第14回活版ルネサンスフェア開催のお知らせ

たくさんの皆さまをお迎えして無事終了いたしました。
ご来場たまわりました皆さま、ありがとうございました。
活版ルネサンスの歩みが、着実に進行していることを
とても嬉しくおもえる2日間でした。
秋季に再度《活版ルネサンスフェア》を開催の予定ですが
その間、活版印刷関連機器、資材などに関しましては
ご遠慮無くアダナプレス倶楽部までご相談ください。

と き * 2013年03月29日[金] 30日[土] 13:30―19:00
ところ * 朗文堂4F-B
160-0022  新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F
Telephone : 03-3352-5070
[ご案内マップ]


アダナ・プレス倶楽部の会員と、活版ファンの皆さまを対象とした
新品・中古品のカッパン関連機材・資材の展示即売会です。
手狭な会場ながら、貴重アイテム、マニアックな商品が溢れています!
創作の春に向けて、このチャンスをぜひともお役立てください。
[東京都公安委員会許可 第304380708865号] 

アダナ・プレス倶楽部が製造・販売している新品のカッパン印刷関連機器、独自企画開発商品はもとより、カッパン印刷所で長年の使用に耐えてきた優秀な中古品もドッサリ用意いたしました。
これらは現在では生産中止となったカッパン関連機器や、個人では入手しにくい活版専用インキなどの器材・資材を含みます。

カッパン印刷のサポーターとして、アダナ・プレス倶楽部ならではの、懇切丁寧な使用方法の解説もいたしますので、狭い会場いっぱいに、魅力溢れる展示販売会となります。
春の創作シーズン、展覧会シーズンの到来に合わせて、創作に活用できそうな機材の補充、実制作での疑問解決・技術の向上に、どうぞこの「活版ルネサンス フェア」をご利用ください。
────
《今回の主なご紹介アイテム  順不同》
小型活版印刷機 Adana-21J/新開発 圧盤用ラバー・クッション胴張りセット/KMT全自動活字組版機(日本語モノタイプ)活字母型庫8pt, 9pt, 10pt明朝体/活版専用ピンセット新旧/ジャッキとジャッキハンドル新旧/罫線各種/くじら尺/特製組みつけ台/金属インテル各種/活版用強力磁石/特製組版ステッキ、中古組版ステッキ/ファニチュア各種/工具類(ブレース鋏・鳥居鋏・罫切り鋏)/罫切り器/各サイズ込め物セット/活字倍数尺/特製ムラ取りハンマー&ならし木セット/ブロッキング防止パウダー/特白ウェス/無臭洗い油/インキ・ハンド・ローラー/インキべら/インキ・パッド/ゴム・ローラー・メンテナンス剤/オイルベース活版用インキ各色(1キロ缶、特製200グラム缶)/活版用墨青口インキ/ラバー・ベース・レタープレス用インキ/版画用メタルベース(高さ19.68ミリ、高さ19.70ミリ)/樹脂版用メタルベース(高さ21.89ミリ、高さ23.39ミリ)/特製五号サイズメタルベース箱入りセット/特製カタ仮名活字アラタ1209/輸入欧文活字スキームセット/輸入オーナメント活字各種/凸版用スプレーボンド/特製文選箱/中古文選箱各種/文選箱ストッパー/セッテン/特製文選箱立て/特製ミニ組みゲラ/中古組みゲラ/特製ミニ置きゲラ/中古置きゲラ/特製ミニスダレケース棚/活字サイズ照合キットなど。


販売アイテムの一例──
アダナ・プレス倶楽部特製 五号サイズ基本メタルベース箱入りセット

その他掘り出しもの、在庫限りの貴重アイテムがどっさり。
皆さま、友人・知人と誘いあわせてのご来場をお待ちしております。

【イベント紹介】印刷のいろは展 2013


印刷のいろは展 2013

 【日 時】  2013年02月22日[金]-24日[日]
        12:00-18:00(最終日は17:00まで)
【会 場】   金羊社 1階・4階 入場無料 予約不要
【主 催】   金羊社&オールライト工房

アダナ・プレス倶楽部会員、オールライト工房さんによる恒例の《印刷のいろは展  2013》が、ことしも盛りだくさんの企画をもって開催されます。
皆さまご参加ください。

【詳細 いろは展ホームページ】

会員 鈴木一成さん 震災の復興と追悼の想いを込めて

  


《活版カレッジ修了、アダナ・プレス倶楽部会員の鈴木一成さんが執筆》
『先見経済』(清話会、2013年01月01日)の表紙Ⅳに、当会会員、活版カレッジ修了生の鈴木一成さんが東日本大震災からの復興と追悼の想いを込めた「時論」を発表されました。

鈴木さんは1982年宮城県石巻市のおうまれで、朗文堂新宿私塾、活版カレッジを履修され、近い将来、宮城県にあたらしい印刷業のモデルを創立するために真摯な研鑽をつづけています。

石巻市は宮城県東部に位置し、人口はおよそ20万人で、県内第2の都市とされます。2011年03月11日の大震災では、直接死・関連死・行方不明者は3,943名の多くを数えました(2012年11月現在)。
この石巻市における犠牲者の数は、市町村レベルではもっともおおきな被害でした。

鈴木一成さんの一家は1926年(昭和元年)の創業にかかる株式会社鈴木印刷所の経営者で、まもなく創業90年を迎える老舗の印刷会社です。
同社もまた、激甚をきわめた震災と津波によっておおきな被害を蒙ったものの、全社一丸となって復興作業をすすめ「Never Give Up  原点回帰・第二の創業へ」をスローガンとして、奮迅の努力を重ねています。

鈴木印刷所の第4代目を担うであろう鈴木一成さんは、「第二の創業」をめざして、ほんとうに熱心に研究をつづけています。
「原点回帰・第二の創業」に際して、活版印刷と真っ正面からとり組み、近近、意欲的な工房が杜の都・仙台か、石巻に誕生するようです。もちろん朗文堂 アダナ・プレス倶楽部も、全力でのバックアップを心がけてまいります。
────
鈴木一成さんの「時論」は、あのおおきな災害を忘れることなく、被災地へのおもいをあらたにさせる、挑戦者らしい「時論」でした。
そしてわたしたちも、あの地震と津波という天災と、さらには原発事故という人災の記憶を風化させることなく、犠牲者の皆さんへの追悼の念と、復興の意志に燃える被災地の皆さんと、ねばりづよい連帯がもとめられることを、年頭から実感させるものでした。

アダナ・プレス倶楽部 2013年版年賀状製作の記録


★     ★     ★ 

アダナ・プレス倶楽部の年賀状は毎年、数ある欧文活字を、時代性によっていくつかのカテゴリーにわけ、それを歴史順に一書体づつ選択して制作しています。
ブラック・レター、ヴェネチアン・ローマン、オールド・ローマン、トランジショナル・ローマン、モダン・ローマンを経て、今年はエジプシャンの「クラレンドン」の登場です。

エジプシャンは別名スラブセリフ(Slab Serif)とも呼ばれる、板状の太いセリフをもった書体群です。
この書体が誕生したきっかけは、1798年からはじまったナポレオンのエジプト遠征に端を発し、ヨーロッパでは「東方への関心」とあわせて、熱狂的なエジプト・ブームが巻き起こりました。
そのブームにあやかって、たとえそれがエジプトとはまったく関連性が無いものであっても、さまざまなものや商品に「Egyptian──エジプトの」という名前が与えられていきました。

ちょうどその頃、活字書体の世界では、産業革命によって大量生産されるようになった商品を宣伝するために、誘目性の高いディスプレイ書体が求められていました。
そんな時代性を背景として登場した、この独特の太いセリフが特徴的な書体群は、当時の風潮と時勢から「エジプシャン」というカテゴリー名を授けられました。

今回はそのエジプシャンの書体群の中から、「クラレンドン」の活字書体を用いて組版・印刷をおこないました。

テキストは、フランスの詩人アルチュール・ランボオ(1854-1891)の詩集の英語訳から、「彼女はエジプトの踊り娘か?……」の一節を引用しました。
和訳は、中原中也の訳を参考にしながら翻訳しました。

魅惑的な踊り娘の図版は、パリの社交界の寵児であり、女性スパイの代名詞ともなった マタ・ハリ(1876-1914)の写真です。
今回は3色に分版したものを、線数の異なる亜鉛凸版にしてみました。


図版分色データ作成:松尾篤史さん
亜鉛凸版製版協力:真映社

通常の活版印刷では、写真版の線数は80-100線程度が印刷に適するといわれていますが、印刷用紙を写真版の再現にも適した用紙を選択して試し刷りの結果、175線でも予想以上に効果的な印刷ができましたので、本刷りには175線の亜鉛凸版を選択して印刷しました。

「印刷術」とは、同一の情報を、敏速かつ大量に複製するための手段ですが、実は印刷、とりわけ手動活版印刷機で一番難しいのが、印刷物のクォリティを同じように保つようにコントロールすることです。
インキの量や温度(気温はもちろん、印刷中の摩擦熱によってインキの固さやローラーの弾力、印刷版の状態などが変化します)などの影響によって、刻々と印刷物の仕上がりが異なってきます。
しかしその反面、インキの量や色味などを、実験的に微妙に、さまざまに変えて楽しむことができるのが、手動式活版印刷機で少量印刷をおこなう Adana-21J ユーザーのおおきな楽しみのひとつです。

3色重ね刷りだけでなく、2色だけのものも落ち着きのある印刷効果を得ました。

2版目は当初、金色のインキで刷る予定でしたが、金は印刷中と、ドライダウンしたときの印象がかなり異なるため、黄色でも試すことにしました。

当時の西洋人がイメージしたであろう東洋のエキゾチシズム(おそらくエジプトも東南アジアも、西洋人からみたら一緒くた)に想像を膨らませて、蛍光色も踊り娘のマタ・ハリには合うのではとおもい、いろいろと組み合わせを試してみました。
このようなさまざまな試みをかさね、2013年版のアダナ・プレス倶楽部の年賀状を作成いたしました。おたのしみいただけましたら幸いです。

【イベント紹介】活版、横濱 二〇一三

活字母型  活字鋳造  活版活字

《活版、横濱 二〇一三》

【日 時】2013年02月09日(土曜日)11:00-19:00、
              10日(日曜日)11:00-18:30

【会 場】りせっとcafe 伊勢佐木町店 
      横浜市中区伊勢佐木町2-62 オリエンタル共同ビル

【参加者】
AUI-AŌデザイン大磯活版発信室、アマガサ印刷、活版工房、築地活字、
ズアン課、ツバメ活版堂、つる9テン(つるぎ堂、九ポ堂、Knoten)、
Bird Design Letterpress、ベイレタープレス、まつざわ印刷 ほか

【展示概要】
・活版作家のオリジナルの活版印刷物
 (ポスト・カード、封筒、メッセージ・カードなど)
・手動式活版機(テキンとアダナ機)を使ったワークショップ
・新・活字ホルダーを使ったワークショップ
・活字、活版材料の販売
・活字母型などの展示
・地元神奈川の印刷屋さんの活字組版の展示

【企画趣旨 ── 築地活字代表・平工希一】
《活版、横濱 二〇一三》は、全国で湧き上がる活版印刷の新しい可能性を、ここ横浜でも根付かせ、地元密着型の情報発信をしていくキッカケになれば ── との思いから開催することにいたしました。
《活版、横濱 二〇一三》の開催場所としてイセザキ町を選んだのは、活版印刷の歴史と同じく、新しい魅力をまだまだ発信できる可能性のある町だと思ったからです。
多種多様な人たちが集まるこの町で、新たな活版印刷を発信できれば幸いです。

【主 催】
株式会社 築地活字
横浜市南区吉野町5丁目28-2(三進興業ビル1F)
電話 : 045-261-1597
メール : info@tsukiji-katsuji.com

《活版、横濱 二〇一三》 詳細データー 会場MAP  

ムサビ助手展2012 活字公倍数504pt.&五号24倍

 

助手展 2012 武蔵野美術大学助手研究発表
The Research Associate Exhibition 2012

助手展 2012 武蔵野美術大学助手研究発表

会 期| 第1期:2012年11月26日[月]-12月08日[土]
       第2期:2012年12月10日[月]-12月22日[土]
会 場| 武蔵野美術大学 美術館 展示室1、2
Web site|http://musabi.ac.jp/ra/2012/
主 催| 武蔵野美術大学 美術館・図書館
企 画| 助手展2012運営委員会

武蔵野美術大学の各研究室に所属する助手の皆さんによる、作品と研究成果の展覧会です。美術、デザイン全般にわたる作品と研究成果が、同大学美術館展示室で、2 期にわけて発表されました。
────
武蔵野美術大学《助手展2012  第 2 期》に「504ポイントのコンポジション」のテーマで参加された日吉洋人ヒロトさん(基礎デザイン学科助手、アダナ・プレス倶楽部会員、活版カレッジ修了)から、同展の情報と、データーの提供をいただきました。

日吉さんは、武蔵野美術大学基礎デザイン学科助手としての勤務のかたわら、活版印刷にこだわって、21世紀、あるいは平成の時代になってから、わが国はじめての「活字鋳造工・活字組版工見習い」として研鑽をつづけているかたです。

また、武蔵野美術大学基礎デザイン学科には、小型活版印刷機 Adana-21J が導入されており、活字の追加購入も盛んです。もちろん学生の皆さんや助手の皆さんの積極的な使用がみられます。 

504 ポイントのコンポジション
 凸版印刷(letterpress printing)の技法で、
504 x 504 ポイントの紙面に構成をおこないました。
 
活字組版は、正楷書体の五号サイズの大出張の
活字 100 本を使用。インテルの長さは五号 24 倍。
行間のあきは、五号全角、二分、四分、八分を
組み合わせて使用。
込め物は、五号四倍、三倍、二倍、全角、二分、
三分、四分を組み合わせて使用。
 
活字組版は、角柱の活字を組み合わせて四角形
に組版します。その四角形にしようとする意志が
既に構成を志向しているように感じます。
 
その後、うみだされた版面は紙面に配置されて
余白を決定します。
活字組版は、版面が活字のサイズの倍数で
制御され、結果として法則性をあたえられて
います。そのことは、版面のなかに破綻をあた
えるような造形的な要素を持ち込みません。
また、印刷するときは、紙面に自由に配置し
ています。
無数の造形の要素を選択・決定し、ビジュアル
コミュニケーションの造形を生成するための
方法が、活字版印刷術のシステムとプロセスの
なかには確立されています。 今回の制作では
活字版印刷術の造形の生成
の手段を
意識しながら、主題は求めず、自由に
構成を
おこないました。         (日吉洋人 wrote)
 

今回の研究・展示「504ポイントのコンポジション」のテーマで、日吉洋人さんが着目した「504ポイント」とは、わが国の「金属活字新号数制」のもとでの最小公倍数としてもちいられた数値です。
また、それを厳格に計測するための「活字の原器」の存在を、本年03月に『花筏』に報告しました。そのときからすでに日吉さんはこのテーマの共同研究者でした。
★『花筏』タイポグラフィ あのねのね*019「活字の原器と活字のステッキとは-活字の最小公倍数 504pt. 」2012年03月17日掲載 

また「五号24倍」とは、活版印刷のおもに端物業者(名刺・カードなどの少量小型印刷業者)がよく使う倍数で、端物印刷には適応性がとても高い数値です。

504pt. と 五号24倍の相関関係考察表  日吉洋人

活版カレッジ 2013年冬季生 募集

「活版カレッジ」2013年冬季講座ですが、
すでに予約待ちのお客様でほぼ定員となっておりますため、
申しわけございませんが新規募集は各クラス1名のみの受付となります。

朗文堂/アダナ・プレス倶楽部の直接指導により
活字版印刷術の知・技・美の三領域をバランス良く学べます。

今期は昼間部のみの開催となります。
募集定員が極少数の講座となりますので、
希望者多数の場合には、次期講座での受講を
お勧めする場合がございます。ご了承ください。

 

活版カレッジ 2013年冬季
昼間部 14:00-17:00
3ヶ月(毎月3回)、全9回


【Aクラス(木曜日クラス)】 定員となりました
2013年
01月10日(木) 活字版印刷概論
01月17日(木) 和文端物組版
01月24日(木) 文選
02月07日(木) 和文ページ物組版
02月14日(木) 和文と欧文の違い
02月21日(木) 欧文書体の歴史
03月07日(木) 欧文スペーシング
03月14日(木) 多色刷り1
03月21日(木) 多色刷り2

【Bクラス(水曜・木曜 曜日変則クラス)】 定員となりました
2013年
01月10日(木) 活字版印刷概論
01月16日(水) 和文端物組版
01月23日(水) 文選
02月06日(水) 和文ページ物組版
02月13日(水) 和文と欧文の違い
02月21日(木) 欧文書体の歴史
03月06日(水) 欧文スペーシング
03月13日(水) 多色刷り1
03月21日(木) 多色刷り2

【定  員】 各クラス4名(受付完了順)
【受講料】 66,000円(税込、教材費込)
《受講料を全額納入いただきました方から、受付完了とさせていただきます》
【教  室】 朗文堂/アダナ・プレス倶楽部 4F-B

受講をご希望の方はアダナ・プレス倶楽部の@メールまで
下記の事項をご連絡ください。
1.「活版カレッジ」2013年冬季 受講希望
(【Aクラス】か【Bクラス】か、日程の希望も明記してください)

2.お名前
3.ご連絡先 郵便番号、ご住所、電話番号、@メールアドレス
4.活版印刷のご経験の有無

その他、お差し支えなければ、性別、ご年齢などもお書き添えください。各回の基本的な指導内容は統一させていただきますが、参加者それぞれのご経験やご関心をお教えいただければ、できる限り講習内容として反映いたします。
《お教えいただいた情報は、朗文堂/アダナ・プレス倶楽部の内部だけで使用します》

ご参加お待ちしております。

よみうりカルチャー提携 公開講座

読売・日本テレビ文化センター
よみうりカルチャー恵比寿
×
朗文堂/アダナ・プレス倶楽部 提携

公 開 講 座

活版印刷で手作りカード

欧文活字と花形活字を用いて
クリスマスカードをつくります


 

【開催日時】
2012年12月15日[土]
①13:00―15:00 ②16:00―18:00
各回定員6名、材料費2,100円(税込)
(その他、申込時に別途受講料が必要となります)

【開催場所】
朗文堂/アダナ・プレス倶楽部
160-0022 新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F 

【予約受付】
よみうりカルチャー恵比寿
予約開始日 11月25日(日)
受講料3,990円(親子はプラス735円)


お申込の詳細は11月25日(日)配布予定の朝刊折込
または
よみうりカルチャー恵比寿のHP
「12月の公開講座」の項
tp://www.ync.ne.jp/ebisu/2012/11/post_43.html
をご覧ください!!

アダナ・プレス倶楽部会報誌 第19号

アダナ・プレス倶楽部の会報誌『Adana Press Club NewsLetter Vol.19』(Autumn & Winter 2012)が完成し、会員の皆さまへ順次配送中です。

 

会報誌19 『Adana Press Club NewsLetter Vol.19』 Autumn & Winter 2012
表紙活字 : 18pt. Goudy Light & Goudy Cursive

・・・・・・・・・・・・・・・・・・主な内容(目次)・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・イベント   よみうりカルチャー恵比寿共催 公開講座のお知らせ
・レポート   活版カレッジUpper Class有志旅行 「台湾探訪」
・豆知識19  「活字母型の製造法 ①打ち込み法〈前篇〉」
・会員便り   「2年越しのトロロアオイが開花しました!」

『Adana Press Club NewsLetter』の定期購読をご希望の方は、会員登録 と年間登録費の納入をお願いします。
なお、毎号バックナンバーの在庫がございませんため、会報誌の配布は次号からとなります。ご了承ください。

台湾でつくった CAD方式による活字母型 と 初号活字


《 あたらしい活字複製原型製造法 ── 活字母型CAD方式彫刻法をさぐる旅 》
戦後のわが国の活字界にあって、ひろく「ベントン」の名称で親しまれてきた機械式活字父型 ・ 活字母型彫刻法ですが、既報のとおり、本2012年に 「安形製作所」 などの専業彫刻所が相次いで閉鎖されました。
ですからこれからの活字鋳造の継続のためには、もはや128年余以前のふるいシステムに拘泥することなく、なんらかのあたらしい活字母型彫刻法を開発する必要がありました。

「ベントン」 とは考案者の名称をとったもので、文字や地図などの図形を、一定の比率に拡大 ・ 縮小する、パンタグラフの原理を応用した彫刻機でした。考案者は米人のリン-ボイド-ベントン(Benton, Linn Boyd   1844-1932)で、1884年に 「活字父型彫刻機   Punch Cutting Machine 」 として実用化されました。

この「機械式活字父型・母型彫刻機-愛称/ベントン」による活字父型・母型製造法は、まことに残念ですが「安形製作所」などの「ベントン母型製造専業者」の閉鎖によって、ここにアメリカでの実用化から128年、わが国での国産化から62年の歴史をもって、事実上幕をおろすこととなりました。
【参考資料:花筏 タイポグラファ群像*004 安形文夫】
【参考資料:花筏 朗文堂-好日録019  台湾旅行】

──────────
 《 すでに顔なじみでした ── 台湾 ・ 日星鋳字行の張 介冠代表と、台湾活版印刷文化保存協会の 柯 志杰さん 》
台湾における活字鋳造会社、日星鋳字行の存在と、そのCAD方式をもちいた、あたらしい活字母型製造法の情報は、だいぶ以前から林昆範リン-クンファン氏(台湾中原大学助教授、タイポグラフィ学会会員)からいただいていました。
★  アダナ・プレス倶楽部 活版凸凹フェスタ*レポート14 

したがって、そもそもこの台湾旅行は、昨年中におこなわれる予定の企画でしたが、2011年3月11日の東日本大震災の影響もあってのびのびになっていたものでした。
その間逆に、日星鋳字行の張 介冠 チョウ-カイカン 代表と、台湾活版印刷文化保存協会の 柯 志杰 カ-シケツ さんが、日本における活字鋳造の現状調査などを目的に、わざわざご来社いただくことが数度ありました。

さらにふしぎなことに、昨2011年の年末、クリスマスの日にも、年末をもって廃業される活字関連業者の設備移動に関して、急遽来日されたおふたりと過ごしていました。
それよりなによりも、日星鋳字行さんは 《活版凸凹フェスタ 2012 》 に出展されており、アダナ ・ プレス倶楽部会員の皆さんとはすっかり親しい間柄になっていました。
──────────
 今回の旅は、アダナ ・ プレス倶楽部 活版カレッジ修了生 有志の皆さんでした。 その参加者全員の原字データーは、いったんアダナ ・ プレス倶楽部に集約されて、かつてのベントン彫刻機のパターン製造のための原字データ製造と同様に、あらかじめ簡便な 「文字作成ソフトウェア」 をもちいて、2 インチ角の枠と、センター ・ トンボをつけた文字データとして、事前に日星鋳字行に送付しておきました。

各文字が 2 inch 角のマス目に入っています。原字シート。

今回参加の皆さんの原字シート。 活版カレッジ修了生の皆さんは、活版印刷実践者ですが、原字製作者(タイプデザイナー)ではありません。 それでもどなたも意欲作をお寄せいただきました。 上から02段目の03点と、04段目の02点は、彫刻時間が長くなるということで、わたしたちの台湾での滞在時間を考慮して、事前に彫刻作業が実施されていました。

作成予定の活字母型製造と 活字鋳造は、初号活字( ≒ 42ポイント角)でした。 形象が複雑で、彫刻時間が長時間になることが予想されるものは、あらかじめ日星鋳字行で、わたしたちの到着前に 機械彫刻が先行実施されていました。

なかでも彫刻に時間を要したのは、研究社印刷/小酒井英一郎さんの「研究社のシンボルマーク  唐獅子」で、およそ03時間がかりでの彫刻となったようです。
これは単母型の彫刻としては日星鋳字行さんでも最長記録であり、また台湾でも 「 唐獅子 」 はとても縁起のよいものとされていますので、早速 日星鋳字行さんのフェイスブックでも紹介されています。

【 参考資料 : 電子ブック版 研究社百年の歩み 】
【 参考資料 : 日星鋳字行フェースブック 】

もっとも積極的に活字鋳造に挑まれたのは田中智子さん。
「わたしのお気に入りの初号活字  My Favorite Type 」 を、追加として数十本の鋳込みを特注されました。
また文選箱を手に 活字ケース架をぬうように巡られて、台湾ならではの魅力的な活字を在庫活字からたくさん発見され、重くて持ちきれないほど大量の活字を購入されていました。

田中さんは、帰国直後から印刷テストをかさねられ、すでに下の写真のようなみごとな刷りあがりを獲得されています。
田中さんからご送付いただいた活字母型のアップ写真をみますと、中央上部のちいさな丸は、印刷面でも活字面でも円形ですが、活字母型をみますと活字鋳造の際のヌケをよくするため、活字母型に付与される 「傾斜面   Bevel」 のために、円錐形に加工されるなど具合がよくわかって貴重な資料となります。

このようにして参加者の皆さんは 「わたしのお気に入りの初号活字  My Favorite Type 」 と、それぞれが在庫活字から発見した 「台湾ならではの活字」 を手にし、故宮博物院の参観をされ、さらに台北タイペイのまち歩きをめいっぱいたのしまれ、02泊03日というあわただしい旅でしたが、全員無事に帰国いたしました。

ところで……、わがアダナ・プレス倶楽部では、なにかと所用に追われ、まだ印刷テストまで手がまわっていません。
とりあえずは、できたての活字母型と、初号活字をご紹介だけさせていただくことでご容赦いただきます。

────

『周礼』静嘉堂文庫所蔵

中国の南西部 ・ 四川省は、ふるくは蜀とよばれていました。 蜀は唐王朝末期の木版印刷術の発祥地のひとつで、その刊本は「蜀大字本」と呼ばれて評価がたかく、
「 字大如銭、墨黒似漆 ── 文字は古銭のように大きく、文字の墨の色は黒漆のように濃い 」
とされます。 ですから刊本の原寸にちかい、初号というおおきなサイズの活字では、まさに 「 龍の爪 」 にふさわしい、勇壮で迫力のある表情が得られました。
今回の活字製作にあたっては、朗文堂タイプコスミイク 「四川宋朝体  龍爪」 (欣喜堂製作) をもととしています。

初号活字 「アダナプレス倶楽部」 は、初号角 ( ≒ 42pt. ) に09文字が入ったもので、計算上はひと文字あたり 14pt. に相当しますが、実際の字面は 12pt. ほどに仕上がっています。
こうした活字をふるくからロゴタイプと呼んでいます。 デザイン用語で、企業名 ・ 商品名などにデザイン性を付与した文字もロゴタイプと呼びますが、それよりふるい歴史をもっています。
このロゴタイプ 「 アダナプレス倶楽部 」 は、漢字の部分は 「 RI  ゴシック MⅡ」 で、カタ仮名の部分は 朗文堂タイプコスミイク 「和字 Succession 9」  くろふね(欣喜堂製作) をもととしています。 

活版カレッジ有志、台湾で活字彫刻 ・ 活字鋳造体験会

《台湾の活版印刷復興に努力する日星鋳字行との交流が深まりました》
アダナ ・ プレス倶楽部 活版カレッジ修了生有志が、2012年10月6-8日、体育の日の 3 連休を利用して、かねてより親しくおつき合いしてきた、台湾の活字版製造所/日星鋳字行に 「活字母型彫刻 と 活字鋳造体験」 を目的として、2 泊 3 日の予定ででかけました。

台湾の人口は2,300万ほど。
やはりその台湾でも、活版印刷はあたらしい技術に押され気味で、衰退の傾向にありました。 活版印刷所は台北市内だけでもまだ 30 社ほどあるそうですが、活字母型製造 ・ 活字鋳造 ・ 活字版製造の企業は、台北市の日星鋳字行(代表/張介冠氏 チョウ-カイカン) 1 社だけになっていました。

張代表のご専門は金属加工で、のちに家業の日星鋳字行の代表となりました。
ところが父親から継承した活字母型のほとんどが、ふるい技術の 「 電鋳法 (電胎法とも)  Galvanic matrix 」 によるものであり、耐久性からみても限界にあって、あちこちに損傷が多くみられました。

そこで張代表は金属加工の経験をいかし、コンピューターと連動させた 「Computer Aided Design 機械式活字母型自動斬削システム 」 を開発し、まず初号 ・ 一号といった大きなサイズから損傷母型の修復彫刻を手がけ、いまはまだ試作段階にありますが、六号サイズまでの活字母型彫刻が可能になりました。
──────────
日星鋳字行では、張代表、張夫人にたいへんお世話になりました。
また台湾活版印刷文化保存協会の 柯 志杰 カ シケツ さんとともに、台湾大学 主特設計師の宮 恩培 キュウ-オンバイ さんをはじめ、大学院生 ・ 学部生らの 5 人も 「映像撮影部隊」 として加わって、とても活気に満ちた、にぎやかで、成果のおおきな 「活字母型彫刻と活字鋳造体験会」 となりました。

参加者の大部分は 2009年 「アダナ ・ プレス倶楽部特別企画/感動創造の旅 : 実践活字母型彫刻、実践活字鋳造体験会」 にも参加して、活字母型製造、活字鋳造の初歩を体験していました。
また、活版印刷の実践者であり、なによりも 《活版凸凹フェスタ 2012》 に日星鋳字行さんが参加されていたため、双方ともにすっかり親しい関係になっていました。

★  アダナ・プレス倶楽部 News  No.39
    特別企画/感動創造の旅:実践活字母型彫刻
★  アダナ・プレス倶楽部 News  No.40
    実践活字母型彫刻、素晴らしい成果をあげて無事終了!
★  アダナ・プレス倶楽部 News  No.43
    実践活字鋳造会 盛況裡に終了!
★  アダナ・プレス倶楽部 活版凸凹フェスタ*レポート14 

参加者にタイプデザイナーはいませんでしたが、それでも自分で原図製作をし、それを日星鋳字行の CAD システムを応用した 「機械式活字母型彫刻機」 で彫り上げる作業を見学し、続いて、できたての活字母型で 初号サイズの活字鋳造を実施するという、とても意欲的な企画でした。
できたての 「わたしだけの初号活字   My Favorite Type」 を包装し、台湾ならではの活字を大量に買い込んでいるうちに、陽はどっぷりと暮れていました。

「鬍鬚張 ヒゲ-ヒゲ-チョウ」 での日星鋳字行+台湾活版印刷文化保存協会+台湾大学有志+アダナ ・ プレス倶楽部 活版カレッジ修了生有志によるにぎやかな 懇親会。
前列右から、「寧夏夜市観光協会 千歳宴」店長 ・ 張永賢さん、「鬍鬚張 ヒゲ-ヒゲ-チョウ」 当代店主の張永昌さん、「日星鋳字行代表」張介冠さん

夜はすっかり日星鋳字行さんのお世話になり、台湾大学の皆さんともども、張介冠代表の友人が経営する、近くの台湾料理店 ── Formosa 台湾の美称 〔美しい島が原義とされる〕 「鬍鬚張 ヒゲ-ヒゲ-チョウ」 での懇親会。
「鬍鬚張」の先代はヒゲだらけだったそうですが、当代店主の張永昌さんにはヒゲがありません。 そこに、これも張介冠代表の友人 「寧夏夜市観光協会  千歳宴」 店長の張永賢さんも加わり(乱入して)、「張さんばかりが 3 人」 となって、楽しい夕べとなりました。

台湾初日の日星鋳字行での真摯なタイポグラフィ学徒の皆さんの紹介と、翌日からの休暇を、故宮博物院での観覧と、台北まち歩きをめいっぱい楽しまれたときの詳細記録は、朗文堂本体の website 『タイポグラフィ ・ ブログロール  花筏』 にて順次紹介の予定です。 こちらも合わせてご覧ください。
★  タイポグラフィブログロール 花筏 朗文堂好日録-019  

文+字 寓意を駆使する台湾物産事情

台湾みやげ《諸事大吉》
柿+ミカン+豚の組み合わせは、
なぜ縁起がよいのか?

台湾旅行にでかけて、おみやげに「諸事大吉」とあった縁起物を買ったものの、もうひとつその縁起がわからないから、わかりやすく説明せよ……との要望があった。
そもそも中国・台湾では、まま  文+字 をもちいて、あるいは、ほかのものごとにかこつけて、それとなくある意味をほのめかせる「寓意」を駆使するから困るのだ。
そしてそれをくわしく説明すると「シッタカ」と揶揄される。ナラバと、おもいきり平易に説明すると「ウザイ」とされるから嫌になるのだが……。

これは時節柄ハロウィンのカボチャにもみえるが、柿+ミカン(橘)+豚(猪)を組み合わせたもので、正確には「開運臻寶シンポウ 諸事大吉」と呼ばれ、幸運をもたらす縁起物とされる。
すなわち「運勢がひらけ、宝物がどんどんやってくる。すべてのものごとが、このうえもなく良くなる」という、きわめておめでたいものだ。 

「諸事大吉」の販促カタログをみると、ふんだんに商品解説が加えられている。そのキャプションがおもしろい。原文のままでも(むしろ原文のままのほうが)この縁起物の寓意と諧謔 ユーモア がつたわりそうなので。ここに紹介しよう。

◎ 創新的思維加上古老的吉祥語意再融合藝術大師的手藝便造就了令人驚奇不已的逗趣可愛吉祥外型。
◎ 橘子象徵吉祥,笑開懷的圓滾滾【諸事大吉】更象徵著凡事皆歡喜、諸事皆圓滿,大吉又大利,諸事皆順利。
◎ 逗趣可愛外型,象徵極好之諸事大吉。
◎ 笑顏常開諸事皆歡喜,諸事皆圓滿。
    
  

これだけでは不満そうなので、チョイと面倒でいつも嫌われるだが、もうすこしくわしく、写真の子豚ちゃんが寓意するところを解いてみた。
参考:『中国吉祥圖案』(台湾 北市、衆文図書公司、1991年02月)


【 柿 】
柿(Shih4)と、事(Shih4)は同音同声である。
したがって、ふたつ並んだ柿は「柿 柿」となって、多くのものごと「事 事 ≒ 諸事・百事・万事」をあらわす。

また唐の段成式は『酉陽雑俎』のなかで、柿にはななつの徳があるとのべている。
   1.壽がある
   2.多陰→夏に葉が茂り日陰を提供する
   3.鳥が巣をかけない
   
4.蟲が寄りつかない 
   
5.秋の霜に負けない(翫) 
   
6.嘉実≒縁起のよい果物
   7.落葉肥大→落ち葉が大量で、よい肥料となる
このように柿とはもともと、雅ミヤビであり、俗でもあるが、まことに賞賛すべき果物である。

また、「獅」(Shih1)と、「柿・事」(Shih4)とは同音異声である。
すなわち「柿 柿」は、ここに「百獣の王たる 獅 子」をも寓意する。
これすなわち「諸事如意 ≒ すべてが意のごとくになる」のである。

【ミカン → 橘】
中国・台湾では、ミカンのことを、ふつう橘とあらわす。
ところで、おおきな橘 = 大橘(Ta4 Chu2)と、大吉(Ta4 Chi2)は音が相似ている。
すなわち、おおきなミカン=大橘は、幸福をもたらす大吉に相通じ、きわめて吉祥をあらわす。

【豚 ≒ 猪】
中国・台湾では、ふつう豚は猪とあらわされる。その猪がなぜ珍重されるのかは、中国的形而上学がふんだんに織り込まれていて興味深い。
すなわち中国高級官僚登用試験「科挙」の成績上位者3名を「解元・会元・状元」の大三元と呼び、唐代には玄奘三蔵ゆかりの大慈恩寺の雁塔にその名を刻し、ひろく天下に公表された。それを「雁塔題名、金榜題名」と呼び、きわめて名誉なこととされた。

ところで豚の「蹄 ヒヅメ」と、「雁塔題名、金榜題名」の「題」とは、中国音ではともに「Ti2」とされ、同音同声である。
こうして猪=豚は、秀才・天才をあらわすこととなり、名誉なこととされる。
────
このようにして「開運臻寶シンポウ 諸事大吉」、すなわち「柿+ミカン+豚の組み合わせ」は、「可愛吉祥型であり、諸事に大吉をもたらし、諸事皆円満」となるの
である。
さて……、これでご納得いただけたであろうか。
あれっ、こんな蘊蓄を聞かされるより、この愛らしい置物をみてるだけで幸せになれる、という声がどこからかきこえたような?

《もうひとつ、おまけ ── ホテルのキーホルダーの寓意》
今回の台湾旅行でのホテルは、皆さんとプチ贅沢して「圓山エンザン大飯店 Grand Hotel Taipei」に宿泊した。見た目は巨大な中国式の宮殿のようだが、街中の近代的なホテルとくらべても、ほとんど料金は変わらない。
かつて「圓山大飯店」は迎賓館としてつかわれ、台北第一の格式を誇ったホテルだった。それだけに近代ホテルでは味わえない、漢民族の歴史と伝統の重みを感じさせる重厚さがある。
それでも「圓山大飯店」は郊外の山の中腹にあって、交通は少少不便である。したがってこのホテルが選ばれたのは、いまの台湾は喫煙にとてもうるさく、かろうじてベランダでの喫煙が許される(黙認)のが、ここが選ばれた最大の理由だった。


ホテルのルームキーは、古風で、重量もかなりあるシロモノだった。これでは外出時にもちあるくのは辛いので、フロントにキー・ドロップすることになり、紛失も少なくなる効果もありそうだ。
このルームキーの形態は、中国春秋戦国時代(前770-前221)のころの貨幣「布貨」を模したものである。「布貨」は農機具のスキやクワに似せ、次次と勃興した春秋戦国時代の各国で、それぞれ意匠をこらしてつくられた。

古来農業国であった中国では、農具はたいせつな財産であり、その農具を模した青銅の貨幣を「布貨」と呼んでいた。その由来はやはり貴重な商品であった「布帛」とどこでも交換されたので、その名がうまれたとされる。

こうした縁起をもった「布貨」を模したカギの表面には、このホテルの名称「圓山」を巧妙にデザインした意匠がみられる。
また「布貨」の裏面には、篆書風の字による「財」が配され、富貴をねがう国民性をすなおにあらわしている。
文+字 の国とするゆえんである。
────
アダナ・プレス倶楽部 活版カレッジ修了生有志の皆さんが、2012年10月6-8日、体育の日の連休を利用して、2泊3日の強行軍で台湾旅行に出かけた。
台湾での初日、活版製造所「日星鋳字行」での真摯なタイポグラフィ学徒の皆さんの紹介と、翌日からの休暇を、故宮博物院観覧と、まち歩きをめいっぱい楽しまれたときの詳細記録は、朗文堂の『タイポグラフィ・ブログロール  花筏』において順次紹介の予定である。こちらも合わせてご覧いただきたい。
★タイポグラフィブログロール 花筏 朗文堂好日録-019  

第13回活版ルネサンスフェア 終了!


とき * 2012年9月28日[金]29日[土] 13:30―19:00
ところ * 朗文堂4F-B
160-0022  新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F

第13回活版ルネサンスフェアは、たくさんのお客さまをむかえて
無事に終了いたしました。ご来場の皆さま、ありがとうございました。
今回はここ数回の【活版ルネサンス】の人気商品だった樹脂凸版用
メタルベースだけでなく、活字込め物、活字倍数尺などを
スタッフとじっくり相談し、購入されるお客さまが多いのが特徴でした。
どうやらすこし風向きがかわり、簡便な樹脂凸版だけでなく、本格的な
活字版印刷への転換がゆっくりとはじまっているようです。

次回【活版ルネサンス】の開催は、来年2013年03月を予定しています。
その間、活版印刷に関する機材・資材のご購入、あるいはご質問などは
ご遠慮無くアダナ・プレス倶楽部までご相談ください。
いよいよ秋の創作シーズンです。皆さまのご健闘を祈念いたします。



《アダナ・プレス倶楽部は、皆さまに支えられて奮闘中です》
朗文堂 アダナ・プレス倶楽部は、発足から7年、Adana-21J の発売開始から5年が経過しました。この間の皆さまからの暖かいご支援と、ご協力に、ただただ感謝の毎日でございます。
今後とも皆さまに支えられながら、また、あらたな、そしてさまざまな飛翔を企画中です。その詳細は順次ご報告いたしますが、変わらぬご支援・ご声援のほどお願い申しあげます。
────
アダナ・プレス倶楽部では、活版印刷のよき再生を願って、さまざまな試みを重ねてまいりました。そのひとつに、教育機関との提携・連携があり、Adana-21J をご購入いただいた施設には、できるだけ積極的に出向いて、学生の皆さんとの交流を計ってまいりました。
また購入検討中の施設でも、手狭ながら小社に学生の皆さんをお迎えして、実際の教育体験として、活版印刷を知り、触れていただく機会を設けてまいりました。

そんな記録が各教育施設(大学)のWebsiteに紹介されています。すこし古い記録もありますが、アダナ・プレス倶楽部の活動の一部としてご紹介いたします。

◎ 駒澤女子大学 人文学部映像コミュニケーション学科
                      田澤秀司准教授ゼミ
   ハロー V-com  活版印刷を実体験しました!   

◎ 日本大学  藝術学部美術学科 笹井祐子准教授ゼミ
   活  版  印  刷 

活版凸凹フェスタ*レポート14

********************************
《活版凸凹フェスタ》は、活字版印刷術(活版、カッパン)にまつわる
さま
ざまを集めたお祭りです。活字をもちいて印刷をおこなう「活
字版印刷術 Typographic Printing」と、 凸版印刷 Letterpress
Printing」を中心に、凸版・凹版・平版・孔版といったさまざ
まな印刷版式の紹介と、版画や製本といった関連
技術も含めた作品と製品を展示し、一部は
販売もおこないます。また各種の
《特別企画》や、タイポグラフィ・
ゼミナールを開催し、参加、
体験型のイベントとして
も位置づけられます。
******

【会 期】 2012年5月3日(木・祝)―5月6日(日)
       【会 場】 日展会館 2F イベントスペース
       【主 催】 朗文堂 アダナ・プレス倶楽部

 《ますます深まる台湾の活字業者との交流》
日星鋳字行+台湾活版印刷文化保存協会(台湾)
日星鋳字行は1968年(昭和43年)創業で、台湾で現存する唯一の活字鋳造所、活字印刷版製造所、活字販売店が「日星鋳字行  ニッセイ-チュウジ-コウ」です。
「鋳字」は活字鋳造で「行」はお店の意です。
すなわち日本風にいいますと「日星活字鋳造店」ということになります。

活版凸凹フェスタ2012会場にて。左:日星鋳字行  張 介冠(チョウ-カイカン)代表
右:台湾活版印刷文化保存協会  柯 志杰(カ シケツ)さん──日本語会話が堪能です。

日星鋳字行の Facebook ページ 
http://www.facebook.com/rixingtypefoundry
鋳字人(日星鋳字行プロモーション版映像)
http://www.youtube.com/watch?v=tQ5QV03vMNM

日本とのおおきな違いは、台湾ではいつのころからか、活字店が活字鋳造だけでなく、文選・植字(組版)までの作業をおこない、10数軒あるという活字版印刷所では、印刷・製本作業担当と、役割分担が明確に分かれています。

すなわち、これが本来の「活字版製造所」略して「活版製造所」ということになります。
わが国では「活字鋳造部門」と、それを文選・植字(チョクジ 組版)して、凸版印刷用の版(印刷版・刷版)をつくりあげる「活字版製造部門」が、導入早期から分離し、また「金属活字を中心とした印刷版≒活字版」を「カッパン」と略称してきましたので、「活版製造所」と「活字鋳造所」はもちろん、「おもに活字鋳造所が所有する文字原型によって、活字の母型を製造する部門≒活字母型製造所」などの文意、相違がわかりにくくなっています。

むしろ台湾では、明治最初期のわが国の「東京築地活版製造所」や「江川活版製造所」などの「活版製造所」と同様のワークフローがのこっていると考えたほうが、適切かつわかりやすいかもしれません。
日星鋳字行の主要業務は、活字版を製造・販売することにあり、活字をバラで売ることは付帯業務ということになります。

あるいはカッパン印刷に不馴れなかたは、オフセット平版印刷における印刷版の元、すなわち文字組版業者と、版下をつくる版下業者、それを写真術によって印刷版用のフィルムをつくる写真製版所と、ジンク版などに製版フィルムを焼き付けて、オフセット平版印刷用の印刷版をつくる業者(刷版サッパン、ハンコと略称  おおくは印刷所内で処理)、ロール印刷所の役割分担にちかいワークフローができていると考えると、わかりやすいかもしれません。

日星鋳字行  Websiteより:左は鉛字(活字)・右は銅模(電鋳法活字母型)

日星鋳字行の存在は、数年前にタイポグラフィ学会会員・林昆範(リン-クンファン、台湾在住)さんからの報告があり、一部では良く知られた存在でした。またアダナ・プレス倶楽部とも親しい交流がつづいていました。
その後わが国でも一般雑誌での報道があって、数名の日本の活版愛好家の皆さんが同社を訪問されているようです。

同社には併設して 台湾活版印刷文化保存協会 がおかれています。
台湾活版印刷文化保存協会は、台湾の活版印刷産業を保存するための団体です。同協会は新しいアイデアを次次と提案し、活版印刷文化に新たな生命力を注入し、将来の目標として「台湾活版印刷工芸館」の設立を目指すとしています。

『昔字・惜字・習字』(台湾活版印刷文化保存協会、2011年12月
本文は活字版印刷。巻末附録として、活字清刷りを縮小してオフセット平版印刷とした「日星鋳字行初号楷体縮様稿」があり、400余の字種見本となっている。

当面は日常業務のかたわら、電鋳法(電胎法)による繁字体(わが国の旧漢字に近い)の活字母型の多くが損傷しているために、台湾活版印刷文化保存協会の皆さんが同社に結集し、その修復と、一部に台湾政府の資金援助をうけて、活版印刷関連機器と関連資料の収集に注力されています。

現在の日星鋳字行の活字母型製造技術は、いわゆるベントン彫刻法によるものではなく、コンピュータ 3D ソフトを駆使した斬新な手法によっています。
日本と台湾、とても近くて親しい間柄です。多くの皆さんとの交流をもとめて「活版凸凹フェスタ2012」にはじめて参加されました。

《アダナ・プレス倶楽部 活版カレッジ  アッパークラス、10月に台湾訪問!》
アダナ・プレス倶楽部では、2009年09月27日に、神田・真映社、山梨・安形製作所、横浜・築地活字の3社の協力をえて、【実践活字母型彫刻】 ツアーを実施しました。

この企画は、まず活字の原字をつくり(参加者各自が製作)、それを2インチ角の活字パターン(亜鉛凹版)とし(真映社担当)、それを持参して山梨市まで出かけて「12pt. 活字用の活字母型彫刻」をする(安形製作所指導)というものでした。

《活版凸凹フェスタ2012》築地活字展示風景。
右は築地活字株式会社  平工希一社長。

さらに、できあがった特製「12pt. 活字母型」をもって、横浜・築地活字にでかけて「実践活字鋳造体験会」を実施しました。したがって参加者は「My Favorite Type  12pt.活字」をいまも大切にし、さまざまな製品・作品にもちいたり、愛玩しています。
そしてこのアダナ・プレス倶楽部による「実践活字鋳造体験会」がきっかけとなって、横浜・築地活字では、いまなお定期的に「活版活字 鋳造見学体験会」を開催されています。

ところで……、《活版凸凹フェスタ2012》ですっかり意気投合した日星鋳字行と、アダナ・プレス倶楽部 活版カレッジ アッパークラスのみなさんです。その有志10名ほどが2012年10月に台湾旅行を計画。当然 「My Favorite Type ── わたしのお気に入りの活字」をつくるべく準備に余念がありません。
その報告は、いずれまた。
 ─────
《佐々木活字店、ホームページ開設!》
今回の《活版凸凹フェスタ2012》に初参加され、皆さまご存知の有限会社佐々木活字店が、フェースブックにつづいて、このたびホームページを開設されました。

有限会社佐々木活字店 ホームページ
http://sasaki-katsuji.com/
有限会社佐々木活字店 フェースブック
http://www.facebook.com/sasakikatsujiten

有限会社佐々木活字店  会場風景
右)腕組みのかた・佐々木精一社長  左)帽子のかた・佐々木勝之氏。

佐々木活字さんにも、次世代を担うであろうご子息・佐々木勝之氏が入社され、ますます意欲的な展開がはじまりました。活字版印刷機と活字とは、唇歯輔車であり、また車の両輪のような関係にあります。アダナ・プレス倶楽部としてはまことに嬉しく、力強いこと限りありません。

第13回 活版ルネサンスフェア 開催のお知らせ


とき * 2012年9月28日[金]29日[土] 13:30―19:00
ところ * 朗文堂4F-B
160-0022  新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F
Telephone : 03-3352-5070
[ご案内マップ]

アダナ・プレス倶楽部の会員と、活版ファンの皆さまを対象とした
新品・中古品のカッパン関連機材・資材の展示即売会です。
手狭な会場ながら、貴重アイテム、マニアックな商品が溢れています!
秋の創作シーズンに、このチャンスをぜひともお役立てください。
[東京都公安委員会許可 第304380708865号] 

アダナ・プレス倶楽部が製造・販売している新品のカッパン印刷関連機器、独自企画開発商品はもとより、カッパン印刷所で長年の使用に耐えてきた優秀な中古品もドッサリ用意いたしました。これらは現在では生産中止となったカッパン関連機器や、個人では入手しにくい活版専用インキなどの器材・資材を含みます。

カッパン印刷のサポーターとして、アダナ・プレス倶楽部ならではの、懇切丁寧な使用方法の解説もいたしますので、狭い会場ながら魅力溢れる展示販売会となります。秋の創作シーズン、展覧会シーズンの到来に合わせて、創作に活用できそうな機材の補充、実制作での疑問解決・技術の向上に、どうぞこの「活版ルネサンス フェア」をご利用ください。
────
《今回の主なご紹介アイテム  順不同》
小型活版印刷機 Adana-21J/新開発 圧盤用ラバー・クッション胴張りセット/KMT全自動活字組版機(日本語モノタイプ)活字母型庫8pt, 9pt, 10pt明朝体/活版専用ピンセット新旧/ジャッキとジャッキハンドル新旧/罫線各種/くじら尺/特製組みつけ台/金属インテル各種/活版用強力磁石/特製組版ステッキ、中古組版ステッキ/ファニチュア各種/工具類(ブレース鋏・鳥居鋏・罫切り鋏)/罫切り器/各サイズ込め物セット/活字倍数尺/特製ムラ取りハンマー&ならし木セット/ブロッキング防止パウダー/特白ウェス/無臭洗い油/インキ・ハンド・ローラー/インキべら/インキ・パッド/ゴム・ローラー・メンテナンス剤/オイルベース活版用インキ各色(1キロ缶、特製200グラム缶)/活版用墨青口インキ/ラバー・ベース・レタープレス用インキ/版画用メタルベース(19.68ミリ、19.70ミリ)/樹脂版用メタルベース(21.89ミリ、23.39ミリ)/特製五号サイズメタルベース箱入りセット/特製カタ仮名活字アラタ1209/輸入欧文活字スキームセット/輸入オーナメント活字各種/凸版用スプレーボンド/特製文選箱/中古文選箱新旧各種/文選箱ストッパー/セッテン/特製文選箱立て/特製ミニ組みゲラ/中古組みゲラ/特製ミニ置きゲラ/中古置きゲラ/特製ミニスダレケース棚/活字サイズ照合キット/その他掘り出しもの、貴重アイテムがどっさり。ご来場をお待ちしております。

アダナ・プレス倶楽部会報誌 第18号

アダナ・プレス倶楽部の会報誌『Adana Press Club NewsLetter Vol.18』(Summer 2012)が完成し、会員の皆さまへ順次配送中です。

『Adana Press Club NewsLetter Vol.18』 Summer 2012
表紙タイトル : 18pt. & 16pt. Engravers Shadow
表紙装飾 : 12pt. 2倍の記号活字/

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・主な内容(目次)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・イベント    「第13回 活版ルネサンスフェア」開催のお知らせ
・レポート    印刷インキの洗浄剤について
・新商品    輸入欧文活字「ボドニ」のご紹介
・豆知識18    「活字ケースのおなはし 欧文字篇」
・活版まんが  「カッパンで金メダル」の巻

『Adana Press Club NewsLetter』の定期購読をご希望の方は、会員登録 と年間登録費の納入をお願いします。
なお、毎号バックナンバーの在庫がございませんため、会報誌の配布は次号からとなります。ご了承ください。

活版凸凹フェスタ*レポート13

********************************
《活版凸凹フェスタ》は活字版印刷術(活版、カッパン)にまつわる、さま
ざまを集めた
楽しいお祭りです。活字をもちいて印刷をおこなう「活
字版印刷術
Typographic Printing」と、 凸版印刷 Letterpress
Printing」を中心に、凸版・凹版・
平版・孔版といったさまざ
まな印刷版式の紹介と、版画や
製本といった関連
技術も含めた作品と製品を展示し、
一部は
販売もおこないます。また各種の
《特別企画》や、タイ
ポグラフィ・
ゼミナールを開催し、参加、
体験型のイベ
ントとして
も位置づけられます。

*******

《 五月の連休は活版三昧 ザンマイ 》 をスローガンとして開催された 《 活版凸凹フェスタ 》 です。
2008-2009年には 「 四谷 ・ ランプ坂ギャラリー 」 を会場として開催しました。
2010年には上野 ・ 日展会館に会場を移して開催しました。
昨2011年は東日本大震災のために中止いたしましたが、ようやく満を持して 《 活版凸凹フェスタ 》 再開の運びとなりました。

《 活版凸凹フェスタ2012 》 には、海外からの参加を含む 【 出展作家 】 26ブースと、【 出展企業 ・ 団体 】 11ブース、【 学校法人 】 5ブースの展示がありました。
また会期中には、さまざまな参加 ・ 体験型の 《 特別企画 》 と、《 活版ゼミナール 》 が開催されました。
今回はおもに 【 出展作家 】、【 出展企業 ・ 団体 】、【 学校法人 】 の展示風景を報告し、あわせて展示中心の 【 出展作家 】 を紹介いたします。
( 写真 : 玉井玉文堂さん )


【 会  期 】  2012年5月3日(木・祝)―5月6日(日)
           10 : 00 ― 17 : 00
【 会  場 】  日展会館 2F イベントスペース
          東京都台東区上野桜木2―4―1
          http://www.nitten.or.jp/
【 入場料 】   無 料
【 主  催 】  朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部





【 出展作家 】 ―― 敬称略/アイウエオ順
青葉 瀧
アダナ ・ プレス倶楽部 (大石 薫)
アダナランド (Hedgehog Press,  Alan Brignull )
飯田めぐみ
122press
凹凸舎 ( 大沼ショージ )
海岸印刷
真田幸文堂 ( 真田幸治 )
Tokyo Pear  ( スミス恵梨子 )
つる9テン ( つるぎ堂  +  九ポ堂knoten )
新潟やまやま(山下良子 山崎洋介)
Bird Design Letterpress
八朔ゴムはん ( 片岡知子 )
はな工房 ( 田中智子 )
ヒロイヨミ社
史緒 ( fumiwo )
文香 ( 栃木香織 )
PORT
botaniko press ( 宗則和子 )
まさなりみゆき
山猫や( 木月禎子 )
羅久井ハナ
riviera press ( 浅井陽子 )
Ladybird Press(杉戸 岳)
龍骨堂
Lingua Florens ( 桐島カヲル )

─────
◎ Tokyo Pear ( スミス 恵梨子 )

◎ はな工房(田中智子)

◎ アダナランド

◎ ヒロイヨミ社

◎ まさなりみゆき

◎ 海岸印刷

◎  新潟やまやま(山下良子  山崎洋介)

◎ 真田幸文堂

◎ 八朔ゴムはん(片岡知子)

◎ 飯田めぐみ

◎ 竜 骨 堂

────
【 学校法人 】
女子美術大学短期大学部 造形学科デザインコース
筑波技術大学総合デザイン学科 ( 豊崎美帆、劉賢国 )
常葉学園大学 造形学部 ビジュアルデザインコース (代表 : 杉田達哉 )
日本大学藝術学部 美術学科
武蔵野美術大学 基礎デザイン学科

【 出展企業 ・ 団体 】
アワガミファクトリー (with 亀井純子、玉井玉文堂、成田長男、バッカス松尾、春田ゆかり、横島大地 )
江戸堀印刷所
活版工房(  弘陽中村活字、金子瞳美、斎藤隆夫、東條メリー紅綴堂 )
株式会社 エスアールジー
株式会社 真映社
タイポグラフィ学会
通称 活版印刷屋 大伸
築地活字
日星鋳字行 + 台湾活版印刷文化保存協会
フジグラフィックス版画工房
有限会社佐々木活字店

印刷インキ洗浄剤の安全性に関して

最近一部の報道で、印刷インキの洗浄剤について不安を感じておられるユーザーのかたもいらっしゃることと存じます。
ここにアダナ・プレス倶楽部紹介の洗浄剤の安全性に関してご報告いたします。また製造メーカーからの安全報告書を含む詳細は、次号『Adana Press Club NewsLetter Vol.18』においてご紹介いたします。
────
まず、Adana-21J 発売当初より、朗文堂/アダナ・プレス倶楽部でご紹介してまいりました洗浄剤の類は、公共機関・教育施設・ご家庭の個人ユーザー様などを想定して、なによりも安全性に配慮してまいりました。
したがって今回の報道をうけて、あらためて製造メーカー各社に確認した結果、新聞報道などで問題となっております「ジクロロメタン」や「1,2,ジクロロプロパン」は含まれておりませんことを、ここにユーザーの皆さまにご報告させていただきます。
────
なお「Adana-21J 操作指導教室」や、アダナ・プレス倶楽部の会報誌『Adana Press Club NewsLetter』などでも、再再ご案内しておりますが、インキ類や洗浄剤をご使用になる際には、くれぐれも換気をよく行ってください。
また、洗浄剤が皮膚に直接触れないように、清拭などに際してはゴム手袋などを装着し、万一洗浄剤などが皮膚に付着したばあいは、石けんでよく水洗いして洗いおとしてください。
使用後は揮発を防ぐために、容器のフタはしっかりと閉め、火気や誤飲・お子さんの事故に注意をして、安全な場所(冷暗所)で保管してください。

また、ご使用の洗浄剤が体質に合わないかた、使用中に気分が悪くなった場合には、ただちに使用を中止してください。