月別アーカイブ: 2021年3月

【平野富二の会】長崎直近情報|「平野富二生誕の地」碑前、三の堀跡の櫻が満開に!|日本二十六聖人記念館:宮田和夫会員情報ゟ|

「平野富二生誕の地」碑建立有志の会 ── 皆さま
[2021年03月31日 日本二十六聖人記念館 宮田和夫]

大変ご無沙汰しております。
一昨年 、昨 年 に続き、昨30日に撮影した「平野富二生誕の地」碑の写真を添付します。
ニュースで話題になっております通り、ここ数日長崎では黄砂の飛来がひどく、
深く彫られた碑文の字の中には黄砂が溜まっておりました。
碑文の字の汚れは大抵は雨で流されるのですが、汚れが溜まっているときには
時折ふきとっておりますのでご安心ください。
長崎の桜は例年より少し早めの開花で、少しづつ散りはじめております。[宮田和夫]
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「平野富二生誕の地」碑は2018年11月24日、長崎県勤労福祉会館(長崎県長崎市桜町9 ― 6)脇、長崎市の歩道に設置されました。
碑は江戸時代の「三の堀跡」方向をむいていますが、ここは現在桜並木になっています。

月代-さかやきを剃らずに髷を結い、帯刀し、東京で士装の旅姿を撮影した平野富二(富次郎)。
明治4年(1872)、数えで26歳、初冬のころの撮影と推定されている(平野ホール蔵)

宮田会員の写真で、前方突き当たり、満開の櫻並木を左手に曲がると、そこから信号ひとつ、三分ほどで長崎奉行所立山役所(現:長崎歴史文化博物館)裏門です。すなわち、安政4年-1857-数えて12歳の矢次富次郎少年 ── のちの平野富二が、幼少ながら「特例をもって」、また当時のならいで、家僕(中間)ひとりをともなって長崎奉行所へ勤務した「通勤路」にあたります。
奉行所表門にまわっても10分ほどでしょうか、どうやら富次郎少年の運動不足はいなめなかったようです。

長崎訪問の折は、ぜひともここにお立ち寄りいただき、平野富二の「通勤路」を追体験していただき、またできましたら碑周辺の清拭にあたっていただけたらと勝手なお願いを。
そして宮田さん、いつもながらご負担をおかけしまして恐縮です。

[ 参考 : 長崎歴史文化博物館 日本二十六聖人記念館 ]
[ 関連 : 平野富二-明治産業近代化のパイオニア ]

【展覧会】東京藝術大学大学美術館|渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画|’ 21年3月27日-5月23日

東京藝術大学大学美術館
渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画
会  期  2021年3月27日[土]-5月23日[日]
      午前10時 – 午後5時(入館は午後4時30分まで)
休  館  日  月曜日 * ただし 5月3日[月・祝]は開館
会  場  東京藝術大学大学美術館 本館 展示室 1、2、3
観  覧  料  一般 1,700円 高校・大学生 1,200円(中学生以下は無料)
主  催  東京藝術大学、東京新聞、NHK、NHKプロモーション
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明治から大正にかけて活躍した渡辺省亭(せいてい)の全貌を明らかにするはじめての展覧会です。省亭は明治11(1878)年の万博を機にパリに渡り、ドガをはじめ印象派の画家たちと交流した経験を持ちます。繊細で洒脱な花鳥画は、その後、万博への出品やロンドンでの個展などにより海外で高い評価を得ます。
一方、国内では、迎賓館赤坂離宮の七宝額原画を描くなどその実力は認められながらも、明治30年代以降は次第に中央画壇から離れて市井の画家を貫いたため、展覧会で紹介される機会が少なくなりました。
この展覧会では、海外からの里帰り作品を含め、これまで知られていなかった個人コレクションを中心に、省亭の全画業を紹介します。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上展観を。
[ 詳細 : 東京藝術大学大学美術館  展覧会公式サイト ]

【展覧会】江戸東京博物館|特別展 冨嶽三十六景への挑戦 北斎と広重|’ 21年4月24日-6月20日

江戸東京博物館
特別展 冨嶽三十六景への挑戦 北斎と広重
会  期  2021年4月24日[土]-6月20日[日]
会  場  江戸東京博物館 1 階特別展示室
開館時間  午前9時30分-午後5時30分 * 入館は閉館の30分前まで
休  館  日  毎週月曜日(ただし4月26日、5月3日は開館)
主  催  公益財団法人東京都歴史文化財団 江戸東京博物館、朝日新聞社
観  覧  料  一 般 1,000円、大学生・専門学校生 800円
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日本を代表する浮世絵の名作、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」は、青を使った鮮烈な色彩と大胆な構図で人々に強い衝撃を与えました。この時、北斎は70歳を越えていましたが、長い画業の中で不断の努力を重ねていました。
一方の歌川広重はこの時30歳代後半。風景画を描くもヒット作のない一介の浮世絵師にすぎませんでした。そんな広重も驚きを持って見たであろう「冨嶽三十六景」シリーズ。その大ヒットの陰で、広重はどのように自らの画風を打ち立てていったのでしょうか。

これまでも北斎と広重の富士シリーズを展示する展覧会は開催されてきましたが、本展はより踏み込んだ解釈により、風景画で双璧をなす北斎と広重の挑戦をストーリー展開で浮き彫りにする試みです。一挙展示となる「冨嶽三十六景」全46図を含む作品はすべて「江戸博コレクション」。この浮世絵史を語るうえで見逃せない貴重なコレクションを通して、二人の浮世絵師のあくなき挑戦の数々を名品とともにご紹介します。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上展観を。
[ 詳細 : 江戸東京博物館 ]

【展覧会】長崎歴史文化博物館|特別展 長崎開港450周年記念展 ~ふたつの開港~|’ 21年4月24日-6月6日


長崎歴史文化博物館
特別展 長崎開港450周年記念展 ~ふたつの開港
会  期  2021年4月24日[土]-6月6日[日]
会  場  3 階企画展示室
開館時間  8:30-17:00(最終入館30分前まで)
料  金  一 般 800円 * 常設展観覧料込み・高校生以下無料
主  催  長崎県、長崎市、長崎歴史文化博物館
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長崎の町は元亀2年(1571)の開港を機に、一漁村から貿易都市へと発展していきます。西洋とつながりを持った長崎には教会が建ち並び、日本におけるキリシタンの中心地として南蛮文化が華開きます。続く豊臣秀吉、江戸幕府と支配を受けるなかでも長崎は外交・貿易の重要な拠点として機能していきます。
江戸幕府によって海外交流が制限された後にも、長崎には中国・東南アジアから来航する唐船やオランダ船から世界のさまざまな文物がもたらされ、文化交流が展開していきます。

幕末、安政の開港以降には欧米諸国との関係が新たになり、長崎には最先端の科学技術や国内外の情報がもたらされ、日本の近代化につながる基礎が築かれていきます。また、長崎の都市構造も大きく変貌し、設けられた外国人居留地をとおして国際色豊かな文化が育まれました。
本展では、長崎にとって大きな転換点となった元亀2年(1571)の開港から安政の開港までを中心に、交流の諸相や長崎港・町の変化を考古資料、古文書、美術工芸資料などから、ふたつの開港がもたらしたものを再考していきます。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上展観を。
[ 詳細 : 長崎歴史文化博物館 ]

【展覧会】奈良国立博物館|聖徳太子1400年遠忌記念|特別展 聖徳太子と法隆寺|令和3年4月27日-6月20日

奈良国立博物館
聖徳太子1400年遠忌記念 特別展 聖徳太子と法隆寺
会  期  令和3年4月27日[火]-6月20日[日]
        前 期:4月27日[火]-5月23日[日]
        後 期:5月25日[火]-6月20日[日]
会  場  奈良国立博物館 東・西新館
休  館  日  毎週月曜日(休日の場合はその翌日、連休の場合は最終日の翌日)
       * 5月3日は開館いたします。
開館時間  午前9時30分-午後5時(土曜は午後7時まで) * 入館は閉館の30分前まで
主  催  奈良国立博物館、法隆寺、読売新聞社、NHK奈良放送局、
      NHKエンタープライズ近畿、文化庁
観覧料金  一般 2,000円   高大生 1,400円   小中生 500円

本展は、新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止のため、事前予約<優先>制を導入します。「前売日時指定券」をお持ちの方は優先的に入館できますので、ご来館前にお求めください。混雑緩和のため、入場時間は 1 時間ごとに区切り、その時間枠内にご入場いただきます。
予約不要の「当日券」を会場にて若干数ご用意しますが、「前売日時指定券」をお持ちの方の入場を優先いたしますので、あらかじめご了承ください。

※「前売日時指定券」は、表示の当日券より各200円割引となります。

※ 館内が混雑した際は「前売日時指定券」をお持ちでない方の入館を制限する場合があります。
※ 本展の観覧券で、名品展(なら仏像館・青銅器館)もご覧になれます。
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奈良・斑鳩の地に悠久の歴史を刻む法隆寺は、推古天皇15年(607)、聖徳太子によって創建されたと伝えられます。太子は仏教の真理を深く追求し、また冠位十二階や憲法十七条などの制度を整えることで、後世に続くこの国の文化的な基盤を築き上げました。聖徳太子を敬う人々の心は、その没後に信仰として発展し、こんにちもなお日本人の間に連綿と受け継がれています。

令和3年(2021)は聖徳太子の1400年遠忌にあたり、これを記念して特別展「聖徳太子と法隆寺」を開催します。本展覧会では法隆寺において護り伝えられてきた寺宝を中心に、太子の肖像や遺品と伝わる宝物、飛鳥時代以来の貴重な文化財を通じて太子その人と太子信仰の世界に迫ります。
さらに、明治11年(1878)に法隆寺から皇室へと献納された「法隆寺献納宝物」が、奈良へまとまって里帰りする貴重な機会ともなります。
本展覧会は1400年という遙かなる時をこえて、今を生きる私たちが聖徳太子に心を寄せることでその理想に思いを馳せ、歩むべき未来について考える絶好の機会となることでしょう。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上展観を。
[ 詳細 : 奈良国立博物館  公式サイト ]

【展覧会】お札と切手の博物館|令和2年度 第2回 特別展|加藤倉吉 ── 最も多くの「顔」を彫り上げた男|令和3年1月13日-5月9日|展示再開

お札と切手の博物館
令和2年度 第2回特別展
加藤倉吉 ── 最も多くの「顔」を彫り上げた男
開  催  日  令和3年1月13日[水]-5月9日[日]* 3月23日[火]より再開
開催時間  9:30-17:00
休  館  日  月曜日(祝日の場合は翌平日)
開催場所  お札と切手の博物館 2階展示室
入  場  料  無 料
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加藤倉吉(かとうくらきち)は、大正から昭和にかけて、お札や切手の原版彫刻に腕を振るった印刷局の工芸官(専門職員)です。 倉吉が業務に従事したのは、戦時中という特殊な時代でした。
当時は、日本国内のお札や切手のみならず、日本が戦地で使用するための膨大な数のお札や切手等を発行していたことから、その製造を担う印刷局は、多忙を極めていました。この時、原版彫刻の主力として八面六臂の活躍をしたのが倉吉です。
その確かな技術と驚異的なスピードで、印刷局史上類を見ないほど多種多様な製品の原版を彫り上げ、責務に応え続けました。

また、彫刻にあたっては、天性の芸術感覚を活かし、技術の研鑽はもちろんのこと、飽くなき探求心から、さまざまな製版技法や表現方法を研究、実践し、画期的な製品・作品を数多く残しました。
さらに、原版彫刻部門のトップ・彫刻課長として、後進の技術指導にも積極的に携わり、後に活躍する多くの工芸官を育成するなど、多方面に活躍、貢献しています。
本展では、倉吉本人から寄贈を受けた資料を選りすぐり、戦時の緊急増産体制を支えた倉吉の技と作品の妙をご紹介します。
国の「顔」たるお札や切手等の製品とともに、印刷局伝統の技・凹版彫刻技術が生み出すモノクロームの美をぜひご鑑賞ください。

※ 本展示は、政府による緊急事態宣言の解除に伴い、令和3年3月23日[火]ゟ再開します。
※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上展観を。
[ 詳細 : お札と切手の博物館 ]

【展覧会】東京国立博物館|特別展 「国宝 鳥獣戯画のすべて」|’ 21年4月13日-5月30日|事前予約制(日時指定券)

東京国立博物館
特別展 「国宝 鳥獣戯画のすべて」
会  期  2021年4月13日[火]-5月30日[日] 事前予約制(日時指定券)を導入
会  場  東京国立博物館 平成館(上野公園)
開館時間  確定次第、お知らせします
休  館  日  月曜日 * ただし、5月3日[月・祝]は開館
観覧料金  一般 2,000円、大学生 1,200円、高校生 900円、中学生以下無料
主  催  東京国立博物館、高山寺、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社
お問合せ  050-5541-8600(ハローダイヤル)
* 展示作品、会期、展示期間・開館日、入館方法などについては、今後の諸事情により変更する場合があります。展覧会公式サイトなどで確認してください。
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国宝「鳥獣戯画」は、誰もが一度は目にしたことのある、日本絵画史上もっとも有名な作品の一つです。本展では、擬人化した動物たちや、人びとの営みを、墨一色で躍動的に描いた 甲・乙・丙・丁 全 4 巻の全場面を、会期を通じて一挙公開するとともに、かつて4 巻から分かれた断簡、さらに原本ではすでに失われた場面を留める模本の数々が集結します。
あわせて本展では、秘仏として普段は拝観のかなわない重要文化財「明恵上人坐像」をはじめとした至宝によって明恵上人の魅力に迫るとともに、高山寺 選りすぐりの名宝をご紹介します。

※ 国宝「鳥獣戯画 甲巻」は動く歩道に乗りご覧いただきます。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上展観を。
[ 詳細 : 東京国立博物館  展覧会公式サイト ]

【展覧会】印刷博物館 企画|特集 和書ルネサンス|江戸・明治初期の本にみる伝統と革新|’ 21年4月17日-7月18日|事前入館予約制

印刷博物館 企画展
特集 和書ルネサンス  江戸・明治初期の本にみる伝統と革新
会  期  2021年4月17日[土]-7月18日[日]
休  館  日  毎週月曜日(ただし5月3日は開館)、5月6日[木]
開館時間  10:00-18:00(入場は17:30まで)
入  場  料  一般 800円、学生 500円、高校生 300円
入場方法  オンラインによる事前予約(日時指定券)制です。→ 事前入館予約 へ
主  催  凸版印刷株式会社 印刷博物館
協  力  実践女子大学図書館、国文学研究資料館、大本山石山寺
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350年の時空を超えて
『源氏物語絵巻』が再会!
<紫式部聖像>-最古の紫式部と出会う
日本では江戸期から本格化する印刷出版が、古典の伝統をつなぐ大切な役割を果たしました。たとえば『源氏物語』。平安盛期に紫式部が書きのこしたこのテキストは、原本が霧散した後も学者らによる校訂校閲が繰り返され、江戸に華ひらく出版文化により、武家から町人まで広く『源氏物語』をたのしむ時代がやってきたのです。
今回、ギリシャ・ローマ古典を再発見したヨーロッパの文化運動ルネサンスに例えて、〝和書ルネサンス〟とよんでみることにしました。古典文学と印刷出版の関わりを、三部構成で検証してまいります。

[ 詳細 : 印刷博物館 事前入館予約 ]

【展覧会】泉屋博古館 住友コレクション|特別展「鋳物・モダン-花を彩る銅のうつわ-」|’ 21年3月13日-5月16日

泉屋博古館 住友コレクション
特別展「鋳物・モダン-花を彩る銅のうつわ-」
会  期  2021年3月13日[土]-5月16日[日]
開館時間  午前10時-午後5時(入館は午後4時30分まで)
休  館  日  月曜日 (祝日は開館)4月23日、5月6日
入  館  料  一般800円、高大生600円、中学生以下無料
主  催  公益財団法人泉屋博古館
会  場  住友コレクション 泉屋博古館
      〒606-8431 京都市左京区鹿ヶ谷下宮ノ前町24
      075-771-6411
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青銅製の花器は、中国において宋時代以降、生花を活けるための道具として発達しました。日本でもこれらを模倣した花器が数多く制作され、とくに近代において金属工芸のなかで大きな地位を占めるようになりました。
本展では、青銅花器の源流を紹介しながら、富山大学芸術文化学部所蔵の大郷コレクションを中心に、多彩な発展を遂げた日本近代の銅花器の数々をご覧いただき、近代青銅器の精緻な美しさをお伝えしたいと思います。

※ 泉屋博古館分館(東京)は、2020年1月より約 2 年間改修工事のため休館中です。
※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上展観を。
[ 詳細 : 住友コレクション 泉屋博古館 ] { 活版 à la carte  過去ログ }

【展覧会】京都 ddd ギャラリー 第228回企画展|ヘルムート シュミット タイポグラフィ: トライ トライ トライ|’ 21年4月3日-7月10日

京都 ddd ギャラリー  第228回企画展
ヘルムート シュミット タイポグラフィ: トライ トライ トライ
展示期間  2021年04月03日[土]-07月10日[土]
会  場  京都 ddd ギャラリー
開館時間  11:00-19:00  * 土曜日と7月4日[日]は18:00まで
休  館  日  日曜・月曜・祝日 休館    * 特別開館7月4日[日]
展示企画  阿部宏史(print gallery tokyo)
      ニコール シュミット (helmut schmid design)
      辰馬知佳子
展示デザイン  長谷川哲也 (H TE ARCHITECTS)
主  催  公益財団法人DNP文化振興財団
      入場無料
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戦後、世界的な影響力を発揮したスイス・タイポグラフィの潮流を受け継ぎ、大阪を拠点に独自の活動を展開したタイポグラファ、グラフィックデザイナーのヘルムート・シュミット。国内外のデザイナーに大きな影響を与えたその実践の全体像を提示する、初の大規模回顧展です。
シュミットの初来日は1966年。バーゼルでエミール・ルーダーらに学び、文字を組むことに心躍らせていた24才の若者は、ルーダーの教えに続くものを日本の地に求めました。一度はヨーロッパへ戻りましたが、1977年に再び来日。以来、2018年に逝去するまで、情報伝達とフリーフォルムという二元性と向き合いながらデザイン活動を行い、商業作品も個人的な作品も、アプローチは違えど分け隔てなく取り組みました。

本展は、シュミットの有名無名の作品やその制作プロセスを、彼がその探求のなかで出会った人々の面影とともに辿るものです。最後までごく個人的であり続けた、人間味あふれるヘルムート・シュミットのタイポグラフィの軌跡をご覧ください。

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ヘルムート・シュミット

1942年オーストリア生まれ。西ドイツで植字工見習いを終了後、スイスのAGS(バーゼル工芸学校)で、モダンタイポグラフィの泰斗エミール・ルーダーや、ロベルト・ビュヒラー、クルト・ハウエルトのもとで学ぶ。

バーゼル、西ベルリン、ストックホルム、モントリオール、バンクーバー、大阪、デュッセルドルフで働いた後、1977年より大阪在住。大塚製薬の医薬パッケージやポカリスエット、IPSAや資生堂MAQuillAGEのブランドアイデンティティをはじめ多数のデザインを手掛ける。同時に、『タイポグラフィック・リフレクション』などの自主出版活動も行う。2000 年より2010 年まで神戸芸術工科大学にて、2006 年から1年半はソウルの弘益大学校にて教鞭をとる。
2018 年逝去。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上展観を。
[ 詳細 : 京都dddギャラリー ]

【良書紹介】「ミツカン水の文化センター」機関誌|『水の文化』 第67号発刊|特集 みずからつくるまち

ミツカン 水の文化センター
『水の文化』67号
みずからつくるまち
2021年 02月
A4判 表紙とも52ページ フルカラー あじろ綴じ
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北海道の旭川空港から車で10分ほどの場所にある東川町(ひがしかわちょう)。この人口減少社会にもかかわらず、近年は人口が増加傾向にある。また、約8300人の町民全員が地下水だけで暮らす、日本でも珍しい町だ。
過去およそ25年以内に転入した「移住者」比率は56.6%。つまり今の町民の2人に1人が「よそから移ってきた人」だ。移住した人たちは、東川町にどんな魅力を感じたのだろうか。

いっぽう、もともとこの地に住んでいる人たちは、1985年(昭和60)に「写真の町」を宣言するなど一風変わった施策を講じるこの地にどんな愛着をもち、地域にかかわっているのか。
美しい大雪山連峰に育まれた水を守り、教育に力を入れ、住民主体のイベントも活発な東川町を探り、今後の地域社会のあり方と、そこに「水」がどうかかわるかについて考えたい。

上空から見た東川町。遠くにそびえるのはこの地の象徴、大雪山連峰(提供:東川町)
ミツカン 水の文化センター WebSite ゟ

東 川 町  [ ミツカン 水の文化センター WebSite ゟ ]
人口は8328人、世帯数は3879世帯(2017年12月31日時点)。面積は247.06km2(東西36.1km・南北8.2km)。
北海道のほぼ中央に位置し、北海道北部の中核都市・旭川市に隣接する。日本最大の自然公園「大雪山国立公園」の区域の一部であり、大雪山連峰の最高峰・旭岳(2291m)は東川町域となる。
1894年(明治27)、旭川村字忠別原野の殖民地として区画整理が行なわれ、1895年(明治28)に香川、富山、愛知、徳島県人などが入植し開拓が始まる。1897年(明治30)12月、旭川村から分割して東川村と称するまでの2年半は旭川村の一部だった。「平成の大合併」(1999年から政府主導で行なわれた市町村合併)では「単独自立」の道を選択した。
[ 参考 : 東川町 ウィキペディア ]

【 詳細 : ミツカン 水の文化センター 】 { 活版アラカルト 既出まとめ }

【展覧会】武蔵野美術大学 美術館・図書館|片山利弘 ― 領域を越える造形の世界|’ 21年4月5日-6月20日

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武蔵野美術大学 美術館・図書館
片山利弘 ― 領域を越える造形の世界
会  期  2021年4月5日[月]-6月20日[日] 4月5日[月]は同学新入生限定開催
時  間  10:00-18:00(土曜日、祝日、特別開館日は17:00閉館)
休  館  日  日曜日 ただし6月13日[日]と20日[日]は特別開館日
入  館  料  無 料
会  場  武蔵野美術大学美術館 展示室 3
主  催  武蔵野美術大学 美術館・図書館
協  力  片山渥美・片山哲夫・南天子画廊
監  修  新島 実(武蔵野美術大学 名誉教授)
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戦後日本のデザイン創成期に主導的な役割を果たし、後に制作の場をスイス、アメリカと海外に求めた片山利弘(1928-2013)は、デザイン、絵画、彫刻、そして巨大な建築空間での立体表現と、領域の枠組みにとらわれずに活躍しました。グローバルに生きた片山の創作活動の全貌に迫るはじめての機会となります。

本展では独学で学び、日本で発表した初期のグラフィック作品にはじまり、スイスに渡り製薬会社ガイギー社で携わった広告デザイン、アメリカのハーバード大学カーペンター視覚芸術センターでのデザインと教育の仕事、そして1980年以降の日米を行き来しながら続けた、それまでの創作をさらに発展させた「領域を越えた造形」を紹介します。

katayama_main-824x728片山利弘 作 和泉正敏 協力《正方形へ、光と石の対話》
(大原美術館本館レリーフ彫刻)1991年

本展では、造形作家・片山利弘の50年以上におよぶ創作活動を、年代順に紐解いていきます。
まず冒頭の「日本(大阪/東京)」では、最初期の作品を展示します。図案画家である父のもと、独学でデザインを学んだ片山は、「第20回毎日商業美術振興運動(現・毎日広告デザイン賞)」での受賞をきっかけに木村恒久、田中一光、永井一正らと出会い、1960年に日本デザインセンターに創立メンバーとして参加します。その当時を振り返ります。

1963年、ヨーロッパのグラフィックデザインを牽引していたスイスのガイギー社の招聘を受け、片山は同社のアートディレクターになります。展覧会の2つ目の「スイス(バーゼル・ガイギー社)」の章は、このスイス時代に焦点を当てます。
シルクスクリーンで異なる太さの線を刷った色紙を手術用のメスを使って切り、その色紙を様々な形に組み合わせたコラージュ作品《Visual Construction》シリーズでバーゼルではじめての個展を開催します。また、1965年11月に銀座松屋で開催されたエポックメーキングな「ペルソナ」展にも片山はスイスから出展します。

続く「アメリカ(ボストン・ハーバード大学)」の章では、ハーバード大学カーペンター視覚芸術センターに招聘された1966年以降の作品を展示します。約30年にわたり教育に携わりながら、カーペンター視覚芸術センターで行われる講演会や展覧会などのデザインの仕事を担当します。
最終章では「領域を越えた活動」を紹介します。特に1980年代以降の片山は、日米を行き来しながら丹下健三ら日本の建築家とのコミッションワークに数多く取り組みます。現存する建築空間での大型作品を通して、稀有な造形作家がグローバルに生き、辿り着いた境界のない活動をご覧いただきます。

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コラージュ《Blue Star》1964 年迚・アア螻表katayama_2キャンバス《三思の門》1989 年

迚・アア螻表katayama_3シルクスクリーン《Up or Down》1975 年
迚・アア螻表katayama_4三井住友海上千葉ニュータウンセンター 壁面レリーフ《線映》1994 年迚・アア螻表katayama_5JT 本社ビル 銅板レリーフ壁画《さあ、鳥たちよ・・・》1995 年

出品作家紹介
片山利弘(かたやま・としひろ):
1928 年大阪生まれ。造形作家。独学でデザインを学び、フリーランスのデザイナーとして活動。日本デザインセンター(1960ー1963)、スイスのガイギー社(1963-1966)勤務を経て、 1966 年に拠点をアメリカのボストンに移し、ハーバード大学で教育に携わりながら、精力的に制作活動を続け、多岐にわたる分野で国際的に活躍。2013年逝去。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上展観を。
[ 詳細 : 武蔵野美術大学 美術館・図書館 ]

【展覧会 予告】佐川美術館 特別展|大恐竜展 よみがえる世界の恐竜たち|’ 21年4月1日-6月13日

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佐川美術館 特別展
大恐竜展 よみがえる世界の恐竜たち
会  期  2021年4月1日[木]-6月13日[日]
開館時間  午前9時30分-午後5時(入館は午後4時30分まで)
休  館  日  月曜日 (5/3 は開館)、5/6
入  館  料  一 般 ¥1,300 / 高大生 ¥800 / 中学生以下無料 ※ただし保護者の同伴が必要
主  催  佐川美術館 (公益財団法人SGH文化スポーツ振興財団)、読売新聞社
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佐川美術館(所在地:滋賀県守山市)では、春季企画展として「大恐竜展 よみがえる世界の恐竜たち」を開催いたします。
近年、恐竜研究は躍進し、長年の課題であった恐竜と鳥との関係が明らかにされてきました。さらに、脳の研究や、骨や歯化石の微細構造、軟組織の研究など、より生物学的な側面が明らかになりつつあります。

①復元画「ティラノサウルスVSトリケラトプス」《ティラノサウルスVSトリケラトプス》 復元画:月本佳代美
②ティラノサウルス全身復元骨格標本《ティラノサウルス全身復元骨格》 天草市立御所浦白亜紀資料館所蔵

③トリケラトプス全身復元骨格標本《トリケラトプス全身復元骨格》 福井県立恐竜博物館所蔵
④ネオベナートル _ロボット《ネオベナートルロボット》 ©ココロ
⑤復元画「白亜紀前期の福井の風景」《白亜紀前期の福井の風景》 復元画:月本佳代美

⑥フクイラプトル全身復元骨格標本《フクイラプトル全身復元骨格》 福井県立恐竜博物館所蔵

本展では、それらの研究成果をもとに恐竜に命を吹き込む作業、すなわち「恐竜の復元」をテーマに、その変遷の歴史および現在の恐竜 “ 像 ” について、科学的かつ芸術的観点から恐竜を紹介します。
世界トップレベルの展示と研究成果を誇る「福井県立恐竜博物館」の特別協力のもと、同館などが所蔵する全身復元骨格標本や、生体復元模型、ロボットなどを一堂に展示します。

外観画像①
※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上展観を。
[ 詳細 : 佐川美術館 ]

【ニュース】株式会社写研|Webサイト(コーポレートサイト)公開|2021年03月08日

株式会社写研(代表取締役社長:笠原義隆 本社:東京都豊島区南大塚2-26-13)は、2021年3月8日、Webサイト(コーポレートサイト)を公開しました。

写研は、写真植字機に向けて作られた数多くの書体を通して、日本の文字、日本語の文化およびデザインの向上に貢献することを目指してまいりました。

この写研の文字、書体を守り、未来へつなぐために、2021年5月に写研の歴史と沿革、これまでの写研書体や写植機、および各種資料をご覧いただけるデジタルアーカイブサイトを公開する予定です。

[ 詳細 : 株式会社写研 ]

{新宿餘談}
本稿は、論評無しで紹介いたします。