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【朗文堂タイプコスミイク】 書体『元朝体 志安』発売/欣喜堂:今田欣一製作、白井敬尚形成事務所:パッケージ平面設計、朗文堂:発売 電子活字シリーズ開発の記録

金属活字が、写植活字時代をへて、電子活字(デジタルタイプ、フォント)となってひさしい。電子活字時代になってからもフォーマットの変化は間断なくつづいた。ビットマップ、トゥルータイプ、オープンタイプと変化のあゆみはとどまることをしらない。

そしてこれもまたいつのまにか、活字は Type (型)としての物体性を失い、デジタルデータの一種となって、定まったカタチ Type がないまま、流通し、販売され、デジタル機器などによってもちいられる時代となった。ひとはこれを「フォントのダウンロード方式」などと呼ぶ。
和字Revision9

欣喜堂 : 今田欣一製作、白井敬尚形成事務所 : パッケージデザイン、朗文堂 : 発売による電子活字シリーズの最初は、2002年08月発売開始の<和字 Revision 9>であった。

「和字」とはひら仮名とカタ仮名の集合であり、「漢字」の対語である。これは今田氏の提唱による呼称で、これらの記録は『挑戦的和字の復刻』(Vignette 05、今田欣一、2002年7月23日)に詳細にのこされている。
銘石B

いっぽう漢字・和字・欧字を含んだ書体を「総合書体」と呼んでいる。
総合書体<HUMAN Sans Serif  銘石 B>は<和字 Revision 9>の発売から10年余ののち、2012年03月の発売であった。
この間、当初のトゥルータイプからオープンタイプにフォーマット変更があり、ユーザーにむけて「パッケージを提示していただければ新フォーマット版に無償交換」という、大胆な試みができたのも、実体のあるパッケージの存在がおおきかった。
【 朗文堂ニュース : TTF から OTF へ無償交換を実施します

総合書体<HUMAN Sans Serif  銘石 B>の発売から四年余ののち、すなわち2016年05月末、いつものスタッフで、次の書体、「元朝体 志安」が完成し、本格発売がはじまった。
そんな「元朝体 志安」のプロジェクトに集中しているいま、あらためて考えると15年ほどの期間、この三者協力態勢がつづいてきたことに驚かされる。その記録の意を含め、ここに<朗文堂・欣喜堂シリーズ>を、順不同ながら、総合書体、和字書体の全15パッケージの紹介をしたい。
また朗文堂では、簡略ながらプリントメディアで『robundo type cosumique』、『robundo book cosmique』を製作している。ご請求いただけたら幸甚である。

《 総合書体 》
元朝体パッケ表1 元朝体ロゴ

銘石B 龍爪パッケ 正調明朝体 正調明朝体B 清朝官刻体

《 和字書体 》
基本 CMYK 和字たおやめ7 和字ますらお9 和字おゝことのは9 和字おゝくれたけ9 和字Tradition9 和字Succession9 和字Ambition9 和字Revision9

【会員情報】 真田幸文堂・真田幸治氏装本/『身体は幻』(渡辺 保著、幻戯書房刊)

20141209170732488_0001 20141209170732488_0002 20141209170732488_0003
幻戯書房 ( げんき しょぼう ) は、歌人で作家の 辺見じゅん が、父であり、角川書店の創立者である 角川源義 の創業の精神を受け継いで設立した出版社です。
幻戯書房の 「 幻戯 」 は、角川源義が自宅を 「 幻戯山房 」 と称していたことに由来します。
幻戯書房刊行書の多くの装本を担当してきたのが、新宿私塾、活版カレッジ修了生であり、タイポグラフィ学会の会員でもある 「 真田幸文堂/真田幸治 」 さんです。

真田幸文堂/真田幸治さんは、今回の『 身体は幻 』 の装本にあたって、前見返しにつづいて、共紙をもう一丁つけて、そこに同書の内容に即したイメージを盛りこむことによって、図書の導入部に、ゆとりとふくよかさをもたらすことに成功しています。

書体選択にも厳格な視点をもち、書名 『 身体は幻 』 のデジタルタイプは < 正調明朝体 あおい 金陵 > をもちいています。 正調明朝体【 参考資料 : 朗文堂タイプコスミイク 正調明朝体 金陵

ニューメディアとしての電子書籍が、さまざまな工夫をこらしてシェアアップをはかっています。
いまは一種の混乱期ともいえる状況にありますが、やがて製作 ・ 流通 ・ 販売経路を含め、印刷書籍と電子書籍とが、よき棲み分けが可能な時代の到来が予想されます。
こんな時代、従来型の印刷書籍も、慣行や束縛に甘んじることなく、創意と工夫、切磋琢磨が必要な時代かも知れません。

20141209170732488_0004 20141209170732488_0005【 URL : 真田幸文堂日録

幻戯書房
東京都千代田区神田小川町3-12 岩崎ビル 2 階
tel.  03-5283-3934
fax. 03-5283-3935 
【 詳細情報 : 幻戯書房 NEWS 】 

台湾活版印刷文化保存協会 柯 志杰(カ-シケツ)さん 新刊 『 字型散歩 』 を上梓。

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台湾の友人にしてタイポグラファ、柯 志杰(
カ-シケツ)さんが、蘇 煒翔(ソ-イショウ)さんとの共著で、新刊 『 字型散歩 』 (臉符ケンプ出版  ISBN978-986-235-401-8 ) を刊行されました。

<字> を形象の変化(字形)としてとらえがちな昨今のわが国ですが、同書では <字型> として、活字である以上当然とはいえ、明瞭な <型> のさだまった字画から <字> を紹介しています。
同書 p.120 – 121 では<正調明朝体 金陵>を、「今田欣一的投下的震撼弾」としてとりあげ、<正調明朝体 金陵>は、刻本からまなび、それを現代に再生したという意味で、書体開発に新領域を拓いたものとして好意的にご紹介いただきました。

《 活版凸凹フェスタ 2012 》 会場にて ── 2012年05月05日
左) 台湾の活字製造所/日星鋳字行  張 介冠(チョウ-カイカン)代表
右) 台湾活版印刷文化保存協会  柯 志杰(カ-シケツ)さん

【 関連情報 : 活版カレッジ有志、台湾で活字彫刻・活字鋳造体験会 2012. 10. 19 】
【 関連情報 : 台湾でつくったCAD方式活字母型と初号活字 2012. 11.03 】

『 欧文書体百花事典 』普及版 刊行記念特別連続講演会 第3回 『Robert Granjon』 河野三男 終了いたしました。

欧文書体百花その後3F-o

たくさんのご来場者をお迎えして 本講演会は終了いたしました。
ご来場ありがとうございました。
次回 第 4 回は 2014年08月24日[日]
「装飾は罪悪か ?   花形装飾活字クロニクル」
講師は 白井敬尚さんの担当です。

 関連情報は随時このコーナーにてご紹介いたします。

新緑が目にあざやかな毎日です。皆さまお元気でご活躍のこととぞんじます。
『 欧文書体百花事典 』が刊行されて10年が過ぎました。 この10年間の欧文書体研究は? 関連する研究の進展は……。
『 欧文書体百花事典 』 普及版の刊行に際して 10年前からの「その後」を、各講師に 6 回にわたってお話しいただきます。
下記のご案内をご覧いただき、友人・知人をお誘いのうえ、ふるってご参加ください。
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『欧文書体百花事典』普及版 刊行記念特別連続講演会(全 6 回)
第 3 回  『 Robert Granjon 』
講   師 :  河野 三男
日  時 :  2014年06月22日[日] 午後1時より約3時間程度(ワークショップを含む)
会  場 : 東洋美術学校 本部棟302教室(前02回までの会場とは異なります)
              161-0067 東京都新宿区富久町2-6
               地図  http://www.to-bi.ac.jp/access/
聴講料 : 各回1,000円(要申込登録)
主  催 : 株式会社 朗 文 堂
後  援 : タイポグラフィ学会
              学校法人専門学校 東洋美術学校  産学連携事務局 デザイン研究会アクティ
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[講演会申込先]
株式会社 朗文堂@メールまで  robundo@ops.dti.ne.jp
件名 「欧文書体百花事典その後 第3回講演会」
お名前・人数・返信用メールアドレスを明記して、06月18日[水]までにご送信ください。
3 営業日以内にお断りの返信が無い場合は受付完了とさせていただきます(今回の会場は狭隘です)。 なお、第3回から第6回までの複数回を受講ご希望の方はその回数をご記入ください。
*********************************************** 

株式会社 朗 文 堂   鈴木 孝
160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
電 話 03–3352-5070
伝真  03-3352-5160
email robundo@ops.dti.ne.jp
http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo
*********************************************** 
欧文書体その後チラシ・上掲図版、A4判 Z折り 4色/0色のフライヤーを用意しております[デザイン : 杉下城司]。 ご希望のかた、教育機関などで配布をご希望の皆さまは、ご遠慮無くお申し付けください。
・会場は30-40名のキャパシティです。お申し込み先着順にてご聴講できます。
・東洋美術学校には、森澤 茂氏、故小池光三氏の寄贈による貴重な小型活版印刷機がありますので、講演内容とリンクした、活版印刷のワークショップを会場内において併催いたします(アダナ・プレス倶楽部担当)。
・当日配付資料、活版ワークショップの準備などがありますので、確実に受講するためには@メールでのお申込みをお急ぎください(今回の会場は狭隘です)。
・本講演会の次回以降に関する詳細情報は、順次この <朗文堂NEWS ブログロール> のコーナーに掲載いたしますので、ご確認をお願いいたします。

【展覧会】 今田欣一の書体設計 活版・写植・DTP

文字道メーンMoji Moji Party No.7
今田欣一の書体設計 活版・写植・DTP
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◎ 会  期
2014年06月24日[火]-06月29日[日]
12時-19時 最終日は17時まで
◎ 会  場
ギャラリー華音留 http://blog.kaoru-japan.net/?p=289
113-0031 東京都文京区根津2-22-4  4F
◎  主  催
株式会社 文 字 道   http://www.mojido.com
info@mojido.com   携帯:090-4963-0599
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annaijo-ura annaijo-omote展示に関連して、今田欣一氏のトークショーを
ギャラリー近くの「不忍通りふれあい館」で行います。
■ 日    時 : 6月28日[土]14 : 00-16 : 00
■ 参加費 : 1,500円
■ 定    員 : 30名
※先着順で30名の定員になり次第締め切ります。
申込先:文字道 Tel: 090-4963-0599 E-mail: info@mojido.com

【書体使用例紹介】 「日比谷に咲いたタカラヅカの華」

宝塚告知ポスター
東京宝塚劇場会場80周年記念特別展

日比谷に咲いたタカラヅカの華

1934年、日比谷の一角に日本第一級の大劇場、東京宝塚劇場が開場し、今年で80年を迎えました。
宝塚歌劇生みの親の小林一三は、開場に際して
「我等の初舞台、朗らかに、清く正しく美しく、我等の宝塚こそ大衆芸術の陣営、家庭共楽の殿堂、おゝ、我東京宝塚劇場!」
と高らかに表明し、宝塚歌劇を上演して来ました。

しかし、戦争の激化による休場、戦後のGHQの接収などの苦難の時代を見つめてきた東京宝塚劇場も、いったん63年の歴史に幕を閉じました。
やがて、新劇場完成までの1000日間の仮設劇場を経て、2001年には新東京宝塚劇場が完成し、東京での通年公演が実現しました。
本展は東京宝塚劇場開場80周年を記念し、その80年の軌跡をポスターや写真などの公演資料でたどります。

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◎ 会   期
平成26年 4月23日[水]-6月22日[日]
休館日:5月19日[月]、6月16日[月]
◎ 開室時間
平日 10:00-20:00、土 10:00-19:00、日・祝 10:00-17:00
◎ 観 覧 料
一般300円、大学・高校生200円、区民・中学生以下、障害者手帳をお持ちの方および付き添いの方1名は無料
※住所が確認できるもの、学生証、障害者手帳をお持ちください。
◎ 協  力
阪急電鉄株式会社、宝塚歌劇団、公益財団法人阪急文化財団、株式会社宝塚クリエイティブアーツ、株式会社宝塚舞台
◎ 出品協力
東宝株式会社、一般社団法人映画演劇文化協会
【詳細情報:千代田区立日比谷図書文化館

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正調明朝体s 正調明朝体Bs 大明南京國史監 南齋書

東京宝塚劇場会場80周年記念特別展「日比谷に咲いたタカラヅカの華」展の告知メディに、「正調明朝体」の「和字:あおい 漢字:金陵M」をご使用いただきました。
【書体詳細情報:朗文堂タイプコスミイク 正調明朝体Combination 3 正調明朝体B Combination 3

「正調明朝体 金陵」は中国・南京の雅称から名づけられ、その金陵にあった大明南京国子監刊行の木版刊本『南斉書』にみられる、端正な明朝体字様を現代に再生したものです。

朗文堂タイプコスミイク販売の「正調明朝体 金陵」パッケージには、和字書体の「あおい」「きざはし」「さおとめ」それぞれに、漢字書体の正調明朝体「金陵」が標準セットになっています。
「正調明朝体 金陵」シリーズは、ながい木版刊本の歴史のなかで醸成された、適度な古拙感、すぐれた可読性と誘目性を有しており、ご好評をいただいております。
皆さまの積極的なご採用、ご使用をお待ちしております。
[書体設計:欣喜堂 今田欣一 パッケージ設計:白井敬尚形成事務所]
 

【朗文堂ブックコスミイク】 『欧文書体百花事典』普及版 刊行記念特別連続講演会 第1回

欧文書体その後チラシ梅だよりもチラホラ聞かれる昨今です。皆さまお元気でご活躍のこととぞんじます。
『欧文書体百花事典』が刊行されて10年が過ぎました。
この10年間の欧文書体研究は? 関連する研究の進展は……。
これからの『欧文書体百花事典』普及版の刊行に際して
10年前の「その後」を、各講師に6回にわたってお話しいただきます。
下記のご案内をご覧いただき、友人・知人をお誘いのうえ、ふるってご参加ください。
なお、詳細は朗文堂NEWSブログをご覧ください。
http://www.robundo.com/robundo/blog/
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『欧文書体百花事典』普及版 刊行記念特別連続講演会(全 6 回)
      第 1 回  『ボドニローマンからの変遷  Giovanni Mardersteig』
      講   師 : 片塩二朗
日 時 : 2014年3月2日(日)
      午後1時より約3時間程度(ワークショップ含む)
会 場 : 東洋美術学校 D棟1階 学生ホール
      161-0067 東京都新宿区富久町2-6
      地図は http://www.to-bi.ac.jp/access/
聴講料 :各回1,000円(要申込登録)
主  催 : 株式会社 朗文堂
後  援 : タイポグラフィ学会
        学校法人専門学校 東洋美術学校
        産学連携事務局 デザイン研究会アクティ
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[講演会申込先]
株式会社 朗文堂@メールまで  robundo@ops.dti.ne.jp
件名 「欧文書体百花事典その後 第1回講演会」
お名前・人数・返信用メールアドレスを明記して、2月27日までにご送信ください。
 3 営業日以内にお断りの返信が無い場合は受付完了とさせていただきます。
なお、第2回から第6回までの複数回を受講ご希望の方はその回数をご記入ください。
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株式会社 朗 文 堂
鈴木 孝
160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
電 話 03–3352-5070
FAX 03-3352-5160
email robundo@ops.dti.ne.jp
http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo
*****************************************************欧文書体その後チラシ

◎ 上掲図版の、A4判 Z折り 4色/0色のフライヤーを用意しております。ご希望のかた、教育機関などで配布をご希望の皆さまは、ご遠慮無くお申し付けください。
◎ 会場は30-40名のキャパシティです。また東洋美術学校には、森澤茂氏、故小池光三氏の寄贈による貴重な小型活版印刷機がありますので、講演内容とリンクした活版印刷ワークショップも併催いたします。
◎ 当日配付資料の準備、活版ワークショップの準備などがありますので、確実に受講するためには@メールでのお申込みをお急ぎください。
◎ 本講演会に関する詳細情報は、順次本コーナーに掲載いたしますので、ご確認ください。

エッ、いまごろお正月 !? 上海在住の会員が「春節休暇」でご来社に。そして「老北京のご紹介」

恭賀新年 《 2014年01月31日、上海在住のアダナ ・ プレス倶楽部会員がご来社に 》
もうすっかりお正月気分の消えた01月31日[金]、上海在住のアダナ ・ プレス倶楽部会員で、Adana-21J のユーザーでもある、畠中 結(はたけなか ゆい)さん ・ 揚 黙 (Yang Mo  1980-)さんご夫妻が来社され、「 Adana-21J 操作指導教室 」 を受講されました【リンク : YANG MO 】。

おふたりは留学先のドイツで知り合われて結婚されましたが、中国では夫婦別姓なのでそれぞれの姓をもちいておられます。 上海では畠中さんは商事会社に勤務、揚さんは版画家として活躍されています。


アトリエで作業中の揚 黙さん 同氏のWebsiteより

畠中 ・ 揚ご夫妻は、小型活版印刷機 Adana-21J を一昨年暮れにご購入されましたが、これまで来日の機会がなく、操作指導教室の受講が延び延びになっていました。
それでもこれまでにたくさんの@メールのやりとりがあり、はじめてお会いしたとはおもえないほど会話がはずみました。

また今回は、中国では入手難な活版印刷関連資材や機器もたくさんご購入。 幸い畠中さんのご実家が京都にあるため、これまでの Adana-21J などの輸送と同様に、ご実家に送付して、ほかの荷物といっしょに船便輸送となるようです。
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《 中国のお正月 ・ 春節は前年の12月中旬に政府が発表し、毎年時期がすこしずつかわります 》
畠中 ・ 揚ご夫妻が来日されたのは 「 春節休暇/旧暦のお正月休暇 」 を利用してのことでした。
詳細はわかりませんが、中国では翌年の祝日を12月中旬に法定祝日として政府が発表するそうです 【 リンク : 中国の祝日 2013年/2014年 カレンダー 】。

中国には 元旦 ・ 春節 ・ 清明節 ・ 労働節 ・ 端午節 ・ 中秋節 ・ 国慶節などの祝日があり、それぞれ 3-7 連休となることがおおいようです。
ちなみに新暦のお正月(元旦)は、中国でもやはり法定祝日は01月01日ですが、休日期間は2013年は12月30日[日]-01月01日[火]の3連休で、2014年は01月01日[水]だけが休日でした。

また国民がもっとも重要視して、郷里で家族 ・ 親戚とにぎやかにすごすことが多い 「 春節 ・ 旧暦のお正月と連休 」 は、2013年の法定祝日は02月10日[日]で、休日期間は02月09日[土]-15日[金]の7連休でした。 ところが2014年の法定祝日は01月31日[金]で、休日は01月31日[金]-02月06日[木]の7連休です。

これではカレンダーやダイアリーの製造者はたまったものではありませんね。 しかもことしは大晦日にあたる01月30日が祝日ではないために、春節元旦までの帰省を楽しみにしていたおおくの民衆から不評をかったようです 【 リンク : 上海 ロイター2013年12月記事 】。
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《 変貌著しい中国ですが、アダナ ・ プレス倶楽部コラム欄にて 「 老北京-ふるき よき 北京 」 をご紹介 》
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北京オリンピック、上海万博と、おおきなイベントが相次いで開催され、そしてついでに、勢いあまって都市公害なども話題となる昨今の中国です。
それはちょうど1960-70年代のわが国のように、活気に満ちあふれ、変化の激しい世相を現出しています。

それでも数千年の歴史を刻んできた中国では、春節を祝い、古き良きものへの関心を失っていません。

最近、中国の友人に 「 紫金城 ・ 故宮 」 内の、三層におよぶ京劇の舞台 —— かつては同時にみっつの京劇が上演され、それを皇帝をはじめ廷臣が観劇する御殿も併設されています —— をご案内いただきました。
そんなこともあって、これから数回にわたってアダナ ・ プレス倶楽部コラム欄において、「 老北京——ふるき よき 北京 」 をご紹介いたします。お楽しみください。
【 リンク : はじめての京劇鑑賞 そのⅠ 湖廣會館——アダナ・プレス倶楽部コラム 】

新宿私塾第23期寸描紹介。熱い最終盤にさしかかっています。

私塾《若手からの支持が、有馬智之さんの熱い講義 ── 新宿私塾23期 01月14日》
有馬さんは日本デザインセンターなどで活躍する若手のホープです。ところで有馬さんは新宿私塾の修了生でもあります。ですから講座の修了後は、現役の塾生諸君と和気藹藹の仲間です。
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DSCN2583 DSCN2571《開塾当時からのベテラン講師:板東孝明さん──新宿私塾23期 01月21日》
たくさんの作品事例をもとに、造形の背後にひそむ理念に焦点をあててわかりやすく製作ステップが説かれます。講座の終了後は、希望者の塾生の皆さんと、ファミレスで楽しく談笑することも定例化しています。
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《身体性をともなった造形の魅力 講師:大石薫さん ── 新宿私塾23期 02月04日》
実際に活版印刷機と、金属活字をもちいて、微細なスペーシングの技を体験します。タイポグラフィの知・技・美のすべてがギッシリと。アナログからデジタルへ、インターアクティブで実践的な手法をまなぶ講座です。
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DSCN3231 DSCN3229《新宿私塾第23期は終盤にさしかかり、熱い講座が連続しています》
昨年の秋は残暑が厳しく、年初からは寒波がくりかえし襲来する東京です。新宿私塾塾生の皆さんは、職場や学校のほかに、新宿私塾にあつまり、半年間、集中的にタイポグラフィをまなんでいます。
いよいよ最終盤です。次の第24期受講希望者のご見学も増えてきました。梅だよりもチラホラきかれるきょうですが、梅が散り、櫻の開花がまたれる03月17日まで、新宿私塾第23期は熱い毎日がつづきます。

【書体使用例紹介】東京創元社 三木笙子氏著作シリーズ

 東京創元社 の『人形遣いの影盗み』(創元推理文庫)ほか、ミステリ・シリーズ 三木笙子氏の著作 に〈正調明朝体 金陵 M あおい〉をご使用いただいております。ここにご紹介いたします。
11063223751106083165 1106160344《ご好評をいただいている正調明朝体シリーズをご紹介いたします》
「現代明朝体」には近代化の名のもとに、機械メスや電子メスが自在にはいって、直線化がすすみ、水平線と垂直線ばかりが目立って、すっかり四角四面の硬直した活字書体になってしまいました。
そんな「現代明朝体」から人間味をとりもどしたいあなたに、あるいは奇形や媚態をみせるデザイン書体にはすでに飽いたとおっしゃるあなたのために、明朝体の端正にしてもっとも原型にちかい木版字様を復刻した「正調明朝体 金陵」をおすすめします。
正調明朝体s正調明朝体Bs「正調明朝体」とはすこしおおげさな名前かもしれません。このあたらしい書体はべつに古拙感を演出した筆写体でも、奇をてらった装飾体でもありません。正調明朝体「金陵」は中国・南京の雅称から名づけられ、その金陵にあった大明南京国子監刊行の木版刊本『南斉書』にみられる端正な明朝体字様を現代に再生したものです。大明南京國史監 南齋書「正調明朝体 金陵」には伝統のたかみにある和字書体(平仮名と片仮名)三書体が標準でセットされており、ミディアム・ウエイトの 〈正調明朝体 金陵 M 〉 と、ボールド・ウエイトの 〈正調明朝体 金陵 B 〉 があり、用途に応じた選択ができます。ご愛用をお待ち申しあげます。

【書体使用例】年頭ご挨拶に使用した書体は《和字おゝことのは》アンチック体です

おゝことのは01
あけまして_朗文堂
朗文堂年頭のご挨拶は、小社コーポレートカラーの「黄色から赤までの無限の階調色」をバックとして、おおらかに、のびのびと、「和字  おゝくれたけ H 」をもちいました。
漢字書体は、これも力づよく、 「Human Sans Serif  銘石 B 」をもちいています。
【詳細見本PDF版: type cosmique 見本帳 (13.5MB)】 
※ 無料冊子型パンフレットも用意しております。 ご希望のかたはお申し出ください。
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アンチック体活字の修復・復元と、シリーズ化に成功!
和字 おゝことのは Family 9
販売価格 ¥9,450(本体価格  ¥9,000)
好評発売中!
お申込み・ご購入は、朗文堂 タイプ・コスミイク までお願いいたします。
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《和字 ことのはの原姿は、いわゆる アンチック体 和字活字です》
和字書体「ことのは」は、アメリカからもたらされた活字書体 「アンチック Antique」 と同じ名称をもち、辞書などの見出し語として用いられてきました。
欧字書体としてのアンチックの名称は、ふるくは『活版様式』(活版製造所平野富二、1876)に登場しています。また、和字・漢字をともなった日本語総合書体としては、『新撰讃美歌』(警醒社、1888)で使用されていることを内田 明氏が指摘されています。

『和字 おゝことのは Family 9 』の原姿は、『辞苑』(新村出編著、1935年初版、書香文庫蔵)の見出し語活字で、いわゆる「アンチック体」とされる和字活字にあります。幸い資料が辞書でしたから、五十音それぞれのキャラクターを抽出できました。その「アンチック体」の原姿ともいえる資料をもとに、統一感をもって整理・整頓し、ウェイトを使途にあわせて多様化し、9 種類にしたものです。
その初登場は、欣喜堂和字シリーズ第2弾として発売された『和字 Tradition 9 』に収録されて、好評を博しました。

《アンチック体と混同されがちな 太仮名由来の和字書体》
アンチック体和字は、しばしば金属活字由来の「太仮名」と混同されています。このふたつの活字書体は、ともに明治期に誕生した優れた書体ですが、アンチック体の画線は比較的均一で、太さの差異がすくない特徴があります。太仮名由来の和字書体は画線に抑揚があり、脈絡を強調する特徴がみられます。そのために、このふたつの和字書体は異なる設計意図にもとづく書体とおもわれます。簡便に見わけるためには、ひら仮名「の」の頂点がほぼ同じ太さになっているのがアンチック体、頂点が細くなっているのが太仮名活字由来の和字書体ということができます。その詳細は『ヴィネット11号 和漢欧書体混植への提案』(今田欣一  朗文堂)に報告があります。

『 和字  おゝことのは Family 9 』では、もう一度原点に立ち帰り、形象をさらに検討し、字面率をおおきめにとり、ウェイトを 9 ウェイトとしてシリーズを構築しました。
漢字書体との組み合わせは、一応参考・推奨書体はありますが、お客さまご自身が「和字・欧字・漢字」の組み合わせの妙を発揮していただくことを期待しています。
銘石Bパッケージ。デザイン:白井敬尚形成事務所

越年企画となりました。新春早早にアップいたします。

毎+水=?朗文堂 NEWS:2013年03月11日】にこんな質問を投げかけました。

上記の「字 ≒ 文字」は、ひとつの「字」です。
漢の字(漢字)というより、国字(わが国でつくられた漢風の字)、もしかしたら個人の創意、あるいはわずかなテライ、もしくは軽い諧謔ユーモアをこめてつくられた「字」かもしれません。
図版でおわかりのように、上部に「毎」をおいて、下部に「水」をおき、ひとつの「字」としたものです。

この「字 or 文・紋?」の読みかたと、ふつうの「字」の紹介は、「朗文堂タイポグラフィ・ブルグロール 花筏」に掲載するとしてきましたが、忙しさにかまけてご紹介が越年いたしました。
そのご紹介遅延のささやかなお詫びに、最近の朗文堂関連の画像情報が良くまとまっている【朗文堂花筏 画像集】をご紹介しますので、よろしければお楽しみください。
──────
もしお正月休暇を、炬燵に蜜柑でのんびりとお過ごしになるというかたは、森永チョコレートアイスクリームPARM ブランドサイト《平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン Daily Premium Calendar》をのぞいてみてください。
ここに2013年11月、15回にわたるタイポグラフィ・エッセイをしるしました。その連載5回目、11月12日掲載分 「ちょっと贅沢お作法」 が下掲の図版です。中国安陽市『文字博物館』これは「甲骨文」出土地、中国安陽市に新設された「文字博物館」です。ここでの「文字」にはちょっと注意が必要です。たしかに「文字」そのものは、中国漢代にも使用例があります。ところがその意味するところは現代日本語の「文字」とはおおきくかけはなれています。

やっかいなことですが、わたしたちはいつのまにかすっかり「文字」ということばに馴れてしまい、相当な専門書にも、「甲骨文」にかえて「甲骨文字」などとしるされています。これでよければ、青銅器などにみる「金文」は「金文字」となり、つづみ形の石に刻まれた「石鼓文セッコブン」は「石鼓文字」となるはずですね。
ですから、わたしたちにとっては、この施設は「文モン or 紋モン and 字 の博物館 ≒ もん と じ の博物館」としてとらえたほうが誤解が少ないようです。
そんな予習のためにも、炬燵・蜜柑にアイスクリームを加えていただき、下記情報をご笑覧ください。
平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン Daily Premium Calendar 2013年11月12日

活字よ 永遠に-フランス国立印刷所とサラマンダー

新タイトル3フランス国立印刷所 新ロゴ

03[1]わが家の怪獣・サラマンダーⅠ世
DSCN2165uu[1]
DSCN1880uu[1]わが家の怪獣!?  サラマンダーです。 
上ⅠⅡ) アルビノ種のウパルンⅠ世。飼育に未熟で夏の猛暑対策が不十分で短命におわりました。 
中・下) 水槽が空になってさびしかったので、9月にウパルンⅡ世(雄らしい)を、10月にウパランⅠ世(雌らしい)を購入しました。ともに旺盛な食欲ですが、給餌のとき以外はいつもドテッとしていて、運動不足が心配です。体躯は写真の倍以上になりました。無邪気であいらしいいきものです。

《フランス国立印刷所 Imprimerie Nationale の新ロゴの紹介 YouTube 1:42》
フランス国立印刷所では、先般シンボルロゴを近代化して、Websiteに動画をアップしました。同所のあたらしいシンボルロゴのモチーフは、創立以来変わらずにもちいられてきた「サラマンダー」です。

このサラマンダーにはウーパールーパーという愛称がありますが、正式には メキシコサラマンダー(Ambystoma mexicanum)とされ、もともとはメキシコの湖沼に棲む、両生綱有尾目トラフサンショウウオ科トラフサンショウウオ属に分類される有尾類だそうです。その愛称ないしは流通名がウーパールーパーとされます。

ところで、灼熱の焔からうまれるイモノの「鋳造活字」をあつかうタイポグラファとしては、こと「火の精霊 ── サラマンダー or サラマンドラ or サラマンドル」と聞くと、こころおだやかではありません。今回はフランス国立印刷所からのメッセージも届きました。

Viva la 活版 Viva 美唄タイトルデザイン04 墨+ローシェンナ 欧文:ウンディーネ、和文:銘石Buuサラマンダーとは、欧州で錬金術が盛んだった中世のころに神聖化され、パラケルススによって「四大精霊」とされたものです。
四大精霊とは、地の精霊・ノーム/水の精霊・オンディーヌ/火の精霊・サラマンダー/風の精霊・シルフです。このことは欧州ではひろく知られ、アドリアン・フルティガーは、パリのドベルニ&ペイニョ活字鋳造所での活字人としてのスタートのときに、「水の精霊/オンディーヌ Ondine」と名づけた活字を製作していました。
この欧文活字「オンディーヌ」と、和文電子活字「銘石B」 をイベントサインとしてもちいたのが《Viva la 活版 Viva 美唄》でした。
【リンク:花筏 朗文堂-好日録032 火の精霊サラマンダーウーパールーパーと、わが家のいきものたち

2008年アダナプレス倶楽部年賀状 裏2008年アダナプレス倶楽部年賀状 表アダナプレス倶楽部年賀状におけるサラマンダー

アダナプレス倶楽部では、2008年の年賀状で「活版印刷術とサラマンダーのふしぎな関係」をご紹介しました。ここにあらためて、フランス国立印刷所であたらしく再生されたシンボルロゴをご紹介いたします。
[取材・翻訳協力:磯田敏雄氏]

《Toute la vérité sur la Salamandre —— サラマンダーの事実のすべて》
フランス国立印刷所公開フライヤーより抜粋       
       考古学事典と紋章学の説明からの引用 
       1901年 ケリー・ド・ガルレー(Kelley de Galurey)
空想上のトカゲ、サラマンダーは、いつも激しい火焔と、高い火柱に囲まれている。
その形姿は、背が丸く、首と尻尾は長く、先は尖って、背中は持ち上がっていると想像されている。そして四足の足は、ギリシャ神話の グリフォン(Griffon, Gryphon) に似せて描かれている。
Griffin ウキペディアより
すなわち紋章に登場する多くのサラマンダーは、その実態とはかけ離れ、むしろ神話に描かれたサラマンダーと多くの関係がある。
神話でのサラマンダーは、怪奇な姿で、体長がながく、尖った尾を有している。四本の足は、横から見るとおなじ長さになっていて、水かきはついていなく、爪も四本の指についていない。
体はくすんだ黒色で、生生しい黄色の斑点がちりばめられている。両脇は結節で、蛇にも似た粘り気のある体液が染み出ている。
【リンク:サラマンダーのアルビノ種、ウーパールーパー画像集 —— こちらは可愛い!】
【リンク:サラマンダーの画像集 —— こちらはすこし不気味なものもあります】

神話のサラマンダーは、また、おおくの寓話につつまれている。サラマンダーは紅蓮の焔の真ん中に棲息しており、もしかまれると、つよい毒に侵されるとするものだ。
ところが真実は、サラマンダーは確かに、体表から白っぽいねばねばした体液を分泌する。その量はとても多く、もしサラマンダーを炎のなかに入れても、火の熱から身を守り、なかなか死なない。この体液には、強烈な臭いと、渋い味があるが、少しも毒性はない。
それでも奇っ怪な外観と、柔らかくべとついた躰は、ふつうは有害な生物かとおもわせる。ところが実際のサラマンダーは、害意の無い生物で、弱くて臆病であり、ほとんど耳がきこえず、目も見えないのである。

古代人は、サラマンダーを炎の表象として崇めていた。
詩人たちは、愛の価値と象徴のシンボルにした。
歴史家、考古学者たちは、逆境にあっても誠実な典型の生物と見なしていた。そして ルーバン・ジェリオ(Louvan Géliot) によれば、サラマンダーは高潔と勇気を表しているのである。フランス国立印刷所 旧ロゴ《国立印刷所の新しいロゴ —— Le nouveau logo de l’Imprimerie Nationale》
フランス国立印刷所は定款を変更して、あたらしいロゴとしてやはり「サラマンダー」の意匠を採用した。
あたらしいロゴとして、今回も神話の生物サラマンダーを選定したのは、フランス国立印刷所のながい歴史と、象徴主義にふかく結びついている。
フランス国立印刷所 新ロゴフランスヴァロワ朝、第9代フランソワ1世(François Ier de France,  1494-1547)は、フランスにルネサンスをもたらし、また1538年にフランス王室で印刷事業をはじめたひとである。フランス国立印刷所は、この年1538の創立をもってその淵源としている。
フランソワ1世は、みずからと、その印刷所の紋章として、フランス王家の伝統としての百合の花を象徴する王冠 【画像集リンク:フランス王家の紋章】 とともに、火焔のなかに棲息するサラマンダーを取りいれた。
そこにはまた、ギャラモン(Claude Garamond,  1480-1561)の活字父型彫刻による標語を付与した。
「Je me nourris de Feu et je L’éteins   意訳:吾は火焔をはぐくみ、それを滅ぼす」

このサラマンダーは何世紀もの歴史のなかで、すこしずつ意匠をかえて、フランス国立印刷所の紋章としてもちいられてきた。それらの意匠変遷の記録のすべてはフランス国立印刷所にのこされているが、21世紀のはじめに、どれもが幾分古ぼけた存在とみなされ、それを「モダナイズ」する計画がもちあがり、フランス国立印刷所のデザインチームが改変にあたった。

その結果よみがえったサラマンダーは、フランス国立印刷所の伝統を継承しつつ、かぎりなく前進をつづける、あたらしいフランス国立印刷所のシンボルとして再生された。

一枚だけのカレンダー。師走です-お疲れでしょうから、森永アイスクリーム『パルム』は如何ですか

日本人の知らない「文字のはなし」 日本で使われている「文字」というコトバ 中国では「文」と「字」は別のものなのです
中国料理店で寄り道 グルメな書家 蘇軾 美味しい、美味しい、トウロンポウ 書にまつわる美味しいおはなし

平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン
【森永乳業 Daily Premium Calender 】

渋いオジサン-寺尾聡というと、わたしの世代では「ルビーの指輪」が印象的です。
その寺尾聡が TV CM に登場して「ワォ~」と叫んでいるのが森永乳業のアイスクリーム「PARM」です。「PARM」は人気商品で、累計10億本を越える販売実績があるそうです。
─────
森永乳業の巨大な Website のなかに、平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン
「 Daily Premium Calender 」があります。 
── タイポグラフィと活版印刷 ──
{文字とは文化と歴史の結晶 それは「知」と「技」と「美」の総合技芸} と題して、11月の毎週月曜日-木曜日[祝日はのぞく]、都合15 回にわたって、片塩と朗文堂 アダナプレス倶楽部:大石の共著のかたちで連続エッセイを担当いたしました。

なにしろコンテンツの豊富なWebsiteですし、トップ画面はすでに12月のカレンダーに切りかわっています。11月だけの連載でしたが、スタートの月曜日が祝日で、11月5日[火]からのスタートで、11月28日[木]が最終回となりました。
Websiteの常で、情報はアーカイブに収納されましたので、そこへのご案内をリンクしました。2013年11月の「 Daily Premium Calender 」をご笑覧たまわりますようお願いいたします。
パルムuu

【 目 次 】
── タイポグラフィと活版印刷 ──
{文字とは文化と歴史の結晶 それは「知」と「技」と「美」の総合技芸} 

  • 11月05日[火] 第01回 スタート 
    新しい活版造形者とともに 『VIVA!! カッパン♥』
      活版ルネサンスと
      身体性をともなった「ものづくり」の歓び 
  • 11月06日[水] 第02回
    活版印刷 水 紀行
      それは河畔の街からはじまった……
      活版印刷術と水にまつわる物語
  • 11月07日[木] 第03回
    こころを豊にする短歌講座
      贅沢短歌  本木昌造(永久 ナガヒサ)、池原 奞(シュン、香穉 カワカ)
  • 11月11日[月] 第04回
    日本近代化のパイオニア 『平野富二伝』
      近代化の影の立役者「活版印刷術」
      平野富二の生涯から明治の男の気骨を知る
  • 11月12日[火] 第05回
    日本人の知らない 「文字のはなし」
      日本で使われている「文字」というコトバ
      中国では「文」と「字」は別のものなのです。
  • 11月13日[水] 第06回
    「豚」+「柿」+「ミカン」=「諸事大吉」
      笑う門には福来たる?
      ユーモアあふれる吉祥文
  •  11月14日[木] 第07回
    ゆっくり急げ!
      イルカと錨。亀と龍。
      相反する事物の意味は?
  • 11月18日[月] 第08回
    彫られた文字  石のエクリチュール
      堅牢な石に彫られた碑文
      その軌跡をたどり、文字の歴史を知る
  • 11月19日[火] 第09回
    グルメな書家 蘇軾ソショク 中国料理店で寄り道
      美味しい、美味しい、トウロンポウ
      書にまつわる美味しいおはなし
  • 11月20日[水] 第10回
      An essay of the typography.
        ところで、タイポグラフィって何でしょう?
  • 11月21日[木] 第11回
    贅沢短歌  心を豊かにする短歌講座
      現代日本人の多くは、残念ながら
      150年以上前の書物をスラスラとは読めません。
  • 11月25日[月] 第12回
    印刷用の書体 明朝体と宋朝体《前編》
      活字書体の「明朝体」って
      中国の文字ではないの?
  • 11月26日[火] 第13回
    印刷用の書体 明朝体と宋朝体《後編》
      活字書体の「明朝体」って
      明の時代の文字ではないの?
  • 11月27日[水] 第14回
    分子生物学からみるメディア論
      DNA と活版印刷術
      実はこのふたつ、とても似ているのです
  • 11月28日[木] 第15回 最終回 
    活字よ 永遠に――――
      ウーパールーパーとサラマンダー
      活版印刷術とのふしぎな関係 

Weekend 情報:今週も頑張ったあなたに アイスクリーム《パルム》はいかがですか。

 パルムuu

 平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン
【森永乳業 Daily Premium Calender 】

渋いオジサン-寺尾聡 テラオサトシ というと、わたしの世代では「ルビーの指輪」が印象的です。
その寺尾聡が TV CM に登場して「ワォー」と叫んでいるのが森永乳業のアイスクリーム
「PARM パルム」です。「PARM」は人気商品で、累計10億本を越える販売実績があるそうです。
─────
森永乳業の巨大な Website のなかに、平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン
Daily Premium Calender 」があります。 
その担当者から、「知ると面白いけれど、ふつうは気に留めたことがない」ことがらを
ひと月担当せよとのご下命が。
テーマは入門編とするが、ひと月まるごと読みすすめば、マニアも納得するコンテンツを。
しかも主たるターゲットは女性とのことでした。ウ~ンなかなか難しい。

「らしくない」のは承知ですから、最初は辞退したのですが、担当者のご熱意に負けて
{文字とは文化と歴史の結晶 ── タイポグラフィと活版印刷 ──
それは 「知」と「技」と「美」の総合技芸}
と題して、11月の月曜日-木曜日[金・土・日曜日はのぞく]都合15回にわたり
わたくし片塩と、朗文堂 アダナプレス倶楽部:大石の共著のかたちで
連続エッセイをアップしています。

なにしろコンテンツの豊富なWebsiteですから、まずはリンクから入ってご覧ください。
11月だけ15 回の連載ですが、折り返しの 7 回目までがアップされました。
ぜひとも「 Daily Premium Calender 」をご覧いただき、友人・知人にもご紹介
たまわりますようお願いいたします。

2013年11月

「豚」+「柿」+「ミカン」=「諸事大吉」 笑う門には福来たる? ユーモアあふれる吉祥文

近刊『平野富二伝』古谷昌二編著 第一章 誕生から平野家再興まで -立神ドッグ建碑由来の説明板の紹介

立神ドック建碑2uu立神ドック建碑1uu写真) 三菱重工業株式会社長崎造船所 史料館提供

《三菱重工業長崎造船所にある立神ドッグ建碑由来の説明板》
長崎造船所とは、長崎県長崎市と諫早市イサハヤシにある三菱重工業の造船所・工場のことです。正式名称は三菱重工業株式会社長崎造船所。地元長崎では、もっぱら「長船 ながせん」の名で親しまれています。
ここに本格的な洋式造船所が設けられた歴史はふるく、時局下にあっては戦艦武蔵が建造され、最近では2002年に艤装中の豪華大型客船「ダイヤモンド・プリンセス」が火災をおこしたことなどでも知られます。

上掲写真は、三菱重工業長崎造船所本工場の立神通路の壁面に設置されている『建碑由来』説明板の写真です。この説明板の中央右寄りに、「立神ドック略歴」とあり、それに続いて平野富二の事績がしるされています。

「立神ドック略歴  明治三年(一八七〇)長崎製鉄所長平野富二乾ドック築工を民部省に建議、許可となり着工。同四年(一八七一)一時工事中止。明治七年(一八七四)フランス人ワンサンフロランを雇入れ築工工事再開。 明治一二年(一八七九)工事完成。(長さ一四〇米、巾三一米、深さ一〇米 当時東洋一)   (後略)  昭和四三年(一九六八)三月   三菱重工業株式会社長崎造船所」

これに補足しますと、
「慶応元年(1865)7月に立神軍艦打建所として用地造成が完了しましたが、当地における軍艦建造が取止めとなり、そのまま放置されていました。 明治2年(1869)になって、平野富二が民部省にドックの開設を建議し、民部省の認可が下りました。同年11月20日、平野富二が「ドック取建掛」に任命され、直ちに着工しました。しかし明治4年(1871)4月、長崎製鉄所が工部省の所轄となるに及んで、平野富二は長崎製鉄所を退職し、工事は中止されました」[古谷昌二]

平野富二(1846-91)は長崎出身で、活字と活版印刷関連機器製造「東京築地活版製造所」と、造船・機械製造「石川島造船所」を設立したひとです。
残念ながら、東京築地活版製造所はよき後継者を得ずに1938年(昭和13)に解散にいたりましたが、造船・機械製造「石川島造船所」は隆盛をみて、こんにちでは株式会社 IHI として、三菱重工業とは競合関係にある巨大企業です。

この地におおきな造船所がつくられた歴史を簡略にしるします。
1857年(安政4年)  江戸幕府直営「長崎鎔鉄所」の建設着手。
1860年(万延元年)  「長崎製鉄所」と改称。
1861年(文久元年)  完成。
1868年(明治元年)  官営「長崎製鉄所」となる。
1871年(明治4年)  工部省所管「長崎造船局」と改称[このとき平野富二は退職]。
1879年(明治12年)  立神第一ドック完成。
1884年(明治17年)  三菱の経営となる。「長崎造船所」と改称。

あわせて平野富二(富次郎 1846-91)のこの時代の行蔵を簡略にしるしましょう。
長崎にうまれた平野富二は、この三菱重工業長崎造船所の前身、長崎製鉄所とは16歳のときから関係をもちました。まず1861年(文久元)長崎製鉄所機関方見習いに任命され、教育の一環として機械学の伝習を受けていました。このころは飽の浦に建設された長崎製鉄所の第一期工事が完成して間もないころでした。

1869年(明治2)平野富二が民部省[1869年(明治2)に設置された中央官庁。土木・駅逓・鉱山・通商など民政関係の事務を取り扱った。1871年廃止されて大蔵省に吸収された]にドックの開設を建議し、民部省の認可が下りました。同年11月20日、「ドック取建掛」に任命され、直ちに工事に着工しました。しかし、1871年(明治4)4月長崎製鉄所が 工部省 の所轄となるに及んで、平野富二は退職し、工事は中止されました。

長崎製鉄所を退職したのち、1872年(明治5)7月から、本木昌造の再再の懇請により活字版印刷事業に着手し、東京に出て、1873年(明治6)から活字製造と活版印刷機器の製造「のちの東京築地活版製造所」で成功して資金をつくり、あわせて幕末に水戸藩が設けた石川島修船所の敷地を借りるかたちで、念願の造船業「石川島造船所」の事業に1876年(明治9)31歳のときに進出しました。
────────
造船業者や船乗りは「板子一枚下は地獄」とされ、きわめて危険な職業であることの自覚があるようです。ですからライバル企業「石川島造船所」現在の IHI の創業者「平野富二」の名を、自社の主力ドッグである立神ドックにその名を刻した、三菱重工業長崎造船所のみなさんの心意気にこころをうたれます。

上掲写真は、2001年「平野富二没後110年祭」に際して、列席された長崎造船所史料館からいただいたものです。ここは巨大工場の最奥部にあり、危険もあり、情報管理の面からも一般人の見学はゆるされていません。したがってこの写真が公開されたことはあまりないようです。
同社はまた『創業150周年記念  長船ナガセンよもやま話』(三菱重工業長崎造船所 平成19年10月 p.22-23)の見開きページで、「立神に巨大ドッグを 壮大な夢を抱いた平野富二、工事現場での大ゲンカ仲裁も」として、イラストと写真入りで紹介しています。
このとき平野富二は25歳という若さで、2-3,000人の労働者の指揮にあたっていました。

平野富二武士装束uu

平野富二(富次郎)が長崎製鉄所を退職して、活版印刷の市場調査と、若干の活字販売のために上京した1871年(明治4)26歳のときの撮影と推定される。
知られる限りもっともふるい平野富二像。旅姿で、丁髷に大刀小刀を帯びた士装として撮影されている。
廃刀令太政官布告は1876年(明治9)に出されているが、早早に士籍を捨てた平野富二が、いつまで丁髷を結い、帯刀していたのかは不明である(平野ホール所蔵)。

建設中の立神ドッグ

開鑿中の立神ドック
本図は、横浜で発行された英字新聞「ザ・ファー・イースト」(1870年10月1日)に掲載された写真である。 和暦では明治3年9月7日となり、平野富二(富次郎)の指揮下で開始されたドック掘削開始から、ほぼ 9 ヶ月目に当たる状態を示す。 この写真は、長崎湾を前面にした掘削中のドライドックの背後にある丘の上から眺めたもので、中央右寄りにほぼ底面まで掘削されたドッグが写されている[古谷昌二]。

考察13 開鑿ニ着手 明治二年(一八六九)一一月二〇日、製鉄所頭取青木休七郎、元締役助平野富次郎、第二等機関方戸瀬昇平は、「ドック取建掛」に任命され、続いて頭取助品川藤十郎と小菅掛堺賢助も要員に加えられた。 この中で筆頭の製鉄所頭取青木休七郎は名ばかりで、実質的な責任者は平野富次郎であった。 この時の製鉄所辞令が平野家に残されている。 「平野富次郎  右ドック取建掛  申付候」[古谷昌二]。 

任命状

  平野富次郎  右ドック取建掛  申付候図 ドック取建掛の辞令
本図は、平野家に保管されている平野富次郎に宛てた長崎製鉄所の辞令である。この辞令の用紙サイズは、高さ174㎜、幅337㎜で、ここに書かれている巳十一月とは明治2年(1869)11月(和暦)であることを示している[古谷昌二]。

長崎縣権大属任免状uu 

平野富次郎の長崎縣権大属任免状 
本図は、平野家に保管されている平野富次郎に宛てた長崎縣の任免状である。 この任免状の用紙サイズは、高さ187㎜、幅519㎜である。 最終行の「長崎縣」と書いた上部に小さく、「庚午 閏十月十六日」と記されており、明治3年(1870)閏10月16日の日付であることが分かる[古谷昌二]。
──────────
このような著述をなした『平野富二伝』編著者:古谷昌二氏の講演会と、ここに紹介した平野家所蔵品の展示会を予定しております。
下記の情報をご覧いただき、ぜひともご参加ください。

 『平野富二伝』刊行記念 展示・講演会のお知らせ

【朗文堂タイプコスミイク 書体使用例紹介】国宝興福寺仏頭展 東京藝術大学美術館

気にしていながらなかなか行けない展覧会が、《国宝 興福寺 仏頭展》、東京藝術大学美術館でした。
同展は2013年09月初旬-11月中旬と会期が比較的ながく、そのうちに行こうとおもっているうちに、いつのまにか、のこりの開催期間が少なくなっていました。国宝興福寺仏頭展《国宝 興福寺 仏頭展》の告知の一部に、小社販売の「四川宋朝体 龍爪」がもちいられていることは、はやくから友人の情報で知っていましたが、訪館の機会を逸しつつ時間だけが経過しました。
きょう(2013年11月01日)都営地下鉄に乗車したところ、《国宝 興福寺 仏頭展》の中吊り広報物を発見してカメラでパチリ。
なにぶん機械オンチで、つり革は邪魔をするし、黒ベタの一部がテカっているのはご容赦を。
────────────────
ということで、画像の品質に嘆いていたら、友人からの助け船が。これなら「四川宋朝体 龍爪」の魅力がバッチリです。やはり、持つべきものは、よき友人ですね。ありがとうございました。
国宝 興福寺仏頭展 東京藝術大学美術館

興福寺創建1300年記念
《国宝 興福寺 仏頭展》
────────────────
会   期  2013年09月03日-11月24日
開館時間  110:00-17:00
休  館  日  毎週月曜日
        (特別開館、閉館があります。詳細はWebsiteで確認を)
会   場  東京藝術大学美術館
        東京都台東区上野公園12-8
主   催  東京藝術大学
        法相宗大本山興福寺
        日本経済新聞社

【東京藝術大学:興福寺創建1300年記念 国宝 興福寺 仏頭展 】
【朗文堂タイプコスミイク:四川宋朝体 Combination 3 龍爪

四川宋朝体 龍爪

森永乳業 PARM Daily Premium Calender 11月の連載

パルム パッケージ 

平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン
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渋いオジサン-寺尾聡というと、わたしの世代では「ルビーの指輪」が印象的です。
寺尾聡が TV CM に登場して「ワォ~」と叫んでいるのが森永乳業のアイスクリーム
「PARM」です。「PARM」は人気商品で、累計10億本を越える販売実績があるそうです。
─────
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その担当者から、「知ると面白いけれど、気に留めたことがない」、タイポグラフィに関する
ことがらを
ひと月担当せよとのご下命が。
テーマは入門編とするが、ひと月まるごと読みすすめば、マニアも納得するコンテンツを。
しかも主たるターゲットは女性とのことでした。 ウ~ンなかなかに難しい。
─────
「らしくない」のは承知ですから、最初は辞退したのですが、担当者のご熱意に負けて

── タイポグラフィと活版印刷 ──
{文字とは文化と歴史の結晶 それは「知」と「技」と「美」の総合技芸} と題して
11月の毎週月曜日-木曜日[祝日はのぞく]、都合15 回にわたって
わたくし片塩と朗文堂 アダナプレス倶楽部:大石の共著のかたちで
連続エッセイを担当することになりました。

なにしろコンテンツの豊富なWebsiteですから、まずはリンクから入ってご覧ください。
11月だけの連載ですが、スタートの月曜日が祝日で、11月5日[火]からとなります。
ぜひとも「 Daily Premium Calender 」をご覧いただき、友人・知人にもご紹介
たまわりますようお願いいたします。

2013年11月

【朗文堂タイプコスミイク 書体使用例紹介】『アイデア 353』特集に《硬筆風細明朝 杉明朝体》をご使用いただきました!

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【「ザック・カイズとの共同制作」詳細PDF版 『アイデア』編集部提供】 
『アイデア 353』特集に《硬筆風細明朝 杉明朝体》をご使用いただきました!

『アイデア 353』(誠文堂新光社、2012)に、「ザック・カイズとの共同制作」(p.197-220)の特集ページが掲載されました。この特集に使用された和文デジタルタイプは「杉本幸治制作 硬筆風細明朝 杉明朝体」(朗文堂タイプコスミイク発売)、欧文デジタルタイプは「Dear Sir / Madam」でした。

基本組版設計は、文字サイズ12Q、行送り18H(半角アキ)となっているそうです。
ここに誠文堂新光社『アイデア』編集部と、白井敬尚形成事務所の協力をいただいて、「杉明朝体」の書体使用例紹介をいたします(掲載図版詳細は上掲 の PDF 版でごらんください)。
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【杉明朝体と製作者:杉本幸治】
書体製作者・杉本幸治(1927-2011年)がのこした活字書体は、三省堂勤務時代の金属活字書体製作にはじまり、晃文堂明朝体、リョービ本明朝シリーズなどがありますが、その最晩年に、万感のおもいをこめて製作したデジタルタイプが「硬筆風細明朝 杉明朝体」でした。
【杉明朝体 詳細紹介 PDF版を含みます:朗文堂タイプコスミイク 杉明朝体】
【杉本幸治紹介:タイポグラフィ・ブルグロール 花筏 杉本幸治三回忌にあたって

【杉明朝体製作者:杉本幸治(1927年04月27日-2011年03月13日) 紹介】
1927年(昭和02)04月27日、東京都台東区下谷うまれ。
東京府立工芸学校(3-5年履修制の産学協同による特殊な実業学校。現東京都立工芸高等学校にその一部が継承された)印刷科卒。

終戦直後の1946年( 昭和21)印刷・出版企業の株式会社三省堂に入社。今井直一専務(イマイ-ナオイチ 1896-1963年05月15日 のち社長)の膝下にあって、本文用明朝体、ゴシック体、辞書用の特殊書体など、金属活字書体の設計・開発と、米国直輸入の機械式活字父型・母型彫刻システム(俗称:ベントン、ベントン彫刻機)の管理に従事し、書体研究室、技術課長代理、植字製版課長を歴任した。

またその間、今井専務の「暗黙の指示と黙認」のもとに、株式会社晃文堂(のち・株式会社リョービ印刷機販売 → リョービイマジクス株式会社。2011年11月同社デジタルタイプ部門が株式会社モリサワに移譲され、モリサワMR事業部 → 株式会社タイプバンク となった)の「晃文堂明朝体」の開発と、「晃文堂ゴシック体」の改刻に際して援助を重ねた。

1975年三省堂が苦境におちいり、会社更生法による再建を機として、48歳をもって三省堂を勇退。その直後から細谷敏治氏(1914年うまれ)に請われて、日本マトリックス株式会社に籍をおいたが2年あまりで退社。
【細谷敏治氏詳細:花筏 タイポグラファ群像*003 細谷敏治氏

そののち「タイポデザインアーツ」を主宰するとともに、謡曲・宝生流の師範としても多方面で活躍した。
金属活字「晃文堂明朝体」を継承・発展させた、リョービ基幹書体「本明朝体」写植活字の制作を本格的に開始。以来30数年余にわたって「本明朝ファミリー」の開発と監修に従事した。

2000年から硬筆風細明朝体の必要性を痛感して「杉明朝体」の開発に従事。2009年09月株式会社朗文堂より、TTF版「硬筆風細明朝 杉明朝体」発売。同年11月、OTF版「硬筆風細明朝 杉明朝体」発売。

特発性肺線維症のため2011年03月13日(日)午前11時26分逝去。享年83
浄念寺(台東区蔵前4-18-10)杉本家墓地にねむる。法名:幸覚照西治道善士 コウガク-ショウサイ-ジドウ-ゼンジ。


東日本大震災の襲来の翌翌日、2011年03月13日、特発性肺線維症 のため入退院を繰りかえしていた杉本幸治氏が永眠されました。
杉本氏は、わが国戦後活字書体史に燦然と輝く、リョービ基幹書体「本明朝体」をのこしました。また畢生ヒッセイの大作「硬筆風細明朝 杉明朝体」を朗文堂にのこされました。
わたしどもとしては、東日本大震災の混乱の最中に訃報に接し、万感のおもいでした。
これからは30年余におよぶ杉本氏の薫陶を忘れず、お預かりした「杉明朝体」を大切に守り育ててまいりたいと存じます。

在りし日の杉本幸治氏を偲んで

杉明朝体はね、構想を得てから随分考え、悩みましたよ。
その間に土台がしっかり固まったのかな。
設計がはじまってからは、揺らぎは一切無かった。
構造と構成がしっかりしているから、
小さく使っても、思い切り大きく使っても
酷使に耐える強靱さを杉明朝はもっているはずです。
若い人に大胆に使ってほしいなぁ。

-杉本幸治 83歳の述懐-

上左)晃文堂明朝体の原字と同サイズの杉明朝体のデジタル・データー
上右)晃文堂が和文活字用の母型製作にはじめて取り組んだ金属活字「晃文堂明朝」の原字。
(1955年杉本幸治設計 当時28歳。 原寸はともに2インチ/協力・リョービイマジクス)

杉本幸治愛用の雲形定規

ふたつの 「書」 の図版を掲げました。かたや1955年、杉本幸治28歳の春秋に富んだ時期のもの。こなたは70歳代後半から挑戦した新書体「杉明朝体」の原字です。

杉本幸治は2003年から、骨格の強固な明朝体の設計を意図して試作を重ねました。基本設計意図は、杉本が青春期を過ごした、三省堂の辞書に用いられたような、本文用本格書体の製作が狙いでした。
現代の多様化した印刷用紙と印刷方式を勘案しながら、紙面を明るくし、判別性を優先し、可読性を確保しようとする困難な途への挑戦となりました。制作に着手してからは、既成書体における字体の矛盾と混乱に苦慮しながらの作業となりました。名づけて「硬筆風細明朝 杉明朝体」の誕生です。

制作期間は実質6年の長期に及び、厳格な字体検証を重ね、ここに豊富な字種をともなった「硬筆風細明朝 杉明朝体」を完成させました。
痩勁ながらも力感ゆたかな画線が、縦横に文字空間に閃光を放ちます。
爽風が吹き抜けるような明るい紙面には、濃い緑の若葉をつけた杉の若木が整然と林立し、ときとして、大樹のような巨木が、重いことばを柔軟に受けとめます。
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【お願い】
朗文堂タイプコスミイクでは、単に書体製作、監修、販売にあたるだけではなく、デジタルタイプの効果的な展開と普及のために、当該書体の使用例を本欄にて順次紹介しております。ユーザーの皆さまからの積極的な情報ならびに資料提供をお待ちしております。
なお勝手ながら、本Websiteでの紹介にあたり、権利関係の調整と許諾は、情報ご提供者様のほうで事前に済ませてからのご提供をお待ち申しあげます。