朗文堂年頭のご挨拶は、小社コーポレートカラーの「黄色から赤までの無限の階調色」をバックとして、おおらかに、のびのびと、「和字 おゝくれたけ H 」をもちいました。
漢字書体は、これも力づよく、 「Human Sans Serif 銘石 B 」をもちいています。
【詳細見本PDF版: type cosmique 見本帳 (13.5MB)】
※ 無料冊子型パンフレットも用意しております。 ご希望のかたはお申し出ください。
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アンチック体活字の修復・復元と、シリーズ化に成功!
『 和字 おゝことのは Family 9 』
販売価格 ¥9,450(本体価格 ¥9,000)
好評発売中!
お申込み・ご購入は、朗文堂 タイプ・コスミイク までお願いいたします。
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《和字 ことのはの原姿は、いわゆる アンチック体 和字活字です》
和字書体「ことのは」は、アメリカからもたらされた活字書体 「アンチック Antique」 と同じ名称をもち、辞書などの見出し語として用いられてきました。
欧字書体としてのアンチックの名称は、ふるくは『活版様式』(活版製造所平野富二、1876)に登場しています。また、和字・漢字をともなった日本語総合書体としては、『新撰讃美歌』(警醒社、1888)で使用されていることを内田 明氏が指摘されています。
『和字 おゝことのは Family 9 』の原姿は、『辞苑』(新村出編著、1935年初版、書香文庫蔵)の見出し語活字で、いわゆる「アンチック体」とされる和字活字にあります。幸い資料が辞書でしたから、五十音それぞれのキャラクターを抽出できました。その「アンチック体」の原姿ともいえる資料をもとに、統一感をもって整理・整頓し、ウェイトを使途にあわせて多様化し、9 種類にしたものです。
その初登場は、欣喜堂和字シリーズ第2弾として発売された『和字 Tradition 9 』に収録されて、好評を博しました。
《アンチック体と混同されがちな 太仮名由来の和字書体》
アンチック体和字は、しばしば金属活字由来の「太仮名」と混同されています。このふたつの活字書体は、ともに明治期に誕生した優れた書体ですが、アンチック体の画線は比較的均一で、太さの差異がすくない特徴があります。太仮名由来の和字書体は画線に抑揚があり、脈絡を強調する特徴がみられます。そのために、このふたつの和字書体は異なる設計意図にもとづく書体とおもわれます。簡便に見わけるためには、ひら仮名「の」の頂点がほぼ同じ太さになっているのがアンチック体、頂点が細くなっているのが太仮名活字由来の和字書体ということができます。その詳細は『ヴィネット11号 和漢欧書体混植への提案』(今田欣一 朗文堂)に報告があります。
『 和字 おゝことのは Family 9 』では、もう一度原点に立ち帰り、形象をさらに検討し、字面率をおおきめにとり、ウェイトを 9 ウェイトとしてシリーズを構築しました。
漢字書体との組み合わせは、一応参考・推奨書体はありますが、お客さまご自身が「和字・欧字・漢字」の組み合わせの妙を発揮していただくことを期待しています。