2008 年 09 月 25 日
雨過晴天の秋。さわやかな風が吹き、暑さのぬけた陽光がきらめきふっています。秋本番 ! 皆さまお元気でご活躍のことと存じます。
ところで先日、フト足許をみるとワレモコウがちいさな花をいっぱいにつけていました。ワレモコウは山野に自生し、高さ 60 センチほどになりますが、花は暗紅紫で、お世辞にも美しいとはいえない地味な花です。それでもわが国ではふるくからこの花をめで「吾亦紅・吾木香・我毛香」などの文字をあたえてきました。こんなひっそりと咲く地味な花ですが「ワレモ マタ ベニ ナリ」と主張します。そして「吾亦紅」の字をあてた万葉人のこころをいとおしく振り返る初秋のこのごろです。
例によってお知らせがいくつかございます。
新宿私塾第 12 期が終了し、続いて第 13 期がスタート。
第 14 期生募集開始はまもなくです。
http://robundo.com/shinjuku-shijuku/index.html
長いようで、アッという間の半年間でした。たくさんの成果、すばらしい思い出と、同期生の強固な連帯の輪を残して第 12 期生は巣立っていきました。12 期生の平均年齢は久しぶりに 20 代前半と若く、毎週の講座は活発で、塾生同士の連帯の輪もアッという間に強固なものとなりました。またおひとりは新潟から毎週一度の休みもなく「通学」された女性もいらっしゃいました。
修了生をむかえる造形界 ──── とりわけ印刷・出版界には寒風が吹きつのっています。情報関連産業もいっときの勢いをうしなっています。それでも寸暇を惜しんで新宿私塾での半年余の厳しい課題と講義をこなしてきた俊才揃いです。先輩の修了生とも手をたずさえて、この荒波にも似た業界に立ち向かっていって欲しいと願っています。
あらたにむかえた 13 期生も意欲満々のスタートをきりました。ご要望の多い第 14 期生の募集受付は 10 月中旬を予定しております。引き続き「新宿私塾」コーナーも時折ご訪問ください。なお、新宿私塾では入塾希望者の見学・相談に応じています。ご関心のある方は、ご遠慮なく担当:根岸修次までご一報ください。
活版ファンに朗報 ! 活版ルネサンス〈第 3 回〉を
10 月 24 日[金]— 25 日[土]に朗文堂社内 4F-B で開催予定。
秋の深まりとともに活版ファンの心は波立ってきます。今年も、今年こそ、クリスマス・カードや年賀状を本格的な活字版印刷の印刷物で挑戦しよう ! そんな活版ファンの要望にお応えすべく、朗文堂 アダナ・プレス倶楽部は鋭意準備を進めています。
活版ルネサンスは、アダナ・プレス倶楽部によるさまざまな企画開発商品と、活版をこよなく愛する業者さまからお譲りいただいたリ・ユース機器の展示・販売会です。活版専用インキ、各種込め物、特殊活字、特製活字ホルダー、メタル・ベース・セットなど、ともかく盛りだくさんの商品を用意しています。続報にご期待下さい。
こんな時代だから、金属活字も創っています !
新鋳造活字「アラタ1209」がまもなく間もなく誕生 !!
アダナ・プレス倶楽部が意欲的な挑戦を展開しています。
詳細: http://www.robundo.com/type-cosmique/robundo/arata1209.html
「こんな時代だから、活版印刷機を創っています」をスローガンに、朗文堂 アダナ・プレス倶楽部が設立されたのは一昨年の秋のことでした。そして誕生した Adana-21J は、いまや各種教育施設、各種団体、個人ユーザーの皆さまのお手元に旅だっていきました。
そして今、アダナ・プレス倶楽部はあらたな挑戦をはじめました。
「こんな時代だから、金属活字も創っています」
個人ユーザーの皆さまのご要望にお応えして、アダナ・プレス倶楽部が挑戦しているのは「アラタ 1209」というカタ仮名活字の復興です。「活字はやっぱり暖かみがあっていいね」「活字文化を守ろう」といっているだけでは、危険があります。すなわちいまや活字製造の根幹をなす活字母型製造が危機に瀕しています。
大言壮語ではなく、まずできることからはじめよう……。Adana-21J と同様に、小さくとも素晴らしい活字スキームが間もなく誕生します(苦)。正直なところ、いまは錆びついてしまった製造ラインの分厚い壁と悪戦苦闘中です。それでも活版ユーザーは確実に増加していますし、従前の活版業者とはひと味ちがう活字へのこだわりをお持ちです。そんなひとすじの燭光を頼りに、粘り強く「活字復興」に歩をすすめています。
「実践活字母型彫刻」お申込みを締め切りました。
楽しく、成果の多い旅になりそうです。ご報告はこの Website にいたします。
詳細: http://www.robundo.com/adana-press-club/news/news039.html
たとえ 1 本の活字でもいとおしい。それが自分の手によったものであれば、愛着はいやますことでしょう。12 名の活版愛好家の皆さんとの楽しい旅になります。準備はおさおさ抜かりなく……、といいたいところですが、皆さんはじめての活字パターンの制作にとまどい気味。
それでも、ようやく勢揃いした「活字原字」をみますと、どれもが力作揃いです。活版印刷をはじめれば、そこには金属活字がある……、とされるのはあまりに安易な考えかもしれません。金属活字の安定供給のために、いまなにをしなければならないか……、という重い命題を背負いながらの旅となります。
されど……、眦をけっしてといった悲壮感はなく、せっかくの秋の甲斐路の旅ですから、甲州ブドウを楽しみ、ワイナリーの見学までチャッカリとコースに組み込まれています。9 月 27 日、いざ出発です。報告はこの Website にいたしますので、ご期待ください。
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