Typography Festival
《杉本幸治 本明朝を語る》講演会の記録
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本明朝の制作・監修者/杉本幸治氏によるこの講演会は、朗文堂が企画した数多い講演会でも、
聴衆のあいだに深い影響をのこし続けているものとして記憶されています。
講演会は 130 名の聴衆が参加され、3 時間余にわたる熱気をおびたものでした。
また金属活字・写植活字・電子活字の三世代にわたる
本明朝のオリジナル資料も初公開され、おおきな印象をのこしました。
貴重な記録として、このアーカイヴにのこします。
杉本幸治氏の講演録『杉本幸治 本明朝を語る』が B5 判 32 ページの小冊子として完成しました。¶ リョービは、本年中に本格本文専用書体「本明朝-Book」の OpenType 版の発売を予定しており、その発売が待たれるところです。「本明朝-Book」の随伴欧文は、従属欧文の域をはるかにこえた本格的な欧文書体であり、和文との混植にも配慮がつくされています。またかな書体の多様さも特徴のひとつで、文芸書・社会科学書・理工学書などでの多様な分野での使用も違和感なく消化できるという柔軟さをもった本格書体です。もちろん、前述の書体と同様に、これらの書体は朗文堂 タイプ・コスミイクでもご購入できます。¶ この講演会と小冊子の制作には、朗文堂 組版工学研究会もお手伝いをしてきました。『杉本幸治 本明朝を語る』の小冊子は「リョービ新春ショー」「Page 2008」でも配布されましたので、残部は僅少ですが、リョービイマジクス樣より特別供給していただきました。ご希望のかたは、梱包・送料として、郵便切手 160 円を同封して「リョービ本明朝資料希望」として朗文堂 フォント・コスミイク宛てにお申込ください。
Typography Festival
杉本幸治
本明朝を語る
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2006 年 4 月 22 日[土] 14:00 ― 16:30/会場:リョービ株式会社東京支社 1 号館 5F 会議室
主催:株式会社朗文堂・新宿私塾/協賛:リョービイマジクス株式会社/後援:タイポグラフィ学会
本講演会は本明朝の原字制作者杉本幸治が
金属活字の晃文堂明朝、写植活字の本明朝、電子活字の本明朝と
三世代にわたる活字制作について初めて語る貴重な講演会です。
また本明朝の原字や晃文堂時代からの
書体見本帳など貴重な資料も一挙公開されます。
第 I 部 金属活字・写植活字時代の本明朝の開発
杉本幸治 聞き手:片塩二朗 & 吉田俊一
第 II 部 デジタル時代に飛翔する本明朝の開発
討論会 — 杉本幸治・米田隆(タイプクリエーション主宰者)
& リョービイマジクスフォントシステム部部員
進行:片塩二朗
《展示予定》
・本明朝ファミリーの原字(初公開)
・晃文堂活字見本帳(欧文編・和文編・明朝体パンフレットなど各種)
・写真植字時代の本明朝の文字板・見本帳など各種
・デジタル時代の本明朝の各種データ・見本帳などの資料
「本明朝」のみなもととなった「晃文堂明朝」の発売は、20 ─ 21 世紀へと、世紀をまたいで今年でちょうど半世紀の歴史を刻んできました。金属活字書体だった「晃文堂明朝」は写植用書体「細明朝」となりましたが、1982 年にそれを金属活字の歴史と伝統にもとづいて全面改刻し、写植用書体でも堂々とした本文が組める、本格派の書体としての「本明朝 - L 」としたのが杉本幸治氏でした。
第 I 部では、四半世紀を越える人生を「本明朝」ファミリーの制作と監修にあたられた杉本幸治氏に、戦後すぐの三省堂時代の活字制作のこと、吉田市郎氏の懇請によって「本明朝」ファミリーの開発と制作にあたった動機、それからのファミリーの拡張にあたってのコンセプトなどを、写植文字板原図というなによりの資料をもとに縦横無尽に語り尽くしていただきます。
第 II 部では、杉本幸治氏の薫陶をうけ、現在のデジタルタイプとなった「本明朝」ファミリーの主な制作者・米田隆氏(タイプクリエーション主宰者)と、各種のフォーマット化と監修にあたっているリョービイマジクスフォントシステム部の現場のスタッフにも加わってもらい、より一層熱い討論会を開催します。
《本明朝ファミリーの歴史》
1958 年 昭和 33 年 本明朝の源、金属活字「晃文堂明朝」が登場。
1970 年 昭和 45 年 写真植字用書体「細明朝」として発売。
1982 年 昭和 57 年 「細明朝」を全面改刻して「本明朝-L」として発売。
1982 年 昭和 57 年 ファミリーとして「本明朝-M」「本明朝-B」が誕生。
1983 年 昭和 58 年 ファミリーとして「本明朝-E」が誕生。
1987 年 昭和 62 年 「本明朝-B」を改刻して「本明朝-BII」と命名。
1987 年 昭和 62 年 「本明朝-L」デジタル化。
1990 年 平成 2 年 「本明朝-M」「本明朝-BII」をデジタル化。
1994 年 平成 6 年 「本明朝-E」を改刻して「本明朝-EII」デジタル化で誕生。
1999 年 平成 11 年 本明朝ファミリーの字体・形姿を統一してリニューアル。
1999 年 平成 11 年 「本明朝-L, -M」に新仮名「小がな, 新がな, 新小がな」誕生。
2003 年 平成 15 年 「本明朝-BII, -EII」に新しい仮名「新がな」誕生。
2003 年 平成 15 年 ファミリーとして「本明朝-U」が誕生。
2004 年 平成 16 年 書籍本文組み専用書体「本明朝-Book」が誕生。
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