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書物 Book, 雑誌 Magazine
書物 Book
本・書物・書籍・図書・単行本:著書・著作:著述・記録
英語での Book の初出:あまりにふるく判明せず
the Book of Books, the Book — 聖書 Bible
日本語の「本」の定義はあまりにあいまいである。すなわち「本」は、古本・エロ本・雑誌などを含むが、英語では Book と Magazine(雑誌)は明確に区別するし、流通経路、販売所も異なることがほとんどである。
すなわち書物は Book Shop で販売されるが、雑誌・新聞は駅や街角のちいさな店「キオスク」で販売されている。キオスクはもともとトルコ語で「あずまや」の意であった。フランスでは Kiosque、イギリスでは Kiosk とあらわし、ともにキオスクと発音する。わが国では駅頭、とりわけ鉄道弘済会の売店で、さまざまな雑貨類とともに雑誌・新聞を取り扱うが、これは「キヨスク」とされる。
日本語には雑誌その他と書物を区別するために「単行本」がある。しかしそれに該当する英語は無い。すなわち「単行本」は Book の説明的訳語といって良い。また、和製英語に「ムック Mook」があるが、これは Magazine と Book の合成語で、編集方法や体裁が、雑誌と書物の中間であるような出版物を指す。わが国得意の折衷語のひとつといえる。
中国では素材や装本などを中心に「書」がかたられことが多い。ふるくは冊・典・策・簡・方・篇・版・札・牒・巻・葉などとされた。それぞれがみずからの源流と特徴をもつ。中国刊本学や書誌学ではこれらのことば明確に定義されているが、一般用語としての使用はまれである。現在ではこれらのことばは、むしろわが国の書物を通じて語られることが多い。現代中国で Book に相当する語としてもっとも通用しているのは「書」であり、日中ともに通じるのは「図書」である。
雑誌 Magazine
雑誌、マガジン
伊:Magazzino 倉庫、仮設置き場、雑貨店
英語での Magazine の初出:1731 年(情報の保管庫の意から)
追加項目/時事トピックをはさんだニュース番組・バラエティ番組:
軍需品・糧秣庫・倉庫:要塞・軍艦の火薬庫:連発銃の弾薬庫
Magazine Gun — 連発銃(1744 年初出)、Machine-gun — 機関銃
Book と Magazine は欧米では同列に語らないし流通・販売ルートも異なることがほとんどである。また、日本語の「マガジン」は週刊誌や漫画誌などの他にも、専門誌、学術誌、紀要なども雑誌に含むが、英語の専門誌などは Journal としてこれらを雑誌とは区別する。
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