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毎+水≒ひとつの字です。なんと読みますか? 設問編と回答編

毎+水=?

【 設 問 編 : 朗文堂花筏 2013年12月31日

朗文堂ニュース 2013年03月11日】に、上掲の図版を掲げて、皆さんに質問を投げかけました。
おりしも年度末、慌ただしいときでした。
回答は、【朗文堂 タイポグラフィ・ブログロール 花筏】で報告するとしていましたが、忙しさにかまけ、いつの間にか忘れていました。
その回答のため、設問編を少し加除添削して、あらたな「設問編」として上記花筏にアップしました。ブログロールの性質上、ふるい資料ほど下部に入っていますので、まず上記リンクから「設問編」をお読みください。

毎+水=?
【 回 答 編 : 朗文堂花筏 2014年01月04日

空海回答はこちらにアップいたしました。
─────── まぁ お気軽に、わらってお読みください ───────

越年企画となりました。新春早早にアップいたします。

毎+水=?朗文堂 NEWS:2013年03月11日】にこんな質問を投げかけました。

上記の「字 ≒ 文字」は、ひとつの「字」です。
漢の字(漢字)というより、国字(わが国でつくられた漢風の字)、もしかしたら個人の創意、あるいはわずかなテライ、もしくは軽い諧謔ユーモアをこめてつくられた「字」かもしれません。
図版でおわかりのように、上部に「毎」をおいて、下部に「水」をおき、ひとつの「字」としたものです。

この「字 or 文・紋?」の読みかたと、ふつうの「字」の紹介は、「朗文堂タイポグラフィ・ブルグロール 花筏」に掲載するとしてきましたが、忙しさにかまけてご紹介が越年いたしました。
そのご紹介遅延のささやかなお詫びに、最近の朗文堂関連の画像情報が良くまとまっている【朗文堂花筏 画像集】をご紹介しますので、よろしければお楽しみください。
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もしお正月休暇を、炬燵に蜜柑でのんびりとお過ごしになるというかたは、森永チョコレートアイスクリームPARM ブランドサイト《平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン Daily Premium Calendar》をのぞいてみてください。
ここに2013年11月、15回にわたるタイポグラフィ・エッセイをしるしました。その連載5回目、11月12日掲載分 「ちょっと贅沢お作法」 が下掲の図版です。中国安陽市『文字博物館』これは「甲骨文」出土地、中国安陽市に新設された「文字博物館」です。ここでの「文字」にはちょっと注意が必要です。たしかに「文字」そのものは、中国漢代にも使用例があります。ところがその意味するところは現代日本語の「文字」とはおおきくかけはなれています。

やっかいなことですが、わたしたちはいつのまにかすっかり「文字」ということばに馴れてしまい、相当な専門書にも、「甲骨文」にかえて「甲骨文字」などとしるされています。これでよければ、青銅器などにみる「金文」は「金文字」となり、つづみ形の石に刻まれた「石鼓文セッコブン」は「石鼓文字」となるはずですね。
ですから、わたしたちにとっては、この施設は「文モン or 紋モン and 字 の博物館 ≒ もん と じ の博物館」としてとらえたほうが誤解が少ないようです。
そんな予習のためにも、炬燵・蜜柑にアイスクリームを加えていただき、下記情報をご笑覧ください。
平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン Daily Premium Calendar 2013年11月12日

【展覧会】向井周太郎 世界プロセスとしての身振り

向井展チラシ表1

向井展フライヤーウラ[資料提供:武蔵野美術大学教授、新宿私塾講師、板東孝明氏]
【詳細情報:武蔵野美術大学美術館 図書館

向井周太郎 世界プロセスとしての身振り
Shutaro Mukai
Gesture -Miburi- as World process

会  期|2013年9月17日[火]-11月16日[土]
休館日|日曜日、祝日
              *9/23[月]、10/27[日]、11/4[月]は特別開館
時  間|10:00-18:00
              *土曜日、特別開館日は17:00閉館
入館料|無 料
会  場|武蔵野美術大学美術館 アトリウム2
主  催|武蔵野美術大学 美術館・図書館
共  催|武蔵野美術大学 造形研究センター
協  力|武蔵野美術大学 基礎デザイン学科研究室
助  成|公益財団法人 野村財団
監  修|向井周太郎(同学名誉教授)
共同監修|ミヒャエル・エールホフ
                 (ケルン・インターナショナル・スクール・オブ・デザイン教授)
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2000年にドイツ・ボンの国際展に出品された作品「世界プロセスとしての身振り」を展示。古今東西の「身振り」にまつわる図像で構成された本作によって、向井周太郎名誉教授のデザイン哲学を視覚的に紹介する。

【展覧会概要】
このたび武蔵野美術大学 美術館・図書館では、同学名誉教授である向井周太郎氏のデザイン哲学が凝縮された作品「世界プロセスとしての身振り」を紹介する展覧会を開催いたします。

本作品は、2000年、ドイツで行われたハノーファー万国博覧会の併設事業として、ボンのドイツ連邦共和国アート&エキジビションホールで開催された「今日は明日-経験と構成の未来」展に出品されました。

シルクスクリーンプリント30点から成る本作は、向井氏自身の手によって集められた古今東西の図像が、その論考とともにテーマ毎に構成されています。人間身体(ミクロコスモス)の「身振り」と、大自然(マクロコスモス)の「身振り」を探る内容となっており、向井氏のデザイン学の基盤を形成する「形態学(モルフォロギー)思考」が凝縮されています。

本展では、向井氏の監修に加えて、ドイツでの展覧会においてキュレーションを務めたケルン・インターナショナル・スクール・オブ・デザイン教授のミヒャエル・エールホフ氏を共同監修に迎え、当時と同様に書物に見立てられた空間として当館アトリウムに作品を設置します。

「中空に吊られた30枚のパネルが、空間のなかにひとつのパサージュとして本宇宙を形成する」というドイツ展での向井氏のコンセプトは、本展においても吹き抜けの、まさにパサージュといえる空間に展示されることで、より明確に体感できることでしょう。

現在も活躍する両氏の監修による本展は、2000年の再現にとどまることなく、現在の問いかけとして発信されます。さらに、作品への理解を深めるために評論家やデザイナーなど10名以上の著者による論考を収録した図録の刊行やトークイベントを予定しており、向井氏を中心としたデザイン学の対話を活発に行われるでしょう。
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……デザイン……それは、「生」の全体性としての生活世界の形成であり、世界プロセスの新しい身振りとしての生態美(das Öko-Schöne)の形成であるともいえる。まさに、ここに新世紀におけるデザインという行為の新たな課題の地平が開かれている。
この「身振り」は、すでに見てきたように、人間のさまざまな表現運動や、動物の行動や、自然や世界の生成リズムを包含可能な概念である。しかもこの概念は、世界のさまざまな現象や専門性を横断し、私たちの原記憶や自己と世界の再生への想像力を喚起してくれるものである。
―― 向井周太郎

【出展作家紹介】
向井周太郎
1932年生まれ。インダストリアル・デザイナー。早稲田大学商学部卒業後、ドイツ・ウルム造形大学でデザインを専攻。
同大学およびハノーファー大学インダストリアル・デザイン研究所のフェローなどを経て、武蔵野美術大学に基礎デザイン学科を設立し、新しいタイプの人材の育成と、デザイン学の形成に力を注ぐ。
現在、武蔵野美術大学名誉教授、国際デザイン研究評議会(BIRD)委員、基礎デザイン学会会長、日本記号学会理事など。