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【字学】 わが国活字の尺貫法基準説からの脱却と、アメリカン・ポイントとの類似性を追う*05 アメリカン・ポイントシステムの規準

《 金属活字時代のアメリカン ・ ポイントシステムと、コンピュータ上の DTP ポイントシステムの相違 》
タイポグラフィにおける現今の話題は、コンピューター一色であり、おおかたは、そこにおける DTP ソフトウェアなどへの対応と、デジタル書籍への対処が中心のようである。

デジタル書籍への対処はひとまず措いて、金属活字組版が写真植字法をへて、コンピューター上のデジタルタイプになって、なにが変わったのかをみると、相変わらずヤード・ポンド法の長さの単位、インチ ( Inch ) と パイカ ( Pica ) と ポイントサイズ ( Pointsize ) を基本としており、大きくは金属活字時代のアメリカン・ポイントシステムとはなにも基本的には変わっていないことがわかる。

20150424155225361_0001すなわち DTPポイント とは、金属活字時代の基本尺度の 1 pt ≒  1/72 in ( 0.3514 mm ) から、 およそ( ≒ )が、正確な( = ) になっており、あいまいさが回避された功績はおおきいが、金属活字時代のアメリカン ・ ポイントシステムの概念を DTP システムも継承し、組版寸法と計測単位だけをみると、相変わらずインチ、パイカ、ポイントとしており、大差のないものとなっている。

◯ アメリカン ・ ポイントシステム    1 pt  ≒   1/72 in  ( 0.3514 mm )

◯ DTP ポイントシステム            1 pt  =   1/72 in  ( 0.352777……. mm ) 

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大正13年版 『活字と器械』 口絵 (東京築地活版製造所)

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つまり、欧文組版でも、和文組版でも、アメリカン・ポイントシステムを規準としたばあいには、

72 points = 1 inch

であり、以下の公式だけを丸暗記しておけばよいことになる。
こだわりのあるかたで、簡便ながら正確な透明スケールをご希望のかたは、ご来社いただければ頒価500円[税込]で進呈したい。

pika