朗文堂 アダナ・プレス倶楽部 こんな時代だから、活版印刷機を創ってます。

以前のコラムのページです。

コラム No.011

アダナ王国からお便りをいただきました !

海外でも Adana-21J に大きな関心が寄せられています。


IGAS JANPS といった国際的な印刷機材展がたびたび開催され、なによりも website のおかげで、ずいぶん海外との距離が近くなったように感じます。

  先ごろ開催された「 IGAS—International Graphic Arts Show 」では、40 ヶ国以上から、15 万人を越えるお客さまが来場され、 Adana-21J を実際にみて、印刷体験をしていただくことができました。

  そんな影響もあったのでしょうか。海外の website にアダナ・プレス倶楽部と Adana-21J の紹介ページを見かけるようになりました。いずれも紹介が意外なほど詳細にわたっているので、おそらく海外在住の日本人が情報提供をしたり、翻訳協力をされているものだとおもっていましたが……、ここのところしばしば到来する海外のスモール・プリンターからの E-mail や、お便りで、ほとんどが website 付属の翻訳ソフトを使われていることを知りました。

Kingdom of Adanaland アダナ王国からのお便り

中でも驚いたお手紙は「アダナ王国 Kingdom of Adanaland の国王 ! Alan Brignull 陛下( ? )」からの素敵なお便りでした。封筒には「 ADANALAND 」発行のイラスト入りの切手( ? )を含め、様々な切手が楽しく貼られ、中身はカッパン印刷愛好家の同志として連帯を求める書状と、心をこめて制作された「エフェメラ」がどっさり入っていました。

アダナ王国の「エフェメラ」アダナ王国の「エフェメラ」アダナ王国の「エフェメラ」
アダナ王国の「エフェメラ」アダナ王国の「エフェメラ」アダナ王国の「エフェメラ」アダナ王国の「エフェメラ」

手紙の冒頭には、以下のようにありました。

I do not understand the Japanese language but Google translation gave me an idea of what it is all about (as well as some laughs at the strange translations). It looks a very good machine with some useful improvements.

そこで私も陛下にならって、翻訳ソフトで陛下からのお手紙の翻訳変換を試みてみました。以下がその変換によるお手紙の内容です。

私は日本語を理解しない、しかし Google 翻訳が(若干の妙な翻訳においての笑いと比べて同じぐらい上手に)私にそれがすべてであることの考えを与えた。それは若干の有用な改良を持っている非常に良い機械のように見える。

やはり私の翻訳ソフトでも「若干の妙な翻訳においての笑いと比べて同じぐらい上手に—妙な翻訳となって、笑うしかないほどのものですが、何とかうまく意味を理解することができました」という結果がでました。

  このように、国内はもとより、海外からも、嬉しいお便りをいただいています。それをなによりのはげみとして、慌ただしい日々を過ごしているこのごろです。ともあれ、たとえ、国が違い、民族が違い、言語が異なっても、小型活字版印刷機を通じて、心と心が通いあうのはなによりも嬉しいことです。

アダナ・プレス倶楽部特製エプロン 余話


そうでした ! 海外からのお便りの中には変わったリクエストもありました。

  アダナ・プレス倶楽部の発足時に、作業用のエプロンを Website を通じて発注しました。そこには、たまたまアダナ・プレス倶楽部のイメージ・カラー「ブリティッシュ・グリーン」に近い色調のサンプルが掲載されていました。胸の中央に「アダナ・プレス倶楽部」のカログラムのプリントを入れて発注したところ、「この色は現在品切れで次ぎの入荷予定は数ヶ月先になります。似たようなエプロンが他にありますので、そちらにプリントをしてもよろしいでしょうか」という電話が販売店からはいりました。

 「直接お店にお伺いさせていただいて、

  エプロンの仕様を見比べてから決めることはできますか ?

 「うちはプリント加工を請け負っておりまして、申しわけありませんが、

  プリント前の商品の在庫やサンプルを店頭に置いてはおりません。

  ご希望の商品と代替の商品とでは、布の厚みや丈の長さに若干違いはありますが、

  大きな差は無いと思います」

こんなやりとりのあとしばらくして「アダナ・プレス倶楽部特製エプロン」がドッサリ届きました。オリジナル・アイテムの到着にワクワクしながら開梱しましたが、すぐに、悲鳴に近い叫び声が社内に響き渡りました。

 「なに、これー !? 青ガエルみたいじゃない !???

 「イャー、これはこれでいいんじゃないの。機械と同色だと紛らわしいし……。

  明るいし、夢があるよ」

 「そうですよ。軽快でなかなかいいとおもいますよ」

 「そうかなぁ……」

 「だまされたと思って、着てみなよ」

こんな経緯があって、「アダナ・プレス倶楽部特製エプロン」は様々なイベントで着用され、どう少なく見積もっても、およそ 20 万人のひとの目に触れてきました。そのほかにも Website の写真にしばしば掲載しましたので、どのくらいのかたの目に触れたのかはわかりません。

  それでも「 JANPS 19 回新聞製作技術展」の展示賞審査員の皆さまの講評に、

 「キリリとしたエプロン姿が、印刷人として真摯である」

との嬉しいご講評をいただき、おもわぬ展示賞までをいただきました。

  また「馴れ」とはなかなか怖ろしいもので、いつのまにかこのエプロンの着用にスタッフは馴れて、だれもが疑問をもたなくなりました。つまりアダナ・プレス倶楽部では、ひそかに「ケロンパ・エプロン」と呼び、みんなが「愛用」しているこのごろなのです。

  それがナント、近頃では、海外の印刷マニアの方からも「エプロンがとっても可愛いので、ぜひ購入したい」というお申し出が来るようになりました。

 「これって、シャレや冗談じゃないよねぇ」

 「はるばるイギリスから、そんな冗談をいってくる訳はないでしょう」

しかしまぁ、今となっては怪我の功名、「鮮やかな黄緑色がイベント会場や Website の画面上では映えるから良かったね」とか、「撮影の際にはレフ板よろしく顔色が良くみえる」とか、大活躍の「ケロンパ・エプロン」なのです。

海外の活版愛好家からも、続々と連絡が来ています。
その情報を website でご覧ください !


  • Adanaland

  • アダナ王国( Adanaland )国王陛下 !? Alan Brignull 氏は、2 年に一度、イギリスのオックスフォードで開催されている Oxford Fine Press Book Fair http://www.fpba.com/ )の常連メンバーでもあります。

  • The British Printing Society

  • イギリスの The British Printing Society http://www.bpsnet.org.uk/ )の Bob Richardson さんから、「アダナ・プレス倶楽部の website を見て、アダナ・プレス倶楽部の特性エプロンに一目惚れしたので、ぜひ譲ってほしいと!」と連絡がありました。Richardson さんは、その名前も『 The Adana Connection 』という本を 1997 年に出版されています。

  • h&s

  • http://www.harringtonandsquires.co.uk/

    イギリスのキュートでクールな Vicky Fullick Chrissie Charlton の女性ユニットによるレタープレス、harrington&squires より美しいお便りが届きました。

harrington & squires h&sからのお便りharrington &s quires h&sからのお便り

  • Dolce Press

  • http://www.dolcepress.com/

    ニューヨークのデザイン・スタディオ兼レタープレス・ショップの Dolce Press さんが、website Adana-21J の紹介をしてくださいました。

    「活版印刷機はもはやアンティークではない!」とうタイトルが象徴しているように、言語や民族は違えども、アダナ・プレス倶楽部の活動に深い理解を示してくださる方がいることに、驚きと喜びを感じました。

    時間の経過とともに、オリジナルの Website からは記録が削除されてしまうことがあるかもしれませんので、嬉しい記録として、ここに原文の一部と、拙いものですが和訳文をご紹介いたします。

Letterpress machines don’t have to be antique!

I always wanted to know if there was a company out there making new table top presses. Recently, there has been a high demand for table top presses such as the C&P Pilot, Kelsey, Hohner, Sigwalt, Adana and the like. I know there is something nostalgic and sentimental with these old cast iron presses but, it would be kind of nice to have one that is sparkling and new and not to mention lighter. While searching the internet, I came across a company in Japan, who makes new Adana table top presses. I thought this was a beautiful machine and wanted to share it with other letterpress enthusiasts.

活版印刷機はもはやアンティークではない!

わたしはいつも、どこかの企業が新たに卓上型活版印刷機を製造していないだろうかと探していました。というのは、最近、C&P パイロット、ケルシー、ホーナー、シグワルト、アダナのような卓上型活版印刷機に大きな需要がみられるからです。ところがこれらの古い鉄製印刷機に寄せられる関心は、どこか懐古的で、感傷的なところがみられるようです。ところがなんと、まばゆいばかりに新しく、素晴らしいマシンが誕生しました。インターネットを検索していたところ、はるか彼方の日本で、まったく新しいアダナ型活字版印刷機が製造されていることを知りました。わたしはこの美しい印刷機を、ほかの中古機に熱中しているひとにも知って欲しいとおもっています。

http://dolcepress.com/blog/2007/10/28/letterpress-machines-dont-have-to-be-antique/

  • Letterpress 77

  • http://www.letterpress77.com/index.html

    ドイツのデュッセルドルフでレタープレスをしているたのもしい日本男児、松本きよさんの工房です。ドイツでも活字の入手に苦労が多く、樹脂凸版(ポリマープレート)を上手に活用されて活動をされています。

以前より、海外のレタープレス・ブームの噂は耳にしておりましたが、上記 Letterpress 77 の松本さんより、特にアメリカでのブームがすごいとお聞きしました。そこで、すこし検索してみましたところ、プロ、アマを含め、たくさんの情報がヒットしました。そのなかより、Adana-21J のユーザーの皆さまに親近感を感じていただけると思う、アマチュアやプライヴェート・プレス寄りのプレスのいくつかをピック・アップしてご紹介します。

  • Egg press

  • http://www.goodeggpress.com/

    オレゴン州ポートランドにある工房です。たくさんの若いアーティストによるみずみずしい作品が魅力です。

  • green chair press

  • http://www.greenchairpress.com/

    カリフォルニア州バーリンガムにあるプライヴェート・プレスです。San Francisco Center for the Book http://www.sfcb.org/index.php )でレタープレスとブック・バインディングを教えるかたわら、ご自身の工房で 1890 年代の Chandler and Price のプラテン印刷機を使って type(活字)と letterpress(凸版)で ephemera(エフェメラ、端物印刷)やファイン・プレス・ブックを印刷されています。

  • Milkfed Press

  • http://www.milkfedpress.com/index.html

    カリフォルニア州でレタープレス・プリンティングとバインディングをおこなっている女性の工房です。工房内のショップの様子も素敵です。

  • Dutch door press

  • http://www.dutchdoorpress.com/index.html

    カリフォルニア州サンフランシスコの女性ユニットによる工房です。プレス名にも表れているように、オランダをイメージさせるカラフルで可愛らしいイラストやデザインの作品を制作されています。

  • elum

  • http://www.elumdesigns.com/home

    カリフォルニア州サンディエゴにある工房です。「 Letterpress with a distinctively modern twist. 」をテーマに活躍中です。

  • Prosper

  • http://www.prosperpress.com/index.htm

    カリフォルニア州のベイ・エリア、バークレイでレタープレスを行っているデザイン・スタジオです。

  • AUTOTYPOGRAPHY

  • http://www.autotypograph.com/

    カリフォルニア州、ロサンゼルス出身の Jeremy Thompson さんの typographyLetterpressdesign のサイトです。

  • The Arm

  • http://thearmnyc.com/

    ニューヨーク州、ブルックリンのクールなアーティスト集団の工房です。精力的に活動しており、ワークショップも開催しています。

  • moontree letterpress

  • http://moontreearts.blogspot.com/

    ニューヨーク州、ブルックリンの女性による工房です。クールながらも可愛らしい作品を制作しています。

  • Sesame Letterpress

  • http://www.sesameletterpress.com/

    ニューヨーク州、ブルックリンの工房です。動植物のイラストを用いた作品が素敵な女性の工房です。

  • Foxglove Press

  • http://www.foxglovepress.com/index.php

    カンサス州、シャロン・スプリングスにある小さなレタープレス工房です。

  • Railway Station Press

  • http://www.railwaystationpress.com/

    バージニア州、アレクサンドリアにある工房です。初心者向けのワークショップも開催しています。こちらのサイトの Press List から、バージニア州やメリーランド州にもたくさんのプライヴェートがあることがわかります。

  • M press

  • http://www.mpresstudio.com/

    主婦である Maria さんとご主人の Mike さんによる工房です。所有されている 3 台のプレス機に、それぞれ譲っていただいた 3 人の人物の名前をつけて呼びながら、大切に使用されている様子などがほほえましい工房です。

  • Somethingplanned

  • http://www.somethingplanned.com/

    グラフィック・デザイン、タイポグラフィ、レタープレス、アートを行っています。

Robundo Publishing Inc. Tokyo JAPAN