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本情報のオフィシャルサイトは アダナ・プレス倶楽部ニュース です。
ここ、タイポグラフィ・ブログロール《花筏》では、肩の力をぬいて、
タイポグラフィのおもしろさ、ダイナミズムなどを綴れたらとおもいます。
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出展企業と出展団体のご紹介
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《江戸堀印刷所》
小型活版印刷機 Adana-21J 第一号機ユーザーの初登場です。
昨2011年の秋11月、大阪・中之島と、靫ウツボ公園に囲まれた人気のエリア“江戸堀”(大阪市西区江戸堀1-26-18-104)に、印刷工房「江戸堀印刷所」がオープンしました。
この工房は、なにわ筋に面した一階店舗、およそ 50m2 のスペースに、 印刷工房、打ち合わせスペース、小さなギャラリー・スペースなどがあります。
名刺・ポストカード・リトルプレス・ZINE・絵本などのカスタマイズ製品、オリジナル・ステーショナリーなど、活版印刷・オフセット印刷・デジタル印刷を自在に駆使し、それらの印刷方式を、目的と用途にあわせて採用・併用した印刷と、製本がお得意です。
「江戸堀印刷所」の事業本体は、すぐ近くの「あさひ高速印刷株式会社」(代表・岡 達也氏 )です。同社は従業員数100余名を数え、大型オフセット平版印刷機などを何台も設置している有力印刷会社です。
2007年4月、Adana-21J の発売と同時に購入のお申込みをいただきましたので、江戸堀印刷所の Adana-21J は、栄光のシリアル・ナンバー「0001」が納入されています。
当時から岡 達也社長と、ご担当の小野香織さんは、ともども、
「当社には、オフセット印刷をはじめ、オンデマンド印刷など、さまざまな印刷方法がありますが、活版印刷は、なにより印刷の原点です。それを、誰にでも、一番わかりやすい形で伝えられる印刷機として、まずは手許にこの小型活版印刷機を置いておきたい」
とされてご購入いただきました。
「この Adana-21J を中心に、徐徐に活版印刷関連機器などの設備を導入して、いつの日か、皆さんの目に見えるところに展示して、たくさんの人に、印刷の原点、おもしろさを知っていただきたい」
ともされていました。
こんな経緯があって、納入から4年ばかりの年月が過ぎた2011年秋に、Adana-21J だけでなく、自動プラテン活版印刷機、半自動足踏み活版印刷機、電動箔押し機、小型断裁機、バーコ熱加工機などを設置した、印刷工房「江戸堀印刷所」が完成しました。
目下のスタッフは、元企画部におられた小野香織さん、ベテラン印刷職人/長岡さん、それに活版印刷が大好きな岡 達也社長ご自身が奮闘されています。
あいにく岡社長は出張中でしたが、土曜日の夕方の取材に、小野香織さんが休日出勤で対応していただきました。
印刷物の仕上がりは、どれもセンシブルで、美しいものでした。ありがとうございました。 今回は、プライベート・プリンターの皆さまとの交流と親睦を目的に、初参加いただきました。
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《版画工房 フジグラフィックス》
株式会社フジグラフィックス(代表者・楚山俊雄氏)の版画工房フジグラフィックスは、1983年台東区入谷に、リトグラフ、シルクスクリーン、銅版画の版画工房を開いて以来、多くの作家、ギャラリー、出版社などと共に版画作品を制作している、知るひとぞ知る、きわめてすぐれた版画工房です。
代表の楚山俊雄さんは、版画制作はデリケートな手仕事で、メカニズムではできないものだ、とかたられます。そして平版(リトグラフ)、凹版(銅版画)、孔版(シルクスクリーン)印刷の達人で、温厚なお人柄ですが、そこにさらに凸版(活字版印刷術)を加えようと、アダナ・プレス倶楽部の「活版カレッジ」を受講された、意欲的なかたでもあります。
すでにアダナ・プレス倶楽部の会員のなかには、フジグラフィックスさんをお訪ねして「版画印刷体験講座」を受講されたかたもいらっしゃいます。また、版画の魅力を楽しんでいただけるように、初心者にも体験講座・工房見学も開催されています。
《活版凸凹フェスタ2012》では、ご出展とあわせて、5月5日[土]、活版ゼミナール【印刷の四大版式を学ぼう】のご担当をお願いしました。
凸版印刷の一種である「活版印刷」をより深く理解していただくためには、ほかの版式や技法に接することも重要です。「版画工房 フジグラフィックス」の楚山俊雄さんのご協力のもと、印刷の四大版式「凸版・凹版・平版・孔版」すべての印刷体験を通して、その違いや特性を学ぶ、アダナ・プレス倶楽部ならではのゼミナールが開催されます。
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《株式会社エスアールジー》
株式会社エスアールジー(SRG CO., LTD. 代表取締役・呉藤伸二氏)は、イギリスと日本とのインターフェースに尽力されている企業です。大分と東京に本拠をおき、代表の呉藤さんを陣頭に、東奔西走の間に、イギリスへの仕入れ交渉に出かけるなど、とても多方面で活躍されています。
大分の直営店の店内では、輸入雑貨、アンティーク・グッズ、ポスター、ステーショナリー、ポストカードなどを販売されています。また、常設のフレーミング工房では額装もおこなっていますし、各種のワークショップも展開されています。
呉藤さんは、デパートや画材店をはじめ、高感度ショップなどの催事に積極的に出展・進出されています。昨年からは、そこに容易に運搬・搬送できる、小型活字版印刷機 Adana-21J という、あたらしい集客パワーが加えられました。
《活版凸凹フェスタ》には、はじめてのご出展ですが、できるだけ「木活字」をたくさん出品していただけるようにお願いしています。
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《タイポグラフィ学会》
タイポグラフィ学会(会長・山本太郎氏)は、
「タイポグラフィという技芸に学問的な基盤を与え、その成果を実技・実践に生かし、有効で豊かな展開を通して社会に貢献することにあります」。
という趣旨に賛同した、タイポグラフィをおもくみる会員によって組織された任意団体です。
研究のための学会というと、なにか厳めしい感がありますが、山本太郎会長をはじめ、松尾篤史事務局長、春田ゆかりさん、小酒井英一郎さん、木村雅彦さん、渡辺優さん、板倉雅宣さん、笈川道義さん、田中宏明さん、中村将大さん、川崎孝志さん、押手恒さんなど、多くの会員の皆さんが、これまでの《活版凸凹フェスタ》にも、さまざまなご協力をいただいてまいりました。
そして今回の《活版凸凹フェスタ2012》にも、最大限の協力をいただいています。
タイポグラフィとは、狭義に解釈しますと「活字版印刷術」となります。そしてこの「術」の部分に重きをおいている技芸がタイポグラフィですから、活字版印刷術、活版印刷、活版、カッパン、そして《活版凸凹フェスタ》ともきわめてつよい関連があります。
ここに【タイポグラフィ学会 概要】の全文をご紹介します。
【タイポグラフィ学会 概要】
2005年8月に「タイポグラフィ学会」が設立されました。学会設立の目的は、タイポグラフィという技芸に学問的な基盤を与え、その成果を実技・実践に生かし、有効で豊かな展開を通して社会に貢献することにあります。
当学会の活動は、上の目的の達成のためにタイポグラフィを専門的に研究発表する場または真摯な議論と考察の結果を表明する場を設けて、広く深い認識を共有することに主眼があります。
タイポグラフィは複製手段である印刷術の現場から生まれたことばであり、印刷術の実践の歴史とともにあります。西洋では550年、わが国では130年の歴史を有しています。タイポグラフィは活字の設計・製造からその有効で的確な使用法を模索し実践する技芸であり、人々の知的生活を支える書籍・雑誌・新聞の普及に貢献し、報道・文芸・学術・教育・商業・娯楽などの分野で不可欠な要素となっています。
21世紀に至り、技術革新は実験と試用の時代を経て実用の時代に入り、それに伴いタイポグラフィは時代の抱える新しい課題への対応が求められています。将来の活字文化と文字情報社会の充実に積極的に参加するために、先人による蓄積を尊重し学びつつ、そこに再検討を加える研究や新しい視点からの研究さらには批評的なまなざしを忘れずに、関連する他の分野との学際的な交流を通して、人々の暮しと文化的な活動を支える必要があると考えます。
以上の観点に立って、タイポグラフィに関する課題やテーマに専門家諸氏の英知を結集して研究の光を当て考察を加え、洋の東西にとらわれない学術研究を体系的に推し進める機関を設けるべく、ここに意を決して集まりました。