朗文堂 アダナ・プレス倶楽部 こんな時代だから、活版印刷機を創ってます。

以前のアダナ・プレス倶楽部ニュースです。
現在はブログにてお知らせしております。

ニュース No.015 【アダナ・プレス倶楽部便り】

Adana-21J の開発が最終コーナーに ! もうすぐ衝撃のデビュー !

アダナ・プレス倶楽部の開発画像記録のほんの少しをご覧ください。

Adana-21J

アダナ・プレス倶楽部 Website の開設以来、しばらくの間、試作機の写真ばかりをご覧いただいてきましたが、前回の更新から、各コーナーでご紹介している機械本体の写真画像が実売機のものに変更されました。

 テキン、Kelsey 5×8、アダナ 5×3、アダナ 8×5 などを前に検討を重ねていたアダナ・プレス倶楽部が、「蝶番式プラテン小型活版印刷機 Adana-21J 」の本格開発を決意して、機械メーカーの小池製作所に設計を依頼したのは昨年の晩夏のことでした。

 いずれのモデル機にも負けない、高品質の国産活版印刷機を創ろう……、という意気込みだけで、印刷関連機器メーカーの名門中の名門、小池製作所に設計・製造を依頼しました。

 予測通り、小池製作所の力量は予想をはるかに上まわるものがあり、わたしたちは大船に乗った気分でお任せしていたというのが実態ですが、やはり精密機械の製造にはそれなりの苦心もありました。

 それでも実売機の完成を目前にして、今はそんな苦労などはすっかり忘れました。また楽屋ばなしめいたものはユーザーの皆さまには迷惑かもしれません。ですからここにわずかな写真記録程度にとどめ、素人写真ばかりで恐縮ですが、開発途中の姿をご紹介します。

試作機用の各種部品

※集まった Adana-21J 試作機用の各種部品。

試作機用の各種部品試作機用の各種部品試作機用の各種部品

※立ち会いの上、設計図・仕様書を見くらべて 1 点ずつ確認しました。

アダナ・プレス倶楽部からの依頼の前に、小池製作所の設計部、営業部との協議が数回もたれました。そして正式依頼から間もなく、設計図面が完成しました。驚いたことに、260 数点におよぶ各種の部品によって「 Adana-21J 」は組み立てられるのだということを知りました。早速これらの部品の発注が行われ、組み立て・調整が実施され、試作機 1 号が完成したのは晩秋のころでした。

「すぐに工場にいらしてください。まずは試運転をどうぞ」という連絡を受け、小池製作所の工場に出かけた日は、珍しいくらい残暑が厳しい秋の一日でした。

 小池製作所の製品は、ふつうは何トンもある巨大なものばかりです。そんな大きな機械が組み立て中の姿で何台も並んでいる工場で、アダナ・プレス倶楽部の Adana-21J も組み立てられました。ですから巨大な機械の群れに囲まれてはいましたが、それでも「 Adana-21J 試作機 1 号」は、工場の一隅で凛として光り輝いていました。

 それを会議室に組立部の技師が大切に抱えて移動し、設計部、組立部、調整部と、技師たちが入れ替わり立ち替わり、総掛かりするなかで、各種の Jig(治具とも当てます。工作物の切削工具を、正確・迅速に加工するための道具)を機械の各部に当てて検証し、また実際の印刷版での印刷が実施され、改良・改善点がどんどん指摘・記録されました。

 実際には、わたしたちの要求が厳しすぎたのでしょうか、調整部のベテラン技師も、図面と仕様書を前に頭を抱え込んで、すっかり寡黙になってしまったこともありました。

設計部設計部

※設計部との間では、設計図・仕様書との合致性、

強度・精度・操作性などの問題点の検証が実施されました。

調整部調整部

調整部調整部

※調整部との間では、操作の軽快さの保持、チェースの脱着の容易さの確保

エッジの面取り、新アイデアの提示などが実施されました。

こうした試運転が数回おこなわれ、アダナ・プレス倶楽部に「 Adana-21J 試作機 2 号」が搬入されたときは、インキ・ローラーを保持するアームは、試作機 1 号の赤色から、アダナ・プレス倶楽部のシンボル・カラー「 British Green 」に変わっていました。

 それからは、ほぼ毎日、実際の印刷作業が実施され、より軽快に、より精巧に、より操作性の向上をめざして、改良点の指摘は微細なものになっていきました。工場側からは、組立部・調整部の技師が工具を抱えて来社し、即座に問題点の解決のために、切削、研磨、調整を加え、現場で対応できない問題は設計部に伝達されました。こうしてその改良・改善記録を、実売機へ反映させるための記録が蓄積されていきました。

※「 Adana-21J 試作機 2 号」。

内見会で多くのお客さまにご覧いただき、実際に使用していただきました。

その際の貴重なご助言も実売機に反映させていただきました。

Adana-21J 試作機 1 — 2 号」の機械本体の部分は、アルミニュームの切り出しによって「組み立てられて」いました。この間設計図に基づく「鋳型」が製造され、3 月中旬には「鋳造された」ピッカピカの光り輝く機械本体が工場の一隅を大いばりで占拠するようになりました。本体はここでさらに、面取り、研磨、蒸着塗装が実施され、組立部によって各種部品が取りつけられ、ふたたび Jig の出番となって、各種の検証が調整部の技師によって実施されています。

調整・塗装前の機械本体

※調整・塗装前の機械本体。ピッカピカに光り輝いています。

調整・塗装前の機械本体調整・塗装前の機械本体調整・塗装前の機械本体

※各種部品も勢揃いして組み立ての出番をまっています。

新緑の薫風にのって、「蝶番式プラテン小型活版印刷機 Adana-21J 」はまもなく誕生いたします。たいへん長らくおまたせいたしましたが、すでにご発注いただいた皆さまには、十分な実機テストをおこなった「 Adana-21J 」をまもなく納入いたします。またアダナ・プレス倶楽部には、実売機を展示してございますので、ご関心のある方はご一報の上、ご来社、実見くださいませ。

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