古代人は、サラマンダーを炎の表象として崇めていた。 詩人たちは、愛の価値と象徴のシンボルにした。 歴史家、考古学者たちは、逆境にあっても誠実な典型の生物と見なしていた。そして ルーバン・ジェリオ(Louvan Géliot) によれば、サラマンダーは高潔と勇気を表しているのである。《国立印刷所の新しいロゴ —— Le nouveau logo de l’Imprimerie Nationale》 フランス国立印刷所は定款を変更して、あたらしいロゴとしてやはり「サラマンダー」の意匠を採用した。 あたらしいロゴとして、今回も神話の生物サラマンダーを選定したのは、フランス国立印刷所のながい歴史と、象徴主義にふかく結びついている。 フランスヴァロワ朝、第9代フランソワ1世(François Ier de France, 1494-1547)は、フランスにルネサンスをもたらし、また1538年にフランス王室で印刷事業をはじめたひとである。フランス国立印刷所は、この年1538の創立をもってその淵源としている。 フランソワ1世は、みずからと、その印刷所の紋章として、フランス王家の伝統としての百合の花を象徴する王冠 【画像集リンク:フランス王家の紋章】 とともに、火焔のなかに棲息するサラマンダーを取りいれた。 そこにはまた、ギャラモン(Claude Garamond, 1480-1561)の活字父型彫刻による標語を付与した。 「Je me nourris de Feu et je L’éteins 意訳:吾は火焔をはぐくみ、それを滅ぼす」