書道博物館「墓誌銘にみる楷書の美」

書道博物館「墓誌銘にみる楷書の美」
観覧のお誘い

定員に達しましたので締め切らせていただきます。
申し込みありがとうございました。

ギャラリー・トーク「墓誌銘にみる楷書の美」

7月10日  午後1時20分 書道博物館ロビー集合
観覧料:500円(各自で受付にてお支払いください)
※定員はお申込み先着順で20名です。
人数確認のため片塩  jk@robundo.com  に「楷書の美参加」として
お名前をご送付ください。
お返事が無い場合は受付完了とさせていただきます。

書道博物館

110―0003 台東区根岸2―10―4
開館時間:9:30―16:30
観 覧 料:500円

子規庵
110―0003 台東区根岸2-5-11
開館時間:10:30―12:00 13:00―16:00
入 庵 料:500円

活版凸凹フェスタ2010での「印刷人掃苔会ツアー」は、マニアックなワークショップであったにもかかわらず、予想をおおきく上回るのたくさんの皆さまの参加のご希望をいただきました。タイポグラフィの知と技と美をバランスよく取得するためには、理論と実践の双方をまなぶことが必要不可欠です。今回の「墓誌銘鑑賞ツアー」もぞんぶんにマニアックな内容ではありますが、活版実践者の皆さまにもぜひ興味をもって臨んでいただき、今後の制作活動の糧や文字文化の継承と発展につなげていっていただければと思い、ご案内申し上げます。

根岸の里で著名な一画に、画家にして書芸家の中村不折が蒐集した膨大なコレクションを収蔵する「書道博物館」があります。不折は新聞『小日本』の挿絵を担当し、それを通じて正岡子規と親しく、その自邸も近接していました。また島崎藤村の『若菜集』『一葉集』『落梅集』の装本・挿絵を担当し、夏目漱石『吾輩は猫である』『漾虚集』、伊藤左千夫『野菊の花』などの挿絵を描き、ブック・デザイナーの先駆けとしても知られるひとです。また森鴎外は遺言で墓標の書家に不折を指名し、ただ「森林太郎」とだけしるさせています。

中村不折はパリに留学するなど、最初は洋画家をめざしましたが、明治28年に正岡子規とともに日清戦争の従軍記者として中国におもむき、中国各地や朝鮮半島を巡遊して『龍門二十品』『淳化法帖』などの拓本をはじめ、漢字成立の解明に寄与する考古資料の収集にめざめ、こうした書の古典から多くを学び、なかでも「北派」の書を根底とした、不折独自の、大胆で斬新な書風を展開して“不折流”と称されるまでになりました。

なかでも「龍眠帖」は書芸界に衝撃を与え、そのデザイン性の高さと親しみ易さから、店名や商品名の揮毫を依頼されることも多く、現在でも「新宿中村屋」の看板文字、清酒「真澄」や「日本盛」のラベル、「神州一味噌」「筆匠平安堂」のブランディングなどがあります。

書道博物館はそんな中村不折のコレクションをもとに開設され、現在は台東区が維持・管理にあたっています。その企画展「墓誌銘にみる楷書の美」のギャラリー・トークに申し込みましたが、最終回の7月4日に割り振られて出かけました。墓誌銘とは、中国の三国時代ころに厚葬を禁じて薄葬が求められ、建碑や巨大墓標の建立が困難となり、墓碑を小型化して地中に埋め込む形式が定着したものです。墓碑銘の大半は隷書か楷書によってしるされ、地中にあったために戦乱による破壊や風化が少なく、保存状態がよくて刻字も鮮明です。またほとんどの墓誌銘には年号がしるされ、書写・建碑の年代が確定できるのも大きな特徴です。

急なはなしで恐縮ですが、「墓誌銘にみる楷書の美」展は7月11日が最終日です。11日は参議院選挙の日ですし、企画展の常として、最終日の混雑は避けられません。またせっかく出かけても、適切な解説がなければ収穫は半減します。そこで学芸員の中村信宏様にお願いして、特別に朗文堂枠で7月10日にギャラリー・トークをお願いしました。同館には世界唯一本といわれる顔真卿の書をはじめ、重要文化財、重要美術品があふれています。ぜひこの機会にご観覧ください。

★ついでながら……

書道博物館は、JR鶯谷駅から徒歩5分です。「活版凸凹フェスタ」のときの緑の階段をのぼらず、例の風俗街を5分ほど直進すると、左手に台東区立書道博物館、右手に子規庵があります。この間の移動は30秒。

ですから10:30に子規庵について、子規の朝顔や、お庭を楽しみ、12:00から書道博物館の本館(常設展示)をじっくり見ることをお勧めします。新館での展示・解説は拓本が主で、墓碑の実物は本館にありますので……。それらを見てからギャラリー・トークに参加がお勧めコース。近くに司馬遼太郎『坂の上の雲』で著名な「羽二重団子」や「ねぎし三平堂」もありますが……。高くて混雑しますので片塩は敬遠ですが「笹乃雪」もすぐそこ。

ギャラリー・トーク終了後、天気が良く、体力に自信のあるかたは、近在の真言宗円明山西蔵院(根岸3―12-38)へご案内。ここには秀英舎の創業者/佐久間貞一の墓と、榎本武揚による巨大な顕彰碑があります……。こういうのを、最近は「マイラー」と呼び、女性に多いのだそうです!!!

【会員情報】 松尾夫妻の結婚を祝う会開催のご報告

松尾夫妻の結婚を祝う会開催のご報告

アダナ・プレス倶楽部の発足時からずっと、ロゴやイベントポップの制作などで献身的にご協力いただき、『 VIVA!!  カッパン♥ 』 のアートディレクターも務めてくださった松尾篤史さん ( タイポグラファ/タイポグラフィ学会事務局長 ) が、5月29日に福島由美子さんと結婚されました。
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結婚式の準備と 『 VIVA!!  カッパン♥ 』 の刊行がかさなって、松尾さんにはご苦労をおかけしましたが、結納から華燭の典までの間、松尾さんはその案内状、招待状、式次第、席順とお料理のメニューなどのすべてを、ご自身で丹誠込めてデザインされました。それはいかにもタイポグラフィを重くみる松尾さんらしく、繊細で精緻をこらしたもので、見事な 「 祝典作品見本 」 ともいえるほどの完成度でした。

6月16日、《 松尾夫妻の結婚を祝う会 》 が開催されました。会場は日頃夜食の出前でお世話になっている 「 中華料理店和平飯店 」 で、集まったメンバーは、タイポグラフィ学会、アダナ・プレス倶楽部、活版カレッジ、新宿私塾の有志の皆さん、およそ25名。気心のしれたメンバーの集まりでした。

なにぶん松尾さんの 「 餅好き 」 はよく知られていましたし、アダナ・プレス倶楽部のまわりには、なぜか餅好きが多く集っていて、暮れになると突如結成される 「 餅プレス倶楽部 」 もありますので、お祝いの記念品は 「 名入り特製紅白一生餅!」。名前の書体は 「 めでたく歴史を重ねる 」 のおもいをこめて 「 楷書体 」 を使用しました。

また、おふたりには1歳児の祝いの慣習 「 一升餅 」 にしたがって、末永く仲睦まじく、健康であるようにとの願いをこめてそれぞれの名前の入った大きな餅を 「 かついで 」 いただきました。

もうひとつのお祝い、ペナントも贈呈されました。これは早稲田大学の脇にあるペナント屋さんに依頼した特製品でした。日頃は早稲田のスクールカラーの紫紺のペナントの制作がおおい店主ですが、お祝いにふさわしい独創的な明るい色調で、 「 末広がり 」 を八つのサクラの花を配して表現した華やかなペナントに仕上げてくださいました。

店主のオギワラ氏は、Adana-21Jの実物もアダナ・プレス倶楽部のwebsiteもご覧になったことが無いにも関わらず、モノクロのファクシミリで簡単なラフスケッチをお送りしただけで、Adana-21Jの色とカタチを再現してくださったことにも、一同おどろきました。

松尾篤史さん、由美子さん、あらためておめでとうございました。これからも実践をともなったタイポグラフィの発展と、活版ルネサンスにご援助をお願いします。そして……、「 幸せふたり占め 」 で末永くお幸せに !!

【会員の皆さまへ】 トロロアオイを育ててみませんか?

写真:熊田達夫 『植物の世界 75』 (朝日新聞社 1995)

唐突ですが……、一緒に「とろろアオイ」を育てていただけるかたを募集中です。
一年草のアオイ科の仲間には「ぜにアオイ」「たちアオイ」「もみじアオイ」などがありますが、「とろろアオイ」は印刷狂・活字狂・愛書狂をもって自他ともにゆるした「アオイ書房」の志茂太郎が、その社名にもしたほど愛した花として知られます。
またその根の粘液は和紙の糊料(俗にネリ)
として用いられ、古くは胃腸炎や喉頭炎の漢方薬としても利用されました。

全くの偶然でした……。奥多摩の活字版印刷所を訪ねた際に、すぐ近くに東京都指定の無形文化財になっている「手漉き紙」の工房があることを知りました。
さっそくバスに乗って駆けつけると、そこでは都内でたった一ヶ所だけの伝統技法による「紙すき」が実施されていました。

この工房と手漉き紙のことは、なにぶん仕事の合間に駆けつけただけでして、まだあまりに情報不足です。ですから改めて取材してご報告しますが、5月27日、ちょうど工房を訪れた際に、黒ポットで密生した「とろろアオイ」の苗を一本立ちにする作業がされていて、その黒ポットを五鉢わけていただきました。

帰宅後調べてみると、いまの苗こそ可憐ですが、成長がはやく、高さは1メートル余になり、茎の太さは5―10センチにまで巨大化するようです。そして晩夏のころ、茎頂に黄色の大形の五弁の花を1日だけ開花するようです。
ですから花も見たいし、根から採れるという粘液も採取して、また工房を訪れて「手漉き紙」を抄造したいのですが、猫の額はおろか、鼠の額ほどもないベランダ花壇では心許ないものがあります。

そこで、いただいた黒ポットの種苗を見よう見まねで一本立ちにして、成長を見まもっています。もし皆さまのうち、お庭が広かったり、プランターで育ててみようとおもわれるかたがいらっしゃいましたら、ご遠慮なくお申し出ください。
ご来社いただければもちろん無料でおわけします。
ついでながら……、もったいないとおもいながら抜いた「とろろアオイ」の若芽は、いっしょに採集してきた三匹の「カタツムリ」がムシャムシャと食べ尽くしてしまいました。この「カタツムリ」のおはなしは、いずれまた。

後日記 : とろろアオイの苗、配布終了いたしました。
それぞれのお庭やベランダで、すくすくと成長しますように!

活版カレッジ第6期生募集

おまたせしておりました
「活版カレッジ」第6期生の募集をおこないます。
朗文堂/アダナ・プレス倶楽部の直接指導により
活字版印刷術の知・技・美の三領域をバランス良く学べます。

活版カレッジ第6期
木曜日コース(夜間部) 19:00-22:00
3ヶ月(毎月3回)、全9回
2010年
06月03日        活字版印刷概論
06月10日        和文端物組版
06月17日        文選
07月01日        和文ページ物組版
07月08日        和文と欧文の違い
07月15日        欧文書体の歴史
08月05日        欧文スペーシング
08月12日        多色刷り1
08月19日        多色刷り2
【定  員】 4名(受付完了順)
【受講料】 66,000円(税込、教材費込)
《受講料を全額納入いただきました方から、受付完了とさせていただきます》
【教  室】 朗文堂/アダナ・プレス倶楽部 4F-B
受講をご希望の方はアダナ・プレス倶楽部の@メールまで
下記の事項をご連絡ください。
1.「活版カレッジ」受講希望
2.お名前
3.ご連絡先 郵便番号、ご住所、電話番号、@メールアドレス
4.活版印刷のご経験の有無
その他、お差し支えなければ、性別、ご年齢などもお書き添えください。各回の基本的な指導内容は統一させていただきますが、参加者それぞれのご経験やご関心をお教えいただければ、できる限り講習内容として反映いたします。
《お教えいただいた情報は、朗文堂/アダナ・プレス倶楽部の内部だけで使用します》
皆さまのご参加お待ちしております。

活版凸凹フェスタ2010の記録

沢山の皆さまのご来場ありがとうございました!
出展者の皆さま、おつかれさまでした!
また来年も《五月の連休は活版三昧!》をめざし
身体性をともなった真の造形活動にいそしみます。

【会 期】2010年5月2日(日)―5日(水・祝)
【会 場】日展会館 2F イベントスペース
【主 催】朗文堂 アダナ・プレス倶楽部

《活版凸凹フェスタ2010》は、爽やかな五月の風、新緑が目にまぶしい上野の森、それまでのぐずついた天候が嘘のような、アッパレ日本晴れ。抜けるような青空のもと、新会場「日展会館」での開催となりました。
ともかく大勢のお客さまにご来場いただきました。そして50名を超える出展者との1年ぶりの懐かしい再会、そしてあらたな交流がはじまり、会場は終始熱気につつまれ、歓声と笑い声で沸きかえっていました。活版ルネサンスを指向している朗文堂 アダナ・プレス倶楽部としてはとても嬉しい4日間でした。
ここに、さまざまなご事情でご来場になれなかったアダナ・プレス倶楽部会員の皆さまと、多くの活版ファンの皆さまに向け《活版凸凹フェスタ2010》のもうひとつの記録をご紹介いたします。

【搬入前夜 4月30日】
朗文堂の社内がうずたかく積みあげられた段ボールの山で埋まる。こんな狭い社内のどこに、こんな大量な荷物があったのだ、というくらい、段ボールの山。出展者からの細部の問い合わせと、その対応に追われながらも、内心は焦燥感いっぱいで、最後のひとつの荷物の到着を待つ。
それは、1986年に閉鎖された、英国スコットランドの「ロバート・スメイルズ印刷所」が残した貴重な映像『 The Craft of Letter Printing 』の到着です。この映像が撮影された当時はビデオテープが主流だったため、DVDに焼き直しを依頼して1ヶ月余が経過していた。
「PALは認識するか?――PALとはなんぞや?(早速Googleで検索)日本とアメリカはNTSC方式らしい――アプリケーションソフトを使えば認識可能 ――それならPALでもOK――DVDは1本だけでいいの?――違法コピーはしないから安心して――Robundoは出版社だからその点は信用しているよ――」。
こんな@メールのやりとりが続くばかりで、何事ものんびり進行するヨーロッパ時間にはまってモタモタ。
「5月2日からのイベントで上映するから急いで! 間に合わないならもういらないよ」
ようやく先方も焦りだし
「4月中に届くように、20日には発送するよ」
ところが、アイスランドの火山爆発で英国の航空機が全面停止。出荷のメドがつかないと@メールが! ヨーロッパはこの数日間、孤立状態。
万事休す! しかも連日の震えあがるほど寒い雨続きに焦りがたかまる。
しかし「グッド・ニュース」到来!
航空機もなんとか離着陸できるようになり、4月29日に到着するように手配したとの@メール。
「29日? たしか何かの祝日で休みだったと思うけど、どのみちフェスタの準備のため出社になるだろうから、受け取れるか……」
もちろん4月29日(昭和の日)も準備のため出社。梱包・荷造りをしながら、内心はジリジリしながら荷物の到着をまつ。
「コンニチワ、航空貨物です」
4月30日の午後、ヤット来た……。間に合った……。DHLの配送者に訳もなく食って掛かる。
「4月29日に到着のはずだったけど」
「きのう、当社は、休日でした」
そうだよね……。今時分は今日も含めて世間さまは休みだよ。ともかくヤレヤレ。これで準備万端OKかな? 出展者の皆さんの準備はいかがかな……?

【搬入日 5月1日】
朗文堂スタッフと応援の活版カレッジ修了生有志が10:00朗文堂集合。大量の段ボールを積み込んで新宿を出発。上野・日展会館12:00前に到着。ただちに搬入と会場設営を終え、14:00から登場する出展者を迎える。
まず意欲満々で乗り込む初出展者の皆さんが登場。ついで、すっかり「活版凸凹フェスタ」の目的と雰囲気を把握している継続出展者が、ゆとりの表情で会場に続々と詰めかける。アッという間に100名近い出展者・出展企業と、そのお手伝いの応援者が集合。それからは旧交をあたためるいとまもなく、各自で梱包を解き、展示に慌ただしく取り組むものの、目標の17:00の閉館時間に間に合わず……会館担当者登場
「準備が進んで会場が華やかになりましたね。ところで延長料金をお願いします……」

【初日 5月2日】
10:00 開場と同時にドッと詰めかけたお客さま。「活版凸凹フェスタ」は連続3回目というリピーターのお客さまも多く、
「お久しぶりです。お元気でしたか?」
「今年の挑戦は、皆さん面白いですねぇ」
前2回よりだいぶ広くなったはずの会場が、アッという間に来場者で埋まり、あとは押すな押すなの大盛況。そして間もなく、出展者の一部からは、
「エアコンをもっと強くしていただけますか」
早速開始された《昔なつかしい厚手のきっぷを印刷しよう》は事前予約が不要なワークショップ。次々と訪れるお客さまへの対応に追われはじめました。
千葉県から駆けつけてくださったきっぷ印刷の専門業者F氏は、
「活版印刷に興味があるひとがこんなにたくさんいるとは……しかも、若い女性が多いですね……出展した甲斐がありました」
と始終ニコニコ。多くのお客さまがあまりに熱心に質問をされるので、きっぷの日付印字機の構造と仕組みが良くわかるように、カバーをはずしての実演となりました。

17:00 まだまだ名残惜しそうな来場者をせきたてて、会場閉鎖……ごめんなさい……今回の会場は時間管理が厳格です。

風俗店が林立する鶯谷駅前を抜け、脇道に消え入る者が出ないように気を配りながら、出展者懇親会会場「北の家族」へ移動。道中出展者が
「こんなに好いお天気の日は、鶯谷からじゃなくて、上野公園を抜けてくると新緑が鮮やかでちょうどいい散歩道。根津から歩くのもいいね」
たしかに来場者は、同時開催の古書市をのぞいたり、根津からきて伊勢辰をのぞいたり、さまざまに工夫してのご来場。
懇親会参加者は50名以上。とび入り参加も含め、宴会場の定員40名をはるかに越えている!
参加者からは「総勢50人もの飲み会なんてはじめてだ!」との声も。
来場者されたお客さまとの交流はもちろん、出展者どうしの親睦も、この活版凸凹フェスタの大きな収穫のひとつ。日頃は黙々とカッパン実践に取り組んでいる「リトル・プレス」の皆さんも、逆風のなかで踏んばっている「活版業者」の皆さんも、このときばかりは和気藹々、同じ道を歩むもの、同志の話しが弾みます。
昨年の懇親会では自己紹介が大いに盛り上がりましたが、今年はひとり1分で実施したとしても、この人数では60分が必要。会場は2時間の制限付きだったために残念ながら自己紹介は省略。それでも、お互いに名刺を交換しながら、情報交換や再会の喜びの渦。
19:30 だいぶお酒もまわって、意気投合した幾つかのグループに分かれて2次会、3次会へ。

【2日目 5月3日】

会期中最大数の来場者を迎える。開場と同時に3室とも溢れんばかりのお客さま。談笑の渦があちこちにできる。
「年々、作品のレベルが上がっていますね」
「3回目になって、カッパン初級者と中級者の違いがはっきりしましたね」
お客さまの視線は厳しいものです。もちろん誰もが最初は初心者。活版ルネサンスが本格化してまだ3年ほど。出展者の皆さん、ここは驕ることなく、臆することなく、謙虚に、まずは中級者へステップアップ。そして来場者の皆さんから上級者と認めていただくまで頑張りましょう。
ところで、会場内を「ピンクのシャツのオジイサン」が徘徊。若い来場者を捕まえては、「昔はねぇ……」と延々と。
「あのオジイサンはどなた? きのうも来てたでしょう」
出展者の間でちいさな話題に。やがて詳細情報をゲット。会場近くの印刷所のご隠居さんで、カッパンが懐かしくてやってきているとのこと。椅子をお勧めしても、ともかく昔話を若い皆さんに聞いてもらえるのが嬉しくて……。こういうかたも大歓迎です。昔がたりも貴重です。それでも会場には意外にカッパン実践者が多いのですが……。
階下の自販機の前が特設喫煙場に解放される。たちまちここが紫煙をくゆらせた愛煙者によって第2会場の様相を呈する。「ピンクのシャツのオジイサン」をここにご案内。
ペットボトルを片手にカッパン談義。
「イヤー、久しぶりにカッパンばなしができて、興奮して疲れちゃったよ。だけどさぁ、ここの若いコ、結構カッパンのこと知ってるね。驚いたよ」
「小型機とはいえ、一応カッパン実践者がたくさんいますから」
「そんなんで、喰えんのか」
「喰える、喰えないでいったら、喰えないでしょう。それよりもっと、別の喜びをカッパンに求めているみたいですよ」
「ウチじゃぁ、カッパンで喰えなくなって、オフセットで印刷やってるけど、オフも喰えねえ時代になっちゃってさ」
「ピンクのシャツのオジイサン」、お疲れになったようで、足をさすりながらこぼします。来年もまた、お元気できてくださいね。

13:00 はじめてのアウトドアでのワークショップ《印刷人掃苔会ツアー》の点呼がかかりました。これはあまりにマニアックなイベントで、おそらく申込みもないだろう……と予測。ところがまったく予想外、多数のお申込みがあり、あわてて締め切り告知を出したのですが、それでも押し寄せた20名近い参加者。集合後、まず参加賞をAdana-21Jを用いて、ご自身の手で印刷。アメリカ産の愉快な子熊の活字で、「歩いて、よく見て、ご苦労さん」。

準備段階では連日肌寒い雨続き。担当者3名はひそかに「雨の日版/晴れの日版」のふたつのコースと栞を用意していましたが、杞憂を吹き飛ばすほどのつよい日差しを浴びながらの出発でした。
出発間際まで、担当者はブツブツ……。
「掃苔会はオタクじゃないよ。マニアックといわれれば、そんなもんかとおもうけど、オタクはないぜ。こっちは真剣に研究しているんだから」
いえいえ、先達3名はもちろん、もしかすると参加者も、物好きを超え、十分オタクなようです。

13:30 簡単なレクチャーのあと、「晴れの日版」の栞を片手に《印刷人掃苔会ツアー》メンバーが出発すると、間もなく《活字と凸版画 メッセージカードをつくろう》のワークショップが「山猫や」の木月楨子さんの指導のもとではじまりました。カッパンと版画、これまではとかく別のものとおもわれていた造形活動が、Adana-21Jというひとつの機器で、同時に制作できるという、アダナ・プレス倶楽部の新提案をもとに開催されたワークショップでした。
参加者はまず、木月さんの指導のもとで、黙々とゴム版画を制作。喧噪を極める会場で、ここだけが静寂が支配する空間となりました。予約申込者はさすがに皆さん手慣れた手つきで版画を刻んでいき、やがてゴム版画をAdana-21Jにセットして版画をプレス。ついで隣のAdana-21Jで、欧文活字で組んだメッセージをプレス。二つ折りの素敵なメッセージカードのできあがりです。参加者は色彩も鮮やかな「印刷物・版画」を手にしてニッコリ。
従来は、活字と、亜鉛凸版や、樹脂凸版が中心だったAdana-21Jのプレスが、版台と版材に工夫をこらすことによって、ゴム版画やリノカットのプレスに大きく裾野を広げることになり、造形の範囲がグッと拡張されました。

16:30 「疲れたけど、面白かったぁ!」と《印刷人掃苔会ツアー》のメンバーが汗みずくになって戻ってくるころには、《活字と凸版画 メッセージカードをつくろう》のワークショップは予定通り終了して、印刷機の清拭作業の最中でした。
「どうだったの? 汗びっしょりじゃない」
「ともかく歩け、歩けで、つかれたぁ。最後の仮名垣魯文なんて、笑ったり泣いたりだったよ。でも最高に面白かった。ゴム版画はどうだった。作品見せて」
ふたつのワークショップのメンバーが、たちまち合流、歓談。
3号室はおもにカッパン関連業者のブース。初回からの継続出展の「活版工房」さんは、応援部隊のベテラン勢が加わり、話題も豊富で来場者の人気でした。
前回から参加の「真映社」さんは、《真映社春のハンまつり》をキャッチフレーズに意欲的な出展。このシャレ(オヤジ・ギャグ?)、解ったのは若者中心で、中年層は怪訝な表情。皆さん、このシャレおわかりでしたか? 樹脂凸版はできたら1回限りの使い捨て……、と聞いて、驚かれたユーザーもいたようです。
「アワガミファクトリー」の中島さんは、カッパン・ルネサンスの動向が、あらたなユーザー開拓につながると判断されての初出展。1日の休みもなく休日出勤され、接客にいとまがない慌ただしさでした。情勢視察に来場した社長は、あまりの人混みに目を白黒。
「書道の展覧会とは、だいぶ雰囲気がちがいますねぇ。こっちは活気がある」
「通称 活版印刷屋 株式会社大伸」さんは、大澤一家をあげてのご参加。大澤一家の皆さんは、どなたも個性的で魅力的でした。大澤親分はいかにも苦労人といった風貌です。若奥様がまたいいですねぇ。しっかり、さりげなく一家を仕切って。そして若旦那! お祭り男の見栄と、気っ風の良さと、ひそかな照れ屋さんで、しっかりカミサンの手のひらに納まって。それでも威勢良く、来場者をなで切り、ぶった切り。
そして、こちらも初出展の「印刷工房 河内や」さんです。社長以下、社員総出で実演に励んでいただきました。河内やさんはこういう展示会にはあまりご参加されなかったのですが、知る人ぞ知る、特殊印刷を得意とされる意欲的な印刷専業者。オフセット平版印刷にとどまらない、多様で多彩な印刷総合技芸を十分発揮していただきました。会社を陰から支える奥様手作りの暖かいお赤飯は、開催初日の縁起物として、また準備に疲れたスタッフの心をほかほかと癒してくれました。

ところで……、あの新着DVD「ロバート・スメイルズ印刷所」の『 The Craft of Letter Printing 』のその後です。第3室では大型モニターをもちいて、この映像を含む貴重なDVDを3種用意して順次公開していましたが、モニターの前にデンと座ったのが、大澤親分と、掃苔会にも参加された小宮山印刷のK社長、そしてワタシの3人だけ。平均年齢75歳! もちろんワタシが大分平均年齢を引き下げていました。
「ムラ取りもちゃんと規則通りやるんだなぁ。コッチは巻貼りでおわりだったけど」
「巻貼りのあとに、もう1枚胴貼りをかぶせると、修整が滑らかになるんだけど、めんどうだからねぇ」
担当者によると、このDVDに見入っていたのはこの3人だけ。それでも本格派のおふたりが喜んでくれ、間に合わせた甲斐があったというものです。

【3日目 5月4日】
湿り気のない薫風が肌に心地好い一日。経験がら、イベントのなか日は、おおむね来場者数も落ち着くものと予測していましたが、来場者の波は相変わらず途切れることなく続いていました。喫煙スペースのにぎわいも続いています。
会館の担当者から、昨日までに800人以上の入場者をカウントしたとの報告。
「みんなで何回も喫煙室に通うから、それもカウントされてるんじゃない」
「オタクは、一日10回はここに来ているでしょう?」
紫煙をくゆらしながらのカッパン談義の合間に雑談が続きます。
2号室の築地活字・平工希一さんは、朗文堂とは呼吸をあわせて活版ルネサンスに取り組んできた同志です。今年は「暑中お見舞い申しあげます」の三号活字を、書体を変えたものを数種類用意しての意欲参加。
「平工さん、ここにみえるかたの大半は、暑中見舞いは出さないとおもう」
「そんなことはないでしょう。思い切った値段を付けたんだから、売れますよ」
初日からこんな会話があって……。
「平工さん、暑中見舞い活字、売れた?」
「聞かないでくださいよ……、まったく」
年賀状はともかく、エアコンが普及したせいもあって、暑中見舞いのはがきを交換する慣習はだんだんに減少しているようです。
台湾の手漉き紙メーカー「紙匠工房」の林政立さんは、今回が初の参加。林政立さんは台湾うまれ。東北大学工学部を卒業され、流ちょうな日本語を操ります。朗文堂とはいつからのお付き合いだったのか忘れるほど、親しい交流が続いています。企業参加ですが、人脈づくりが優先とされ、眼鏡の奥のよく動く視線を駆使して、会場のあちこちに出没。懇談、懇親の連続です。4日間の会期中、出展者、来場者のなかから多くの友人を得られ、良い人脈を構築されていたようです。
2号室は朗文堂が中心で展開しましたが、ここに出展者として銅販画作家・たなか鮎子さんが参加されていました。たなか鮎子さんには、透明感のある色彩とユーモアが溢れる造形で『 VIVA!! カッパン♥ 』のジャケットを飾っていただきました。

13:00 《ハンドモールドで活字をつくろう!》のワークショップが13時と、15時からの2回開催される。講師は伊藤伸一さん。予約制有料の講座。今回はアメリカのスミソニアン歴史博物館のスタン・ネルソンさんによる、忠実な活字ハンドモールドを用いての講座となりました。
活字ハンドモールドの伝来は意外にふるく、キリシタン版の活版伝習者たちが1591年ころには使用したものとみられ、嘉永年間(1848―54)には、長崎のオランダ語通詞/本木昌造らが好奇心あふれる視線で「活字ごっこ」に夢中になったと想像され、さらには江戸期末期にはわが国の長崎・出島で「活版早業師/インデマウル」らがもちいたと想定されるものの、その道具を「割り型/割り鋳型」とし、できた活字を「流しこみ活字」としたために、豊富に存在する外国文献「活字ハンドモールド」と合致せず、活字ハンドモールドは印刷史のミッシング・リンクともいえる存在でした。
近年のタイポグラフィ研究の進捗によって、東京国立博物館、長崎・諏訪神社に収蔵されている金属片が、活字ハンドモールドであることが判明し、渡辺優さんは復元モデルを製造し、伊藤伸一さんはスタン・ネルソン氏から直接譲渡を受けたものでした。
この近代金属活字の創始から400年余にわたって活字をつくりつづけた「ハンドモールド」の忠実な復元版を用いて、活字をつくり、印刷までするという、わが国の近代タイポグラフィのあけぼのの時代を追体験し、原点回帰を試みるという意欲的な企画でした。
活字鋳造法は開国を待ち、明治2年(1869)長崎活版製造会社・本木昌造が上海からブルース型活字鋳造機を導入。幕末からはじまったわが国の活字開発は、ここに「道具から機械へ → 産業革命の成果の導入 → 殖産興国」への道をひたはしることになりました。
参加者は、まずヤケド防止の軍手をはめ、緊張した手つきで「活字鋳造体験」、ついで贅片を折り取って、「活字高さ見」を用いて、活字の高さを規定通りの寸法に仕上げます。それができたら、Adana-21Jを使って「手作りの活字で、自ら印刷する」という貴重な体験をしていただきました。
ところで……、これらのワークショップのお手伝いはもちろん、活版凸凹フェスタの搬入・会場設営・展示・受付・搬出の陰の力となっていただいたのは「活版カレッジ」の修了生のみなさん。「活版カレッジ」を通じて、身体性をともなった造形活動の喜びを知った皆さんでした。ほとんどの方が出展者でもありながら、黙々と裏方の大役を担っていただきました。心からのありがとうを。

【最終日そして搬出 5月5日】

最終日。今年は毎日のように子供連れのご夫婦が多くご来場されましたが、この日は「子供の日」ということもあり、特にお子さんの姿が多く見られました。1号室の出展作家コーナーには、混雑のあまり乳母車が入れず、エレベーター・ホールに乳母車が並ぶことも。ご夫婦が交代で会場に入り、子守にあたるほほ笑ましい風景もみられました。
第3室の学校法人の参加は壁展示が中心で、女子美術大学短期大学部造形学科デザインコース/多摩美術大学造形表現学部デザイン学科/常葉学園大学造形学部杉田研究室/日本大学藝術学部美術学科/武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科の意欲作が並びました。
参観に訪れた学生諸嬢が、
「来年は第1室の出展作家コーナーに個人で出展したいんですけど」
「あちらは出展費が有料ですけど、そのぶん頑張っていい作品をつくって参加してね」
Adana-21J操作指導教室からのお付き合いの学生さんとも、すっかり打ち解けた会話が弾みます。
第1室の出展作家コーナーは、青葉瀧/アダナ・プレス倶楽部(大石 薫)/アダナランド(Hedgehog Press, Alan Brignull)/ananas press(都筑晶絵+山元伸子)/阿部真弓/石神嘉兼/印刷の余白Lab.+あちらべ/smbetsmb/おいかわみちよし/凹凸舎(大沼ショージ)/尾田美樹/小畑裕子/海岸印刷/亀井純子/九ポ堂/真田幸文堂(真田幸治)/しまりすデザインセンター(石松あや)+まさなりみゆき/たなか鮎子/田中裕子/ツバメ活版堂+knoten+山本裕子/つるぎ堂/Tokyo Pear(スミスダレン・恵梨子)/はな工房(田中智子)/ハナブサ・プレス/ヒロイヨミ社(山元伸子)/史緒/文香(栃木香織)/megropress/山﨑祐三子/山崎洋介/山田理加/山猫や(木月禎子)/ユニバーサル・レタープレスと溝川なつ美/横島大地/羅久井ハナ/Raku Design Studio(渡邉正央)/riviera press(浅井陽子)/龍骨堂/リュース オ ボウ(佐藤礼子)/Lingua Florens(桐島カヲル)の皆さんが、ところも狭しと、日頃の研鑽の技を発揮されました。

この日の特別企画展示関連ワークショップは《VIVA!! カッパン♥ 発売記念カードを印刷しよう!》と、《リノ・カットをAdana-21Jで印刷しよう!》の同時開催。いずれも事前予約不要、参加費も無料とあって、第2室も家族連れで大賑わいとなりました。なかでもリノ・カットを、大型の版画プレス機ではなく、卓上のAdana-21Jで印刷するテクニックは、アダナ・プレス倶楽部が版材と版台を工夫するなかから開発・提唱したもので、関連図書の展示とともに、おおきな関心をよんでいました。

「ピカソもリノ・カットに没頭した時代があったのですね」
「日本のダダイストが、ここまでタイポグラフィに執着し、リノ・カットに挑戦していたとは……、知りませんでした」
「スイス・タイポグラフィの指導者のひとり、エミール・ルダーも、こんなにリノ・カットを多用していたとは気がつきませんでした。疑いもなく写真製版だと思っていたこの網点が、すべてリノ・カットによる手彫りだったとは……、おどろきです!」
イベントのお決まりパターン、最終日の閉場時間が近付くにつれて駆け込みの来場者が続出、ますます混雑が増す。
いよいよ16:00。減灯作業を開始。名残惜しそうな来場者から恨みの視線が集中。ご免なさい。ここは時間管理が厳格なので……。搬出作業に入る。
17:00 出展者の全面的なご協力で、撤収作業終了。「間に合ったー!」の歓声とともに拍手が上がる。

来年もまた、五月の連休は活版凸凹フェスタ! 日展会館で再会しましょう。

お待たせしました! いよいよ発売開始

活版印刷の楽しくてカワイイ入門書誕生!!
{懐かしいのに新しい}魅惑の印刷、
カッパン♡
見て美しい!
知って楽しい!
自分でやるともっと楽しい!!! カッパン♥
を愛する アナタの必携書です。

アダナ・プレス倶楽部編
B5判 オールカラー
136P 並製本 ジャケット付
2010年5月発売
定価:本体2,800円+税
ながらくお待たせいたしました。
朗文堂新刊書『 VIVA!! カッパン♥』は、
今週末には全国有力書店にて販売開始です。

書店でぜひともお手にとって、
「カッパン♥の今」を実感してみてください。

【VIVA!! カッパン 目次】
懐かしいのに、あたらしい、
魅力の活字版印刷術 ――― カッパン♥
活字のおはなし
文選箱ギャラリー

文 選
組版(植字)
組みつけ
印 刷
活字鋳造
Adana-21Jの使い方
muccu が行く!

活字鋳造所探訪(築地活字編)
活字版書籍印刷所探訪 (長瀬欄罫製作所編+豊文社印刷所編)
あとがきにかえて
こんな時代だから…………


五月の連休はカッパン三昧

「五月の連休はカッパン三昧

活版凸凹フェスタ」
ご来場をお待ちしております!

「活版凸凹フェスタ」は、活字版印刷術(以下カッパン・活版ともします)にまつわるさまざまを集めた楽しいお祭りです。

本展は今年で3回目を迎えますが、わが国に確実に活版ルネサンスの息吹が根づいたことを象徴するかのように、出展者が増加いたしました。そのため、会場も心機一転して、上野の森「日展会館」での開催となります。

【会 期】2010年5月2日(日)―5日(水・祝)

10:00―17:00(最終日は16:00まで)

【会 場】日展会館 2F イベントスペース
東京都台東区上野桜木2-4-1

【主 催】朗文堂 アダナ・プレス倶楽部

【出展作家】
青葉 瀧/アダナ・プレス倶楽部(大石 薫)/アダナランド(Hedgehog Press, Alan Brignull)/ananas press(都筑晶絵+山元伸子)/阿部真弓/石神嘉兼/印刷の余白Lab.+あちらべ/smbetsmb/おいかわみちよし/凹凸舎(大沼ショージ)/尾田美樹/小畑裕子/海岸印刷/亀井純子/九ポ堂/真田幸文堂(真田幸治)/しまりすデザインセンター(石松あや)+まさなりみゆき/たなか鮎子/田中裕子/ツバメ活版堂+knoten+山本裕子/つるぎ堂/Tokyo Pear(スミスダレン・恵梨子)/はな工房(田中智子)/ハナブサ・プレス/ヒロイヨミ社(山元伸子)/史緒/文香(栃木香織)/megropress/山﨑祐三子/山崎洋介/山田理加/山猫や(木月禎子)/ユニバーサル・レタープレスと溝川なつ美/横島大地/羅久井ハナ/Raku Design Studio(渡邉正央)/riviera press(浅井陽子)/龍骨堂/リュース オ ボウ(佐藤礼子)/Lingua Florens(桐島カヲル)

【学校法人】
女子美術大学短期大学部造形学科デザインコース/多摩美術大学造形表現学部デザイン学科/常葉学園大学造形学部杉田研究室/日本大学藝術学部美術学科/武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科

【出展企業】
アワガミファクトリー/印刷工房 河内や/活版工房(弘陽、中村活字、東條メリー、金子瞳美、斉藤隆夫、赤井 都、内田由紀子)/KK印刷株式会社/真映社/通称 活版印刷屋(株式会社大伸)/築地活字/デザインのひきだし(グラフィック社)/Puli Paper Company Limited+廣興紙寮+紙匠工房

【協  力】
アイコー印刷/株式会社 イオキ洋紙店/研究社印刷 株式会社/有限会社 佐々木活字店/松岳社 株式会社 青木製本所/株式会社 廣田鉄工所/株式会社 フカミヤ/長瀬欄罫製作所/有限会社 濱野製作所/株式会社 豊文社印刷所/松尾篤史/ミキ アラタ/muccu/本木昌造顕彰会/株式会社 モトヤ/株式会社 モリサワ/八木孝枝/株式会社 理想社/株式会社リョービイマジクス

ワークショップ

会期中は連日、小型卓上活字版印刷機Adana-21Jと、活字版や各種の凸版を用いた、楽しいワークショップを開催いたします。予約制のワークショップはすべて受付を終了しておりますが、掃苔会をのぞいて参観はご自由にできます。

【昔なつかしい厚手のきっぷを印刷しよう!】
事前予約不要 参加費:無料
5月2日(日)11:00 ― 12:00、13:00 ― 16:00内随時
活字版印刷機Adana-21Jを使って、昔なつかしい厚手のきっぷの印刷を体験していただきます。

【印刷人掃苔会(そうたいかい)ツアー】
予約制 受付終了「掃苔会の栞」付 雨天決行
5月3日(月・祝)
13:00 ― 15:00(終了予定)

掃苔とは墓石の苔@こけ@を掃@は@く、すなわち墓参りを意味します。活版凸凹フェスタ2010の会場「日展会館」のまわりには、印刷人が多く眠る「谷中霊園」やお寺、印刷関連の石碑も豊富な「上野公園」などがあります。「日展会館」周辺の印刷人ゆかりの地をめぐる、マニアックなツアーです。皆さんもいっしょに、わが国の印刷の発展に尽力した先達を偲び、石碑に刻まれた書体の秘密を解明しませんか。Adana-21Jを使って、参加証の発行もおこないます。

〈特別企画展示 関連ワークショップ〉

山猫や+活版印刷
【活字と凸版画 メッセージカードをつくろう!】 予約制 受付完了
5月3日(月・祝) 13:30―16:30

「山猫や」の木月禎子さん指導のもとでゴム版画を制作し、欧文活字をつかってメッセージを組んで、Adana-21Jでオリジナルの二つ折りカードを印刷するワークショップです。ゴム版画は、下絵をお持ちいただいて会場で彫っていただくか、こちらでご用意したモチーフを切ったり貼ったりしても製作できますので、絵を描いたり版画を彫るのが苦手な方でも、楽しくご参加いただけます。

【ハンドモールドで活字をつくろう!】
予約制 受付終了

5月4日(火・祝) ①13:00―14:30 ②15:00―16:30

初期の活字鋳型の研究をされている元三省堂印刷の伊藤伸一さん指導のもと、ハンドモールド(手鋳込み式の活字鋳造器。古くは割り型、割り鋳型とも。できた活字を流しこみ活字と称していました)を用いて活字鋳造の体験をするワークショップです。今回使用する伊藤さん所有の鋳造器は、「活版凸凹フェスタ2008」のワークショップで使用したグーテンベルク式の手鋳込み鋳造器とはまた別種のもので、スミソニアン・国立アメリカ歴史博物館の学芸員で、初期鋳型の世界的な研究者であるスタン・ネルソンさんによって復元された貴重な鋳造器です。できあがった活字を使ってAdana-21Jで記念カードの印刷もおこないます。

〈特別企画展示 関連ワークショップ〉

【『VIVA!! カッパン♥』発売記念カードを印刷しよう!】
事前予約不要 参加費:無料

同時開催
【リノ・カットをAdana-21Jで印刷しよう!】
事前予約不要 参加費:無料
5月5日(水・祝)11:00―12:00、13:00―15:00内随時

活字版印刷機Adana-21Jを使って記念カードの印刷を体験していただきます。
活字版とリノリウム版の表現の違いをお楽しみください。

《活版凸凹フェスタ2010》は、出展作家は意欲的に作品を制作していますし、企業出展社からの貴重な情報も見逃せません。ともかく新企画をどっさり盛り込み、「ファイン・プレスの祭典」とするべく、スタッフ一同最後の追い込みに入っております。

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新刊『VIVA!! カッパン』は「朗文堂愛読者カード」にご登録いただいている皆さまからは、事前予約をいただいております。うれしいことにたくさんのお申込みをいただきました。事前予約の皆さまには書店出荷に先立ち、真っ先にお送りいたしますので、ぜひ楽しみにお待ちください。 また《活版凸凹フェスタ》の会場では、『VIVA!! カッパン』収録機器の一部を、書物に沿ったかたちで展示します。また、会場内にて『VIVA!! カッパン』の見本本を展示いたしますので、ぜひとも上野「日展会館」までご来場ください。

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ワークショップのお申込み

ワークショップのお申込み状況

 

5月3日【活字と凸版画 メッセージカードをつくろう!】
活版印刷機が版画プレス機に大変身! 未開拓技術のご紹介となる興味深いワークショップです。活字と版画のコラボレーションが、さまざまな創作領域を大きく広げます。「山猫や・木月禎子」さんの楽しいトークも交えて、収穫の多い企画です。
定員に達しましたので、応募は締め切りとさせていただきます。


5月3日【印刷人掃苔会ツアー】
あまりにマニアックな企画なので、応募もほとんど無いと予想し、格別には定員も決めていなかったのですが、適正規模のお申込みがありましたので、応募は締め切りとさせていただきます。

5月4日【ハンドモールドで活字をつくろう!】
明治2年長崎活版製造会社・本木昌造が上海からブルース型活字鋳造機を導入。幕末からはじまったわが国の活字開発は、ここに「道具から機械へ → 産業革命の成果の導入 → 殖産興国」への道をひたはしることになりました。印刷史のミッシング・リンク、近代金属活字の創始から活字をつくりつづけた「ハンドモールド」の忠実な復元版を用いて活字をつくり、印刷までするという、わが国の近代タイポグラフィのあけぼのの時代を追体験するという意欲的企画です。
定員となりましたので、応募は締め切りとさせていただきます。



手回し式活字鋳造機(ブルース型)

活版凸凹フェスタ2010

【会 期】2010年5月2日(日)―5日(水・祝)  10:00―17:00(最終日は16:00まで)
【会 場】日展会館 2F イベントスペース
東京都台東区上野桜木2-4-1
http://www.nitten.or.jp/

【主 催】朗文堂 アダナ・プレス倶楽部

ワークショップ

会期中は連日、小型卓上活字版印刷機Adana-21Jと活字を用いた、楽しいワークショップを開催いたします。

【昔なつかしい厚手のきっぷを印刷しよう!】
事前予約不要 参加費:無料
5月2日(日)11:00―12:00、13:00―16:00内随時
活字版印刷機Adana-21Jを使って、昔なつかしい厚手のきっぷの印刷を体験していただきます。

【印刷人掃苔会@そうたいかい@ツアー】
予約制 参加費:1,500円(税込)「掃苔会の栞」付 雨天決行
5月3日(月・祝) 13:00(展示会場に5分前集合のこと)―15:00(終了予定)

掃苔とは墓石の苔@こけ@を掃@は@く、墓参りを意味します。活版凸凹フェスタ2010の会場「日展会館」のまわりには、印刷人が多く眠る「谷中霊園」やお寺、印刷関連の石碑も豊富な「上野公園」などがあります。日夜わが国の印刷の歴史を研究している朗文堂代表の片塩二朗と、タイポグラフィ学会事務局長の松尾篤史の解説とともに、「日展会館」周辺の印刷人ゆかりの地をめぐる、マニアックなツアーです。みなさんもいっしょに、わが国の印刷の発展に尽力した先達を偲び、石碑に刻まれた書体の秘密を解明してみませんか。Adana-21Jを使って、参加証の発行もおこないます。

お申し込みしめきり日:4月25日(日)

*参加ご希望の方は、e-mail もしくは、ファクシミリ03-3352-5859で、「活版凸凹フェスタ 掃苔会(そうたいかい)参加希望」と明記の上、住所・氏名・年齢・電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。(お教えいただいた個人情報は朗文堂/アダナ・プレス倶楽部のみの使用といたします)

〈特別企画展示 関連ワークショップ〉

山猫や+活版印刷
【活字と凸版画 メッセージカードをつくろう!】 予約制 参加費:3,000円(税込)
5月3日(月・祝) 13:30―16:30 定員6名

「山猫や」の木月禎子さん指導のもとでゴム版画を制作し、欧文活字をつかってメッセージを組んで、Adana-21Jでオリジナルの二つ折りカードを印刷するワークショップです。ゴム版画は、下絵をお持ちいただいて会場で彫っていただくか、こちらでご用意したモチーフを切ったり貼ったりしても製作できますので、絵を描いたり版画を彫るのが苦手な方でも、楽しくご参加いただけます。

お申し込みしめきり日:4月25日(日)
〈ただし、先着順受付により定員に達ししだい、しめきりとさせていただきます〉

*参加ご希望の方は、e-mail:もしくは、ファクシミリ03-3352-5859で、「活版凸凹フェスタ 活字と凸版画ワークショップ 参加希望」と明記の上、住所・氏名・年齢・電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。(お教えいただいた個人情報は朗文堂/アダナ・プレス倶楽部のみの使用といたします)

【ハンドモールドで活字をつくろう!】
予約制 参加費:3,000円(税込)テキスト付
5月4日(火・祝) ①13:00―14:30 ②15:00―16:30 各回定員6名

初期の活字鋳型の研究をされている元三省堂印刷の伊藤伸一さん指導のもとで、ハンドモールド(手鋳込みの鋳造器)を用いた活字鋳造の体験をするワークショップです。今回使用する伊藤さん所有の鋳造器は、「活版凸凹フェスタ2008」のワークショップで使用したグーテンベルク式の手鋳込み鋳造器とはまた別のもので、スミソニアン・国立アメリカ歴史博物館の学芸員で初期鋳型の世界的な研究者であるスタン・ネルソンさんにより復元された貴重な鋳造器です。できあがった活字を使ってAdana-21Jで記念カードの印刷もおこないます。

お申し込みしめきり日:4月25日(日)
〈ただし、先着順受付により定員に達ししだい、しめきりとさせていただきます〉

*参加ご希望の方は、e-mailもしくは、ファクシミリ03-3352-5859で、「活版凸凹フェスタ 活字をつくろう 参加希望」と明記の上、住所・氏名・年齢・電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。(お教えいただいた個人情報は朗文堂/アダナ・プレス倶楽部のみの使用といたします)

〈特別企画展示 関連ワークショップ〉

【『VIVA!! カッパン♥』発売記念カードを印刷しよう!】
事前予約不要 参加費:無料

同時開催
【リノ・カットをAdana-21Jで印刷しよう!】
事前予約不要 参加費:無料
5月5日(水・祝)11:00―12:00、13:00―15:00内随時

活字版印刷機Adana-21Jを使って記念カードの印刷を体験していただきます。
活字版とリノリウム版の表現の違いをお楽しみください。


活版凸凹フェスタ2010

【会 期】2010年5月2日(日)―5日(水・祝)  10:00―17:00

(最終日は16:00まで)
【会 場】日展会館 2F イベントスペース
東京都台東区上野桜木2-4-1
http://www.nitten.or.jp/
【主 催】朗文堂 アダナ・プレス倶楽部

「活版凸凹フェスタ」は、活字版印刷術(以下カッパン・活版ともします)にまつわるさまざまを集めた楽しいお祭りです。

本展は今年で3回目をむかえますが、わが国に確実に活版再興の息吹が根づいてきたことを象徴するかのように、出展者が増加いたしました。そのため、会場も心機一転、上野の森「日展会館」での開催となります。

【出展作家】
青葉 瀧/アダナ・プレス倶楽部(大石 薫)/アダナランド(Hedgehog Press, Alan Brignull)/ananas press(都筑晶絵+山元伸子)/阿部真弓/石神嘉兼/印刷の余白Lab.+あちらべ/smbetsmb/おいかわみちよし/凹凸舎(大沼ショージ)/尾田美樹/小畑裕子/海岸印刷/亀井純子/九ポ堂/真田幸文堂(真田幸治)/しまりすデザインセンター(石松あや)+まさなりみゆき/たなか鮎子/田中裕子/ツバメ活版堂+knoten+山本裕子/つるぎ堂/Tokyo Pear(スミスダレン・恵梨子)/はな工房(田中智子)/ハナブサ・プレス/ヒロイヨミ社(山元伸子)/史緒/文香(栃木香織)/megropress/山﨑祐三子/山崎洋介/山田理加/山猫や(木月禎子)/ユニバーサル・レタープレスと溝川なつ美/横島大地/羅久井ハナ/Raku Design Studio(渡邉正央)/riviera press(浅井陽子)/龍骨堂/リュース オ ボウ(佐藤礼子)/Lingua Florens(桐島カヲル)

【学校法人】
女子美術大学短期大学部造形学科デザインコース/多摩美術大学造形表現学部デザイン学科/常葉学園大学造形学部杉田研究室/日本大学藝術学部美術学科/武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科

【出展企業】
アワガミファクトリー/印刷工房 河内や/活版工房(弘陽、中村活字、東條メリー、金子瞳美、斉藤隆夫、赤井 都、内田由紀子)/KK印刷株式会社/真映社/通称 活版印刷屋(株式会社大伸)/築地活字/デザインのひきだし(グラフィック社)/Puli Paper Company Limited+廣興紙寮+紙匠工房

【協  力】
アイコー印刷/株式会社 イオキ洋紙店/研究社印刷 株式会社/有限会社 佐々木活字店/松岳社 株式会社 青木製本所/株式会社 廣田鉄工所/株式会社 フカミヤ/長瀬欄罫製作所/有限会社 濱野製作所/株式会社 豊文社印刷所/松尾篤史/ミキ アラタ/muccu/本木昌造顕彰会/株式会社 モトヤ/株式会社 モリサワ/八木孝枝/株式会社 理想社/リョービイマジクス 株式会社

イベントのお知らせ

第3回 「 活版凸凹フェスタ 」 開催のお知らせです。

わが国の 「 活版ルネサンス 」 も順調で、
従来の四谷会場が手狭になり
ことしは、上野の森 「 日展会館 」 での開催です。
《 ゴールデン・ウィークは カッパン三昧 !! 》 の標語はそのまま
カッパン未経験者も、活版実践派の皆さまも
ふるってご参加ください!

近刊のお知らせ

VIVA!! カッパン♥

活版印刷の楽しくてカワイイ入門書誕生 !!
{懐かしいのに新しい}魅惑の印刷、活版♡
見て美しい! 知って楽しい!
自分でやるともっと楽しい!!!
カッパン♥
を愛するアナタの必携書です。

アダナ・プレス倶楽部 編

B5判 オールカラー

136ページ 並製本 ジャケット付

2010年5月発売

定価:本体2,800円+税

イベント終了のお知らせ

第6回活版ルネサンスフェア
たくさんのご来場ありがとうございました!

第6回活版ルネサンスフェアが

3月26,27日の両日開催されました。

新宿御苑には花見客が押しかけていましたが、朗文堂の会場には

カッパン・ファンとカッパン実践派の

熱い熱気に包まれていました。

とりわけ「活版凸凹フェスタ」出展予定者の視線は鋭く

インキ、活字、資材、機材の補充におおわらわでした。

これから朗文堂アダナ・プレス倶楽部は

「第6回活版凸凹フェスタ」の準備と

『VIVA!! カッパン♥』刊行に備えた

慌ただしい毎日が続きます。

皆さまのご声援が

心地良く、心強く

響きました。


第6回 活版ルネサンスフェア

と き * 2010年3月26日[金]27日[土] 13:30―19:00
ところ * 朗文堂4F-B
160-0022  新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F
Telephone : 03-3352-5070

アダナ・プレス倶楽部の会員と、活版ファンの皆さまを対象とした
新品・中古品のカッパン関連機材・資材の展示即売会です。
手狭な会場ながら、貴重アイテムから、
マニアックな商品が溢れています!
創作の春に向けて、このチャンスをぜひともお役立てください。
[東京都公安委員会許可 第304380708865号]

アダナ・プレス倶楽部が製造・販売している、新品のカッパン印刷関連機器、独自企画開発商品はもとより、カッパン印刷所で長年の使用に耐えてきた優秀な中古品もドッサリ用意いたしました。これらは現在では生産中止となったカッパン関連機器や、個人では入手しにくい活版専用インキなどの器材・資材を含みます。カッパン印刷のサポーターとして、アダナ・プレス倶楽部ならではの、懇切丁寧な使用方法の解説もいたしますので、狭い会場ながらも魅力溢れる展示販売会となります。

折しも「活版凸凹フェスタ2010」をはじめ、春の展覧会や、春の創作活動のシーズン到来。「今年も(今年こそ)、活版凸凹フェスタに出展しよう!」と意気込む皆さまには絶好のチャンスです。創作に活用できそうな機材の補充、実制作での疑問解決、技術の向上に、どうぞこの「活版ルネサンス フェア」をご利用ください。

◎ ◎ ◎ 今回の目玉 ◎ ◎ ◎

※ 会期中は両日とも「リノリウム版画」と「ゴム版画」を、Adana-21Jを用いて印刷するデモンストレーションをおこないます。
※ 樹脂凸版よりも厚みのあるこれらの版画を活版印刷機で印刷するためには、樹脂凸版用のメタル・ベースよりも高さが低い「版画用ベース」が必要となります。今回の「活版ルネサンス フェア」では、この「版画用ベース」を「中古現品限りの会場特別価格」で大放出いたします。活版印刷・凸版印刷の可能性を大きくひろげるアイテムを、皆さまこの機会にぜひともご入手ください。

版画制作:ササイ  ユウコ   

 

エッ! 活版印刷機が版画プレス機に変身!?
版画用ベース

海外のレタープレス・プリンターの間では、活版印刷とリノ・カット(リノリウム版画)を組み合わせて楽しむ姿が多くみられます。いっぽうわが国では、リノリウム版や版木をもちいた凸版画は、木版用の版画プレス機で印刷するか、バレンで擦ることが主流とされ、最近流行のゴム版やビニール版では「判子」として手で押印すことがほとんどで、同じ凸版の一種である活版印刷とは切り離して考えられる傾向があります。しかし、凸版用の版画プレス機の類は巨大で、家庭には気軽に導入できませんし、バレン摺りや押印では力も要るし量産も大変です。

そこでアダナ・プレス倶楽部では「版画用ベース」を用いて、活版印刷機でリノリウム版やゴム版を楽しく気軽に印刷する方法を提案しています。活版印刷でよく用いられている樹脂凸版は、厚さ約0.98ミリ、亜鉛凸版は厚さ約1.3ミリが主流です。これらの厚みの樹脂凸版や亜鉛凸版を、活字と近しい高さに調整して印刷するために、アダナ・プレス倶楽部で通常販売している「メタル・ベース」は、厚さ22.39ミリの規格を採用しています。

しかし、リノリウムやゴムなどの版画材料は厚みがあるために、現在販売している「メタル・ベース」では版面が高くなりすぎて、活版印刷機では刷ることができません。今回入荷した金属ベースは、大量ページ物印刷所で紙型鉛版用に使われていたもので、高さは19.65ミリ前後と、通常のメタル・ベースよりも低く「版画用ベース」としてお勧めです。リ・ユース品ですので、「第6回 活版ルネサンス フェア」の会場で直接ご覧のうえ、お求めください。


活版凸凹フェスタ2010 出展者募集

活版凸凹フェスタ2010
KAPPAN DECOBOCO FESTA
in 日展会館

出展作家・出展企業 大募集!!

今年から会場が上野の森に変わります。
展示方法などいくつか変更がありますのでご確認ください。

「活版凸凹フェスタ」は、活字版印刷にまつわるさまざまを集めた楽しいお祭りです。活字をもちいて印刷をおこなう「活字版印刷術 Typographic Printing」と、各種凸版類をもちいて印刷をおこなう「凸版印刷 Letterpress Printing」を中心に、版画や製本といった関連技術も含めた作品と製品を展示し、一部は販売もおこないます。カッパンをより深く理解していただくためには、ほかの版式や技法に接することも重要です。そのため凸凹フェスタでは、カッパン・凸版を中心としながらも、「ファイン・プレスの祭典」として、広い範疇でのプレス作品の出展も歓迎しています。
 
今年で3回目となる「活版凸凹フェスタ」ですが、回を重ねるごとに出展作家・出展企業も増え、昨年までの会場がすこし手狭になりましたので、今年から新しい会場にて開催する運びとなりました。上野の日展会館さんのご協力により、昨年までとはまた違った雰囲気の会場での開催となります。
 
会場の変更にともない、期間・展示方法など多少の変更がありますので、出展をご希望されるかたは以下の募集要項をよくご確認のうえ、お申し込みください。たくさんのご参加、お待ちしております。

【会 期】2010年5月2日(日)―5日(水・祝)
     10:00―17:00(最終日は16:00まで)
【会 場】日展会館 2F イベントスペース
     東京都台東区上野桜木2―4―1
     http://www.nitten.or.jp/
【主 催】朗文堂 アダナ・プレス倶楽部
【搬 入】2010年5月1日(土)14:30―16:30
(郵送の場合は4月28日までに朗文堂必着、送料負担でお願いします)
【搬 出】2010年5月5日(水)16:00―17:00
(郵送希望の場合は後日配送、着払いで対応させていただきます)

【出展料】

■作家■
※ 出展料は、机上1コマ(幅1200mm×奥行750mm×高さ700mm)もしくは、壁面1コマ(幅1200mm×高さ2550mmまで)につき5,000円(税込)となります。
※ 展示コマの組合せは、(1)机上1コマのみ、(2)壁面1コマのみ、(3)机上1コマ+机後方の壁面1コマ、(4)机上のみ2コマ、(5)壁面のみ2コマ、(6)机上2コマ+机後方の壁面2コマ、の中から選択してください。
※ コマ数×5,000円より、アダナ・プレス倶楽部正会員(白い会員証)の方は3,000円割引、準会員(黄色の会員証)の方は2,000円割引、年間登録会員(水色の会員証)の方は1,000円割引が適用となります。会員の方がグループ名義で出展される場合の割引は、上位会員1名様分の割引のみの適用とさせていただきます。

■学校法人■
※ アダナ・プレス倶楽部に入会されている学校法人は出展料不要でご出展いただけます。
※ 額装もしくはパネル展示にて、展示スペースは壁面1コマ(幅1200mm×高さ2550mmまで)でお願いいたします。

■活版印刷関連業者■
※ 展示スペースは、(1)出展料20,000円の机上(幅2400mm×奥行750mm×高さ700mm)展示、もしくは、(2)出展料35,000円の机上(幅2400mm×奥行750mm×高さ700mm)+机の後方の壁面(幅2400mm×高さ2550mmまで)展示、のどちらかをご選択ください。
※ ご出展は会期中の全日でなくとも結構ですが、出展料は上記一律でお願いいたします。

【その他】
※ 会場でのグッズ販売・受注の売上マージンは不要ですが、販売は各出展者が会場にいる時間のみとし、接客・金品の受け渡しは各自・各団体で責任をもって行ってください。

※ 壁面展示はピクチャー・レールとピクチャー・フック(会場常備)のみ使用可能です。釘や押しピン・虫ピンの類の壁打ち、テープ類による接着はできません。ピクチャー・フックでの作品の吊り下げが可能なように、各自で額装またはパネルにご準備のうえ、搬入をお願いいたします。掲示物などを壁面に簡易に直貼りしたい場合には、壁に傷や貼り跡を残さない「ブル・タック」や「ひっつき虫」などの、練り消し状の粘着ラバーを各自でご用意のうえ、ご使用ください。

※ 作品や商品の保護に必要な用具、テーブルクロスなどは各自でご用意ください。また、印刷版など、机に傷や汚れが生じる可能性がある物を展示する場合には、下敷き用の台座やクロスをご用意ください。

【参加申込締切】2010年2月26日(金)

参加ご希望の方は、朗文堂 アダナ・プレス倶楽部まで下記事項をe-mailもしくはファクシミリ(03-3352-5859)にてご連絡ください。
1. 活版凸凹フェスタ2010 参加希望
2. 登録名:作家名、グループ名、学校名、企業名(パンフレット掲載用の名称でお願いします)
3. 連絡先:郵便番号・ご住所・電話番号・ファクシミリ番号・e-mailアドレス
4. 出展内容(大まかで結構です。詳細は4月半ばのキャプション締め切り時にお知らせ願います)
5. ご希望の展示スペース
6. グッズ販売の有無