朗文堂 アダナ・プレス倶楽部 こんな時代だから、活版印刷機を創ってます。

以前のアダナ・プレス倶楽部ニュースです。
現在はブログにてお知らせしております。

ニュース No.016 【アダナ・プレス倶楽部便り】

活版印刷体験、活字鋳造体験、笑顔が印象的です !

アメリカで、日本で、活版印刷が力強く甦っています。

このところ、国内外を問わず、Website に活版印刷関連のものが急増しています。とりわけアメリカの動画 SiteYouTube」では、びっくりするほどたくさんの活版印刷関連の映像が閲覧できます。

 昨年までは、「letterpress(凸版印刷)で検索しても、ヒットする映像はわずかばかりで、「typography(活字版印刷)や「typeface(活字書体)のキー・ワードで、わずかに文字印刷関係の映像が楽しめる程度でした。

 それがこのところ急激に、「letterpress」のキー・ワードでヒットする画像件数が増えてきました。いずれも工夫を凝らした映像で、解説・せりふ(ひとりごと ?BGM 入りの賑やかなものもあります。

 おもしろいことに、その多くが、宣伝臭をおびた業者のものというよりは、アマチュア・プリンターやホビー・プリンターが主体で、手つきの怪しいひと、「自己流も極めれば技のうち」とばかり、奇手を連発して披露するひと、大型印刷機をもてあまし気味に、小さくて可愛らしい版面をなにやらブツブツいいながら印刷するひとと、さまざまです。

 それでも印刷を終えると、ひどく自慢げにカメラに向けて「作品」をかざし、皆一様にニッコリします。組み版・組みつけの苦心が報われた達成感が誇らしげな笑顔にかわっています。そして手つきのわりには、きれいな刷り上りにも驚きます。

 まわりのひとは、それはもう、まるでグーテンベルクの「黒い魔術」を見たかのように、「オー ! ゴッド」と拍手喝采、スタンディング・オベーションです。

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 わが国も決して負けてはいません。大型サイトは遅れ気味ですが、活版印刷を実際に体験し、活字鋳造所を実際に訪問した若い方々のブログを中心に、実に活き活きと、美しく、楽しく、豊富なコンテンツによる紹介が増えてきました。ここでも明るい歓声がひびき、真剣な眼差しがひしひしと感じられます。

 ご存じのようにここ数十年の間、活版印刷ギョーカイには寒風が吹きつのっていました。北からの冷たい逆風に、コートの襟をたてて耐えるばかりの業者でしたが、門戸を大きく広げ、若い世代の力に支えられた業者から、徐々に反転攻勢にでてきたな……、というのが実感です。

 これらの体験教室や見学会に参加され、活字鋳造と活版印刷を実体験され、それに魅了された若い力が、いずれ力強く活版印刷の再生に向けて、みずからプライベート・プレスを設ける日を夢見ています。そのとき、アダナ・プレス倶楽部がお役に立てれば幸いです。

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 わがアダナ・プレス倶楽部は、発売前の第 1 期「Adana-21J 操作指導教室」を開催し、 6 月からの第 2 期「Adana-21J 操作指導教室」の日程も決定したところです。(詳細 教室のご案内

 この教室は、実際に Adana-21J をご購入(予定)されるかたに向けたもので、ご購入後、ご自身で快適な機械操作ができるように、取り扱いに際して危険や事故がないように、そしてご使用目的にあわせた周辺機材のご相談・ご指導を目的としています。

 そのためどうしても、少人数で長時間の教室になりますし、お世辞にも、ほかの体験型教室や見学会のように、笑いにつつまれ、見ているだけで楽しいものではありません。

 むしろ、限られた時間内で、いかに機械操作や周辺技術をお教えできるか、教える側も習う側も真剣勝負で、地味になりがちです。

 制作物も、こぎれいな「作品制作」を目的としてはおりません。むしろそうした多様性のある活版印刷術の基礎を学ぶための、地道な練習問題を行います。

 しかし、急がば回れといいます。基礎さえおさえていれば、あとはユーザー様それぞれの、実践・経験・応用で、腕を磨くことができます。もちろん、アダナ・プレス倶楽部は Adana-21J のユーザー様を力強く支援し続けます。

 また、練習問題を通して、自由な作品制作だけではなかなか気がつく機会の少ない、おもしろい発見や、日常の文字組版や印刷物の原点を知るおどろきや楽しみを得ることができます。

 活版印刷はたしかに手間暇はかかります。しかし、できあがった印刷物は、いい訳のできないあなただけの作品となりますし、それだけに苦心や苦労は必ずむくわれ、印刷が完了したときには、おおきな達成感があるものです。その反面、手抜きや粗雑な制作態度をとると、これまた怖ろしくも、手ひどいむくいが待ちかまえています。

 その工程や、モノづくりに対する姿勢やおもしろさなど、たくさんの楽しみや可能性を皆様にも知っていただければと思います。

Robundo Publishing Inc. Tokyo JAPAN