ヴィネット02号 増刷版 『中国の古典書物』
著 者 林 昆 範 リン-クンファン
装 本 B5判 並製本 112頁
発 売 2014年06月24日
定 価 本体2,500円+税
ISBN978-4-947613-89-9
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文字の発生期から印刷術の発明へ。
悠久の歴史を有する中国の書物の歴史に、気鋭の研究者が挑んだ力作。
文字と書物は、なにを、どのように伝達してきたのか。
ヴィネット02号 『 中国の古典書物 』 林 昆範
ヴィネット06号 『 元明体と明朝体の形成 』 林 昆範
ヴィネット09号 『 楷書体の源流をさぐる 』 林 昆範
ヴィネット10号 『 開成石経 』 共著/グループ昴
へとつづいた林 昆範 著作シリーズ、最初の02号の改訂増刷版です。
◎ 著者紹介
林 昆範 リン クンファン
1967年、台湾・台北市うまれ。 日本大学博士課程芸術専攻修了 芸術学博士。
台湾・中原大学商業設計学科学科長、銘伝大学助教授。
台湾・中原大学助教授、同大学文化創意研究センター主任。
タイポグラフィ学会会員。
◎ 本書の内容(目次より)──────
【刻写から印刷への進化】巻
一 前言と背景
二 歴史的展開
[彫刻の書物と文字]篇
三 早期の「書物」
四 不滅の「書物」
[書写の書物と文字]篇
五 書物の完成
六 紙の書物
[印刷の書物と文字]篇
七 印刷の登場
【宋朝の時代における書物】巻
一 前言と背景
二 印刷の隆盛期
三 宋刊本の出版的属性
四 宋刊本の地方的属性
五 冊葉装と宋刊本の版式
版匡/界行/行款/版心/魚尾/象鼻/耳格
六 書写の延長としての印刷書体
七 狭義と広義の「宋朝体」書体
八 書風による書体デザイン
◎南宋時代の主な印刷産業の分布図
◎中国歴代王朝の一覧表
◎おもな参考文献と図版引用一覧
◎ 朗文堂ブックコスミイクから愛読者の皆さまへ ──────
タイポグラフィジャーナル<ヴィネット>シリーズは、ヴィネット創刊準備00号『櫻痴、メディア勃興の記録者』(2001年12月10日)からはじまり、ヴィネット14号『TYPOGRAPHY KALEIDOSCOPE-文字の万華鏡』(2005年09月27日)まで、ほぼ05年間に全15冊を刊行してまいりました。
折悪しくこの間は製紙業界の再編と統廃合が激甚で、<ヴィネット>のビジュアルイメージとして表紙用紙に採用していた、しぼのある<バーントシエナ>が廃色となり、その代替として選定した用紙も、メーカーの統合のために廃色・廃版となることが二度におよび、出鼻をくじかれたおもいがしたものです。
組版システムと組版ソフトウエアも大きく変化し、初期のデータは現在では廃棄されてしまった業務専用組版機であったり、組版ソフト PageMaker であったために、たかだか10余年ほど前のデーターでも、再使用にはおおきな困難がありました。
もちろん図書全体の販売衰退のかたむきと、デジタル軽便メディアの普及といった逆風もございました。
それにもかかわらず、多くの愛読者様と、一部の意欲ある書店様から、<ヴィネット>叢書にたいする継続刊行の要望が続いておりました。
なかでも林 昆範『中国の古典書物』は、文字の発生期から印刷術の発明へ、そして、悠久の歴史を有する中国の書物の成立と発展の歴史にせまる好著であり、刊本学/版本学/図書学/印刷史学といった多方面の読者様から増刷の要望がよせられておりました。
そんなご要望にお応えし、今般改訂版として増刷にあたるとともに、タイポグラフィジャーナル<ヴィネット>の、無理のない継続刊行に踏み切る準備にはいっております。
ご高承のように、現下の印刷・出版界は寒風の吹きすさぶ、きびしい環境下にございます。したがって読者の皆さまのご支持とご支援をたよりに、ゆっくりとあゆんでまいる所存でございます。