《邢 立 老師、ことしの春節をご夫人とともに日本ですごす》
<上海に営業所を有する知人からの情報>
今年の中国春節の休暇は 2月4日[月]-10日[日]、実質 3 日[日]をあわせて連続 8 日間の休暇となっています。弊社の上海事務所は政府の規定どおりの休暇ですが、生産工場などは 2 週間から 1 ヶ月間を休業としているところが多いようです。
’19年11月末、長崎で開催された<「平野富二生誕の地」碑建立祝賀祭>に北京から参加され、会話翻訳機を駆使して、すっかりサラマ・プレス倶楽部会員とも親しくなられたのが邢 立-シン リツ- さん。
[ 参考: Notes on Typography 【ことのは】春節 シュンセツー旧正月|中国:春節 連続8日間の休暇|長崎新地地区を中心に「2019長崎ランタンフェスティバル」2月5日-19日 ]
さきに愛娘が結婚され、まもなく出産ということで(邢 立 老師はオジイサンになる)、北京印刷大学教授でもあるご夫人は、日本の温泉を楽しみ、またベビー用品のお買い物に忙しいとか。
そこで邢 立さんはひとりで朗文堂に来社して、いつものタイポグラフィ論議。
中国の春節のすごしかたも、少しずつ変わってきているようです。
北京の印刷・出版社の中華書局数字出版中心:李 晨光さんから、『己亥大吉-きがいだいきち』のデスクダイアリーと、『唐詩之美日暦』『宋詞之美日暦』の春節を祝う携行カレンダーが到着した。
中華書局は自社活字書体の「聚珍倣宋版」を有し、中国有数の印刷・出版企業の中核企業である。「中華書局数字出版中心」での数字はデジタルを、中心はセンターをあらわすので、李 晨光さんは同社のデジタル・パブリッシング部門の総括責任者ということになろうか。
李 晨光さんとの最初は2015年04月03日、東京での学会にパネラーとして参加された中華書局と商務印書局のおふたりが、中途で「脱出」して、小社を訪問されたことにはじまった。その後はやつがれが北京を訪問したり、招聘された際にお会いしていた。
政府系企業から招聘をうけて訪中した際に、主催者にお願いして前夜祭のパーティーに李 晨光さんをお招きしていただいた。驚いたのは並みいる有名大学の教授陣が競って李 晨光さんのもとに駆け寄って名刺交換にあたっている光景であった。
宴が終わったのちに、親しい某教授に伺ったところ、
「中華書局は学生の憧れの職場ですから。ねっ」と艶然と微笑まれた。
やつがれも現役時代にはそれなりに学生の就職先を気にしていたが、巨大大国となった中国では、著名企業への求職競争は熾烈なものがあることをのちに知った。
[ 関連: 朗文堂好日録-045 卯月四月がおわり、新緑と薫風の皐月五月のはじまり ]
2015年の記録ですが、ここに若干の補整を加えて紹介したい。
お客さまご訪問 右から、中華書局(北京):李 晨光氏、商務印書館(香港):毛 永波氏
《 2015年04月03日〔金〕、おふたりの中国の印刷・出版人がご来社に 》
朗文堂 サラマ・プレス倶楽部のホームページをプリントされ、それを提示されながらの、ほとんどノーアポでのご訪問でした。
日本で<活版ルネサンス>の動向が顕著なことと、朗文堂 サラマ・プレス倶楽部のうわさわを聞きつけてのご訪問でした。
◎背の高いかた) 李 晨光 さん (中華書局〔北京〕 数字出版センター)
◎メガネのかた) 毛 永波 さん (商務印書館〔香港〕有限公司 取締役・副編集長)
おふたりは <第18回 東アジア出版人会議> のパネラーとして来日され、その寸暇をぬすんで、まったく突然のご訪問でした。
《デジタルプリントの話題はほどほどに、中華書局:聚珍倣宋版、商務印書館:倣宋体活字で話題がおおいに盛りあがる》
中華書局には「聚珍倣宋版」があり、商務印書局には「倣宋体活字」という、すぐれた本文用活字書体がある。
このふたつの活字書体はわが国にも昭和前期にもたらされ、中華書局系は名古屋・津田三省堂らによって「宋朝体」の商品名で発売された。商務印書館系は大阪・森川龍文堂によってもたらされ、「龍宋」の商品名で発売されていた。
この宋王朝刊本字様を淵源とする活字書体を、故・毛沢東首席が好んだことはかつて紹介した。 また現代中国では、宋体(わが国の明朝体)にかえて、倣宋体(わが国のいわゆる宋朝体)が本文用活字書体として再評価されている。 たまたま小社でも「宋朝体研究」が進行中で、その資料をみたおふたりとも、おおいに驚き、喜んでいただいた。
おふたりとも職掌上デジタルメディアにたずさわっているが、やはり印刷 ・ 出版人の <活字好き> は日中ともに変わらないようであった。