トロロアオイの花が咲きました

アダナ・プレス倶楽部 会員便り

日本全国のアダナ・プレス倶楽部会員のもとで
トロロアオイが開花中です

「トロロアオイ(黄蜀葵)/学名 Abelmoschus manihot」は中国原産の一年草で、ハイビスカス、ムクゲ、フヨウ、オクラ、ワタ、ケナフなどとおなじアオイ(葵)科の植物です。
印刷狂・活字狂・愛書狂をもって自他ともにゆるした「アオイ書房」の志茂太郎が、その社名にもしたほど愛した可憐な花として知られます。
「花オクラ」とも呼ばれ、オクラの花に似た淡黄色の花は食用にもなります。また、オクラのような粘りを有し、その根の粘液は和紙づくりのネリとして使用されます。蒲鉾や蕎麦のつなぎや、漢方薬としても利用される身近で有用な植物です。

昨年の秋、活版カレッジUpper Class(活版カレッジの修了生)有志の皆さんと、東京都内に残る伝統的な手漉き和紙であり、都の指定無形文化財の「軍道紙( ぐんどうがみ)」の工房である「あきる野ふるさと工房」に紙漉きの実習に行ったところ、ちょうどトロロアオイの種が熟す時期と重なり、種をたくさん分けていただきました。

そこでこのトロロアオイの種を、蒔き時となる春先まで大切に保管し、アダナ・プレス倶楽部の会報誌『Adana Press Club NewsLetter』春号(Vol.13, Spring 2011)の特別付録として配布したところ、全国のアダナ・プレス倶楽部の会員の皆さまが育ててくださいました。9月に入って続々と開花の報告が届いておりますので、その一部を掲載させていただきます。

東京都新宿区K塩J朗さん宅のトロロアオイ
9月の半ばに2週間ほど、海外出張の予定が入っていましたので、出発前に花が開くすがたをひとめみてから出かけたいものだと、ベランダのロダンのいすに腰かけて魔法のけむり(煙草とも)をふかしながら、まだかたい蕾をまいにちうらめしく眺めていたところ、やつがれの願いが届いたのか、魔法のけむりが効いたのか、月がかわったとたんにつぎつぎと花芽がほころびはじめました。

そんなやつがれが、まいにちせっせと水をやり、だいじに育ててやっと咲いたこのカレンな花を、あろうことか家人が食べようと狙っています。
しかしさいわい、家人は朝寝坊なので、トロロアオイの花が元気よく咲いている時間帯には、まだ夢のなか。しめしめといったところです。

東京都豊島区M夫妻のトロロアオイ

うちは庭が無いので、軒下のプランターで育てています。
残りの種はこっそりと近くの公園に蒔いて、密かにその生長を見守ってきました。
公園の除草作業のたびに、「もはやこれまでか……」と毎回ハラハラしましたが、なんとか花が咲くまで生きのびました。
いまでは公園の主として堂々と花を咲かせています。

東京都文京区Gさん宅のトロロアオイ

玄関先の植木鉢で咲いています。

東京都調布市Sさん宅のトロロアオイ

やっと咲きました。思ったよりも大きい花です。

埼玉県S市Tさん宅のトロロアオイ
ベランダのトロロアオイが満開です。

宮城県仙台市Oさん宅のトロロアオイ
毎日、まだかなあと蕾をのぞきこんでいましたが、
とうとう咲きました。
ほんとうにきれいな花ですね。
見ていると気持ちが柔らかになります。

京都府Yさん宅のトロロアオイ
お花はまだですが、だいぶ大きくなりました。