新宿私塾 講座紹介
製本術入門 講師 西尾 彩
新宿私塾はタイポグラフィを中核とし、造形・形成に関する多彩な講座を設けています。通常は 3 時間半の夜間講座ですが、フィールドワークや、ここにご紹介するような 5 時間にわたる特別講座もあります。「製本術入門」は、講師の西尾彩氏の指導をうけながら、手づくり製本を体験する講座です。
軽便なパーソナル・コンピュータと、そのプリンタが普及して、造形者個人の手許にも、単なる「コピー」をこえた、多色刷りや単色の「現代の写本」ともいうべき制作物がのこるようになりました。もしかすると、わたしたちはグーテンベルク以来の「第二の印刷革命期」をいきているのかもしれません。
そんな記録のおおくは、すこし洒落たファイルに挿入し、それなりに保存の工夫をしますが、やはりこうした軽便なファイリングでは、携帯・閲覧・保存に不便ですし、書物としてみたばあい、読書にあたっての不便がさけられません。またなにより悩ましいのが美観にかけるという欠点です。こんな問題点が「現代の写本」や、公刊にいたるまえの「わたしたちの制作物」にはありました。
こうした現状にかんがみ、新宿私塾では特別講座として洋式製本の製本師・西尾彩氏をお迎えして、実務作業を受講生がおこなって、その基本原理をまなぶ機会を土曜日に設けています。特別講座は講師の実演・解説・指導のもとで、終始熱気にあふれ、まるでアーツ & クラフツ運動時代の、ロンドンのテムズ河畔さながらの、モノづくりの愉しさと、工芸の奥深さへの感動にあふれています。
特別講師/西尾彩氏の紹介
西尾彩氏は都合 3 ヶ年にわたってイギリスに留学され、現在は母校の武蔵野美術大学で教鞭をとるかたわら、製本工房・印刷工房とあわせて製本教室を主宰して、洋式製本術の普及と発展につとめています。
イギリスでの西尾彩氏は、近代タイポグラフィの形成におおきな影響をあたえたアーツ & クラフツ運動の発祥地のひとつ、ウィリアム・モリスによる個人印刷所/ケルムスコット・プレスや、コブデン・サンダースンによるダブス・プレスがあり、その教育機関・中央美術工芸学校( Central School of Arts and Crafts )がテムズ河畔に軒を列ねていた「ハマースミス」に住居をおいて、イギリス正統派の製本術を徹底して学ばれました。したがってこの特別講座はアーツ & クラフツ運動における造形の真髄と技法をまなぶ端緒となるものです。
1995 年 武蔵野美術大学造形学部視覚伝達学科卒業
1995 年 株式会社鶴屋吉信営業企画室勤務
2001 年 Guildford College of Further & Higher Education
Diploma in Fine Bookbinding & Conservation 修了
2002 年 London College of Printing,
BA Print Media Book Arts & Crafts 修了
2003 年 文化庁在外研修員としてイギリスに滞在
2004 年 武蔵野美術大学非常勤講師
朗文堂 タイポグラフィ・スクール 新宿私塾
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