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【展覧会】京都 ddd ギャラリー|第246回企画展  書藝問道|ブックデザイナー 呂敬人の軌跡|’25年4月10日-6月4日

京都 ddd ギャラリー
第246回企画展 
書藝問道 ブックデザイナー 呂敬人の軌跡
会  期  2025年4月10日[木]- 6月4日[水]
休  館  日  月曜日(祝日・振替休日の場合はその翌日)、祝日の翌日(土日は開館)
      会期中休館日:4月14日㈪/4月21日㈪/4月28日㈪/4月30日㈬/5月7日㈬/
      5月12日㈪/5月19日㈪/5月26日㈪/6月2日㈪
開館時間  火曜 - 金曜は11:00 - 19:00 土日祝は11:00 - 18:00
会場案内  京都 ddd ギャラリー
      〠 600-8411  京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620   COCON烏丸3F
      TEL:075-585-5370 FAX:075-585-5369 ▷ 交通・アクセス
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☆ NOTES ON TYPOGRAPHY 掲載図版の多くは図版をクリック or タップすると拡大表示可能 ☆

本展は、現代中国の多様な造本文化の礎ともなった呂敬人氏の書藝を日本ではじめて大々的に紹介したギンザ・グラフィック・ギャラリー第406回企画展の巡回展です。
中国の豊かな出版文化の歴史を再発見し、新たなブックデザインの道を切り開いたパイオニア、呂敬人(リュ・ジンレン)氏が1989 年に初来日し、杉浦康平氏との運命的な出会いを果たした当時、中国ではブック デザイナーという独立した職種がまだ確立されていませんでした。そのような時代に、杉浦デザイン事務所での学びを通して本の内容から全体を構築していく「ブックデザイン(書籍設計)」に開眼した呂敬人氏は、自国の豊かな伝統文化を研究しながら独自の方法論を確立していきました。
会場では、宋代の拓本を原寸大復刻した『朱熹榜書千字文』をはじめ、全長 10mの巻物 10 巻を納めた『絵図五百羅漢詳解』、解説を読みながら実際に囲碁が打てる『忘憂清楽集』など、目を見張る豪華本をダイナミックに展開。お茶や扇子他、中国の豊かな芸術文化、生活にまつわる多彩な書物を、呂氏による丁寧な解説とともにご紹介します。また、手にとって楽しめる作品集や自著なども展示します。中国芸術の核心に迫る精緻なブックデザインの世界をぜひ体感ください。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 京都 ddd ギャラリー

【展覧会】足利市立美術館|橋口五葉のデザイン世界|’25年4月5日-5月18日

足利市立美術館
橋口五葉のデザイン世界
会  期  2025年4月5日[土]- 5月18日[日]
      * 作品保護のため一部展示替えがあります
開館時間  午前10時 - 午後6時(入館は午後5時30分まで)
休  館  日  月曜日(5月5日をのぞく)、4月30日、5月7日
観  覧  料  一 般 1000円 / 大学・高校生 700円 /中学生以下無料
      * チケット各種・割引・優待情報、関連イベント情報などは下掲詳細参照。
会場案内  足利市立美術館
      〠 326-0802 栃木県足利市通2丁目14ー7
      電 話 0284-43-3131 / Fax 0284-43-3133  ▷ アクセス 
監  修  岩切信一郎
企画協力  一般社団法人インディペンデント
主  催  足利市立美術館
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橋口五葉(1881-1921)は、我が国の書籍装幀や新板画の先駆者として知られています。1881(明治14)年、鹿児島に生まれた五葉は1899(明治32)年に上京、白馬会研究所を経て1901(明治34)年に東京美術学校(現・東京藝術大学)で学びます。
東京美術学校在学中に、兄・貢の紹介で夏目漱石と知り合い、1905(明治38)年には漱石の小説家デビュー作である『吾輩ハ猫デアル』の装幀を手掛け、一躍注目を浴びることとなります。五葉にとっても装幀家としてのデビュー作でもあり、漱石の意を汲んだ装幀に仕上げました。
漱石の信頼を得た五葉はその後も『三四郎』、『それから』、『門』をはじめとする数多くの著作の装幀を手掛けてゆきます。漱石のほかにも、「日本の本をもっと美しくしたい」という想いのもと、泉鏡花をはじめとする日本近代文学を代表する様々な作家の装幀を手掛けました。日本に書斎文化が根付こうとしていた時代に、颯爽と登場して人気を博したのが、五葉の装幀だったのです。
五葉は、新板画において新たな表現を追求した側面が強調されがちではありますが、三越のポスターをはじめとする商業グラフィックも手がけており、グラフィックデザイナーとしても数多くの仕事を残しています。
本展では、こうした橋口五葉のグラフィックデザインを、夏目漱石をはじめとする書籍の装幀を中心にご紹介します。
41 歳の若さで没した五葉が手掛けた様々な領域の作品も併せてご覧いただくことで、五葉の豊かなデザイン世界をご紹介する展覧会です。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 足利市立美術館 ] 

【展覧会】府中市美術館|橋口五葉のデザイン世界|’25年5月25日-7月13日|巡回待ち遠しいですね|

☆ Art 瓦版 掲載図版のほとんどは図版をクリック or タップすると拡大表示されます ☆

府中市美術館
橋口五葉のデザイン世界
会  期  2025年5月25日[日]- 7月13日[日]* 一部作品の展示替えを行います。
           前 期:2025年5月25日[日]- 6月15日[日]
           後 期:2025年6月17日[火]- 7月13日[日]
休 館 日  月曜日
開館時間  午前10時 - 午後5時(入館は 午後4時30分 まで)
会場案内  府中市美術館 Fuchu Art Museum   2階 企画展示室
      〠 183-0001 東京都府中市浅間町1丁目3番地(都立府中の森公園内)
      電話:042-336-3371(代表) e-mail:bijyutu01☆city.fuchu.tokyo.jp
お問合せ  050-5541-8600(ハローダイヤル)
観  覧  料  一 般 800円、 高校・大学生 400円、 小・中学生 200円
      * 府中市内の小中学生は「府中っ子学びのパスポート」で無料。
      * コレクション展もご覧いただけます。
      * チケット各種・割引・優待情報、関連イベント情報などは下掲詳細参照。
同時開催  コレクション展 「明治の彩り」ほか 府中市美術館 2階常設展示室/
      「橋口五葉のデザイン世界」観覧券でご覧いただけます。
      公開制作92 栗原一成 府中市美術館 1階公開制作室/観覧無料
主  催  府中市美術館
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橋口五葉といえば、女性の美しさを柔らかく表現した版画で世界的に知られています。けれども、五葉の手がけた仕事はそれにとどまりません。書籍の装幀やポスター、洋画や日本画とジャンルを超えて多彩に活躍しました。
五葉の仕事の出発点には夏目漱石の『吾輩ハ猫デアル』の装幀があります。漱石は古美術から同時代の英国美術にいたらるまで、美術に深い知識と関心を持ち、自らの小説にも数多くの美術作品を登場させています。五葉は美術学校在学中から漱石と交流を持ち、漱石に認められてその著作の装幀を手掛けるようになります。本展では日本の書斎空間を美しく彩った五葉装幀の世界を、50点近くの書籍によりご紹介します。
装幀に見られる職人との協業や素材へのこだわり、画面を花々や小動物のモチーフで埋め尽くす華やかな装飾性は、その後の絵画や版画の仕事にも息づいていきます。同時代のヨーロッパの美術潮流であるアール・ヌーヴォーと、琳派や浮世絵などの日本の伝統。それらが、五葉の美意識のもとに融合し、唯一無二の作品世界を生み出しているのです。
本展では、装幀を出発点として五葉の全仕事をご覧いただくことで、装飾や美術という枠組みを超えた橋口五葉の豊饒なデザインの世界をご堪能いただきます。

> 橋口五葉(はしぐち・ごよう、1881-1921)<
1881(明治14)年、鹿児島市に生まれる。1899(明治 32)年に上京、当初日本画家の橋本雅邦に人門するが、同郷の黒田清輝の勧めで洋画に転じ、白馬会洋画研究所を経て翌年東京美術学校に入学。長兄・貢を介し夏目漱石と知り合い、『吾輩ハ猫デアル』の装禎を手がける。その後も日本近代文学を代表する作家の装禎を次々と手がけた。1907(明治40) 年東京勧業博覧会に油彩画による屏風絵《孔雀と印度女》を出品し二等賞、第一回文展に《羽衣》が入選。1911(明治44)年には三越呉服店の懸賞に応募し《此美人》が一等に選ばれる。その後、自身の浮世絵研究に基づき新板画の制作に取り組み、《髪梳ける女》などの傑作を生み出した。1921(大正10)年41歳で病没。

> 展覧会構成 <
◆ 第1章 『吾輩ハ猫デアル』
夏目漱石は小説家としての出発点である『吾輩ハ猫デアル』を世に出すにあたり、美しい本を出したいとの願いを持っていました。五葉はこれまでになかった装幀でこの願いにこたえ、今でも日本の近代装幀史に大きな足跡を残す名作が誕生しました。
◆ 第2章 五葉と漱石
五葉と漱石の交流は俳句雑誌『ホトトギス』から始まります。『ホトトギス』に新風を吹き込んだ五葉の挿絵の数々、さらに漱石との関わりから生まれた装幀の数々をご紹介します。青磁を思わせる色合いの表紙に鉄線の模様が浮かぶ『鶉籠』、表紙に漆塗りを施した『草合』から、スエードが装幀に用いられている『行人』まで、五葉が手掛けた漱石本が一堂に会します。
◆ 第3章 五葉装幀の世界
五葉はブックデザインという言葉もまだない時代に先駆的な仕事を残しています。今見ても新しい、華やかなデザインで包まれた泉鏡花の著作の数々。表紙や見返しだけでなく、本文にまで装飾が施された『浮草』。本を立体としてとらえた五葉の装幀は、手のひらに収まる小さな世界に美しさが凝縮されたものとなっています。
◆ 第4章 五葉の画業
鹿児島で日本画を、さらに東京美術学校で西洋画を学んだ五葉は、それらを吸収して新たな表現を追究していきます。油彩で描かれた衝立形式の《孔雀と印度女》や、装飾的な花鳥イメージあふれる《黄薔薇》などの絵画作品はそうした探求の成果が結実したものです。
石販を三十五度刷り重ねた非常に贅沢なポスター《此美人》、絵葉書や雑誌といったグラフィックの数々からは、五葉の華やかなデザインの世界が浮かび上がってきます。
◆ 第5章 新板画へ
五葉は自ら浮世絵の研究を重ね、さらに九州・耶馬渓への旅を契機に自ら版画を手掛けることとなります。生前制作された作品は13点と僅かながら、今でも美しい輝きを放っています。スティーヴ・ジョブズも愛したと言われる珠玉の作品の数々をご紹介します。

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[ 詳 細 : 府中市美術館

古記録発掘【花筏 朗文堂-好日録005】ラファエル前派からウィリアム・モリス、ジョン・ラスキン|ラファエル前派兄弟団 PRG のこと|’10年12月21日|少少補修’25.4.10

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朗文堂-好日録
ここでは肩の力を抜いて、日日のよしなしごとを綴りたてまつらん
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★ 忙中に閑あり 美術館巡りのこと───
ひとなみに年末バタバタ騒ぎの渦中にある。そんなことを綴っても面白くない。だから忙中に閑ありて、美術館のこと。

このごろはなかな良い美術館があちこちにできた。東京の美術館はチマチマ、コセコセ、混雑しているので、いささか敬遠気味。でかいビルのこちらのワン・フロアが美術館です、といわれても味気ない。

だから最近はチト遠出をして(新宿から電車一本、バス一回)、宇都宮美術館がお気に入り。関東平野、ここにつきたか ─── といった小高い丘のうえにある。ともかく緑ゆたかな景観がよい。天井がたかくてゆったりした建物もいい。それが宇都宮美術館である。
ここは展示スペースが広く、ごちゃごちゃした美術館のように、作品がくっつきあって、たがいに視覚に干渉することがない。また、ここのカフェのランチは、地元の食材を使って新鮮で旨い。そして帰りがけに、駅前でのんびりと、名物のでっかい餃子をたらふく楽しむ。

★ 横須賀美術館にて《ラファエル前派からウィリアム・モリスへ》を展観する
2010年12月18日[土]、勇気をふるって横須賀にでかけた。横須賀には30年ほど前に一度いった。やたらと制服のヘイタイさんがおおくて辟易した。それ以来である。

もともと「制服」がおおいに苦手である。制服・制帽の着用を義務づけられた高校入学式の前夜、ひたすら制帽の芯(ただのボール紙だった)を全部ぬいて、禅宗坊主のズダ袋のようにした。
なにぶん高校は、鈍くさい、田舎の元旧制中学だったから、一応(甘かったけど)制服・制帽の着用が義務づけられていた。まして、お粗末なことに、「風紀委員」などという、時代錯誤、勘違いの輩ヤカラがいて、翌朝に新入生指導と称して、肛門 モトイ 校門の前で服装チェックをしていた。

トンチンカンを相手にするのは面倒だから、鞄から苦心の「ズダ袋」を取り出して、頭にひっかぶって、
「おはようございま~す。ご苦労さまで~す」
と通り抜けた。それでもけしからん一年生だと、すぐさま風紀委員からの呼び出し。(軟弱で硬直した風紀委員なぞは衆を頼むから)大勢に取り囲まれたが、
「わが校の校則に、質実剛健 シツジツゴウケン、和衷協同 ワチュウキョウドウ、至誠一貫 シセイイッカンとありました。質実剛健を体現するべく斯様 カヨウにいたしました。ナニカ?」
といって退かなかった。

これですっかりトンチンカンから目をつけられたが、ひとつきもたつと、たれもとがめなくなった。べつに制帽などという暑苦しいものをかぶる必要はないだろう。できるだけ自由人でありたいし、等身大でスッと立っていたいものだ。ところで風紀紊乱 ビンラン なることばもあったな。忘れていた。
しかし、暑くも寒くもない4月、それも若いうちから帽子などをかぶっていると、将来の毛髪の消長に甚大な影響があろうというものだ。そんなものなのだ、風紀なぞとは、所詮。

いまだにこの制服嫌いは徹底している。バスやタクシーの運転者の制服くらいなら反応しないが、ホテルの黒服などには過敏に反応する。客にはくそ丁寧をよそおいつつ、慇懃かつ無礼きわまるからである。こんなのに限って、同僚のベルボーイやウェイターには居丈高であったりする。
ときとして、トンチンカンにとっての制服とは、なにか、おのれはたれかより偉いト、愚かにも勘違いさせたりする。これが階級章をつけた制服の警察官や自衛官であると、もうそれだけで吾輩のアレルギーは危険水域にはいる。それが元となって、ずいぶん埒 ラチ もない、語るに落ちる、つまらない経験をした。それでもこのアレルギーだけは現在進行形、症状はますます重篤なのだ。

ところで横須賀。横須賀美術館《ラファエル前派からウィリアム・モリスへ》展覧である。
本展の図録を新宿私塾修了生Hさんが担当。ご案内もいただいたので気になっていた。しかし横須賀は制服アレルギーの発作がこわかったので逡巡していた。それでも会期終了が近づいたし、雲一点もなき快晴だし、行くか ! 
てっきり東京駅から古ぼけた横須賀線に乗って、チンタラ横須賀までいくものだとおもっていた。ところがノー学部が Website で調べた、分刻みの路線案内にしたがって、地下鉄でいく。どこかでそのまま京浜急行に乗り込んだようだが、ともかく新宿から地下鉄に乗って、乗り換え1回で京急馬堀駅に降り立つ。道中居眠りしていたせいもあって浦島太郎よろしくよくわからない。

ナント! 目が覚め、降り立った地下鉄 モトイ 京浜急行の馬堀海岸駅の眼前には、眩いまでの海が広がっていた。吾がふるさと信州信濃には海が無い。だから吾輩を含む信州人にとって、海は永遠の神秘(であるはず)。まして地下鉄に乗って居眠りを続けてきたから、地底から救出された銅鉱山の鉱夫のように、この衝撃はまぶしく大きい。

バスでチョイ、横須賀美術館に着く。景観に感激。海を借景にしたというとなにか変だが、海と山にはさまれた素晴らしい眺望だった。
まずは海を堪能しながら、ギャラリー・カフェでランチをとる。プチ贅沢をゆるす。写真はまた失敗したので、同館パンフレットのものを紹介。‘10年12月18日[土]は一点の雲もない、あっぱれ日本晴れだったのだが。
これでデジタルカメラの操作マニュアルなどという、技術屋の記述による、無味乾燥、これがわが国語かという、妙な文章にあふれた七面倒なものをみないで、撮影技術が伴えば鬼に金棒だ!

ここのところ、ジョン・ラスキン(John Ruskin 1819-1900 イギリスの芸術批評家・社会思想家)と、ラファエル前派との関連を折りに触れて調べていた。例のアーツ・クラフツ運動の理論的指導者として、この人物の存在が無視できなかった。それにしては翻訳書からの理解は歯がゆいものがあった。
だから横須賀美術館で、愛読書の『建築の七灯』『この後の者にも』の原著(ガラスケースに入っていたけど)を見たり、ラスキンの自筆のスケッチを見られたのには興奮した。
[この大聖堂のスケッチは、批評家というより、もはや素描家だな。ラスキンめ、なかなか巧いじゃないか]トおもう。

ただし、若きエリート画家(無謀で反抗的だったけど)が結集した、ロイヤル・アカデミー(王立美術学校)出身の、「ラファエル前派兄弟団  P R B」という若い画家集団の絵画(とりわけ第一世代、20代前半の作品)は、どこか意識過剰で、生硬で、消化不良をおこしているようで、少々辛かった。
また主題を構成する部分より、周辺細部の草花やら道具やらの、なにやら一見暗示的(神秘的?)な仕掛けばかりが目について、主題が散漫になっていた。
[ラスキンの奴メ、若けぇ画学生どもを、うまく煽ったな]── トおもった。

★ラファエル前派兄弟団 P R G
いまから160
年ほど前のことである。1848年09月、ロンドンの片隅に6人の画家と1人の作家が集まった。年齢は18歳から20歳、意欲と能力はあったが、まだまだ未熟、発展途上の造形者であった。中心メンバーは、ジョン・エヴァレット・ミレー(1829-96)、ウィリアム・ホルマン・ハント(1827-96)、ダンテ・ガブリエル・ロセッテイ(1828-82)らであった。

かれらは当時のイギリス画壇の潮流を、大胆不敵、一刀両断のもとに斬り捨てて、「ラファエル前派兄弟団 P R B-Pre-Raphaelite Brotherhood」と名乗った。その構成員の名前はしばらく内密にされ、作品にはただ「P R B」とだけしるされた。
[このあたり、悪戯半分で、中世アルチザンの秘密結社を真似たのかな?]
トすこしばかりおもう。

さらに大胆にも「ラファエル前派兄弟団」は、イタリア・ルネサンス期の巨匠、ラファエル(Raffaello Santi  1483-1520 ヴァチカン宮殿の壁画、サン-ピエトロ大聖堂の建築監督、ラファエロとも)をもっとも唾棄すべき存在として否定した。かれらはラファエルに代表される、ルネサンスよりも前の時代、すなわちそれまで暗黒の時代とされていた「中世」を賞揚すべき存在とした。
これはまた同時に、イタリア・ルネサンスを否定して、中世復古、ゴシック・リバイバルを意味することにつながった。乱暴に解釈すれば、秘技・秘術・錬金術バンザイでもあった。

そんなかれらが作品を発表すると、当然世上は辛辣な批判にあふれ、無理解のおおきな壁に突き当たった。もちろん異端は異端であるだけでは注目されない。「ラファエル前派兄弟団」にはそれだけの(批判をあびるほどの)理論構築と技倆がともなっていたということだ。
そのとき批評家ラスキンは、むしろ積極的に、この暴走族にも似た、無謀な若者のグループを支持したが、さすがにその「ラファエル前派兄弟団」の名前を「いささか滑稽な」と評した。
しかしながら19世紀の中葉、停滞した英国ヴィクトリア王朝美術の復興は、無謀で大胆な、美術学校の学生運動ともいえる、若者たちの破壊的な挑戦からはじまったことだけは特記されてよい。
─── それにしても現代の若者は「よゐこ(ぶった)」が多いとおもう。若者は生意気で、挑戦的であって良いのだ。そして老人はやかましくて、口うるさくて良いのだ。─── 話柄がそれた。戻りたい。

「ラファエル前派第二世代」とされるのが、画家のエドワード・バーン・ジョーンズ(1833-96)、ウィリアム・モリス(1834-96)である。このふたりはロイヤル・アカデミー(王立美術学校)の学生が中心だった第一世代とは異なり、オックスフォードのエクセター・カレッジに入学し、神学を学んだ。ふたりを結びつけたのは中世文化への傾倒だったが、その後急速にキリスト教社会主義と、ラスキンの社会思想の影響を受けるにいたった。

ジョーンズとモリスにいたって、あまりに教条主義的だった「ラファエル前派兄弟団」の写実性は、穏当なアルチザン(技芸者)とアーチスト(工芸者)のものへと変容を遂げた。かれらはまた書物と活字にも目を向けた。ここからはすでに語り尽くされ、わが国では「◯リス神話」まであるので割愛。

吾輩、すっかり若者の熱気にあおられ、久しぶりに血が熱くなった。展観を終えて、外に出ると、はや日はどっぷり暮れて満天の星。汽笛がボーッと鳴る。ほぼ桃源郷に遊ぶこころもち。
お腹がすいたので、走水神社前の和食店 ── というよりふるぼけた食堂に飛び込む。これがまた !! いいんですねぇ! ことばを失うほどのうまさ。そして安いときているから、いうことなし。

老店主は漁士で、息子夫婦が地魚の食堂を経営しているようだ。ピチピチのアジの刺身、サザエ、地タコ、ナマコを食す。いうことなし。美術と美食で満腹であるぞ。そういえば「美食同源」だったな、イヤ「画文同源、画文一致、そうか医食同源」だったかな? もはやなんでも良いぞ。旨かったから。

おお、忘れるところだった。
同館所蔵品特集《藤田 修 ── 深遠なるモノローグ》が常設展示場の一室で開催されていた。ここではじめて藤田修なる版画の異才を知った。とりわけフォトポリマー・グラヴェール技法と、レタープレス(活版)による「生まれるのに時があり」の作品に凍りつく。
「版画よ、額縁から脱出せよ!」「活版印刷よ、額縁にとりこまれるな!」── と念じている吾輩にとって、まさに欣快、ポンと膝を叩いて、やったな! の作品であった。
「やっぱりいたか。こんな造形者が、わが国にもな~」
のおもい。図録を 2 冊買って帰りの電車でみていたら、ナント! こちらの図録のデザインは、これまた新宿私塾修了生Mクンだった。みんなあちこちで大活躍しているなぁ。トいたく感激。

《ラファエル前派からウィリアム・モリスへ》は12月26日まで。23日(天皇誕生日)と、この週末の休みもある。その気になれば新宿から1時間半。荒らされるからあまり教えたくないが、美術館から徒歩 5 分、走水神社バス停前(行けばすぐわかるはず)には、新鮮・旨い・安い(店主夫妻は無愛想だし、チトきたないけどネ)、地魚食堂つきの旅である。図録は二点ともとてもすばらしかった。できたらつぎの週末、再度いきたいものである。
’10
年12月18日[土]、一点の雲無き快晴。21日[火]重い雲がのしかかる。曇天なり。日日之好日也

【展覧会】台東区立書道博物館|みんなが見たい優品展パート20 中村不折コレクションから|龍門二十品 -北朝の書を中心に-|’25年4月1日-7月13日|前後期二期制開催

台東区立書道博物館
みんなが見たい優品展パート20 中村不折コレクションから
龍門二十品 -りゅうもんにじっぴん-  -北朝の書を中心に-
期  間  2025年4月1日[火]- 7月13日[日]
          前期展示:4月  1日[火]-5月25日[日]
          後期展示:5月27日[火]-7月13日[日]
開館時間  午前9時30分 - 午後4時30分(入館は午後4時まで)
休  館  日  月曜日(祝休日と重なる場合は翌平日)、特別整理期間等
入館料金  一 般 500円、 小、中、高校生 250円
      * 各種割引、優待情報などは 下掲詳細 参照。
会場案内  台東区立書道博物館
      〠 110-0003 東京都台東区根岸2丁目10番4号
      TEL:03-3872-2645  FAX:03-3871-5467
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龍門二十品 -りゅうもんにじっぴん-」とは、中国三大石窟の一つである龍門石窟に刻された造像記の中から、優れた二十種を選んだものです。「龍門二十品」は、北魏時代の楷書の力強さと豊かさが存分に発揮されています。また、書道博物館創設者である中村不折が、書道研究を志す契機となった清国滞在中に入手した拓本でもあり、その後の不折の書道研究における方向性や不折白身の書風にも大きく寄与しました。
本展では、「龍門二十品」をはじめとする北魏時代の石刻拓本や敦煌写本など、北朝の書を中心に紹介し、中村不折が北朝の書の影響を受けた作品もあわせて展示いたします。
展示目録TES

※ 今後の諸事情により、会期や展示期間、展示作品などが変更になることがあります。あらかじめご了承ください。
※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 台東区立書道博物館 

【展覧会】女子美術大学美術館|女子美アートミュージアム|2025年度 女子美の先達たちと女子美染織コレクション展 春の装い|’ 25年3月25日-4月28日|終了

女子美術大学美術館
女子美アートミュージアム 2025年度
女子美の先達たちと女子美染織コレクション展 春の装い
会  期  2025年3月25日[火]- 4月28日[月]
時  間  10:00ー17:00(入館は16:30まで)
休  館  日  日曜・祝日休館、大学の一斉休業日
会  場  女子美アートミュージアム
      〠 252-8538 神奈川県相模原市南区麻溝台1900
             女子美術大学 相模原キャンパス10号館1階 ▷ アクセス
      TEL 042-778-6801   FAX 042-778-6815   E-mail-bsk☆venus.joshibi.jp
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✿ 女子美アートミュージアム
女子美術大学相模原キャンパス内にある展示施設。
相模原市の豊かな自然と美術が融合する環境で市民との交流を深め、地域社会の人々に親しまれる美術館を目指しています。年間6本程度の企画展をはじめ、講演会やギャラリートーク、ワークショップなどの教育普及活動も行っています。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 女子美術大学美術館 ]

【展覧会予告】大阪大学総合学術博物館|特別展 生誕100周年記念 松本奉山 ー 水墨画で世界を描くー|’ 25年4月26日-6月28日

大阪大学総合学術博物館
特別展  生誕100周年記念
松本奉山 ー 水墨画で世界を描くー
期  間  2025年4月26日[土]- 6月28日[土] * 会期内に展示替を予定。
会場案内  大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館 3階 多目的室
      〠 560-0043 大阪府豊中市待兼山町1-20
      Tel 06-6850-6284(10時30分-17時00分/日・祝休館) ▷ アクセス
時  間  10時30分 - 17時00分(最終入場16時30分)
休  館  日  日曜・祝日休館。ただし、5月3日[土・祝]は「いちょう祭」のため開館
協  力  今治城、大本山摩耶山天上寺、松本奉山水墨画会、
      大阪大学大学院人文学研究科、大阪大学文学部
主  催  大阪大学総合学術博物館
入場無料
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松本奉山(1925-2010、本名:松本由美子)は、水墨画で世界を描いた女性の画家です。大正14年(1925)愛媛県今治市に生まれ、昭和13年(1938)神戸市灘区に移り住み、17歳で松本尚山(1886-1970)の内弟子となり、厳しい指導のもと鍛錬を積みました。
最初、油絵志望であった奉山は「水墨画で自分の描きたいものが描けるのか」という葛藤を抱えていましたが、昭和38年(1963)の初渡米をきっかけに新たな画境を切り開き、前例のない水墨画を作り上げました。その後も、オーストラリア、ニュージーランド、ヨーロッパ各国、ブラジル、トルコなどで個展や席上揮毫を行い、世界をまたにかけて活躍しました。一方で、兵庫や琵琶湖、故郷の瀬戸内海など、日本の静かな風景に心を惹かれ連作を発表しました。
本展覧会では、奉山の初期から晩年にいたるまでの作品、スケッチブックなど、およそ100点を展示いたします。そのなかには、平成7年(1995)の阪神・淡路大震災で全壊した奉山の画室から救い出された資料も含まれています。今年は奉山の生誕100年であると同時に、阪神・淡路大震災から30年になります。この節目の年に、これまで未紹介であった作品を展示公開することで、奉山の功績を後世へ引き継ぐことができれば幸いです。

<展示構成(予定)>
◇ 序章 美山から奉山へ ―厳しい修行時代―
◇ 1 章  HOZAN開眼 ―世界へ羽ばたく水墨画―
◇ 2 章  静かな風景に心惹かれて ―日本美の再発見―
◇ 3 章  奉山芸術の到達点 ―墨色が奏でる最弱音(ピアニッシモ)―
◇ 終章 受け継がれる奉山の教え

下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 大阪大学総合学術博物館 ] 

【展覧会】三鷹市美術ギャラリー|三鷹天命反転中!! ── 荒川修作+マドリン・ギンズの死なないためのエクササイズ|Reversible Destiny NOW: Arakawa and Madeline Gins’ Exercises for Not Dying|’25年3月22日-5月18日|終了

三鷹市美術ギャラリー
三鷹天命反転中!! ── 荒川修作+マドリン・ギンズの死なないためのエクササイズ
Reversible Destiny NOW: Arakawa and Madeline Gins’ Exercises for Not Dying
会  期  2025年3月22日[土]- 5月18日[日]
会場案内  三鷹市美術ギャラリー
      〠 181-0013 東京都三鷹市下連雀3-35-1 CORALコラル5階
      電話 0422-79-0033  ▷ アクセス
開館時間  10:00 - 20:00(入館は19:30まで)
休  館  日  月曜日(5月5日は開館)、4月10日[木]、5月7日[水]
観  覧  料  一 般 1,000円 / 65歳以上・学生 (大・高) 500円 / 中学生以下 無料
      * 障害者手帳等をお持ちの方と付添の方1名は無料
      * 三鷹天命反転住宅見学会チケットをお持ちの方は本展観覧料(一般)2割引
      * チケット各種・割引・優待情報、関連イベント情報などは下掲詳細参照。
協  力  荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所(株式会社コーデノロジスト)
      Reversible Destiny Foundation
      関西大学環境都市工学部建築学科都市設計研究室
主  催  三鷹市、公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団
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三鷹市を東西に走る通称・東八道路。多くの車が利用するこの道路沿いに、ひときわ目を惹くカラフルな建物があります。鮮やかな14色の円柱形や立方体で構成されたこの建築物は、ニューヨークを拠点に活動した荒川修作+マドリン・ギンズが企画、デザインした《三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller》です。2005年に完成して今年で20年目を迎えるこの集合住宅は、現在では三鷹のランドマークの一つとして定着し住居やオフィスとして利用されています。

名古屋で生まれた荒川修作(1936-2010)は、1957年「第9回読売アンデパンダン」展へ初出品しアーティストとしての経歴をスタートさせました。ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ設立にも参加しますが早期に脱退し、1961年以降は活動の場をニューヨークに移します。ダダの巨匠マルセル・デュシャンとの交流を経て、図式絵画(ダイアグラム)を制作。さらに当地で出会ったマドリン・ギンズ(1941-2014)と共に、1963年から「意味のメカニズム」という知覚に関する思考実験を行い、世界的な評価を確立します。
荒川は、幼少期から人間の死に対する強い恐れと生命への関心を抱き、生涯を通してこのテーマに向き合いました。天命(宿命)に従う生き方から脱し、与えられた世界から自由になることを目指して、カンヴァスからインスタレーション、建築へと活動の場を拡大していきます。後年には自らを「コーデノロジスト-Coordinologist」と称し、芸術・哲学・科学の総合と、その実践を目指すものとして、天命反転都市という社会実験の実現にむけて活動しました。

本展では、《三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller》にいたるまでの、荒川 + ギンズの活動の軌跡を振り返るとともに、なぜ、どのようにして三鷹の地にこの住宅が誕生したのか ── を紐解いていきます。荒川 + ギンズが挑んだ数々のプロジェクトは、彼等が没した後も、私たちに新たな世界への視点を示してくれるのではないでしょうか。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 三鷹市美術ギャラリー ]   
[ 関 連 : Art 瓦版 アート・アーカイヴ資料展XXVII「交信詩あるいは書簡と触発:瀧口修造と荒川修作/マドリン・ギンズ
    ◉ 慶應義塾大学アート・センター 会期:2025年 3月17日[月]- 5月30日[金]
[ 参 考 : 岐阜県養老町養老公園 養老天命反転地 “予想もつかない不思議” と出会う! 巨大な体験型アート作品 ] 

【展覧会】渋沢史料館|企画展 渋沢栄一と喜賓会 ― 明治時代のインバウンドー|’25年2月22日ー5月11日|開展壹个月

渋沢史料館
企画展
渋沢栄一と喜賓会 ―明治時代のインバウンド―
会  期  2025年2月22日[土]ー 5月11日[日] ▷ 開館カレンダー 
休  館  日  月曜日、祝日の翌平日(月曜日が祝日の場合は開館)
開館時間  10:00 - 17:00  * 最終入館は16:30
会  場  渋沢史料館    企画展示室
      〠 114-0024 東京都北区西ケ原2-16-1 飛鳥山公園内
入  館  料  一 般 300円、小 中 高 100円
後  援  株式会社帝国ホテル、万博学研究会     
主  催  公益財団法人渋沢栄一記念財団 渋沢史料館
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渋沢栄一が力を注いだ外国人観光客誘致団体「喜賓会」の活動をご紹介します。
1893年(明治26)に創立した喜賓会(きひんかい/英語名 Welcome Society of Japan)は、外国人観光客誘致と、旅行者の支援を目的として活動した非営利の民間団体です。国際交流を重視する渋沢栄一は、創立から1914年(大正3)に解散するまで同会の活動に力を注ぎました。
喜賓会の活動は主に旅館・ホテルへの助言、通訳や旅行ガイドの監督奨励、見学先の調整、案内書や地図の発行など、近代的な旅行業のさきがけとも言えるものでした。
本企画展では、渋沢栄一がどのような思いで喜賓会の事業に尽力したのかを探ります。

< 展示構成 >
第1章 喜賓会の創立
第2章 喜賓会の活動
第3章 喜賓会が発行した旅行案内書
第4章 第五回内国勧業博覧会と喜賓会
第5章 喜賓会の解散

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 渋沢栄一記念財団 渋沢史料館 

【展覧会】京都市立芸術大学芸術資料館|herstories — 女性の視点でたどる美術史|’25年3月20日-5月25日|終了

京都市立芸術大学芸術資料館
herstories — 女性の視点でたどる美術史
会  期  2025年3月20日[木・祝]- 5月25日[日]
休  館  日  月曜日休館 * ただし 5月5日は開館、5月7日休館
開館時間  10:00 - 17:00
会場案内  京都市立芸術大学芸術資料館
      〠 600-8601 京都市下京区下之町57-1
      電 話 075-585-2008 FAX 075-585-2018 ▷ 交通・アクセス
主  催  京都市立芸術大学
観覧無料
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「herstories — 女性の視点でたどる美術史」は、京都市立芸術大学初の女性学長である赤松玉女の退任を記念し、女性の視点から美術史を再解釈する試みです。これまで男性中心で語られてきた美術史の中で、女性芸術家や教育者たちが果たしてきた役割に焦点を当て、多様な社会的・文化的背景を浮かび上がらせます。
本展では、赤松玉女を中心に、京都芸大の歴代女性教員たちの作品や教育活動を紹介し、彼女たちが紡いできた「herstories」(女性の物語)を描き出します。さらに、現代におけるジェンダーや多様性に関する対話を促進し、新しい美術史の構築を目指す場を提供します。

◇ 展示構成 ◇
本展では、芸術資料館の豊富なコレクションを中心として、一部借用作品も交え、本学の名誉教授、教員による作品に注目しながら、女性芸術家の表現の多様性を紹介します。
◇ 出品予定作家
赤松玉女  AKAMATSU Tamame
秋野不矩  AKINO Fuku
上野リチ  Felice [Lizzi] RIX-UENO
大串佐知子  OGUSHI Sachiko
重松あゆみ  SHIGEMATSU Ayumi
谷澤紗和子  TANIZAWA Sawako
唐仁原希  TOJINBARA Nozomi
ひろいのぶこ  HIROI Nobuko
◇ 関連行事
展覧会期間中、女性芸術家の活動とその意義を考察するため、
多様なイベントを実施します。

>京都市立芸術大学芸術資料館<
京都市立芸術大学芸術資料館は、平成3年(1991)京都市立芸術大学に設置された大学博物館で、美術系博物館に分類されます。博物館法第29条による博物館相当施設の指定を受けており、本学の博物館実習の受入施設となっています。
収蔵品は、学生の卒業作品と旧教員の作品及び美術工芸に関する参考資料で、明治13年(1880)に開校した京都府画学校以来の140年を超える歴史を受け継ぎ、写生や粉本を含めた総数は約4,300件に上ります。学内での教育活動はもとより、陳列室での一般公開や、展覧会への貸出しなどによって、広く利用に供しています。陳列室は大学C棟1階にあり、学年暦に応じて年間120日以上展示を行います。
京都と本学の歴史に根差した調査研究活動を通じて、積極的に作品と関連資料の収集を行い、近世から現代に至る貴重な資料の保存機関として、また市立の芸術大学としての責務を果たすため、社会への還元をめざしています。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 京都市立芸術大学芸術資料館
[ 参 考 : 文化庁 博物館法の一部を改正する法律(令和4年法律第24号)について ]

【展覧会】京都工芸繊維大学美術工芸資料館|鐔・髪飾りのかたちとデザイン ― 新収蔵品を中心に|’25年3月3日-7月12日|

京都工芸繊維大学美術工芸資料館
鐔・髪飾りのかたちとデザイン―新収蔵品を中心に
Shapes and Designs of Tsuba (Sword Guards) and Hair Ornaments:
Focusing on Newly Acquired Works
開催期間  2025年3月3日[月]- 7月12日[土]
休  館  日  日曜日・祝日
開館時間  10:00 - 17:00(入館は16:30まで)
会  場  京都工芸繊維大学美術工芸資料館 1階
      〠 606-8585 京都市左京区松ヶ崎橋上町
      電話番号 075-724-7924 ファックス 075-724-7920
入  館  料  一 般 200円、大学生 150円、高校生以下 無料
      * 各種割引、優待情報などは 下掲詳細 参照。
協  力  京都・大学ミュージアム連携
主  催  京都工芸繊維大学美術工芸資料館
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刀剣を装飾する刀装具は、鐔 -つば-と三所物と呼ばれる目貫 -めぬき・笄 -こうがい・小柄 -こづか- が代表的です。柄と鞘のあいだに位置する鐔は、接近戦の際に相手の刀を受け止めるために必要であり、中央の穴には刀身を、左右の穴には笄と小柄(小刀)を通します。これら刀装具には早くからさまざまな意匠がほどこされ、強さや吉祥をあらわすものもあれば、文学的な主題を扱ったものもあります。また、髷を整えるなど身だしなみのために用いられたとされる笄は、しだいに結髪後に挿し込んで髪を飾るものへと変化しました。笄に加えて櫛や簪は多様な髪型が生まれるのに伴って髪飾りとして発達し、多彩な意匠がほどこされました。
京都工芸繊維大学美術工芸資料館で刀装具や髪飾りの所蔵がされてきたのは、意匠性と機能性を兼ね備えるものとして、恰好なデザイン教材と考えられたからでしょう。このたび新たに鐔をはじめとする刀装具約670点と髪飾り約180点を収蔵し、大きくその幅を拡げることとなりました。
本展は、新たにコレクションに加わった刀装具や髪飾りの一部を公開するとともに、鐔を中心にそのデザイン教材としての可能性を探ります。鐔は円や角、木瓜などさまざまなかたちを持ち、戦いのための適切な大きさ・重さといった条件を満たしながらデザインされています。そんな鐔そして髪飾りのかたちとデザインを通して、日本において育まれてきた身に着けるものへ美を追い求める心に学んでいただければと思います。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 京都工芸繊維大学美術工芸資料館 ]