Question and Answer 01

  • Salama-21Aを購入したいのですが、価格はどのくらいでしょう?

  • キットのご紹介 」をご参照ください。周辺機材のご案内も随時更新いたします。お客様それぞれの Salama-21A のご使用計画により、最低限必要な周辺機材の組み合わせ、 見積りを個々にアドバイスさせていただきますので、ご相談ください。

Question and Answer 02

  • Salama-21Aで、印刷できるものを教えてください。

  • Salama-21Aは、金属活字、木活字、樹脂凸版、金属凸版などからなる凸状の刷版を印刷するための機械です。

    はがき、カード、名刺といった小さな端物印刷物のための印刷機で、1 度に印刷が可能な版面の大きさは、はがきサイズ程度ですが、はがきよりも大きな紙に、刷り位置や版を変えて刷り合わせれば、もっと大きな作品に挑むことが可能ですし、また色インキを使って刷り重ねれば、多色刷りも楽しめます。使い方とアイデア次第で、その創作の幅はグッと広がります。

Question and Answer 03

  • 文字活字だけでなく、絵柄も印刷したいのですが可能ですか?

  • 樹脂凸版(製版屋さんで製作してもらえます。APR 版ともいいます。スタンプ作成キットなどの簡便な装置でも製作できます)、金属凸版、木版、木活字、リノリウム版などを、活字と同じ高さになる土台(メタル・ベースや木材)に専用スプレー糊(サラマ・プレス倶楽部で販売。剥離は画材店で販売しているソルベックスをお勧めしています)などで貼れば、活字と一緒に組み込んで、一緒に印刷することもできますし、絵柄だけの印刷も楽しめます。

Question and Answer 04

  • 使い方は簡単ですか? 教室のようなところはあるのでしょうか?

  • Salama-21A」には「 Salama-21A操作マニュアル」がついています。

    また、機械の初期操作のサポートとして、教室も開催しております。詳しくは「教室のご案内」をご参照ください。

Question and Answer 05

  • Salama-21Aと業務用のテキン、どこが違うのですか?

  • Salama-21Aの最大の利点は、業務用のテキンに比べてコンパクトで軽量なことです。業務用テキンは、屈強な男性が 2 - 3 人でようやく運べるほどの重量があります。Salama-21Aの重量はおよそ 20kg、ちょうど市販のお米袋が 2 袋程度の重量とお考えください。そのため女性でも、持ち運びが可能です。

    大きさの点でも、業務用テキンのようには嵩張らず、ご自宅の机の上でも作業が可能です。「無給油ブッシュ」採用で、面倒な注油のメンテナンスも不要です。テキンのように油垂れの心配もありません。またいささか武骨な業務用テキンに較べ、洗練されたデザインの Salama-21Aは、リビングや書斎に置いても、知的なインテリアとして楽しむことができます。

    また、業務用テキンは、版盤の圧力を調整するネジがボルトで固定されていますから、印圧調整はもっぱら版材の高さと圧盤の厚みで工夫します。それに対して Salama-21Aは、版盤の裏にある 4 つの印圧調整ネジで簡便に印圧調整ができます。Salama-21Aの印圧調整ネジは堅牢ですが、手指で簡単に回転しますので、版の高さ、組みつけ位置、印刷用紙の厚みや硬さによって、自在かつ微妙な印圧調整が可能です。

    さらに Salama-21Aには、印刷用紙の上下の印刷位置を調整する「アンダー・バー」と、その位置の目安となる「ゲージ」がついていますので、業務用テキンのように、紙を置く位置に毎回当て針を打ったり、紙置きを貼りつける作業も省略できますし、印刷位置の微調整も簡単に行えます。

Question and Answer 06

  • 個人でも活字は買えますか? また、どこで買えますか?

  • 朗文堂/サラマ・プレス倶楽部では、Salama-21Aをご購入のお客様はもちろん、ひろくアダナ印刷機のリ・ユース・ユーザーや、テキン、小型プラテン印刷機のユーザーの皆さまにも向けて、「スターター・キット」として、活字、込め物、活版印刷インキ、締め具(ジャッキ等)、ステッキなど、活版印刷をはじめるために最低限必要な活字や関連機器を販売しております。

    「スターター・キット」に収容された物以外の活字や込め物の購入は、それぞれの用途やプランにあわせて、直接購入も可能です。

    和文活字を購入する際には、最初にポイント制規格と号数制規格の 2 系統がありますのでご注意ください。これは活字だけではなく、込め物、インテルにも関係する事柄ですので、すでにお手持ちの活字や込め物などと合わせて、今後どちらの規格を中心に揃えていくのか、ご購入の前に良く検討されることをお勧めいたします。

    また、号数制規格とひとくちに言いましても、東京とその周辺の関東地域とそれ以外の地域では、号数活字の規格が多少違いますのでご注意ください。( 活字の大きさ 参照)

    海外から活字を輸入される方は、まず活字の高さにご注意ください。海外の活字の方が和文活字の標準的な規格より高さが低くなっていることが多いため、和文活字と混植の際には、無視できないほどの ムラ取り の手間とある程度の技術が必要となります。

    また、ヨーロッパ大陸ではディド・ポイント制を採用していることが多いため、アメリカン・ポイント制を採用しているアメリカ、イギリス、日本の活字とは大きさが異なりますし、込め物類も併用できません。ご購入の際にはくれぐれも十分ご検討ください。

Question and Answer 07

  • Salama-21Aを購入しても、活字や込め物などの供給に不安がありませんか?

  • ズバリ、活字や込め物だけではなく、活版印刷に必要とされる諸資材や機器でも安定した供給態勢があるとは決して申せません。しかしながら、全国各地で、金属活字と活版印刷を愛し、守り抜こうとされ、またサラマ・プレス倶楽部との連帯のお申し出をいただいている業者様もたくさんあります。

    そうした業者様とサラマ・プレス倶楽部は提携し、製造を中断した機器でも、必要とされる物品の製造再開を企画したりして、できるかぎり安定した供給に努めてまいります。

    幸いなことに、その内の何社かは世代交代に成功し、若くて意欲的な経営者が就任されています。それでも実際には、お互いに懇意になると本音がでて、「活字代より送料のほうが高くついて、その立て替えだけでも大変。だから手間負けしちゃってね」とある業者様はつぶやくように漏らしますし、ある業者様は「活字は文化だ、守って欲しいなんていうけど、文化だけじゃ食えないよ」と悲鳴のように叫ぶのが実情です。

    ですから、たとえ小型機とはいえ、サラマ・プレス倶楽部の皆さまがたくさんの数になり、また苦況の中で踏ん張っておられる専業の活版印刷業者様とも手をたずさえ、積極的に活版印刷に挑む時代を迎えたら、西洋諸国と同様に、活版用インキ、活字、込め物、活版木工、活版印刷好適用紙などの、諸機材や関連資材の粘り強い開発が継続していけるものと念願しています。

    皆さん、一緒にがんばってまいりましょう! どうかご協力のほどよろしくお願いいたします。

Question and Answer 08

  • 輸入機のアダナ印刷機をもっているのですが、そのサポートはしてくれますか?

  • アダナ印刷機とひとくくりにされがちですが、実はかつての英国のアダナ社(現在は閉鎖)は本来は断裁機のメーカーであり、その周辺機材として小型プラテン印刷機だけでも 10 数機種の発売を行っていました。わが国に導入されたのはその内の ADANA 5×3ADANA 8×5 でした。ADANA 5×3 は版面が名刺サイズ程度、ADANA 8×5 は版面がはがきサイズ程度の機種になります。現在ではこれらの機種を新台でご購入された方より、中古の品を譲り受けられたリ・ユースのユーザーの方のほうが圧倒的に多数を占めています。ですからこのご質問には、前記の 2 機種のいずれかの、リ・ユースのユーザー様であるという前提で記述します。

    いずれのマシンを所有されていても、サラマ・プレス倶楽部がご提供する情報や諸資材をお求めいただけますし、「 スターター・キット 」で関連機材を補充・再構築されることも可能です。

    ADANA 8×5 のユーザー様なら、Salama-21Aと併用が可能な部品もございます。その他にも、活字、込め物、インキ、ミニ活字ケース、ミニ・ゲラ等、ADANA や小型のテキンでの印刷を楽しまれるのに必要な周辺機材の供給とご案内も行なっております。

    「サラマ・プレス倶楽部」は、なにも新機 Salama-21Aの購入をご希望される方々のためだけのものではありません。活版印刷を愛し、活版印刷の普及と存続を願う皆様の情報交換と活性の場となることを目指しております。特に旧ユーザーの方々による貴重なアドバイスや、現在の資材調達の情報交換、長年のご使用によって編み出された「 ADANA のこんな使い方あります!」といった情報のご提供は、私どもにとっても後方からの助けになります。是非、ご協力を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。

Question and Answer 09

  • 古いADANA 8×5 があるのですが、使えますか?

  • ぜひとも有効にご活用いただきたいと存じます。ただし保存状態が問題となります。

    実際にあった事例では、数十年にわたって大切に「保存」されていましたが、注油はまったくなされておらず、適切な扱い方をあまりよくご存知ない状態でそれを無理矢理操作したために、大切な軸受け部にかなりの損傷を受けたものがありました。またねじれた印圧調整のまま長期間「保存」されていたり、チェースも本体に取りつけられたままになっていたために、チェースが錆びついて外れなくなったり、インキ・ローラーが溶けて、機械本体に垂れ下がった悲惨な状態のものもありました。

    どのような「機械」でもそうですが、使用を中断しても定期的に稼働させ、メンテナンスを施さないと、機械の枢要部が酸化したり、埃で固まってしまいます。こうなりますと実用機としてはもうお手上げで、遺品などの何か思い出のあるものでしたら、記念の品として大切に「保管」されることをおすすめいたします。

    また、同じ製品名の ADANA 8×5 でありましても、その製造時期によって、強度と精度が大きく異なります。まず圧盤の裏側にある 4 本の印圧調整ネジと、インキ・ディスク(頭頂部についている丸い回転インキ盤)の裏側の歯車を押して回転させる爪(ラチェット・ストライカー)が、金属製であるか、プラスチック製であるかをご確認ください。

    この部分が金属製であれば英国製の初期生産機、プラスチック製であればアメリカ製の後期量産機です。また塗装の色も、英国製は落ち着きのある暗紅色ですが、後年のアメリカ製になりますと、次第に黄色みを帯びて朱色が強みを増すのも特徴です。

    初期の英国製で、丹念に注油を行い、継続使用とメンテナンスを行っていた機械ですと、まだ修理のしがいはありますが、それでも熟練の印刷機械の製造職人が、通常の業務をストップし、数日間つきっきりで修理・調整を行う手間を考えると、とても採算が合わないために歓迎できない・・・、あるいは残念ながらおそらく新機を購入するよりも費用がかかってしまう・・・、という回答を機器製造所から得ております。

    後期のアメリカ製の場合は、一見新しくてまだ使用に耐えるようにみえますが、鋳型の劣化や、コスト削減など製造上の理由から、機械本体の歪みも多く、もともとの製品精度が英国製のオリジナル機と比べてあまり良好とはいえません。

    そのためせっかく高額の費用をかけて修繕を施しても、おそらくいずれ機械本体の枢要な部品が次々と損傷してしまう可能性が高いので、これも丹念に注油を行い、継続使用とメンテナンスを行っていた状態の良いものでないかぎり、修理をしてのリ・ユースはお勧めしかねます。

Question and Answer 10

  • 従来機のアダナ印刷機のユーザーですが。インキ・ローラーの巻き直しは受けていますか?

  • サラマ・プレス倶楽部の設立と同時に、旧晃文堂が輸入した ADANA8×5 ユーザーからのご依頼が集中したのが、このインキ・ローラーの巻き直しでした。しばらくは新製品の Salama-21Aの出荷に集中して、旧 ADANA 社製のローラーの巻き直しへの対応はお断りしていましたが、リ・ユース・ユーザーを含めてご依頼が続き、ここにサラマ・プレス倶楽部がインキ・ローラーの巻き直しも受注する態勢を整えました。

    対象商品は、ADANA8×5ADANA5×3、各社製テキン(主としてナガイ製作所)のインキ・ローラーです。

    受注にあたっては、インキ・ローラー軸があることが必要です。時折ネット・ショップなどでリ・ユース・マシンを購入されたお客さまが、この枢要な部品を欠いてご相談にみえますが、この軸を金属材から正確に削り出すと、価格的に非現実的になってしまいます。

    したがって、いかに価格が安いからといって、インキ・ローラー、ローラ軸、ローラー・コロ、チェースなどといった、枢要な部品を欠いたリ・ユース・マシンを購入されることには、問題がつきまといます。

    ※販売価格は最近の資材高騰で変更の可能性があります。ご了承ください。

    • ゴム(合成ゴム)による巻き直しを推奨します。

    • 樹脂(ポリウレタン)による巻き直しは、経時変化が大きく、保管状況にもよりますが、通常 2 年以内に再度巻き直しになることがほとんどです。利点は納入期間が 10日 - 20 日ほどと短くてすみます。

    • したがって価格的にはいくぶん割高になり、納入期間もながくなりますが、清払をキチンとおこなえば 4 - 5 年は十分に使用できる合成ゴムを推奨いたします。納期は 30 - 50 日ほどと若干長くなります。

    • テキンの場合は「コロ」も 1 個送付・ご持参ください。見積後受注。

    • インキ・ローラーを長持ちさせるコツは、清払をキチンとおこない、冷暗所にローラー同士を接触させず、水平を保って保存することです。

    参考:着肉部が割れたローラー

    参考:溶けだした樹脂ローラー

Question and Answer 11

  • 従来機の ADANA 8×5 で購入した小型ジャッキと
  • 同サイズのジャッキも製造されるのですか?

    従来機の機械の購入時期によって、付属のジャッキの形と大きさ、ジャッキ・ハンドル(ジャッキ用レンチ)の規格がまちまちですので、それぞれと同じ規格のものをご提供することは難しい状況ですが、Salama-21Aでの使用に適した ジャッキとジャッキ・ハンドルを製造・販売しておりますので、従来の ADANA 8×5 やその他小型のテキンにも転用が可能です。
    特に後期米国製 ADANA 8×5 に付属していたジャッキは、小型で版面が広く使える利点はありますが、華奢で損傷が早いという欠点がありました。しかも日本製のものとはネジやレンチの規格が違い、その補充に苦慮されているユーザー様も多いようです。そのためサラマ・プレス倶楽部では、コスト削減のために輸入品の販売も検討しましたが、国産による強固な新製品を提供しております。

Question and Answer 12

  • 「朗文堂」は何をしているところですか?

  • サラマ・プレス倶楽部の告知によって、はじめて朗文堂の存在を知られたかたもいらっしゃるようです。そこで簡単に朗文堂をご紹介いたします。

    株式会社朗文堂 Robundo Publishing Inc. は昭和 44 4 10 日に創立された出版が主業務のちいさな会社です。創業当初は編集企画・文字組版の業者でしたが、次第にタイポグラフィ(書物形成法 活版印刷術)のデザイン専門書の刊行が増加して、こんにちにいたっています。

    詳しくは http://www.robundo.com/ をごらんください。