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アダナ・プレス倶楽部会報誌 第21号

アダナ・プレス倶楽部の会報誌『Adana Press Club NewsLetter Vol.21』
(Summer 2013)が完成しました。会員の皆さまへ順次配送中です。

 
 
『Adana Press Club NewsLetter Vol.21』  Summer 2013
表紙タイトル : 60pt. & 36pt. & 24pt.  Albertus Titling
表紙画手法:ゴム版画
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・主な内容(目次)・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・イベント     Viva la 活版 Viva 美唄 ゼミナール詳細
・レポート   タイポグラフィ2つの潮流展
         Typography Seminar 活字と書物
・特別見開  美唄見どころMAP
・豆知識21   活字母型の製造法 ②電鋳法(電胎法)
・活版まんが 「活版シーズン到来の巻

『Adana Press Club NewsLetter』の定期購読をご希望の方は、会員登録 と年間登録費の納入をお願いします。
なお、毎号バックナンバーの在庫がございませんため、会報誌の配布は次号からとなります。ご了承ください。

Typography Seminar 活字と書物 終了!

主 催 | 武蔵野美術大学 美術館・図書館 
日 時 | 5月30日[木] 16:30-18:30
         6月01日[土] 14:40-16:40
会  場| 武蔵野美術大学 美術館ホール
講  師| 片塩二朗 大石 薫
協  力| 株式会社 朗文堂 アダナプレス倶楽部

たくさんの皆さまのご協力をたまわり、無事にタイポグラフィ・ゼミナール《活字と書物》を終了できました。ご支援、ご協力にふかく感謝申しあげますとともに、ご来場いただきました皆さまにはあつく御礼を申しあげます。

最近ようやく各地で開催されるようになった図書展ですが、とかく表層をなぞり「書誌的解説」をみるだけなのを残念におもっておりました。
書物には著者の苦悩――多くは校正紙と改版にみられます。
製造者の逡巡と葛藤――活字書体の選択、活字サイズ、組版、紙面設計、印刷用紙、印刷方式、製本仕様などの、造形者としての付帯情報がギッシリとつまっています。

そういった「書物の背後にひそむもの」をご来場者に体験していただき、書物の背後に肉薄するきっかけを少しでも提供したいというおもいがありました。
そのために、わが国ではあまり知られていない「ジョバンニ・マーダシュタイクとオフィチナ・ボドニ」を紹介するとともに、その刊行書『アモーレ』(武蔵野美術大学所蔵)製作の実態を、金属活字組版とパソコンDTP方式によって追体験し、手引き印刷機時代の印刷法である「湿式印刷」をご体験いただくという盛りたくさんな企画でした。
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このゼミナールの報告は、近日発行予定の『アダナプレス倶楽部会報誌 Vol.21  Summer 2013』に詳細にわたって紹介されています。

《タイポグラフィ 2つの潮流展》は8月18日までの長期開催が予定されており、その間に関連イベントもたくさん開催されます。ご観覧をお勧めいたします。
《詳細:武蔵野美術大学美術館・図書館
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以下の写真は武蔵野美術大学図書館・美術館からご提供いただいたものです。

Typography Seminar 活字と書物


「タイポグラフィ 2つの潮流展」に出品されている書物『Amores』(邦題:愛の詩ウタ、ジョバンニ・マーダシュタイク製作、オフィチナ・ボドニ、伊、1932)を中心に、書物の製作背景を、使用活字書体、活字サイズ、組版設計、印刷用紙、製本様式などの側面から立体的に解析し、その活字組版(金属活字版方式、DTP方式)を追試し、実際の活版印刷で追体験するタイポグラフィ・ゼミナールです。

これらの書物にまつわるエピソードや、タイポグラフィの解析と実践的な見かたを知ることにより、展覧会に出品されているたくさんの書物の楽しみや収穫が、2倍にも3倍にもなる画期的なゼミナールとなります。
あわせて、『Amores』の1ページを再現した活字組版を、武蔵野美術大学所有の手動式の活字版印刷機 Adana-21J で印刷する体験ができます。
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参加費は無料ですが、実践型ゼミナールのため定員は20名と少数です。お申込みは下記の武蔵野美術大学美術館担当者様まで、急いでお申込みください。
[2013年05月20日 武蔵野美術大学美術館URLに満員告知がありました]

主催
武蔵野美術大学 美術館・図書館
日時
5月30日[木] 16:30-18:30(終了予定)
6月01日[土] 14:40-16:40(終了予定)
会場
武蔵野美術大学 美術館ホール
講師
片塩二朗 大石 薫
会場
株式会社 朗文堂 アダナプレス倶楽部
参加費
無料
参加方法
参加希望日・住所・氏名・電話番号・メールアドレス・年齢(武蔵野美術大学学生の場合は学科/学年)を明記の上、下記アドレスへお申し込み下さい。
なお、メールの件名は【タイポグラフィゼミナール参加申し込み】としてください。
当館より5月27日[月]17:00までに確認のメールをお送りします。
申込
問い合わせ
武蔵野美術大学 美術館・図書館
美術資料担当(植松・河野)
ml_event@musabi.ac.jp Telephone 042-342-6003

詳細情報:武蔵野美術大学 美術館・図書館 展覧会情報

【展覧会】武蔵野美術大学 タイポグラフィ 2つの潮流

タイポグラフィ 2つの潮流

Two Streams of Typography

会期
2013年5月20日[月]-8月18日[日]
休館日
 
毎週 日曜日
(6/9[日]7/15[祝]8/18[日]は特別開館日)
時間
10:00-18:00(土曜、特別開館日は 17:00 閉館)
入館料
無料
会場
武蔵野美術大学美術館 展示室3
主催
武蔵野美術大学 美術館・図書館
共催
武蔵野美術大学 造形研究センター
監修
新島 実 (視覚伝達デザイン学科教授)
共同監修
 
寺山祐策(視覚伝達デザイン学科教授)
白井敬尚(視覚伝達デザイン学科教授)

詳細:武蔵野美術大学 美術館・図書館 展覧会情報

武蔵野美術大学図書館所蔵の貴重書・雑誌・ポスターコレクションから、主にイギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、オランダ、スイスにおける20世紀欧文タイポグラフィの、国際様式と伝統様式を俯瞰する。

【展覧会概要 ── 同展フライヤーより】
このたび、武蔵野美術大学 美術館・図書館では「タイポグラフィ 2つの潮流」展を開催いたします。
本展は、19世紀末から20世紀後半にかけて、欧米で出版された美しい書物等を一堂に会して、ヨーロッパ及び米国における「伝統様式のタイポグラフィ」「国際様式のタイポグラフィ」の2つの流れを同時に俯瞰し、550年以上にわたり数知れず人々を引きつけて止まないタイポグラフィの魅力を探る試みです。

19世紀後半、ウィリアム・モリスが求めた「美しい書物」制作への試みの原点は、15世紀のインキュナビュラへの眼差しをその基本とし、当時の書物を丁寧に分析することから始められました。
そしてこのモリスの眼差しはその後のプライベート・プレス運動へ大きな影響を与え、20世紀のタイポグラフィ、とりわけ書物制作の一潮流として格調高い伝統様式美を復興させました。
さらにこの美しい書物制作への態度は、スタンリー・モリスンやヤン・チヒョルトによって一般化され、現在に至っています。

一方で、新たなタイポグラフィの転換は19世紀末のアール・ヌーヴォー(ユーゲント・シュティール)に端を発し、20世紀初頭のイタリア未来派、ロシア・アヴァンギャルド、デ・スティルそしてドイツのバウハウスなど、ヨーロッパ全土にまで連鎖的な拡がりを見せた革新的芸術運動の影響のもと、エル・リシツキーやバウハウスでのモホリ・ナジ等のタイポグラフィの革新運動にその萌芽を見ることが出来ます。
この新たな転換はその後、ドイツとスイスで国際様式と呼ばれるタイポグラフィデザイン形式を生み出し、印刷紙面に新しい空間構成と意味生成の土壌を形成することに繋がっていきます。

本展では武蔵野美術大学図書館所蔵のタイポグラフィ・コレクション、ポスター・コレクションと合わせて、貴重書の中からイギリスのプライベート・プレスによる書物をはじめ、フランスやドイツで出版された豪華本、画集、挿絵本、聖書などの優れたブックデザインなど250点を取り上げ、それらを同時に展示することによって、視覚造形言語としてのタイポグラフィの今日的な役割と発展を見つめ直す契機にしたいと思います。

アダナプレス倶楽部 Website リニューアル !




 《アダナプレス倶楽部 Website リニューアル》
朗文堂の活版印刷事業部門、アダナプレス倶楽部が発足したのは2006年秋のことでした。当時は活版印刷の基盤が脆弱で、崩壊の危機すらささやかれ、逆風がふきつのる時代のなかでのスタートでした。ですから当初から、朗文堂単独での維持は困難が予想されましたので、「活版ルネサンス」の標題を掲げるとともに、お客さまとの双方向の情報交換をめざして、「アダナプレス倶楽部」と命名してのスタートでした。

発足当時は朗文堂の Website からの情報発信が中心でしたが、アダナプレス倶楽部では積極的に、21世紀をむかえて、世界でもはじめての活版印刷機製造にとり組み、その設計・試作機製造をへて、小型活字版印刷機 Adana-21J の完成を2007年04月にみることができました。
そのために、朗文堂本体とはいくぶん性格がことなり、双方向の情報交換の場として、アダナプレス倶楽部独自の Website をもうけたのは2007年04月のことでした。

アダナプレス倶楽部 Website の立ち上げには、増住一郎さんの積極的なご協力をいただきました。その維持・拡張には、廣瀬玲哉さん、真田幸治さん、守友彩子さんらの皆さんに、ことばではいいつくせない、おおきなご協力をいただきました。
また朗文堂の歴代のスタッフも日常的なメンテナンスにあたってきました。それぞれの皆さんに、ここに深甚なる謝意をしるします。

2013年05月01日、朗文堂 アダナプレス倶楽部 Website は、大幅なリニューアルを実施しました。今回の担当は、新宿私塾第20期修了生で、活版カレッジでタイポグラフィの実技・実践をまなんできた北美和子さんにお願いしました。 
アダナプレス倶楽部の基調色「ブリティッシュ・グリーン」を中心に、朗文堂 Website との架け橋として「黄色-赤」の朗文堂基調色のバーナーをたくさんつけてのスタートとなりました。
皆さまの積極的なご訪問をお待ち申しあげます。

《アダナプレス倶楽部 ニュース No.001  再録》
リニューアルにともない、さまざまな問題点とともに、埋もれていた懐かしくも貴重な資料が、いくつも「発見」されました。そのひとつ、
アダナプレス倶楽部 ニュース No.001 Adana-21J の誕生おめでとう!」
をここに再録いたします。

*     *     *

ニュース No.001 【アダナ・プレス倶楽部便り】


アダナ印刷機「 Adana-21J 」の誕生、おめでとう ! 

吉田市郎 元・晃文堂/元リョービイマジクス株式会社  代表取締役

Adana-21J 試作機特別内覧会   期間:2006 年 10 月 27 日 – 29 日

吉田市郎

 このたび、朗文堂/アダナプレス倶楽部から小型活版印刷機「 Adana – 21J 」が誕生されるとうかがい、大変嬉しく存じます。

ふるい話しになりますが、株式会社晃文堂の時代に「アマチュア用活版印刷機 ADANA3×5, ADANA5×8 」の 2 機種を輸入販売いたしました。当時のわが国では活版印刷はとても盛んでしたが、敗戦直後とあって国家そのものに蓄えがなく、外貨の為替管理がきわめて厳しくて、海外からの物資の輸入には様々な困難がありました。

幸い多くのユーザーの皆さまを得て、アダナ印刷機はご好評をいただきましたが、その後イギリスのメーカーが製造を中断し、また活版印刷全般も衰勢をみせるようになって、アダナ印刷機の代理販売業務からは撤退いたしました。従いまして、多くのユーザーの皆さまには不本意ながらご迷惑をおかけすることになったことにたいして、内心忸怩たるものがありました。

それが今般、長年ご厚誼をいただいている朗文堂さんの新事業部門、アダナプレス倶楽部によって、新設計による国産活版印刷機「 Adana-21J 」が誕生するとうかがい、大変嬉しく思っております。

おそらく活版印刷と鋳造活字には、まだまだ寒風が押し寄せるでしょうが、それにめげず、創意と挑戦の意欲を持って、これからの開発・販売にあたって頂きたいと存じます。「 Adana-21J 」の試作機のご発表、おめでとうございます。

吉田市郎
吉田市郎

吉田市郎さん。
1921年(大正10)1月28日、新潟県柏崎市うまれ。名古屋高等商業学校(現 名古屋大学経済学部)卒。卒業後三井物産に勤務したが、まもなく召集されて軍務につき、1945年(昭和20)召集解除後に明和印刷をへて、1947年(昭和22)活字商として独立し、欧文・和文活字鋳造販売、活版印刷関連機器製造販売を中心とする株式会社晃文堂を設立して代表取締役に就任。

1970年代にリョービと提携して総合印刷機器製造販売業、株式会社リョービ印刷機販売(のちの株式会社リョービイマジクス)を設立して代表取締役に就任。
朗文堂ならびに堂主・片塩二朗にとっては、中学生時代からとてもお世話になったきた大恩のあるかたです。
欧文・和文の金属活字製造販売からスタートして、写真植字機器、写植活字の開発、電子活字の黎明期においても大胆な挑戦を重ねてこられました。
その歴史的背景に関しては、実体験にもとづく該博な蓄積があり、それをかたらせたら、この方の右にでるひとはどこにもいません。

【展覧会】間村俊一 版下ガラパゴス

 

展覧会】  間村俊一 版下ガラパゴス
【会 場】  ウィリアム モリス  珈琲&ギャラリー
          会場案内図:こちら
【期 間】   2013年05月01日―05月31日
        12:30-18:30 日・月・祝日と第3水曜日は休業
※昨今絶滅危惧種に指定された版下原稿を完成した書物とともに展示します。────────
卯の月 4月がおわり、きょうから五月サツキです。
皆さまご健勝で、GWを楽しみ、お仕事にいそしまれておられることと存じます。
朗文堂では例年この時期に《活版凸凹フェスタ》を開催してまいりましたが、ことしは7月に移行した《Viva la 活版 Viva 美唄》の開催準備のため、その作品づくりと、タイポグラフィ・ゼミナール資料整備のために、結局連休はふきとんでしまいました。

【おぼろ月と穀雨 コクウ】
春の終わりのころに、穀物をうるおす春の雨を「穀雨」といいます。またこの季節の終わりには八十八夜もおとづれます。なにかと雨の多い季節です。

ことしは「爆弾低気圧」などと呼ばれて、かなり暴れていましたが、じつは「穀雨」の名がしめすように、春の雨は作物にとっては恵の雨です。ですからこの時期の雨には、さまざまな名前がつけられています。

穀物をはぐくむ雨を「瑞雨 ズイウ」といい、春の艸木をうるおす雨を「甘雨 カンウ」といいます。春の長雨は「春霖シュンリン」、はやく咲いてちょうだい……と開花をうながす「催花雨 サイカウ」、菜の花の咲くころに降る「菜種梅雨」、そしてながく降りすぎて、うつぎの花が腐ってしまうことをあんずる「卯の花くずし」などの情緒ゆたかな名称があります。

装本家にして俳人/間村俊一氏は、展覧会に際して一句ものしています。

    初夏の 版下あはれ 書物果つ

「版下」とは、写真製版を前提とした製版工程の前作業のことで、写植活字文字組版、レタリング、図表などを厚手の台紙に貼っていたものを指します。
この「版下」ということばは、使用期間が短かったので、英語もさまざまで定着せずに、Comprehensive, Comp., Block Copy,  Camera-ready Copy などと様様に呼ばれていました。
わが国でも「関西では はんじた」と濁り、「関東では はんした」と清音がふつうでした。

関東と関西の距離感がなくなり、ことばもほとんどが共通語になりましたが、意外に印刷界に頑固にのこっていることば(業界用語)が、パッケージ製作などにおける型抜きの「トムソン抜き、ビク抜き」のようです。
こうした違いをもたらした原因は、輸入代理店のちがいから、「関西ではThompson社製の機械がもちいられたことが多く、その作業をトムソン抜きと業界用語で呼んだ」。いっぽう、「関東ではVictoria社製の機械がもちいられたことが多く、その作業をビク抜きと業界用語で呼んだ」とする説が有力です。

間村俊一さんは、ご自身のことをあまりお書きになりません。ですから「版下 を はんじた、はんした」のどちらで呼ばれているか、「トムソン抜き/ビク抜き」のどちらをもちいているかは、わかりません。その「版下」の名前はともかく、絶滅危惧種に指定された!? 「版下製作」に従事したかたは、もう45-50歳以上になったようです。

ところで手狭な小社には、マップケースいっぱいの「版下」が、捨てるに捨てられずにたくさんあります。そして印刷工場には、保管を依頼している製版フィルム(ポジフィルム)が山積みで、もっと歴史のある活版印刷工場には「紙型 Paper mold,  Paper matrix」が山をなしています。

ある印刷工場主がこぼしました……。
「毎年 年末に、紙型とポジフィルムの処分許可を出版社に文書でもうしでているんだけど、わかい担当編集が、紙型? ポジフィルム? よく分からないのでそのまま保存してください」
中堅老舗印刷工場といえる同社には、床面積でいったら、ほんんとうにテニスコート一面分ほどの「紙型・フィルム」が、ほとんど出番のないままに眠っています。
印刷設計士(グラフィックデザイナー)、編集者などが、印刷の現場を訪問しなくなって久しいものがあります。
間村さん、あはれなのは「版下」だけでは無いようですよ。

【展覧会】空想の建築-ピラネージから野又穫 町田国際版画美術館



空想の建築
── ピラネージから野又 穫へ ── 展 
Imaginary Architecture from Piranesi to Minoru Nomata

【主催・会場】 町田市立国際版画美術館
【会期・時間】 2013年04月13日[土]-06月16日[日]
         月曜休館。4月30日、5月7日は休館
         平日:10:00-17:00 
         土・日・祝日:10:00-17:30
【観   覧   料】 一般 800円
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[国際版画美術館のフライヤーに、一部補筆して紹介します]
この世には存在しない建築を空想すること ── それはわたしたちが、いま現在存在している世界とは別の世界を空想し、その世界にかたちをあたえることかもしれません。
そうであれば、空想の建築群とは、人間のイマジネーションと、想像力を駆使してうみだされる、もうひとつの世界〈アナザーワールド〉への入口といえるでしょう。

本展では、ヨーロッパのふるい版画から現代美術へ、時空をも飛びこえる〈空想の建築群〉を展示して、世界を空想の建築というかたちで、目にみえるようにしようとした人びとの系譜を紹介します。

はるか古代ローマにおもいを馳せ、その壮麗さを銅販画によって結実させたジョバンニ・バッティスタ・ピラネージ(Giovanni Battista Piranesi  1720-78)をはじめとして、18世紀世紀末の画家たちから、現代の美術家まで── 絵画や立体、そして版画など、変化に富んだおよそ180点の作品を展示することによって、見るものをはるかな世界へといざなう展覧会です。

また本展開催とあわせ、特別展示として、出品作家のひとり、野又  穫(ノマタ ミノル  1955- )のドローイング展『ELEMENTS──あちら、こちら、かけら』を開催いたします。あわせてご観覧ください。
────
[以下:片塩二朗 wrote]
ジョバンニ・バッティスタ・ピラネージ
     (Giovanni Battista Piranesi  1720-78) 
ピラネージは、本来は建築家でしたが、実際に完成した建築は「サンタ・マリア・デル・プリオラート聖堂」ほか数点にとどまり、こんにちピラネージは銅版画作家であり、出版人として知られています。

写真術がまだ登場していない18世紀にあって、ピラネージの精細で正確無比なエッチングによる銅版画は、絵画とは異なり、一定量の数量を複製(印刷)できましたから、当時としては驚異的なものでした。

その影響はひろく欧州全域にわたって、ギリシャ、古代ローマなどの建築を「銅版印刷という複製芸術」によって、ひとびとの眼前に、あたかも実際の建築をみるおもいがするまでの完成度をもって迫り、圧倒的な人気を博しました。
ピラネージは、建築を銅版という印刷版の上に、エッチング技法によって画像を刻み、銅版印刷(凹版印刷の一種)によって、ゆたかな創造の成果を実現した「建築家」であり、「銅版画家」でもありました。
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小社の周辺でも、建築界から印刷人へ、あるいは建築設計士から印刷設計士(グラフィックデザイナー)に転換されたかたも多くおられます。
またその転換の過程で、新宿私塾や活版カレッジでまなぶかたも少なくない現代です。凹版印刷も、凸版印刷も、あるいは書物づくりも、立体的構造物である建築と通底するものがあるようです。

畏兄「無想庵主人」のWebsite『無想庵乃書窓』には、ピラネージの略歴と、豊富な図版が紹介されています。ぜひこちらをご覧いただき、町田国際版画美術館に足を運んでいただきたいと存じます。
【リンク:無為庵乃書窓 ジョバンニ・バッティスタ・ピラネージ 略歴、画像集】

書道博物館ギャラリーツアー+掃苔会のお知らせ


 

書道博物館 企画展 中村不折コレクション
唐時代の書、徹底解剖 !!

【開催場所】  台東区立 書道博物館
          110-0003 東京都台東区根岸2-10-4
          Telephone  03-3872-2645 
          URL : http://www.taitocity.net/taito/shodou/
【開催日時】  2013年03月12日-06月16日
          9:30-16:30(入館は16:00まで)
【休   館 日】  毎週月曜日
          (展示替えのため04月30日、05月07日は休館)
          連休中の04月29日、05月06日は開館
          会期中の展示作品の入れ替えにご注意ください。
【観  覧 料】  一般:500円、小中高生:250円
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現在、書道博物館で開催中の「唐時代の書、徹底解剖 !!」展には、上掲の「則天武后時代(在位690-705)の写経残巻」がはじめて公開されます(期間限定)。
そこで朗文堂 アダナ・プレス倶楽部 では、書道博物館にお願いして、同館学芸員による特別ギャラリートークを開催いたします。できるだけ少人数のほうが作品を鑑賞しやすいため、ギャラリートークは20名限定となります。

また、書道博物館の近くには谷中霊園をはじめ印刷人が多く眠る墓所があります。博物館鑑賞のあとは掃苔会を予定しております。
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◉  書道博物館ギャラリーツアー+印刷人 掃苔会ソウタイカイ
【開催日時】2013年04月14日[日] 13:00 (開始5分前に同館1Fロビーに集合してください)
【集合場所】書道博物館 1F ロビー(台東区根岸2丁目10番4号)
http://www.taitocity.net/taito/shodou/shodou_guide/shodou_guide1.html
【参加費用】入場料(500円 各自同館受付にお支払いください )
【掃 苔 会】 書道博物館ギャラリートーク終了後に一旦解散とします。
谷中霊園中心の掃苔会ソウタイカイへは自由参加・無料ですが、バッカス松尾特製『掃苔会の栞  苔の雫』(500円を予定)を用意します。そこそこの距離をあるきますので、歩きやすい履き物でご参加ください。
【小雨決行】雨男のバッカス松尾さんが案内役ですからとても心配ですが、晴男片塩も同行しますので、お天気は引き分け(小雨 ? )の予定です。
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参加ご希望の方は03月末日までに @メール adana@robundo.com にご連絡ください。ギャラリートークは20名限定ですので、返信用アドレスも必ずご記入ください。また『掃苔会の栞  苔の雫』の準備の都合もありますので、かならず「件名:ギャラリーツアー申込み」あるいは「件名:ギャラリーツアー+そうたい会申込み」としてご一報ください。

なお、則天武后と則天文字については、以下の朗文堂ニュースをご参照ください。
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[この部分は、書道博物館フライヤーの一部に加筆してご紹介します]
唐の時代(618-907)とは、中国の歴史上、王羲之オウギシらが活躍した東晋トウシン時代(265-420)とともに、「書」がもっともたかい水準に達した時代です。
唐時代の書の特質は、従来からつちかわれてきた書法を、たれにでもわかりやすく法則化した点にあります。とりわけ唐時代の楷書は、理知的な審美眼によって、非のうちどころのない字姿として完成されました。

初唐の三大家、欧陽 詢(オウヨウ ジュン、557-641)、虞 世南(グセイナン、558-638)、褚 遂良(チョスイリョウ、596-658)によって確立された美しい楷書は、いまも多くのひとたちによって学ばれつづけています。
その潮流は顔真卿(ガンシンケイ、709-85)に受けつがれ、「顔法 ガンポウ」とよばれる表情豊かな楷書がつくりだされました。

唐の歴代皇帝は、事実上の建朝者・李世明(高祖・李 淵の次子、唐朝第2代皇帝・太宗、在位626-49、598-649)に倣って、王羲之の書をおもくみましたから、次第に中国全土にわたって、王羲之の書風にもとづいた、格調の高い書風がひろく浸透しました。

すなわち皇帝・李世明をはじめとして、孫 過庭(ソン カテイ、648-703 ?)や、李邕(リ ヨウ、678-747)らは、王羲之の書法にもとづき、洗練された書法をよくしました。
また、伝統的な書法から逸脱した美しさを創出した懐素(カイソ、僧侶、725-85 ?)らも、異彩をはなつ名品をのこしています。

今回の「唐時代の書、徹底解剖 !!」では、唐の四大書家とされる、欧陽 詢、虞 世南、褚 遂良、顔 真卿をはじめ、唐の太宗皇帝・李 世明、孫 過庭、柳 公権、懐素など、唐時代を代表する書の名品と、唐時代の貴重な肉筆資料である『則天武后時写経残巻』(初公開、期間限定:03月12日-04月14日)、『敦煌トンコウ写経』などの貴重な書墨や拓本が、中村不折フセツ コレクションから紹介されます。

アダナ・プレス倶楽部 2013年版年賀状製作の記録


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アダナ・プレス倶楽部の年賀状は毎年、数ある欧文活字を、時代性によっていくつかのカテゴリーにわけ、それを歴史順に一書体づつ選択して制作しています。
ブラック・レター、ヴェネチアン・ローマン、オールド・ローマン、トランジショナル・ローマン、モダン・ローマンを経て、今年はエジプシャンの「クラレンドン」の登場です。

エジプシャンは別名スラブセリフ(Slab Serif)とも呼ばれる、板状の太いセリフをもった書体群です。
この書体が誕生したきっかけは、1798年からはじまったナポレオンのエジプト遠征に端を発し、ヨーロッパでは「東方への関心」とあわせて、熱狂的なエジプト・ブームが巻き起こりました。
そのブームにあやかって、たとえそれがエジプトとはまったく関連性が無いものであっても、さまざまなものや商品に「Egyptian──エジプトの」という名前が与えられていきました。

ちょうどその頃、活字書体の世界では、産業革命によって大量生産されるようになった商品を宣伝するために、誘目性の高いディスプレイ書体が求められていました。
そんな時代性を背景として登場した、この独特の太いセリフが特徴的な書体群は、当時の風潮と時勢から「エジプシャン」というカテゴリー名を授けられました。

今回はそのエジプシャンの書体群の中から、「クラレンドン」の活字書体を用いて組版・印刷をおこないました。

テキストは、フランスの詩人アルチュール・ランボオ(1854-1891)の詩集の英語訳から、「彼女はエジプトの踊り娘か?……」の一節を引用しました。
和訳は、中原中也の訳を参考にしながら翻訳しました。

魅惑的な踊り娘の図版は、パリの社交界の寵児であり、女性スパイの代名詞ともなった マタ・ハリ(1876-1914)の写真です。
今回は3色に分版したものを、線数の異なる亜鉛凸版にしてみました。


図版分色データ作成:松尾篤史さん
亜鉛凸版製版協力:真映社

通常の活版印刷では、写真版の線数は80-100線程度が印刷に適するといわれていますが、印刷用紙を写真版の再現にも適した用紙を選択して試し刷りの結果、175線でも予想以上に効果的な印刷ができましたので、本刷りには175線の亜鉛凸版を選択して印刷しました。

「印刷術」とは、同一の情報を、敏速かつ大量に複製するための手段ですが、実は印刷、とりわけ手動活版印刷機で一番難しいのが、印刷物のクォリティを同じように保つようにコントロールすることです。
インキの量や温度(気温はもちろん、印刷中の摩擦熱によってインキの固さやローラーの弾力、印刷版の状態などが変化します)などの影響によって、刻々と印刷物の仕上がりが異なってきます。
しかしその反面、インキの量や色味などを、実験的に微妙に、さまざまに変えて楽しむことができるのが、手動式活版印刷機で少量印刷をおこなう Adana-21J ユーザーのおおきな楽しみのひとつです。

3色重ね刷りだけでなく、2色だけのものも落ち着きのある印刷効果を得ました。

2版目は当初、金色のインキで刷る予定でしたが、金は印刷中と、ドライダウンしたときの印象がかなり異なるため、黄色でも試すことにしました。

当時の西洋人がイメージしたであろう東洋のエキゾチシズム(おそらくエジプトも東南アジアも、西洋人からみたら一緒くた)に想像を膨らませて、蛍光色も踊り娘のマタ・ハリには合うのではとおもい、いろいろと組み合わせを試してみました。
このようなさまざまな試みをかさね、2013年版のアダナ・プレス倶楽部の年賀状を作成いたしました。おたのしみいただけましたら幸いです。

よみうりカルチャー提携 公開講座

読売・日本テレビ文化センター
よみうりカルチャー恵比寿
×
朗文堂/アダナ・プレス倶楽部 提携

公 開 講 座

活版印刷で手作りカード

欧文活字と花形活字を用いて
クリスマスカードをつくります


 

【開催日時】
2012年12月15日[土]
①13:00―15:00 ②16:00―18:00
各回定員6名、材料費2,100円(税込)
(その他、申込時に別途受講料が必要となります)

【開催場所】
朗文堂/アダナ・プレス倶楽部
160-0022 新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F 

【予約受付】
よみうりカルチャー恵比寿
予約開始日 11月25日(日)
受講料3,990円(親子はプラス735円)


お申込の詳細は11月25日(日)配布予定の朝刊折込
または
よみうりカルチャー恵比寿のHP
「12月の公開講座」の項
tp://www.ync.ne.jp/ebisu/2012/11/post_43.html
をご覧ください!!

印刷インキ洗浄剤の安全性に関して

最近一部の報道で、印刷インキの洗浄剤について不安を感じておられるユーザーのかたもいらっしゃることと存じます。
ここにアダナ・プレス倶楽部紹介の洗浄剤の安全性に関してご報告いたします。また製造メーカーからの安全報告書を含む詳細は、次号『Adana Press Club NewsLetter Vol.18』においてご紹介いたします。
────
まず、Adana-21J 発売当初より、朗文堂/アダナ・プレス倶楽部でご紹介してまいりました洗浄剤の類は、公共機関・教育施設・ご家庭の個人ユーザー様などを想定して、なによりも安全性に配慮してまいりました。
したがって今回の報道をうけて、あらためて製造メーカー各社に確認した結果、新聞報道などで問題となっております「ジクロロメタン」や「1,2,ジクロロプロパン」は含まれておりませんことを、ここにユーザーの皆さまにご報告させていただきます。
────
なお「Adana-21J 操作指導教室」や、アダナ・プレス倶楽部の会報誌『Adana Press Club NewsLetter』などでも、再再ご案内しておりますが、インキ類や洗浄剤をご使用になる際には、くれぐれも換気をよく行ってください。
また、洗浄剤が皮膚に直接触れないように、清拭などに際してはゴム手袋などを装着し、万一洗浄剤などが皮膚に付着したばあいは、石けんでよく水洗いして洗いおとしてください。
使用後は揮発を防ぐために、容器のフタはしっかりと閉め、火気や誤飲・お子さんの事故に注意をして、安全な場所(冷暗所)で保管してください。

また、ご使用の洗浄剤が体質に合わないかた、使用中に気分が悪くなった場合には、ただちに使用を中止してください。

町田市立国際版画美術館 開館25周年事業

町田市立国際版画美術館

開館25周年記念事業 活版印刷体験イベント

【主 催】町田市立国際版画美術館

【協 力】朗文堂 アダナ・プレス倶楽部


6月30日[土]アダナ・プレス倶楽部が出張しての「活版ゼミナール」開催。
晴天に恵まれて、子供たちは水遊びに夢中でした。

 
開館25周年記念の懸垂幕がかかった町田国際版画美術館

今年で開館25周年をむかえる町田市立国際版画美術館の記念事業の一環として、活版印刷体験のイベントが開催されています。
2012年6月23日(土)―7月29日(日)開催の企画展示「版画家群像 大正・昭和のベスト・セレクション」展の会期中には、アダナ・プレス倶楽部もお手伝いして、同時代の主流な印刷方法である活版印刷の印刷体験と実演を行っています。

会期中には同館ミュージアムショップにおいて、アダナ・プレス倶楽部会員が制作した「活版印刷作品」の販売も実施されています。
また、会場の町田版画美術館は、豊かな緑と水の中に彫刻が点在する芹ヶ谷公園の一角にあり、散策コースとしてもおすすめです。東京に居ながらにして都会の喧騒を忘れ、緑と芸術をじっくりと堪能することができます。
皆さまぜひ今会期中に「町田市立国際版画美術館」にお運びください。

●活版印刷体験 カッパン印刷をしてみよう!

【開催日】2012年 6月23日(土・済)、7月7日(土)、7月8日(日)、7月28日(土)
【時 間】13:30―15:00(当日13:00より整理券を配布の予定)
【会 場】エントランスホール
【定 員】印刷体験:各回40名(参加費無料)、見学:自由
【内 容】町田市立国際版画美術館所蔵の古いテキンを用いて印刷体験を行います。

印刷版には、企画展示に関連した木口木版の版画を樹脂凸版に製版したものを用います。
印刷体験は各回、当日配布・先着順の整理券保有の40名様に限らせていただきますが、見学は自由です。
なお、企画展示期間中を通して、印刷体験に用いる樹脂凸版と同じ絵柄をゴム版にした「開館25周年 来館者記念スタンプ」を、エントランス入口に設置しておりますので、そちらも合わせてご利用いただき、版材の違いや、押印と印刷との違いもお楽しみください。 

活版印刷イベント「活版ゼミナール」── 中間報告

【開催日】6月30日(土)
【時 間】2012年 13:30―15:30
【場 所】エントランスホール
【定 員】印刷体験:20名(参加費無料)、見学:自由
【実 演】朗文堂 アダナ・プレス倶楽部
【内 容】活字の文選から印刷までの活字版印刷の工程を実演いたしました。

町田市立国際版画美術館 →詳細
版画家群像 大正・昭和のベスト・セレクション →詳細
関連催事 活版イベント →詳細

 
活版ゼミナールでの活版印刷物
町田市立国際版画美術館蔵の田中恭吉の版画をもとに
樹脂凸版で版画を印刷し
田中恭吉の詩を活字で印刷した二色刷り 


町田国際版画美術館所有の「テキン」を補修しての活版体験


「テキン」のハンドレバーはお子様には操作が困難か……。


踏み台を用意しましたが、それでもまだレバーに手が届かない。


6月30日「活版ゼミナール」にはAdana-21Jが登場!


Adana-21Jとアダナ・プレス倶楽部会員のアシストもあって好調。


「活版ゼミナール」は定員20名でしたが、立ち見のお客さまも
たくさんいらっしゃいました。

 
活版ゼミナールの受講者は事前予約の20名様でしたが、
ゼミナール終了後の印刷体験には、40名ほどの希望者が
殺到して、活気に満ちた会場となりました。


Adana-21Jを2台用意して、樹脂凸版での版画の印刷と、
活字版での文字印刷を並行して実施しました。

アダナ・プレス倶楽部会報誌 第17号

そろそろアダナ・プレス倶楽部の会報誌 第18号 夏号の準備をはじめなければと思い、気がつきました……
アダナ・プレス倶楽部の会報誌 第17号のご報告をまだwebsiteに掲載していなかったことを……

『Adana Press Club NewsLetter Vol.17』(Spring 2012)は5月に完成し、活版凸凹フェスタ2012のご案内とともに、アダナ・プレス倶楽部の会員の皆さまにお送りいたしました。
無事に発送を終えて、ヤレヤレと息つく暇もなく、その後の活版凸凹フェスタ2012をはじめ、春のイベントシーズンの対応にかまけて、websiteの更新をすっかり怠ってしまいました。申しわけありません。

『Adana Press Club NewsLetter Vol.17』 Spring 2012
表紙タイトル : 48pt. Gill Sans Shadow & 30pt. Gill Sans Bold
表紙リノカット : 亀井純子

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・主な内容(目次)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・イベント    町田市立国際版画美術館 開館25周年記念事業「活版印刷体験イベント」のお知らせ
・イベント    「活版凸凹フェスタ2012」開催のお知らせ
・会員便り   「組版を解版糸で結ぶ」
・豆知識17   「活字ケースのおなはし 和文活字篇③」
・新商品     「ラバー・クッション 胴張セット」新発売!
・お知らせ   今年もトロロアオイを植えられる方へ

『Adana Press Club NewsLetter』の定期購読をご希望の方は、会員登録 と年間登録費の納入をお願いします。
なお、毎号バックナンバーの在庫がございませんため、会報誌の配布は次号からとなります。ご了承ください。

活版カレッジ2012年夏季講座定員となりました!

《活版カレッジ》 は 朗文堂 アダナ・プレス倶楽部の直接指導により
活字版印刷術の 知・技・美 の三領域をバランスよく学べます。  
3ヶ月(毎月3回)、全9回の講座となります。

★6月開講予定の《活版カレッジ 夏季講座》は定員となりました。
★9月開講予定の《活版カレッジ 秋季講座》もほぼ予約で
  定員となっています。
  少数限定の講座のためにご迷惑をおかけしますが、
  《活版カレッジ》受講をご希望の皆さまには、できるだけ事前予約を
   お勧めいたします。
★アダナ・プレス倶楽部では、おもに Adana-21J ご購入予定者と、
  ご遠方の活版愛好者にむけた
   《Adana-21J 操作指導教室》 も随時開講しております。

活版凸凹フェスタ2012

五月の連休は活版三昧!
上野・日展会館でお待ちしています。

5月3日から《活版凸凹フェスタ2012》がスタートします!
──
お天気にも恵まれそうです。
地下鉄ご利用者なら、千代田線根津駅から
JRご利用者でしたら、上野駅からのお散歩コースをお勧めします。
最寄り駅の鶯谷駅北口は、残念ですが景観に若干の難があります。

 

 

活版凸凹フェスタ2012

  《活版凸凹フェスタ》は活字版印刷術(以下カッパン、活版とも)にまつわるさまざまを集めた楽しいお祭りです。
活字をもちいて印刷をおこなう「活字版印刷術 Typographic Printing」と、各種の凸版類をもちいて印刷をおこなう「凸版印刷 Letterpress Printing」を中心に、凸版・凹版・平版・孔版といったさまざまな印刷版式の紹介と、版画や製本といった関連技術も含めた作品と製品を展示し、一部は販売もおこないます。

《五月の連休は活版三昧ザンマイ》をスローガンとして開催された《活版凸凹フェスタ》は、2008-9年に四谷・ランプ坂ギャラリーを会場として開催し、2010年には上野・日展会館に会場を移して開催されてきました。昨2011年は東日本大震災のために、残念ながら中止といたしましたが、ようやく満を持して再開の運びとなりました。

会期中にはさまざまな《特別企画》と《活版ゼミナール》の開催が予定されています。一部には有料・予約制のイベントもございます。その紹介は随時本欄にてご紹介いたしますので、ご面倒でも開催直前まで本欄をときどきご訪問いただき、ご確認・ご予約いただきますようお願いいたします。

【会 期】2012年5月3日(木・祝)―5月6日(日)
     10:00―17:00(最終日は15:00まで)

【会 場】日展会館 2F イベントスペース
     東京都台東区上野桜木2―4―1
     http://www.nitten.or.jp/

【入場料】無 料
     (ワークショップの一部には参加費が必要なものもあります)

【主 催】朗文堂 アダナ・プレス倶楽部

【出展作家】――敬称略
青葉 瀧
アダナ・プレス倶楽部(大石 薫)
アダナランド(Hedgehog Press, Alan Brignull)
飯田めぐみ
122press
凹凸舎(大沼ショージ)
海岸印刷
真田幸文堂(真田幸治)
Tokyo Pear (スミス恵梨子)
つる9テン(つるぎ堂+九ポ堂+knoten)
新潟やまやま(山下良子 山崎洋介)
Bird Design Letterpress
八朔ゴムはん(片岡知子)
はな工房(田中智子)
ヒロイヨミ社
史緒(fumiwo)
文香(栃木香織)
PORT
botaniko press(宗則和子)
まさなりみゆき
山猫や(木月禎子)
羅久井ハナ
riviera press(浅井陽子)
Ladybird Press(杉戸 岳)
龍骨堂
Lingua Florens(桐島カヲル)

【学校法人】
女子美術大学短期大学部 造形学科デザインコース
筑波技術大学総合デザイン学科(豊崎美帆、劉賢国)
常葉学園大学 造形学部 ビジュアルデザインコース(代表:杉田達哉)
日本大学藝術学部 美術学科
武蔵野美術大学 基礎デザイン学科

【出展企業・団体】
アワガミファクトリー(with 亀井純子、玉井玉文堂、成田長男、バッカス松尾、春田ゆかり、横島大地)
江戸堀印刷所
活版工房(弘陽、中村活字、金子瞳美、斎藤隆夫、東條メリー、紅綴堂)
株式会社エスアールジー
株式会社 真映社
タイポグラフィ学会
通称 活版印刷屋 大伸
築地活字
日星鋳字行+台湾活版印刷文化保存協会
フジグラフィックス版画工房
有限会社佐々木活字店

【協 力】
アイコー印刷
伊藤伸一
株式会社廣田鉄工所
株式会社理想社
欣喜堂(今田欣一)
研究社印刷株式会社
河野三男
高内 一(岩田母型製造所関連)
冨澤ミドリ(江川活版製造所関連)
長瀬欄罫製作所
平野正一(東京築地活版製造所関連)
本木昌造顕彰会
Mānoa Press (from Hawaii)
松尾篤史
渡辺 優
ユニバーサル・レタープレス

会員からのお知らせ

 中野活版印刷店開業

3月30日[金]、杉並区荻窪に「中野活版印刷店」が開業しました。偶然《活版ルネサンスフェア》の初日と重なっておりましたが、夜9時まで開催という「有限会社中野商店新事務所公式お披露目会」にお誘いいただき、アダナ・プレス倶楽部のメンバーもフェアの終了を待って駆けつけました。

社主の中野さんはとてもパワフルなかたで、グラフィックデザイン、WEB構築を主業務とする「有限会社中野商店」、出版部門の「NSパブリッシング」のほかに、あらたに印刷部門として「中野活版印刷店」を開業されました。
事務所はデザイナーらしく、とてもおしゃれで、貨物専用エレベーターつきの地下貯蔵庫(書籍の在庫で埋まるのか、はたまた、ワイン・セラーになるなのかな)もあるという素敵なものでした。
入口近くに新設の活版印刷機 Adana-21J  が設置され、来場者全員へのお土産として、活字で自分の名前を刷り込んだコースターをいただきました。宴は夜おそくまで続いたようですが、翌日、中野さんは(二日酔いもみせずに)《活版ルネサンスフェア》に駆けつけてくださいました。

 

 

 

第11回活版ルネサンス終了しました!

 第11回 活版ルネサンス フェア

たくさんのご来場ありがとうございました!

3月30日[金]31日[土]の両日に開催された《活版ルネサンスフェア》が、無事終了いたしました。土曜日はあいにくの天候でしたが、お客さまの足は終始途絶えることなく、狭い会場いっぱいに詰めかけていただきました。ありがとうございました。

《今回の主なご紹介アイテム  順不同》
小型活版印刷機 Adana-21J、KMT全自動活字組版機(日本語モノタイプ)活字母型庫8pt, 9pt, 10pt明朝体、Paper Maker、圧盤用ラバー・クッション胴張りセット、活版専用ピンセット新旧、ジャッキとジャッキハンドル新旧、罫線各種、くじら尺、特製組みつけ台、金属インテル各種、活版用強力磁石、組版ステッキ、ファニチュア各種、工具類(ブレース鋏・鳥居鋏・罫切り鋏)、罫切り器、各サイズ込め物セット、活字倍数尺、ムラ取りハンマー&ならし木セット、ブロッキング防止パウダー、特白ウェス、無臭洗い油、インキ・ハンド・ローラー、インキべら、インキ・パッド、ゴム・ローラー・メンテナンス剤、オイルベース活版用インキ各色(1キロ缶、特製200グラム缶)、活版用墨青口インキ、ラバー・ベース・レタープレス用インキ、版画用メタルベース(19.68ミリ、19.70ミリ)、樹脂版用メタルベース(21.89ミリ、23.39ミリ)、五号サイズメタルベース箱入りセット、新製カタ仮名活字アラタ1209、輸入欧文活字スキームセット、輸入オーナメント活字各種、凸版用スプレーボンド、文選箱新旧各種、文選箱ストッパー、セッテン、文選箱立て、組みゲラ、置きゲラ、スダレケース棚、活字サイズ照合キット

5月の「活版凸凹フェスタ2012」の会場でも「第12回 活版ルネサンスフェア」を開催の予定です。

今回の活版ルネサンスフェアの会期とご都合が合わず、残念ながらご来場いただけなかったお客様も、ぜひとも5月の連休には皆さまお誘い合わせのうえ、ご来場ください。

第11回 活版ルネサンス フェア

第11回 活版ルネサンス フェア

新企画・新規商品もぞくぞく入荷です!
どうぞご期待ください!!

2012年3月30日[金]31日[土] 13:30―19:00

会場 * 新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F 朗文堂

  *

アダナ・プレス倶楽部の会員と、活版ファンの皆さまを対象とした
新品・中古品のカッパン関連機材・資材の展示即売会です。

手狭な会場ながら、貴重アイテムから、マニアックな商品までが溢れています!
創作の春に向けて、このチャンスをぜひともお役立てください。

[東京都公安委員会許可 第304380708865号]

 

アダナ・プレス倶楽部が製造・販売している新品のカッパン印刷関連機器、独自企画開発商品はもとより、カッパン印刷所で長年の使用に耐えてきた優秀な中古品もドッサリ用意いたしました。これらは現在では生産中止となったカッパン関連機器や、個人では入手しにくい活版専用インキなどの器材・資材を含みます。カッパン印刷のサポーターとして、アダナ・プレス倶楽部ならではの、懇切丁寧な使用方法の解説もいたしますので、狭い会場ながらも魅力溢れる展示販売会となります。

折しも「活版凸凹フェスタ2012」をはじめ、春の展覧会や、春の創作活動のシーズン到来。「今年こそ、活版凸凹フェスタに出展しよう!」と意気込む皆さまには絶好のチャンスです。創作に活用できそうな機材の補充、実制作での疑問解決、技術の向上に、どうぞこの「活版ルネサンス フェア」をご利用ください。

活版凸凹フェスタ2012 出展募集

 

 

in 日展会館

出展作家・出展企業 大募集!!

募集要項をよくご確認のうえ、ご応募ください。

「活版凸凹フェスタ」は、活字版印刷にまつわるさまざまを集めた楽しいお祭りです。活字を主要な印刷版とする「活字版印刷術 Typographic Printing」と、各種凸版類をもちいて印刷をおこなう「凸版印刷 Letterpress Printing」を中心に、版画や製本といった関連技術も含めた作品と製品を展示し、一部は販売もおこないます。カッパンをより深く理解していただくためには、ほかの版式や技法に接することも重要です。そのため「活版凸凹フェスタ」では、カッパン・凸版を中心としながらも、「ファイン・プレスの祭典」として、広い範疇でのプレス作品の出展も歓迎しています。

昨年は震災の影響で残念ながら中止という苦渋の決断をさせていただきましたが、一年間の充電期間を得て、満を持しての再開となります。

出展をご希望される方は募集要項をよくご確認の上、お申し込みください。たくさんのご参加をお待ちしております。

 

【会 期】2012年5月3日(木・祝)―5月6日(日)
     10:00―17:00(最終日は15:00まで)

【会 場】日展会館 2F イベントスペース
     東京都台東区上野桜木2―4―1

【主 催】朗文堂アダナ・プレス倶楽部

【搬入・展示】2012年5月2日(水)14:30―16:30

(宅配の場合は5月2日の12-14時着のヤマト運輸便で日展会館必着、送料負担でお願いします)

【搬 出】2012年5月6日(日)15:00―17:00

(宅配希望の場合は後日配送、着払いで対応させていただきます)

※会場は時間管理に厳格な施設です。既定時間内に搬入・搬出を終えられなかった方は、会場全体の延長料金をご負担いただきますので、ご了承ください。

 

【出展料】出展料と展示コマの組合せは以下となります。各組み合わせよりご選択ください。

■作家A■ 展示中心の方

①  机上のみ1コマ(幅1200mm×奥行750mm×高さ700mm)
…………………………………………………10,000円(税込)

②  壁面のみ1コマ(幅1200mm×高さ2550mmまで)
…………………………………………………10,000円(税込)

③  机上1コマ(①と同)+机後方の壁面1コマ(②と同)
…………………………………………………20,000円(税込)

④  机上のみ2コマ(幅2400mm×奥行750mm×高さ700mm)
…………………………………………………20,000円(税込)

⑤  壁面のみ2コマ(幅2400mm×高さ2550mmまで)
…………………………………………………20,000円(税込)

⑥  机上2コマ(④と同)+机後方の壁面2コマ(⑤と同)
…………………………………………………40,000円(税込)

※  机上展示には、机上2コマで一台の折りたたみ机を使用します。机上1コマの場合には、折りたたみ机の半分の使用となり、もう半分には他の出展者の机上展示が配置されます。ご了承ください。

※  机上展示のみの場合には、机後方の壁面に他の出展者の壁面展示が設営される場合があります。また同様に、壁面展示のみの場合には、前方に他の出展者の机上展示が隣接される場合があります。机上展示のみで作品に高さがある方、壁面展示のみで作品が下方まで長くなる方は、事前にご相談ください。


■作家B■ 積極的に物販をされる方

①  机上のみ1コマ(幅1200mm×奥行750mm×高さ700mm)
……………………………………………………20,000円(税込)

②  机上のみ2コマ(幅2400mm×奥行750mm×高さ700mm)
……………………………………………………40,000円(税込)

※  机上のみ1コマの場合には、折りたたみ机の半分の使用となり、もう半分には他の出展者の机上展示が配置されます。スペースの都合上、2名以上で常駐してお店番をされる場合や、グループでのご参加の場合には、②の机上のみ2コマでご出展くださいますよう、お願い申し上げます。


■学校法人■

※  アダナ・プレス倶楽部に入会されている学校法人は出展料不要でご出展いただけます。

※  展示スペースは壁面1コマ(幅1200mm×高さ2550mmまで)のみでお願いいたします。

※  作品は額装もしくはパネル展示にて、会場ではピクチャー・フックにかけるだけで壁面展示がスムーズに完了するように、事前に紐などをつけた状態での搬入をお願いいたします。

※  配布物がある場合には、作品同様に壁面から吊り下げるかたちでご用意いただくか、出展者合同の配布物置き場にまとめて置かせていただくかたちとなります。


■活版印刷関連業者■

※  机上のみ2コマ(幅2400mm×奥行750mm×高さ700mm)
…………………………………………………40,000円(税込)

※  ご出展は会期中の全日でなくとも結構ですが、出展料は上記一律でお願いいたします。

 

【その他】

※  会場でのグッズ販売・受注の売上マージンは不要ですが、販売は各出展者が会場にいる時間のみとし、接客・金品の受け渡しは各自・各団体で責任をもって行ってください。

※  壁面展示はピクチャー・レールとピクチャー・フック(会場常備)のみ使用可能です。釘や押しピン・虫ピンの類の壁打ち、テープ類による接着はできません。ピクチャー・フックでの作品の吊り下げが可能なように、各自で額装またはパネルにご準備のうえ、搬入をお願いいたします。掲示物などを壁面に簡易に直貼りしたい場合には、壁に傷や貼り跡を残さない「ブル・タック」や「ひっつき虫」などの、練り消し状の粘着ラバーを各自でご用意のうえ、ご使用ください。

※  作品や商品の保護に必要な用具、テーブルクロスなどは各自でご用意ください。また、印刷版など、机に傷や汚れが生じる可能性がある物を展示する場合には、下敷き用の台座やクロスをご用意ください。


【参加申込締切】2012年2月29日(水)

参加ご希望の方は、朗文堂 アダナ・プレス倶楽部のe-mail(adana@robundo.com)もしくはファクシミリ(03-3352-5160)まで下記事項をご連絡ください。

 件名:活版凸凹フェスタ2012 参加希望

  1. 登録名:作家名、グループ名、学校名、企業名(パンフレット掲載用の名称でお願いします)
  2. 連絡先:郵便番号・ご住所・電話番号・ファクシミリ番号・e-mailアドレス
  3. 出展内容(大まかで結構です。詳細は4月半ばのキャプション締め切り時にお知らせ願います)
  4. ご希望の展示スペース(例:作家A①机上のみ1コマ、業者机上のみ2コマ、など)