することに繋がっていきます。

本展では武蔵野美術大学図書館所蔵のタイポグラフィ・コレクション、ポスター・コレクションと合わせて、貴重書の中からイギリスのプライベート・プレスによる書物をはじめ、フランスやドイツで出版された豪華本、画集、挿絵本、聖書などの優れたブックデザインなど250点を取り上げ、それらを同時に展示することによって、視覚造形言語としてのタイポグラフィの今日的な役割と発展を見つめ直す契機にしたいと思います。

アダナプレス倶楽部 Website リニューアル !



 《アダナプレス倶楽部 Website リニューアル》
朗文堂の活版印刷事業部門、アダナプレス倶楽部が発足したのは2006年秋のことでした。当時は活版印刷の基盤が脆弱で、崩壊の危機すらささやかれるほどの、逆風がふきつのる時代のなかでのスタートでした。ですから当初から、朗文堂単独ではなくて、お客さまとの双方向の情報交換をめざして、「アダナプレス倶楽部」と命名してのスタートでした。

発足当時は朗文堂の Website からの情報発信が中心でしたが、アダナプレス倶楽部では積極的に、21世紀をむかえて、世界でもはじめての活版印刷機製造にとり組み、その設計・試作機製造をへて、小型活字版印刷機 Adana-21J の完成を2007年04月にみることができました。
そのために、朗文堂本体とはいくぶん性格がことなり、双方向の情報交換の場として、アダナプレス倶楽部独自の Website をもうけたのは2007年04月のことでした。

アダナプレス倶楽部 Website の立ち上げには、増住一郎さんの積極的なご協力をいただきました。その維持・拡張には、廣瀬玲哉さん、真田幸治さん、守友彩子さんらの皆さんに、ことばではいいつくせない、おおきなご協力をいただきました。
また朗文堂の歴代のスタッフも日常的なメンテナンスにあたってきました。それぞれの皆さんに、ここに深甚なる謝意をしるします。

2013年05月01日、朗文堂 アダナプレス倶楽部 Website は、大幅なリニューアルを実施しました。今回の担当は、新宿私塾第20期修了生で、活版カレッジでタイポグラフィの実技・実践をまなんできた北美和子さんにお願いしました。 
アダナプレス倶楽部の基調色「ブリティッシュ・グリーン」を中心に、朗文堂 Website との架け橋として「黄色-赤」の朗文堂基調色のバーナーをたくさんつけてのスタートとなりました。
皆さまの積極的なご訪問をお待ち申しあげます。

《アダナプレス倶楽部 ニュース No.001  再録》
リニューアルにともない、さまざまな問題点とともに、埋もれていた懐かしくも貴重な資料が、いくつも「発見」されました。そのひとつ、「アダナプレス倶楽部 ニュース No.001 Adana-21J の誕生おめでとう!」をここに再録いたします。

*     *     *

ニュース No.001 【アダナ・プレス倶楽部便り】


アダナ印刷機「 Adana-21J 」の誕生、おめでとう ! 

吉田市郎 元・晃文堂/元リョービイマジクス株式会社 代表取締役

Adana-21J 試作機特別内覧会   期間:2006 年 10 月 27 日 – 29 日

吉田市郎

このたび、朗文堂/アダナプレス倶楽部から小型活版印刷機「 Adana – 21J 」が誕生されるとうかがい、大変嬉しく存じます。

ふるい話しになりますが、株式会社晃文堂の時代に「アマチュア用活版印刷機 ADANA3×5, ADANA5×8 」の 2 機種を輸入販売いたしました。当時のわが国では活版印刷はとても盛んでしたが、敗戦直後とあって国家そのものに蓄えがなく、外貨の為替管理がきわめて厳しくて、海外からの物資の輸入には様々な困難がありました。幸い多くのユーザーの皆さまを得て、アダナ印刷機はご好評をいただきましたが、その後イギリスのメーカーが製造を中断し、また活版印刷全般も衰勢をみせるようになって、アダナ印刷機の代理販売業務からは撤退いたしました。従いまして、多くのユーザーの皆さまには、不本意ながらご迷惑をおかけすることになったことにたいして内心忸怩たるものがありました。

それが今般、長年ご厚誼をいただいている朗文堂さんの新事業部門、アダナプレス倶楽部によって、新設計による国産活版印刷機「 Adana-21J 」が誕生するとうかがい、大変嬉しく思っております。

おそらく活版印刷と鋳造活字には、まだまだ寒風が押し寄せるでしょうが、それにめげず、創意と挑戦の意欲を持って、これからの開発・販売にあたって頂きたいと存じます。「 Adana-21J 」の試作機のご発表、おめでとうございます。

吉田市郎

吉田市郎

吉田市郎さん。
1921年(大正10)1月28日、新潟県柏崎市うまれ。名古屋高等商業学校(現 名古屋大学経済学部)卒。卒業後三井物産に勤務したが、まもなく召集されて軍務につく。
1945年(昭和20)召集解除後、明和印刷をへて、1947年(昭和22)活字商として独立し、欧文・和文活字鋳造販売、活版印刷関連機器製造販売を中心とする株式会社晃文堂を設立して代表取締役に就任。

1970年代にリョービと提携して総合印刷機器製造販売業、株式会社リョービ印刷機販売(のちの株式会社リョービイマジクス)を設立して代表取締役に就任。
朗文堂ならびに堂主・片塩二朗にとっては、中学生時代からとてもお世話になったきた大恩のあるかたです。
欧文・和文の金属活字製造販売からスタートして、写真植字機器、写植活字の開発、電子活字の黎明期においても大胆な挑戦を重ねてこられました。
その歴史的背景に関しては、実体験にもとづく該博な蓄積があり、それをかたらせたら、この方の右にでるひとはどこにもいません。