● パソコンとその組み版ソフトウェアの普及によって、ひろく個人レベルでの文字組み版や印刷機(プリンター)への関心が高まった。また、コミュニケーション産業機器の急速な普及・進展、タイポグラフィ教育全般の普及のために、かえって「本物志向」「原点回帰現象」といった揺り戻し・振り子現象ともいえる社会風潮へとシフトした。すなわち複製印刷術の原点であり、550 年余の歴史を有する「本物の金属活字を用いた活版印刷」への希求度が高まった。

● 趣味人、各種造形者の所得と余暇の増加に伴い、本物の活字書体と活版印刷への関心は高い。その結果、電子産業化された印刷技術は利便性・経済性・高速性によって利用し、そのいっぽう、知的好奇心の対象、あるいは趣味としては、印刷の原点としての、本物の金属活字、押圧の効いた活版印刷への挑戦の気運が強い。

● アダナ印刷機はいまだに中古機でも取り引きされている。しかしその需要に対する供給が少なく、また後半期に製造されたマシンは精度と強度に劣るとして評価が低い。
日本での新設計による国産機であれば初期モデルの高精度なレベルを維持し、さらにそれを上回ることが可能である。

Adana-21J ……Adana Eight-Five から大きく進化しました。

これからは
「アダナ・21J(ジャパン)」とお呼び下さい。

※クリックすると写真が入れ替わります

完全国産化による高精度の達成

Made in Japan の信頼性と底力!

Adana-21J はアダナ・プレス倶楽部と、「 KMT 自動活字鋳植機(小池モノタイプ・マシーン)」をはじめ、自動活字鋳造機、インテル鋳造機など、活版印刷全盛の時代から日本の印刷産業をリードしてきた小池製作所とが、試作と協議を重ね、新設計図面にもとづいて誕生した完全国産機です。残念ながら小池製作所は2008年の夏をもってその長い歴史に幕を下ろしましたが、アダナ・プレス倶楽部では廣田鐡工所を新しいパートナーに迎え、ひきつづきAdana-21J製造開始時と同じ設計図と製作意図をもとにAdana-21Jの製造販売を継続しております。したがってその精度・耐久性・信頼性は現在の最高レベルを維持するものと自負しております。アダナ・プレス倶楽部が自信をもって 21 世紀のわが国の活版印刷愛好家の皆さまにご提供する、最新・最小の活版印刷機、それが Adana-21J です。

Adana-21Jのインキ・ローラー

 設計当初の難問は、機械の基本寸法をモデル機のようにインチ・ヤード法にもとづくのか、わが国のメートル法にもとづくのかを決定することでした。結論は Adana-21J の基準寸法はすべてメートル法にもとづき、機械本体はもとより、部品のすべてが国内規格になっています。

したがいまして部品の安定供給が可能となりましたが、従来機の一部の部品とは互換性がありません。しかし従来機のユーザーの皆さまもできるだけアダナ・プレス倶楽部にご加入いただき、情報の提供や便宜をおはかりしたいと考えております。

● 性能だけではなく、外観のデザインも一新しました!

Adana-21Jのボディ

Adana-21J はシャープでモダンな外観、ブリティッシュ・グリーンのクールなボディで登場します。Adana Eight-Five のミッド・センチュリー・テイストの丸いボディ・ラインと深紅のボディ・カラーも愛着がありましたが、 Adana-21J は機構の一部の改良にともない、外観のデザインも一新しました。堅牢で現代的な機能美を誇るボディ・ラインと、気品と落ち着きを兼ね備えた深みのあるカラーで、実用にはもちろん、お部屋のアクセントともなる知的なインテリアとしてもお勧めです。

● インキ・ディスク・ストッパーで、レインボー印刷も楽々実現!

必要に応じてインキ・ディスクの回転をストップさせるストッパーを採用しました。このストッパーを利用してラチェット・ストライカーを固定すれば、レインボー印刷によるグラデーションの印刷が楽しめます。

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