花こよみ 014

詩のこころ無き吾が身なれば、折りに触れ、
古今東西、四季のうた、ご紹介いたしたく。

 海 の 入 り 日

浜の真砂マサゴに 文フミかけば
また波が来て 消しゆきぬ
あわれ はるばる わが思い
遠き岬に 入り日する

                                 木下杢太郎(キノシタモクタロウ 1885-1945)