新宿私塾第19期修了

新宿私塾第19期は、予定通りすべての講座を終えて、3月10日修了制作発表会を開催して、全員が無事に終了をむかえました。塾生の皆さん、講師の皆さん、ご苦労さまでした。
新宿私塾の修了制作とは、むしろ修了論文ともいったほうが適切なもので、これまでの19期分をまとめると膨大な論文集となりそうです。
修了生の皆さんは、これを起点として、さなぎが蝶になるようにおおきく成長して、タイポグラフィの創作活動に立ち向かっていきます。一部の修了生はさらにここでの研究を継続して、堂堂たる論文としてまとめられるかたも少なくはありません。

昨年9月にスタートした第20期での半年間には、しばしば余震があり、世相はなんとなく重苦しいものがありました。冬にはいると、例年になく寒い毎日がつづきました。そんな苦楽をともにし、それぞれの個性・苦楽を知った諸君との別れはさびしいものです。
それでも皆さんがタイポグラフィにこだわりを持ち、これからも同じフィールドでの活動がつづきます。きっと再会の機会はなんどもあることを信じて、いっときのお別れです。

3週間だけのわずかな春休みを終えると、新宿私塾は4月3日、第20期生をむかえます。旅立ちの春、あたらしい門がひらかれる春です。

アダナ・プレス倶楽部からのお知らせ

第11回 活版ルネサンス フェア

新企画・新規商品もぞくぞく入荷です!
どうぞご期待ください!!
あわせて朗文堂春の新発売書籍、
新発売電子活字も、いちはやく購入可能です。

2012年3月30日[金]31日[土] 13:30―19:00

会場 * 新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F 朗文堂

  *

アダナ・プレス倶楽部の会員と、活版ファンの皆さまを対象とした
新品・中古品のカッパン関連機材・資材の展示即売会です。
手狭な会場に、貴重アイテム、マニアックな商品が溢れています!
創作の春に向けて、このチャンスをぜひともお役立てください。
[東京都公安委員会許可 第304380708865号]

アダナ・プレス倶楽部が製造・販売している新品のカッパン印刷関連機器、独自企画開発商品はもとより、カッパン印刷所で長年の使用に耐えてきた優秀な中古品もドッサリ用意いたしました。これらは現在では生産中止となったカッパン関連機器や、個人では入手しにくい活版専用インキなどの器材・資材を含みます。カッパン印刷のサポーターとして、アダナ・プレス倶楽部ならではの、懇切丁寧な使用方法の解説もいたしますので、狭い会場ながらも魅力溢れる展示販売会となります。

折しも「活版凸凹フェスタ2012」をはじめ、春の展覧会や、春の創作活動のシーズン到来。「今年こそ、活版ライフをスタートしよう! いつかは活版凸凹フェスタに出展しよう!」と意気込む皆さまには絶好のチャンスです。創作に活用できそうな機材の補充、実制作での疑問解決、技術の向上に、どうぞこの「活版ルネサンス フェア」をご利用ください。

「活版凸凹フェスタ」は、活字版印刷にまつわるさまざまを集めた楽しいお祭りです。活字を主要な印刷版とする「活字版印刷術 Typographic Printing」と、各種凸版類をもちいて印刷をおこなう「凸版印刷 Letterpress Printing」を中心に、版画や製本といった関連技術も含めた作品と製品を展示し、一部は販売もおこないます。

昨年は震災の影響で残念ながら中止という苦渋の決断をさせていただきましたが、一年間の充電期間を得て、満を持しての再開となります。朗文堂アダナ・プレス倶楽部は、身体性をともなった真の造形活動、モノづくりの喜びにいそしむ、ひらかれた会員制の倶楽部です。
なお両イベントの詳細は、順次掲載される  アダナ・プレス倶楽部  のWebsiteをごらんください。

【会 期】 2012年5月3日(木・祝)―5月6日(日)
        10:00―17:00(最終日は15:00まで)
【会 場】 日展会館 2F イベントスペース
      東京都台東区上野桜木2―4―1
【主 催】 朗文堂アダナ・プレス倶楽部

朗文堂ブック・コスミイクからお知らせ

新刊書のご案内 ──4月中旬 発売!
製本所混雑のため少少遅延。お詫びいたします。 

japan japanese

 

日本的なるものの寡黙な美

ヘルムート  シュミット編著
英訳  グラハム・ウェルシュ
和訳  山田清美

朗文堂
──
コンセプト&デザイン
ヘルムート  シュミット

発行・発売
株式会社朗文堂
160-0022
東京都新宿区新宿 2-4-9
03-3352-5070 telephone
03-3352-5160 telefax
robundo @ops.dti.ne.jp
www.robundo.com

発行日
2012年 03月 20日

ISBN 978-4-947613-83-7 C1070

定価 3,800円(本体 3,619円)

独・英・日本語表記
250 x 255 mm(重箱本)
108ページ
オフセット平版印刷
スミ 1色
かがりとじ上製本
ジャケット付
──
「未知のかたち、未知の響きは実に
魅惑的だ。単調で、迷いのない仏僧たち
の読経。風のような、神秘的な尺八
の響き。日本の宮廷音楽である
雅楽で使われる笙ショウの繊細で微妙な音色。

これらは時代の音にも決して
かき消されることのない洗練された世界
である。しかしこれは向こうから
近づいて来ることはない、むしろこちら
から近づいて行かなければならない
世界である」

「歌麿の官能的な線によって好奇心が
芽生え、エミール・ルーダーによって大いに
鼓舞された私が、日本の地を踏んだのは、
素朴で未熟な 24歳のときであった。

ある日、スイスのティポグラフィシェ・
モナーツブレッテル( TM)誌のルドルフ・
ホシュテトラー編集長より手紙を
受け取った。タイポグラファの目を通して
見た日本のフォルムや暮らしの中の道具
といったものを紹介する記事を毎月
連載してみないかという誘いであった。

このシリーズを「Japan japanisch」
(ニッポンのニッポン)と呼ぶことにした。
というのは、私自身が理解している日本、
すなわち、かつて存在した、そして今も
存在している日本、更にこれから発見
されるべき日本を伝えたいと思ったからだ。

40年以上の時を経て、この連載は
僅かな変更とテキストを追加して、一層
充実した本のかたちで生まれ変わった」

ヘルムート  シュミット
「私のニッポン」「ニッポンのニッポン」より

────
スイスでまなび、タイポグラファとしておおきく成長したひとりの青年(ヘルムート  シュミット氏)が、なぜ、とおい日本をその活動の本拠地としてえらび、なぜ、はるばると日本にやってきたのか。その日本で、なにを発見し、なにに惹かれ、そしてなぜ日本に定住する道を選択したのか……。

すなわち本書は「日本を日本たらしめている、素晴らしいひとと造形の数数」を、繊細な視線と、すみきった明るい心境からときあかしています。そこには、日本にうまれ、日本で育ったわたしたちが見落としがちな「すばらしい日本、すばらしい日本人」が、清明に、いきいきと描かれています。

これからは、名著として評価のたかい『茶の本』『陰翳礼讃』とならんで、わが国はもとより、世界規模でのあらゆる造形者が、日本と日本人を語りあう際に、互いの共通基盤として『japan japanese』が 絶好の書物になることを夢見て。

片塩二朗「編集佳境ナレド越年必至!」より

朗文堂 新宿私塾からお知らせ

新宿私塾第19期修了!

新宿私塾第20期4月より開講!

新宿私塾第19期生は、いよいよ3月10日[土]に修了制作発表会を迎えます。第19期の開講は昨年9月、振りかえれば、まだまだ震災の影響がのこり、節電運動や余震騒ぎなどがあって、なにかと気のおもい毎日が続くなかでの開講でした。
そんななか、新宿私塾第19期に結集した俊才は、いよいよ修了制作を発表して、タイポグラフィの前衛としてのあらたな旅立ちのときを迎えます。造形界に吹く風は追い風ではないいま、タイポグラフィの知・技・美を十分まなんだ俊才の旅立ちです。

新宿私塾第20期スケジュール表
エリック・ギルの試作スケッチををカスタマイズ。
杉下城司氏デザイン

 新宿私塾第20期生は、4月3日から第1回の講義がはじまります。身体性をつよく意識し、五感のすべてを駆使しての造形、タイポグラフィの深甚なる魅力をまなび、体得する半年間になります。
第20期は、講師陣の追加があり、この塾から旅立ち、おおきく成長した造形者が講師としてもどってきます。新宿私塾は、講師と塾生がともに触発しあい、ともに成長することをめざしています。あたらしい講師の皆さんは意欲に燃え、準備おさおさぬかりなく進行中です。
いよいよ旅立ちのとき、そしてあたらしい門の扉がひらかれるときです。
すべての修了生、講師の皆さんともども、この国のタイポグラフィの前進に尽力するときです。

朗文堂タイプ・コスミイクからお知らせ

新書体2点を発表。3月20日発売開始!

robundo

 type cosmique


Human Sans Serif  銘石B  Combination 3
和字 おゝことのは Family 9

書体設計は欣喜堂・今田欣一氏によるものです。欣喜堂は日本・中国・欧米の、書写と印刷の歴史にはぐくまれた、正統的な活字書体の開発をめざしております。
販売は朗文堂タイプコスミイクによるものです。小社はつねづねお客さまとの双方向の情報交換を希望しております。本書体をお客さまがご愛用いただき、ご希望、改善点、ご叱声など、ご遠慮なくお寄せいただけることをお待ちしております。

日本語総合書体『Human Sans Serif 銘石B Combination 3』、
和字書体(ひら仮名・カタ仮名)『和字 おゝことのは Family 9』を、
3月20日より新発売いたします。
★     ★     ★

Human Sans Serif  銘石B  Combination 3

くれたけ銘石B、くろふね銘石B、くらもち銘石B
販売価格 ¥36,750 (本体価格  ¥35,000)

《ついにわが国でもヒューマン・サンセリフが誕生!―碑石体B》
十分なインパクトがありながら、視覚に優しいゴシック体、それもいわゆるディスプレー・タイプではなく、文字の伝統を継承しながらも、使途のひろいサンセリフ――わが国の電子書体にも「ヒューマン・サンセリフ」が欲しいとされるご要望が寄せられていました。
確かにわが国のゴシック体のほとんどは、もはや自然界に存在しないまでに鋭角的で、水平線・垂直線ばかりが強調されて、鋭利な画線が視覚に刺激をあたえます。

今回欣喜堂・朗文堂がご提案した「銘石B」の原姿はふるく、中国・晋代の『王興之墓誌』(341年、南京博物館蔵)にみる、彫刻の味わいが加えられた隷書の一種で、とくに「碑石体ヒセキ-タイ」と呼ばれる書風をオリジナルとしています。

『王興之墓誌』。この裏面には、のちに埋葬された
妻・宋和之の墓誌が、ほぼ同一の書風で刻されています。



『王興之
墓誌』拓本。右払いの先端には隷書に独特の
波磔のなごりがみられ、多くの異体字もみられます。

『王興之墓誌』は1965年に南京市郊外の象山で出土しました。王興之(309-40)は王彬の子で、また書聖とされる王羲之(307-65)の従兄弟イトコにあたります。
この墓誌は煉瓦の一種で、粘土を焼き締めた「磚 セン、カワラ、zhuān」に碑文が彫刻され、遺がいとともに墓地の土中に埋葬されていました。そのために風化や損傷がほとんどなく、全文を読みとることができるほど保存状態が良好です。



王興之の従兄弟・書聖/王羲之の(伝)肖像画。
同時代人でイトコの王興之もこんな風貌だったのでしょうか。

魏晋南北朝(三国の魏の建朝・220年-南朝陳の滅亡・589年の間をさす。わが国は古墳文化の先史時代)では、西漢・東漢時代にさかんにおこなわれた、盛大な葬儀や、巨費を要する立碑が禁じられ、葬儀葬祭を簡略化させる「薄葬」が奨励されていました。
そのために、書聖とされる王羲之の作にはみるべき石碑はなく、知られている作品のほとんどが書簡で、それを法帖ホウジョウにしたものが伝承されるだけです。

この時代にあっては、地上に屹立する壮大な石碑や墓碑にかえて、係累・功績・生没年などを「磚セン」に刻んで墓地にうめる「墓誌」がさかんにおこなわれました。『王興之墓誌』もそんな魏晋南北朝の墓誌のひとつです。

『王興之墓誌』の書風には、わずかに波磔ハタクのなごりがみられ、東漢の隷書体から、北魏の真書体への変化における中間書体といわれています。遙かなむかし、中国江南の地にのこされた貴重な碑石体が、現代のヒューマン・サンセリフとして、力強くよみがえりました。

★     ★     ★

和字 おゝことのは Family 9

販売価格 ¥9,450(本体価格  ¥9,000)


《ことのはの原姿は、アンチック体和字活字です》
和字書体「ことのは」は、ひろくは「アンチック体」と呼ばれている活字を統一感をもって整理・整頓し、ウェートを使途にあわせて多様化して9種類にしたものです。
その初登場は、欣喜堂和字シリーズ第2弾として発売された『和字 Tradition 9』に収録されて、好評を博しました。
その原姿は『辞苑』(新村出編著、1935年初版、書香文庫蔵)の見出し語活字で、俗に「アンチック体」とされる和字活字にあります。幸い資料が辞書でしたから五十音それぞれのキャラクターを抽出できました。

アメリカからもたらされた活字書体「antique」と同じ名称をもち、辞書などの見出し語として用いられてきた和字書体に「アンチック体」があります。欧字書体としてのアンチックの名称は、ふるくは『活版様式』(活版製造所平野富二、1876)に登場し、和字・漢字をともなった総合書体としては『新撰讃美歌』(警醒社、1888)で使用されています。

《アンチック体と混同されがちな 太仮名由来の和字書体》
アンチック体和字は、しばしば金属活字由来の「太仮名」と混同されています。このふたつの活字書体は、ともに明治期に誕生した優れた書体ですが、アンチック体の画線は比較的均一で、太さの差異がすくなく、太仮名由来の和字書体は画線に抑揚があり、脈絡を強調する特徴がみられます。

そのために、このふたつの和字書体は異なる設計意図にもとづく書体とおもわれます。簡便に見わけるためには、ひら仮名「の」の頂点がほぼ同じ太さになっているのがアンチック体、頂点が細くなっているのが太仮名活字由来の和字書体ということができます。その詳細は『ヴィネット11号 和漢欧書体混植への提案』(今田欣一  朗文堂)に報告があります。

『和字  おゝことのは Family 9』では、もう一度原点に立ち帰り、形象をさらに検討し、ウェートを9ウェートとしてファミリーを構築しました。漢字書体との組み合わせは、一応参考・推奨書体はありますが、お客さまご自身が「和字・欧字・漢字」の組み合わせの妙を発揮していただくことを期待しています。

祝 ! 毎日新聞社 創刊140年 !

祝 ! 

 毎日新聞社 創刊140年 !
創刊140年記念号 全30段見開きページに
和字 たおやめ をご使用いただきました !

 『日本新聞百年史』
(日本新聞連盟編・発行、口絵頁、昭和37年1月10日)

 《毎日新聞社は本日、創刊140年を迎えました》
2012年(平成24)2月21日、『毎日新聞』は創刊140年を迎え、それを記念する特別号を発行しました。その最大の見せ場は、上図に掲げた中央の見開きページで、企画・制作/毎日新聞広告局による、全30段見開きカラーページでした。そこには、
こんにちは、未来くん。
そちらはどうですか

にはじまる平易な文章をもって、同社の140年の歴史をふまえ、21世紀への決意がつづられていました。
 

 《こんにちは、未来くん。……の和字書体は、
和字  たおやめFamily 7   をご使用いただいています》


和字 たおやめ の詳細は
『ヴィネット05 挑戦的和字の復刻』
(今田欣一、p.126-135、朗文堂)にあります。

Website情報は robundo type cosmique  にあります。

いまから140年前、1872年(明治5)2月21日、
日報社(毎日新聞社の前身)が
東京初の日刊新聞『東京日日新聞』第一号を発行、
これが『毎日新聞』の淵源です。
詳細は花筏──タイポグラフィ あのねのね*017に転載。  

新宿私塾第20期生 募集受付終了

新宿私塾第20期生は
定員に達しましたので募集を締め切りました。

新宿私塾第21期は本年7月頃から募集の予定です。
入塾相談・ご見学などは随時受け付けております。

★     ★     ★ 

「新宿私塾」はタイポグラフィの知・技・美の領域をバランス良くまなぶための、少数精鋭によるちいさな教育機関です。書物と活字づくり、すなわち「タイポグラフィ」の550年におよぶ魅力的な歴史をまなび、本格的なタイポグラフィの教育と演習を通じて、あたらしい時代の要請に柔軟に対処する能力を身につけた、タイポグラフィの前衛を養成します。
「新宿私塾」は設立から9年半の歴史を有し、現在は第19期生が意欲的な学習を続けています。
今回募集する第20期生は、2012年4月3日スタートの予定で、9月までの半年間、24回の講座が予定されております。
基本的に、毎週火曜日、午後6時30分から9時40分が講座開設となります。
また24回の講座のうち、土曜日に設定される、フィールドワーク、特別講座が数回予定されています。

新宿私塾は少数先鋭をモットーとし、講師と塾生、また塾生同士が、たがいに切磋琢磨し、向上と啓発をめざす私塾であり、定員は最大10名です。お申し込み先着順に受付し、定員となり次第受付終了とさせていただきます。

いま、朗文堂のブログがおもしろい!

本年より『朗文堂ニュース』をご訪問の皆さまに、ときおり朗文堂ブログロール『花筏 ハナ-イカダ』をご紹介させていただきます。ホームページには専用コーナーがございますので、そちらからご入場ください。また下記よりもご入場できます。

ブログロール 『花筏 ハナイカダ』  こちら 

Websiteデザインに新鮮味はありませんが、コンテンツはそれなりに努力しております。全体にテキストが多く、画像が少ないのが特徴です。デバイスにより相違がありますが、現在は以下の4本のブログがロール・アップされています。
また『花筏アーカイブ』には、相当量の興味深いコンテンツが収納されていますので、ご面倒でもアーカイブから引きだしていただき、ご訪問、ご愛読をよろしくお願いいたします。

◎ タイポグラファ群像*002
杉  本  幸  治

 デジタルタイプのなかでも異彩をはなつ「本明朝体」「杉明朝体」の製作者、杉本幸治氏の生涯の記録。昨年の6月に掲載したものですが、貴重な写真・画像の使用許諾が得られましたので、ここにあらためて、ご紹介いたします。

◎ 新 文字百景*003
「文と字」はおもしろいけれど、
いろいろ困っています「片」の字で!
── その実例の様ざまを紹介

篆書・篆文の「木」の字を半分にすると、「左半分 爿・右半分 片」が字として成立します。「爿の部首」は常用漢字では、武將 → 武将のように「爿→丬」に変わりました。ところが常用漢字となった「片の部首」にも、おもわぬ落とし穴が……。

◎ 新 文字百景*002
中曽根などとは失敬千万?!
── 位階は従六位、
勲等は大勲位であらせらるるぞ

元首相・なかそね氏は、中曽根? それとも 中曾根? 常用漢字と非常用漢字の字のなかには、さまざまな矛盾が潜んでいます。それは日常の書字と印刷用字体の相違でもあります。曽根さん、小曽根さん、大曽根さんをふくめて、「曽・曾」の字をとりまく諸相を、許愼『説文解字』にもどって検証するシリーズの第2弾です。

◎ 朗文堂好日録*015
ふしぎなエートスの存する町 五日市
そして、佐佐木承周老師のことども

東京の西端の町、五日市。 源頼朝の創建にかかる寺院など、この町を特徴づける歴史とひとをとりあげました。風景とは、景観とは、そしてランドスケープ・デザインとはなにか。そして映画『スターウォーズ』のヨーダのモデルとされる怪僧・佐佐木老師のこと。
☆     ☆     ☆     ☆
 
 

 

活字と活版印刷がお好きな皆さま

ご一緒にタイポグラフィ・ルネサンス!!

《こんな時代だから、活版印刷機を創っています》と標榜し、朗文堂アダナ・プレス倶楽部が発足して早くも六年が経過しました。
発足前から、活版と金属活字には逆風が吹きつのっていましたが、外国の先行機をモデルに、独自設計にもとづくさまざまな改良・改善を加えた「21世紀の日本であらたに再生した」《活版印刷機Adana-21J》は、官公庁・印刷会社・教育機関をはじめ、多くの《活版愛好者》の皆さまに支えられて、堅実な歩みをつづけています。
アダナ・プレス倶楽部の主要広報物は「アダナ・プレス倶楽部会報誌」ですが、下記のWebsiteでも、活版、活字版印刷機、活字、込め物、メタルベース、活版専用インキなど、活版機器と周辺機材の紹介が盛りだくさんです。
2011年のトップ・ページは年賀状に使用した金属活字「ボドニ・ローマン体」と、輪郭罫の子持ち罫の使用法に関する興味深い内容がアップされています。ご訪問、ご愛読をお待ちしております。

アダナ・プレス倶楽部NEWS  こちら

 

近刊予告 『japan, japanese』

編集佳境 ナレド越年必至!
 ヘルムート シュミット著 ナラビニ デザイン
『japan, japanese』


『japan, japanese』 ジャケット仮デザイン

年末の繁忙期、皆さま元気にお仕事にお励みのことと存じます。
小社既刊書、ヘルムート シュミット著  『バーゼルへの道』に、しばしば皆さまから増刷発行(第3刷り)のご要望をいただいてまいりました。
こうしたご熱心な読者様のご要望に添えなかったおもな理由は、第3刷りともなると、デジタルタイプも旧世代のものとなって、相当の組み直しを予定していました。
ところが著者であり製作者のシュミット氏が、集中して次の著作の構想を練られており、そのために、精神をたかめ、意識を研ぎ澄ませ、そちらに全力を傾注しておられたために、遅滞を余儀なくされました。

既刊書『バーゼルへの道』は、オーストリアにうまれたひとりの少年(シュミット氏)が、なぜとおいスイスで働くにいたったのか、なぜ「学士」への道をすて、タイポグラファという「職人」への道を選択したのか。
そしてバーゼルの印刷工場でCompositor(活字植字工)として働きながら、尊敬おくあたわざるエミール ルーダーの私的な「タイポグラフィ実験室」への受講許可を待ちつづけたのかを『バーゼルへの道』として詳細につづったものでした。

いまやひろく知られるにいたったその「実験室」とは、ルーダーを中心とするタイポグラファが、ほぼボランティアで主宰した夜間の私塾で、定員は最大3名だったとされます。
講義のほとんどは、ルーダーが好んで「実験室」と呼んだ、活字版印刷の植字室でなされ、そこでの研究と創造のよろこび、濃厚なタイポグラフィ漬けの日日がテキストでつづられ、刮目すべきタイポグラフィの作品群の図版がならんでいます。

近刊書『japan, japanese』の原資料は、『ティポグラフィシェ モナーツ ブレッテル』(TM誌)に、1968年1月-1973年3月にかけて連載された記事をもとに、全面的に再構築したものです。
 スイスでまなび、タイポグラファとしておおきく成長したひとりの青年(シュミット氏)が、なぜ、とおい日本をその活動の本拠地としてえらび、なぜ、はるばると日本にやってきたのか。その日本で、なにを発見し、なにに惹かれ、そしてなぜ日本に定住する道を選択したのか……。

すなわち「日本を日本たらしめている、素晴らしいひとと造形の数数」を、繊細な視線と、すみきった明るい心境からときあかしています。
そこには、日本にうまれ、日本で育ったわたしたちが見落としがちな「すばらしい日本、すばらしい日本人」が、清明に、いきいきと描かれています。

本来、新刊書『japan, japanese』  は2011年のクリスマス・ブックとして、本年年末の刊行をめざしていました。
ですから今頃は、書店の店頭に『japan, japanese』 がならんでいるはずでした。
しかし……、どうやら版元スタッフ(小生)が余計なことをいった──写真は実に的確に「良き日本」をとらえているが、せっかくのシュミット氏の肉声が、独語・英語がほとんどで、和訳が一部にとどまっているのはあまりに残念だ──ために、全面的に編集をみなおし、翻訳の原点にまで戻ったために、年内刊行を断念した次第です。

欧米の造形者とはなしをすると、しばしば〈日本の造形)をかたった書物として、岡倉覚三(天心とも、1862-1913)『茶の本』、谷崎潤一郎(1886-1965)『陰翳礼讃』を話題にします。いずれもふるい時代の書物ですが、内容はすばらしく、各国語に翻訳もされています。
それでも、そんな状況が、20年-30年もの長きにわたって続いていることに、ときおり臍ホゾをかむおもいをしてきました。

いずれにしても、来春には『japan, japanese』 の刊行をみます。これからは、名著として評価のたかい『茶の本』、『陰翳礼讃』とならんで、わが国はもとより、世界規模でのあらゆる造形者が、日本と日本人を語りあう際に、互いの共通基盤として『japan, japanese』が絶好の書物になることを夢見て、すべてのテキストの和訳をお願いしました。

もう少しで『nippon no nippon』が入った、正式デザインによるジャケット紹介もできそうです。それまでもうしばらくのお時間をいただきます。
2012年にむけて、期待に満ちた、嬉しい話題を皆さまにお届けいたします。

── 『japan, japanese』 装本仕様(すべて予定) ──
菊判12ページ折り(重箱本)、108ページ
かがりとじ、上製本、ジャケット付
オフセット平版印刷、スミ1色
定価は未定です。

もう少しお待ちください『japan japanese』



シュミット家の皆さん。左より スミ夫人 ヘルムート氏 ニコールさん

《ギリギリ頑張っています! もうしばらくお時間をいただきます》
本日3月21日は『japan japanese』の発売予定日でした。たくさんのお電話や、たくさんの@メールを頂戴しました。少し遅れています。申しわけございません!
いまは3月末、また年度末ということで、ここのところ製本所、とりわけ折り屋さんが爆発状態です。リーマン・ショック、東日本大地震の影響と続いた製本業界の不況が、まるでウソのような活況を呈しています。

そこで最終打ち合わせのために、3月17日に大阪のシュミット家を訪問しました。もちろん手づくり・手製本の見本誌を携えて……。残念ながら販売用書籍は間に合いませんでした。シュミット家の皆さまをはじめ、発売をお待ちいただいている読者の皆さまには、深くお詫び申しあげます。

おもえばシュミット一家とのお付き合いも長くなりました。ヘルムート氏、スミさんのご夫妻とは、右端の愛娘、ニコールさんが誕生する前からのお付き合いです。ですからシュミット氏も小生も、ニコールさんの成長の分だけ、それぞれ年を重ねたことになりました。
シュミット氏とそのご家族は、この写真のように、とてもこころの暖かい、すてきなご家族です。そしてタイポグラフィにはきわめて厳格で、一点の妥協もゆるさない厳格さを失わないのも魅力です。

《本書の魅力の一端をご紹介》
書物とは、その内容で評価されるべきものです。本書の内容のすばらしさはいうをまちません。それは本書をみていただくしかありませんが……。
ところがタイポグラフィに厳格なシュミット氏のことです。本書にも微に入り細をうがつ配慮がこらされています。遅延のお詫びに、プロのノウハウを冒さない程度に、本サイトをご覧の皆さまにだけ、ソッとほんの一端をご紹介。

『japan japanese』 の基本設計は、ドイツ語・英語・日本語が組み込まれています。基本書体は Universe 55 Roman, 中ゴシックBBBです。
うっかりすると見逃しがちですが、このみっつの言語表記は、それぞれ根拠をもって、無理なく、微妙に、ポイント・サイズや字間・行間のスペースが異なっています。
この手法は、皆さんの日常デザイン業務における、バイリンガル、トリプルリンガル表記の実施に際して、きわめておおきな手がかりと、示唆をあたえてくれるはずです。
こうしたこまやかな配慮を尽くしながらも、それをそれと気づかせないさりげなさ、こうした書物が『japan  japanese』です。

《もうしばらく、ほんとうにもうしばらくお待ちください!》
年度末に教科書対応がかさなって、小社の製本所のラインは混雑をきわめています。その間隙を縫うのではなく、ゆっくり、じっくり書物づくりに取り組んでいます。
本書には製本にも微細な工夫がこらされています。
上製本においては、表紙が本文用紙の天・地・小口の三方からはみだしている部分の幅を「ちり・散り」と製本用語では呼びます〔広辞苑〕。この「ちり」を極力少なくするようにと製本所に依頼しています。ふつうの「表紙巻き」とは違う作業になりますので、製本所も意欲的に取り組んでくれていますが、何分時期がまずかっった……。

そんなわけで、言い訳じみて恐縮ですが、4月中旬にあらたな発売日を設定いたしました。もうしばらくのお時間を頂戴いたします。

『japan japanese』 刊行記念 ヘルムート・シュミット氏の 講演会+展覧会のお知らせⅠ


【印刷用 PDF】
東洋美術学校アクセスマップ http://www.to-bi.ac.jp/access/

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【タイポグラフィ トーク 講演会】
講師 : ヘルムート・シュミット氏(通訳 : スミ・シュミット氏)
このタイポグラフィ トークでは、ヘルムート・シュミット氏が
メイド および ナチュラルメイド タイポグラフィについてかたります。

made and natural made

メイド およびナチュラルメイド

タイポグラフィ トーク
3 月20日[水・祝] 14:00-(13 :30  受付開始)
要 予約、聴講料 1,000 円

会場 : 東洋美術学校 C 棟 C-1 教室
161-0067 東京都新宿区富久町2-6

◉  この講演会のお申込みは、
会場のキャパシティを越えました。
恐縮ですが03月20日の講演会へのお申込みは
締め切りとさせていただきます(03月01日)。
◉ 展覧会は下記の日程・時間で
無料でご観覧いただけます。 
────────
【オープニング レセプション】
新刊書『japan japanese』 著者サイン会
17:00-18:30
会場 : 東洋美術学校 D 棟 1F 教室
会場でも『japan japanese』(3,800円 税込)
がお求めできます。
────────
【タイポグラフィ トーク 講演会  申込先】
株式会社 朗文堂
@ mail  :  robundo@ops.dti.ne.jp
件名【タイポグラフィ トーク 申込】として、
お名前・人数・返信用メールアドレスを明記して
2013 年 3 月15 日までにご送信ください。
3 営業日以内にお断りの返信が無い場合は
受付完了とさせていただきます。
Facsimile : 03-3352-5160
http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo/
────────
【懇親会】
講演会終了後 19 : 00 より、会場から
至近の会場で、シュミット・ファミリーを囲んでの
懇親会(要参加費)を予定しています。
この懇親会に参加をご希望のかたは
講演会のお申込み時に[懇親会参加希望]と
お書きください。
のちほど担当より@メールで、会場・予算など
詳細をお送りいたします。
◉  懇親会のお申込みは、会場のキャパシティを
 すでに越えました。恐縮ですが懇親会への
 お申込みは
締め切りとさせていただきます。
 (02月07日)

────────
【東洋美術学校  ギャラリー館における展覧会】
すでに忘れられかけている 2011 年 03 月11 日の
災害に注意を喚起し、マンメイドおよび
ネイチャーメイドについて考えたい。
あわせて、タイポグラフィック  リフレクション全号
ヘルムート・シュミット氏による企画・デザイン書
のうち、朗文堂刊行のスクエアサイズの書物
『かさこじぞう』英語版、『バーゼルへの道』、
『ジャパン ジャパニーズ 』などを展示する。
────────
【gallery de tobi  展覧会】

man made  nature made

マンメイド ネイチャーメイド

展覧会 東洋美術学校 ギャラリー館
3 月20日[水・祝] 16 : 30-19 : 00
3 月21日[木]-24日[日] 12 : 00-19  : 00
最終日 17 : 00 まで

────
主催 : 株式会社 朗  文  堂
     160-0022  東京都新宿区新宿 2-4-9
後援 : 学校法人専門学校 東洋美術学校
     産学連携事務局  デザイン研究会アクティ

『japan japanese』刊行記念 ヘルムート・シュミット氏の講演会+展覧会のお知らせ Ⅲ


印刷用PDF
東洋美術学校アクセスマップ http://www.to-bi.ac.jp/access/

◉ 本講演会は予約制で、去る03月01日をもって
定員となりました。
たくさんの皆さまからご参加のお申込みをいただきました。
ありがとうございました。
◉ 株式会社イワタ、株式会社タイプバンク、株式会社モリサワの
各社よりご協賛をいただき、最新版電子活字見本帳を
ご提供いただきました。各社120部ほどと数量に限りが
ありますので、受付先着順に、ご自由におもちいただきます。
◉ 受付開始は13:30からです。当日は受付の混雑が
予想されますので、お早めにご来場ください。 
 ◉ なお東美ギャラリーにおける展覧会は、下記の日程で
ご自由にご観覧いただけますので、どうぞ
ふるってご観覧ください。

────────
【タイポグラフィ トーク 講演会】
講師 : ヘルムート・シュミット氏(通訳 : スミ・シュミット氏)
このタイポグラフィ トークでは、ヘルムート・シュミット氏が
メイド および ナチュラルメイド タイポグラフィについてかたります。

made and natural made

メイド およびナチュラルメイド

タイポグラフィ トーク
3 月20日[水・祝] 14:00-(13 :30  受付開始)

会場 : 東洋美術学校 C 棟 C-1 教室
161-0067 東京都新宿区富久町2-6

◉ 講演会は定員に達しました。
◉ 展覧会は下記の日程・時間で
予約無し、無料でご観覧いただけます。
────────
【オープニング レセプション】
新刊書『japan japanese』 著者サイン会
17:00-18:30

会場 : 東洋美術学校 D 棟 1F 教室

◉ 会場でも『japan japanese』(3,800円 税込)
がお求めできます。
────────
【懇親会】
講演会終了後 19 : 00 より、会場から
至近の会場で、シュミット・ファミリーを囲んでの
懇親会を開催します。

◉ 懇親会は定員に達しました。

────────
【東洋美術学校  ギャラリー館における展覧会】
すでに忘れられかけている 2011 年 03 月11 日の
災害に注意を喚起し、マンメイドおよび
ネイチャーメイドについて考えたい。
あわせて、タイポグラフィック  リフレクション全号
ヘルムート・シュミット氏による企画・デザイン書
のうち、朗文堂刊行のスクエアサイズの書物
『かさこじぞう』英語版、『バーゼルへの道』、
『ジャパン ジャパニーズ 』などを展示する。
────────
【gallery de tobi  展覧会】


man made  nature made

マンメイド ネイチャーメイド

展覧会 東洋美術学校 ギャラリー館
3 月20日[水・祝] 16 : 30-19 : 00
3 月21日[木]-24日[日] 12 : 00-19  : 00
最終日 17 : 00 まで
◉ 上記日時に、自由にご観覧いただけます。
ご友人をおさそいいただき、ご観覧ください。

────
主催 : 株式会社 朗  文  堂
160-0022  東京都新宿区新宿 2-4-9
後援 : 学校法人専門学校 東洋美術学校
産学連携事務局  デザイン研究会アクティ

『japan japanese』 刊行記念 ヘルムート・シュミット氏の 講演会+展覧会のお知らせⅡ

────────
タイポグラフィ トーク
ヘルムート・シュミット
メイド および
ナチュラルメイド

3月20日[水・祝]
14:00- (受付開始:13:30)

東洋美術学校 C棟C-1教室

◉  この講演会のお申込みは、
会場のキャパシティを越えました。
恐縮ですが03月20日の講演会へのお申込みは
締め切りとさせていただきます(03月01日)。
◉ 展覧会は下記の日程・時間で
無料でご観覧いただけます。 
◉ 当日は受付の混雑が予想されますので
 お早めにお越しください。

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展 覧 会
ヘルムート・シュミット
マンメイド
ネイチャーメイド

3月20日[水・祝]16:30-19:00
3月21-23日 12:00-19:00
3月24日 12:00-17:00

東洋美術学校 ギャラリー館

◉ タイポグラフィ トーク終了後の
休憩時間には展覧会をご観覧
いただけます。 
◉ 3月21-24日もギャラリー館は
開場していますので
ご友人とお誘い合わせのうえ
ご観覧ください。

────────────────
オープニング レセプション
『japan japanese』 著者サイン会
17:00-18:30
東洋美術学校 D棟1F

◉ タイポグラフィ トーク終了後には
近隣のギャラリー館で展覧会を
ぜひともご覧ください。
◉ 講演会終了後、D棟1F教室でも
 『japan japanese』(定価 3,800円 税込)
 をお買い求めいただけます。 
◉  レセプション会場は手狭で、混雑が
予想されます。その間トークショーの
会場でもお仲間・ご友人とご歓談できます。

────────────────
懇 親 会

◉  懇親会のお申込みは、
会場のキャパシティを
すでに越えました。
恐縮ですが懇親会へのお申込みは
締め切りとさせていただきます。

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主催 : 株式会社 朗  文  堂
160-0022  東京都新宿区新宿 2-4-9
後援 : 学校法人専門学校 東洋美術学校
産学連携事務局  デザイン研究会アクティ

『japan japanese』刊行記念 ヘルムート・シュミット氏の講演会+展覧会のお知らせⅥ

helmut schmid  typography talk ── made and natural made
helmut schmid  typography exhibition ──man made and nature made
終了いたしました。
ご来場いただきました、たくさんの皆さま
ご支援、ご協力いただきました、たくさんの皆さま
ありがとうございました。


櫻花爛漫、春たけなわの候となりました。
ヘルムート・シュミット氏を迎えての
講演会『made and natural made』
展覧会『man made nature made』は、たくさんの
お客さまにご来場いただき、無事終了いたしました。
ご来場、ご観覧ありがとうございました。


講演会当日にも、ギャラリー館における展示を
ご覧いただきましたが、どうしてもこういう慌ただしい
日には、ゆっくり作品と対話することはむずかしい
ものがあります。

講演会の翌日、03月21日には、20数名の観覧者の
皆さまが、展覧会場にお見えになられました。
そのうちのおひとりは、
「きのうも講演会にきて、展示もみましたが、
もう一度展示を、ゆっくりみたくて……」
というかたもいらっしゃいました。

どなたも、ゆっくり時間をとって、掲示作品をていねいに
ご覧になり、そして『typographic reflections』を
熟読されているお姿がとても印象的でした。
────
展示には、ひとの手による工作物-ベルリンの壁の
崩壊のありさま、チェルノブイリの癒えることのない惨事、
そしてもともと「幸福の島」であったはずの福島を襲った
大事故などがつづられています。
そして最後にシュミット氏は「deeds. -not words 」と
おだやかながら、力づよくかたりかけます。
────
自主制作シリーズ『 typographic reflections 』の
一冊一冊も、ふかい洞察と、丹念にかさねられた思考が
ていねいに記録されています。
────
こうした来場者の足は、週末になるとますますふえて
最終日の03月24日まで途絶えることなく続きました。
おりしも東京では、例年よりはやく櫻が満開のときを
むかえていました。
それでもこの会場だけは、落ちついて作品と対話を
かわす来場者が切れめなくつづいていました。

これらの記録は、ここ《朗文堂 NEWS》のアーカイブに
『japan japanese』刊行記念 ヘルムート・シュミット氏の
講演会+展覧会のお知らせ Ⅰ-Ⅵ── としてのこします。

man made  nature made
マンメイド ネイチャーメイド

展覧会 東洋美術学校 ギャラリー館
3 月20日[水・祝] 16 : 30-19 : 00
3 月21日[木]-24日[日] 12 : 00-19  : 00

『japan japanese』刊行記念 ヘルムート・シュミット氏の講演会+展覧会のお知らせⅤ

helmut schmid  typography talk ── made and naturalmade
helmut schmid  typography exhibition ── made and naturalmade
終了いたしました。
ご来場いただきました、たくさんの皆さま
ご支援いただきました、たくさんの皆さま
ありがとうございました。


櫻花爛漫、春たけなわの候となりました。
ヘルムート・シュミット氏を迎えての講演会
『made and natural made』はたくさんの
お客さまにご来場いただき、無事終了いたしました。
ご来場ありがとうございました。


講演会当日にも、ギャラリー館における展示を
ご覧いただきましたが、どうしてもこういう慌ただしい
日には、ゆっくり作品と対話することはむずかしい
ものがあります。

講演会の翌日、03月21日には、20数名の観覧者の
皆さまが、展覧会場にお見えになられました。
そのうちのおひとりは、
「きのうも講演会にきましたが、もう一度展示を
ゆっくりみたくて……」
というかたもいらっしゃいました。

どなたも、ゆっくり時間をとって、掲示作品をていねいに
ご覧になり、そして『typographic reflections』を
熟読されているお姿がとても印象的でした。
────
展示には、ひとの手による工作物-ベルリンの壁の
崩壊のありさま、チェルノブイリの癒えることのない惨事、
そしてもともと「幸福の島」であったはずの福島を襲った
大事故などがつづられています。
そして最後にシュミット氏は「deeds. -not words 」と
おだやかながら、力づよくかたりかけます。
────
自主制作シリーズ『 typographic reflections 』の
一冊一冊も、ふかい洞察と、丹念にかさねられた思考が
ていねいに記録されています。
週末の2日間、ぜひとも展覧会場にお出かけいただき
ゆっくりと作品との対話をおたのしみください。







man made  nature made
マンメイド ネイチャーメイド

展覧会 東洋美術学校 ギャラリー館
3 月20日[水・祝] 16 : 30-19 : 00
3 月21日[木]-24日[日] 12 : 00-19  : 00
最終日 17 : 00 まで
◉ 上記日時に、自由にご観覧いただけます。
ご友人をおさそいいただき、ご観覧ください。

『japan japanese』刊行記念 ヘルムート・シュミット氏の講演会+展覧会のお知らせⅣ

《講演会  made and Natural made 盛況裡に終了》
2013年03月20日[水・祝]、東洋美術学校講義室にヘルムート・シュミット氏をむかえて、盛況裡に終了いたしました。
ご来場の皆さま、ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。


 man made  nature made
マンメイド ネイチャーメイド

展覧会 東洋美術学校 ギャラリー館
3 月20日[水・祝] 16 : 30-19 : 00
3 月21日[木]-24日[日] 12 : 00-19  : 00
最終日 17 : 00 まで
◉ 上記日時に、自由にご観覧いただけます。
ご友人をおさそいいただき、ご観覧ください。


新宿私塾*公開講座

──終了いたしました──

新宿私塾公開講座『朝日新聞書体の研究』は、2011年12月8日、たくさんのご来場者をお迎えして無事に終了いたしました。年末多忙期にもかかわらず、ご来場たまわりました皆さまに、講師ともどもこころより感謝申しあげます。
ほんとうにちいさな学習塾ではありますが,〈新宿私塾〉では引きつづき真摯な努力と研鑽をかさね、
タイポグラフィの前衛の養成につとめてまいります。また年に1-2度はこうした〈新宿私塾〉公開講座を設けて、ひろく外部の皆さまとの交流につとめてまいる所存です。皆さまのご支援のほどよろしくお願いいたします。

新刊紹介

いまこそ、風景資本を考えるとき!

風景資本論

地域の資源となりうる風景ランドスケイプとは、
どのようなものか

風景の読み方、風景のデザインを、
本質と事例から考察する。

著   者  廣 瀬  俊 介
装   本  A5判 並製本 136ページ フルカラー
価   格  2,100円(本体2,000円)
発  行  所  株式会社 朗 文 堂
ISBN978-4-947613-85-1

◎ ご購入はお近くの有力書店か、小社直接購入も可能です。
◎ 直接注文は 朗文堂 @メール:robundo@ops.dti.ne.jp

朗文堂 営業部
160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
Telephone 03-3352-5070
Facsimile 03-3352-5160
http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo


〔風景資本論発刊にあたって〕
――
リード・コピーから抜粋

風景のデザイン――ランドスケイプデザインとは、単にある土地のかたちを庭園のようにつくり替えることではなく、人間のつくる社会と自然との関係の調整を必須条件として、人間が生活する場をつくること、またはつくり直すことを指す。人間が心身ともに健やかに生きるには、自然と社会の関係を調える努力が欠かせない。それは人間が人間のために行うこの仕事の必須条件となる。
「風景」はある土地の姿である。土地の成因から人間が受けとる事物を含めて、風景の解釈を拡げる。
「資本」は、人間の生活と地域社会を持続可能にする基と定義する。
「地域経営」とは結局人間の生活と地域社会を持続可能にすることであって、それは環境、教育、福祉、医療、産業、文化……といった人間の生をささえる総てに留意をして、自然と人間の関係を調える営みにほかならない。

〔著者紹介〕
廣 瀬  俊 介  ひろせ しゅんすけ

1967年千葉県市川市生まれ。ランドスケイプデザイナー。風土形成事務所主宰、東北芸術工科大学建築・環境デザイン学科准教授、岩手大学大学院工学研究科デザイン・メディア工学専攻非常勤講師。
人間が生きる環境の形成のあり方を根源的かつ総合的に探究する手段としてデザインを選び、1989年以来活動を続けてきた。著書『町を語る絵本 飛騨古川』、共著『都市環境デザインの仕事』『テキスト ランドスケープデザインの歴史』、論考「風土形成序説––浪江町の風景を読むことを通して」「思い出の風景から考える被災地復興」(いずれも『季刊東北学』誌に寄稿)など。

新刊紹介/ハンドプレス・手引き印刷機

明治最初期、平野富二らが成し遂げた
鉄製印刷機製造、活字製造、鉄製艦船の造船とは
鋳型による“金属の鋳造 ≒ 複製”という
共通基盤を有していた!

書  名   ハンドプレス・手引き印刷機
著  者   板 倉  雅 宣
装  本   B5判 並製本 104ページ
発  売   2011年09月15日
定  価   1,900円(本体 1,995円)
        ISBN978-4-947613-84-4

明治の文明開化にともなって近代工業が勃興した。そのさきがけとなった「手引き活版印刷機」は、25歳にして長崎製鉄所所長 兼 小菅船渠掛 コスゲ-センキョ-カカリ だった平野富二らが、1872年(明治5)27歳にして上京した翌年から、東京京橋区築地二丁目において開発・製造された。
鉄製印刷機の製造とは、熔解・鋳型製造・鋳造・切断・研磨・組立などの広い技術基盤を要し、これもまた、鋳型によって鋳造(大量複製)された活字が「手引き印刷機」によって印刷(複製)され、当時の世界では有数の識字率を誇ったわが国「国民」の、情報伝達や図書の印刷に用いられた。

★     ★     ★     ★

わが国の近代印刷の黎明は、板目木版への刻字から、金属鋳造活字文字組版への変革をもたらし、バレン摺りから鉄製印刷機の使用への転換をともなった。蒸気機関や電動モーターなどの動力の実用化に先だつこのころ、総鉄製とはいえ「手引き印刷機」は、人力をもっぱらとする素朴な活字版印刷機であった。本書は幕末期に点描のように導入された輸入活版印刷機から説きおこし、1872年(明治5)長崎から進出した平野富二らによる「手引き印刷機/ハンドプレス  Hand Press」の開発と、その急速な全国への普及、追随した各社の動向を丹念に追っている。ともすると従来の近代活字版印刷の研究は、金属鋳造活字とその書体形象に集中したきらいがあった。ここに板倉雅宣氏を著者として、ようやく活字版印刷術の車の両輪ともいえる、印刷機と活字に関する近代タイポグラフィの開発史研究への道筋が明瞭に姿をあらわした。

はじめに――著者/板倉雅宣

幕末から明治最初期にはじまった、活字で印刷する仕事は、オフセット印刷に変わり、現在ではパソコンで文字を組んでプリント・アウトすれば、誰でも印刷ができるようになってきた。この方式は当初はDTP(デスク・トップ・パブリッシング)と呼ばれていた。

明治初年になって印刷機は木製から金属製になり、印刷版は木版から金属活字版になり、バレン摺りから機械刷りになった。また鋳造活字を量産販売するようになった。本木昌造は手引き印刷機を試作し、長崎製鉄所に在籍した平野富二は、平野造船所(のちの石川島播磨重工業)を創業して、造船を手掛けるかたわら、明治6年ころ「手引き印刷機」「ハンドプレス Hand Press」といわれ、印刷するのに手でハンドルを引いて行う形式で、英国で発明されたアルビオン・プレスを模作して販売した。

手引き印刷機は、明治5年ころから20年代までの文明開化の時代に、書物の印刷に欠かせなかった。特に政府の通達「達」「布告」等を印刷するために各県に採用をねがい、その普及につとめたので、全国で広くつかわれるようになった活版印刷の主力機であった。
明治9年頃になると動力が導入されるが、各社によってその導入時期は9-40年ころまでと様々であったが、次第に普及するのにつれ、手引き印刷機は終焉を迎えるようになる。

最近、活字版印刷に興味を持つ人が多く出てきた。ハンドプレスといって、手でハンドルを引いて印刷する小型印刷機Adana-21Jなどが人気を得ている。この機械は昔、名刺やはがき等を印刷するための印刷機として、名刺印刷屋で使われていたもので、「手キン」「手フート」と呼ばれていた。足踏み式(フート Foot)印刷機を小型にして、手で引いて印刷するようにしたもので、もとの名の「フート」という名が残っている。

これは従来の手引き印刷機が、手にインキヘラを持って、練盤の上でインキを練り、ローラーで版面につけるという「ハンド・インキング hand-inking」であったのに対し、自動的にインキを練って付ける「セルフ・インキング self-inking」方式になり、机の上で、素人にも簡単につかえるものになって普及していった。DTPの先駆けというべきものである。

このハンドプレスが現れる前に、やや大型の足踏み印刷機があった。プラテン印刷機(Platen press, 平圧印刷機)といわれるもので、これはシリンダープレス(円圧機械)に対することばで、ゴードン印刷機、ビクトリア印刷機などを思い浮かべるが、ワニが口を開けたような形状をした印刷機で、版盤が垂直に立っていて、圧盤がハンドルで開閉する仕組みになっている印刷機である。
清水卯三郎がパリ万国博覧会で見て購入し、日就社で『東京日日新聞』を印刷したというゴードンが開発した印刷機がこれである。
明治の印刷機械の事情を探ってみた。

 ハンドプレス・手引き印刷機  目 次

木製手引き印刷機
スタンホープ・プレス
明治初期の新聞印刷機と輸入機販売者
アマチュア用端物印刷機(手フート、手キン)
コロンビアン・プレス
ワシントン・プレス
アルビオン・プレス
国産のアルビオン型手引き印刷機
平野富二の丸Hマークはいつ頃のものか
内国勧業博覧会の印刷機械出品状況
活版社の創業と布達類の活版化
印刷機の設備状況
手引き印刷機の終焉
動力の導入
わが国に現存する国産手引き印刷機
わが国に現存する外国製手引き印刷機
手引き印刷機以外の機種で現存する印刷機械
アルビオン・プレスの構造
手引き印刷機のサイズと価格
手引き印刷機の印刷能力
印刷機械の輸出入
付  参考文献
   年  表
   参考資料 秀英舎の印刷設備 推移